JP4630323B2 - 破壊強度に優れた熱交換器用銅合金管 - Google Patents

破壊強度に優れた熱交換器用銅合金管 Download PDF

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Description

本発明は、特に、HFC系フロンやCO2 などを冷媒とした熱交換器用として好適な、耐圧破壊強度及び加工性が優れた、高強度な熱交換器用銅合金管に関するものである。
例えば、エアコンの熱交換器は、主として、ヘアピン状に曲げ加工したU字形銅管(以下、銅管という場合は銅合金管も含む)と、アルミニウム又はアルミニウム合金板からなるフィン(以下、アルミニウムフィンという)から構成される。より具体的には、熱交換器の伝熱部は、U字形に曲げ加工した銅管をアルミニウムフィンの貫通孔に通し、U字形銅管内に治具を挿入して拡管することにより、銅管とアルミニウムフィンとを密着させる。そして、更に、このU字形銅管の開放端を拡管して、この拡管開放端部に、同じくU字形に曲げ加工したベンド銅管を挿入し、りん銅ろう等のろう材により、ベンド銅管を銅管の拡管開放端部にろう付けすることにより接続して、熱交換器とされる。
このため、熱交換器に使用される銅管には、基本特性としての熱伝導率とともに、上記熱交換器製作時の曲げ加工性及びろう付け性が良好であることが要求される。これらの特性が良好である銅管材料として、適切な強度を有するりん脱酸銅が、これまで広く使用されている。
一方、エアコン等の熱交換器に使用する冷媒には、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)系フロンが広く使用されてきた。しかし、HCFCはオゾン破壊係数が大きいことから、地球環境保護の点より、近年、その値が小さいHFC(ハイドロフルオロカーボン)系フロンが使用されるようになってきた。また、給湯器、自動車用空調機器又は自動販売機等に使用される熱交換器には、近年、自然冷媒であるCO2が使用されるようになってきた。
ただ、これらHFC系フロンやCO2を新しい冷媒にして、HCFC系フロンと同じ伝熱性能を維持するためには、運転時の凝縮圧力を大きくする必要がある。通常、熱交換器において、これらの冷媒が使用される圧力(熱交換器の伝熱管内を流れる圧力)は、凝縮器(CO2においてはガスクーラ)において最大となる。この凝縮器やガスクーラにおいて、例えば、HCFC系フロンのR22では1.8MPa程度の凝縮圧力である。これに対して、同じ伝熱性能を維持するためには、HFC系フロンのR410Aでは3MPa、またCO2冷媒では7乃至10MPa(超臨界状態)程度の凝縮圧力が必要である。したがって、これらの新たな冷媒の運転圧力は、従来の冷媒R22の運転圧力の1.6乃至6倍程度に増大している。
ところが、りん脱酸銅製伝熱管の場合、引張強さが小さいことから、これらの新冷媒による冷媒の運転圧力の増大に対応して、伝熱管を強化するためには、伝熱管の肉厚を厚くする必要がある。また、熱交換器の組立の際、ろう付け部は800℃以上の温度に数秒乃至数十秒間加熱されるため、ろう付け部及びその近傍ではその他の部分に比べて結晶粒が粗大化し、軟化により強度が低下した状態となってしまう。これらのことから、新冷媒の熱交換器に、りん脱酸銅製伝熱管を用いる場合には、これまでよりも肉厚をより厚くする必要がある。したがって、HFC系フロンやCO2の新冷媒に対して、伝熱管としてりん脱酸銅を使用すると、伝熱管の厚肉化の分だけ、熱交換器の質量が増大し、価格が上昇する。
このため、引張強さが高く、加工性が優れていて、良好な熱伝導率を有する伝熱管が、伝熱管の薄肉化のために、強く要望されるようになっている。この点、伝熱管の引張強さと肉厚との間には一定の関係がある。例えば、伝熱管内を流れる冷媒の運転圧力をP、伝熱管の外径をD、伝熱管の引張強さ(伝熱管長手方向)をσ、伝熱管の肉厚をt(内面溝付管の場合は底肉厚)とすると、これらの間には、P=2×σ×t/(D−0.8×t)の関係がある。この式を肉厚tに関して整理すると、t=(D×P)/(2×σ+0.8×P)となり、伝熱管の引張強さが大きいほど、肉厚を薄くできることがわかる。実際に伝熱管を選定する場合には、前記冷媒の運転圧力Pに、更に安全率S(通常2.5乃至4程度)を乗じた圧力に対して算出される引張強さ及び肉厚の伝熱管を使用する。
このような伝熱管の薄肉化の要望に応えるべく、りん脱酸銅に替えて、りん脱酸銅よりも強度が高い、Co−P系あるいはSn−P系などの銅合金管が従来から種々提案されている。例えば、Co−P系としては、Co:0.02〜0.2%、P:0.01〜0.05%、C:1〜20ppmを含有し、不純物の酸素を規制した、0.2%耐力と疲れ強さが優れた熱交換器用継目無銅合金管が提案されている(特許文献1参照)。
また、Sn−P系としては、Sn:0.1〜1.0%、P:0.005〜0.1%を含有し、OやHなどの不純物を規制し、Znを選択的に添加した組成からなり、更に平均結晶粒径が30μm以下であるような、熱交換器用銅合金管が提案されている(特許文献2、3、4参照)。
一方、伝熱管の破壊強度を高めるための技術としては、Al、Siなどの合金元素を添加した熱交換器用銅合金管が提案されている(特許文献5、6参照)。更に、Sn−P系の銅合金管ではないが、Snの量が多いりん青銅の銅合金板において、板の破壊強度を高めるために、X線回折強度で規定される集合組織を規定することが公知である(特許文献7参照)。
特開2000−199023号公報 特許3794971号公報 特開2004−292917号公報 特開2006−274313号公報 特開昭63−50439号公報 特開2003−301250号公報 特開2004−27331号公報
ところで熱交換器の伝熱管には、冷媒の運転圧力Pによって、伝熱管の長手方向よりも、管の円周方向(周方向とも言う)に大きな引張力が働く。このために、伝熱管の破壊では、この伝熱管の円周方向に加わる引張力によって、伝熱管に亀裂が生じて破壊に至る場合が多い。したがって、特にSn−P系などの銅合金管の伝熱管としての破壊強度を高めるためには、この銅合金管(伝熱管)の円周方向に加わる引張力に対して伝熱管の亀裂発生を抑制することが重要となる。
これに対して、銅合金管の破壊強度を高めるための前記従来技術では、特に薄肉化されたSn−P系などの銅合金管の、前記円周方向に加わる引張力によって発生する亀裂を抑制することができず、伝熱管としての破壊強度を十分に高めることができなかった。したがって、Sn−P系などの高強度化された銅合金管の場合でも、新冷媒による冷媒の運転圧力の増大に対応して、十分な破壊強度を得るためには、それなりの管肉厚が必要で、より薄肉化することが難しかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、伝熱管の円周方向に加わる引張力に対して、伝熱管の亀裂発生を抑制した、破壊強度に優れた熱交換器用銅合金管を提供することを目的とする。
上記目的のために、本発明破壊強度に優れた熱交換器用銅合金管の要旨は、Sn:0.1〜3.0質量%、P:0.005〜0.1質量%以下を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有し、平均結晶粒径が30μm以下であり、管の長手方向の引張強さが250MPa以上である銅合金管であって、この銅合金管がGoss方位の方位分布密度が4%以下であり、傾角5〜15°の小傾角粒界の割合が1%以上である集合組織を有することとする。
ここで前記銅合金管が、Zn:0.01〜1.0質量%を含有することが好ましい。更に、前記銅合金管が、Fe、Ni、Mn、Mg、Cr、Ti及びAgからなる群から選択された1種または2種以上の元素を合計で0.07質量%未満含有することが好ましい。
本発明は、Sn−P系銅合金管の破壊強度に優れさせるための前提として、平均結晶粒径を微細化させるとともに、管の長手方向の引張強さを一定以上の高強度とする。その上で、Sn−P系銅合金管の集合組織を制御して、伝熱管の円周方向に加わる引張力に対して、伝熱管の亀裂発生を抑制し、破壊強度に優れさせる。
本発明のSn−P系銅合金管の場合も、これらの集合組織の形成は銅合金管の製造過程、条件、熱処理方法によって勿論異なる。但し、この銅合金管では、通常は、特定方位の結晶面が特に多く存在するということはなく、Cube方位、Goss方位、Brass 方位(B方位ともいう)、Copper方位(Cu方位ともいう)、S方位などの主な各方位がランダムに存在する組織(集合組織)を有する。
本発明者らは、このような「ランダムな集合組織」であるSn−P系銅合金管の集合組織における上記各方位の、方位分布密度の値にすればそれほど大きくはない上記各方位の、破壊強度への影響を調査した。この結果、これら集合組織における上記各方位の内、特にGoss方位のみが破壊強度に大きく影響すること、他の各方位は互いの程度の差こそあれ、このGoss方位ほどには、破壊強度に大きく影響しないことを知見した。
Sn−P系銅合金管の集合組織において必然的に存在する、Goss方位の結晶面(結晶粒)の量(方位分布密度)は、「ランダムな集合組織」ゆえに決して多くは無い。しかし、例え、僅かな量であっても、Sn−P系銅合金管の集合組織におけるGoss方位は、銅合金管の破壊強度に悪影響を及ぼす。即ち、Sn−P系銅合金管の「ランダムな集合組織」における、Goss方位の方位分布密度がある程度以上になると、伝熱管の円周方向に加わる引張力に対する伝熱管の亀裂発生を助長して、銅合金管の破壊強度を著しく低下させる。
一方、伝熱管の破壊強度を高めるためには、伝熱管の円周方向に加わる引張力に対して、管円周方向において管の厚みを減少させながら変形する伸びが必要となる。前記した通り、伝熱管の長手方向よりもその円周方向に大きな引張力が働く伝熱管の破壊では、この伝熱管の円周方向に加わる引張力によって、伝熱管に亀裂が生じて破壊に至る場合が多い。このような、この伝熱管の円周方向に加わる引張力に対して、伝熱管の亀裂発生を抑制するためには、管円周方向において管の厚みを減少させながら変形できるような、管円周方向への伸び変形能力(特性)が必要となる。
ここで、本発明者らのもう一つの知見によれば、このような伝熱管の円周方向の伸び変形能力は、詳細なメカニズムは未だ不明であるが、伝熱管の円周方向の機械的な性質として、管円周方向の引張強さσTと伸びδとの互いのバランスに支配されているものと推考される。即ち、前記円周方向に加わる引張力によって発生する亀裂を抑制するためには、単に、伝熱管の管長手方向の引張強さσLや円周方向の引張強さσTを大きくすれば良いと言うものではない。前記した従来技術が、特に薄肉化されたSn−P系などの銅合金管の伝熱管としての破壊強度を十分に高めることができなかったのは、この知見が無いためであるとも推考される。
集合組織における各方位の結晶粒の特性からすると、Goss方位を有した結晶粒は、管長手方向(管の押出方向)に対する直角方向である、管円周方向におけるr値(塑性ひずみ比の値)が理論上は無限大に大きい。このため、Goss方位を有した結晶粒では、管円周方向において管の厚みが減少できない。言い換えると、銅合金管の集合組織に、Goss方位を有した結晶粒が多いと、管円周方向の引張強さσTと伸びδとの互いのバランスが崩れて、管円周方向の伸び変形能力が低下する。この結果、伝熱管の円周方向に加わる引張力に対して、管円周方向の変形ができにくくなり、伝熱管に亀裂が生じて破壊に至る可能性が高くなると推考される。
これに対して、本発明によれば、銅合金管の集合組織のGoss方位を有した結晶粒を少なくして、管円周方向の引張強さσTと伸びδとの互いのバランスを高め、管円周方向の伸び変形能力を高めることができる。この結果、伝熱管の円周方向に加わる引張力によっても、管円周方向に変形しやすく、伝熱管に亀裂が生じにくくなり(亀裂が生じる時間を遅らせて)、伝熱管(銅合金管)の破壊強度を増すことができる。
以下に、先ず、本発明のSn−P系銅合金管の集合組織(方位分布密度、結晶粒径)、特性(強度)について以下に説明する。
(集合組織)
本発明のSn−P(−Zn)系銅合金管では、前記した通り、通常は共通して、特定方位の結晶面が特に多く存在するということはなく、Cube方位、Goss方位、Brass 方位(B方位ともいう)、Copper方位(Cu方位ともいう)、S方位などの主な各方位の結晶面がランダムに存在する組織(集合組織)を有する。
本発明銅合金管は押出によって製造されるが、押出による銅合金管の場合も、圧延による板材の集合組織の場合と同様に、押出素管の押出面と押出方向(押出素管を圧延加工する場合は圧延面と圧延方向)で表される。押出面は{ABC}で表現され、押出方向は<DEF>で表現される。かかる表現に基づき、前記各方位は下記の如く表現される。
Cube方位 {001}<100>
Goss方位 {011}<100>
Rotated-Goss方位 {011}<011>
Brass 方位(B方位) {011}<211>
Copper方位(Cu方位) {112}<111>
(若しくはD方位{4 4 11}<11 11 8 >
S方位 {123}<634>
B/G方位 {011}<511>
B/S方位 {168}<211>
P方位 {011}<111>
(Goss方位の方位分布密度)
本発明は、平均結晶粒径を微細化させるとともに、管の長手方向の引張強さを一定以上の高強度とすることを前提として、特徴的には、Sn−P系銅合金管の集合組織におけるGoss方位の方位分布密度を4%以下として、破壊強度に優れさせる。
ここで、Sn−P系銅合金管の「ランダムな集合組織」におけるGoss方位を無くす(方位分布密度を0%とする)ことは、製造上困難である。したがって、本発明では、破壊強度向上の観点から、Sn−P系銅合金管の「ランダムな集合組織」における、Goss方位の方位分布密度の許容量を4%以下とし、できるだけGoss方位の方位分布密度を少なくする。
銅合金管の破壊強度に悪影響を及ぼし、銅合金管の破壊強度を著しく低下させるGoss方位の方位分布密度を4%以下と少なくすれば、前記した通り、管円周方向の引張強さσTと伸びδとの互いのバランスを高め、管円周方向の伸び変形能力を高めることができる。この結果、伝熱管の円周方向に加わる引張力によっても、管円周方向に変形しやすく、伝熱管に亀裂が生じにくくなり(亀裂が生じる時間を遅らせて)、伝熱管(銅合金管)の破壊強度を増すことができる。
これに対して、Goss方位の方位分布密度が4%を超えた場合、銅合金管の集合組織におけるGoss方位を有した結晶粒が多過ぎることとなる。このため、管円周方向の引張強さσTと伸びδとの互いのバランスが崩れて、管円周方向の伸び変形能力が低下する。この結果、伝熱管の円周方向に加わる引張力に対して、管円周方向の変形ができにくくなり、伝熱管に亀裂が生じて破壊に至る可能性が高くなり、伝熱管(銅合金管)の破壊強度を増すことができなくなる。
なお、本発明におけるGoss方位の方位分布密度を4%以下とする規定は、Sn−P系銅合金管の集合組織が、前記した通りの各方位がランダムに存在する集合組織の中での規定である。この点、Goss方位の方位分布密度も、通常のSn−P系銅合金管の製造範囲内であれば、通常でも、例えば、10数%程度を超えて大きくなることはまずない。しかし、このようなGoss方位の方位分布密度に、伝熱管(銅合金管)の破壊強度が優れるか劣るかの、臨界的な境界があることは、これまで知られていなかった。これは、Sn−P系銅合金管の集合組織自体もあまり知られておらず、更に、Sn−P系銅合金管の集合組織が「ランダムな集合組織」であり、Goss方位の方位分布密度も特別は大きくないために、これまであまり注目されなかったことにも一因があると推考される。
前記した通り、「ランダムな集合組織」を構成する、Goss方位以外の上記各方位は、通常のSn−P系銅合金管の製造範囲内であれば、通常の方位分布密度は各々10%以内と、例えば10数%程度を超えて大きくなることはまずない。そして、Goss方位以外の上記各方位は、この範囲であれば、互いの程度の差こそあれ、伝熱管(銅合金管)の破壊強度には、Goss方位ほどには大きく影響しない。
(方位分布密度の測定)
Sn−P系銅合金管のGoss方位の方位分布密度の測定は、銅合金管の長手方向(軸方向)に平行の面について、走査型電子顕微鏡SEM( Scanning Electron Microscope )による、後方散乱電子回折像EBSP(ElectronBackscatter Diffraction Pattern)を用いた結晶方位解析方法(SEM/EBSP法)により測定する。
上記EBSPを用いた結晶方位解析方法は、SEMの鏡筒内にセットした試料表面に電子線を照射してスクリーン上にEBSPを投影する。これを高感度カメラで撮影して、コンピュータに画像として取り込む。コンピュータでは、この画像を解析して、既知の結晶系を用いたシミュレーションによるパターンとの比較によって、結晶の方位が決定される。
この方法は、高分解能結晶方位解析法として、ダイヤモンド薄膜や銅合金などの結晶方位解析でも公知である。また、これらの結晶方位解析法の詳細は、神戸製鋼技報/Vol.52 No.2(Sep.2002)P66-70や、特開2007−177274号公報などに記載されている。更に、銅合金の結晶方位解析をこの方法で行なっている例は、特開2005−29857号公報、特開2005−139501号公報などにも開示されている。
上記EBSPを用いた結晶方位解析方法は、結晶粒毎の測定ではなく、指定した試料領域を任意の一定間隔で走査して測定し、かつ、上記プロセスが全測定点に対して自動的に行なわれるので、測定終了時には数万〜数十万点の結晶方位データが得られる。このため、観察視野が広く、多数の結晶粒に対する、平均結晶粒径、平均結晶粒径の標準偏差、あるいは方位解析の情報を、数時間以内で得られる利点がある。また、測定領域全体を網羅した多数の測定ポイントに関する上記各情報を得ることができる利点もある。
これに対して、集合組織の測定のために汎用されるX線回折(X線回折強度など)では、上記EBSPを用いた結晶方位解析方法に比して、結晶粒毎の比較的ミクロな領域の組織(集合組織)を測定していることとなる。このため、伝熱管(銅合金管)の破壊強度に影響する、比較的マクロな領域の組織(集合組織)を、上記EBSPを用いた結晶方位解析方法ほどには、正確に測定することができない。
この方法による結晶方位解析手順をより具体的に説明する。まず、製造した銅合金管の長手方向(軸方向)に平行の面から組織観察用の試験片を採取し、機械研磨およびバフ研磨を行った後、電解研磨して表面を調整する。このように得られた試験片について、例えば日本電子社製のSEMと、TSL社製のEBSP測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Macrograph)を用い、同システムの解析ソフトと(ソフト名「OIMAnalysis」)を用いて、各結晶粒が、対象とする方位(理想方位から10°以内)か否かを判定し、測定視野における方位密度を求める。
この際、測定される材料の測定領域を通常、六角形等の領域に区切り、区切られた各領域について、試料表面に入射させた電子線の反射電子から、菊地パターンを得る。この際、電子線を試料表面に2次元で走査させ、所定ピッチ毎に結晶方位を測定すれば、試料表面の方位分布を測定できる。次に、得られた上記菊池パターンを解析して、電子線入射位置の結晶方位を知る。即ち、得られた菊地パターンを既知の結晶構造のデータと比較し、その測定点での結晶方位を求める。同様にして、その測定点に隣接する測定点の結晶方位を求め、これら互いに隣接する結晶の方位差が、前記小傾角粒界の結晶方位の相違の下限5°よりも小さいものは同一の結晶面に属するものとする(見なす)。また、両方の結晶の方位差が前記小傾角粒界の結晶方位の相違の下限5°以上の場合には、その間(両方の六角形が接している辺など)を粒界とする。このようにして、試料表面の結晶粒界の分布を求める。測定視野範囲は、例えば500μm×500μm程度の領域とし、これを試験片の適当箇所数か所で測定を行い平均化する。
なお、これらの方位分布は厚み方向に変化しているため、厚み方向に何点か任意にとって平均をとることによって求める方が好ましい。但し、銅合金管は、厚みが肉厚1.0mm以下の薄肉であるため、そのままの厚みで測定した値でも評価できる。
(小傾角粒界の割合)
本発明では、上記Goss方位の方位分布密度の制御に加えて、破壊強度を更に向上させるために小傾角粒界の割合を更に規定する。即ち、Sn−P系銅合金管の集合組織における傾角5〜15°の小傾角粒界の割合を1%以上とする。
対象とするSn−P系銅合金管では、上記Goss方位の方位分布密度や、後述する平均結晶粒径だけでなく、小傾角粒界の割合も破壊強度に大きく影響する。Sn−P系銅合金管の集合組織において、元々小傾角粒界の割合は絶対的には小さい。しかし、この割合が小さい中でも、小傾角粒界の割合がより多くなれば、伝熱管の円周方向に加わる引張力によって亀裂が発生する際の「ひずみの集中」を避けることができ、上記Goss方位の方位分布密度制御と同様に、管円周方向の変形ができやすくなる。この結果、伝熱管に亀裂が生じにくくなり(亀裂が生じる時間を遅らせて)、伝熱管(銅合金管)の破壊強度を増すことができる。
したがって、確実に、Sn−P系銅合金管の破壊強度を向上させるためには、このような結晶粒界の長さとしての、小傾角粒界の全結晶粒界に対する割合を1%以上とすることが好ましい。この小傾角粒界の割合が1%未満と少なくなった場合には、上記Goss方位の方位分布密度を制御しても、破壊強度を向上できない場合が生じる可能性がある。
この小傾角粒界は、前記SEMにEBSPシステムを搭載した結晶方位解析法により測定した結晶粒界の内、結晶方位の相違が5〜15°と小さい結晶粒界である。結晶方位の相違が15°よりも大きい結晶粒界は大傾角粒界となる。本発明では、この小傾角粒界の割合が、前記結晶方位解析法により測定した、これら小傾角粒界の結晶粒界の全長(測定された全小傾角粒の結晶粒界の合計の長さ)の、同じく測定した、結晶方位の相違が5〜180°の結晶粒界の全長(測定された全結晶粒の結晶粒界の合計の長さ)に対する割合として1%以上とする。
即ち、小傾角粒界の割合(%)は、〔(5−15°の結晶粒界の全長)/(5−180°の結晶粒界の全長)〕×100として計算される。小傾角粒界の割合の上限は特に定めないが、30%程度が製造可能な限界である。
(平均結晶粒径)
本発明銅合金管では平均結晶粒径が30μm以下であることとする。厚みが比較的厚い場合にはあまり影響ないが、軽量化、薄肉化の要求により、伝熱管の厚みが特に200μm以下に薄肉化された場合には、この結晶粒径の大きさの影響が著しく大きくなる。即ち、平均結晶粒径が大きいと、伝熱管の円周方向に加わる引張力によって亀裂が発生する際の「ひずみの集中」を避けることができず、伝熱管に亀裂が生じやすくなる。この結果、上記Goss方位の方位分布密度や小傾角粒界の割合などの集合組織を制御しても、破壊強度を向上させることが困難となる。
また、銅合金管をエアコン等の熱交換器に組み込む際に、曲げ加工したときに、曲げ部に割れが発生しやすくなる。更に、銅合金管が熱交換器に加工されたとき、ろう付けによる熱影響を受けて結晶粒径が粗大化するが、予め平均結晶粒径を30μm以下に微細化させていないと、粗大化によって平均結晶粒径が100μmを超える可能性が高くなり、ろう付け部において耐圧強度の低下が大きくなる。このため、運転圧力が高いHFC系フロン冷媒及び炭酸ガス冷媒用の熱交換器に銅合金管を使用したときに信頼性が低下する。したがって、本発明銅合金管では平均結晶粒径が30μm以下に微細化させ、銅合金管の段階では結晶粒を粗大化させない。
この平均結晶粒径は、銅合金管の長手方向(軸方向)に平行の面について、JIS H0501に定められた切断法により、銅合金管の肉厚方向の平均結晶粒径を測定して、これを銅合金管の長手方向の任意の10箇所で測定した結果を平均し、平均結晶粒径(μm)とする。
(引張強さ)
本発明銅合金管では管長手方向(管軸方向)の引張強さσLを250MPa以上の高強度とする。銅合金管の厚みが肉厚1.0mm以下で、0.8mm程度に薄肉化された際に、前記新冷媒使用時の破壊強度(耐圧強度)を得るためには、前提として、250MPa以上の高強度化が必要である。また、銅合金管の強度が低いと、エアコン等の熱交換器に組み込んだときのろう付け後に低下する強度も十分に保証できない。
但し、幾ら銅合金管を高強度化しても、上記Goss方位の方位分布密度制御などの集合組織制御を行わなければ、却って、管円周方向の引張強さσTと伸びδとの互いのバランスが悪くなる。このため、特に薄肉化されたSn−P系などの銅合金管の伝熱管としての破壊強度を向上できない場合が生じる。
なお、本発明銅合金管では、小径な伝熱管を対象とするために、円周方向からの引張試験用の試験片採取ができない場合がある。このために、直接、管円周方向の引張強さσTを測定できない場合も起こり得るので、測定可能な、管長手方向の引張強さσLで強度を規定する。
(測定)
これらの銅合金管の集合組織と平均結晶粒径、強度は、熱交換器としての使用状態で効いてくるので、熱交換器用の最終製品として出荷される銅合金管、あるいは熱交換器としての組み立て前、熱交換器として組み立てた後(熱交換器としての使用中や使用後を含む)でも、ろう付けされている部分以外の部分の状態で規定する。したがって、本発明範囲内か否かは、これらの状態で、銅合金管の集合組織と平均結晶粒径、強度を測定して判断される。
(銅合金成分組成)
次に、本発明熱交換器用伝熱管の銅合金成分組成につき、以下に説明する。本発明では、銅合金の成分組成を、熱交換器用銅管としての要求特性を満たし、生産性も高いSn−P系銅合金とする。熱交換器用銅管の要求特性としては、熱伝導率が高く、熱交換器製作時の曲げ加工性及びろう付け性が良好であるなどを満たす必要がある。生産性としては、シャフト炉造塊や熱間押出が可能である必要がある。
このために、本発明銅合金の成分組成は、Sn:0.1〜3.0質量%、P:0.005〜0.1質量%以下を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成とする。これに、更に、選択的に、Zn:0.01〜1.0質量%を含有しても、Fe、Ni、Mn、Mg、Cr、Ti及びAgからなる群から選択された1種または2種以上の元素を合計で0.07質量%未満含有してもよい。以下に、これら銅合金成分組成の各元素の成分含有理由及び限定理由について説明する。
Sn:0.1乃至3.0質量%
Snは、銅合金管の引張り強さを向上させ、結晶粒の粗大化を抑制させる効果を有し、りん脱酸銅管に比べて、管の肉厚を薄くすることが可能になる。銅合金管のSn含有量が3.0質量%を超えると、鋳塊における凝固偏析が激しくなり、通常の熱間押出及び/又は加工熱処理により偏析が完全に解消しないことがあり、銅合金管の金属組織、機械的性質、曲げ加工性、ろう付け後の組織及び機械的性質が不均一となる。また、押出圧力が高くなり、Sn含有量が3.0質量%以下の銅合金と同一の押出圧力で押出成形するためには、押出温度を上げることが必要になり、それにより押出材の表面酸化が増加し、生産性の低下及び銅合金管の表面欠陥が増加する。一方、Snが0.1質量%未満であると、前記した十分な引張強さ及び細かい結晶粒径を得ることができなくなる。
P:0.005乃至0.1質量%
PはSnと同様、銅合金管の引張り強さを向上させ、結晶粒の粗大化を抑制させる効果を有し、りん脱酸銅管に比べて管の肉厚を薄くすることが可能になる。銅合金管のP含有量が0.1質量%を超えると、熱間押出時に割れが生じやすくなり、応力腐食割れ感受性が高くなると共に、熱伝導率の低下が大きくなる。P含有量が0.005質量%未満であると、脱酸不足により酸素量が増加してPの酸化物が発生し、鋳塊の健全性が低下し、銅合金管として曲げ加工性が低下する。一方、Pが0.005質量%未満であると、前記した十分な引張強さ及び細かい結晶粒径を得ることができなくなる。
Zn:0.01乃至1.0質量%
Znを含有することにより、銅合金管の熱伝導率を大きく低下させることなく、強度、耐熱性及び疲れ強さを向上させることができる。また、Znの添加により、冷間圧延、抽伸及び転造等に用いる工具の磨耗を低減させることができ、抽伸プラグ及び溝付プラグ等の寿命を延命させる効果があり、生産コストの低減に寄与する。Znの含有量が1.0質量%を超えると、管の長手方向や管円周方向の引張強さが却って低下し、破壊強度に低下する。また、応力腐食割れ感受性が高くなる。また、Znの含有量が0.01質量%未満であると、上述の効果が十分得られなくなる。従って、選択的に含有させる場合のZnの含有量は0.001乃至1.0質量%とすることが必要である。
Fe、Ni、Mn、Mg、Cr、Ti及びAgからなる群から選択された1種または2種以上の元素を合計0.07質量%未満
Fe、Ni、Mn、Mg、Cr、Ti及びAgはいずれも本発明の銅合金の強度、耐圧破壊強度、及び耐熱性を向上させ、結晶粒を微細化して曲げ加工性を改善する。ただ、前記元素の中から選択する1種または2種以上の元素の含有量が0.07質量%を超えると、押出圧力が上昇するため、これらの元素を添加しないものと同一の押出力で押出を行おうとすると、熱間押出温度を上げることが必要になる。これにより、押出材の表面酸化が多くなるため、本発明の銅合金管において表面欠陥が多発し、特に薄肉化されたSn−P系などの銅合金管の伝熱管としての破壊強度を向上できない。このため、選択的に含有させる場合には、Fe、Ni、Mn、Mg、Cr、Ti及びAgからなる群から選択された1種または2種以上の元素を合計0.07質量%未満とすることが望ましい。前記含有量は、0.05質量%未満とすることがより望ましく、0.03質量%未満とすることが更に望ましい。
不純物:
その他の元素は不純物であり、特に薄肉化されたSn−P系などの銅合金管の伝熱管としての破壊強度を向上させるために、含有量は極力少ない方が好ましい。しかし、これら不純物を低減するためのコストとの関係もあり、以下に、代表的な不純物元素の現実的な許容量(上限量)を示す。
S:
銅合金管のSは、Cuと化合物を形成して母相中に存在する。原料として用いる低品位銅地金、スクラップ等の配合割合が増加すると、Sの含有量が増える。Sは鋳塊時の鋳塊割れや熱間押出割れを助長する。また、押出材を冷間圧延したり、抽伸加工すると、Cu−S化合物が管の軸方向に伸張し、銅合金母相とCu−S化合物の界面で割れが発生しやすくなる。このため、加工中の半製品及び加工後の製品において、表面疵や割れ等になりやすく、特に薄肉化されたSn−P系銅合金管の伝熱管としての破壊強度を低下させる。また、管の曲げ加工を行う際、割れ発生の起点となり、曲げ部で割れが発生する頻度が高くなる。したがって、S含有量は0.005質量%以下、望ましくは0.003質量%以下、更に望ましくは0.0015質量%以下にする。S含有量を減らすためには、低品位のCu地金及びスクラップの使用量を少なくし、溶解雰囲気のSOxガスを低減し、適正な炉材を選定し、Mg及びCa等のSと親和性が強い元素を溶湯に微量添加する等の対策が有効である。
As、Bi、Sb、Pb、Se、Te等
S以外の不純物元素As、Bi、Sb、Pb、Se、Te等についても同様に、鋳塊、熱間押出材、及び冷間加工材の健全性を低下させ、特に薄肉化されたSn−P系などの銅合金管の伝熱管としての破壊強度を低下させる。したがって、これらの元素の合計含有量(総量)は0.0015質量%以下、望ましくは0.0010質量%以下、更に望ましくは0.0005質量%以下とすることが好ましい。
O:
銅合金管において、Oの含有量が0.005質量%を超えると、Cu又はSnの酸化物が鋳塊に巻き込まれ、鋳塊の健全性が低下し、特に薄肉化されたSn−P系などの銅合金管の伝熱管としての破壊強度を低下させる。このため、Oの含有量は好ましくは0.005質量%以下とすることが好ましい。曲げ加工性をより改善するには、Oの含有量を0.003質量%以下とすることが望ましく、0.0015%以下とすることが更に望ましい。
H:
溶解鋳造時に溶湯に取り込まれる水素(H)が多くなると、凝固時に固溶量が減少した水素が鋳塊の粒界に析出し、多数のピンホールを形成し、熱間押出時に割れを発生させる。また、押出後も圧延及び抽伸加工した銅合金管を焼鈍すると、焼鈍時にHが粒界に濃縮し、これに起因して膨れが発生しやすくなり、特に薄肉化されたSn−P系などの銅合金管の伝熱管としての破壊強度を低下させる。このため、Hの含有量を0.0002質量%以下とすることが好ましい。製品歩留りも含めて、破壊強度をより向上させるには、Hの含有量を0.0001質量%以下とすることが望ましい。なお、Hの含有量を低減するには、溶解鋳造時の原料の乾燥、溶湯被覆木炭の赤熱、溶湯と接触する雰囲気の露点の低下、りん添加前の溶湯を酸化気味にする等の対策が有効である。
(銅合金管の製造方法)
次に、本発明銅合金管の製造方法について、平滑管の場合を例として以下に説明する。本発明の銅合金管は、工程自体は常法により製造可能であるが、銅合金管の集合組織を前記した本発明規定内とするために必要な特別な条件もある。
先ず、原料の電気銅を木炭被覆の状態で溶解し、銅が溶解した後、Sn及びZnを所定量添加し、更に、脱酸を兼ねてCu−15質量%P中間合金としてPを添加する。このとき、Sn及びCu−P母合金の替わりに、Cu−Sn−Pの母合金を使用することもできる。成分調整が終了した後、半連続鋳造により所定の寸法のビレットを作製する。得られたビレットを加熱炉で加熱し、均質化処理を行なう。なお、熱間押出前に、ビレットを750乃至950℃に1分乃至2時間程度保持して均質化による偏析改善を行うことが望ましい。
その後、ビレットにピアシングによる穿孔加工を行い、750乃至950℃で熱間押出を行う。本発明の銅合金管を製造するには、Snの偏析解消及び製品管における組織の微細化の達成が前提として必要であるが、そのためには熱間押出による断面減少率([穿孔されたビレットのドーナツ状の面積−熱間押出後の素管の断面積]/[穿孔されたビレットのドーナツ状の面積]×100%)を88%以上、望ましくは93%以上とし、更に熱間押出後の素管を水冷等の方法により、表面温度が300℃になるまでの冷却速度が10℃/秒以上、望ましくは15℃/秒以上、更に望ましくは20℃/秒以上となるように冷却することが好ましい。
(押出素管組織)
ここで、熱間押出後の押出素管に加工組織が残っていると、製品であるSn−P系銅合金管の集合組織におけるGoss方位の方位分布密度を4%以下と少なくし、破壊強度に優れさせることが困難となる。加工組織の結晶粒は最終焼鈍などの焼鈍工程において、Goss方位の種として働き、Goss方位の結晶粒となりやすいためである。このため、熱間押出後の押出素管は、できるだけ加工組織が少ない再結晶組織とする必要がある。
一方で、Sn−P系銅合金管は、りん脱酸銅製伝熱管に比して高強度であるので、りん脱酸銅製伝熱管に比して、熱間押出機の能力にもよるが高い押出力が必要で、どうしても押出速度が遅くなりがちである。言い換えると、Sn−P系銅合金管を押出す場合には、常法では、時間がかかり、温度が低下するために、再結晶組織であるべき押出素管に加工組織が残る混粒組織となりやすくなる。この結果、製品であるSn−P系銅合金管の集合組織におけるGoss方位の方位分布密度を4%以下と少なくし、破壊強度に優れさせることが難かしい。
(加熱炉取り出しから熱間押出完了までの所要時間)
このように、熱間押出後の押出素管をできるだけ加工組織が少ない再結晶組織とするためには、加熱温度や熱間押出機の能力にも勿論よるが、現在汎用されている銅管の直接押出機や間接押出機の範囲では、加熱炉取り出しから熱間押出完了(水冷等の冷却後)までの所要時間をできるだけ短くして、5.0分以下、より好ましくは3.0分以下で行う必要がある。
次に、押出素管に圧延加工を行ない、外径と肉厚を低減させる。このときの加工率を断面減少率で92%以下とすることにより、圧延時の製品不良を低減できる。また、圧延素管に抽伸加工を行なって所定の寸法の素管を製造する。通常、抽伸加工は複数台の抽伸機を用いて行うが、各抽伸機による加工率(断面減少率)は35%以下にすることにより、素管における表面欠陥及び内部割れを低減できる。
(最終焼鈍処理)
その後、需要家において管に曲げ加工を行う場合及び抽伸管を使用して内面溝付管を製造する場合等には、抽伸管に最終の焼鈍処理を行い、調質種別でO材とする。本発明の銅合金管を連続的に焼鈍するには、銅管コイル等の焼鈍に通常使用されるローラーハース炉、又は高周波誘導コイルに通電しながら銅管を前記コイルに通す高周波誘導コイルによる加熱を利用することができる。ローラーハース炉によって本発明の銅合金管を製造するには、抽伸管の実体温度が400乃至700℃となり、その温度で抽伸管が1分乃至120分間程度加熱されるように焼鈍することが望ましい。また、室温から所定温度までの平均昇温速度が5℃/分以上、望ましくは10℃/分以上となるように加熱することが望ましい。
抽伸管の実体温度が400℃より低いと完全な再結晶組織にならず(繊維状の加工組織が残存)、需要家における曲げ加工及び内面溝付管の加工が困難になる。また、700℃を超える温度では、結晶粒が粗大化し、管の曲げ加工性が却って低下し、また内面溝付加工においては管の引張り強さが低下してしまうため、管長手方向の伸びが大きく、管内面のフィンを正しい形状に形成することが難しくなる。このため、抽伸管の実体温度が400乃至700℃の範囲で焼鈍することが望ましい。また、この温度範囲における加熱時間が1分より短いと、完全な再結晶組織にならないため、前述の問題が発生する。また、120分を超えて焼鈍を行っても、結晶粒径に変化がなく、焼鈍の効果は飽和してしまうため、前記温度範囲における加熱時間は1分乃至120分が適当である。
なお、上記のローラーハース炉による連続焼鈍に変えて、高周波誘導加熱炉を使用し、高速昇温、高速冷却、及び短時間加熱の焼鈍を行ってもよい。
(最終焼鈍後の製品管組織)
ここで、これらの最終焼鈍後の冷却速度が遅いと、冷却過程でGoss方位が発達しやすく、製品であるSn−P系銅合金管の集合組織における、Goss方位の方位分布密度を4%以下と少なくすることが難しくなる。また、前記傾角5〜15°の小傾角粒界の割合を1%以上とすることも難しくなり、結果として、破壊強度に優れさせることが困難となる。また、冷却速度が遅いと、冷却過程で結晶粒も粗大化しやすくなる。
(最終焼鈍後の冷却速度、最終焼鈍時の昇温速度)
このため、これらの最終焼鈍後の冷却速度は1.0℃/分以上、好ましくは5.0℃/分以上、より好ましくは20.0℃/分以上と、できるだけ速くする。また、結晶粒を粗大化させないためには、室温から所定温度までの平均昇温速度も速いほうが望ましい。昇温速度が5℃/分より遅いと、同じ温度に加熱しても結晶粒が粗大化しやすく、耐圧破壊強度及び曲げ加工性の点から望ましくないと共に、生産性を阻害することになる。従って、室温から所定温度までの平均昇温速度は5℃/分以上が望ましい。
以上が平滑管の製造方法であるが、このように焼鈍した平滑管に、必要に応じて各種加工率の抽伸加工を行い、引張り強さを向上させた加工管としてもよい。また、内面溝付管の場合は、焼鈍した平滑管に溝付転造加工を行う。このようにして、内面溝付管を製造した後、通常更に焼鈍を行う。また、このように焼鈍した内面溝付に、必要に応じて軽加工率の抽伸加工を行い、引張り強さを向上させてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。合金元素などの成分組成、集合組織を各々変えたSn−P系銅合金管(平滑管)を、製造条件なども変えて製造した。これら銅合金管の平均結晶粒径、Goss方位の方位分布密度や傾角5〜15°の小傾角粒界の割合などの組織、機械的な性質を調査するとともに、破壊強度を測定、評価した。これらの結果を表1、2に示す。
(平滑管の製造条件)
(a)電気銅を原料として、溶湯中に所定のSnを添加し、更に必要に応じて、Znを添加した後、Cu−P母合金を添加することにより、所定組成の溶湯を作製した。これら溶製した銅合金の成分組成を、銅合金管の成分組成として、表1に示す。
(b)鋳造温度1200℃で、直径300mm×長さ6500mmの鋳塊を半連続鋳造し、得られた鋳塊から、長さ450mmのビレットを切り出した。
(c)ビレットをビレットヒーターで650℃に加熱した後、加熱炉(インダクションヒーター)で950℃に加熱し、950℃に到達した後2分経過後、加熱炉から取り出し、熱間押出機で、ビレット中心に直径80mmのピアシング加工を施した後、直ちに(遅滞なく)、同じ熱間押出機で、外径96mm、肉厚9.5mmの押出素管を作製した(断面減少率:96.6%)。熱間押出後の押出素管の300℃までの平均冷却速度は40℃/秒とした。
(d)この際、発明例は、熱間押出後の押出素管を、できるだけ加工組織が少ない再結晶組織とするために、加熱炉取り出しから熱間押出完了(水冷等の冷却後)までの所要時間を、共通して5.0分以下の短時間で行った。これらの加熱炉取り出しから熱間押出完了までの所要時間を表2に示す。
(e)押出素管を圧延して、外径35mm、肉厚2.3mmの圧延素管を作製し、圧延素管を、1回の抽伸工程における断面減少率が35%以下になるように、引き抜き抽伸加工を繰り返し、外径9.52mm、肉厚0.80mmの銅合金管−O材を得た。
(f)最終焼鈍として、焼鈍炉にて、還元性ガス雰囲気中で、前記抽伸管を450乃至630℃に加熱し(平均昇温速度12℃/分)、この温度に30乃至120分保持し、冷却帯を通過させて室温まで徐冷し、供試材とした。
(g)この際、発明例は、これら最終焼鈍後の冷却速度は1℃/分以上のできるだけ速い冷却速度とした。これら最終焼鈍後の冷却速度を表2に示す。
これら製造した銅合金管(外径9.52mm、肉厚0.80mm、O材)の平均結晶粒径、Goss方位の方位分布密度や傾角5〜15°の小傾角粒界の割合などの組織、機械的な性質、破壊強度などの特性を表3に示す。なお、前記表1において、発明例、比較例の各例ともに、共通して、銅合金管のS含有量は0.005質量%以下、As、Bi、Sb、Pb、Se、Teの合計含有量(総量)は0.0005質量%以下、Oの含有量は0.003質量%以下、Hの含有量は0.0001質量%以下であった。
(引張試験)
管の長手方向と円周方向の引張強さは、前記製造した銅合金管を管長手方向に切れ目を入れて切り開き平らにした後に、長手方向と円周方向から試験片を切り出し、長さ29mm、幅10mmの引張試験片を作成して、その試験片をインストロン社製5566型精密万能試験機にて管長手方向の引張強さσLと、円周方向の引張強さσTと伸びとを測定した。なお、引張試験片は管を切り開いて平らにして引張強さを測定したが、円管と管を切り開いて平らにした材料の断面部分の硬度測定を行ったが同じ値を示し、管を切り開くことによる引張強さへの影響はないものと判断した。が250MPa以上であり、Goss方位の方位分布密度が4%以下である集合組織を有する。また、銅合金管の集合組織における傾角5〜15°の小傾角粒界の割合も1%以上である。
(集合組織)
前記製造した銅合金管の集合組織における、平均結晶粒径、Goss方位の方位分布密度や傾角5〜15°の小傾角粒界の割合などは前記したSEMにEBSPシステムを搭載した結晶方位解析法により測定した。
なお、発明例、比較例とも、Goss方位と同時に測定した、Goss方位以外の主要な方位の方位分布密度は、各々程度の差こそあれ、全て10%以下であり、共通して、特定方位の結晶面が特に多く存在するということはなく、各方位がランダムに存在する組織(集合組織)であった。ここで、方位分布密度を測定した主要な方位は、Cube方位、Rotated-Goss方位、Brass 方位(B方位)、Copper方位(Cu方位)、S方位、B/G方位、B/S方位、P方位である。
(破壊強度)
前記製造した銅合金管から300mmの長さの銅合金管を試験用に採取して、銅合金管の一方の端部を金属製治具(ボルト)にて耐圧的に閉塞した。そして、もう一方の開放側端部から、ポンプにて管内に負荷される水圧を徐々に高めていき(昇圧速度:1.5MPa/秒程度)、完全に管が破裂する際の水圧(MPa)を、ブルドン管式圧力計で読み取り、伝熱管の破壊強度(耐圧強度、耐圧性能、破壊圧力)とした。この試験を同一銅合金管に対して5回(試験管5個に対して)行い、各水圧(MPa)の平均値を破壊強度とした。
表1、2に示すように、発明例1〜14は、本発明範囲内の銅合金管成分組成を有し、加熱炉取出から押出完了までの時間が5.0分以内、最終焼鈍冷却速度が1.0℃ /分以上という、好ましい製造条件範囲内で製造されている。この結果、発明例は、銅合金管の平均結晶粒径が30μm以下であり、管の長手方向の引張強さσLが250MPa以上であり、Goss方位の方位分布密度が4%以下である集合組織を有する。また、銅合金管の集合組織における傾角5〜15°の小傾角粒界の割合も1%以上である。
この結果、発明例は、比較例に比して、管円周方向の引張強さσTと伸びのバランスに優れ、破壊強度に優れている。これら発明例の破壊強度性能は、前記したHFC系フロンR410AやCO2冷媒などの運転圧力、即ち、従来の冷媒R22の運転圧力の1.6乃至6倍程度の新たな冷媒の運転圧力に、薄肉化されても耐用可能であることを示している。
これに対し、比較例19、20は、本発明範囲内の銅合金管成分組成を有しているものの、比較例19は加熱炉取出から押出完了までの時間が5.0分を超えて長すぎ、比較例20は最終焼鈍冷却速度が1.0℃ /分未満と遅過ぎる。この結果、これら比較例は、銅合金管の平均結晶粒径が30μm以下であり、管の長手方向の引張強さσLが250MPa以上であるものの、Goss方位の方位分布密度が4%を超えて多すぎる集合組織を有する。この結果、これら比較例は、上記発明例に比して、銅合金管円周方向の引張強さσTと伸びのバランスが劣り、破壊強度に劣る。
比較例15、17は、Sn、Pの各含有量が下限未満と少なすぎる。このため、前記好ましい製造条件範囲内で製造され、Goss方位の方位分布密度が4%以下である集合組織を有するものの、銅合金管の長手方向や管円周方向の引張強さが発明例に比して劣り、破壊強度にも劣る。
比較例16、18は、Sn、Pの各含有量が上限を超えて多すぎる。このため、比較例16は、鋳塊における凝固偏析が激しく、銅合金管への熱間押出を中止した。また、比較例18は、熱間押出時に割れが生じて、銅合金管への熱間押出を中止した。したがって、これらは銅合金管の組織や特性の調査ができなかった。
比較例21はZnの含有量が上限を超えて多すぎる。このため、前記好ましい製造条件範囲内で製造され、Goss方位の方位分布密度が4%以下である集合組織を有するものの、銅合金管の長手方向や管円周方向の引張強さが発明例に比して劣り、破壊強度にも劣る。また、腐食促進試験にて応力腐食割れを生じたため、実用的ではない。
以上の結果から、新たな冷媒の高い運転圧力に、薄肉化されても耐用可能である、破壊強度に優れた銅合金管を得るための、本発明の成分組成、強度、集合組織の規定、更には、この集合組織を得るための好ましい製造条件の意義が裏付けられる。
Figure 0004630323
Figure 0004630323
本発明の銅合金管は、新たな冷媒の高い運転圧力に、1.0mm以下に薄肉化されても耐用可能である、破壊強度に優れている。このため、二酸化炭素及びHFC系フロン等の新しい冷媒を使用する熱交換器の伝熱管(平滑管及び内面溝付管)、前記熱交換器の蒸発器と凝縮器を接続する冷媒配管又は機内配管に使用することができる。また、本発明の銅合金管はろう付け加熱後も優れた耐圧破壊強度を有するため、ろう付け部を有する伝熱管、水配管、灯油配管、ヒートパイプ、四方弁及びコントロール銅管等に使用することができる。

Claims (3)

  1. Sn:0.1〜3.0質量%、P:0.005〜0.1質量%以下を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有し、平均結晶粒径が30μm以下であり、管の長手方向の引張強さが250MPa以上である銅合金管であって、この銅合金管がGoss方位の方位分布密度が4%以下であり、傾角5〜15°の小傾角粒界の割合が1%以上である集合組織を有することを特徴とする、破壊強度に優れた熱交換器用銅合金管。
  2. 前記銅合金管が、更に、Zn:0.01〜1.0質量%を含有する請求項1に記載の破壊強度に優れた熱交換器用銅合金管。
  3. 前記銅合金管が、更に、Fe、Ni、Mn、Mg、Cr、Ti及びAgからなる群から選択された1種または2種以上の元素を合計で0.07質量%未満含有する請求項1または2に記載の破壊強度に優れた熱交換器用銅合金管。
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