JP4630043B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関し、より詳しくは燃料電池システムにおける気液分離器の制御システムに関する。
燃料電池は、電解質膜を挟んでアノード極とカソード極とを備えている。水素を含むアノードガス(燃料ガス)がアノード極に供給されると、アノード極の触媒層において反応が生じ、アノードガス内の水素がプロトン(H+)と電子とに分かれ、プロトンは電解質膜中を通ってカソード極に移動し、電子は外部回路を通ってカソード極に移動する。そして、酸素を含むカソードガス(酸化剤ガス)がカソード極に供給されると、カソード極の触媒層において反応が生じ、カソードガス中の酸素とアノード極から移動してきたプロトンと電子とが反応して水が生成される。このとき、アノード極とカソード極との水蒸気差圧によって、カソード極で生成された水が電解質膜を透過してアノード極側に移動することがある。アノードガスに余分な液滴が含まれると発電効率が悪化するため、この余分な液滴を取り除くべく、アノードガスの流路には気液分離器が設置されている。
従来の気液分離器としては、例えば特許文献1に記載されているように、水回収タンクと、当該タンク内の水位を検出するための水位センサとを備えるものがある。そして、水回収タンクの水位が所定の水位に達したことを水位センサが検知すると、制御装置が水回収タンクのドレイン弁を開放して水を排出するようになっている。
なお、液滴を除去されたアノードガス(アノードオフガス)は、アノードガスの供給路に循環されて再利用される。
特開2002−124290号公報(段落0036〜0040、図2)
しかしながら、前記特許文献1に記載された従来の燃料電池システムでは、例えば自動車などの移動物体に搭載された場合に、水位センサが例えば傾斜地等の影響を受けてしまい、水回収タンク内の水量を誤検知してしまうおそれがある。すなわち、水位センサが、実際よりも水量を多く検知した場合には、アノードガスが余分に排出されてしまい、燃費の悪化を招くという問題がある。
一方、燃料電池システムを稼動し続けると、アノードガス内の不純物(たとえば液滴)が多くなってしまい、相対的に水素量が減少し、やはり発電効率が悪化することがある。かかる場合には、アノードガスをパージしてリフレッシュすることが必要となる。このとき、水回収タンクのドレイン弁を利用してアノードガスをパージすることが考えられるが、従来の制御システムでは、アノードガスのパージ量を考慮した制御を行うことができず、例えばアノードガスが余分に排出されることがあり、やはり燃費の悪化を招くという問題がある。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、適切なタイミングおよび時間でドレイン弁の開閉を制御する燃料電池システムを提供することを課題とする。
本発明の請求項1に係る燃料電池システムは、電解質を挟んでアノード極とカソード極とを有する燃料電池と、前記アノード極から排出されるアノードガスの流路上に設置され、当該アノードガス内に含まれる水を分離する気液分離器と、前記気液分離器で回収された水を排出する排出口を開閉するドレイン弁と、アノードガス温度を計測する温度センサと、前記燃料電池における発電電流値を計測する電流センサと、前記ドレイン弁の開閉を制御する制御手段と、を備える燃料電池システムであって、前記制御手段は、前記アノードガス温度前記発電電流値とから算出される凝縮水量に基づいて、前記気液分離器で回収される水の量から定まる水排出量に対応するドレイン開弁時間を算出し、当該ドレイン開弁時間に基づいて前記ドレイン弁を開閉することを特徴とする。
かかる構成によれば、燃料電池システムは、前記アノードガス温度と、前記発電電流値とに基づいて、前記気液分離器で回収される水の量から定まる水排出量に対応するドレイン開弁時間を算出し、当該ドレイン開弁時間に基づいて前記ドレイン弁を開閉する制御手段を備えることから、計算によって水排出量を把握してドレイン弁の開閉時間を定めることができる。そのため、燃料電池システムの傾斜などによる水排出量の誤検知を防止することができる。
本発明の請求項2に係る燃料電池システムは、請求項1に記載の燃料電池システムであって、前記制御手段は、発電電流値とアノードガス温度と結露水量との予め記憶された相関関係と、前記アノードガス温度と、前記発電電流値と、に基づいて単位時間当りの結露水量を算出する結露水量算出手段と、前記単位時間当りの結露水量に基づいて前記気液分離器で回収される水の量から定まる水排出量を算出する水排出量算出手段と、水排出量と前記水排出量に対応するドレイン開弁時間との予め記憶された相関関係と、前記水排出量とに基づいて、前記水排出量に対応するドレイン開弁時間を算出する第1ドレイン開弁時間算出手段と、前記水排出量に対応するドレイン開弁時間に基づいて前記ドレイン弁の開閉を制御するドレイン弁開閉制御手段と、を含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、燃料電池システムは、アノードガス温度と、発電電流値と、予め記憶された幾つかの相関関係データに基づいて水排出量およびドレイン開弁時間を算出し、これに基づいてドレイン弁の開閉を制御することができる。
本発明の請求項3に係る燃料電池システムは、請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムであって、前記制御手段は、さらに、前記アノードガス温度と、要求H2排出量とに基づいて、アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間を算出し、前記水排出量に対応するドレイン開弁時間と前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間とに基づいて前記ドレイン弁を開閉することを特徴とする。
かかる構成によれば、制御手段は、さらに、前記アノードガス温度と、要求H2排出量とに基づいて、アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間を算出し、前記水排出量に対応するドレイン開弁時間と前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間とに基づいて前記ドレイン弁を開閉することから、気液分離器で回収された水を排出する際にアノードガスもパージする場合において、排出されるアノードガスに含まれるH2の量を管理してドレイン弁を開閉することができる。このため、H2の無駄な放出を防止することができる。
ここで、要求H2排出量とは、一回に排出されるアノードガスに含まれるべきH2の量である。アノードガスの温度が低くなると、アノードガスの飽和水蒸気量が小さくなり、相対的にアノードガスに含まれるH2の量が大きくなる。逆に、アノードガスの温度が高くなると、アノードガスの飽和水蒸気量が大きくなり、相対的にアノードガスに含まれるH2の量が小さくなる。
本発明の請求項4に係る燃料電池システムは、請求項2に記載の燃料電池システムであって、前記制御手段は、アノードガス温度と要求H2排出量とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間との予め記憶された相関関係と、前記アノードガス温度と、要求H2排出量と、に基づいてアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間を算出する第2ドレイン開弁時間算出手段をさらに含み、前記ドレイン弁開閉制御手段は、前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間と前記水排出量に対応するドレイン開弁時間とに基づいて前記ドレイン弁の開閉を制御することを特徴とする。
かかる構成によれば、第2ドレイン開弁時間算出手段によって、アノードガス温度と要求H2排出量とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間との予め記憶された相関関係と、アノードガス温度と、要求H2排出量とに基づいて、アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間を算出することができることから、気液分離器で回収された水を排出する際にアノードガスもパージする場合において、排出されるアノードガスに含まれるH2の量を管理してドレイン弁を開閉することができる。これにより、H2の無駄な放出を防止することができる。
本発明の請求項5に係る燃料電池システムは、電解質を挟んでアノード極とカソード極とを有する燃料電池と、前記アノード極から排出されるアノードガスの流路上に設置され、当該アノードガス内に含まれる水を分離する気液分離器と、前記気液分離器で回収された水を排出する排出口を開閉するドレイン弁と、アノードガス温度を計測する第1温度センサと、カソードガス温度を計測する第2温度センサと、前記ドレイン弁の開閉を制御する制御手段と、を備える燃料電池システムであって、前記制御手段は、前記アノードガス温度前記カソードガス温度とから算出される凝縮水量に基づいて、前記気液分離器で回収される水の量から定まる水排出量に対応するドレイン開弁時間を算出し、当該水排出量に対応するドレイン開弁時間に基づいて前記ドレイン弁を開閉することを特徴とする。
かかる構成によれば、燃料電池システムは、前記制御手段は、前記アノードガス温度と、前記カソードガス温度とに基づいて、前記気液分離器で回収される水の量から定まる水排出量に対応するドレイン開弁時間を算出し、当該水排出量に対応するドレイン開弁時間に基づいて前記ドレイン弁を開閉する制御手段を備えることから、計算によって水排出量を把握してドレイン弁の開閉時間を定めることができる。そのため、燃料電池システムの傾斜などによる水排出量の誤検知を防止することができる。
本発明の請求項6に係る燃料電池システムは、請求項5に記載の燃料電池システムであって、前記制御手段は、前記アノードガス温度と、前記カソードガス温度とに基づいて、カソードガスとアノードガスの水蒸気分圧差を算出する水蒸気分圧差算出手段と、水蒸気分圧差とアノード極における単位時間当たりの結露水量との予め記憶された相関関係と、前記水蒸気分圧差とに基づいて、アノード極における単位時間当たりの結露水量を算出する結露水量算出手段と、前記単位時間当たりの結露水量に基づいて前記気液分離器で回収される水の量から定まる水排出量を算出する水排出量算出手段と、水排出量とドレイン開弁時間との予め記憶された相関関係と、前記水排出量とに基づいて、前記水排出量に対応するドレイン開弁時間を算出する第1ドレイン開弁時間算出手段と、前記水排出量に対応するドレイン開弁時間に基づいて前記ドレイン弁の開閉を制御するドレイン弁開閉制御手段と、を含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、アノードガス温度と、カソードガス温度またはカソードガス湿度と、予め記憶された幾つかの相関関係データとに基づいて、水排出量およびドレイン開弁時間を算出し、これに基づいてドレイン弁の開閉を制御することができる。そのため、燃料電池システムの傾斜などによる水排出量の誤検知を防止することができる。
本発明の請求項7に係る燃料電池システムは、請求項6に記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池システムは、アノードガス圧力を計測する圧力センサをさらに含み、前記制御手段は、前記アノードガス温度と、前記アノードガス圧力と、要求H2排出量とに基づいて、アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間を算出し、前記水排出量に対応するドレイン開弁時間と前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間とに基づいて前記ドレイン弁を開閉することを特徴とする。
かかる構成によれば、制御手段は、前記アノードガス温度と、前記アノードガス圧力と、要求H2排出量とに基づいて、アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間を算出し、前記水排出量に対応するドレイン開弁時間と前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間とに基づいて前記ドレイン弁を開閉することから、気液分離器で回収された水を排出する際にアノードガスもパージする場合において、排出されるアノードガスに含まれるH2の量を管理してドレイン弁を開閉することができる。このため、H2の無駄な放出を防止することができる。
本発明の請求項8に係る燃料電池システムは、請求項7に記載の燃料電池システムであって、前記制御手段は、前記アノードガス温度と、前記アノードガス圧力と、要求H2排出量とに基づいてアノードガス排出量を設定するアノードガス排出量設定手段と、アノードガス排出量とドレイン開弁時間との予め記憶された相関関係と、前記アノードガス排出量とに基づいて、前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間を算出する第2ドレイン開弁時間算出手段と、をさらに含み、前記ドレイン弁開閉制御手段は、前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間と前記水排出量に対応するドレイン開弁時間とに基づいて前記ドレイン弁の開閉を制御することを特徴とする。
かかる構成によれば、アノードガス排出量設定手段によって、前記アノードガス温度と、前記アノードガス圧力と、要求H2排出量とに基づいてアノードガス排出量が設定され、第2ドレイン開弁時間算出手段によって、アノードガス排出量とドレイン開弁時間との予め記憶された相関関係と、前記アノードガス排出量とに基づいて、前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間が算出され、前記ドレイン弁開閉制御手段によって、前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間と前記水排出量に対応するドレイン開弁時間とに基づいて前記ドレイン弁の開閉が制御されることから、気液分離器で回収された水を排出する際にアノードガスもパージする場合において、排出されるアノードガスに含まれるH2の量を管理してドレイン弁を開閉することができる。このため、H2の無駄な放出を防止することができる。
本発明の請求項9にかかる燃料電池システムは、請求項8に記載の燃料電池システムであって、前記アノードガス排出量設定手段は、前記アノードガス温度に基づいてアノードガス中の水蒸気分圧を算出する水蒸気分圧算出手段と、前記アノードガス圧力と、前記水蒸気分圧とに基づいてアノードガスの全圧と水素の分圧との圧力比を算出する圧力比算出手段と、前記アノードガスの全圧と水素の分圧との圧力比と、所定温度・所定圧力下における前記要求H2排出量と、前記アノードガス圧力と、前記アノードガス温度とに基づいて、アノードガス排出時におけるアノードガスの圧力と温度に対応したアノードガス排出量を算出するアノードガス排出量算出手段と、を含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、水蒸気分圧算出手段によって、前記アノードガス温度に基づいてアノードガス中の水蒸気の分圧が算出され、圧力比算出手段によって、前記アノードガス圧力と、前記水蒸気分圧とに基づいてアノードガスの全圧と水素の分圧との圧力比が算出され、アノードガス排出量算出手段によって、前記アノードガスの全圧と水素の分圧との圧力比と、所定温度・所定圧力下における前記要求H2排出量と、前記アノードガス圧力と、前記アノードガス温度とに基づいて、アノードガス排出時におけるアノードガスの圧力と温度に対応したアノードガス排出量が算出される。かかるアノードガス排出量に相当するアノードガスには、要求H2排出量に相当するH2が含まれていることから、このアノードガス排出量に基づいてドレイン弁を開閉制御すれば、H2の無駄な放出を防止することができる。
請求項10に記載の燃料電池システムは、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、アノードガス湿度を計測する第1湿度センサおよび/またはカソードガス湿度を計測する第2湿度センサをさらに備え、前記水蒸気分圧差算出手段は、前記アノードガス温度と、前記カソードガス温度と、前記アノードガス湿度および/または前記カソードガス湿度と、に基づいて、カソード極とアノード極の水蒸気分圧の差を算出することを特徴とする。
かかる構成によれば、水蒸気分圧差算出手段によって、アノードガス温度と、カソードガス温度と、アノードガス湿度および/またはカソードガス湿度とに基づいて、カソード極とアノード極の水蒸気分圧の差を算出することができるので、燃料電池システムの傾斜などによる水排出量の誤検知を防止することができる。また、第1湿度センサおよび/または第2湿度センサによって正確なアノードガス湿度および/またはカソードガス湿度を計測することができるので、飽和水蒸気圧に基づいて算出する場合に比してアノード極および/またはカソード極の水蒸気分圧をより正確に把握することができ、水排出量の計算精度を一層向上させることができる。
本発明の請求項1および請求項2に係る燃料電池システムによれば、アノードガス温度と、発電電流値と、に基づいて気液分離器からの水排出量を把握することができるため、燃料電池システムの姿勢の変化に影響されることがない。したがって、燃料電池システムの姿勢が変化する場合でも、水排出量を誤検知することなく、適切なタイミングおよび時間でドレイン弁の開閉を制御することができる。
また、本発明の請求項3および請求項4に係る燃料電池システムによれば、アノードガス温度と、要求H2排出量と、に基づいて、アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間を算出できることから、気液分離器で回収された水を排出する際にアノードガスもパージする場合において、排出されるアノードガスに含まれるH2の量を管理してドレイン弁を開閉することができる。そのため、H2を無駄に排出してしまうことがなく、燃費向上を図ることができる。
さらに、本発明の請求項5、請求項6および請求項10に係る燃料電池システムによれば、アノードガス温度またはアノードガス湿度と、カソードガス温度またはカソードガス湿度に基づいて気液分離器からの水排出量を把握することができるため、燃料電池システムの姿勢の変化に影響されることがない。したがって、燃料電池システムの姿勢が変化する場合でも、水排出量を誤検知することなく、適切なタイミングおよび時間でドレイン弁の開閉を制御することができる。
また、本発明の請求項7乃至請求項9に係る燃料電池システムによれば、アノードガス温度と、アノードガス圧力と、要求H2排出量と、に基づいて、要求H2排出量に対応するアノードガス排出量を算出できることから、気液分離器で回収された水を排出する際にアノードガスもパージする場合において、排出されるアノードガスに含まれるH2の量を管理してドレイン弁を開閉することができる。そのため、H2を無駄に排出してしまうことがなく、燃費向上を図ることができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
第1実施形態として、燃料電池で発電される発電電流値とアノードガスの温度とに基づいてドレイン弁の開閉時間を制御する燃料電池システムに本発明を適用した場合について説明する。
(燃料電池システム1の構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムを示した概略構成図である。
燃料電池システム1は、図1に示すように、燃料電池2と、アノードガスから水分を分離する気液分離器3と、分離された水の排出口を開閉するドレイン弁4と、アノードガスの温度を計測する温度センサ5と、燃料電池で発電された電流値を計測する電流センサ6と、ドレイン弁4の開閉を制御するECU7と、水素を貯蔵する水素タンク11と、エジェクタ12と、コンプレッサ13と、これらを結ぶアノードガス流路およびカソードガス流路と、燃料電池2から供給される電流で駆動する駆動装置14と、から構成されている。燃料電池システム1は、気液分離器3で分離・収集した水をドレイン弁4から排出するとともに、ドレイン弁4からアノードガスを排出するようになっている。
以下、当該燃料電池システム1の各構成要素について説明する。
(燃料電池2)
燃料電池2は、図1に示すように、電解質膜21を挟んでアノード極22とカソード極23とを備えている。アノード極22は、配管11a、12aを介して水素タンク11に接続され、水素を含むアノードガス(燃料ガス)が供給されるようになっている。また、アノード極22は、配管5aを介して気液分離器3に接続されている。カソード極23は、配管13aを介してコンプレッサ13に接続されており、酸素を含むカソードガス(酸化剤ガス、例えば空気)が供給されるようになっている。また、カソード極23は、配管13bを介してカソードガスおよび生成水を放出可能となっている。
アノードガスがアノード極22に供給されると、アノード極22の触媒層において反応が生じ、アノードガス内の水素がプロトン(H+)と電子とに分かれ、プロトンは電解質膜21中を通ってカソード極23に移動し、電子は外部回路6a、6bを通ってカソード極23に移動する。そして、カソードガスがカソード極23に供給されると、カソード極の触媒層において反応が生じ、カソードガス中の酸素とアノード極から移動してきたプロトンと電子とが反応して水が生成される。外部回路6a、6bは駆動装置14に接続されており、駆動装置14は燃料電池2から電流の供給を受けて駆動するようになっている。
(気液分離器3)
気液分離器3は、燃料電池2から排出されるアノードガスから水分を分離する装置であり、図1に示すように、配管5aを介して燃料電池2のアノード極22に接続されている。気液分離器3は、アノードガスから分離した水を貯留するタンクを備えている。また、気液分離器3は、配管3aを介してエジェクタ12に接続されており、気液分離器3で水分を分離されたアノードガスは、エジェクタ12によって吸い上げられて再び燃料電池2に供給される。さらに、気液分離器3は、排水口となる配管3bを備えており、回収した水を排出可能になっている。
(ドレイン弁4)
ドレイン弁4は、図1に示すように、気液分離器3の排水口である配管3bの途中に設けられており、配管3bを開閉可能になっている。また、ドレイン弁4は、後記するECU7に電気的に接続されており、ECU7からの信号を受けて開閉するようになっている。ドレイン弁4としては、例えばボール式、バタフライ式の電動弁などを用いることができる。
(温度センサ5)
温度センサ5は、アノード極22から排出されたアノードガスの温度を計測するセンサであり、図1に示すように、アノードガスの流路である配管5aに設置されている。また、温度センサ5は、後記するECU7に接続されており、計測したアノードガスの温度データをECU7に送信可能になっている。
(電流センサ6)
電流センサ6は、燃料電池2で発電された電流値(発電電流値)を計測するセンサであり、図1に示すように、燃料電池2と駆動装置14とを接続する外部回路6a上に設けられている。また、電流センサ6は、後記するECU7に接続されており、計測した発電電流値をECU7に送信可能になっている。
(ECU7)
図2は、ECUの構成を示したブロック図である。
ECU7は、いわゆる電子制御装置(Electrical Control Unit)であり、図1および図2に示すように、制御手段8と、データ記憶手段9とを備えている。ECU7は、温度センサ5と、電流センサ6に接続されており、各センサから送られてきたアノードガス温度と発電電流値に基づいてドレイン弁4の開弁時間(ドレイン開弁時間)を算出するようになっている。また、ECU7は、ドレイン弁4に接続されており、ドレイン開弁時間に対応した制御信号をドレイン弁4に送信するようになっている。
以下、制御手段8およびデータ記憶手段9の構成について図2を参照して詳しく説明する。
(制御手段8)
制御手段8は、例えば中央演算処理装置や記憶装置などによって構成され、図2に示すように、結露水量算出手段81と、水排出量算出手段82と、第1ドレイン開弁時間算出手段83と、要求H2排出量算出手段84と、第2ドレイン開弁時間算出手段85と、ドレイン弁開閉制御手段86と、を含んでいる。
(結露水量算出手段81)
結露水量算出手段81は、燃料電池2のアノード極22に結露する結露水量を算出する役割を果たすものである。具体的には、結露水量算出手段81は、温度センサ5および電流センサ6から受信したアノードガス温度データおよび発電電流値データに基づいて、後記する相関データ記憶手段に予め記憶されている発電電流値とアノードガス温度と結露水量との相関関係(図4(a)参照)に対応する相関データAを参照して、単位時間当りの結露水量xnを算出するようになっている。そして、結露水量算出手段81は、算出した単位時間当りの結露水量xnを計測時間tnと関連付けながら後記する結露水量記憶手段91に記憶するようになっている(図4(b)参照)。
なお、発電電流値とアノードガス温度と結露水量との相関関係については、後に詳しく説明する。
(水排出量算出手段82)
水排出量算出手段82は、気液分離器3に蓄えられた水の量から定まる水排水量Σxを
算出する役割を果たすものである。具体的には、水排出量算出手段82は、例えば前回の水排出時刻から所定時間が経過した場合に、結露水量記憶手段91に記憶された単位時間当りの結露水量を読み出してこれらを合計することにより水排水量Σxを算出するように
なっている。また、水排出量算出手段82は、算出した水排水量Σxについてのデータを
第1ドレイン開弁時間算出手段83に送信するようになっている。
(第1ドレイン開弁時間算出手段83)
第1ドレイン開弁時間算出手段83は、水排水量Σxに基づいて、水排水量Σxに対応
するドレイン開弁時間T1(以下、単に「ドレイン開弁時間T1」という場合がある。)を算出する役割を果たすものである。具体的には、第1ドレイン開弁時間算出手段83は、水排出量算出手段82から受信した水排出量Σxに基づいて、後記する相関データ記憶
手段92に予め記憶された水排出量と水排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係(図4(c)参照)に対応する相関データBを参照して、水排出量に対応するドレイン開弁時間T1を算出するようになっている。また、第1ドレイン開弁時間算出手段83は、算出した水排出量に対応するドレイン開弁時間T1を、ドレイン弁開閉制御手段86に送信するようになっている。
(要求H2排出量算出手段84)
要求H2排出量算出手段84は、発電電流値に基づいて要求H2排出量を算出する役割を果たすものである。具体的には、要求H2排出量算出手段84は、例えば前回の排出終了時から所定時間が経過すると、そのときの発電電流値を電流センサから読み取り、後記する相関データ記憶手段92に予め記憶された発電電流値と要求H2排出量との相関関係(図5(a)参照)に対応する相関データCを参照して、要求H2排出量を算出するようになっている。また、要求H2排出量算出手段84は、算出した要求H2排出量についてのデータを第2ドレイン開弁時間算出手段85に送信するようになっている。
なお、第1実施形態においては、発電電流値と要求H2排出量との相関関係から要求H2排出量を求めることとしたが、要求H2排出量は固定値であってもよい。
(第2ドレイン開弁時間算出手段85)
第2ドレイン開弁時間算出手段85は、要求H2排出量とアノードガス温度とに基づいてアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間T2(以下、単に「ドレイン開弁時間T2」という場合がある。)を算出する役割を果たすものである。具体的には、第2ドレイン開弁時間算出手段85は、要求H2排出量算出手段84から受信した要求H2排出量と、温度センサ5から受信したアノードガス温度とに基づいて、後記する相関データ記憶手段92に予め記憶された要求H2排出量とアノードガス温度とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係(図5(b)参照)に対応する相関データDを参照して、アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間T2を算出するようになっている。また、第2ドレイン開弁時間算出手段85は、算出したドレイン開弁時間T2を、ドレイン弁開閉制御手段86に送信するようになっている。
(ドレイン弁開閉制御手段86)
ドレイン弁開閉制御手段86は、水排出量に対応するドレイン開弁時間T1とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間T2とに基づいて、ドレイン弁4を開閉制御する役割を果たすものである。具体的には、ドレイン弁開閉制御手段86は、水排出量に対応するドレイン開弁時間T1とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間T2とを受信すると、これらの時間を合計し、合計時間に対応する制御信号を生成してドレイン弁4に送信するようになっている。
(データ記憶手段9)
データ記憶手段9は、例えばメモリ装置から構成され、図1、図2に示すように、結露水量記憶手段91と、相関データ記憶手段92とを含んでいる。データ記憶手段9は、制御手段8と接続されており、データの読み出し、書き込みができるようになっている。
(結露水量記憶手段91)
結露水量記憶手段91は、結露水量算出手段81で算出されたアノード極22における単位時間辺りの結露水量xnを記憶する役割を果たすものである。例えば、単位時間辺りの結露水量xnは、図4(b)に示すように、発電電流値の計測時間tnと関連付けられてデータベース化されて記憶される。
(相関データ記憶手段92)
相関データ記憶手段92は、アノードガス温度および発電電流値に基づいてドレイン開弁時間を算出するために必要な種々の相関関係をデータとして記憶する役割を果たすものである。相関データ記憶手段92には、(A)発電電流値とアノードガス温度と結露水量との相関関係と、(B)水排出量と水排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係と、(C)発電電流値と要求H2排出量との相関関係と、(D)要求H2排出量とアノードガス温度とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係と、に対応する4つの相関データA、B、C、Dが記憶されている。以下、これらの相関関係について図4および図5を参照して説明する。
(A)発電電流値とアノードガス温度と結露水量との相関関係
図4(a)は、発電電流値とアノードガス温度と結露水量との相関関係を模式的に示した図である。発電電流値とアノードガス温度と結露水量とは、図4(a)に示すように、発電電流値が大きくなるほど結露水量が大きくなるとともに、アノードガス温度が高くなるほど結露水量が大きくなる関係にある。かかる関係は、次のような原理に基づいて導き出される。
すなわち、発電電流値が大きいということは燃料電池2において電気化学反応が活発であるということであり、カソード極23における水の生成量が多くなる。また、アノードガス温度が高くなるということは、カソードガス温度も同様に高くなるということであり、例えば、アノードガス温度Taおよびカソードガス温度Tcがある割合で高くなると、アノードガスの水蒸気分圧Pwaおよびカソードガスの水蒸気分圧Pwcもある割合で高くなり、その結果、両者の差圧(Pwc−Pwa)もある割合で大きくなる。その結果、電解質膜21を透過して結露する生成水の量が多くなる。
なお、発電電流値とアノードガス温度と結露水量との相関関係は、例えば実験によって求めることができる。
(B)水排出量と水排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係
図4(c)は、水排出量と水排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係を模式的に示した図である。水排出量と水排出量に対応するドレイン開弁時間とは、水排出量が多いほどドレイン開弁時間が長くなるという、いわゆる比例関係にある。当該関係は、例えば実験によって求めることができるほか、排出口となる配管3bやドレイン弁4の開口径に基づいて設定することができる。
(C)発電電流値と要求H2排出量との相関関係
図5(a)は、発電電流値と要求H2排出量との相関関係を模式的に示した図である。発明者らは、研究の結果、図5に示す関係に基づいて要求H2排出量を設定するのが好適であることを見出した。すなわち、発電電流値が所定値よりも小さい範囲では、発電電流値に対して比例の関係となるように要求H2排出量を設定し、発電電流値が所定値よりも大きい範囲では、安全性の観点から要求H2排出量を頭打ちにするのが好適であることを見出し、図5に示すような関係を規定した。
なお、要求H2排出量は固定値であっても良い。かかる場合には、当該発電電流値と要求H2排出量との相関関係に替えて、固定値とした要求H2排出量をデータ記憶手段9に記憶させるとともに、要求H2排出量算出手段84を省略して第2ドレイン開弁時間算出手段85によって固定値とした要求H2排出量を読み出し、アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間T2を計算するようにしてもよい。
(D)要求H2排出量とアノードガス温度とドレイン開弁時間T2との相関関係
図5(b)は、要求H2排出量とアノードガス温度とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係を模式的に示した図である。要求H2排出量とアノードガス温度とドレイン開弁時間T2との関係は、図5(b)に示すように、要求H2排出量が大きくなるほどドレイン開弁時間T2が大きく(長く)なるとともに、アノードガス温度が高くなるほどドレイン開弁時間T2が大きく(長く)なる関係にある。かかる関係は、次のような原理に基づいて導き出される。
すなわち、アノードガス流路内におけるアノードガスの循環能力が一定であれば、要求H2排出量が大きくなるほどこれを排出するのに必要な時間(すなわちドレイン開弁時間T2)は当然に長くなる。また、アノードガスの温度が高くなるほどアノードガスに含まれる水蒸気の量が多くなり、相対的に、アノードガスに含まれるH2の量が少なくなる。その結果、アノードガスの温度が高いほど、要求H2排出量を含むアノードガスを排出するのに必要な時間は長くなる。
以上のことから、図5(b)に示すような相関関係を導き出すことができる。
(燃料電池システム1の動作)
つづいて、燃料電池システム1の動作について図3を参照(適宜図1、図2を参照)して説明する。図3は、燃料電池システムの動作の流れを示したフロー図である。
(ステップS1)
前回の水およびアノードガスの排出が完了すると、結露水量算出手段81は、温度センサ5および電流センサ6からアノードガス温度データおよび発電電流値データを受信し、相関データ記憶手段92に予め記憶されている発電電流値とアノードガス温度と結露水量との相関関係に対応する相関データAを参照して、単位時間当りの結露水量xnを算出する。
そして、結露水量算出手段81は、算出した単位時間当りの結露水量xnを、アノードガス温度の計測時間tnと関連付けながら結露水量記憶手段91に記憶する。なお、結露水量記憶手段91は、例えば前回の排出が完了した時点でリセットされている。
(ステップS2)
水排出量算出手段82は、前回の排出から所定時間が経過したか否かを判定する。前回の排出から所定時間が経過していない場合(ステップS2、No)には、ステップS1に戻って再び単位時間当りの結露水量xnを算出し、結露水量記憶手段91に記憶する。
(ステップS3)
前回の排出から所定時間が経過している場合(ステップS2、Yes)には、水排出量算出手段82は、結露水量記憶手段91に記憶されている単位時間当りの結露水量xnを合計して水排出量Σxを算出する。水排出量算出手段82は、算出した水排出量Σxを第
1ドレイン開弁時間算出手段83に送信する。
(ステップS4)
第1ドレイン開弁時間算出手段83は、水排出量算出手段82から水排出量Σxについ
てのデータを受信すると、相関データ記憶手段92に予め記憶された水排出量と水排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係(図4(c)参照)に対応する相関データBを参照して、水排出量に対応するドレイン開弁時間T1を算出する。第1ドレイン開弁時間算出手段83は、算出したドレイン開弁時間T1をドレイン弁開閉制御手段86に送信する。
(ステップS5)
つぎに、要求H2排出量算出手段84は、発電電流値を電流センサから読み取り、相関データ記憶手段92に予め記憶された発電電流値と要求H2排出量との相関関係(図5(a)参照)に対応する相関データCを参照して、要求H2排出量を算出する。そして、要求H2排出量算出手段84は、算出した要求H2排出量についてのデータを第2ドレイン開弁時間算出手段85に送信する。
(ステップS6)
第2ドレイン開弁時間算出手段85は、要求H2排出量を受信すると、温度センサ5からアノードガス温度を読み取るとともに、相関データ記憶手段92に予め記憶された要求H2排出量とアノードガス温度とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係(図5(b)参照)に対応する相関データDを参照して、アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間T2を算出する。第2ドレイン開弁時間算出手段85は、算出したドレイン開弁時間T2をドレイン弁開閉制御手段86に送信する。
(ステップS7)
ドレイン弁開閉制御手段86は、水排出量に対応するドレイン開弁時間T1とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間T2とを受信すると、これらの時間を合計し、合計時間に対応する制御信号を生成してドレイン弁4に送信する。これにより、ドレイン弁4は、水排出量に対応するドレイン開弁時間T1とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間T2との合計時間だけ開放されることとなり、気液分離器3に溜まった水と要求H2排出量に相当するH2を含むアノードガスとが排出される。
以上、第1実施形態に係る燃料電池システム1の構成と動作について説明したが、本発明は当該第1実施形態に限定されるものではない。
例えば、第1実施形態に係る燃料電池システム1は、気液分離器3で分離した水と、配管内のアノードガスとをドレイン弁4から排出することとしたが、アノードガスの排出については他の公知の制御方法で行うようにしてもよい。また、アノードガスについては、図示しないアノードガス用のパージ弁から排出することとし、ドレイン弁4からは気液分離器3で分離した水のみを排出してもよい。かかる場合には、要求H2排出量算出手段84と第2ドレイン開弁時間算出手段85とを省略するとともに、これらの手段84、85で用いる相関関係についても省略することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態として、アノードガスの温度と、アノードガスの圧力と、カソードガスの温度と、に基づいてドレイン弁の開閉時間を制御する燃料電池システム100に本発明を適用した場合について説明する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
第2実施形態に係る燃料電池システム100は、第1実施形態に係る燃料電池システム1と比較して、圧力センサ102を備える点と、第2温度センサ103を備える点と、前記電流センサ6が省略されている点と、制御手段108およびデータ記憶手段109に含まれる構成と、が相違している。以下、燃料電池システム100について、これらの相違点を中心に、図6乃至図9を参照して説明する。
(燃料電池システム100の構成)
図6は、本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムを示した概略構成図である。
燃料電池システム100は、図6に示すように、アノード極22から排出されるアノードガスの流路である配管5aに、アノードガスの温度を計測する第1温度センサ101と、アノードガスの圧力を計測する圧力センサ102と、を備えている。また、カソード極23から排出されるカソードガスの流路である配管13bに、カソードガスの温度を計測する第2温度センサ103を備えている。
(第1温度センサ101)
第1温度センサ101は、燃料電池2のアノード極22から排出されるアノードガスの温度を所定時間間隔で計測するものである。計測したデータは、後記する制御手段108に送信されるようになっている。
(圧力センサ102)
圧力センサ102は、燃料電池2のアノード極22から排出されるアノードガスの圧力を所定時間間隔で計測するものである。計測したデータは、後記する制御手段108に送信されるようになっている。
(第2温度センサ103)
第2温度センサ103は、燃料電池2のカソード極23から排出されるカソードガスの温度を所定時間間隔で計測するものである。計測したデータは、後記する制御手段108に送信されるようになっている。
(ECU107)
図7は、ECUの構成を示したブロック図である。
ECU107は、いわゆる電子制御装置(Electrical Control Unit)であり、図6および図7に示すように、制御手段108と、データ記憶手段109とを備えている。ECU107は、第1温度センサ101と、圧力センサ102と、第2温度センサ103とに接続されており、各センサから送られてきたアノードガス温度とアノードガス圧力とカソードガス温度とに基づいてドレイン弁4の開弁時間(ドレイン開弁時間)を算出するようになっている。また、ECU107は、ドレイン弁4に接続されており、ドレイン開弁時間に対応した制御信号をドレイン弁4に送信するようになっている。
以下、制御手段108およびデータ記憶手段109の構成について図7を参照して詳しく説明する。
(制御手段108)
制御手段108は、例えば中央演算処理装置などによって構成され、図7に示すように、アノード水蒸気分圧算出手段181Aと、カソード水蒸気分圧算出手段181Bと、水蒸気分圧差算出手段182と、結露水量算出手段183と、水排出量算出手段184と、第1ドレイン開弁時間算出手段185と、圧力比算出手段186と、アノードガス排出量算出手段187と、第2ドレイン開弁時間算出手段188と、ドレイン弁開閉制御手段189と、を含んでいる。
(アノード水蒸気分圧算出手段181A)
アノード水蒸気分圧算出手段181Aは、アノード極22から排出されたアノードガスの水蒸気分圧Pwaを計測する役割を果たすものである。具体的には、アノード水蒸気分圧算出手段181Aは、第1温度センサ101から送信されてくるアノードガス温度に関するデータに基づいて、当該アノードガス温度に対応する飽和水蒸気圧を算出するようになっている。アノード極22には結露水が豊富に存在することから、アノード極22の出口付近では、アノードガスは飽和していると考えられるので、「飽和水蒸気圧=アノードガスの水蒸気分圧Pwa」とすることができる。また、アノード水蒸気分圧算出手段181Aは、算出したアノードガスの水蒸気分圧Pwaを水蒸気分圧差算出手段182に送信するようになっている。
温度T(℃)における飽和水蒸気圧E(hPa)は、例えば次式(1)に示すTetensの式を用いて計算することができる。
Figure 0004630043
また、飽和水蒸気圧は、たとえば図10の温度T(℃)と飽和水蒸気圧E(hPa)との相関関係を示すマップ値を参照して求めてもよい。なお、温度T(℃)と飽和水蒸気圧E(hPa)との相関関係を示すマップ値は、例えば実験により求めることができる。当該マップ値は、例えば後記する相関データ記憶手段192に記憶される。
(カソード水蒸気分圧算出手段181B)
カソード水蒸気分圧算出手段181Bは、カソード極23から排出されたカソードガスの水蒸気分圧Pwcを計測する役割を果たすものである。具体的には、カソード水蒸気分圧算出手段181Bは、第2温度センサ103から送信されてくるカソード温度に関するデータに基づいて、当該カソード温度に対応する飽和水蒸気圧を算出するようになっている。カソード極23には生成水が豊富に存在することから、カソード極の出口付近ではカソードガスは飽和していると考えられるので、「飽和水蒸気圧=カソードガスの水蒸気分圧Pwc」とすることができる。また、カソード水蒸気分圧算出手段181Bは、算出したカソードガスの水蒸気分圧Pwcを水蒸気分圧差算出手段182に送信するようになっている。なお、飽和水蒸気圧の計算は、アノードガスの場合と同様に行うことができる。
(水蒸気分圧差算出手段182)
水蒸気分圧差算出手段182は、アノードガスの水蒸気分圧Pwaとカソードガスの水蒸気分圧Pwcとの分差圧(水蒸気分圧差△Pw)を算出するものである。水蒸気分圧差算出手段182は、算出した水蒸気分圧差△Pwを結露水量算出手段183に送信するようになっている。なお、水蒸気分圧差△Pwは、次式(2)によって計算される。
△Pw=Pwc−Pwa ・・・ 式(2)
(結露水量算出手段183)
結露水量算出手段183は、燃料電池2のアノード極22に結露する結露水量を算出する役割を果たすものである。具体的には、結露水量算出手段183は、水蒸気分圧差算出手段182から送信される水蒸気分圧差△Pwに基づいて、後記する相関データ記憶手段192に予め記憶されている水蒸気分圧差△Pwと結露水量との相関関係(図9参照)に対応する相関データEを参照して、単位時間当りの結露水量xnを算出するようになっている。そして、結露水量算出手段183は、算出した単位時間当りの結露水量xnをアノードガス温度(またはカソードガス温度)の計測時間tnと関連付けながら後記する結露水量記憶手段191に記憶するようになっている。
(水排出量算出手段184)
水排出量算出手段184は、気液分離器3に蓄えられた水の量から定まる水排水量Σx
を算出する役割を果たすものである。具体的には、水排出量算出手段184は、例えば前回の水排出時刻から所定時間が経過した場合に、結露水量記憶手段191に記憶された単位時間当りの結露水量を読み出してこれらを合計することにより水排水量Σxを算出する
ようになっている。また、水排出量算出手段184は、算出した水排水量Σxについての
データを第1ドレイン開弁時間算出手段184に送信するようになっている。
(第1ドレイン開弁時間算出手段185)
第1ドレイン開弁時間算出手段185は、水排水量Σxに基づいてドレイン弁4を開放
する時間T1(水排水量Σxに対応するドレイン開弁時間T1)を算出する役割を果たす
ものである。具体的には、第1ドレイン開弁時間算出手段185は、水排出量算出手段184から送信される水排出量Σxに基づいて、後記する相関データ記憶手段192に予め
記憶された水排出量と水排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係(図4(c)参照)に対応する相関データFを参照して、水排出量に対応するドレイン開弁時間T1を算出するようになっている。また、第1ドレイン開弁時間算出手段185は、算出したドレイン開弁時間T1を、ドレイン弁開閉制御手段189に送信するようになっている。
(圧力比算出手段186)
圧力比算出手段186は、アノードガスの全圧Pとアノードガス中のH2の分圧PH2との圧力比P/PH2を算出する役割を果たすものである。具体的には、圧力比算出手段186は、アノード水蒸気分圧算出手段から送信されるアノードガスの水蒸気分圧Pwaと、圧力センサ102で計測されるアノードガスの全圧Pと、に基づいて、次式(3)により、アノードガスの全圧Pとアノードガス中のH2の分圧PH2との圧力比を算出するようになっている。
P/PH2=P/(P−Pwa) ・・・ 式(3)
また、圧力比算出手段186は、算出した圧力比P/PH2をアノードガス排出量算出手段187に送信するようになっている。
(アノードガス排出量算出手段187)
アノードガス排出量算出手段187は、ドレイン弁4から排出すべきアノードガスの排出量を算出する役割を果たすものである。具体的には、アノードガス排出量算出手段187は、まず、圧力比算出手段186から送信される圧力比P/PH2と、後記する要求H2排出量記憶手段193に予め記憶された0℃、1気圧における要求H2排出量VH2と、に基づいて、0℃、1気圧における要求H2排出量に対応するアノードガス排出量Va0を次式(4)により算出するようになっている。
a0=VH2×P/PH2 ・・・ 式(4)
そして、アノードガス排出量算出手段187は、アノードガス圧力とアノードガス温度とに基づいて、0℃、1気圧における要求H2排出量に対応するアノードガス排出量Va0を、アノードガス排出時のアノードガス温度および圧力下における要求H2排出量に対応するアノードガス排出量Va(以下、単に「アノードガス排出量Va」という場合がある。)に換算するようになっている。
なお、ここでは、0℃、1気圧における要求H2排出量VH2を予め記憶しておくこととしたが、これに限られるものではなく、所定の温度、気圧の下における要求H2排出量VH2を予め記憶しておき、これによって求めたアノードガス排出量を排出時のアノードガスの温度と圧力で換算するようにしてもよい。
(第2ドレイン開弁時間算出手段188)
第2ドレイン開弁時間算出手段188は、アノードガス排出量算出手段187で算出したアノードガス排出量Vaに基づいて、アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間T2(以下、単に「ドレイン開弁時間T2」という場合がある。)を算出する役割を果たすものである。具体的には、第2ドレイン開弁時間算出手段188は、アノードガス排出量算出手段187で算出したアノードガス排出量Vaに基づいて、後記する相関データ記憶手段192に予め記憶されたアノードガス排出量Vaとドレイン開弁時間T2との相関関係(図5(b)参照)に対応する相関データGを参照して、ドレイン開弁時間T2を算出するようになっている。また、第2ドレイン開弁時間算出手段188は、算出したドレイン開弁時間T2を、ドレイン弁開閉制御手段189に送信するようになっている。
(ドレイン弁開閉制御手段189)
ドレイン弁開閉制御手段189は、水排出量に対応するドレイン開弁時間T1とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間T2とに基づいて、ドレイン弁4を開閉制御する役割を果たすものである。具体的には、ドレイン弁開閉制御手段189は、第1ドレイン開弁時間算出手段185から送信される水排出量に対応するドレイン開弁時間T1と、第2ドレイン開弁時間算出手段188から送信されるアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間T2とを合計し、合計時間に対応する制御信号を生成してドレイン弁4に送信するようになっている。
(データ記憶手段109)
データ記憶手段109は、例えばメモリ装置などから構成され、図7に示すように、結露水量記憶手段191と、相関データ記憶手段192と、要求H2排出量記憶手段193と、を含んでいる。データ記憶手段109は、制御手段108と接続されており、データの読み出し、書き込みができるようになっている。結露水量記憶手段191については、第1実施形態における結露水量記憶手段91と共通することからその説明は省略することとし、ここでは、相関データ記憶手段192と要求H2排出量記憶手段193とについて説明する。
(相関データ記憶手段192)
相関データ記憶手段192は、アノードガス温度、アノードガス圧力およびカソードガス温度に基づいてドレイン開弁時間を算出するために必要な種々の相関関係をデータとして記憶する役割を果たすものである。相関データ記憶手段192には、(A)水蒸気分圧差と結露水量との相関関係と、(B)水排出量と水排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係と、(C)アノードガス排出量とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係と、の3つの相関関係に対応するデータが記憶されている。(B)水排出量と水排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係については、第1実施形態と共通することから、ここでは前記(A)および(C)の相関関係について図9を参照して説明する。
(A)水蒸気分圧差と結露水量との相関関係
図9(a)は、水蒸気分圧差と結露水量との相関関係を模式的に示した図である。水蒸気分圧差と結露水量とは、水蒸気分圧差△Pwが大きいほどアノード極22に逆透過してくる生成水の量が多くなるという、いわゆる比例関係にある。当該関係は、例えば実験によって求めることができる。
(C)アノードガス排出量とドレイン開弁時間T2との相関関係
図9(b)は、アノードガス排出量とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係を模式的に示した図である。アノードガス排出量とドレイン開弁時間T2とは、いわゆる比例関係にある。当該関係は、例えば実験によって求めることができるほか、排出口となる配管3bやドレイン弁4の開口径に基づいて設定することができる。
(要求H2排出量記憶手段193)
要求H2排出量記憶手段193は、排出するアノードガスに含まれるべきH2の量を示す要求H2排出量を記憶する役割を果たすものである。当該要求H2排出量は、例えば、0℃、1気圧におけるH2の体積(NL、ノルマルリットル)で規定される。
(燃料電池システム100の動作)
つづいて、第2実施形態に係る燃料電池システム100の動作について図8を参照(適宜図6乃至図9を参照)して説明する。図8は、燃料電池システムの動作の流れを示したフロー図である。
(ステップS101)
前回の水およびアノードガスの排出が完了すると、アノード水蒸気分圧算出手段181Aは、第1温度センサ101からアノードガス温度を取得し、アノードガスの水蒸気分圧Pwaを算出する。また、カソード水蒸気分圧算出手段181Bは、第2温度センサ103からカソードガス温度を取得し、カソードガスの水蒸気分圧Pwcを算出する。アノード水蒸気分圧算出手段181Aおよびカソード水蒸気分圧算出手段181Bは、算出した水蒸気分圧Pwa、Pwcを水蒸気分圧差算出手段182に送信する。
(ステップS102)
水蒸気分圧差算出手段182は、アノードガスの水蒸気分圧Pwaと、カソードガスの水蒸気分圧Pwcとを受信すると、前記式(2)を用いて水蒸気分圧差△Pwを算出する。水蒸気分圧差算出手段182は、算出した水蒸気分圧差△Pwを結露水量算出手段183に送信する。
(ステップS103)
結露水量算出手段183は、水蒸気分圧差△Pwを受信すると、相関データ記憶手段192に記憶されている水蒸気分圧差と結露水量との相関関係(図9(a)参照)を参照して、アノード極22における単位時間辺りの結露水量xnを算出する。そして、結露水量算出手段183は、算出した単位時間辺りの結露水量xnを、アノードガス温度およびカソードガス温度の計測時間tnと関連付けながら結露水量記憶手段191に記憶する。なお、結露水量記憶手段191は、例えば前回の水とアノードガスの排出が完了した時点でリセットされている。
(ステップS104)
水排出量算出手段184は、前回の排出から所定時間が経過したか否かを判定する。前回の排出から所定時間が経過していない場合(ステップS104、No)には、ステップS101に戻って再び単位時間当りの結露水量xnを算出する。
(ステップS105)
前回の排出から所定時間が経過している場合(ステップS104、Yes)には、水排出量算出手段184は、結露水量記憶手段191に記憶されている単位時間当りの結露水量xnを合計して水排出量Σxを算出する。水排出量算出手段184は、算出した水排出
量Σxを第1ドレイン開弁時間算出手段185に送信する。
(ステップS106)
第1ドレイン開弁時間算出手段185は、水排出量算出手段184から水排出量Σxに
ついてのデータを受信すると、相関データ記憶手段192に予め記憶された水排出量と水排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係(図4(c)参照)に対応する相関データEを参照して、水排出量に対応するドレイン開弁時間T1を算出する。第1ドレイン開弁時間算出手段185は、算出したドレイン開弁時間T1をドレイン弁開閉制御手段189に送信する。
(ステップS107)
つぎに、圧力比算出手段186は、アノードガスの水蒸気分圧Pwaをアノード水蒸気分圧算出手段から取得するとともに、アノードガスの全圧Pを圧力センサ102から取得し、前記式(3)によって、アノードガスの全圧Pとアノードガス中のH2の分圧PH2との圧力比P/PH2を算出する。圧力比算出手段186は、算出した圧力比P/PH2をアノードガス排出量算出手段187に送信する。
(ステップS108)
アノードガス排出量算出手段187は、圧力比P/PH2を受信すると、まず、要求H2排出量記憶手段193から0℃、1気圧における要求H2排出量(NL)を取得し、前記式(4)によって、0℃、1気圧における要求H2排出量に対応するアノードガス排出量Va0を算出する。
そして、アノードガス排出量算出手段187は、第1温度センサ101で計測したアノードガス温度と、圧力センサ102で計測したアノードガス圧力を参照して、0℃、1気圧における要求H2排出量に対応するアノードガス排出量Va0を、排出時のアノードガス温度および圧力下における要求H2排出量に対応するアノードガス排出量Vaに換算する。アノードガス排出量算出手段187は、換算したアノードガス排出量Vaを第2ドレイン開弁時間算出手段188に送信する。
(ステップS109)
第2ドレイン開弁時間算出手段188は、アノードガス排出量Vaを受信すると、相関データ記憶手段192に記憶されたアノードガス排出量Vaとドレイン開弁時間T2との相関関係(相関データG)を参照して、ドレイン開弁時間T2を算出する。第2ドレイン開弁時間算出手段188は、算出したドレイン開弁時間T2をドレイン弁開閉制御手段189に送信する。
(ステップS110)
ドレイン弁開閉制御手段189は、ドレイン開弁時間T1およびドレイン開弁時間T2を受信すると、これらの合計時間に対応する制御信号を生成してドレイン弁4に送信する。これにより、ドレイン弁4は、水排出量に対応するドレイン開弁時間T1とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間T2との合計時間だけ開放されることとなり、気液分離器3に溜まった水と要求H2排出量に相当するH2を含むアノードガスとが排出される。
以上、第2実施形態に係る燃料電池システム100の構成と動作について説明したが、本発明は当該第2実施形態に限定されるものではない。
例えば、第2実施形態に係る燃料電池システム100は、気液分離器3で分離した水と、配管内のアノードガスとをドレイン弁4から排出することとしたが、アノードガスの排出については他の公知の制御方法で行うようにしてもよい。また、アノードガスについては、図示しないアノードガス用のパージ弁から排出することとし、ドレイン弁4からは気液分離器3で分離した水のみを排出してもよい。かかる場合には、圧力センサ102と、圧力比算出手段186と、アノードガス排出量算出手段187と、第2ドレイン開弁時間算出手段188とを省略することができる。また、要求H2排出量記憶手段193およびアノードガス排出量とドレイン開弁時間との相関関係(相関データG)についても省略することができる。
また、第2実施形態においては、カソードガス温度に基づいてカソード水蒸気分圧を算出することとしたが、第2温度センサ103の他に、カソードガスの湿度を計測する湿度センサを設け、当該湿度センサで計測したカソードガス湿度に基づいて、カソード水蒸気分圧を算出することとしてもよい。
また、第2実施形態においては、アノードガス温度に基づいてアノード水蒸気分圧を算出することとしたが、第1温度センサ101の他に、アノードガス湿度を計測する湿度センサを設け、当該湿度センサで計測したアノードガス湿度に基づいてアノード水蒸気分圧を計測するようにしてもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態に係る燃料電池システムの動作、あるいは前記制御手段の各構成に着目することにより、本発明を、燃料電池システムの制御方法、さらには、燃料電池システムを制御するためにコンピュータを前記各手段として機能させるための制御プログラム、としてとらえることもできる。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムを示した概略構成図である。 本発明の第1実施形態に用いるECUの構成を示したブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの動作の流れを示したフロー図である。 (a)は発電電流値とアノードガス温度と結露水量との相関関係を模式的に示した図であり、(b)は単位時間あたりの結露水量とアノードガス温度の計測時間との関連を説明するための図であり、(c)は水排出量と水排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係を模式的に示した図である。 (a)は発電電流値と要求H2排出量との相関関係を模式的に示した図であり、(b)は要求H2排出量とアノードガス温度とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係を模式的に示した図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムを示した概略構成図である。 本発明の第2実施形態に用いるECUの構成を示したブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの動作の流れを示したフロー図である。 (a)は水蒸気分圧差と結露水量との相関関係を模式的に示した図であり、(b)はアノードガス排出量とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間との相関関係を模式的に示した図である。 アノード極およびカソード極における温度T(℃)と飽和水蒸気圧E(hPa)との相関関係を示すグラフである。
符号の説明
1 燃料電池システム
2 燃料電池
3 気液分離器
4 ドレイン弁
5 温度センサ
6 電流センサ
6a 外部回路
7 ECU
8 制御手段
9 データ記憶手段
11 水素タンク
12 エジェクタ
13 コンプレッサ
14 駆動装置
21 電解質膜
22 アノード極
23 カソード極

Claims (10)

  1. 電解質を挟んでアノード極とカソード極とを有する燃料電池と、
    前記アノード極から排出されるアノードガスの流路上に設置され、当該アノードガス内に含まれる水を分離する気液分離器と、
    前記気液分離器で回収された水を排出する排出口を開閉するドレイン弁と、
    アノードガス温度を計測する温度センサと、
    前記燃料電池における発電電流値を計測する電流センサと、
    前記ドレイン弁の開閉を制御する制御手段と、を備える燃料電池システムであって、
    前記制御手段は、
    前記アノードガス温度前記発電電流値とから算出される凝縮水量に基づいて、前記気液分離器で回収される水の量から定まる水排出量に対応するドレイン開弁時間を算出し、当該ドレイン開弁時間に基づいて前記ドレイン弁を開閉することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、
    発電電流値とアノードガス温度と結露水量との予め記憶された相関関係と、前記アノードガス温度と、前記発電電流値と、に基づいて単位時間当りの結露水量を算出する結露水量算出手段と、
    前記単位時間当りの結露水量に基づいて前記気液分離器で回収される水の量から定まる水排出量を算出する水排出量算出手段と、
    水排出量と前記水排出量に対応するドレイン開弁時間との予め記憶された相関関係と、前記水排出量とに基づいて、前記水排出量に対応するドレイン開弁時間を算出する第1ドレイン開弁時間算出手段と、
    前記水排出量に対応するドレイン開弁時間に基づいて前記ドレイン弁の開閉を制御するドレイン弁開閉制御手段と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、さらに、
    前記アノードガス温度と、要求H2排出量とに基づいて、アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間を算出し、前記水排出量に対応するドレイン開弁時間と前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間とに基づいて前記ドレイン弁を開閉することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、
    アノードガス温度と要求H2排出量とアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間との予め記憶された相関関係と、前記アノードガス温度と、要求H2排出量と、に基づいてアノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間を算出する第2ドレイン開弁時間算出手段をさらに含み、
    前記ドレイン弁開閉制御手段は、
    前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間と前記水排出量に対応するドレイン開弁時間とに基づいて前記ドレイン弁の開閉を制御することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 電解質を挟んでアノード極とカソード極とを有する燃料電池と、
    前記アノード極から排出されるアノードガスの流路上に設置され、当該アノードガス内に含まれる水を分離する気液分離器と、
    前記気液分離器で回収された水を排出する排出口を開閉するドレイン弁と、
    アノードガス温度を計測する第1温度センサと、
    カソードガス温度を計測する第2温度センサと、
    前記ドレイン弁の開閉を制御する制御手段と、を備える燃料電池システムであって、
    前記制御手段は、
    前記アノードガス温度前記カソードガス温度とから算出される凝縮水量に基づいて、前記気液分離器で回収される水の量から定まる水排出量に対応するドレイン開弁時間を算出し、当該水排出量に対応するドレイン開弁時間に基づいて前記ドレイン弁を開閉することを特徴とする燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、
    前記アノードガス温度と、前記カソードガス温度とに基づいて、カソードガスとアノードガスの水蒸気分圧差を算出する水蒸気分圧差算出手段と、
    水蒸気分圧差とアノード極における単位時間当たりの結露水量との予め記憶された相関関係と、前記水蒸気分圧差とに基づいて、アノード極における単位時間当たりの結露水量を算出する結露水量算出手段と、
    前記単位時間当たりの結露水量に基づいて前記気液分離器で回収される水の量から定まる水排出量を算出する水排出量算出手段と、
    水排出量とドレイン開弁時間との予め記憶された相関関係と、前記水排出量とに基づいて、前記水排出量に対応するドレイン開弁時間を算出する第1ドレイン開弁時間算出手段と、
    前記水排出量に対応するドレイン開弁時間に基づいて前記ドレイン弁の開閉を制御するドレイン弁開閉制御手段と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池システムは、
    アノードガス圧力を計測する圧力センサをさらに含み、
    前記制御手段は、
    前記アノードガス温度と、前記アノードガス圧力と、要求H2排出量とに基づいて、アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間を算出し、前記水排出量に対応するドレイン開弁時間と前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間とに基づいて前記ドレイン弁を開閉することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記制御手段は、
    前記アノードガス温度と、前記アノードガス圧力と、要求H2排出量とに基づいてアノードガス排出量を設定するアノードガス排出量設定手段と、
    アノードガス排出量とドレイン開弁時間との予め記憶された相関関係と、前記アノードガス排出量とに基づいて、前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間を算出する第2ドレイン開弁時間算出手段と、をさらに含み、
    前記ドレイン弁開閉制御手段は、
    前記アノードガス排出量に対応するドレイン開弁時間と前記水排出量に対応するドレイン開弁時間とに基づいて前記ドレイン弁の開閉を制御することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記アノードガス排出量設定手段は、
    前記アノードガス温度に基づいてアノードガス中の水蒸気分圧を算出するアノード水蒸気分圧算出手段と、
    前記アノードガス圧力と、前記水蒸気分圧とに基づいてアノードガスの全圧と水素の分圧との圧力比を算出する圧力比算出手段と、
    前記圧力比算出手段で算出したアノードガスの全圧と水素の分圧との圧力比と、所定温度・所定圧力下における前記要求H2排出量と、前記アノードガス圧力と、前記アノードガス温度とに基づいて、アノードガス排出時におけるアノードガスの圧力と温度に対応したアノードガス排出量を算出するアノードガス排出量算出手段と、を含むことを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システム。
  10. アノードガス湿度を計測する第1湿度センサおよび/またはカソードガス湿度を計測する第2湿度センサをさらに備え、
    前記水蒸気分圧差算出手段は、前記アノードガス温度と、前記カソードガス温度と、前記アノードガス湿度および/または前記カソードガス湿度とに基づいて、カソードガスとアノードガスの水蒸気分圧の圧力差を算出することを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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