JP4625263B2 - 熱間成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車の構造部材、補強部材等の強度が必要とされる製品(部品)を製造するための熱間成形方法に係り、更に詳細には金型による成形性を向上させ、成形後の強度に優れた製品を製造する熱間成形方法に関する。
従来、例えば、地球環境問題に端を発する自動車の燃費向上対策の一つとして、車体の軽量化が進められており、自動車に使用される鋼板をできるだけ高強度化することが必要となっている。
しかし、自動車の軽量化のために、一般に鋼板を高強度化していくと、伸びやr値(ランクフォード値)が低下し、成形性が低下していく。
このような課題を解決するため、例えば、特許文献1には、鋼板を温間で成形し、その際の熱を利用して強度上昇を図る技術が開示されている。なお、この技術では、鋼中成分を適切に制御した鋼板を使用し、この鋼板を200〜850℃の温度域に保持して成形加工し、この温度域での析出強化を利用して鋼板の強度を上昇させることを狙っている。
また、特許文献2には、プレス成形の精度を向上させる目的で、温間プレス時での降伏強度を低く、常温での降伏強度を高くする高強度鋼板が提案されている。
しかし、これらの技術では、得られる強度に限界が生じる可能性があり、自動車に使用可能な強度を備えた鋼板を製造できない恐れがある。
そこで、特許文献3には、より高い強度を得る目的で、鋼板を成形した後に、これを高温のオーステナイト単相域まで加熱し、その後の冷却過程で硬質相に変態させる技術が開示されている。この方法は、金型間のクリアランスを制限し、その間隙に冷媒を導入することで成形後の製品の焼入れを行い、高強度で且つ形状凍結(形状保持)性に優れた製品を得ることができる方法である。
特開2000−234153号公報 特開2000−87183号公報 特開2002−282951号公報
しかしながら、特許文献3の実施例に示される角筒深絞り金型を使用して、例えば鋼板から打ち抜いた高温のブランク(中間製品)をプレスする場合、ブランクの成形中にパンチと接触する部分の温度が低下し、その成形部位の延性が落ちてブランクに破断が生じることが多く、成形できる形状に制約が生じてしまう問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、従来よりも金型による成形性を向上させ、しかも成形後の強度に優れる製品を製造可能な熱間成形方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う請求項記載の熱間成形方法は、鋼板をAC3点から融点までの温度範囲に加熱した後、前記鋼板の成形部位と接触する部分が鋼よりも熱伝導率が小さい材料からなるセラミックで構成されたパンチと、該パンチと対となって熱伝導率が鋼と同等又は鋼よりも大きい材料で構成されると共に内部には冷媒を流す冷却管が配置されたダイとを有する金型を用いて、フェライト、パーライト、ベイナイト、及びマルテンサイト変態のいずれもが生じる温度より高い温度で前記鋼板の成形を開始し、この成形後に前記ダイに接触させて急冷する。
請求項記載の熱間成形方法において、鋼板としては、例えば、炭素(C)を0.05〜0.55質量%、マンガン(Mn)を0.1〜3質量%含有するものを使用できる。この鋼板の成形性と成形後の強度を高めるため、鋼板を、その組織がオーステナイト単相域となるAC3点以上融点以下の温度範囲に加熱してオーステナイト変態させている。なお、フェライト、パーライト、ベイナイト、及びマルテンサイト変態のいずれもが生じる温度より高い温度で鋼板の成形を開始することで、鋼板の成形が行われる部分である成形部位の延性が良好になる。
鋼板の成形限界とは、金型による鋼板の成形時において、例えば、鋼板に割れやネッキング(くびれ現象)等が発生することなく成形できる限界を意味する。
また、鋼板の成形限界を向上させることが必要な部位とは、鋼板の成形部位を意味する。従って、この成形部位と接触する部分とは、例えばパンチの表層部を意味する。
なお、鋼板としては、鋼板の強度、靱性、その他の特性を向上させるため、炭素、マンガン以外の元素であるアルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、酸素(O)、硫黄(S)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、アンチモン(Sb)、タングステン(W)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、希土類元素(REM)などの元素を目的に応じて最適化したもの、更に金属組織や析出物などを最適化したもの等も使用できる。
前記鋼よりも熱伝導率が小さい材料はセラミックであり、セラミックとしては、例えば、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)、サイアロン等を使用できる。
請求項記載の熱間成形方法は、請求項記載の熱間成形方法において、前記鋼板の成形後の急冷は、前記鋼板の成形部位にマルテンサイト変態が生じる冷却速度以上の速度で、且つマルテンサイト変態の開始温度まで行う。
以上の発明において、熱伝導率が鋼と同等の材料としては、例えば、軟鋼、硬鋼等を使用でき、また、熱伝導率が鋼よりも大きい材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、タングステン、黄銅等を使用できる。
また、マルテンサイト変態が生じる冷却速度としては、例えば、20℃/秒以上、好ましくは30℃/秒以上の速度である。
そして、急冷は、マルテンサイト変態の開始温度(例えば、400℃程度)以下まで行っているが、より確実に成形後の強度を高めるには、急冷をマルテンサイト変態の終了温度(例えば、300℃程度)以下まで行うことが好ましい。
請求項1、2記載の熱間成形方法は、鋼板の成形部位と接触する部分が鋼よりも熱伝導率が小さい材料で構成されたパンチを有する金型を用いるので、成形限界を向上させることが必要な部位である鋼板の成形部位の温度低下を抑制できる。これにより、鋼で構成されたパンチを有する金型を使用した場合と比較して、成形部位の成形性を向上させることができる。そして、成形した鋼板を高温の状態から急冷することで、製品の硬度を高め、成形後の強度に優れる製品を製造できる。
特に、鋼よりも熱伝導率が小さい材料はセラミックであるので、簡単な構成で鋼板の成形部位の成形性を向上させることができる。
請求項記載の熱間成形方法は、金型のダイに熱伝導率が鋼と同等又は鋼よりも大きい材料で構成されたものを用い、ダイに鋼板の成形部位を接触させ、急冷をマルテンサイト変態が生じる冷却速度以上の速度で、且つマルテンサイト変態の開始温度まで行うので、鋼板の成形加工後の硬度を確実に高め、安定した品質の製品を提供することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る熱間成形方法を適用する金型の部分側断面図、図2〜図4はそれぞれ第1〜第3の変形例に係る金型の部分側断面図、図5は金型に使用する変形例に係るパンチの部分側断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る熱間成形方法は、例えば、炭素(C)を0.05〜0.55質量%、マンガン(Mn)を0.1〜3質量%有し、板厚が1〜3mm(好ましくは、1〜2.6mm)の鋼板(ホットプレス用鋼板ともいう)から例えば打ち抜いたブランク(中間製品)10を、金型11を用いて張り出し成形を行い、例えば、バンパー補強部材、センターピラー補強部材、ドアインパクト補強部材のような、自動車の構造部材、補強部材等を製造する方法である。以下、詳しく説明する。
まず、鋼板から打ち抜かれたブランク10を、加熱炉(図示しない)内に装入し、オーステナイト単相域であるAC3点から融点までの温度範囲(ブランク10の成分により異なるが、例えば、800〜1500℃、好ましくは900〜1200℃)に加熱してオーステナイト変態させる。
次に、図1に示すように、加熱されたブランク10を、所定形状(例えば、自動車のバンパー補強部材、センターピラー補強部材、ドアインパクト補強部材等を製造可能な形状)の金型11でプレスする。
この金型11は、曲面で構成される突出部分12を備え、ブランク10が載置されるしわ押え部13に対して上下方向に移動可能な断面円形のパンチ(下金型部)14と、金型11の作動時において、パンチ14の突出部分12の上面と所定の隙間(例えば、ブランク10の板厚)を有して配置されるダイ(上金型部、ダイスともいう)15とを有している。このしわ押え部13も、ダイ15に対して上下方向に移動可能となっており、ダイ15としわ押え部13との間にブランク10が配置された後、ダイ15の下面としわ押え部13の上面とでブランク10を押さえ込み、パンチ14による成形時におけるブランク10の位置ずれを防止している。
パンチ14は、鋼よりも熱伝導率が小さい材料、例えば、アルミナ、ジルコニア、サイアロンなどのセラミック、SUS304などのステンレス鋼等で構成されている。
また、ダイ15は、鋼と同等の熱伝導率を備えた材料、例えば、軟鋼、硬鋼等や、鋼よりも大きい材料、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、タングステン、黄銅等で構成されている。なお、ダイ内部に冷媒(例えば水等)を流す冷却管を配置し、ダイによる冷却効率を高めることもできる。
この金型11の寸法は、図1に示すように、パンチ14の突出部分12の上端部の曲率半径が50mm、しわ押え部13の上面からの突出高さが28mm、ダイ15の凹部16の最大直径が110mm、ダイ15の凹部16とこれに連通する平坦部17との境部の曲率半径が5mmとなっている。
なお、使用する金型の形状及び数値はこれに限定されるものではなく、例えば、図2に示すパンチ20とダイ21とを有する金型22のように、しわ押え部13の上面からのパンチ20の突出部分23の突出高さが33mmとなったものや、また、図3に示すパンチ25とダイ26とを有する金型27のように、しわ押え部13の上面からのパンチ25の突出部分28の突出高さが35mmとなったもの等を使用することもできる。
また、金型としては、図4に示す金型30を使用することも可能である。
この金型30は、パンチ14と同様材料で構成されたパンチ31と、このパンチ31の移動方向に開口部32が形成されたダイ33とを有している。このため、パンチ31がしわ押え部13の上方に突出しても、ブランクの成形部位がダイ33の表面に接触しない構成となっている。なお、開口部32を形成するダイ33の内面34と下面35との境部の曲率半径が5mmとなっている。
これにより、前記した各金型11、22、27同様、成形時においてブランクの成形部位の温度低下を招くことなく、ブランクの成形を実施できる。
なお、前記した各金型11、22、27、30のパンチとしては、図5に示すように、ブランクを成形できる限界(成形限界)を向上させることが必要な部位である成形部位と接触する部分、即ち突出部分40が、鋼よりも熱伝導率が小さい材料(例えば、パンチ14を構成した材料)で構成されたパンチ41を使用することもできる。
このパンチ41は、鋼製のパンチ本体42の上部に、断面円形の突出部分40が取付けられた構造となっており、突出部分40の最大直径が103mm、その上端部の曲率半径が50mm、突出高さが35mmとなっているが、この形状及び数値に限定されるものではない。なお、パンチ本体42に対する突出部分40の取付けは、例えば、ねじ構造、嵌め込み構造、接合等により行うことができる。
前記した金型11を用いて、フェライト、パーライト、ベイナイト、及びマルテンサイト変態のいずれもが生じる温度より高い温度(例えば、700℃以上程度)でブランク10の成形を開始する。
このとき、ブランク10の成形部位と接触するパンチ14の突出部分12の断熱性が良好であるため、ブランク10の成形部位の温度低下は抑制され、成形部位の延性を高めることができる。そして、ブランク10の成形部位がダイ15の凹部16に接触するまでパンチ14を突出させることでブランク10の成形を終了し、引き続き成形後の急冷を行う。
ブランク10の成形部位が接触する凹部16を含むダイ15は、熱伝導性が良好であるため、成形部位を急冷して焼入れすることができる。ここで、急冷を、ブランク10の成形部位をダイ15の凹部16に接触させた状態で、マルテンサイト変態が生じる冷却速度以上(例えば、20℃/秒以上、好ましくは30℃/秒以上)の速度で、且つマルテンサイト変態の開始温度(例えば、400℃程度)以下、好ましくはマルテンサイト変態の終了温度(例えば、300℃程度)以下まで行う。
これにより、オーステナイト変態させたブランク10を、軟質相(例えば、ベイナイト、パーライト)への変態を抑制、更には防止しながらマルテンサイト変態させることができる。
上記した方法で、ブランク10を金型11で連続的に焼入れ成形することで、反応に応じた焼入れ強度、例えば、0.22%C鋼では、引張り強度が1470MPa以上程度の製品を製造できる。
なお、図4に示す金型30を使用した場合、ブランクの成形部位をダイ33の表面に接触させることができないため、急冷して焼入れすることができず、成形後の製品の硬度を高めることができない。このため、パンチ31による成形を行った後、この成形品を従来使用している同一形状の金型、例えばパンチ、ダイ共に鋼製の金型を使用して再度熱間プレスすることで、成形部位の焼入れを行い、製品の強度を高めることが好ましい。
これにより、他の金型11、22、27を使用した場合と同等の引張り強度が得られる製品を製造できる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
まず、表1に示す化学成分となった鋼種a〜cのスラブを鋳造した。
Figure 0004625263
これらのスラブを1050〜1350℃に加熱し、熱間圧延にて、仕上温度800〜900℃、巻取温度450〜680℃で、板厚4mmの熱延鋼板を製造した。そして、一部の熱延鋼板を、冷間圧延により板厚1.4mmの冷延鋼板とし、この冷延鋼板の一部に、表2に示す溶融アルミめっき(アルミめっき)、合金化溶融亜鉛めっき、溶融亜鉛めっきをそれぞれ施した。
Figure 0004625263
その後、これらの冷延鋼板及び表面処理鋼板から例えば打ち抜いたブランクを、加熱炉によりAC3点以上(融点以下)である950℃のオーステナイト領域に加熱した後、熱間成形加工を行った。なお、ブランクの成形に使用する金型としては、前記実施の形態で説明した各金型11、22、27、30の形状、サイズの金型A、B、C、Dをそれぞれ使用し、各金型A〜Dのパンチの材質としては、表3に示すものを使用する。ここで、パンチ材質が鋼よりも熱伝導率が小さいセラミックとは、図1〜図4に示すパンチを使用した場合のものであり、パンチ材質が鋼よりも熱伝導率が小さいセラミックを鋼上にインサートとは、図5に示すパンチを使用した場合のものである。
Figure 0004625263
なお、各金型A〜Cはパンチ形状に倣い、板厚1.4mmのクリアランスにて各ダイの形状を決定した。成形条件としては、鋼板から打抜いた厚み1.4mm、直径150mmの円板状のブランクを使用し、パンチ速度10mm/秒、加圧力100トン、しわ押え力30トン、下死点での保持時間(パンチの突出部分とダイの凹部とで成形部位を挟み込む時間)を5秒とした。
ここで、実施した試験の組み合わせを、前記した表1〜表3の記号に基づき、表4〜表7にそれぞれ示す。なお、表4〜表7中の比較例1〜26は従来例(パンチの材質が鋼)である。
Figure 0004625263
Figure 0004625263
Figure 0004625263
Figure 0004625263
なお、表4〜表7中の成形結果は、成形後の部品を各金型A〜Dから取り出し、目視にて判定した結果であり、表8に示すように、割れ無し(○)、ネッキング発生(△)、割れ発生(×)の3つの基準で判定している。
Figure 0004625263
また、表4〜表7中の硬度は、成形後に各金型A〜Dから取り出した部品のビッカース硬度を測定した結果である。これを表9に示す。
Figure 0004625263
表9に示すように、硬度は、成形前の鋼板をAC3点以上である950℃のオーステナイト領域に加熱した後、AC3点以上である900℃から水焼入れしたときの硬度を基準に、強度が必要とされる部位(成形部位)の硬度が85%以上の場合を「◎」、70%以上85%未満の場合を「○」、50%以上70%未満の場合を「△」、50%未満の場合を「×」とし、70%未満の「△」及び「×」を不合格とした。ここで、硬度の測定箇所は、部品の側壁及び底部とし、フランジ部は測定の範囲から除いた。
実施例2−1〜実施例25−2、及び比較例2〜25は、鋼板として鋼種bを使用し、各金型A〜D、各パンチ材質、及び各めっき種をそれぞれ用いて、ブランクの成形限界について検討した結果である。
パンチの材質が鋼である比較例の場合、成形高さが低い(28mm:金型A、Dを使用)とき、即ち比較例2、5、8、11、14、17、20、23では成形結果が良好(○)であったが、成形高さが高くなる(33mm、35mm:金型B、C、Dを使用)に伴って、成形結果が悪くなった。しかし、パンチ材質を鋼よりも熱伝導率が小さいセラミック、もしくは鋼よりも熱伝導率が小さいセラミックを鋼上にインサートした実施例の場合、パンチの材質が鋼である場合と比較して、成形高さに影響されることなく、いずれの各金型A〜Dを使用した場合においても成形限界が向上した。
また、金型Dを用いた場合は、成形後の部品を金型D内で保持しても、ブランクの一部がマルテンサイト開始温度まで急冷されなかったため硬度が不十分(×)であったが、成形後に、例えば従来使用しているパンチ、ダイ共に鋼製で同一形状の金型を使用して再度熱間プレスすることで、十分な焼入れ硬度を得ることができる。
従って、金型Dを用いた場合についても、従来よりも金型による成形性を向上させることができ、しかも十分な焼入れ硬度(◎)を得ることができるため、ここでは実施例としている。
なお、他の金型A〜Cの場合は、成形性を向上させることができることは勿論であるが、焼入れ硬度についても十分であった。また、どのめっき種を用いても、実施例から明らかなように、成形限界が向上し、更に十分な焼入れ硬度を得ることができた。
実施例1−1、1−2、実施例26−1、26−2、及び比較例1、26は、鋼板として鋼種a、cをそれぞれ使用し、金型B、各パンチ材質、及びめっき種CRをそれぞれ用いて、ブランクの成形限界について検討した結果である。
パンチ材質を鋼よりも熱伝導率が小さいセラミックとした、もしくは鋼よりも熱伝導率が小さいセラミックを鋼上にインサートした実施例の場合、パンチ材質が鋼の場合と比較して、成形限界が向上した。
このように、本発明の熱間成形方法を使用することで、従来よりも金型による成形性を向上させ、しかも成形後の強度に優れる製品を製造できることを確認できた。
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の熱間成形方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、例えば、バンパー補強部材、センターピラー補強部材、ドアインパクト補強部材のように、自動車の構造部材、補強部材等を製造する熱間成形について説明したが、所定の形状に加工された高張力鋼を使用する分野、例えば、車両、重機、船舶等の構造部材、補強部材等を製造するために、本発明の熱間成形方法を適用することも勿論可能である。
本発明の一実施の形態に係る熱間成形方法を適用する金型の部分側断面図である。 第1の変形例に係る金型の部分側断面図である。 第2の変形例に係る金型の部分側断面図である。 第3の変形例に係る金型の部分側断面図である。 金型に使用する変形例に係るパンチの部分側断面図である。
符号の説明
10:ブランク、11:金型、12:突出部分、13:しわ押え部、14:パンチ、15:ダイ、16:凹部、17:平坦部、20:パンチ、21:ダイ、22:金型、23:突出部分、25:パンチ、26:ダイ、27:金型、28:突出部分、30:金型、31:パンチ、32:開口部、33:ダイ、34:内面、35:下面、40:突出部分、41:パンチ、42:パンチ本体

Claims (2)

  1. 鋼板をAC3点から融点までの温度範囲に加熱した後、前記鋼板の成形部位と接触する部分が鋼よりも熱伝導率が小さい材料からなるセラミックで構成されたパンチと、該パンチと対となって熱伝導率が鋼と同等又は鋼よりも大きい材料で構成されると共に内部には冷媒を流す冷却管が配置されたダイとを有する金型を用いて、フェライト、パーライト、ベイナイト、及びマルテンサイト変態のいずれもが生じる温度より高い温度で前記鋼板の成形を開始し、この成形後に前記ダイに接触させて急冷することを特徴とする熱間成形方法。
  2. 請求項記載の熱間成形方法において、前記鋼板の成形後の急冷は、前記鋼板の成形部位にマルテンサイト変態が生じる冷却速度以上の速度で、且つマルテンサイト変態の開始温度まで行うことを特徴とする熱間成形方法。
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