JP4620208B2 - 不良内容編集装置、不良抜取作業支援装置および方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷技術の分野に属する。特に、印刷物が巻取体である場合に不良位置、等を明示し不良抜取作業を容易にするための技術に関する。
【０００２】
【従来技術】
インラインの折り断裁ユニットを有する印刷機においては不良の印刷物（折丁）を印刷直後に抜き取ることができるが、用紙巻取体から印刷物巻取体を得る印刷機においては印刷直後に不良の印刷物を抜き取ることができない。そのため、不良位置に目印としてラベルを貼り付けることが行われる。巻取体においても不良位置が判るように、ラベルは印刷済み用紙（ウェブ）の左右端部からはみ出すように貼り付けられる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
そのラベルを目印に印刷物巻取体から不良を抜き取る作業が後工程において行われる。不良を正確に抜き取るためには、どのような種類の不良であるかを判定し、その不良がラベルの前後のどの範囲におよんでいるかを把握する必要がある。しかし、不良位置を特定するための情報はラベルだけであるため、巻取体における不良位置を知ることはできるが、印刷絵柄における不良位置までは知ることができない。そのため、ラベル位置まで巻き解いた印刷面の絵柄中に存在する不良を探し出すために多くの時間を浪費することとなっていた。また、印刷物検査装置の高性能化によって検出される不良も微細なものとなってきているため、不良を見つけ出すことがますます困難となってきている。
【０００４】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものである。その目的は、印刷物巻取体における長さ方向の不良位置等の複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像に明示するための不良内容編集装置を提供することにある。また、印刷物巻取体における長さ方向の不良位置、等の複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像に明示して不良抜取工程における作業を支援する不良抜取作業支援装置および方法を提供することにある。その結果として、不良抜取作業等における作業時間が短縮され、作業負荷が軽減される。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題は下記の本発明によって解決される。すなわち、本発明の請求項１に係る不良内容編集装置は、ウェブ印刷物 の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集し不良編集画像を生成するようにしたものである。本発明によれば、巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像に明示するための不良内容編集装置が提供される。
また、本発明の請求項２に係る不良内容編集装置は、撮像画像に基づいてウェブ印刷物を検査し検査データを出力する印刷物検査手段と、前記検査データに基づいて前記ウェブ印刷物の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集し不良編集画像を生成する不良内容編集手段とを有するようにしたものである。本発明によれば、印刷物検査手段により撮像画像に基づいてウェブ印刷物が検査され検査データが出力され、不良内容編集手段により検査データに基づいてウェブ印刷物の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容が版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像が生成される。したがって、巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像に明示して不良抜取工程における作業を支援する不良抜取作業支援装置が提供される。
また本発明の請求項３に係る 不良抜取作業支援方法は、撮像画像に基づいてウェブ印刷物を検査し検査データを出力する印刷物検査過程と、前記検査データに基づいて前記ウェブ印刷物の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集し不良編集画像を生成する不良内容編集過程と、前記不良編集画像を用紙にプリント出力し不良編集画像プリントを得るプリント過程と、前記不良編集画像プリントを前記巻取体に添付する不良編集画像プリント添付過程とを有するようにしたものである。本発明によれば、印刷物検査過程において撮像画像に基づいてウェブ印刷物が検査され検査データが出力され、不良内容編集過程において検査データに基づいてウェブ印刷物の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容が版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像が生成され、プリント過程において不良編集画像が用紙にプリント出力され不良編集画像プリントが得られ、不良編集画像プリント添付過程において不良編集画像プリントが巻取体に添付される。したがって、巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像を用紙にプリント出力し巻取体に添付することにより明示して不良抜取工程における作業を支援する不良抜取作業支援方法が提供される。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明について実施の形態により説明する。本発明の不良抜取作業支援装置におけるデータ処理に関する説明図を図１に示す。図１において、１は印刷物検査装置、２は不良内容編集装置、３は不良編集画像プリントである。
印刷物検査装置１は、撮像部、同期制御部、不良検出部、検査データ出力部、等によって構成される。撮像部は、印刷機における最終印刷ユニットの下流において印刷済みのウェブを撮像し撮像画像を生成する。この撮像は印刷機の版胴の回転に同期して行われ、１単位の絵柄（版胴一周分の絵柄）に相当する撮像画像が得られる。
【００１０】
同期制御部は、その撮像の同期、撮像画像を不良検出部に読み込む同期、等の検査装置１における同期制御を行なう。そのため、同期制御部は版胴の回転、ラインシャフトの回転、等を検出する回転検出器（たとえばロータリーエンコーダ）からの信号を入力し、同期をとるための信号（同期信号）を出力する。
【００１１】
不良検出部は、撮像画像に基づいて不良を抽出するデータ処理を行なう。刷り出しにおける印刷条件の調整が済み良品が排出された段階での撮像画像を基準画像とし、その後の撮像画像を検査対象画像とし、両者を比較して不良抽出する方法が一般的である。この不良抽出が行われると、印刷絵柄を消去した不良だけの陰影である不良陰影（欠陥画像とも呼ぶ）を得ることができる。また、その不良陰影の形状や濃度から不良種類、たとえば、ウェブの移送方向に走る筋不良、濃い汚れ（インキはね、等）、淡い広域汚れ（色調不良、等）、等を判別することができる。
【００１２】
検査データ出力部は、同期制御部が出力する同期信号と不良検出部が出力するデータを入力して、巻取体における不良位置、１単位の印刷画像における不良位置、不良陰影、不良種類、等の検査データ（検査情報とも呼ぶ）を出力する。また、不良内容編集装置で用いるために１単位の印刷画像を出力する。
【００１３】
巻取体における不良位置は、印刷機における計測過程においては印刷物巻取体の巻芯から計測したウェブの長さ（ｍ）が得られるが、後工程での使用における利便性を考慮し、巻取体の最外周のウェブ端から計測したウェブ長さに換算される。１単位の印刷画像における不良位置は、１単位の印刷画像における座標値（ｘ，ｙ）で与えられる。不良陰影は、抽出した不良を所定の方法で切り取った画像である。たとえば、不良に外接する矩形を設定し、その矩形の内部の画像を不良陰影とする。不良陰影が矩形で与えられる場合において、座標値はその矩形の角座標とすることができる。不良種類は、記号またはテキストデータで与えられる。
【００１４】
なお、不良陰影と印刷画像は画像データであるが、印刷物検査装置１における撮像画像と同一の画素密度（解像度）、同一の階調表現の画像データである必要性はない。不良内容がオペレータによって判別できる範囲において画素の間引きや階調圧縮を行い、適正にデータ量を圧縮することができる。
【００１５】
不良内容編集装置２は、印刷物検査装置１が出力する検査データを入力する。
そして、その検査データに基づいてウェブ印刷物における不良内容を１単位の印刷画像上に編集し不良画像を生成する。１単位の印刷画像における不良位置の座標値（ｘ，ｙ）と不良陰影に基づいて、印刷画像における不良陰影の部分を不良陰影に置き換える。この置き換えをすべての不良陰影について行ない、不良陰影が含まれる印刷画像を生成する。
【００１６】
また、不良内容編集装置２は、巻取体における不良位置、すなわちウェブ長さ（ｍ）であるメータ数の小さい方から順番に通し番号を付与する。そして、不良陰影が含まれる印刷画像において、不良陰影との対応関係が明確となるように通し番号とメータ数を合成する。また、不良内容編集装置２は、不良陰影が含まれる印刷画像において、不良陰影との対応関係が明確となるように不良種類を合成する。通し番号とメータ数と不良種類は記号、数字、文字で表される。
【００１７】
不良内容編集装置２によって編集した不良画像の一例を図２に示す。図２に示すように、この一例においては、１単位の印刷画像に４つの不良陰影が合成されている。それぞれの不良陰影は矩形の枠で縁どりがされた内部に示されている。また、矩形の枠外の直近には“▲１▼”〜“▲４▼”の通し番号が付されている。また、通し番号に並んで巻取体における不良位置がウェブ長さ（ｍ）であるメータ数で示されている。この一例においては、不良種類は示されていない。不良陰影から不良の濃淡、形状、種類が判別できるから、不良種類を省略することができる。
【００１８】
不良内容編集装置２によって編集された不良画像を、プリンターにより印刷し不良画像プリント３を得る。この不良画像プリントについて使用方法の説明図を図３に示す。図３において、３は不良画像プリント、４は印刷物巻取体である。図３に示すように、不良画像プリント３はそれに対応する印刷物巻取体４に貼り付けて印刷物巻取体４と一体で後工程に搬送される。印刷物巻取体４の外周部に不良画像プリント３を貼り付けることにより、その印刷物巻取体４の印刷品質についての把握は一目瞭然となる。また、不良画像プリント３と印刷物巻取体４とが一体となることで、情報伝達における手違いを起き難くすることができる。
【００１９】
不良画像プリント３を貼付した印刷物巻取体４は、後工程の不良抜取工程に搬送される。不良抜取工程では、貼付されている不良画像プリント３によって、巻取体における不良位置、１単位の印刷画像における不良位置、不良陰影、等の不良内容が作業者に明示される。これにより不良抜取作業が支援されることとなり、不良抜取作業における作業時間の短縮、作業負荷の軽減、等の顕著な効果を得ることができる。
【００２０】
以上、本発明について実施の形態により説明したが、本発明はこの実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて様々な形態で実施することができそれらも本発明に含まれることは言うまでもないことである。
たとえば、図１においては、印刷物検査装置１と不良内容編集装置２を別個の装置として示し、そのように説明したが、不良内容編集装置２を印刷物検査装置１に融合させ、一体の装置とすることができる。
またたとえば、不良内容編集装置２で編集した不良画像を、印刷工程や不良抜取工程に設置されたディスプレイモニターに表示し、そこでの作業を支援するように構成することができる。この場合には不良画像プリントを省略することもできる。
【００２１】
【発明の効果】
本発明の請求項１に係る不良内容編集装置によれば、巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像に明示することができる。また、本発明の請求項２に係る不良抜取作業支援装置によれば、巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像に明示して不良抜取工程における作業を支援する不良抜取作業支援装置が提供される。また本発明の請求項３に係る不良抜取作業支援方法によれば、巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像を用紙にプリント出力し巻取体に添付することにより明示して不良抜取工程における作業を支援する不良抜取作業支援方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の不良抜取作業支援装置におけるデータ処理に関する説明図である。
【図２】不良内容編集装置２によって編集した不良画像の一例を示す図である。
【図３】不良画像プリントについて使用方法の説明図である。
１ 印刷物検査装置
２ 不良内容編集装置
３ 不良画像プリント
４ 印刷物巻取体
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷技術の分野に属する。特に、印刷物が巻取体である場合に不良位置、等を明示し不良抜取作業を容易にするための技術に関する。
【０００２】
【従来技術】
インラインの折り断裁ユニットを有する印刷機においては不良の印刷物（折丁）を印刷直後に抜き取ることができるが、用紙巻取体から印刷物巻取体を得る印刷機においては印刷直後に不良の印刷物を抜き取ることができない。そのため、不良位置に目印としてラベルを貼り付けることが行われる。巻取体においても不良位置が判るように、ラベルは印刷済み用紙（ウェブ）の左右端部からはみ出すように貼り付けられる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
そのラベルを目印に印刷物巻取体から不良を抜き取る作業が後工程において行われる。不良を正確に抜き取るためには、どのような種類の不良であるかを判定し、その不良がラベルの前後のどの範囲におよんでいるかを把握する必要がある。しかし、不良位置を特定するための情報はラベルだけであるため、巻取体における不良位置を知ることはできるが、印刷絵柄における不良位置までは知ることができない。そのため、ラベル位置まで巻き解いた印刷面の絵柄中に存在する不良を探し出すために多くの時間を浪費することとなっていた。また、印刷物検査装置の高性能化によって検出される不良も微細なものとなってきているため、不良を見つけ出すことがますます困難となってきている。
【０００４】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものである。その目的は、印刷物巻取体における長さ方向の不良位置等の複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像に明示するための不良内容編集装置を提供することにある。また、印刷物巻取体における長さ方向の不良位置、等の複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像に明示して不良抜取工程における作業を支援する不良抜取作業支援装置および方法を提供することにある。その結果として、不良抜取作業等における作業時間が短縮され、作業負荷が軽減される。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題は下記の本発明によって解決される。すなわち、本発明の請求項１に係る不良内容編集装置は、ウェブ印刷物 の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集し不良編集画像を生成するようにしたものである。本発明によれば、巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像に明示するための不良内容編集装置が提供される。
また、本発明の請求項２に係る不良内容編集装置は、撮像画像に基づいてウェブ印刷物を検査し検査データを出力する印刷物検査手段と、前記検査データに基づいて前記ウェブ印刷物の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集し不良編集画像を生成する不良内容編集手段とを有するようにしたものである。本発明によれば、印刷物検査手段により撮像画像に基づいてウェブ印刷物が検査され検査データが出力され、不良内容編集手段により検査データに基づいてウェブ印刷物の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容が版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像が生成される。したがって、巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像に明示して不良抜取工程における作業を支援する不良抜取作業支援装置が提供される。
また本発明の請求項３に係る 不良抜取作業支援方法は、撮像画像に基づいてウェブ印刷物を検査し検査データを出力する印刷物検査過程と、前記検査データに基づいて前記ウェブ印刷物の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集し不良編集画像を生成する不良内容編集過程と、前記不良編集画像を用紙にプリント出力し不良編集画像プリントを得るプリント過程と、前記不良編集画像プリントを前記巻取体に添付する不良編集画像プリント添付過程とを有するようにしたものである。本発明によれば、印刷物検査過程において撮像画像に基づいてウェブ印刷物が検査され検査データが出力され、不良内容編集過程において検査データに基づいてウェブ印刷物の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容が版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像が生成され、プリント過程において不良編集画像が用紙にプリント出力され不良編集画像プリントが得られ、不良編集画像プリント添付過程において不良編集画像プリントが巻取体に添付される。したがって、巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像を用紙にプリント出力し巻取体に添付することにより明示して不良抜取工程における作業を支援する不良抜取作業支援方法が提供される。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明について実施の形態により説明する。本発明の不良抜取作業支援装置におけるデータ処理に関する説明図を図１に示す。図１において、１は印刷物検査装置、２は不良内容編集装置、３は不良編集画像プリントである。
印刷物検査装置１は、撮像部、同期制御部、不良検出部、検査データ出力部、等によって構成される。撮像部は、印刷機における最終印刷ユニットの下流において印刷済みのウェブを撮像し撮像画像を生成する。この撮像は印刷機の版胴の回転に同期して行われ、１単位の絵柄（版胴一周分の絵柄）に相当する撮像画像が得られる。
【００１０】
同期制御部は、その撮像の同期、撮像画像を不良検出部に読み込む同期、等の検査装置１における同期制御を行なう。そのため、同期制御部は版胴の回転、ラインシャフトの回転、等を検出する回転検出器（たとえばロータリーエンコーダ）からの信号を入力し、同期をとるための信号（同期信号）を出力する。
【００１１】
不良検出部は、撮像画像に基づいて不良を抽出するデータ処理を行なう。刷り出しにおける印刷条件の調整が済み良品が排出された段階での撮像画像を基準画像とし、その後の撮像画像を検査対象画像とし、両者を比較して不良抽出する方法が一般的である。この不良抽出が行われると、印刷絵柄を消去した不良だけの陰影である不良陰影（欠陥画像とも呼ぶ）を得ることができる。また、その不良陰影の形状や濃度から不良種類、たとえば、ウェブの移送方向に走る筋不良、濃い汚れ（インキはね、等）、淡い広域汚れ（色調不良、等）、等を判別することができる。
【００１２】
検査データ出力部は、同期制御部が出力する同期信号と不良検出部が出力するデータを入力して、巻取体における不良位置、１単位の印刷画像における不良位置、不良陰影、不良種類、等の検査データ（検査情報とも呼ぶ）を出力する。また、不良内容編集装置で用いるために１単位の印刷画像を出力する。
【００１３】
巻取体における不良位置は、印刷機における計測過程においては印刷物巻取体の巻芯から計測したウェブの長さ（ｍ）が得られるが、後工程での使用における利便性を考慮し、巻取体の最外周のウェブ端から計測したウェブ長さに換算される。１単位の印刷画像における不良位置は、１単位の印刷画像における座標値（ｘ，ｙ）で与えられる。不良陰影は、抽出した不良を所定の方法で切り取った画像である。たとえば、不良に外接する矩形を設定し、その矩形の内部の画像を不良陰影とする。不良陰影が矩形で与えられる場合において、座標値はその矩形の角座標とすることができる。不良種類は、記号またはテキストデータで与えられる。
【００１４】
なお、不良陰影と印刷画像は画像データであるが、印刷物検査装置１における撮像画像と同一の画素密度（解像度）、同一の階調表現の画像データである必要性はない。不良内容がオペレータによって判別できる範囲において画素の間引きや階調圧縮を行い、適正にデータ量を圧縮することができる。
【００１５】
不良内容編集装置２は、印刷物検査装置１が出力する検査データを入力する。
そして、その検査データに基づいてウェブ印刷物における不良内容を１単位の印刷画像上に編集し不良画像を生成する。１単位の印刷画像における不良位置の座標値（ｘ，ｙ）と不良陰影に基づいて、印刷画像における不良陰影の部分を不良陰影に置き換える。この置き換えをすべての不良陰影について行ない、不良陰影が含まれる印刷画像を生成する。
【００１６】
また、不良内容編集装置２は、巻取体における不良位置、すなわちウェブ長さ（ｍ）であるメータ数の小さい方から順番に通し番号を付与する。そして、不良陰影が含まれる印刷画像において、不良陰影との対応関係が明確となるように通し番号とメータ数を合成する。また、不良内容編集装置２は、不良陰影が含まれる印刷画像において、不良陰影との対応関係が明確となるように不良種類を合成する。通し番号とメータ数と不良種類は記号、数字、文字で表される。
【００１７】
不良内容編集装置２によって編集した不良画像の一例を図２に示す。図２に示すように、この一例においては、１単位の印刷画像に４つの不良陰影が合成されている。それぞれの不良陰影は矩形の枠で縁どりがされた内部に示されている。また、矩形の枠外の直近には“▲１▼”〜“▲４▼”の通し番号が付されている。また、通し番号に並んで巻取体における不良位置がウェブ長さ（ｍ）であるメータ数で示されている。この一例においては、不良種類は示されていない。不良陰影から不良の濃淡、形状、種類が判別できるから、不良種類を省略することができる。
【００１８】
不良内容編集装置２によって編集された不良画像を、プリンターにより印刷し不良画像プリント３を得る。この不良画像プリントについて使用方法の説明図を図３に示す。図３において、３は不良画像プリント、４は印刷物巻取体である。図３に示すように、不良画像プリント３はそれに対応する印刷物巻取体４に貼り付けて印刷物巻取体４と一体で後工程に搬送される。印刷物巻取体４の外周部に不良画像プリント３を貼り付けることにより、その印刷物巻取体４の印刷品質についての把握は一目瞭然となる。また、不良画像プリント３と印刷物巻取体４とが一体となることで、情報伝達における手違いを起き難くすることができる。
【００１９】
不良画像プリント３を貼付した印刷物巻取体４は、後工程の不良抜取工程に搬送される。不良抜取工程では、貼付されている不良画像プリント３によって、巻取体における不良位置、１単位の印刷画像における不良位置、不良陰影、等の不良内容が作業者に明示される。これにより不良抜取作業が支援されることとなり、不良抜取作業における作業時間の短縮、作業負荷の軽減、等の顕著な効果を得ることができる。
【００２０】
以上、本発明について実施の形態により説明したが、本発明はこの実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて様々な形態で実施することができそれらも本発明に含まれることは言うまでもないことである。
たとえば、図１においては、印刷物検査装置１と不良内容編集装置２を別個の装置として示し、そのように説明したが、不良内容編集装置２を印刷物検査装置１に融合させ、一体の装置とすることができる。
またたとえば、不良内容編集装置２で編集した不良画像を、印刷工程や不良抜取工程に設置されたディスプレイモニターに表示し、そこでの作業を支援するように構成することができる。この場合には不良画像プリントを省略することもできる。
【００２１】
【発明の効果】
本発明の請求項１に係る不良内容編集装置によれば、巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像に明示することができる。また、本発明の請求項２に係る不良抜取作業支援装置によれば、巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像に明示して不良抜取工程における作業を支援する不良抜取作業支援装置が提供される。また本発明の請求項３に係る不良抜取作業支援方法によれば、巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集され不良編集画像を用紙にプリント出力し巻取体に添付することにより明示して不良抜取工程における作業を支援する不良抜取作業支援方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の不良抜取作業支援装置におけるデータ処理に関する説明図である。
【図２】不良内容編集装置２によって編集した不良画像の一例を示す図である。
【図３】不良画像プリントについて使用方法の説明図である。
１ 印刷物検査装置
２ 不良内容編集装置
３ 不良画像プリント
４ 印刷物巻取体
Claims (3)
- ウェブ印刷物の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集し不良編集画像を生成することを特徴とする不良内容編集装置。
- 撮像画像に基づいてウェブ印刷物を検査し検査データを出力する印刷物検査手段と、前記検査データに基づいて前記ウェブ印刷物の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集し不良編集画像を生成する不良内容編集手段とを有することを特徴とする不良抜取作業支援装置。
- 撮像画像に基づいてウェブ印刷物を検査し検査データを出力する印刷物検査過程と、前記検査データに基づいて前記ウェブ印刷物の巻取体における長さ方向の不良位置と、版胴一周分の印刷画像上における不良位置と、不良陰影とを含む複数の不良内容を版胴一周分の印刷画像上に合成して編集し不良編集画像を生成する不良内容編集過程と、前記不良編集画像を用紙にプリント出力し不良編集画像プリントを得るプリント過程と、前記不良編集画像プリントを前記巻取体に添付する不良編集画像プリント添付過程とを有することを特徴とする不良抜取作業支援方法。
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| JP4620208B2 true JP4620208B2 (ja) | 2011-01-26 |
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| JP (1) | JP4620208B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US11967055B2 (en) | 2021-06-30 | 2024-04-23 | International Business Machines Corporation | Automatically generating defect data of printed matter for flaw detection |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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