JP4616807B2 - 既設柱の補強方法及びその構造 - Google Patents

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本発明は、鉄筋コンクリート製の既設柱を補強して耐震強度を向上させる補強方法及びその補強構造に関する。
従来、角形鉄筋コンクリート柱の靭性を向上させる補強方法の一つに、既設柱の周囲に鋼板を巻き立てることによって柱の剪断強度を増加させる方法がある(例えば、特許文献1)。この方法は、地震が発生した場合に、柱から万一コンクリートが剥離した場合であても、剥離片は巻立鋼板によって拘束されており、柱から剥落することがないので、柱の靭性が急激に低下することを防止する。
しかし、鋼板の巻き立てのみによる補強では、柱の上下端部において巻立鋼板が外側に膨らむ方向に変形し易く、柱の拘束効果が不十分であるとの指摘がなされていた。地震時に巻立鋼板の下端が膨らむ方向に変形した場合、その変形部分で拘束効果が低下し、そこから剥離したコンクリートの小片が剥落する可能性があり、巻立鋼板の内側が空洞化して急激な靭性低下を招く可能性がある。特に、柱の断面寸法が大きくなる場合には拘束効果がより低下し易い傾向にある。
特開2005−220699号公報
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決することを目的としてなされたものであり、巻立鋼板端部の変形を抑制してコンクリートの拘束効果を維持し、靭性能を高めることができるようにした既設柱の補強方法及びその補強構造を提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明者が鋭意検討したところ、既設柱を囲繞するように巻立てた巻立鋼板の変形し易い上部や下部を補強することが望まれるが、その補強の際に用いる補強鋼材を、固定板と該固定板に対して直角を成す補剛板とを備えた構成とし、固定板を巻立鋼板の周囲を拘束するように固着すれば、巻立鋼板の端部を有効に補強できるとの知見を得た。
そこで本発明が解決手段として採用したところは、鉄筋コンクリート製の既設柱に鋼板を巻き立てて補強する補強方法において、既設柱を囲繞するように鋼板を巻き立てる巻立工程と、固定板と該固定板に対して直角を成す補剛板から成る補強鋼材を、前記固定板を介して巻立鋼板の上部及び/又は下部の周囲を拘束するように固着する拘束工程とを有する点にある。かかる補強方法によれば、巻立鋼板の変形し易い上部及び/又は下部の周囲を効果的に補強できる。尚、補強鋼材はL形鋼を用いることが好ましいが、必ずしもL形鋼に限定するものではない。
この補強方法では、前記巻立工程において、前記巻立鋼板の上端部が梁との間に、下端部が床スラブとの間にそれぞれ隙間を有するように既設柱に巻き立てることが好ましい。更にまた、この補強方法では、前記巻立工程において、前記巻立鋼板を既設柱側面との間に隙間を有して巻立て、その隙間にモルタルを充填することにより、巻立鋼板と既設柱を一体化しておくことが好ましい。
また本発明に係る補強構造が解決手段として採用したところは、鉄筋コンクリート製の既設柱に鋼板を巻き立てて補強する補強構造において、既設柱を囲繞するように鋼板を巻き立てると共に、固定板と該固定板に対して直角を成す補剛板から成る補強鋼材を、前記固定板を介して巻立鋼板の上部及び/又は下部に固着して前記巻立鋼板の周囲を拘束するように設けた点にある。かかる補強構造は、巻立鋼板の変形し易い上部及び/又は下部の周囲を効果的に補強する。ここでも補強鋼材はL形鋼を用いることが好ましいが、必ずしもL形鋼に限定するものではない。
この補強構造においては、前記巻立鋼板は、その上端部が梁との間に、その下端部が床スラブとの間にそれぞれ隙間を有するように既設柱に巻き立てられることが好ましい。更にまた、この補強構造としては、前記巻立鋼板を既設柱側面との間に隙間を有して巻立て、その隙間にモルタル等の充填材を付与し、巻立鋼板と既設柱を一体化した構造とすることが好ましい。
更に、この補強構造においては、前記補剛板に固定されると共に、前記補剛板の上面と床面を滑らかに接続する保護材を更に設けることが好ましく、別の態様としては、既設柱周囲の床スラブの上部を予め除去しておき、前記巻立鋼板の下端を床面よりも下に配置すると共に、前記補強鋼材の前記補剛板の上面をほぼ床面と面一となる位置に設け、前記補剛板の上面に平板状の保護材を取り付けることが好ましい。そしてこの構造の場合には、前記保護材の下部空間を柔軟材料で充填しておくことがより好ましい。
本発明に係る既設柱の補強方法及び補強構造によれば、既設柱を囲繞するように鋼板が巻き立てられると共に、固定板と該固定板に対して直角を成す補剛板とを備えた補強鋼材が、前記固定板を介して巻立鋼板の上部及び/又は下部の周囲を拘束するように固着されるので、巻立鋼板の上部及び/又は下部を補強鋼材によって拘束しておくことができる。そのため、地震時に変形しやすい巻立鋼板の上下端部の変形を抑制して既設柱の拘束効果を維持し、柱の靭性を高めることができる。即ち、塑性ヒンジ領域となる巻立鋼板の柱頭部と柱脚部に集中的に補強鋼材を配置するので、巻立鋼板のみによる補強と比べて柱の曲げ塑性変形角(Rmp)が上昇し、柱の変形性能を飛躍的に高めることができる。
また巻立鋼板を、その上端部が梁との間に、その下端部が床スラブとの間にそれぞれ隙間を有するように既設柱に巻き立てることにより、地震時に巻立鋼板の上下端部が梁や床スラブに接触して座屈変形することを防止し、既設柱の拘束効果を良好に維持する。
更に巻立鋼板を既設柱側面との間に隙間を有して巻立て、その隙間に補強用のモルタルを充填することにより、巻立鋼板とモルタルの双方が既設柱を拘束して補強する構造となり、より優れた補強効果を発揮する。
また補剛板に対して保護材を取り付ければ、補剛板が保護材でカバーされるので、補剛板が通行時の妨げになることを抑制できる。
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。図1乃至図3は本発明に係る既設柱の補強方法を示す概念図であり、図1は既設柱に対して補強部材を組み付けた状態を示す斜視図、図2は既設柱に対して各補強部材を組み付ける前の状態を示す斜視図、そして図3は既設柱を補強した状態を示す側面図である。この補強方法は、壁などに接続していない独立した存在の既設柱であって、例えば四角柱等の角形の鉄筋コンクリート柱を補強するものであり、略コの字型に折り曲げ加工した2枚の鋼板2を用いて既設柱1を包囲するように巻立てて拘束し、その巻立鋼板2の上部の柱頭部分と、下部の柱脚部分に、それぞれ既設柱1を包囲するように補強鋼材3を取り付けることにより補強する。補強鋼材3は、図示の如く、固定板3aと該固定板3aに対して直角を成す補剛板3bとを備えた補強鋼材であり、例えば断面L型の山形鋼(L型鋼)で構成される。但し、本発明はL型鋼に限定するものではなく、L型鋼以外のH型鋼やT型鋼若しくはその他の鋼材であっても良い。
巻立鋼板2の柱頭部分と柱脚部分のそれぞれに4つの補強鋼材3を配置して、各固定板3aを巻立鋼板2の表面に固着すると共に、周方向に互いに隣接する補強鋼材3同士も固着することにより、巻立鋼板2の上部及び下部の周囲を拘束する。このため補剛板3bは、巻立鋼板2の側面から直角に突出するほぼ水平なフランジ部を巻立鋼板2の全周に亘って形成する。この補剛板3bは、地震時に巻立鋼板2の内側から加わる水平力に抗して巻立鋼板2の変形を抑制する効果を発揮する。尚、図例では巻立鋼板2の上部及び下部の双方に補強鋼材3を設ける場合を例示するが、上部及び下部のいずれか一方を補強すれば良い場合には、他方の補強鋼材は省略しても構わない。
2枚の巻立鋼板2は例えば4.5〜9mm程度の板厚であり、折り曲げ部は板厚の3倍程度若しくはそれ以上の曲げ半径で形成される。既設柱1を巻立てた際の2枚の巻立鋼板2の接合部には裏面側にあて板4が設けられており、それぞれの巻立鋼板2があて板4に溶接されることにより既設柱1を囲繞した状態で固定される。但し、巻立鋼板2の固定は必ずしも溶接によるものに限られず、ボルトとナットの締着によって固定しても良いし、他の固定手法を採用しても良い。
このようにして既設柱1を包囲して固定される巻立鋼板2は、図3に示す如く、梁5の下端に接触するのではなく、巻立鋼板2の上端が梁5の下端との間に例えば15〜30mm程度の隙間Gを有するように配置する。同様に、巻立鋼板2の下端についても、床面6に接触するのではなく、床面6との間に例えば15〜30mm程度の隙間Gを有するように配置する。これらの隙間Gは、地震による水平力を受けて柱1が変形する際に、巻立鋼板2の上下端部が梁5の下端や床スラブに接触することを防止するためのものであり、巻立鋼板2が梁や床スラブに接触することによって座屈や局所的な変形が生じることを防ぐ目的で設けられる。
また巻立鋼板2の内側は既設柱1の側面に対して密着するのではなく、柱側面との間に若干の空隙を設けて固定される。図4は巻立鋼板2を巻立てた柱1の横断面図を示しているが、巻立鋼板2の内側には巻立鋼板2と既設柱1の間に一定の隙間7を確保するためのセパレータ8が設けられる。また巻立鋼板2を既設柱1に固定するボルト9を巻立鋼板2の外側から既設柱1の側面に対して必要に応じて打ち付け、巻立鋼板2の内側の隙間7が必要以上に大きくなることを防止する。
そして巻立鋼板2の内側に形成した隙間7に対して補強用のモルタル10を充填する。この充填モルタル10は、21N/mm2以上であり、かつ既設柱1のコンクリート強度以上のものを使用する。また巻立鋼板2の内側の隙間7の全体に対してモルタルを十分に行き渡らせるため、充填モルタル10は流動性の高いものを使用する。巻立鋼板2を前記ボルト9で既設柱1に固定している場合には、巻立鋼板2と既設柱1の隙間7にモルタル10を充填する際に、巻立鋼板2のはらみ出しが防止され、柱脚から柱頭に亘ってほぼ均等にモルタル10を充填することができる。そして充填モルタル10が固化することにより、充填モルタル10と巻立鋼板2は既設柱1の全体を補強する。
またモルタル10の充填に前後して、巻立鋼板2の上部及び下部に対して、上述の補強鋼材3を固着する。例えば、補強鋼材3は、固定板3aを巻立鋼板2に溶接することにより取り付けられるが、補強鋼材3の取付は必ずしも溶接によるものに限られず、ボルトとナットの締着で固定しても良いし、他の固定手法を採用しても良い。また周方向に互いに隣接する補強鋼材3同士も溶接若しくはその他の手法により連結した状態に固着される。そのため、巻立鋼板2の上部及び下部に設けられる補強鋼材3は、巻立鋼板2を包囲するように環状に固定され、既設柱1の上下端部において巻立鋼板2を拘束して補強し、地震時に既設柱1が大きく変形したとしても巻立鋼板2が変形することを抑制して既設柱1の拘束効果を持続する。そのため、柱全体の靭性が高まることになる。尚、補強鋼材3は、巻立鋼板2を既設柱1に巻き立てるのに先立ち、予め巻立鋼板2の上部及び下部に取り付けておいても良い。
図5は本方法による補強鋼材3の取付態様の一例を示す縦断面図である。図示の如く、補強鋼材3は梁5と床スラブ6との間に隙間tを隔てて配置される。この隙間tは、巻立鋼板2の上下端部に設けた隙間Gと同様の目的で設けられ、地震による水平力を受けて既設柱1が変形する場合であっても、補強鋼材3が梁5の下端や床スラブに接触することを防止し、変形による拘束力低下を抑制する。尚、図例において、巻立鋼板2の上部に固着した補強鋼材3は、補剛板3bが固定板3aの上縁に位置するよう逆L字型に配置され、巻立鋼板2の下部に固着した補強鋼材3は、補剛板3bが固定板3aの下縁に位置するよう正L字型に配置された場合を示しているが、この態様に限定されるものではない。このようにして巻立鋼板2の上部と下部に固着される補強鋼材3は、巻立鋼板2を周方向に拘束して巻立鋼板2の上下端部の横拘束力が大きくなるように補強しており、地震時に巻立鋼板2が座屈して横拘束力が低下することを抑制し、既設柱1の靭性低下を防ぐ。そのため、巻立鋼板2のみによる補強方法と比較した場合、格段に柱の靭性が向上する。
また本実施形態においては図5に示す如く、巻立鋼板2の下端部に剥落防止板2bを設けている。即ち、地震時には、巻立鋼板2の内側に充填したモルタル10が剥離する可能性があり、その剥離したモルタル片が巻立鋼板2の内側から剥落することを防止して、巻立鋼板2の内側を常に密に保持しておくために剥落防止板2bを設けている。そのため剥落防止板2bは、巻立鋼板2の下端内側の隙間を閉塞するように設けておくことが好ましい。この剥落防止板2bは、巻立鋼板2の下端部を折り曲げ加工することにより形成しても良いし、別の幅細板を溶接等で固定することにより形成しても良い。これにより、万一、地震時に巻立鋼板2の内側で充填モルタル10が剥離したとしても、それら剥離片は巻立鋼板2の下端から落下することがなくなる。そのため、巻立鋼板2の内側が空洞化することがなく、巻立鋼板2による既設柱1の拘束効果が良好に維持される。但し、このような剥落防止板2bは必須のものではなく、剥落防止板2bを省略した構造としても良い。
ところで、上述の方法では巻立鋼板2の下端が床面6よりも高い位置に取り付けられると共に、補強鋼材3の補剛板3bも、床面6より高い位置に取り付けられる。そのため、柱脚部分で巻立鋼板2から直角に突出する補剛板3bが通行時等の障害になり、歩行者の足が補剛板3bに当たる可能性があるので、柱脚部分の構造は次の図6乃至図8に示す如く、補剛板3bに保護材を設けた構成とすることが好ましい。
図6は柱脚部分の補強部材3、特に補剛板3bの上面が床面6と面一となるように配置した構成例である。この構成では、予め既設柱1周囲の床スラブを床面から数cm程度掘り下げて除去しておき、巻立鋼板2の下端が床面6よりも下の位置となるように配置すると共に、補強鋼材3の補剛板3bの上面がほぼ床面6と面一となるように取り付ける。このとき補剛板3bの先端は床スラブと接触しないように隙間を設けることが好ましいが、その隙間は極力小さくする。そして、この補強鋼材3の補剛板3bの上面に、保護材となる床仕上げ材15を設ける。床仕上げ材15は床面6に敷設される絨毯等の床仕上げ材と同じものを補剛板3b上に延設すればよい。このように柱脚部分の床スラブを一部除去して本補強方法を行えば、柱脚部分の補強鋼材3が通行等の妨げとなることはなく、既設柱1の周りを有効に活用できるようになる。尚、図6のように床スラブの一部を除去した場合には、その除去部分14に、スタイロフォームやウレタン等のような、地震時における補強鋼材3や巻立鋼板2の変位を拘束しない柔軟材料を充填しておいても良い。
次に図7は床スラブを除去することなく、柱脚部分の補剛板3bに保護材11を設けた構成例である。保護材11は、例えばゴムや樹脂等の柔軟性を有する材料で断面「へ」の字型に形成された板状体であり、補剛板3bの上面に固定され、滑らかに床面6に接続するように配置される。ここで保護材11をゴムや樹脂等の柔軟材で形成するのは、保護材11自体が、地震時における柱1や巻立鋼板2の変位を拘束しないためである。また保護材11を柔軟材で形成するのではなく、例えば補剛板3bとの接合部の強度を低く設定しておくことにより、地震時にその接合部が容易に破壊されて、柱1や巻立鋼板2の変位を拘束しないように構成しても良い。尚、図7のように保護材11を配置した場合、その保護材11の下部空間12に、スタイロフォームやウレタン等のような、地震時における補強鋼材3や巻立鋼板2の変位を拘束しない柔軟材料を充填しておいても良い。このように補剛板3bに保護材11を設けておけば、補剛板3bは保護材11でカバーされるので、通行時に歩行者の足が補剛板3bに直接当たる可能性はなくなる。
更に図8は既設柱1周囲の床スラブの上部を除去し、保護材13を床面6とほぼ面一となるように配置する構成例である。即ち、図6の場合と同様に、予め既設柱1の周囲の床スラブを数cm程度掘り下げて除去し、巻立鋼板2の下端が床面6よりも下の位置となるように配置すると共に、補強鋼材3の補剛板3bの上面がほぼ床面6と面一となるように取り付ける。そして、この補強鋼材3の補剛板3bの上面に平板状の保護材13を取り付けるのである。この場合においても、地震時に柱1や巻立鋼板2の変位を拘束しないように、保護材13はゴムや樹脂等の柔軟材で構成することが好ましいが、補強鋼材3との接合強度を弱くすることにより、柱1や巻立鋼板2の変位を拘束しないようにしても良い。尚、床スラブの一部を除去した除去部分14に、スタイロフォームやウレタン等のような、地震時における補強鋼材3や巻立鋼板2の変位を拘束しない柔軟材料を充填しておいても良い。図8の場合であっても、柱脚部分の補強鋼材3が通行等の妨げとなることはなく、既設柱1の周りを有効に活用できるようになる。
以上、本発明の一実施形態を詳述したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述の例では、補強対象となる既設柱1が四角柱である場合を示したが、本発明はそれに限定されるものではなく、他の多角柱であっても良いし、円柱であっても良い。また上述の例では2枚の巻立鋼板2で既設柱1を巻立てる場合を示したが、巻立鋼板の枚数は任意である。更に、上述の例では、既設柱1が壁などに接続していない独立した存在の柱であることを前提としたが、仮に既設柱1に壁が接続している場合であっても、その壁を一旦撤去して上述の補強を施した後、再び壁を復旧することも可能であるので、本発明において補強対象となる既設柱は必ずしも独立して存在する柱に限定されるものではない。
既設柱に対して補強部材を組み付けた状態を示す斜視図である。 既設柱に対して各補強部材を組み付ける前の状態を示す斜視図である。 既設柱を補強した状態を示す側面図である。 巻立鋼板を巻立てた既設柱の横断面図である。 補強鋼材を固着した状態を示す縦断面図である。 床スラブを一部除去した柱脚部分に補強鋼材と床仕上げ材を取り付けた態様を示す拡大断面図である。 補強した柱脚部分に保護材を取り付けた態様を示す拡大断面図である。 床スラブを一部除去した柱脚部分に補強鋼材と保護材を取り付けた態様を示す拡大断面図である。
符号の説明
1 既設柱
2 巻立鋼板
3 補強鋼材
3a 固定板
3b 補剛板
5 梁
6 床
10 充填モルタル
11,13 保護材
15 床仕上げ材(保護材)

Claims (7)

  1. 鉄筋コンクリート製の既設柱に鋼板を巻き立てて補強する補強方法において、
    上端部が梁との間に、下端部が床スラブとの間にそれぞれ隙間を有して、既設柱を囲繞するように綱板を巻き立てる巻立工程と、
    固定板と該固定板に対して直角を成す補剛板から成る補強鋼材を、前記補剛板が梁及び/又は床スラブとの間に隙間を有して、前記固定板を介して巻立鋼板の上部及び/又は下部の周囲を拘束するように固着する拘束工程と、
    を有することを特徴とする既設柱の補強方法。
  2. 前記巻立工程においては、前記巻立鋼板を既設柱側面との間に隙間を有して巻立て、その隙間にモルタルを充填することを特徴とする請求項1記載の既設柱の補強方法。
  3. 鉄筋コンクリート製の既設柱に鋼板を巻き立てて補強する補強構造において、
    上端部が梁との間に、下端部が床スラブとの間にそれぞれ隙間を有して、既設柱を囲繞するように鋼板を巻き立てると共に、固定板と該固定板に対して直角を成す補剛板から成る補強鋼材を、前記補剛板が梁及び/又は床スラブとの間に隙間を有して、前記固定板を介して巻立鋼板の上部及び/又は下部に固着して前記巻立鋼板の周囲を拘束するように設けたことを特徴とする既設柱の補強構造。
  4. 前記巻立鋼板は既設柱側面との間に隙間を有して巻立てられ、その隙間にモルタルを充填してなることを特徴とする請求項3記載の既設柱の補強構造。
  5. 前記補剛板に固定されると共に、前記補剛板の上面と床面を滑らかに接続する保護材を更に設けることを特徴とする請求項3又は4記載の既設柱の補強構造。
  6. 既設柱周囲の床スラブの上部を除去し、前記巻立鋼板の下端を床面よりも下に配置すると共に、前記補強鋼材の前記補剛板の上面をほぼ床面と面一となる位置に設け、前記補剛板の上面に平板状の保護材を取り付けることを特徴とする請求項3又は4記載の既設柱の補強構造。
  7. 前記保護材の下部空間を柔軟材料で充填することを特徴とする請求項5又は6記載の既設柱の補強構造。
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