JP4616629B2 - 画像材料用支持体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、天然パルプを主成分とする紙基質(以下、基紙と略すことがある)の両面がポリオレフィン系樹脂で被覆された画像材料用支持体に関するものであり、更に詳しくは、溶融樹脂を基紙面に塗布する際に冷却ロールからの剥離性が良く、且つ押出機のリップ汚れが少ないため、均質な画像面が得られ、安定して高速生産ができる画像材料用支持体に関するものである。
従来、画像材料用支持体のための基紙面がフィルム形成能ある樹脂で被覆された樹脂被覆紙型画像材料用支持体は良く知られている。例えば、基紙の両面がポリオレフィン系樹脂で被覆された画像材料用支持体についての技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。ハロゲン化銀感光材料の迅速写真現像処理方式が適用されて以来、基紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された写真印画紙が主に実用化されて来たが、今日では、画像出力型式の多様化に伴い、画像材料用支持体に各種受像層を設けることによって、熱転写用、インクジェット用、電子写真用などの各種受像紙として広く利用されている(例えば、特許文献2参照)。
画像材料用支持体は、画像材料に出力される画像の鮮鋭性を高める目的で、樹脂層中に通常二酸化チタン顔料を含有させることが多い(例えば、特許文献3参照)。樹脂層に二酸化チタンなどの顔料を配合する場合、顔料の分散性や加工適正などを向上させるために、各種添加剤が添加されるが、一般的には、滑剤として金属石鹸が使用されている。しかし、金属石鹸は適量の添加によってその効果を発揮するものの、連続操業の中では、それ自体が熱分解などの影響により、ロールなどを汚染する原因となることが判った。特に、溶融した樹脂が直接接触する冷却ロールには、金属石鹸の分解物を主成分とする汚れが付着し易く、連続操業の時間が長くなるほど汚れが蓄積していく傾向があった。
製造中に冷却ロール汚れが多く発生し始めると冷却ロールからの剥離性が悪化して、冷却ロール側に樹脂層が取られる傾向が強くなるために、なめらかな樹脂層表面上に凹凸が発生し始める。この凹凸は、画像材料用支持体としての表面平滑性を低下させるため、重大な品質故障の原因となるものである。
また、溶融樹脂を基紙面に塗布する際に、該溶融樹脂はスリットダイよりフィルム状に流延されて塗布されるが、通常、時間の経過とともに該スリットダイのリップ先端部分に氷柱状の汚れ(以下、ダイリップ汚れと称すことがある)が付着する傾向がある。ダイリップ汚れが付着すると、樹脂フィルム表面に縦スジ状のムラが発生する原因となり、こうして得られた画像材料用支持体は、表面の均質性が著しく損なわれたものとなっていた。
米国特許第3501298号明細書 特開2002−294599号公報 特開2000−241935号公報
従って、本発明の目的は、天然パルプを主成分とする基紙の両面がポリオレフィン系樹脂で被覆された画像材料用支持体において、溶融樹脂を基紙面に塗布する際に冷却ロールからの剥離性が良く、且つ押出機のダイリップ汚れが少ないため、均質な画像面が得られ、安定して高速生産ができる画像材料用支持体の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の本発明を見出した。即ち、第1の発明は、基紙の両面がポリオレフィン系の樹脂層で被覆された画像材料用支持体の製造方法であって、画像形成層を設ける側(以下、表側と称すことがある)の樹脂層が、少なくとも亜鉛を含む金属石鹸を滑剤としたマスターバッチと、カルシウムまたはリチウムを含む金属石鹸を滑剤としたマスターバッチの少なくとも2種のマスターバッチを混合した樹脂組成物から成る事を特徴とする画像材料用支持体の製造方法である。
第2の発明は、第1の発明における樹脂組成物中における金属石鹸の総量が、0.1質量%から1.0質量%である画像材料用支持体の製造方法である。
第3の発明は、第1または第2の発明における樹脂組成物中の金属石鹸の内、亜鉛系金属石鹸の比率が25モル%から75モル%である画像材料用支持体の製造方法の発明である。
本発明は、天然パルプを主成分とする基紙の両面がポリオレフィン系樹脂で被覆された画像材料用支持体の製造方法であって、画像形成層を設ける側の樹脂層に少なくとも亜鉛を含む金属石鹸を滑剤としたマスターバッチと、カルシウムまたはリチウムを含む金属石鹸を滑剤としたマスターバッチの少なくとも2種のマスターバッチを混合した樹脂組成物を用いることによって、溶融樹脂組成物を基紙面に塗布する際に、冷却ロールからの剥離性が良く、且つ押出機のダイリップ汚れが少ないため、均質な画像面が得られ、安定して高速生産ができる画像材料用支持体の製造方法を提供することができる。
本発明は、前述した通り、冷却ロール汚れとダイリップ汚れの発生を抑止し、均質な表面を有する画像材料用支持体の製造方法を提供するものであるが、本発明者らが調査したところ、冷却ロール汚れおよびダイリップ汚れを悪化させる一因は、ポリオレフィン樹脂層に含まれる金属石鹸の分解であることが明らかとなった。即ち、耐熱性の低い金属石鹸が含有されているポリオレフィン樹脂を、溶融押し出し機を用いてスリットダイから溶融状態でフィルム状に押し出す場合、高温で押し出されるが故に、これらの物質は熱分解され、その結果、粘着性のある変性物を形成せしめ、この粘着性のある変性物は、冷却ロール上に堆積していき、冷却ロール汚れを発生させる。また一方で、スリットダイから溶融樹脂が押し出される際に、該熱分解物質は、ダイリップの先端部分にも付着していき、氷柱状のダイリップ汚れを形成する。

金属石鹸は、高級脂肪酸の金属塩であるため、脂肪酸および金属の種類を変更することによって、その耐熱性や滑剤としての特性が種々に変化することが知られている。一般的に、滑剤の加工滑性は内部滑性と外部滑性に分けることができ、樹脂と顔料などの添加物とが均一に混ざり易くし、分子間で局所的に発生する摩擦を防ぎ、溶融押し出し機から押し出され易くするような、これらの流動性を向上する作用を内部滑性という。一方、溶融加工時の温度における樹脂の加工機械などへの粘着を防止する作用を外部滑性という。これら金属石鹸の機能は、金属石鹸を添加するベース樹脂の種類によっても変化するが、特にポリオレフィン系樹脂においては、金属がリチウム、カルシウムなどの場合は内部滑性を示し、亜鉛の場合は外部滑性としての作用が大きい。
金属石鹸中の金属種としては、亜鉛を用いる場合が一般的であるが、リチウム、カルシウム、マグネシウム、またはアルミニウムなどに変更する事によって、金属石鹸の耐熱性が向上することから、冷却ロール汚れおよびダイリップ汚れの対策として、これらを利用する事が有効な手段の一つである。また、上記した滑剤を複数混合した複合物を滑剤として用いる場合にも一定の効果が得られることが判明している。
しかし筆者は、本発明において、金属種を変更した滑剤を単独で使用する場合、または異種金属石鹸の複合物を滑剤として用いる場合などよりも、更に耐冷却ロール汚れおよび耐ダイリップ汚れ性に優れた樹脂配合を見出した。即ち、表側の樹脂層を、少なくとも亜鉛を含む金属石鹸を滑剤としたマスターバッチと、カルシウムまたはリチウムを含む金属石鹸を滑剤としたマスターバッチを混合した樹脂組成物とする事によって、目的を達成するに至った。
樹脂組成物に含有される金属石鹸の総量は、0.1質量%から1.0質量%の範囲が好ましく、0.2質量%から0.6質量%の間がより好ましい。滑剤含有量が少な過ぎる場合は、冷却ロールとの離型性不足となり、多過ぎる場合は、過剰な滑剤のブリードアウトによって汚れが発生する。
樹脂組成物に配合された2種類の金属石鹸のうち、亜鉛系金属石鹸の比率は、25モル%から75モル%の範囲が良好である。亜鉛系の金属石鹸比率が多すぎる場合は、耐熱性の向上が得られなくなり、少なすぎる場合は、外部滑性の働きが不足するため、冷却ロール汚れやダイリップ汚れは減少しない。
本発明において用いられる亜鉛、リチウム及びカルシウム以外の金属としては、本発明の効果を阻害しない限りであれば特に制限は無く、マグネシウム、アルミニウムなどを用いることができる。
また、本発明において用いられる金属石鹸中の脂肪酸の種類としては、本発明の効果を阻害しない限りであれば特に制限は無く、ステアリン酸、パルミチン酸、モンタン酸、ベヘン酸などを用いることができ、何れの脂肪酸の組み合わせでもよい。特に、金属石鹸としての耐熱性をもたせるために、炭素数が14以上である脂肪酸を用いることが好ましい。更に、本発明においては、水酸基を有する脂肪酸を用いることができる。例えば、12−ヒドロキシステアリン酸を用いた金属石鹸としては、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムや12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛などが好ましく用いられる。
本発明における画像材料用支持体の基紙の画像構成層を設ける側に被覆されるポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、又はこれらの混合物が好ましい。その中で、各種の密度、メルトフローレート(以下単にMFRと略す)、分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、密度が0.90〜0.97g/cmの範囲、MFRが0.1〜50g/10分、好ましくは、MFRが0.3〜40g/10分の範囲のものを単独にあるいは混合して有利に使用できる。また、樹脂が多層構成である場合、最外層の樹脂として、例えば、MFRが5〜20g/10分のもの、下層の樹脂として、例えば、MFRが2〜10g/10分のものを使用するなど別の性質、構成の樹脂を使用することもできる。
本発明における画像材料用支持体の基紙の画像構成層を設ける側の面を被覆するポリオレフィン樹脂の被覆厚さとしては、4〜70μmの範囲が有用であるが、6〜45μmの範囲が好ましく、9〜35μmの範囲が特に好ましい。
本発明における画像材料用支持体の基紙の画像構成層を設ける側の面を被覆するポリオレフィン樹脂層には、二酸化チタンなどの各種顔料を含有せしめる事ができる。二酸化チタン顔料をポリオレフィン樹脂中に含有せしめる方法としては、二酸化チタン顔料を予めポリオレフィン樹脂中に所定の濃度で含有させた所謂マスターバッチを作製し、それを希釈用のポリオレフィン樹脂で所望の割合に混合希釈して使用する。このマスターバッチを作製する際には、二酸化チタン顔料の分散性を向上させるために、各種金属石鹸を含有せしめることが好ましい。
これらのマスターバッチを作製するには通常、バンバリーミキサー、ニーダー、混練用押出機、ロール練り機などを用いることができ、また、これら各種混練機を二種類以上組み合わせて使用してもよい。
これら二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるマスターバッチの調製に用いるポリオレフィン樹脂としては、二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂との混練性に関わる適当な物性のものが好ましい。具体的には、密度が0.917〜0.925g/cmの範囲、MFRが3〜12g/10分の低粘度ポリオレフィン樹脂、又は中粘度ポリオレフィン樹脂が好ましい。
二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるポリオレフィン樹脂組成物の調製に際し、適量の酸化防止剤の存在下にポリオレフィン樹脂組成物の調製を行うのが好ましい。具体的には、特開平1−105245号公報に記載もしくは例示のヒンダードフェノール系の酸化防止剤、特開昭55−142335号公報に記載もしくは例示のリン系酸化防止剤の他、ヒンダードアミン、硫黄系などの各種酸化防止剤などを適量存在せしめるのが好ましいが、特にヒンダードフェノール系の酸化防止剤を適量存在せしめるのが好ましい。これらポリオレフィン樹脂組成物を調製中の酸化防止剤の存在量としては、前記理由により、少なければ少ないほど好ましいが、50〜3000ppmの範囲が好ましく、50〜1000ppmの範囲が更に好ましい。
本発明における画像材料用支持体の画像構成層を設ける側の面を被覆するポリオレフィン樹脂中には、二酸化チタン顔料、金属石鹸、酸化防止剤の他に各種の添加剤を含有せしめることができる。酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、コバルトブルー、群青、セリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルー系の顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガンバイオレットなどのマゼンタ系の顔料や染料、特開平2−254440号公報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることができる。
本発明における画像材料用支持体の画像構成層を設ける側と反対の基紙面は、少なくともポリオレフィン系の樹脂を含むフィルム形成能ある樹脂で被覆される。ポリオレフィン系の樹脂以外のフィルム形成能ある樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく、中でも溶融押し出しコーティング性の点から前記したポリエチレン樹脂が特に好ましい。
本発明の画像材料用支持体の画像構成層を設ける側と反対の基紙面のフィルム形成能ある樹脂被覆層中にも、画像構成層を設ける側のポリオレフィン樹脂層同様に、白色顔料、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、各種酸化防止剤、ブルー系の顔料や染料、マゼンタ系の顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることができる。
また、画像材料用支持体の基紙の画像構成層を設ける側と反対の面は、表側の樹脂と同様の樹脂が好ましく、その被覆厚さとしては、表側の樹脂と、特にカールバランスを取る範囲で適宜設定するのが好ましく、一般に4〜70μmの範囲が有用であるが、好ましくは6〜45μmの範囲が好ましく、9〜35μmの範囲が特に好ましい。
本発明の画像材料用支持体は、より高速での加工が可能であることを特徴とする。加工時の走行速度が、高速になるに従って、一定量の被覆樹脂層を基紙面に設けるためには、押し出しスクリューの回転数を上げて、溶融樹脂の押し出し量を多くしなければならない。そのため、走行速度を高くするにつれて溶融樹脂のせん断応力は高くなり、その結果、樹脂の劣化の促進に伴う冷却ロール汚れ及びダイリップ汚れの発生頻度が高くなる。150m/分以下の比較的低速領域の走行速度では、冷却ロール汚れ、ダイリップ汚れの発生頻度が低くても、走行速度がより高速になると、発生頻度が高くなるケースがある。本発明においては、より高速での加工が可能であり、具体的には、200m/分以上でその効果が現れ、400m/分以上においても安定した加工性を維持することが可能である。
本発明における画像材料用支持体の基紙面に樹脂を被覆する方法としては、走行する基紙上に樹脂組成物を溶融押し出し機を用いて、そのスリットダイからフィルム状に流延して被覆する、いわゆる溶融押し出しコーティング法によって被覆するのが好ましい。その際、樹脂温度は270℃〜350℃であることが好ましい。この範囲により、接着性、樹脂の劣化防止、及び均質な面質について特に良好となる。
スリットダイとしては、T型ダイ、L型ダイ、フィッシュテイル型ダイのフラットダイが好ましく、スリット開口径は0.1〜2mmであることが望ましい。また、樹脂組成物を基紙にコーティングする前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましい。また、特公昭61−42254号公報に記載もしくは例示の、基紙に接する側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に走行する基紙に樹脂層を被覆することもできる。また、表、裏の樹脂層は逐次、又は連続的に、押し出しコーティングされる、いわゆるタンデム押し出しコーティング方式で基紙に被覆することが好ましい。
また、画像材料用支持体の画像構成層を塗設する側の表樹脂層面は、特公昭62−19732号公報に記載もしくは例示の光沢面、微粗面、マット面あるいは絹目面等に加工することができ、その反対側の裏樹脂層は通常無光沢面に加工するのが好ましい。
本発明で用いられる二酸化チタン顔料は、有機物質により表面処理されているものを好ましく用いることができる。表面処理に用いる有機物質としては、特公昭61−26652号公報に記載もしくは例示のジメチルポリシロキサン、ジメチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどのオノガノポリシロキサン化合物、特公昭60−3430号公報に記載もしくは例示のアルキルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのシランカップリング剤、特公平3−35652号公報に記載もしくは例示のトリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール化合物、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン化合物又はそれらの無機塩などがあげられるが、シランカップリング剤により処理した二酸化チタン顔料を用いるのがより好ましい。
それらの有機表面処理剤の処理量としては、前記したような理由により、少なければ少ないほど好ましいが、二酸化チタン顔料に対して0.05〜2.5質量%の範囲が好ましく、0.05〜1.5質量%の範囲が更に好ましい。
本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料は、有機物質で表面処理される前に含水酸化アルミニウム、含水酸化珪素などの無機物質で表面処理を行ってもよい。その際には、特公昭63−11655号、特公平1−38291号、特公平1−38292号、特公平1−105245号等の各公報に記載もしくは例示してあるような適切な処理を行うことが好ましい。
本発明で用いられる天然パルプを主成分とする基紙としては、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白等の通常の漂白処理、並びにアルカリ抽出もしくはアルカリ処理、及び必要に応じて過酸化水素、酸素などによる酸化漂白処理等、及びそれらの組み合わせ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが用いられ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプなどの各種のものを用いることができる。
本発明で用いられる基紙中には、紙料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめることができる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩又は脂肪酸、特公昭62−7534号公報に記載もしくは例示のアルキルケテンダイマー乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケニルまたはアルキルこはく酸無水物乳化物、ロジン誘導体等、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナン等、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン等、定着剤として、塩化アルミニウム、硫酸バンド等の水溶性アルミニウム塩等、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸等を、その他特開昭63−204251号公報、特開平1−266537号公報に記載もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などを適宜組み合わせて含有せしめるのが有利である。
また、本発明の実施に用いられる基紙中あるいは基紙上には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドまたはラテックス、帯電防止剤、添加剤から成る組成物をサイズプレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは塗設せしめることができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドとして、特開平1−266537号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルロース系ポリマーなど、エマルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55−4027号公報、特開平1−180538号公報に記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(又はメタクリル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルフォン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、二酸化チタンなど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、その他前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組み合わせて含有せしめるのが有利である。
本発明で用いられる基紙の厚みに関しては、特に制限はないが、その坪量は50〜250g/mのものが好ましい。
本発明における画像材料用支持体の画像構成層を設ける側のポリオレフィン樹脂層面には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことができる。更に活性化処理後、特開平1−102551号公報、特開平1−166035号公報等に記載もしくは例示の下引き層処理を施すことができる。
本発明における画像材料用支持体の裏樹脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施した後、帯電防止等のために各種のバックコート層を塗設することができる。また、バックコート層には、特公昭52−18020号、特公昭57−9059号、特公昭57−53940号、特公昭58−56859号、特開昭59−214849号、特開昭58−184144号等の各公報に記載もしくは例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有せしめることができる。
本発明における画像材料用支持体は、各種の画像構成層が塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写真印画紙用、写植印画紙用、電算写植印画紙用、レーザー光感光印画紙用、複写印画紙用、反転写真材料用、銀塩拡散転写法ネガ用及びポジ用、印刷材料用、熱転写受像紙用、電子写真受像紙用等各種の用途に用いることができる。
例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀感光乳剤層を設けることができる。ハロゲン化銀感光乳剤層にカラーカプラーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー画像構成層を設けることができる。また、銀塩拡散転写法用画像構成層を設けることができる。それらの画像構成層の結合剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化合物などの親水性高分子物質を用いることができる。
また、上記の画像構成層には各種の添加剤を含有せしめることができる。例えば、増感色素として、シアニン色素、メロシアニン色素など、化学増感剤として、水溶性金化合物、イオウ化合物など、カブリ防止剤もしくは安定剤として、ヒドロキシ−トリアゾロピリミジン化合物、メルカプト−複素環化合物など、硬膜剤としてホルマリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物など、塗布助剤として、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、スルフォこはく酸エステル塩など、そのほか蛍光増白剤、鮮鋭度向上色素、帯電防止剤、pH調製剤、更にハロゲン化銀の生成・分散時に水溶性イリジウム、水溶性ロジウム化合物などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
本発明における画像材料用支持体は、各種のインク受像層が塗布されて各種のインクジェット記録材料用支持体として用いることができる。それらのインク受像層中にはインクの乾燥性、画像の鮮鋭性等を向上させる目的で各種のバインダーを含有せしめることができる。それらのバインダーの具体例としては、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン誘導体、例えばフタル酸、マレイン酸、フマル酸等の二塩基酸の無水物と反応したゼラチン等の各種のゼラチン、各種ケン化度の通常のポリビニルアルコール、カルボキシ変性、カチオン変性及び両性のポリビニルアルコール及びそれらの誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハライド、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル酸共重合体塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエーテル、アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体及びそれらの塩、ポリエチレンイミン等の合成ポリマー、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル系重合体ラテックス、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系重合体または共重合体のラテックス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックス等或はこれらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤及びポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキツド樹脂等の合成樹脂系接着剤、特公平3−24906号、特開平3−281383号、特開平6−92011号等の各公報に記載もしくは例示のアルミナゾル、シリカゾル等の無機系バインダー等を挙げることができ、これらを単独或は併用して含有せしめることができる。
本発明に係わるインクジェット記録材料のインク受像層中には、バインダーの他に各種の添加剤を含有せしめることができる。例えば、界面活性剤として、長鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、長鎖、好ましくは分枝アルキルスルフォこはく酸エステル塩などのアニオン系界面活性剤、長鎖、好ましくは分岐アルキル基含有フェノールのポリアルキレンオキサイドエーテル、長鎖アルキルアルコールのポリアルキレンオキサイドエーテル等のノニオン系界面活性剤、特公昭47−9303号公報、米国特許3589906号明細書等に記載のフルオロ化した界面活性剤など、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、ポリマーの硬膜剤として、活性ハロゲン化合物、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、アクリロイル化合物、イソシアネート化合物等の硬膜剤、防腐剤として、特開平1−102551号公報に記載もしくは例示のp−ヒドロキシ安息香酸エステル化合物、ベンズイソチアゾロン化合物、イソチアゾロン化合物等、特開昭63−204251号、特開平1−266537号等の各公報に記載もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤など、黄変防止剤としてヒドロキシメタンスルフォン酸ソーダ、p−トルエンスルフイン酸ソーダ等、紫外線吸収剤として、ヒドロキシ−ジ−アルキルフェニル基を2位に有するベンゾトリアゾール化合物など、酸化防止剤として、特開平1−105245号公報に記載もしくは例示のポリヒンダードフェノール化合物など、鉛筆加筆剤として、澱粉粒、硫酸バリウム、二酸化珪素等の有機または無機の粒子径0.2μm〜5μmの微粒子、特公平4−1337号公報等に記載もしくは例示のオルガノポリシロキサン化合物、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸、塩酸、りん酸、くえん酸など、オクチルアルコール、シリコン系消泡剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることができる。
本発明における画像材料用支持体は、各種のトナー受像層が塗布されて各種の電子写真記録材料用支持体として用いることができる。それらのトナー受像中には画像の濃度、トナーの定着性、搬送性等を向上させる目的で各種のバインダー、帯電防止剤、顔料等を含有せしめることができる。バインダーの具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレン−アクリレート樹脂、ビニルトルエン−アクリレート樹脂等のエステル結合を有する樹脂、ポリウレタン樹脂等のウレタン結合を有する樹脂、ポリアミド樹脂等のアミド結合を有する樹脂、尿素樹脂等の尿素結合を有する樹脂、その他ポリカプロラクタム樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等が挙げられる。これら樹脂に加えて、これらの混合物もしくは共重合体等も使用できる。帯電防止剤の具体例としては、特に制限無く、各種帯電防止剤を用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、硫酸エステル塩類、脂肪族アミン及び脂肪族アマイドの硫酸塩類、りん酸エステル塩類、スルフォン酸塩類、脂肪族アミン塩類、第四級アンモニウム塩類、及びベタイン系両性塩類、イミダゾリン系両性塩類、アラニン系両性塩類などが挙げられ、金属酸化物としては、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化バリウムなどを挙げることができる。顔料の具体例としては、特に制限はないが、各種無機及び有機顔料、例えばクレー、タルク、カオリン、水酸化アルミニウム、炭酸カリウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、サチンホワイト、プラスチックピグメントなどの一般塗工用顔料を用いることができる。また必要に応じて、離型剤、可塑剤、界面活性剤、染料などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
(実施例1〜10)
広葉樹漂白クラフトパルプ、広葉樹漂白サルファイトパルプ及び針葉樹漂白サルファイトパルプから成る混合パルプをフリーネス(CSF)が350mlになるように叩解後、カチオン化澱粉、アニオン化ポリアクリルアミド、アルキルケテンダイマー乳化物、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、蛍光増白剤、青色染料及び赤色染料を添加して紙料スラリーを調製した。
その後、紙料スラリーを200m/分で走行している長網抄紙機にのせ、適切なタービュレンスを与えつつ紙匹を形成し、ウェットパートで15kN/m〜100kN/mの範囲で線圧が調節された3段のウェットプレスを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パートで30kN/m〜70kN/mの範囲で線圧が調節された2段のマシンカレンダー処理を行った後、乾燥した。
その後、乾燥の途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコール、蛍光増白剤、青色染料、塩化ナトリウム及び水から成るサイズプレス液を25g/mサイズプレスし、最終的に得られる基紙水分が絶乾水分で8質量%になるように乾燥し、線圧50kN/mの条件でマシンカレンダー処理し、坪量170g/mの画像材料用支持体の基紙を製造した。
次に、画像構成層を設ける側とは反対側の基紙面(裏面)をコロナ放電処理した後、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cm、MFR=2g/10分)35質量部と高密度ポリエチレン樹脂(密度0.96g/cm、MFR=20g/10分)65質量部から成るコンパウンド樹脂組成物を樹脂温320℃で28μmの厚さに基紙の走行速度300m/分で溶融押し出しコーティングした。
次に、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cm;MFR=8.5g/10分)にアナターゼ型二酸化チタン、酸化防止剤、金属石鹸を配合し、二酸化チタン濃度を50質量%に調整したマスターバッチ用意し、該マスターバッチを密度0.92g/cm、MFR=4.5g/10分の希釈用低密度ポリエチレン樹脂と配合する事によって押出しコーティング用の樹脂組成物とした。また、該樹脂組成物中の二酸化チタンは12質量%となるように調整した。引き続き、基紙の表側をコロナ放電処理した後、該樹脂組成物を樹脂温度315℃で30μmの厚さに基紙の走行速度300m/分で押し出しコーティングした。
マスターバッチに含有せしめる金属石鹸は、表1に示すものを用い、押出し用樹脂組成物中の金属石鹸の種類や配合比率(質量)は表2中の実施例1〜10に示す値となる様に調整した。また、該樹脂被覆紙の樹脂層の表側は光沢面に、裏側の樹脂層の面質は紙の如きマット面に加工した。
更に、樹脂被覆紙の裏樹脂面にコロナ放電処理後、下記のバックコート塗液をオンマシン塗布した。乾燥重量分として、コロイド状シリカ:スチレン系ラテックス=1:1から成り、更にポリスチレンスルフォン酸ソーダ0.021g/mの他適量の塗布助剤等を含むバックコート塗液をラテックス分(固形質量計算で)として、0.21g/mになる塗布量で塗設して画像材料用支持体を得た。
(比較例1〜3)
表側の基紙面を被覆する樹脂組成物に含まれる金属石鹸の種類や配合比率を、表2中の比較例1〜3に示す配合に調整する以外は、実施例1と同様にして画像材料用支持体を得た。
(比較例4)
表側の基紙面を被覆する樹脂組成物に含まれる金属石鹸の種類や配合比率を、表2中の比較例4に示す配合に調整する以外は、実施例1と同様にして画像材料用支持体を得た。ただし、2種類の金属石鹸は、事前に混合された複合物として用いた。
(比較例5〜6)
表側の基紙面を被覆する樹脂組成物に含まれる金属石鹸の種類や配合比率を、表2中の比較例5〜6に示す配合に調整する以外は、実施例1と同様にして画像材料用支持体を得た。
以上のようにして得られた画像材料用支持体の写像性、および製造時におけるポリエチレン樹脂組成物と冷却ロールの剥離性とダイリップ汚れを評価した結果を表2に示す。尚、各評価は下記に示す方法にて行った。
[剥離性]
表側のポリオレフィン樹脂組成物と冷却ロールの剥離性は、図1に示す剥離角を測定することによって評価した。製造を開始してから8時間後に該剥離角を測定し、判定基準は以下の通りとした。
◎:剥離角が0°〜1°未満であり、剥離性が非常に良好。
○:剥離角が1°〜3°未満であり、良好。
△:剥離角が3°〜5°未満であり、若干剥離性が低下。
×:剥離角が5°以上であり、剥離不良。
[ダイリップ汚れ]
溶融押し出し開始から8時間後にダイリップの先端を観察し、氷柱状の汚れの発生状態を視覚的に判定した。判定基準は、以下の通りである。
◎:ダイリップ汚れがほとんど見られず、非常に良好。
○:ダイリップ汚れの発生が少なく良好。
△:ダイリップ汚れがまばらに発生しているが、実用上許容される範囲。
×:ダイリップ汚れの発生が多くて、実用上問題がある。
[写像性]
スガ試験機株式会社製の写像性測定器ICM−2DP型を使用し、光学くしの幅2mmを用いて樹脂被覆された画像材料用支持体を評価した。評価基準は、以下の通りである。
◎:写像性が非常に良好。
○:写像性が良好。
△:写像性が若干劣るが、実用上許容できる範囲である。
×:写像性が劣り、実用上問題がある。
Figure 0004616629
Figure 0004616629
〈結果評価〉
表2から判る様に、実施例1から10は本発明における好ましい範囲の金属石鹸処方となっているため、剥離性が良好で、且つダイリップ汚れの発生が少ない事により、十分な表面平滑性が得られ、良好な写像性を示している。金属石鹸の総量は、実施例1と実施例10が上下限の限度であり、亜鉛系金属石鹸の混合比率は、実施例8と実施例9が限度であった。金属石鹸を単独で使用した比較例1から3または、金属石鹸を事前に混合した複合滑剤を用いた比較例4の場合は、十分な剥離性が得られず、ダイリップ汚れも多発するため、画像材料用支持体の表面平滑性が著しく損なわれる結果となった。比較例5および6では、マグネシウムおよびアルミニウムを有する金属石鹸を用いたが、これらとステアリン酸亜鉛の組み合わせはでは、本発明の効果は発現しなかった。
(実施例11〜16)
表側の基紙面を被覆する樹脂組成物に含まれる金属石鹸の種類や配合比率および走行速度を、表3中の実施例11〜16に示す配合に調整する以外は、実施例1と同様にして画像材料用支持体を得た。
(比較例7)
表側の基紙面を被覆する樹脂組成物に含まれる金属石鹸の種類や配合比率、トータルの金属石鹸添加量および走行速度を、表3中の比較例7に示す配合に調整する以外は、実施例1と同様にして画像材料用支持体を得た。
(比較例8)
表側の基紙面を被覆する樹脂組成物に含まれる金属石鹸の種類や配合比率および走行速度を、表3中の比較例8に示す配合に調整する以外は、実施例1と同様にして画像材料用支持体を得た。ただし、2種類の金属石鹸は、事前に混合された複合物として用いた。
以上のようにして得られた画像材料用支持体の写像性、および製造時におけるポリエチレン樹脂組成物と冷却ロールの剥離性とダイリップ汚れを評価した結果を表3に示す。尚、各評価は実施例1と同様の方法にて行った。
Figure 0004616629
〈結果評価〉
表3から判るように、実施例11から14は、本発明における好ましい範囲の金属石鹸処方となっているため、剥離性が良好で、且つダイリップ汚れの発生が少ないため、良好な写像性を損なうこと無く、加工速度を400m/分まで上げることが可能であった。更に、実施例15、16に示した金属石鹸処方の適用により、450m/分での加工まで可能であることが判った。比較例7および8の様に、単一の金属石鹸を用いた場合や、事前混合による複合滑剤を用いた場合は、ダイリップ汚れが悪化し、良好な表面平滑性が得られなかった。
本発明の画像材料用支持体は、インクジェット記録用紙、電子写真用転写紙、写真印画紙用支持体、感熱記録用紙、熱転写受像紙などの用途に供され、プリンターで記録するために、シートあるいは巻き取りの形態で、プリンター機器や現像処理機に搬送される画像材料用支持体として、表側の表面平滑性を損なうことなく高速で安定な生産を可能とする事ができる。
本発明の剥離性評価時の剥離角の概念図。
符号の説明
1 冷却ロール
2 プレスロール
3 ウェブ
4 剥離ロール
5 剥離角

Claims (3)

  1. 基紙の両面がポリオレフィン系の樹脂層で被覆された画像材料用支持体の製造方法であって、画像形成層を設ける側の樹脂層が、少なくとも亜鉛を含む金属石鹸を滑剤としたマスターバッチと、カルシウムまたはリチウムを含む金属石鹸を滑剤としたマスターバッチの少なくとも2種のマスターバッチを混合した樹脂組成物から成る事を特徴とする画像材料用支持体の製造方法
  2. 樹脂組成物中における金属石鹸の総量が、0.1質量%から1.0質量%である請求項1記載の画像材料用支持体の製造方法
  3. 樹脂組成物中の金属石鹸の内、亜鉛系金属石鹸の比率が25モル%から75モル%である請求項1または2記載の画像材料用支持体の製造方法
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