JP4615909B2 - 耐食材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は表面が主として、高温、且つ強い腐食雰囲気にさらされる様な場所に使用される基材の表面の耐食性を強化した耐食性金属材料、耐食性合金材料等の耐食材に関するものである。
最近の有機化学合成或いは分解において、反応の効率若しくは反応選択性を向上させるために、COや水の超臨界条件や亜臨界条件など極めて過酷な条件の処理が多く行われるようになってきている。また水晶などの単結晶製造についても同様に、水熱条件とは言ってもほとんど超臨界条件に近い条件での処理が多く行われるようになってきた。これらの条件においては、被処理物濃度を高めることが出来ると共に、反応速度を向上でき、反応選択制も向上されるとされる。
しかしながらこのような条件においては、反応容器に対して極めて過酷になること、つまり温度の変化が室温から500℃或いはそれ以上まで常に変化すること、また圧力も常圧から数千気圧まで変化する。このような条件では、処理液がアルカリで水溶液状態であればステンレススチールやニッケル基合金系耐食材料(例えば商品名インコネル(Inconel))などの高耐食材料が使用可能である。
しかし、酸素のない状態或いは酸性の状態にさらされると、ステンレススチールやニッケル基合金系耐食材料は腐食してしまうことがわかっている。
ところで、チタン、ジルコニウムなどのいわゆる弁金属は、条件によるが酸性ではニッケル基合金よりも一般に安定であることが知られており、特に弁金属のなかでもニオブやタンタルは極めて安定である。特に弁金属と白金族金属とを共存させると弁金属は電気化学的に貴に保持されて酸化状態が保持されるために、酸素が存在すれば表面に酸化物の安定な被膜を作って、極めて耐食性が向上することが知られている。
従ってこれらの材料を使うことによって、反応条件が厳しくなっている各種の反応容器を作ることが出来るようになる。また弁金属では不十分な部分については白金族金属、またその中でも安定なイリジウムやロジウム或いはそれらの合金が使用できれば耐食性の面からは目的の達成が出来るとされる。
しかし、チタンは豊富にあるので、チタンを弁金属として使用することは充分考えられる。弁金属をチタンとした場合、比較的低い温度の範囲では物理強度の問題はないが、500℃程度になると物理強度が不十分になる場合がある。またジルコニウムを弁金属として使用することも考えられるが、価格が極めて高価であること、供給が十分でないことがあり、更に加工性が不十分等という問題があった。さらにニオブやタンタルを弁金属として使用することも考えられるが、ニオブやタンタルは材料が偏在していること、通常は大きな需要がないことから入手が容易でないこと、高価である等の問題があるために試験的には行われても実用に使用されることはほとんど無かった。
一方、物理強度を確保するために、基材としてニッケル基合金やステンレススチールなどの耐食合金を使用し、その表面に、より耐食性に優れた白金族金属酸化物を被覆する方法が提案されている(特許文献1又は特許文献2を参照。)。
これらの特許文献は、超臨界水処理用の容器にかかるものであるが、この技術そのものは一般の耐食材としても使用可能であると考えられる。この条件では耐食性のあるイリジウム或いはイリジウム酸化物を表面に形成することによって耐食性の表面を得ることが行われる。また十分に安定に取り付けられる条件が示されているが、もし被膜の一部に剥離が生じた場合、基材がチタンやニオブなどの弁金属であれば白金族金属の電気化学作用による防蝕作用によって耐食性は保たれるのに対して、基材がニッケル基合金であれば、液に触れた時に白金族金属の作用により基材の腐食が加速される様になる可能性がある。従って、完全な封孔が必要となる。
しかし、現実問題としてはコーティングでは完全に封孔することが困難であり、また封孔出来たとしても、使用と共に徐々に変化していくという問題点がある。いわゆる白金族金属の板とのクラッド材としたような場合と比較して、どうしても安定性に欠けるという問題があった。
また、フッ素或いはフッ化物イオンを含有する液の処理等ではニッケル基合金では耐食性があるが、チタン、チタン合金などのいわゆる弁金属は腐食してしまう。またここでもイリジウムやロジウム或いはこれらの合金は、ほとんどの場合に耐食性であることが知られている。最も好ましい耐食材としては白金族金属並びにこれらの合金があるが、極めて高価であり、しかもしばしば物理的な強度が不十分であり、構造材としては使えない或いは使えるとしても高価になり過ぎると言う問題がある。
以上のように白金族金属、或いはそれらを基礎とする合金による被覆品が最も有効であると考えられる。しかしながら、上記で述べた複雑な問題に対応して安定で耐食性のある材料は見出されていないのが現状であった。
特開2002−361069号公報 特開2001−170478号公報
本発明の解決しようとする課題は、超臨界条件や亜臨界条件などの高温高圧の水処理或いは非水溶媒処理において或いは極めて強い腐食雰囲気下において、高い耐食性と物理強度と経済性とを兼ね備えた耐食材及びその製造方法を提供することである。
本発明に係る耐食材は、ステンレススチール又はニッケル基合金を基材金属とし、該基材金属の表面に弁金属薄層を有し、該弁金属薄層の表面に白金薄層を挟んで白金族金属層を有することを特徴とする。但し、前記耐食材が電極である場合を除く。弁金属(バルブ金属)とは、金属の表面をその金属の酸化被膜で覆う金属である。基材金属の表面に実質的な耐食層として白金族金属による電気化学的腐食をさけるための弁金属薄層を有し、さらにその表面に耐食性に優れると言われている白金族金属の外部被覆を設けることによって、超臨界或いは亜臨界、または酸性溶液中など今までニッケル基合金では腐食してしまう条件下において、腐食がほぼ完全に抑えられる。そして、白金薄層を設けることで弁金属薄層及びその酸化層を保護することができる。また、これらの被覆は相互に電気化学的な保護プロセスを有する関係で、たとえ部分的に微細な貫通孔を有しても、現実的には液が貫通孔を透過することによる腐食の可能性を最小限にすることが可能となった。これによって手間としては若干増えるが実用的な被覆が出来るようになった。
本発明に係る耐食材では、前記白金族金属層は、イリジウム又はロジウム或いはそれらの基合金からなることが好ましい。イリジウムやロジウムの外部被覆を設けることとして耐食性をより向上させることができる。ここで前記白金族金属層は、該白金族金属の酸化物を含有することがより好ましい。
本発明に係る耐食材では、前記弁金属がニオブ又はニオブ基合金であることが好ましい。また、前記弁金属がタンタル又はタンタル基合金であっても良い。基材金属としてのステンレススチール又はニッケル基合金は、物理的に非常に強く、価格が安く、入手が比較的容易な金属である。ステンレススチール又はニッケル基合金と白金族金属が接触している場合、そこに電解質が存在すると、ステンレススチール又はニッケル基合金が腐食してしまうという問題がある。それを避け、しかもより安定に保持するために、ステンレススチール又はニッケル基合金の表面に弁金属でも特に耐食性に優れたニオブ又はタンタルの薄層を設けることによって白金族金属とニッケル基合金との直接的な接触を避ける。しかも、弁金属薄層を介して白金族金属層を設けることによって電気化学的に防蝕をすることが出来る。更に白金族金属の表面はそれ自体防食性があるので、この二重の防蝕作用によって極めて安定になる。
本発明に係る耐食材の製造方法は、ステンレススチール又はニッケル基合金を基材金属とし、該基材金属の表面に電気メッキ法により弁金属薄層を形成し、該弁金属薄層の表面に白金薄層を形成し、更に該白金薄層の表面に白金族金属層としてイリジウム層又はイリジウム基合金層を形成することにより、前記弁金属薄層と前記イリジウム層又は前記イリジウム基合金層との間に白金薄層を挟み設けることを特徴とする。また、本発明に係る耐食材の製造方法は、ステンレススチール又はニッケル基合金を基材金属とし、該基材金属の表面に電気メッキ法により弁金属薄層を形成し、該弁金属薄層の表面に白金薄層を形成し、更に該白金薄層の表面に白金族金属層としてロジウム層又はロジウム基合金層を形成することにより、前記弁金属薄層と前記ロジウム層又は前記ロジウム基合金層との間に白金薄層を挟み設けることを特徴とする。但し、前記耐食材が電極である場合を除く。電気メッキ法によれば、被覆層を出来るだけ薄く、しかも全面をカバーすることができる。また、白金薄層を設けることで弁金属薄層の酸化層を保護することができる。
本発明に係る耐食材の製造方法では、白金族金属層を電気メッキ法により形成することが好ましい。電気メッキ法によれば、被覆層を出来るだけ薄く、しかも全面をカバーすることができる。或いは、前記白金族金属層を熱分解法により形成しても良い。
本発明に係る耐食材の製造方法では、前記白金族金属層を形成した後に、酸素含有雰囲気中で500〜1000℃にて焼鈍を行うと共に該白金族金属層の表面を酸化物化することが好ましい。
本発明に係る耐食材の製造方法では、前記白金薄層は電気メッキ法により形成することが好ましい。電気メッキ法によれば、被覆層を出来るだけ薄く、しかも全面をカバーすることができる。或いは前記白金薄層は熱分解法により形成しても良い。
本発明に係る耐食材では、物理強度のある基材金属の表面に耐食層として弁金属薄層を設け、さらに電気化学的な保護プロセスを有する白金族金属層を設けたので、超臨界条件や亜臨界条件などの高温高圧の水処理或いは非水溶媒処理において或いは極めて強い腐食雰囲気下において高い耐食性と物理強度とを備え、且つ経済性を兼ね備えることができる。電気化学的な保護プロセスを有する白金族金属層は、それ自体が優れた耐食性能を示すと共に、例え部分的に微細な貫通孔が存在したとしても、腐食の拡大を最小限にすることができる。製造方法において、電気メッキ法を採用することで、弁金属薄層や白金族金属層を出来るだけ薄く、しかも全面をカバーさせることができる。
以下、本発明について詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。図1に本実施形態に係る耐食材の断面構造の一形態を示す模式図を示す。図1(a)に示した本実施形態に係る耐食材100は、基材金属1の表面に弁金属薄層2を有し、弁金属薄層2の表面に白金族金属層3を有する。また、図1(b)に示した本実施形態に係る耐食材200は、基材金属1の表面に弁金属薄層2を有し、弁金属薄層2の表面に白金薄層4を有し、白金薄層4の表面に白金族金属層3を有する。耐食材100と耐食材200との違いは、白金薄層4の有無であるが、白金薄層4を設ける理由は、弁金属薄層2及びその酸化層を保護するためである。
本実施形態に係る耐食材は、基材金属1に物理強度を持たせ、弁金属薄層2に実質的な耐食層としての役割を担わせると共に、白金族金属層3に耐食層且つ電気化学的な保護層の役割をさせる。これによって、超臨界或いは亜臨界、または酸性溶液中など今までニッケル基合金では腐食してしまう条件下においても腐食をほぼ完全に抑える。さらにたとえ部分的に微細な貫通孔を有しても、電気化学的な保護により腐食の拡大を防止する。
基材金属1としては、強度、耐腐食性、材料の入手のしやすさなどの理由からステンレススチール又はニッケル基合金が好ましい。ニッケル基合金としては、例えば組成Ni55〜60%−Mo15〜30%−残りFeやCrからなるいわゆるハステロイ、或いは、NiMo28%合金、NiCr16%Mo16%Fe6%W4%合金又はNiCr22%Fe20%Mo7%Cu2%合金等のニッケル基合金がある。ニッケル基合金はそれのみで使用される時に、アルカリ性であれば安定であり、腐食が起こりにくい。基材の形状、厚さは、用途によって適宜変更する。
弁金属とは、アノード酸化により酸化被膜でおおわれる金属のことをいうが、具体的にはアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、タングステン、ビスマス、アンチモンなどが弁金属になりうる。本実施形態に係る弁金属薄層2の弁金属としては、これらの金属が使用できるが、この中でニオブ、ニオブ基合金、タンタル又はタンタル基合金がより好ましい。弁金属は酸化被膜で覆われているため、ベース金属と比較してより化学的安定性が増している。本実施形態では、弁金属自体の化学的安定性・加工性等の材料物性を考慮すると、ニオブ又はニオブ基合金を、ニオブ又はニオブ基合金の酸化被膜で被覆した弁金属、或いはタンタル又はタンタル基合金を、タンタル又はタンタル基合金の酸化被膜で被覆した弁金属が好ましい。ニオブ基合金としては、Nb−10%Ti、Nb−10%Zr、Nb−5%Ta等の合金が例示できる。タンタル基合金としては、Ta−10%Nb、Ta−10%Ti、Ta−50%Nb等の合金が例示できる。
アルカリ条件下であれば、ニッケル基合金からなる基材金属のみでよいが、ニッケル基合金が腐食を起こすような雰囲気、つまり酸性であるか、或いは中性でも塩素などのハロゲンイオンが存在する時には、耐食性の優れた白金族金属層3を設けることにより耐食性が強化される。しかし、ニッケル基合金と白金族金属が接触している場合、そこに電解質が存在すると、ニッケル基合金が腐食してしまうという問題があるため、ニッケル基合金からなる基材金属1と白金族金属層3との間に、弁金属薄層2を設ける。これにより白金族金属とニッケル基合金との直接的な接触を避け、電気化学的に防蝕をすることが出来る。すなわち、貫通孔が存在しても白金族金属と弁金属との電気化学的作用で、弁金属が貴に保持されるために弁金属自身は防食されるという状態となり、安定である。弁金属薄層2の厚さは、5〜1000μm、より好ましくは20〜200μmとする。金族金属と弁金属との接触を防止する目的から上記の厚さが好ましい。また、弁金属薄層2のうち酸化物層の厚さは0.1〜10μm、より好ましくは1〜3μmとする。
白金族金属層3は、それ自体で酸性下又はアルカリ性下において安定であるが、このうちイリジウムやロジウムはほぼ完全耐食であるため、白金族金属層3としては、イリジウム又はロジウム或いはそれらの基合金からなることが好ましい。白金族金属層3は、白金族金属の酸化物を含有してもよく、この理由は、酸性下又はアルカリ性下においてより安定化させるためである。白金族金属層3の厚さは、0.1〜1000μm、より好ましくは5〜500μmとする。0.1μm未満であると充分な保護層とならず、1000μmを超えると性能向上に対して材料の使用量が多くなると共に取り扱い条件たとえば急熱急冷を繰り返されるような条件では剥離しやすくなる。
白金薄層4は、耐酸化性が最も高い白金を表面の酸化保持材として設けるものである。弁金属は水素化しやすいという特徴を有するため、弁金属表面の酸化被膜に薄い白金薄層を形成することで、酸化被膜の保持のための酸化用触媒として作用させ、また水素のマイグレーションと弁金属の水素化を防止させる。したがって、白金薄層4の厚みは、0.01〜1μmとすることが好ましい。
次に本実施形態に係る耐食材の製造法の一例について説明する。本実施形態に係る耐食材の製造方法は、基材金属1の表面に電気メッキ法により弁金属薄層2を形成し、次に弁金属薄層2の表面に白金族金属層3を形成する。図1(b)の耐食材200を形成するためには、弁金属薄層2の次に白金薄層を形成する工程を追加し、その後白金族金属層3を形成する。
基材金属1の表面上への弁金属薄層2の形成方法については特に指定されないが、熱分解法、電気メッキ法、特に溶融塩電解メッキ法が望ましい。つまり、タンタルやニオブの熱膨張率係数はニッケル基合金の半分程度であり、ニオブやタンタル被覆を厚くつけた場合は、熱のかかる条件では熱膨張率の差によって剥離を起こす可能性がある。また条件によるが弁金属薄層2の厚みがミクロン程度より薄いと基材金属1の表面全体をカバーしにくくなる。このような条件では弁金属薄層2を出来るだけ薄く、しかも全面をカバーすることが必須であり、そのために溶融塩の電解によるメッキ方法が優れている。
つまり溶融塩では温度が高いことから電着ひずみが生じにくく、しかも水溶液からの電気メッキに見られるようなメッキの偏在が起こらないと言う特徴があり、3ミクロン以下程度の薄いメッキ層でも十分に緻密であり目的を達成することが出来る。
溶融塩メッキ条件は特には指定されず、通常の方法で良いが、例えば苛性カリに塩化タンタル無水物を加えて加温して融体化する。なお苛性カリを苛性カリと苛性ソーダの混合塩を用いて電着温度を若干下げるようにしても良い。このように苛性ソーダ、苛性カリを融解し、これに更に塩化タンタル或いは塩化ニオブを溶解してメッキ液として温度350〜500℃の溶融塩中で、グラファイトなどの融体中で安定な物質を陽極として使用し、被処理材を陰極としてメッキを行う。
メッキ浴条件は、特には指定されないがメッキ金属濃度が0.05〜1mol/l(モル/リットル)のメッキ液程度とし、電流密度は被メッキ面に対して0.1〜10A/dm2程度が望ましい。板状の被メッキ材であれば坩堝内で行うことが出来るが、パイプなどの内面のメッキではパイプ自体を容器として内部にメッキ液を満たし、パイプ内に棒状の陽極を入れてパイプ外部から加熱しながらメッキを行うことも可能である。メッキ時間は必要なメッキ厚みによって調整する。たとえば1ミクロンを電流密度1A/dm2でメッキをする場合、電流効率が80%として約1.7時間である。もちろん条件によっては電流密度を上昇できるので通常は30分から1時間程度に調整することが出来る。このようにして表面にニオブやタンタルを形成した基材表面を洗浄し、残留するメッキ浴を完全に除く。弁金属は酸化物層をすでに有するが、弁金属はアノード酸化によりさらに酸化物層を形成しても良い。
次に弁金属薄層2を形成した後、その表面に白金族金属を被覆する。白金族金属の白金族金属塩の溶液を還元剤と共に塗布して熱分解によって金属を析出させる方法、水溶液電気メッキ、溶融塩電気メッキなどの方法があり必要に応じてこれらを組み合わせることも出来る。
例えばイリジウムやロジウムの場合はこれらの塩化物に還元剤としてラベンダーオイル、丁字油など分解温度が比較的高い炭化水素系有機物を使用してアルコールを溶媒として被覆液とする。この塗布液を被処理面に均一に塗布し、乾燥後、火炎や不活性或いは水素などの還元雰囲気中で、450〜800℃で熱分解することによりこれらの金属層を形成出来る。この金属層の厚みは特にはとらわれないが、下地の弁金属との熱膨張係数に開きがあるので、いわゆる厚付けとなる10μm以上では付着強度が低くなるので注意する必要がある。白金族金属層3であるメッキ層に部分的に貫通孔があっても下地が電気化学的に保護されるので腐食の問題は起こりにくい。
またイリジウムやロジウムからなる白金族金属層3についても電気メッキ法により形成することが出来る。白金族金属のメッキは水溶液からでも良いが、特に耐食層として厚付けを行う場合は溶融塩による方法が良く、これはタンタルやニオブと同じ苛性アルカリ融体にイリジウムやロジウムの塩を溶解し、タンタル、ニオブのメッキと同じ条件でメッキを行えば良い。
なお、ある程度の厚付けを考慮すること、またタンタルやニオブよりも容易に析出させることが出来るので、電流密度を2〜10A/dm2程度とすることが出来、よりメッキ時間をより短時間とすることが出来る。通常は1〜2時間が適当である。
白金薄層4も白金塩の溶液を還元剤と共に塗布して熱分解によって金属を析出させる方法、水溶液電気メッキ、溶融塩電気メッキなどの方法があり必要に応じてこれらを組み合わせて形成する。この中で同様に電気メッキ法、特に溶融塩電気メッキ法が良い。白金塩溶液としては、ジニトロジアンミン白金(NO(NHPt(フルヤ金属製)に水を添加した溶液、或いはヘキサクロロ白金酸HPtCl(フルヤ金属製)にHClとエタノール等のアルコールと水を添加した溶液を使用する。
白金族金属層3を形成した後に、酸素含有雰囲気中で500〜1000℃にて焼鈍を行うと共に白金族金属層3の表面を酸化物化する工程をさらに加えても良い。白金族金属層3の表面を酸化物化することにより、白金族金属層3の表面に酸化物層が形成されて耐食性が向上する。例えば、白金族金属層3に貫通孔が生じていても、貫通孔内部が白金族金属の酸化物となる。
上記の工程において、弁金属薄層2、白金族金属層3又は白金薄層4の形成はメッキを繰り返して所望の被覆厚みとしても良い。
本実施形態では、耐食層は耐食材について、少なくとも液面に接触しうる部分に設ける。例えば、配管であれば、少なくとも配管内部に被覆層を設ける。もちろん全面に被覆層を設けても良い。
参考例1)
基材としてSUS316を用い、該金属表面にニオブのメッキを行い、次いでイリジウムのメッキを行って耐食金属を作成した。つまり厚さ3mmのSUS316板を基材とし、表面を鉄グリットにより表面ブラスト処理を行い、見掛け表面組度JIS Ra=5〜6μmとした後、60℃の20%塩酸によって表面酸洗を行った。支持電解質としてはNaOH:KOH=1:1の溶融塩を用い、これにモル濃度で1モルとなる様に塩化ニオブを加えて温度450℃に加熱して電解液を作製した。これに基材である前処理を行ったSUS316板を浸漬し、対極として気孔率14%のグラファイト板を平行に、極間距離を15mmとなるように並べて、SUS316板を陰極とし、グラファイト板を陽極として直流電源を接続し、通電を開始した。最初1A/dm2の電流密度で15分間通電した後、電流密度を5A/dm2として2時間通電した。これによってSUS316板の表面に見かけで約60μmのニオブ層を形成することが出来た。電流効率は78%であった。更にこの表面に支持電解質を同じとし、これにモル濃度で1モルとなるように酸化イリジウムを加えて温度500℃に加熱して電解液を作成し、同様にしてメッキを行った。なお対極も同じグラファイト板を用いた。メッキ温度は500℃とし、電流密度を1A/dm2として15分間予備メッキを行った後に、電流密度を10A/dm2として3時間メッキを行った。これにより約250μmの厚みを有するイリジウム層がSUS316板のニオブ層の表面に形成された。電流効率は約92%であった。このものの評価用として純アンモニアを入れて密封し、外部から300℃となるように加熱して200時間保持したが、アンモニア中にはイリジウムの溶解は全く見られなかった。
参考例2)
内径30mm深さ200mmのハステロイ製の片方が封じられたオートクレーブの容器を基材とし、その内側に耐食材処理を行った。つまり該容器の内部を参考例1と同様にしてブラスト処理を行い、20%塩酸水溶液を満たした後、容器を坩堝炉型加熱装置に入れて外部から加熱塩酸温度を80℃として20分間酸処理を行った。これを純水で洗浄した後、乾燥した。支持電解質としてLiOH:KOH=1:1の溶融塩を用い、これにモル濃度で0.5モルとなる様に五塩化タンタルを加えて、温度500℃に加熱してメッキ液とした。対極として直径10mmの円柱状のグラファイト製電極を容器中央に置き、溶融塩電解液を満たし、外部加熱炉の温度を上昇し、液温度が500℃となるようにして、通電した。最初電流密度を容器の壁に対して1A/dm2となる様にして30分間通電した後、電流密度を5A/dm2として4時間通電した。これにより容器内部に理論値厚さ160μmのタンタル層を生成させた。直接の厚みは測れなかったが重量増加からはタンタルの厚みが約120μmであり、電流効率は約80%であることがわかった。メッキ液を抜いた後に洗浄し、今度はKOH:NaOH=2:1とした溶融塩に塩化ロジウムを加えて、0.5モル液となるように550℃に加熱し、メッキ液として同じく容器中に入れ、グラファイト陰極を容器中心部に入れてメッキを行った。メッキ温度は550℃とし、電流密度を15A/dm2として、5時間メッキを行った。これにより容器内部に厚さ約600μmの厚みを有するロジウム層が容器内部、タンタル層の表面に形成された。このものを純水洗浄して容器内に耐食層を有する容器が完成した。このものの評価用として純アンモニアを入れて密封し、外部から300℃となるように加熱して200時間保持したが、アンモニア中にはロジウムの溶解は全く見られなかった。
(実施例3)
参考例2と同じ基材を用い、タンタル層とロジウム層の間に白金の薄層の形成を行った以外参考例2と同じ操作によってオートクレーブを作成した。なお白金薄層の形成は、タンタル層を形成した後冷却、洗浄を行い、乾燥したタンタル面に白金濃度150g/lのジニトロジアンミン白金水溶液を塗布し、外部から450℃で15分間加熱し熱分解を行う操作を4回繰り返すことによって行い、厚さ約1ミクロンの白金被膜を得た。これの表面には実施例2と同様にしてロジウム層を形成した。このようにして作成したオートクレーブを用い、純アンモニア中に水素を飽和させ、それを外部から300℃となるように加熱し、200時間保持した。この操作によってもアンモニア中へのロジウムの溶解は見られないばかりか、水素に由来するような基材の膨れなど、劣化の原因となるような徴候はいっさい見られなかった。
有機物分解、合成、抽出や各種の水熱或いは非水熱条件による単結晶製造、或いは無機合成などの分野では高温、高圧による水熱条件、或いは非水熱条件が適用される傾向があり、それらの液は種々の物質に対して溶解度が高い、つまり何でも溶解してしまう、言い換えると腐食させてしまう傾向がある。これらは容器或いは装置の壁材料として極めて高い耐食性を要求されるが、そのような要望に対応するものとして極めて有効であり、現在は少ないものの今後その需要は大きく拡大していくものと考える。
本実施形態に係る耐食材の断面構造の一形態を示す模式図を示し、(a)は白金薄層を設けない場合、(b)は白金薄層を設けた場合を示す。
符号の説明
1 基材金属
2 弁金属薄層
3 白金族金属層
4 白金薄層
100,200 耐食材

Claims (12)

  1. ステンレススチール又はニッケル基合金を基材金属とし、該基材金属の表面に弁金属薄層を有し、該弁金属薄層の表面に白金薄層を挟んで白金族金属層を有することを特徴とする耐食材。
    但し、前記耐食材が電極である場合を除く。
  2. 前記白金族金属層は、イリジウム又はロジウム或いはそれらの基合金からなることを特徴とする請求項1記載の耐食材。
  3. 前記白金族金属層は、該白金族金属の酸化物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の耐食材。
  4. 前記弁金属がニオブ又はニオブ基合金であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の耐食材。
  5. 前記弁金属がタンタル又はタンタル基合金であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の耐食材。
  6. ステンレススチール又はニッケル基合金を基材金属とし、該基材金属の表面に電気メッキ法により弁金属薄層を形成し、該弁金属薄層の表面に白金薄層を形成し、更に該白金薄層の表面に白金族金属層としてイリジウム層又はイリジウム基合金層を形成することにより、前記弁金属薄層と前記イリジウム層又は前記イリジウム基合金層との間に白金薄層を挟み設けることを特徴とする耐食材の製造方法。
    但し、前記耐食材が電極である場合を除く。
  7. ステンレススチール又はニッケル基合金を基材金属とし、該基材金属の表面に電気メッキ法により弁金属薄層を形成し、該弁金属薄層の表面に白金薄層を形成し、更に該白金薄層の表面に白金族金属層としてロジウム層又はロジウム基合金層を形成することにより、前記弁金属薄層と前記ロジウム層又は前記ロジウム基合金層との間に白金薄層を挟み設けることを特徴とする耐食材の製造方法。
    但し、前記耐食材が電極である場合を除く。
  8. 前記白金族金属層を電気メッキ法により形成することを特徴とする請求項6又は7記載の耐食材の製造方法。
  9. 前記白金族金属層を熱分解法により形成することを特徴とする請求項6又は7記載の耐食材の製造方法。
  10. 前記白金族金属層を形成した後に、酸素含有雰囲気中で500〜1000℃にて焼鈍を行うと共に該白金族金属層の表面を酸化物化することを特徴とする請求項6、7、8又は9記載の耐食材の製造方法。
  11. 前記白金薄層は電気メッキ法により形成することを特徴とする請求項6、7、8、9又は10記載の耐食材の製造方法。
  12. 前記白金薄層は熱分解法により形成することを特徴とする請求項6、7、8、9又は10記載の耐食材の製造方法。
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