JP4615492B2 - 平版印刷版原版積層体、及び平版印刷版原版の製造方法 - Google Patents
平版印刷版原版積層体、及び平版印刷版原版の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4615492B2 JP4615492B2 JP2006239230A JP2006239230A JP4615492B2 JP 4615492 B2 JP4615492 B2 JP 4615492B2 JP 2006239230 A JP2006239230 A JP 2006239230A JP 2006239230 A JP2006239230 A JP 2006239230A JP 4615492 B2 JP4615492 B2 JP 4615492B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- acid
- recording layer
- printing plate
- plate precursor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
Description
例えば、特許文献1には、感放射線層と有機ポリマー含有バックコート層を有するオフセット印刷用記録材料であって、少なくとも35℃のガラス転移温度を有する有機ポリマーにシリカゲルなどの顔料を含有させた背面コーティングを設けることによって、合紙なしに積み重ねることが可能になることが記載されている。
また、特許文献2には、感光層とは反対側の面にガラス転移温度60℃以上の、飽和共重合ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂及び塩化ビニリデン共重合樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂からなる、被覆層を設けたことを特徴とする感光性平版印刷版が知られている。
また、赤外線レーザーの照射で画像を形成する赤外線感光性のポジ型平版印刷版原板は、従来のUV露光で画像露光するポジ型平版印刷版原版と異なり、合紙レスで積層したものを束断裁すると、断裁破断箇所の周辺部において、未露光部であっても現像により除去される箇所、所謂「抜け」が生じることがある。これは、赤外線感光性の平版印刷版原板の感光層が、機械的強度及び未露光部の耐アルカリ現像液性が十分でないことに基づくと考えられる。
即ち、本発明の目的は、赤外線感光性の平版印刷版原版を合紙を用いずに積層した積層体であって、記録層に傷が生じることを抑制すると共に、束断裁による記録層の抜けを防止し、更に束断裁適性に優れる平版印刷版原版積層体、及び該平版印刷版原版積層体を用いた平版印刷版原版の製造方法を提供することである。
即ち、本発明の平版印刷版原版積層体は、支持体の片面に、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂と赤外線吸収剤とを含み、赤外線照射により画像を形成し得る記録層を有し、前記支持体の記録層を有する面とは反対側の面に、幅方向に互いに離間して複数配列された直線状の有機ポリマー層を有する平版印刷版原版を、記録層と有機ポリマー層とを直接接触させて、複数枚積層してなることを特徴とする。
このように有機ポリマー層が形成されていない領域が存在することで、本発明の平版印刷版原版積層体には各版の間に空隙が形成されることになり、この積層体を束裁断した際には、この空隙が断裁機の刃からの応力を緩和することができる。また、この空隙に存在する空気層によりクッション性が得られ、本発明の平版印刷版原版積層体は、引っ掻き傷、擦り傷等に対する応力(傷応力)を緩和することが可能なものと考えられる。
特に、本発明のように、直線状のポリマー層が複数配列された場合、点状に存在するものに比べて、応力が加わった際に脱離し難く、応力の緩和効果を継続的に得ることができる。
更に、その作用機構は明確ではないが、本発明における有機ポリマー層の存在により、裁断刃に支持体のアルミニウムの成分の凝集することによる束断裁適性の低下(断裁機による断裁性の低下)を防止することができる。
本発明の平版印刷版原版積層体は、支持体の片面に、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂と赤外線吸収剤とを含み、赤外線照射により画像を形成し得る記録層を有し、前記支持体の記録層を有する面とは反対側の面に、幅方向に互いに離間して複数配列された直線状の有機ポリマー層を有する平版印刷版原版を、記録層と有機ポリマー層とを直接接触させて、複数枚積層してなることを特徴とする。
本発明における平版印刷版原版は、支持体の片面(以下、支持体表面と称する場合がある。)に、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂と赤外線吸収剤とを含み、赤外線照射により画像を形成し得る記録層を有し、前記支持体の記録層を有する面とは反対側の面(以下、支持体裏面と称する場合がある。)に、幅方向に互いに離間して複数配列された直線状の有機ポリマー層を有する。
まず、支持体裏面に設けられる有機ポリマー層について説明する。
本発明においては、支持体の記録層を有する面とは反対側の面(支持体裏面)に、幅方向に互いに離間して複数配列された直線状の有機ポリマー層を有することを特徴とする。
前述のように、本発明では、支持体裏面に、有機ポリマー層が形成された領域と、有機ポリマー層が形成されていない領域(支持体が露出した領域)と、が交互に存在する状態となる。
このように支持体裏面に特定の形態の有機ポリマー層が形成されている平版印刷版原版を合紙レスで積層してなる、本発明の平版印刷版原版積層体は、前述のような作用により、記録層に傷が生じることを抑制すると共に、束断裁による記録層の抜けを防止し、更に優れた束断裁適性を得ることができる。
有機ポリマー層の高さが上記の範囲にあることで、感光層の傷の抑制、束裁断適性、束断裁による感光層の抜けの防止の各効果を良化することができ、且つ、コストの低減を図ることができる。
また、直線状の有機ポリマー層は等間隔で配列されてもよいし、また、その間隔がそれぞれ異なっていてもよい。
隣接する有機ポリマー層間の間隔は、適度の空気層の幅を持たせ、優れた束裁断適性をえるという観点から、10〜8000μmの範囲であることが好ましく、20〜4000μmの範囲であることがより好ましく、30〜800μmの範囲であることが更に好ましい。
なお、有機ポリマー層は、後述のように塗布液を用い、これを塗布・乾燥することで形成されるため、この塗布適性の観点から、ウェブ状の支持体を塗布装置へと送り出される(又は、搬送される)方向に沿って、塗布液を直線状に塗布することが好ましい。その結果、例えば、例えば、長方形の支持体がその長手方向に送り出される場合には、直線状の有機ポリマー層の配列方向は、長方形の支持体の長手方向に平行となる。
次に、本発明における有機ポリマー層を構成する各成分について説明する。
本発明における有機ポリマー層を構成するベースポリマーとして、有機ポリマーを含有する。
この有機ポリマーとしては、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,又はm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂やレゾール樹脂、ピロガロールアセトン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。
また、飽和共重合ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂及び塩化ビニリデン共重合樹脂等を用いることもできる。
更に、上記の樹脂の他に、例えば、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリアミド、不飽和共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、塩素化ポリエチレン、アルキルフェノールのアルデヒド縮合樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル系樹脂及びこれらの共重合樹脂、ヒドロキシセルロース、ポリビニルアルコール、セルロースアセテート、カルボキシメチルセルロース等の疎水性高分子化合物を用いてもよい。
なお、有機ポリマー層にエポキシ樹脂やレゾール樹脂を用いる場合には、架橋剤を併用することが好ましい。
また、上述のように、エポキシ樹脂やレゾール樹脂を用いる場合、そこに併用する架橋剤の有機ポリマー層中の含有量は、固形分換算で好ましくは0.3〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%の範囲である。
(ポリマー粒子)
本発明における有機ポリマー層には、有機ポリマー層表面に凸部を形成し、記録層の傷の抑制効果を高めるため、ポリマー粒子を含有させてもよい。ポリマー粒子としては、有機ポリマーを主成分とした粒子であればよく、有機ポリマーが架橋されてなる粒子であればより好ましい。また、有機ポリマー層表面における凸部形成性の点から、汎用の有機溶剤に溶解し難いものがより好ましい。
なお、ポリマー粒子の数平均粒径は、ポリマーの添加効果の発現や、層からの脱離の観点から、1〜100μmの範囲であることが好ましく、2〜70μmの範囲であることがより好ましく、4〜50μmの範囲であることが更に好ましい。
なお、本発明においては、数平均粒径の測定は電子顕微鏡法で行った。
また、架橋構造を形成するために、ビニル重合を行うモノマー中に多官能のビニル系モノマーを混合して重合する方法、いわゆる加硫を行う方法を採ることができる。
本発明における有機ポリマーとして、エポキシ樹脂やレゾール樹脂を用いた場合、種々の充填剤を添加することにできる。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム粉末、シリカ粉末、木紛、パルプなどが挙げられる。
充填剤の含有量は、固形分換算で好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%の範囲である。
有機ポリマー層には、可とう性の付与、すべり性の調整や塗布面状を改良する目的で、可塑剤、界面活性剤、その他の添加物を、本発明の効果を損ねない範囲で必要により添加できる。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレートなどのフタル酸エステル類、ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステルなどのグリコールエステル類、トリクレジールホスフェート、トリフェニルホスフェートなどのリン酸エステル類、ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエートなどの脂肪族二塩基酸エステル類、ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチルなどが有効である。
可塑剤の有機ポリマー層の添加量は、有機ポリマー層に用いられる有機ポリマーの種類によって異なるが、ガラス転移温度が60℃以下にならない範囲で加えられることが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、
有機ポリマー層には、更に、着色のための染料、アルミニウム支持体との密着向上のためのシランカップリング剤、ジアゾニウム塩からなるジアゾ樹脂、有機ホスホン酸、有機リン酸及びカチオン性ポリマー等、更には滑り剤として通常用いられるワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、ジメチルシロキサンよりなるシリコーン化合物、変性ジメチルシロキサン、ポリエチレン粉末等を適宜加えることができる。
本発明における有機ポリマー層は、有機ポリマー層を構成する各成分を溶媒に溶かして得られる塗布液を、支持体上の記録層を形成する面とは反対側の面(支持体裏面)の所定の箇所に塗布し、その後、加熱乾燥させることにより形成することができる。
塗布液を塗布する際には、バー塗布方式、グラビア塗布方式、スクリーン方式などの塗布方法が用いられる。
より具体的には、例えば、バー塗布方式を用いる場合、直線状の有機ポリマーのサイズに対応した幅、高さの溝を所定の間隔で複数形成したバーを使用すればよい。
有機ポリマー層の好ましい特性としては、本発明の効果を充分に発揮する観点から、有機ポリマー層表面の動摩擦係数が0.38〜1.2の範囲にあることが好ましい。有機ポリマー層の形成に際しては、かかる点を考慮して、及び有機ポリマーの種類や添加量を決定すればよい。
なお、ここで言う動摩擦係数とは、有機ポリマー層表面と有機ポリマー層とは反対側の記録層表面とを接触させて配置し、標準ASTM D1894に従って測定された値を指す。
本発明における記録層は、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂と赤外線吸収剤とを含み、赤外線照射により画像を形成し得る赤外線感光性の層であり、単層であっても、重層構造のいずれであってもよい。
単層型の記録層である場合には、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂と赤外線吸収剤とを含んで構成される。
一方、重層型の記録層である場合には、各記録層は、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂を含み、且つ、その中の少なくとも1つの記録層が更に赤外線吸収剤を含むことを必須とする。
本発明の記録層に使用される水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂(以下、適宜、アルカリ可溶性樹脂と称する)とは、高分子中の主鎖及び/又は側鎖に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体又はこれらの混合物を包含する。従って、本発明の記録層は、アルカリ性現像液に接触すると溶解する特性を有するものである。本発明に使用されるアルカリ可溶性樹脂は、従来公知のものであれば特に制限はないが、(1)フェノール性水酸基、(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基、及び(4)カルボン酸基から選ばれる少なくとも一つの酸性基を分子内に有する高分子化合物であることが好ましい。
例えば以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。
(m1)2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、等のアルキルアクリレート。(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(m5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のス
チレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(m10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
下層成分中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、下層の全固形分中、40〜95質量%が好ましく、より好ましくは50〜90質量%である。
記録層には、そのインヒビション(溶解抑制能)を高める目的で、現像抑制剤を含有させることができる。記録層が重層型である場合には、特に上層に現像抑制剤を含有させることが好ましい。
一般式(1)中、R61は、多価アルコール残基又は多価フェノール残基を表し、R62は水素原子、置換基を有していても良い炭素原子数1〜25のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキロイル基、アリール基、又はアリーロイル基を表す。R63は置換基を有しても良いアルキレン残基を表し、mは平均で10以上、nは1以上4以下の整数を表す。
添加量としては、単層型の記録層である場合、記録層全固形分に対し、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。重層型の記録層である場合、上層全固形分に対し、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
本発明における記録層は赤外線吸収剤を含むことを要する。
本発明における平版印刷版原版は、赤外領域に極大吸収を有し、光熱変換能をもつ赤外線吸収剤を含有することで、赤外線レーザーによる記録が可能となる。
本発明に用いられる赤外線吸収剤としては、赤外光若しくは近赤外光を吸収し熱を発生する染料であれば特に制限はなく、赤外線吸収剤として知られる種々の染料を用いることができる。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、W1−は、対アニオンを示す。ただし、一般式(a)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはW1−は必要ない。好ましいW1−は、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
また、赤外線吸収剤は、記録層とは別の層を設けてそこへ添加してもよい。別の層とする場合、記録層に隣接する層へ添加するのが望ましい。
記録層を形成するにあたっては、上記成分の他、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。
なお、重層型の記録層である場合には、以下に挙げる添加剤は、記録層の下層のみに添加してもよいし、上層のみに添加してもよいし、両方の層に添加してもよい。
本発明における記録層には、感度を向上させる目的で、酸無水物類、フェノール類、有機酸類を添加してもよい。
記録層には、塗布性を良化するため、また、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、欧州特許第950517号明細書に記載されているようなシロキサン系化合物、特開昭62−170950号公報、特開平11−288093号公報、特開2003−057820号公報に記載されているようなフッ素含有モノマーの共重合体を添加することができる。
記録層には、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
記録層には、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を添加してもよい。
例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
本発明に係る単層型の記録層又は重層型の記録層の上層には、キズに対する抵抗性を付与する目的で、表面の静摩擦係数を低下させる化合物を添加することもできる。具体的には、米国特許第6,117,913号明細書、或いは本願出願人が先に提案した特願2001−261627、特願2002−032904、特願2002−165584の各明細書に記載されているような、長鎖アルキルカルボン酸のエステルを有する化合物などを挙げることができる。
添加量としては、単層型の記録層である場合、記録層の全固形分に対し、0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%の割合で添加することができる。重層型の記録層である場合には、記録層の上層中に占める割合が0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
本発明における平版印刷版原版における記録層は、記録層を構成する各成分を溶剤に溶かして、塗布することにより形成することができる。
これらの方法の詳細については、特開2002−251003号公報に記載されている。
ド塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
また、上層成分の乾燥後の塗布量は、0.05〜1.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.08〜0.7g/m2の範囲である。0.05g/m2以上とすることで、良好な現像ラチチュード、耐傷性が得られ、1.0g/m2以下とすることで良好な感度が得られる。
本発明における平版印刷版原版に使用される支持体としては、必要な強度と耐久性を備えた寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネート若しくは蒸着された紙、又はプラスチックフィルム等が挙げられる。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
理を行なってもよい。以下、このような表面処理について簡単に説明する。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号各明細書に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。
この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号各明細書に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
本発明における平版印刷版原版は、必要に応じて支持体と記録層との間に有機下塗層を設けることができる。
有機下塗層成分としては、種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。被覆量が上記範囲において充分な耐刷性能が得られる。
この本発明の平版印刷版原版積層体は、平版印刷版原版に形成された特定の形態の有機ポリマー層の存在により、記録層に傷が生じることを抑制すると共に、束断裁による記録層の抜けを防止し、更に優れた束断裁適性を得ることができる。
なお、本発明の平版印刷版原版積層体において、積層枚数は、用途や梱包態様、束断裁時に用いられる電動式断裁機に応じて、適宜、決定すればよい。
得られた平版印刷版原版は、合紙レスで積層されていたものであり、且つ、その積層体を束断裁されてなるものであるが、記録層に傷もなく、また、製版時に、断裁破断箇所の周辺部の記録層にも抜けが生じず、良好な画像形成が可能になる。
上記のようにして作製された赤外線感光性の平版印刷版原版は、画像様に露光され、その後、現像処理を施される。
本発明における平版印刷版原版の現像処理及び後処理に用いられる処理剤としては、公知の処理剤の中から適宜選択して用いることができる。
本発明における平版印刷版をバーニング処理する場合は、バーニング整面液を用い、バーニングプロセッサーなどを用いて行う従来から知られている方法で行うことが好ましい。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
[実施例1〜6、比較例1〜4]
〔支持体の作製〕
<アルミニウム板>
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.026質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.02質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理及びろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作製した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム板を得た。なお、得られたアルミニウムの平均結晶粒径の短径は50μm、長径は300μmであった。このアルミニウム板を幅1030mmにした後、以下に示す表面処理に供した。
以下の(a)〜(k)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理及び水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気
量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流さ
せた。その後、スプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
二段給電電解処理法の陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電極部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一及び第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダ1質量%水溶液の処理槽中へ、10秒間浸漬することでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行い、表面シリケート親水化処理された赤外線感光性平版印刷版用支持体を得た。
実施例1〜6については、下記の組成の塗布液を調製し、上記のようにして得られた支持体の記録層を塗布する反対側の面(支持体裏面)に、塗布・乾燥後に、下記表1のような幅、高さ、間隔、塗布面積率となる形態の有機ポリマー層を形成した。具体的には、溝の深さ、溝の幅、溝の間隔をそれぞれ調整したバーを用い、バー塗布方式により、塗布液を塗布し、130℃で2分間加熱、乾燥させて、有機ポリマー層を形成した。
また、比較例1〜3は、ウエット塗布量の異なる通常のバーを用いて、表1に記載の厚さになるように、バー塗布方式により、塗布液を塗布し、130℃で2分間加熱、乾燥させて、有機ポリマー層を形成した。
また、比較例4は有機ポリマー層を形成しなかった。
・ポリスチレン樹脂(Mw:10万、Mn:2万) 10g
・界面活性剤(フッ素系界面活性剤B、下記構造) 0.05g
・メチルエチルケトン 25g
上記有機ポリマー層を形成した面とは反対側の、支持体の表面処理した面に、下記の有機下塗り液をバーコーターで塗布し、80℃15秒間乾燥し、乾燥後の被服量が18mg/m2となるように有機下塗り層を設けた。
・下記高分子化合物 0.3g
・メタノール 100g
有機下塗り層が形成されたアルミニウム支持体上に、下記の下層用塗布液を乾燥後の塗布量が0.85g/m2になるようバーコーターで塗布した後、160℃で44秒間乾燥し、直ちに17〜20℃の冷風で支持体の温度が35℃になるまで冷却して下層を形成した。その後、下記の上層用塗布液を、乾燥後の塗布量が0.22g/m2になるようにバーコーターで塗布し、148℃で25秒間乾燥し、更に20〜26℃の風で徐冷して上層を形成した。
・N−(4−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/アクリロニトリル/
メタクリル酸メチル 2.1g
(36/34/30質量%:重量平均分子量50000、酸価2.65)
・m,p−クレゾールノボラック 0.1g
(m/p比=6/4、重量平均分子量4500、
未反応クレゾール0.8質量%含有、Tg:75℃)
・シアニン染料A(下記構造) 0.13g
・4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホン 0.13g
・無水テトラヒドロフタル酸 0.19g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミン
ヘキサフルオロホスフェート 0.032g
・エチルバイオレットの対イオンを
6−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸に変えたもの 0.078g
・フッ素系界面活性剤B(前記構造) 0.007g
・メチルエチルケトン 25.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 13.0g
・γ−ブチロラクトン 13.0g
・フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールノボラック 0.35g
(モル比=5/3/2、重量平均分子量:5000、
未反応クレゾール:1.2質量%含有、Tg:70℃)
・アクリル系樹脂C(下記構造) 0.042g
・シアニン染料A(前記構造) 0.019g
・アンモニウム化合物D(下記構造) 0.004g
・スルホニウム化合物G(下記構造) 0.032g
・フッ素系界面活性剤B(前記構造) 0.0045g
・フッ素系界面活性剤E(下記構造) 0.0033g
・フッ素系ポリマーF(下記構造) 0.018g
・メチルエチルケトン 10.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 20.0g
得られた実施例及び比較例の各赤外線感光性平版印刷版原版について、「1.束断裁適性の評価」、「2.束断裁による記録層の抜けの評価」、「3.輸送による擦れ傷の発生」、「4.オートローダーでの擦れ傷の発生」の各項目について評価をした。
得られた各赤外線感光性平版印刷版原版を、1030mm×800mmに裁断し各々200枚準備した。この200枚を合紙を入れずに重ねて積層体を作製した。この積層体の1030mmの辺を30mmずつ、電動式断裁機(イトーテック株式会社製の断裁機JAC−FC)を用いて、刃の断裁スピードレベル3で断裁した。一つの積層体を束断裁し終わったら、更に、同じ積層体を用意し、束断裁を続けた。
断裁機の刃が平版印刷版原版の途中で止まり、断裁不能になるまでの断裁回数をもって束断裁適性を評価した。
1030mm×800mmの各赤外線感光性平版印刷版原版200枚を合紙なしで積層した積層体を、1.の束断裁適性の評価と同様にして、1030mmの辺を30mm裁断した。残りの1030mm×770mmの版を露光せずに現像し、富士写真フイルム(株)製の自動現像機LP−940HIIに、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2(1:8で希釈したもの)及び富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFG−1(1:1で希釈したもの)を仕込み、現像温度32℃、現像時間12秒で現像処理した。このときの現像液の電動度は43mS/cmであった。
現像後の平版印刷版を目視し、記録面の抜けの発生が無かったものを「○」、抜けが明らかに有ったものを「×」、わずかに抜けがあったものを「△」として評価した。
得られた各赤外線感光性平版印刷版原版を、1030mm×800mmに裁断し各々30枚準備した。この30枚を合紙を入れずに重ねて、上下に厚さ0.5mmのボール紙を各1枚置いて、4隅をテープ止めした後、アルミクラフト紙で包装した。これを更に段ボールケースで外装しテープ止めし、合紙レス包装形態とした。これをパレットに載せ、トラックで2000kmの輸送を行った後、開封した。開封後の、赤外線感光性平版印刷版原版を、富士写真フイルム(株)製自動現像機LP−940HIIに、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2を1:8で仕込み、現像温度32℃、現像時間12秒で現像処理した。このときの現像液の電導度は43mS/cmであった。現像後の平版印刷版について、輸送に起因して生じた画像部の抜けの有無を目視により観察し、評価した。
画像部の抜けが無いものを「○」、画像部の抜けが有ったものを「×」とする。結果を表1に併記する。
上記と同一サイズの平版印刷版原版を、LuxelT−9800CTPシングルオートローダーのカセットに合紙を入れずに10枚セットし、自動給版させてドラム装着した後、露光しないで搬出させ、富士写真フイルム(株)製の自動現像機LP−940HIIに、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2(1:8で希釈したもの)及び富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFG−1(1:1で希釈したもの)を仕込み、現像温度32℃、現像時間12秒で現像処理した。このときの現像液の電動度は43mS/cmであった。現像後の平版印刷版を目視し、ロード、アンロードによる擦れ傷の発生を評価した。
擦れ傷の発生が無かったものを「○」、擦れ傷の発生が有ったものを「×」とする。結果を表1に併記する。
一方、有機ポリマー層が全面に設けられている、比較例1〜3の平版印刷版原版積層体では、記録層の傷は見られないものの、実施例1〜6に比べ、束断裁適性に劣り、また、断裁破断箇所の周辺部の記録層に抜けが見られた。
更に、有機ポリマー層が設けられていない比較例4の平版印刷版原版積層体では、記録層に傷が見られ、実施例1〜6に比べ、束断裁適性が非常に劣り、また、断裁破断箇所の周辺部の記録層に抜けが見られた。
Claims (2)
- 支持体の片面に、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂と赤外線吸収剤とを含み、赤外線照射により画像を形成し得る記録層を有し、前記支持体の記録層を有する面とは反対側の面に、幅方向に互いに離間して複数配列された直線状の有機ポリマー層を有する平版印刷版原版を、記録層と有機ポリマー層とを直接接触させて、複数枚積層してなることを特徴とする平版印刷版原版積層体。
- 請求項1に記載の平版印刷版原版積層体を裁断する工程を含む平版印刷版原版の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006239230A JP4615492B2 (ja) | 2006-09-04 | 2006-09-04 | 平版印刷版原版積層体、及び平版印刷版原版の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006239230A JP4615492B2 (ja) | 2006-09-04 | 2006-09-04 | 平版印刷版原版積層体、及び平版印刷版原版の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008064778A JP2008064778A (ja) | 2008-03-21 |
JP4615492B2 true JP4615492B2 (ja) | 2011-01-19 |
Family
ID=39287586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006239230A Expired - Fee Related JP4615492B2 (ja) | 2006-09-04 | 2006-09-04 | 平版印刷版原版積層体、及び平版印刷版原版の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4615492B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2204698B1 (en) | 2009-01-06 | 2018-08-08 | FUJIFILM Corporation | Plate surface treatment agent for lithographic printing plate and method for treating lithographic printing plate |
EP3346332B1 (en) * | 2013-06-18 | 2019-11-13 | Agfa Nv | A lithographic printing plate precursor having a non-contineuous back layer |
JP6731043B2 (ja) | 2016-03-30 | 2020-07-29 | 富士フイルム株式会社 | 平版印刷版原版及びその積層体並びに平版印刷版原版の製造方法 |
EP3511172B1 (en) * | 2017-03-31 | 2021-04-21 | FUJIFILM Corporation | Planographic printing original plate and method for manufacturing same, planographic printing original plate laminate, and planographic printing method |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003063162A (ja) * | 2001-08-24 | 2003-03-05 | Fuji Photo Film Co Ltd | 平版印刷版用原版 |
JP2004042543A (ja) * | 2002-07-15 | 2004-02-12 | Fuji Photo Film Co Ltd | 感熱性平版印刷版用原版 |
-
2006
- 2006-09-04 JP JP2006239230A patent/JP4615492B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003063162A (ja) * | 2001-08-24 | 2003-03-05 | Fuji Photo Film Co Ltd | 平版印刷版用原版 |
JP2004042543A (ja) * | 2002-07-15 | 2004-02-12 | Fuji Photo Film Co Ltd | 感熱性平版印刷版用原版 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008064778A (ja) | 2008-03-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4474309B2 (ja) | 平版印刷版原版及びその作製方法 | |
JP4611185B2 (ja) | 赤外線感光性平版印刷版原版 | |
JP4167160B2 (ja) | 平版印刷版原版 | |
JP4244309B2 (ja) | 平版印刷版原版 | |
JP4615492B2 (ja) | 平版印刷版原版積層体、及び平版印刷版原版の製造方法 | |
JP4795118B2 (ja) | 赤外線感光性平版印刷版原版 | |
JP2005062456A (ja) | 赤外線感光性平版印刷版 | |
JP2004302249A (ja) | 平版印刷版用原版 | |
JP4308687B2 (ja) | 平版印刷版原版 | |
JP4652193B2 (ja) | 赤外線感光性平版印刷版原版 | |
JP4593419B2 (ja) | 赤外線感光性平版印刷版原版 | |
US7381518B2 (en) | Infrared-sensitive planographic printing plate precursor | |
JP4680098B2 (ja) | 赤外線感光性平版印刷版原版 | |
JP4614454B2 (ja) | 赤外線感光性平版印刷版原版 | |
JP2005091703A (ja) | 平版印刷版原版 | |
JP2005107112A (ja) | 平版印刷版原版 | |
JP4262906B2 (ja) | 平版印刷版原版 | |
JP4642583B2 (ja) | 赤外線感光性平版印刷版原版 | |
JP2004233758A (ja) | 平版印刷版原版 | |
JP2004157461A (ja) | 平版印刷版原版 | |
JP2007086219A (ja) | 赤外線感光性平版印刷版原版 | |
JP2006003658A (ja) | 平版印刷版原版 | |
JP2004361716A (ja) | 平版印刷版原版 | |
JP2008076996A (ja) | 平版印刷版原版 | |
JP2007093941A (ja) | 赤外線感光性平版印刷版原版 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090223 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100917 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100928 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101020 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131029 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |