JP4614896B2 - 光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量と光ファイバの伝送損失とに関するデータの構築方法及び装置、光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量推定方法 - Google Patents

光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量と光ファイバの伝送損失とに関するデータの構築方法及び装置、光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバ内蔵型架空地線(以下、OPGW:OPtical Ground Wireという)など、光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量と光ファイバの伝送損失とに関するデータの構築方法及び装置、並びに、この方法で構築したデータに基づくケーブルの浸水量推定方法に関する。
光ファイバ内蔵型架空地線(以下、OPGW:OPtical Ground Wireという)は、架空送電線の架空地線の中心部にアルミ管を設けてこのアルミ管内に光ファイバを収容したものであり、既存の送電線網を利用して、光ファイバにより長距離かつ広範囲な大容量の通信システムを構築できる。このため、近年、電力会社においてOPGWは広く採用され、重要な通信回線として用いられるようになっている。
上記のOPGWを用いた通信線には冬季に通信障害が発生することがある。その原因は、OPGWに外力が繰り返し作用することによって上記アルミ管に疲労破断が生じ、そこからアルミ管内部に浸入した水が冬季に凍結するためであると考えられる。すなわち、アルミ管内へ浸入した水が凍結することにより膨張し、光ファイバに局部的に圧力がかかることに起因して生じた光ファイバの微小な曲げ(マイクロベンディング)によって通信障害が起きると考えられるのである。したがって、通信障害を未然に防止するには、OPGWへの浸水発生を検知してケーブル交換などの対応をとることが必要である。
これに関連して、例えば、特許文献1には、光ファイバに光パルスを入射させることにより発生したラマン散乱光のストローク側と反ストローク側の強度比に基づいて光ファイバの浸水部分と非浸水部分の温度差を測定し、その測定結果に基づいて浸水の有無を検知する方法が開示されている。この方法は、非浸水部分と浸水部分とで日中の温度変動が異なるために両者間に温度差が生じることを前提とするものである。しかしながら、光ファイバに必ずしもそのような温度差が生ずるとは限らず、また、温度差の大きさも環境によって大きく変わるため、特許文献1の方法では、浸水の有無を高い信頼性で検知することは難しいと考えられる。
また、非特許文献1には、海底光ケーブルの破損時に、光ファイバ内へ水素分子が拡散することにより、特定波長帯域(1.24μm)の光の伝送損失が増大することが示されている。
特開2003−222565号公報 NIKKEI ELECTRONICS 1984, 12.3, p.233−248
本発明者は、OPGWに浸水が生じた場合にも、水とアルミ管との反応によって水素が発生し、その水素が光ファイバ内へ拡散することにより、非特許文献1に開示されるように波長1.24μmでの伝送損失が発生すると考え、そのことを実験的に確かめた。そして、かかる実験により得られた知見に基づき、上記波長での伝送損失によってOPGWへの浸水の有無を判定する手法を発明し特許出願している(特願2005−180939、特願2005−180940)。
ところで、上記のように、OPGWへの浸水による通信障害は冬季の凍結によるマイクロベンディングに起因すると考えられるので、浸水量が多いほど通信障害が発生しやすく、また、浸水が発生しても凍結が生ずる前に水が排出されてしまえば通信障害は生じないといえる。そして、OPGWの保守点検においては、通信障害の発生の可能性の大小を判断し、その可能性の大きいOPGWから優先して交換等の保守作業を行うことが必要である。したがって、OPGWの保守点検を適切に行うためには、浸水の有無のみならず、浸水量や浸水発生時期を正しく推定できることが望まれる。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、OPGWなど光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量と光ファイバの伝送損失との関係についてのデータを蓄積して、このデータに基づいて、光ファイバの伝送損失から浸水量や浸水発生時期等を的確に推定できるようにすることを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明は、光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量と、浸水に起因する前記光ファイバの伝送損失とに関するデータの構築方法であって、
浸水した前記ケーブルのサンプルについて、複数の時点で、前記ケーブル内に残存する浸水量と光ファイバの伝送損失とを測定する測定ステップと、
前記複数の時点での浸水量及び伝送損失の測定値に基づいて、浸水量及び伝送損失の時間的な変化を示す時系列データを生成する時系列データ生成ステップと、
前記生成した時系列データにおいて、浸水量が最大となる時点と伝送損失が最大となる時点とが一致するように、両時点間の時間差だけ、浸水量の時系列データと伝送損失の時系列データとを時間軸方向に相対的に移動させた修正時系列データを生成するデータ修正ステップと、
前記修正時系列データにおいて浸水量が最大値となる時点である基準時点以後における浸水量及び伝送損失の前記修正時系列データの時間軸を反転させた時系列データを、反転前の修正時系列データに前記基準時点以前のデータとして接続することにより浸水−伝送損失特性データを生成する特性データ生成ステップと、を備えることを特徴とする。
また、本発明において、前記測定ステップでは、初期浸水量が異なる複数のサンプルの夫々について、前記複数の時点で前記ケーブル内に残存する浸水量と光ファイバの伝送損失とを測定し、
前記時系列データ生成ステップでは、前記複数の時点の夫々における前記複数のサンプルについての測定値の平均値を、当該時点でのデータ値として時系列データを生成することとしてもよい。
この場合、前記時系列データ生成ステップでは、前記複数のサンプルの伝送損失の立ち上がり時点が互いに一致するように伝送損失の時系列データを時間軸方向に移動させると共に、浸水量の時系列データも伝送損失のデータと同じ時間だけ時間軸方向に移動させたうえで、前記複数の時点の夫々における前記複数のサンプルについての測定値の平均値を、当該時点でのデータ値として時系列データを生成することとしてもよい。
また、本発明において、前記ケーブルは、例えば、光ファイバ内蔵型架空地線である。
また、本発明に係る第1の光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量推定方法は、
上記方法により伝送損失−浸水量特性データを生成し、少なくとも2つの時点において前記ケーブルに内蔵された光ファイバの伝送損失を測定し、
測定した伝送損失を前記伝送損失−浸水量特性データに当てはめることにより、前記伝送損失−浸水量特性データ上における前記少なくとも2つの時点を特定して、この特定した少なくとも何れかの時点での浸水量を求め、
この求めた浸水量を、当該時点から前記時間差だけ前の時点における浸水量として推定することを特徴とする。
また、本発明に係る第2の光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量推定方法は、上記方法により伝送損失−浸水量特性データを生成し、
少なくとも、第1の時点と、この第1の時点よりも後の第2の時点とにおいて前記ケーブルに内蔵された光ファイバの伝送損失を測定し、
前記第1の時点及び前記第2の時点で測定した伝送損失を前記伝送損失−浸水量特性データに当てはめることにより、前記伝送損失−浸水量特性データ上における前記第1及び第2の時点を特定し、それら特定した第1の時点及び第2の時点と、前記伝送損失−浸水量特性データで表される浸水量の時間変化特性に基づいて、前記第2の時点以後の浸水量の変化を推定することを特徴とする。
また、本発明は、光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量と、浸水に起因する前記光ファイバの伝送損失とに関するデータの構築装置であって、
浸水した前記ケーブルのサンプルについて、複数の時点での、前記ケーブル内に残存する浸水量と光ファイバの伝送損失との測定値に基づいて、浸水量及び伝送損失の時間的な変化を示す時系列データを生成する時系列データ生成部と、
前記生成した時系列データにおいて、浸水量の最大となる時点と伝送損失が最大となる時点とが一致するように、両時点間の時間差だけ、浸水量の時系列データと伝送損失の時系列データとを時間軸方向に相対的に移動させた修正時系列データを生成するデータ修正部と、
前記修正時系列データにおいて浸水量が最大値となる時点である基準時点以後の、浸水量及び伝送損失の前記修正時系列データの時間軸を反転させた時系列データを、反転前の修正時系列データに、前記基準時点以前のデータとして接続し、このデータに基づいて浸水−伝送損失特性データを生成する特性データ生成部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、OPGWなどの光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量と光ファイバの伝送損失との関係についてのデータを構築し、このデータに基づいて、光ファイバの伝送損失から浸水量や浸水発生時期等を的確に推定できるようにすることが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本実施形態では、人為的に水を注入して浸水させた初期浸水量の異なるOPGWのサンプルを複数個用意し、これらサンプルについて所定期間毎(本実施形態では例えば1ヶ月毎)に、反射型故障点標定装置(OTDR)により波長帯域1.24μmの光の伝送損失を測定すると共に、サンプル内に残存している水を排出してその量(つまり、当該時点における浸水量)を測定し、これらの測定データに基づいて、伝送損失と浸水量との相関を示す特性データ(伝送損失−浸水量特性データという)を生成する。なお、OTDRは、特定波長の光パルスを光ファイバに入射し、後方散乱光の強度と、この後方散乱光が返ってくるまでの時間から、光ファイバの伝送損失の距離分布を測定する機能を有する周知の装置である(例えば、特開2004−138506号公報、特開2005−84041号公報を参照)。
図1は、本実施形態で用いたOPGWのサンプルの諸条件の一覧を示す。同図に示すように、初期浸水量をn段階(同図の例では、OPGWの長さ1m当り10cc、20cc、30cc、・・・、浸水上限値のn段階)に変えたサンプルS(i=1〜n)をm個ずつ用意し、各段階iのm個のサンプルSについて、初期浸水時点、及び、浸水期間1ヵ月、2ヵ月、・・・、mヵ月の計(m+1)回の時点で、浸水量の測定とOTDRによる光ファイバの伝送損失測定とを行った。なお、初期浸水時点において伝送損失を測定したサンプルは、以後のm回の何れかの測定で再度利用できるので、サンプル数はm個で足りる。図1では、サンプルSについてjヶ月後(j=0〜m、j=0は初期浸水時点を表す)の伝送損失の測定データをAi,jで、浸水量の測定データをBi,jで、夫々表記しており、以下の記載でもこれらの表記を用いるものとする。
以上のようにして、各サンプルSについて、伝送損失と浸水量についての時系列データAi,j及びBi,j(j=0〜m)が得られることとなる。
以下、図2〜図8に示すデータの例及び図9に示すフローチャートを参照しながら、時系列データAi,j及びBi,jに基づいて伝送損失−浸水量特性データを生成する手順について説明する。
先ず、図2に示すように、各サンプルSについて、時系列データAi,j及びBi,jを、横軸を時間軸、縦軸を伝送損失又は浸水量とするグラフとしてプロットする(図9のステップS100)。なお、図2及び以下に示す図3〜図4では、多数のグラフが重なって見難くなるのを避けるため、3つのサンプルS〜Sのみをプロットした結果を示している。
次に、図3に示すように、全てのサンプルS(i=1〜m)について伝送損失の立ち上がり時点が一致するように、立ち上がり時点が最も早いサンプル(図2では、サンプルS)に合わせて他のサンプル(図2では、サンプルS、S)の伝送損失及び浸水量の時系列データを時間軸の負方向に移動させる(図9のステップ102)。具体的には、例えば、図2において、サンプルS,Sについての伝送損失の時系列データA1,j、A2、jの立ち上がり時点が、サンプルSについての時系列データA3,jの立ち上がり時点に一致するように、
1,j←A1,j+1、B1,j←B1,j+1
2,j←A2,j+1、B2,j←B2,j+1
(ただし、A1,m=A2,m=α、B1、m=B2、m=0、αは正常な光ファイバの伝送損失であり、一般には0.4dB/km)
として、時系列データA1,j、2,jを1ヶ月分(つまり、測定間隔の1回分)だけ時間軸の負方向へ移動させる。
このように全てのサンプルSについての伝送損失の立ち上がり時点を一致させるのは、次の理由による。すなわち、浸水発生後、伝送損失が顕著に増加し始めるのは、浸水量にかかわらず、浸水発生からほぼ一定の時間が経過した時点であると考えられるが、本実施形態では1ヶ月おきに伝送損失の測定を行っているため、測定のタイミングによっては、立ち上がり時期の数日の違いが、±1ヶ月のずれとして現れることになる。そこで、このような測定のタイミングによる立ち上がり時期のずれを解消するため、伝送損失の立ち上がり時点が一致するよう各サンプルの時系列データを時間軸方向に移動させることとしている。
次に、各時点j(j=0〜m)について、n個のサンプルS(i=1〜n)のデータAi,j及びBi,jを夫々平均して、平均値SA,SB(j=0〜m)を求める(図9のステップ104)。
すなわち、
Figure 0004614896
により、平均値SA,SBを計算する。
以下においては、これらの平均値SA及びSBを、夫々、伝送損失及び浸水量の時系列データとして扱うものとする。
図4は、上記のように求めた時系列データSA、SBをプロットしたグラフを示す。同図の例では、初期浸水の発生後3ヶ月(j=3)の時点で伝送損失がピークに達している。このことは、浸水が発生してから伝送損失がピークに達するまでの間に時間差ΔT(本例では3ヶ月)があることを意味している。そこで、この時間差ΔTをtヶ月(測定時点の間隔を単位としてt回分)として、浸水量の時系列データSBのみをtヶ月だけ時間軸の正方向に移動させて
DSB←SBj−t、DSA←SA
とすることにより修正時系列データを生成する(図9のステップ106)。
図5に、修正時系列データDSB、DSAをプロットしたグラフを示す。同図に示すように、上記の処理により、浸水量が最大になる時点と伝送損失が最大になる時点とが一致する。
このように時間差ΔTだけ浸水量の時系列データSBを時間軸の正方向に移動させることにより、伝送損失と浸水量の相関が直接的に表されることとなる。例えば、図5において、時点tcにおける伝送損失がAcであったとすると、図5で同じ時点tcの浸水量Bcは、時点tcから時間差ΔTだけ前の時点(tc−ΔT)における浸水量を示すこととなる。
ところで、図5に示すグラフは、OPGWが浸水した状態から、水が徐々に排出されて浸水量が減少していく過程での伝送損失及び残存浸水量の時間変化を示すものであるが、浸水が発生していない状態から徐々に浸水して浸水量が増加していく場合も、図5のグラフの時間軸を反転した変化を示すと考えられる。ただし、上記の通り、図5に示す浸水量のデータは、同図上に示される時点よりも時間差ΔTだけ前の浸水量を示すものであるから、浸水発生から時間差ΔTが経過した時点(基準時点t0という)までの間の浸水量のデータは意味を持たない。
そこで、図6に示すように、図5に示す修正時系列データの初期浸水の発生から基準時点t0までの間のデータを除いたうえで、時間軸を反転し、この反転後の時系列データを、反転前の修正時系列データの基準時点t0以前のデータとして接続することにより、浸水していない状態から浸水して浸水量が次第に増加し、その後、水が排出されて浸水量が次第に減少していくまでの浸水量及び伝送損失の変化特性を示す時系列データが得られ(図9のステップ108)、この時系列データを適宜な近似曲線で近似することにより、図7に示すような、伝送損失−浸水量特性データが得られることができる(図9のステップ110)。
上記の手順で得られた伝送損失−浸水量特性データに基づいて、以下に説明するように、実際の評価対象区間におけるOPGWの伝送損失の測定データから、浸水時期及び浸水量を推定することが可能となる。
先ず、異なる2つの時点t1,t2で、評価対象区間におけるOPGWの伝送損失を測定する(図9のステップ112)。そして、図8に示すように、それらの測定値A1,A2を伝送損失−浸水量特性データに当てはめ、測定時点t1,t2が伝送損失−浸水量特性データ上のどの時点に相当するのかを推定する(図9のステップ114)。2つの時点での測定値を用いるのは、図8から明らかなように、1時点の伝送損失だけでは、浸水量が増加している過程であるか、減少している過程であるかを判別できないからである。なお、測定値A1,A2が伝送損失−浸水量特性データの上に完全に乗るわけではないので、例えば、測定値A1,A2と伝送損失−浸水量特性データとの誤差の二乗和が最小になるように、測定値A1,A2と伝送損失−浸水量特性データに当てはめるものとする。また、3以上の時点で伝送損失を測定して、伝送損失−浸水量特性データに当てはめるようにしてもよい。
以上のように、少なくとも2つの時点t1,t2での伝送損失の測定値A1,A2を伝送損失−浸水量特性データに当てはめることにより、測定時点t1、t2が伝送損失−浸水量特性データ上のどの時点に相当するかを推定できれば、例えば、伝送損失−浸水量特性データの時点t2での浸水量B2を、時点t2から上記時間差ΔT前の時点(t2−ΔT)での浸水量であると推定することができる(図9のステップ116)。また、この場合、時点(t2−ΔT)以後の浸水量は、図8において実線で示す浸水量のグラフに従って変化すると推定できるので、今後、浸水量が増加するのか減少するのか、また、何時頃浸水量が最大となるか、あるいは、何時頃浸水量が所定値以下となるか等を予測できる。したがって、例えば、今後浸水量が増加すると予測される場合や、冬季の凍結時期になっても浸水量が所定値以下とならない場合などは、水の凍結による通信障害が発生し易いと判断して、OPGWの交換の優先度を高めるなど、図8に示す伝送損失−浸水量特性データをOPGWの保守管理に活用することができる。
図10は、上記した伝送損失−浸水量特性データの生成処理をプログラムされたコンピュータにより実行するようにしたデータ構築装置10のブロック構成図である。同図に示すように、データ構築装置10は、時系列データ生成部20、データ修正部22、及び特性データ生成部24、及び、特性データ記憶部26を備えている。
時系列データ生成部20は、各サンプルSについて、伝送損失と浸水量についての時系列データAi,j及びBi,j(j=0〜m)を取得する。なお、時系列データAi,j及びBi,jの取得は、キーボード等からの入力を受け付けることにより行ってもよいし、ハードディスク等の記憶装置から読み出すことにより行ってもよいし、あるいは、ネットワーク経由で受信することにより行ってもよい。そして、取得した時系列データAi,j及びBi,jについて、上記ステップ102及びステップ104の処理を行い、平均値SA,SBを伝送損失及び浸水量の時系列データとする。
データ修正部22は、時系列データSA,SBについて上記ステップ106の処理を行うことにより修正時系列データDSB、DSAを生成する。
特性データ生成部24は、修正時系列データDSB、DSAに基づいて上記ステップ108,110の処理を行うことにより浸水−伝送損失特性データを生成する。
特性データ生成部24により生成された浸水−伝送損失特性データは、ハードディスク装置等の記憶装置上に構築された特性データ記憶部26に格納され、以後、この浸水−伝送損失特性データを参照することにより、上記ステップ114、116に示すような浸水量等の推定を行うことができる。
本発明の一実施形態で用いたOPGWのサンプルの諸条件の一覧を示す図である。 各サンプルSについて、時系列データAi,j及びBi,jを、横軸を時間軸、縦軸を伝送損失又は浸水量とするグラフとしてプロットした図である。 図2の時系列データを、全てのサンプルSについて伝送損失の立ち上がり時点が一致するように、立ち上がり時点が最も早いサンプルに合わせて他のサンプルの伝送損失及び浸水量の時系列データを時間軸の負方向に移動させたグラフである。 各時点jについて、n個のサンプルS(i=1〜n)のデータAi,j及びBi,jを夫々平均して得られた平均値SA,SBを時系列データとしてプロットしたグラフである。 図4において、浸水量が最大になる時点と伝送損失が最大になる時点とが一致するように浸水量の時系列データの時間軸を移動させた修正時系列データを示すグラフである。 図5に示す修正時系列データの初期浸水の発生から時間差ΔTが経過した基準時点t0までの間のデータを除いたうえで、時間軸を反転し、この反転後の時系列データを反転前の修正時系列データに基準時点t0において接続したグラフである。 図6から得られた伝送損失−浸水量特性データを示すグラフである。 伝送損失の2時点での測定値A1,A2から伝送損失−浸水量特性データを参照して浸水量を推定する方法を説明するための図である。 本実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態であるデータ構築装置のブロック構成図である。
符号の説明
10 データ構築装置
20 時系列データ生成部
22 データ修正部
24 特性データ生成部
26 特性データ記憶部

Claims (7)

  1. 光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量と、浸水に起因する前記光ファイバの伝送損失とに関するデータの構築方法であって、
    浸水した前記ケーブルのサンプルについて、複数の時点で、前記ケーブル内に残存する浸水量と光ファイバの伝送損失とを測定する測定ステップと、
    前記複数の時点での浸水量及び伝送損失の測定値に基づいて、浸水量及び伝送損失の時間的な変化を示す時系列データを生成する時系列データ生成ステップと、
    前記生成した時系列データにおいて、浸水量が最大となる時点と伝送損失が最大となる時点とが一致するように、両時点間の時間差だけ、浸水量の時系列データと伝送損失の時系列データとを時間軸方向に相対的に移動させた修正時系列データを生成するデータ修正ステップと、
    前記修正時系列データにおいて浸水量が最大値となる時点である基準時点以後における浸水量及び伝送損失の前記修正時系列データの時間軸を反転させた時系列データを、反転前の修正時系列データに前記基準時点以前のデータとして接続することにより浸水−伝送損失特性データを生成する特性データ生成ステップと、を備えることを特徴とする方法。
  2. 前記測定ステップでは、初期浸水量が異なる複数のサンプルの夫々について、前記複数の時点で前記ケーブル内に残存する浸水量と光ファイバの伝送損失とを測定し、
    前記時系列データ生成ステップでは、前記複数の時点の夫々における前記複数のサンプルについての測定値の平均値を、当該時点でのデータ値として時系列データを生成することを特徴とする請求項1記載のデータの構築方法。
  3. 前記時系列データ生成ステップでは、前記複数のサンプルの伝送損失の立ち上がり時点が互いに一致するように伝送損失の時系列データを時間軸方向に移動させると共に、浸水量の時系列データも伝送損失のデータと同じ時間だけ時間軸方向に移動させたうえで、前記複数の時点の夫々における前記複数のサンプルについての測定値の平均値を、当該時点でのデータ値として時系列データを生成することを特徴とする請求項2記載のデータの構築方法。
  4. 前記ケーブルは、光ファイバ内蔵型架空地線である請求項1〜3のうちいずれかに記載のデータの構築方法。
  5. 請求項1〜4のうち何れかに記載の方法により伝送損失−浸水量特性データを生成し、
    少なくとも2つの時点において前記ケーブルに内蔵された光ファイバの伝送損失を測定し、
    測定した伝送損失を前記伝送損失−浸水量特性データに当てはめることにより、前記伝送損失−浸水量特性データ上における前記少なくとも2つの時点を特定して、この特定した少なくとも何れかの時点での浸水量を求め、
    この求めた浸水量を、当該時点から前記時間差だけ前の時点における浸水量として推定することを特徴とする光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量推定方法。
  6. 請求項1〜4のうち何れかに記載の方法により伝送損失−浸水量特性データを生成し、
    少なくとも、第1の時点と、この第1の時点よりも後の第2の時点とにおいて前記ケーブルに内蔵された光ファイバの伝送損失を測定し、
    前記第1の時点及び前記第2の時点で測定した伝送損失を前記伝送損失−浸水量特性データに当てはめることにより、前記伝送損失−浸水量特性データ上における前記第1及び第2の時点を特定し、それら特定した第1の時点及び第2の時点と、前記伝送損失−浸水量特性データで表される浸水量の時間変化特性に基づいて、前記第2の時点以後の浸水量の変化を推定することを特徴とする光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量推定方法。
  7. 光ファイバを内蔵するケーブルの浸水量と、浸水に起因する前記光ファイバの伝送損失とに関するデータの構築装置であって、
    浸水した前記ケーブルのサンプルについて、複数の時点での、前記ケーブル内に残存する浸水量と光ファイバの伝送損失との測定値に基づいて、浸水量及び伝送損失の時間的な変化を示す時系列データを生成する時系列データ生成部と、
    前記生成した時系列データにおいて、浸水量の最大となる時点と伝送損失が最大となる時点とが一致するように、両時点間の時間差だけ、浸水量の時系列データと伝送損失の時系列データとを時間軸方向に相対的に移動させた修正時系列データを生成するデータ修正部と、
    前記修正時系列データにおいて浸水量が最大値となる時点である基準時点以後の、浸水量及び伝送損失の前記修正時系列データの時間軸を反転させた時系列データを、反転前の修正時系列データに、前記基準時点以前のデータとして接続し、このデータに基づいて浸水−伝送損失特性データを生成する特性データ生成部と、を備えることを特徴とするデータの構築装置。

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