JP4614393B2 - 記録方法、記録装置および記録システム - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体に色剤を記録することによって画像を形成するドットマトリクス方式の記録方法、記録装置および記録システムに関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の様に、画像情報に基づいて紙やプラスチック薄板等の記録媒体に画像を記録する記録装置は、その記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分類することができる。中でもインクジェット記録方式は、高速、高解像度、高画像品質、低騒音などの様々な優位点を有しており、近年幅広く普及している。
インクジェット記録装置では、インクを吐出する記録ヘッドを記録媒体に対して走査する記録主走査と、当該記録主走査と交差する方向に記録媒体を搬送する副走査とを、間欠的に繰り返すことにより画像を形成する、いわゆるシリアル型が主流となっている。このシリアル型のインクジェット記録装置では、記録ヘッドに配列する複数の記録素子の吐出ばらつきや搬送量のばらつきが原因で、画像むら弊害が発生することが知られている。よって、この問題に対応するための対策も様々に考案されており、一般にはマルチパス記録方法という記録方法が採用されることが多い。
マルチパス記録方法では、記録ヘッドが1回の記録主走査で記録可能な画像データを所定のマスクパターンを用いて間引き、複数の記録主走査に分割して記録する。各記録主走査の間には、記録ヘッドの記録幅よりも短い距離の副走査を行う。このような記録方法であれば、形成された画像において、主走査方向に配列する1列のドット列は、1つの記録素子によって記録されるのではなく、複数の記録素子によって記録されたドットの組み合わせとなる。すなわち、個々の記録素子の吐出ばらつきは分散され、その特徴は目立ち難くなる。また、同様の理由から、副走査ごとに現れる各主走査間のつなぎすじも緩和され、画像全体が滑らかになる。
一方、シリアル型のインクジェット記録装置では、高解像度な画像を極力高速に出力するための方法として、「カラム間引き記録方法」を採用する場合がある。以下、「カラム間引き記録方法」について簡単に説明する。
インクジェット記録ヘッドにおいて、個々の記録素子がインクを吐出する周波数(駆動周波数)は、安定した吐出を維持するために、所定範囲内に定められている。そして、上記所定範囲内の適切な駆動周波数で所望の記録密度が実現できるように、記録ヘッドを搭載したキャリッジの走査速度が設定されている。但し、上述したマルチパス記録のように、主走査方向に配列するドット列を複数回の記録主走査によって形成する場合には、個々の記録素子が1回の記録主走査で連続する2ドット以上を記録しないように設定することができる。これによれば、個々の記録素子の駆動周波数を見かけ上増大することが出来るので、キャリッジの走査速度をアップし、記録速度を向上させることができる。
ここで、主走査方向に配列する記録画素の単位をカラムとして具体的に説明する。例えば、奇数番目の記録主走査では奇数番目のカラムにのみ記録し、偶数番目の記録主走査では偶数番目のカラムにのみ記録するよう制御したとする。このとき、奇数番目の記録主走査では偶数カラムへの記録は行われないことが予め判っているので、奇数カラムのみを対象として駆動周波数を設定することができる。すなわち、偶数カラムへの記録も考慮に入れた場合に比べ、キャリッジ速度を倍に設定することが出来る。このようなカラム間引き記録方法は、特許文献1あるいは特許文献2などに開示されている。
カラム間引き記録方法は、偶数カラムと奇数カラムに分割するようなマスクパターンを用いたマルチパス記録方法の一種と解釈することも出来る。但し、上記特許文献で対象とするような高解像な画像を高品位に出力する場合には、奇数カラムの画像データおよび偶数カラムの画像データのそれぞれを、所定のマスクパターンを用いて更に間引き、更に多くの記録走査に分割して記録することが多い。すなわち、奇数カラムを2分割、偶数カラムを2分割した少なくとも4パス以上のマルチパス記録を、通常の2倍のキャリッジ速度で行うことにより、速度と品位のバランスの取れた画像出力を実現しているのである。
特開2002−29097号公報 特開2004−1560号公報
ところで、上述した従来の記録方法においては、奇数カラムの画像データに対しても偶数カラムの画像データに対しても、同一のマスクパターンを用いて画像データを分割していた。しかしながら、本発明者らの鋭意検討によれば、このような構成が原因で出力画像にテクスチャのような画像弊害が現れることが確認された。
マルチパス記録は、個々の記録素子の吐出ばらつきや搬送ばらつきに起因する画像弊害を緩和する効果があることは既に述べた。しかし、マルチパス記録の効果はこれに限るものではない。適用するマスクパターンに特徴を持たせることによって、更に様々な画像問題を解決することが出来るのである。近年では、その目的に応じて、様々な特徴を有するマスクパターンが提案され、実用されている。
しかしながら一方で、記録媒体の種類によっては、マスクパターンの持つ上記特徴がテクスチャとして現れてしまう場合がある。そして、本発明者らの検討によれば、このようなテクスチャは、偶数カラムと奇数カラムとで同じマスクパターンを適用することにより増幅し、一層目立ってしまうことが確認された。更にこの問題は、例えばブラックインクのみを使用するモノクロモードの様に、使用するインクの色数が少ない画像において特に顕著であることも確認された。
本発明は、上記課題を顧みてなされたものであり、その目的とするところは、カラム間引き記録方法を採用しつつも、上記テクスチャが緩和された状態で、高解像度な画像を高速に出力可能なインクジェット記録方法を提供することである。
そのために本発明においては、ドットを記録するための記録素子が複数配列された記録ヘッドを記録媒体の同一領域に対して前記記録素子が配列される方向とは異なる走査方向に複数回走査させることによって前記同一領域の画像を記録する記録方法であって、前記画像を構成するドットを記録するための記録データを、奇数カラムデータと偶数カラムデータに分割する工程と、ドットの記録を許容する記録許容エリアおよびドットの記録を許容しない非許容エリアが配列されてなる第1のマスクパターンを用いて、前記奇数カラムデータを複数に分割する工程と、前記第1のマスクパターンとは異なる配置で前記記録許容エリアおよび前記非記録許容エリアが配列されてなる第2のマスクパターンを用いて、前記偶数カラムデータを複数に分割する工程と、前記分割された奇数および偶数カラムデータの夫々を、前記記録ヘッドの異なる走査で前記同一領域に記録する工程とを有することを特徴とする。
また、ドットを記録するための記録素子が複数配列された記録ヘッドを記録媒体の同一領域に対して前記記録素子が配列される方向とは異なる走査方向に複数回走査させることによって前記同一領域の画像を記録する記録方法であって、前記画像を構成するドットを記録するための記録データを、奇数カラムデータと偶数カラムデータに分割する工程と、ドットの記録を許容する記録許容エリアおよびドットの記録を許容しない非許容エリアが配列されてなるマスクパターンを用いて、前記奇数カラムデータおよび前記偶数カラムデータの夫々を複数に分割する工程と、前記分割された奇数および偶数カラムデータの夫々を、前記記録ヘッドの異なる走査で前記同一領域に記録する工程とを有し、第1の記録モードを実行する場合、前記奇数カラムデータを分割するのに用いるマスクパターンにおける記録許容エリアの配列と前記偶数カラムデータを分割するのに用いるマスクパターンにおける記録許容エリアの配列は異なり、前記第1の記録モードとは異なる第2の記録モードを実行する場合に、前記奇数カラムデータを分割するのに用いるマスクパターンにおける記録許容エリアの配列と前記偶数カラムデータを分割するのに用いるマスクパターンにおける記録許容エリアの配列は同じであることを特徴とする。
さらに、ドットを記録するための記録素子が複数配列された記録ヘッドを記録媒体の同一領域に対して前記記録素子が配列される方向とは異なる走査方向に複数回走査させることによって前記同一領域の画像を記録することが可能な記録装置であって、前記画像を構成するドットを記録するための記録データを、奇数カラムデータと偶数カラムデータに分割する手段と、ドットの記録を許容する記録許容エリアおよびドットの記録を許容しない非許容エリアが配列されてなる第1のマスクパターンを用いて、前記奇数カラムデータを複数に分割する手段と、前記第1のマスクパターンとは異なる配置で前記記録許容エリアおよび前記非記録許容エリアが配列されてなる第2のマスクパターンを用いて、前記偶数カラムデータを複数に分割する手段と、前記分割された奇数および偶数カラムデータの夫々が前記記録ヘッドの異なる走査で前記同一領域に記録されるように、前記分割された奇数および偶数カラムデータに従って前記記録ヘッドを駆動する手段とを具備することを特徴とする。
さらにまた、ドットを記録するための記録素子が複数配列された記録ヘッドを記録媒体の同一領域に対して前記記録素子が配列される方向とは異なる走査方向に複数回走査させることによって前記同一領域の画像を記録することが可能な記録装置と、前記記録装置を制御するためのホスト装置とを有する記録システムであって、前記画像を構成するドットを記録するための記録データを、奇数カラムデータと偶数カラムデータに分割する手段と、ドットの記録を許容する記録許容エリアおよびドットの記録を許容しない非許容エリアが配列されてなる第1のマスクパターンを用いて、前記奇数カラムデータを複数に分割する手段と、前記第1のマスクパターンとは異なる配置で前記記録許容エリアおよび前記非記録許容エリアが配列されてなる第2のマスクパターンを用いて、前記偶数カラムデータを複数に分割する手段と、前記分割された奇数および偶数カラムデータの夫々が前記記録ヘッドの異なる走査で前記同一領域に記録されるように、前記分割された奇数および偶数カラムデータに従って前記記録ヘッドを駆動する手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、記録走査間のずれによって現れるマスクパターンの特徴が、奇数カラムと偶数カラムとの間で強調されることがないので、テクスチャの確認されない一様な画像を高速に出力することが出来る。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
1.基本構成
1.1 記録システムの概要
図1は、本発明の実施形態で適用する記録システムにおける画像データ処理の流れを説明するための図である。この記録システムJ0011は、記録すべき画像を示す画像データの生成やそのデータ生成のためのUI(ユーザインタフェース)の設定等を行うホスト装置J0012を具える。またこのホスト装置J0012で生成された画像データに基づいて記録媒体に記録を行う記録装置J0013を具える。記録装置J0013は、シアン(C)、ライトシアン(Lc)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)、レッド(R)、グリーン(G)、第1ブラック(K1)、第2ブラック(K2)、グレー(Gray)の10色インクによって記録を行う。そのために、これら10色のインクを吐出する記録ヘッドH1001が用いられる。これら10色のインクは、色材として顔料を含む顔料インクである。
ホスト装置J0012のオペレーティングシステムで動作するプログラムとしてアプリケーションやプリンタドライバがある。アプリケーションJ0001は記録装置で記録するための画像データを作成する処理を実行する。この画像データもしくはその編集等がなされる前のデータは種々の媒体を介してPCに取り込むことができる。本実施形態のホスト装置は、まずデジタルカメラで撮像した例えばJPEG形式の画像データをCFカードによって取り込むことができる。また、スキャナで読み取った例えばTIFF形式の画像データやCD−ROMに格納される画像データをも取り込むことができる。さらには、インターネットを介してウェブ上のデータを取り込むことができる。これらの取り込まれたデータは、ホスト装置のモニタに表示されてアプリケーションJ0001を介した編集、加工等がなされ、例えばsRGB規格の画像データR、G、Bが作成される。ホスト装置J0012のモニタに表示されるUI画面において、ユーザは、記録に使用する記録媒体の種類や記録の品位等の設定を行うと共に記録指示を出す。この記録指示に応じて画像データR、G、Bがプリンタドライバに渡される。
プリンタドライバはその処理として、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、ハーフトーニングJ0005および記録データ作成J0006を有している。以下、プリンタドライバで行われる各処理J0002〜J0006について簡単に説明する。
(A)前段処理
前段処理J0002は色域(Gamut)のマッピングを行う。本実施形態では、sRGB規格の画像データR、G、Bによって再現される色域を、記録装置J0013によって再現される色域内に写像するためのデータ変換を行う。具体的には、R、G、Bのそれぞれが8ビットで表現された256階調の画像データR、G、Bを、3次元LUTを用いることにより、記録装置J0013の色域内の8ビットデータR、G、Bに変換する。
(B)後段処理
後段処理J0003では、上記色域のマッピングがなされた8ビットデータR、G、Bに基づき、このデータが表す色を再現するインクの組み合わせに対応した8ビット・10色の色分解データY、M、Lm、C、Lc、K1、K2、R、G、Grayを求める。本実施形態では、この処理は前段処理と同様3次元LUTに補間演算を併用して行う。
(C)γ処理
γ補正J0004は、後段処理J0003によって求められた色分解データの各色のデータごとにその濃度値(階調値)変換を行う。具体的には、記録装置J0013の各色インクの階調特性に応じた1次元LUTを用いることにより、上記色分解データがプリンタの階調特性に線形的に対応づけられるような変換を行う。
(D)ハーフトーニング
ハーフトーニングJ0005は、γ補正がなされた8ビットの色分解データY、M、Lm、C、Lc、K1、K2、R、G、Grayそれぞれについて4ビットのデータに変換する量子化を行う。本実施形態では、誤差拡散法を用いて256階調の8ビットデータを9階調の4ビットデータに変換する。この4ビットデータは、記録装置におけるドット配置のパターン化処理における配置パターンを示すためのインデックスとなるデータである。
(E)記録データの作成処理
プリンタドライバで行う処理の最後には、記録データ作成処理J0006によって、上記4ビットのインデックスデータを内容とする記録画像データに記録制御情報を加えた記録データを作成する。
図2はかかる記録データの構成例を示した図である。記録データは、記録の制御を司る記録制御情報および記録すべき画像を示す記録画像データ(上述の4ビットのインデックスデータ)で構成されている。記録制御情報は、「記録媒体情報」、「記録品位情報」、および給紙方法等のような「その他制御情報」から構成されている。記録媒体情報には、記録の対象となる記録媒体の種類が記述されており、普通紙、光沢紙、はがき、プリンタブルディスクなどのうち、いずれか1種類の記録媒体が規定されている。記録品位情報には、記録の品位が記述されており、「きれい」、「標準」、「はやい」等のうち、いずれか1種の品位が規定されている。なお、これらの記録制御情報は、ホスト装置J0012のモニタおけるUI画面にてユーザが指定した内容に基づいて形成されるものである。また、記録画像データは、前述のハーフトーン処理J0005によって生成された画像データが記述さているものとする。以上のようにして生成された記録データは、記録装置J0013へ供給される。
記録装置J0013は、ホスト装置J0012から供給された当該記録データに対して、次に述べるドット配置パターン化処理J0007、カラムデータ分解処理J0020およびマスクデータ変換処理J0008を行う。
(F)ドット配置パターン化処理
上述したハーフトーン処理J0005では、256値の多値濃度情報(8ビットデータ)を9値の階調値情報(4ビットデータ)まで階調レベル数を下げている。しかし、実際に記録装置J0013が記録できるデータは、インクドットを記録するか否かの2値データ(1ビットデータ)である。そこで、ドット配置パターン化処理J0007では、ハーフトーン処理J0005からの出力値である階調レベル0〜8の4ビットデータで表現される画素ごとに、その画素の階調値(レベル0〜8)に対応したドット配置パターンを割当てる。これにより1画素内の複数のエリア各々にインクドットの記録の有無(ドットのオン・オフ)を定義し、1画素内の各エリアに「1」または「0」の1ビットの2値データを配置する。ここで、「1」はドットの記録を示す2値データであり、「0」は非記録を示す2値データである。
図3は、本実施形態のドット配置パターン化処理で変換する、入力レベル0〜8に対する出力パターンを示している。図の左に示した各レベル値は、ホスト装置側のハーフトーン処理部からの出力値であるレベル0〜レベル8に相当している。右側に配列した縦2エリア×横4エリアで構成される領域は、ハーフトーン処理で出力される1画素の領域に対応するものである。また、1画素内の各エリアは、ドットのオン・オフが定義される最小単位に相当するものである。なお、本明細書において「画素」とは、階調表現可能な最小単位のことであり、複数ビットの多値データの画像処理(上記前段、後段、γ補正、ハーフトーニング等の処理)の対象となる最小単位である。
図において、丸印を記入したエリアがドットの記録を行うエリアを示しており、レベル数が上がるに従って、記録するドット数も1つずつ増加している。本実施形態においては、最終的にこのような形でオリジナル画像の濃度情報が反映されていることになる。
(4n)〜(4n+3)は、nに1以上の整数を代入することにより、記録すべき画像データの左端からの横方向の画素位置を示している。その下に示した各パターンは、同一の入力レベルにおいても画素位置に応じて互いに異なる複数のパターンが用意されていることを示している。すなわち、同一のレベルが入力された場合にも、記録媒体上では(4n)〜(4n+3)に示した4種類のドット配置パターンが巡回されて割当てられる構成となっているのである。
図3においては、縦方向を記録ヘッドの吐出口が配列する方向、横方向を記録ヘッドの走査方向としている。このように同一レベルに対して複数の異なるドット配置で記録できる構成にしておくことは、ドット配置パターンの上段に位置するノズルと下段に位置するノズルとで吐出回数を分散させたり、記録装置特有の様々なノイズを分散させたりする効果がある。
以上説明したドット配置パターン化処理を終了した段階で、記録媒体に対するドットの配置パターンが全て決定される。
(G)カラム分割処理
本実施形態において、図3で示した個々の画素は、600ppi(pixel/inch;参考値)の解像度における1画素に相当し、縦横共に42μmほどの幅を有している。そして、本実施形態の記録装置では、このような解像度を持つ各画素を図に示したような縦2エリア×横4エリアに分割し、各エリアにドットが記録できるようになっている。よって、記録装置における記録解像度は、縦が1200dpi(dot/inch;参考値)、横が2400dpiとなる。
上記記録解像度を実現するに当たって、本実施形態の記録装置では、カラム間引きを採用する。そして、往路走査時には奇数カラムのみの記録を行い、復路走査時には偶数カラムのみの記録を行う。エリアの横方向は記録ヘッドの主走査方向に相当するので、各記録走査では主走査方向に1200dpiで記録を行うことになる。カラムデータ分割処理J0020では、ドット配置パターン化処理J0007から出力された1ビットデータを、奇数カラムのみのデータと偶数カラムのみのデータに分割し、分割した状態で次のマスクデータ変換処理J0007に転送する。
(H)マスクデータ変換処理
上述したカラムデータ分割処理J0020までの処理により、往路走査で記録すべきドットデータと復路走査で記録すべきドットデータは決定される。よって、このドット配置を示す2値データを記録ヘッドH1001の駆動回路J0009に入力すれば、所望の画像を記録することは可能である。しかし、本実施形態では、同一の走査領域に位置する奇数カラムデータおよび偶数カラムデータのそれぞれを、更に複数回の走査に分割して記録するマルチパス記録方法を採用する。
マスクデータ変換処理J0008では、カラムデータ分割処理で得られた奇数カラムデータあるいは偶数カラムデータと、用意されたマスクデータとの間でAND処理を行い、各記録走査での記録対象となる2値データを決定する。その後、次の記録走査が往路走査であるか復路走査であるかに応じて、往路走査であれば奇数カラム用の2値データを、復路走査であれば偶数カラム用の2値データを、駆動回路J0009へ転送する。これにより、記録ヘッドH1001が駆動され、2値データに従ってインクが吐出される。マスクデータ変換処理の詳しい内容は、本発明の特徴的な構成であるので、後述する特徴構成の項で詳しく説明する。
なお、図1では、前段処理J0002、後段処理J0003、γ処理J0004、ハーフトーニングJ0005および記録データ作成処理J0006がホスト装置J0012で実行される形態で説明した。そして、ドット配置パターン化処理J0007、カラムデータ分割処理J0020およびマスクデータ変換処理J0008が記録装置J0013で実行される形態について説明した。しかし、本発明はこの形態に限られるものではない。例えば、ホスト装置J0012で実行している処理J0002〜J0005の一部を記録装置J0013にて実行する形態であってもよいし、すべてをホスト装置J0012にて実行する形態であってもよい。あるいは、上述した全ての処理を記録装置J0013にて実行する形態であってもよい。
1.2 機構部の構成
本実施形態で適用する記録装置における各機構部の構成を説明する。本実施形態における記録装置本体は、各機構部の役割から、概して、給紙部、用紙搬送部、排紙部、キャリッジ部、フラットパス記録部、およびクリーニング部等に分類することができ、これらは外装部に収納されている。
図6、図7、図8、図12および図13は、本実施形態で適用する記録装置の外観を示す斜視図である。ここで、図6は記録装置の非使用時における前面から見た状態、図7は記録装置の非使用時における背面から見た状態、図8は記録装置の使用時における前面から見た状態をそれぞれ示している。また、図12はフラットパス記録時における前面から見た状態、図13はフラットパス記録時における背面から見た状態をそれぞれ示している。また、図9〜図11および図14〜図16は、記録装置本体の内部機構を説明するための図である。ここで、図9は右上部からの斜視図、図10は左上部からの斜視図、図11は記録装置本体の側断面図である。図14はフラットパス記録時の断面図である。さらに、図15はクリーニング部の斜視図、図16はクリーニング部におけるワイピング機構の構成および動作を説明するための断面図、図17はクリーニング部におけるウエット液転写部の断面図をそれぞれ示したものである。
以下、これらの図面を適宜参照しながら、各部を順次説明する。
(A)外装部(図6、図7)
外装部は、給紙部、用紙搬送部、排紙部、キャリッジ部、クリーニング部、フラットパス部およびウエット液転写部の回りを覆うように取り付けられている。外装部は主に、下ケースM7080、上ケースM7040、アクセスカバーM7030、コネクタカバーおよびフロントカバーM7010から構成されている。
下ケースM7080の下部には、不図示の排紙トレイレールが設けられており、分割された排紙トレイM3160が収納可能に構成されている。また、フロントカバーM7010は、非使用時に排紙口を塞ぐ構成になっている。
上ケースM7040には、アクセスカバーM7030が取り付けられており、回動可能に構成されている。上ケースの上面の一部は開口部を有しており、この位置で、インクタンクH1900および記録ヘッドH1001(図21)が交換可能となるように構成されている。なお、本実施形態の記録装置においては、記録ヘッドH1001は、1色のインクを吐出可能な吐出部を複数色分、一体的に構成したユニットの形態である。そして、インクタンクH1900が色毎に独立に着脱可能な記録ヘッドカートリッジH1000として構成されている。上ケースM7040には、アクセスカバーM7030の開閉を検知する不図示のドアスイッチレバー、LEDの光を伝達・表示するLEDガイドM7060、電源キーE0018、リジュームキーE0019およびフラットパスキーE3004等が設けられている。また、多段式の給紙トレイM2060が回動可能に取り付けられており、給紙部が使われない時は、給紙トレイM2060を収納することにより、給紙部のカバーにもなるように構成されている。
上ケースM7040と下ケースM7080は、弾性を持った勘合爪で取り付けられており、その間のコネクタ部分が設けられている部分を、不図示のコネクタカバーが覆っている。
(B)給紙部(図8、図11)
図8および図11を参照するに、給紙部は次のように構成されている。すなわち、記録媒体を積載する圧板M2010、記録媒体を1枚ずつ給紙する給紙ローラM2080、記録媒体を分離する分離ローラM2041、記録媒体を積載位置に戻すための戻しレバーM2020等がベースM2000に取り付けられることで構成されている。
(C)用紙搬送部(図8〜図11)
曲げ起こした板金からなるシャーシM1010には、記録媒体を搬送する搬送ローラM3060とペーパエンドセンサ(以下PEセンサと称す)E0007が回動可能に取り付けられている。搬送ローラM3060は、金属軸の表面にセラミックの微小粒がコーティングされた構成となっており、両軸の金属部分を不図示の軸受けが受ける状態で、シャーシM1010に取り付けられている。搬送ローラM3060にはローラテンションバネ(不図示)が設けられており、搬送ローラM3060を付勢することにより、回転時に適量の負荷を与えて安定した搬送が行えるようになっている。
搬送ローラM3060には、従動する複数のピンチローラM3070が当接して設けられている。ピンチローラM3070は、ピンチローラホルダM3000に保持されているが、不図示のピンチローラバネによって付勢されることで、搬送ローラM3060に圧接し、ここで記録媒体の搬送力を生み出している。この時、ピンチローラホルダM3000の回転軸は、シャーシM1010の軸受けに取り付けられ、この位置を中心に回転する。
記録媒体が搬送されてくる入口には、記録媒体をガイドするためのペーパガイドフラッパM3030およびプラテンM3040が配設されている。また、ピンチローラホルダM3000には、PEセンサレバーM3021が設けられており、PEセンサレバーM3021は、記録媒体の先端および後端の検出をPEセンサE0007に伝える役割を果たす。プラテンM3040は、シャーシM1010に取り付けられ、位置決めされている。ペーパガイドフラッパM3030は、不図示の軸受け部を中心に回転可能で、シャーシM1010に当接することで位置決めされる。
搬送ローラM3060の記録媒体搬送方向における下流側には、記録ヘッドH1001(図21)が設けられている。
上記構成における搬送の過程を説明する。用紙搬送部に送られた記録媒体は、ピンチローラホルダM3000およびペーパガイドフラッパM3030に案内されて、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対に送られる。この時、PEセンサレバーM3021が、記録媒体の先端を検知して、これにより記録媒体に対する記録位置が求められている。搬送ローラM3060とピンチローラM3070とからなるローラ対は、LFモータE0002の駆動により回転され、この回転により記録媒体がプラテンM3040上を搬送される。プラテンM3040には、搬送基準面となるリブが形成されており、このリブにより、記録ヘッドH1001と記録媒体表面との間のギャップが管理されている。また同時に、当該リブが、後述する排紙部と合わせて、記録媒体の波打ちを抑制する役割も果たしている。
搬送ローラM3060が回転するための駆動力は、例えばDCモータからなるLFモータE0002の回転力が、不図示のタイミングベルトを介して、搬送ローラM3060の軸上に配設されたプーリM3061に伝達されることによって得られている。また、搬送ローラM3060の軸上には、搬送ローラM3060による搬送量を検出するためのコードホイールM3062が設けられている。そして、隣接するシャーシM1010には、コードホイールM3062に形成されたマーキングを読み取るためのエンコードセンサM3090が配設されている。なお、コードホイールM3062に形成されたマーキングは、150〜300lpi(ライン/インチ;参考値)のピッチで形成されているものとする。
(D)排紙部(図8〜図11)
排紙部は、第1の排紙ローラM3100および第2の排紙ローラM3110、複数の拍車M3120およびギア列などから構成されている。
第1の排紙ローラM3100は、金属軸に複数のゴム部を設けて構成されている。第1の排紙ローラM3100の駆動は、搬送ローラM3060の駆動が、アイドラギアを介して第1の排紙ローラM3100まで伝達されることによって行われている。
第2の排紙ローラM3110は、樹脂の軸にエラストマの弾性体M3111を複数取り付けた構成になっている。第2の排紙ローラM3110の駆動は、第1の排紙ローラM3100の駆動が、アイドラギアを介して伝達すること行われる。
拍車M3120は、周囲に凸形状を複数設けた例えばSUSでなる円形の薄板を樹脂部と一体としたもので、拍車ホルダM3130に複数取り付けられている。この取り付けは、コイルバネを棒状に設けた拍車バネによって行われているが、同時に拍車バネのばね力は、拍車M3120を排紙ローラM3100およびM3110に対し所定圧で当接させている。この構成によって拍車M3120は、2つの排紙ローラM3100およびM3110に従動して回転可能となっている。拍車M3120のいくつかは、第1の排紙ローラM3100のゴム部、あるいは第2の排紙ローラM3110の弾性体M3111の位置に設けられており、主に記録媒体の搬送力を生み出す役割を果たしている。また、その他のいくつかは、ゴム部あるいは弾性体M3111が無い位置に設けられ、主に記録時の記録媒体の浮き上がりを抑える役割を果たしている。
また、ギア列は、搬送ローラM3060の駆動を排紙ローラM3100およびM3110に伝達する役割を果たしている。
以上の構成によって、画像形成された記録媒体は、第1の排紙ローラM3110と拍車M3120とのニップに挟まれ、搬送されて排紙トレイM3160に排出される。排紙トレイM3160は、複数に分割され、後述する下ケースM7080の下部に収納できる構成になっている。使用時は、引出して使用する。また、排紙トレイM3160は、先端に向けて高さが上がり、更にその両端は高い位置に保持されるよう設計されており、排出された記録媒体の積載性を向上し、記録面の擦れなどを防止している。
(E)キャリッジ部(図9〜図11)
キャリッジ部は、記録ヘッドH1001を取り付けるためのキャリッジM4000を有しており、キャリッジM4000は、ガイドシャフトM4020およびガイドレールM1011によって支持されている。ガイドシャフトM4020は、シャーシM1010に取り付けられており、記録媒体の搬送方向に対して直角方向にキャリッジM4000を往復走査させるように案内支持している。ガイドレールM1011は、シャーシM1010に一体に形成されており、キャリッジM4000の後端を保持して記録ヘッドH1001と記録媒体との隙間を維持する役割を果たしている。また、ガイドレールM1011のキャリッジM4000との摺動側には、ステンレス等の薄板からなる摺動シートM4030が張設され、記録装置の摺動音の低減化を図っている。
キャリッジM4000は、シャーシM1010に取り付けられたキャリッジモータE0001によりタイミングベルトM4041を介して駆動される。また、タイミングベルトM4041は、アイドルプーリM4042によって張設、支持されている。さらに、タイミングベルトM4041は、キャリッジM4000とゴム等からなるキャリッジダンパを介して結合されており、キャリッジモータE0001等の振動を減衰することで、記録される画像のむら等を低減している。
キャリッジM4000の位置を検出するためのエンコーダスケールE0005(図18について後述)が、タイミングベルトM4041と平行に設けられている。エンコーダスケールE0005上には、150lpi〜300lpiのピッチでマーキングが形成されてている。そして、当該マーキングを読み取るためのエンコーダセンサE0004(図18について後述)が、キャリッジM4000に搭載されたキャリッジ基板E0013(図18について後述)に設けられている。キャリッジ基板E0013には、記録ヘッドH1001と電気的な接続を行うためのヘッドコンタクトE0101も設けられている。また、キャリッジM4000には、電気基板E0014から記録ヘッドH1001へ、駆動信号を伝えるための不図示のフレキシブルケーブルE0012(図18について後述)が接続されている。
記録ヘッドH1001をキャリッジM4000に固定するための構成として次の者が設けられている。すなわち、記録ヘッドH1001をキャリッジM4000に押し付けながら位置決めするための不図示の突き当て部と、所定の位置に固定するための不図示の押圧手段が、キャリッジM4000上に設けられている。押圧手段は、ヘッドセットレバーM4010に搭載され、記録ヘッドH1001をセットする際に、ヘッドセットレバーM4010を回転支点を中心に回して、記録ヘッドH1001に作用する構成になっている。
さらに、キャリッジM4000には、CD−R等の特殊メディアへ記録を行う際や、記録結果や用紙端部等の位置検出用として、反射型の光センサからなる位置検出センサM4090が取り付けられている。位置検出センサM4090は、発光素子より発光し、その反射光を受光することで、キャリッジM4000の現在位置を検出することができる。
上記構成において記録媒体に画像形成する場合、行位置に対しては、搬送ローラM3060およびピンチローラM3070からなるローラ対が、記録媒体を搬送して位置決めする。また、列位置に対しては、キャリッジモータE0001によりキャリッジM4000を上記搬送方向と垂直な方向に移動させて、記録ヘッドH1001を目的の画像形成位置に配置させる。位置決めされた記録ヘッドH1001は、電気基板E0014からの信号に従って、記録媒体に対しインクを吐出する。記録ヘッドH1001についての詳細な構成および記録システムは後述する。本実施形態の記録装置は、記録ヘッドH1001により記録を行いながらキャリッジM4000が列方向に走査する記録主走査と、搬送ローラM3060により記録媒体が行方向に搬送される副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体上に画像を形成していく。
(F)フラットパス記録部(図12〜図14)
給紙部からの給紙は、図11に示したように記録媒体が通る経路がピンチローラに達するまで曲がっているため、記録媒体を曲げた状態で行われることになる。従って、例えば0.5mm程度以上の厚い記録媒体等を給紙部から給紙しようとすると、曲げられた記録媒体の反力が発生し、給紙抵抗が増えて給紙が行えない場合がある。また、給紙が可能であっても、排紙後の記録媒体が曲がったままとなったり、折れたりすることもある。
厚い記録媒体等、曲げたくない記録媒体や、CD−R等、曲げることのできない記録媒体に対して記録を行うのがフラットパス記録である。
ここで、フラットパス記録には本体背面のスリット上の開口部から(給紙装置の下)、手差し給紙の態様で記録媒体を本体のピンチローラにニップさせ、記録を行うタイプがある。しかし本実施形態のフラットパス記録は、記録媒体を本体手前の排紙口から記録位置まで給紙し、スイッチバックしてから記録を行う形態のものである。
フロントカバーM7010は、通常記録した記録媒体を数十枚程度積載しておくためのトレイを兼ねるために排紙部より下方にある(図8)。フラットパス記録時には、記録媒体を排紙口から水平に、通常の搬送方向とは反対方向に給紙するために、フロントトレイM7010を排紙口の位置まで上げる(図12)。フロントトレイM7010には不図示のフック等が設けられており、フラットパス給紙位置にフロントトレイを固定可能である。フロントトレイM7010がフラットパス記録位置にあることはセンサで検知可能であり、当該検知に応じてフラットパス記録モードと判断することができる。
フラットパス記録モードでは、記録媒体をフロントトレイM7010に載せて排紙口から記録媒体を挿入するために、まずフラットパスキーE3004を操作する。これによって、想定している記録媒体の厚みより高い位置まで、拍車ホルダM3130とピンチローラホルダM3000とを不図示の機構により持ち上げる。またリアトレイボタンM7110を押すことによってリアトレイM7090を開き、さらにリアサブトレイM7091をV字に開くことも可能である(図13)。リアトレイM7090およびリアサブトレイM7091は、長い記録媒体を本体前面から挿入した場合は本体背面から突出するので、長い記録媒体を本体背面でも支えるためのトレイである。厚い記録媒体は記録中にフラットな姿勢を保たないとヘッドフェイス面と擦れたり、搬送負荷が変化したりすることから記録品位に影響を及ぼすおそれがあるので、これらのトレイの配設は有効である。しかし本体背面からはみ出ない程度の長さの記録媒体であれば、リアトレイM7090等を開く必要はない。
以上によって、記録媒体を排紙口から本体内に挿入可能となる。記録媒体の後端部(ユーザに最も近く位置する手前側の端部)と右端部とをフロントトレイM7010のマーカ位置に揃えて、フロントトレイM7010に載せる。
ここで再度フラットパスキーE3004を操作すると、拍車ホルダ3130が降りて排紙ローラM3100およびM3110と拍車3120とで記録媒体をニップする。その後、排紙ローラM3100,M3110で記録媒体を所定量本体内に引き込む(通常記録時の搬送方向とは逆方向)。最初に記録媒体をセットした際に記録媒体の手前側の端部(後端部)を揃えているので、短い記録媒体の前端部(ユーザから見て最も奥側の端部)は搬送ローラM3060まで届いていないことがある。従って所定量とは、想定している一番短い記録媒体の後端が搬送ローラM3060に届くまでの距離とする。所定量送られた記録媒体は搬送ローラM3060に届いているので、その位置でピンチローラホルダM3000を降ろして、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とで記録媒体をニップさせる。そして記録媒体をさらに送り、その後端部が搬送ローラM3060とピンチローラM3070とでニップされるようにする。これで記録媒体のフラットパス記録のための給紙が終了したことになる(記録待機位置)。
排紙ローラM3100およびM3110と拍車M3120とのニップ力は、通常記録時の排紙時に形成画像に影響を与えないよう、比較的低く設定されている。従って、フラットパス記録時には記録を行うまでに記録媒体の位置がずれてしまうおそれがある。しかし本実施形態では、ニップ力が比較的高い搬送ローラM3060とピンチローラM3070とによって記録媒体をニップさせるので、記録媒体のセット位置が確保されたことになる。また、記録媒体を上記所定量だけ本体内に送るとき、プラテンM3040と拍車ホルダM3130の間にあるフラットパス紙検知センサM3170で記録媒体の後端位置(記録時の前端位置となる)を検知することができる。
記録媒体が上記記録待機位置に設定されると、記録コマンドを実行する。すなわち、記録ヘッドH1001による記録位置まで搬送ローラM3060で記録媒体を搬送し、後は通常の記録動作と同じように記録を行い、記録後フロントトレイM7010に排紙することになる。
フラットパス記録をさらに行いたい場合は、記録した記録媒体をフロントトレイM7010から取り出し、次の記録媒体をセットして、後は前述した処理を繰り返せばよい。具体的には、フラットパスキーE3004を押すことによって、拍車ホルダM3130とピンチローラホルダM3000とを持ち上げて、記録媒体をセットすることから始まる。
一方、フラットパス記録を終了する場合は、フロントトレイM7010を通常記録位置に戻すことによって通常記録モードに戻すことができる。
(G)クリーニング部(図15、図16)
クリーニング部は記録ヘッドH1001のクリーニングを行うための機構である。これは、ポンプM5000、記録ヘッドH1001の乾燥を抑えるためのキャップM5010、記録ヘッドH1001の吐出口形成面をクリーニングするためのブレードM5020などから構成されている。
クリーニング部には、専用のクリーニングモータE0003が配されている。クリーニングモータE0003には、不図示のワンウェイクラッチが設けられており、一方向の回転でポンプM5000を作動させ、もう一方向の回転ではブレードM5020の移動およびキャップM5010の昇降を行わせるようになっている。
キャップM5010はモータE0003から不図示の昇降機構を介して昇降可能に駆動される。そして、上昇位置では、記録ヘッドH1500に設けた数個の吐出部のフェイス面毎にキャッピングを施し、非記録動作時等においてその保護を行ったり、あるいは吸引回復を行うことが可能である。また、記録動作時には記録ヘッド9との干渉を避ける下降位置に設定され、またフェイス面との対向によって予備吐出を受けることが可能である。例えば記録ヘッドH1001に10個の吐出部が設けられ、5個の吐出部のフェイス面毎に一括してキャッピングを施すことが可能となるよう、図示の例ではキャップM5010は2つ設けられている。
ゴム等の弾性部材でなるワイパ部H5020はワイパホルダH5021に固定されている。ワイパホルダH5021は図16の+Yおよび−Y方向(吐出部における吐出口の配列方向)に移動可能である。そして、記録ヘッドH1001がホームポジションに到達したときに、矢印−Y方向にワイパホルダ25が移動することによって、ワイピングが可能である。ワイピング動作が終了すると、キャリッジをワイピング領域の外に退避させてから、ワイパがフェイス面等と干渉しない位置に戻す。なお、本例のワイパ部M5020には、全吐出部のフェイス面を含む記録ヘッドH1001の面全体をワイピングするワイパブレードM5020Aが設けられている。また、5つの吐出部のフェイス面毎に、ノズル近傍をするワイピングする2つのワイパブレードM5020B,M5020Cが設けられている。
そして、ワイピング後には、ワイパ部M5020がブレードクリーナM5060に当接することにより、ワイパブレードM5020A〜M5020C自身へ付着したインクなども除去することができる構成になっている。また、ワイピングに先立ってワイパブレードM5020A〜M5020Cにウエット液を転写させておくことによりワイピングによるクリーニング性を向上する構成(ウエット液転写部)が設けられている。このウエット液転写部の構成およびワイピング動作については後述する。
吸引ポンプM5000は、キャップM5010をフェイス面に接合させてその内部に密閉空間を形成した状態で負圧を発生させることが可能である。これにより、インクタンクH1900から吐出部内にインクを充填させたり、吐出口もしくはその内方のインク路に存在する塵埃、固着物、気泡等を吸引除去したりすることができる。
吸引ポンプM5000としては、例えばチューブポンプ形態のものが用いられる。これは、可撓性を有するものとしたチューブの少なくとも一部を沿わせて保持する曲面が形成された部材と、これに向けて可撓性チューブを押圧可能なローラと、このローラを支持して回転可能なローラ支持部とを有するものとすることができる。すなわち、ローラ支持部を所定方向に回転させることで、ローラは曲面形成部材上で可撓性チューブを押しつぶしながら転動する。これに伴い、キャップM5010が形成する密閉空間に負圧が生じてインクが吐出口より吸引され、キャップM5010からチューブないし吸引ポンプに引き込まれる。そして、引き込まれているインクはさらに下ケースM7080に設けた適宜の部材(廃インク吸収体)に向けて移送される。
なお、キャップM5010の内側部分には、吸引後の記録ヘッドH1001のフェイス面に残るインクを削減するために、吸収体M5011が設けられている。また、キャップM5010を開放した状態で、キャップM5010ないし吸収体M5011に残っているインクを吸引することにより、残インクによる固着およびその後の弊害が起こらないように配慮されている。ここで、インク吸引経路の途中に大気開放弁(不図示)を設け、キャップM5010をフェイス面から離脱させる際に予めこれを開放しておくことで、フェイス面に急激な負圧が作用しないようにしておくことが好ましい。
また、吸引ポンプM5000は、吸引回復だけでなく、キャップM5010がフェイス面に対向した状態で行われる予備吐出動作によってキャップM5010に受容されたインクを排出するためにも作動させることができる。すなわち、予備吐出されてキャップM5010に保持されたインクが所定量に達したときに吸引ポンプM5000を作動させることで、キャップM5010内に保持されていたインクをチューブを介して廃インク吸収体に移送することができる。
以上のワイパ部M5020の動作、キャップM5010の昇降および弁の開閉など、連続して行われる一連の動作は、モータE0003の出力軸上に設けた不図示のメインカムおよびこれに従動する複数のカム,アーム等によって制御可能である。すなわち、モータE0003の回転方向に応じたメインカムの回動によってそれぞれの部位のカム部,アーム等が作動することで、所定の動作を行うことが可能である。メインカムの位置はフォトインタラプタ等の位置検出センサで検出することができる。
(H)ウエット液転写部(図17、図16)
最近では、記録物の記録濃度、耐水性および耐光性等を向上する目的で、色材として顔料成分を含有するインク(以下、顔料インクという)が使用されることが多くなってきている。顔料インクは、元来固体である色材を、分散剤や、顔料表面に官能基を導入するなどして水中に分散させてなるものである。従って、フェイス面上でインク中の水分が蒸発し乾燥した顔料インクの乾燥物は、色材自体が分子レベルで溶解している染料系インクの乾燥固着物と比べ、フェイス面に与えるダメージが大きい。また、また顔料を溶剤中に分散させるために用いている高分子化合物が吐出面に対して吸着されやすいという性質が見られる。これは、インクの粘度調整や、耐光性向上その他の目的でインクに反応液を添加する結果インク中に高分子化合物が存在する場合には、顔料インク以外でも生じる問題である。
この課題に対し、本実施形態では、ブレードM5020に液体を転写・付着させ、これによって濡れたブレードM5020でワイピングを行う。これにより、顔料インクによるフェイス面の劣化を防ぎ、かつワイパの磨耗を軽減し、さらにはフェイス面に蓄積したインク残渣を溶解させることによって蓄積物を除去するようにしている。かかる液体をその機能から本明細書ではウエット液と称し、これを用いるワイピングをウエットワイピングと称する。
本実施形態では、ウエット液を記録装置本体内部に貯蔵する構成がとられている。M5090はウエット液タンクであり、ウエット液としてグリセリン溶液等を収納している。M5100はウエット液保持部材で、ウエット液がウエット液タンクM5090から漏れないように適度な表面張力を有する繊維質部材等であり、ウエット液を含浸保持している。M5080はウエット液転写部材であり、例えば、多孔質であって適度な毛管力を備えた材質でなり、ワイパブレードと接触するウエット液転写部M5081を有している。ウエット液転写部材M5080はウエット液が染み込んだウエット液保持部材M5100とも接しており、従ってウエット液転写部材M5080もウエット液が染み込むことになる。ウエット液転写部材M5080は、ウエット液が残り少なくなってもウエット液転写部M5081へウエット液を供給できるだけの毛管力を有した材質である。
かかるウエット液転写部およびワイパ部の動作を説明する。
まず、キャップM5010を下降位置に設定し、キャリッジM4000がブレードM5020A〜M5020Cに触れない位置に退避させる。この状態で、ワイパ部M5020を−Y方向に移動させ、ブレードクリーナM5060の部位を通過させて、ウエット液転写部M5081に接触させる(図17)。適切な時間だけ接触状態を維持することで、ブレードM5020にウエット液が適量転写される。
次にワイパ部M5020を+Y方向に移動させるが、ブレードがブレードクリーナM5060に触れるのはウエット液が付着していない面であるので、ウエット液はブレードに保持されたままになる。
ブレードをワイピング開始位置まで戻した後、キャリッジM4000をワイピング位置まで移動させる。再度、ワイパ部M5020を−Y方向に移動させることによって、ウエット液が付いた面で記録ヘッドH1001のフェイス面をワイピングすることが可能となる。
1.3 電気回路構成
次に本実施形態における電気的回路の構成を説明する。
図18は、記録装置J0013における電気的回路の全体構成を概略的に説明するためのブロック図である。本実施形態で適用する記録装置では、主にキャリッジ基板E0013、メイン基板E0014、電源ユニットE0015およびフロントパネルE0106等によって構成されている。
ここで、電源ユニットE0015は、メイン基板E0014と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。
キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4000に搭載されたプリント基板ユニットであり、ヘッドコネクタE0101を通じて記録ヘッドH1001との信号の授受、ヘッド駆動電源の供給を行うインターフェースとして機能する。ヘッド駆動電源の制御に供する部分として、記録ヘッドH1001の各色吐出部に対する複数チャネルのヘッド駆動電圧変調回路E3001を有しする。そして、フレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメイン基板E0014から指定された条件に従ってヘッド駆動電源電圧を発生する。また、キャリッジM4000の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づいて、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出する。更にその出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメイン基板E0014へと出力する。
キャリッジ基板E0013には、図20に示すように、2つの発光素子(LED)E3011および受光素子E3013からなる光学センサE3010が接続されている。また、周囲温度を検出するためのサーミスタE3020も接続されている(以下、これらのセンサをマルチセンサE3000として参照する)。マルチセンサE3000により得られる情報は、フレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメイン基板E0014へと出力される。
メイン基板E0014は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、その基板上にホストインタフェース(ホストI/F)E0017を有している。そして、不図示のホストコンピュータからの受信データをもとに記録動作の制御を行う。また、キャリッジモータE0001、LFモータE0002、APモータE3005、PRモータE3006など、各種モータと接続されて各機能の駆動を制御している。ここで、キャリッジモータE0001はキャリッジM4000を主走査させるための駆動源となり、LFモータE0002は記録媒体を搬送するための駆動源となる。更にAPモータE3005は記録ヘッドH1001の回復動作および記録媒体の給紙動作の駆動源となり、PRモータE3006はフラットパス記録動作の駆動源となる。さらに、PEセンサ、CRリフトセンサ、LFエンコーダセンサ、PGセンサのような、プリンタ各部の動作状態を検出する様々なセンサに対して、制御信号および検出信号の送受信を行うためのセンサ信号E0104に接続される。また、メイン基板E0014は、CRFFC E0012および電源ユニットE0015にそれぞれ接続されるとともに、さらにパネル信号E0107を介してフロントパネルE0106と情報の授受を行うためのインターフェースを有している。
フロントパネルE0106は、ユーザ操作の利便性のために、記録装置本体の正面に設けたユニットである。これは、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018およびフラットパスキーE3004を有するほか(図6)、さらにデジタルカメラ等の周辺デバイスとの接続に用いるデバイスI/F E0100を有している。
図19は、メイン基板E1004の内部構成を示すブロック図である。
図において、E1102はASICであり、制御バスE1014を通じてROM E1004に接続され、ROM E1004に格納されたプログラムに従って、各種制御を行っている。なお、ASICとは、「Application Specific Integrated Circuit」の略語である。例えば、各種センサに関連するセンサ信号E0104や、マルチセンサE3000に関連するマルチセンサ信号E4003の送受信を行う。そのほか、エンコーダ信号E1020、フロントパネルE0106上の電源キーE0018、リジュームキーE0019およびフラットパスキーE3004からの出力の状態を検出している。また、ホストI/F E0017、フロントパネル上のデバイスI/F E0100の接続およびデータ入力状態に応じて、各種論理演算や条件判断等を行い、各構成要素を制御し、インクジェット記録装置の駆動制御を司っている。
E1103はドライバ・リセット回路である。これは、ASIC E1102からのモータ制御信号E1106に従って、CRモータ駆動信号E1037、LFモータ駆動信号E1035、APモータ駆動信号E4001およびPRモータ駆動信号E4002を生成し、各モータを駆動する。さらに、ドライバ・リセット回路E1103は、電源回路を有しており、メイン基板E0014、キャリッジ基板E0013、フロントパネルE0106など各部に必要な電源を供給する。さらには電源電圧の低下を検出して、リセット信号E1015を発生および初期化を行う。
E1010は電源制御回路であり、ASIC E1102からの電源制御信号E1024に従って発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。
ホストI/F E0017は、ASIC E1102からのホストI/F信号E1028を、外部に接続されるホストI/FケーブルE1029に伝達し、またこのケーブルE1029からの信号をASIC E1102に伝達する。
一方、電源ユニットE0015からは電力が供給される。供給された電力は、メイン基板E0014内外の各部へ、必要に応じて電圧変換された上で供給される。また、ASIC E1102からの電源ユニット制御信号E4000が電源ユニットE0015に接続され、記録装置本体の低消費電力モード等を制御する。
ASIC E1102は1チップの演算処理装置内蔵半導体集積回路であり、前述したモータ制御信号E1106、電源制御信号E1024および電源ユニット制御信号E4000等を出力する。そして、ホストI/F E0017との信号の授受を行うとともに、パネル信号E0107を通じて、フロントパネル上のデバイスI/F E0100との信号の授受を行う。さらに、センサ信号E0104を通じてPEセンサ、ASFセンサ等各部センサ類により状態を検知する。さらに、マルチセンサ信号E4003を通じてマルチセンサE3000を制御するとともに状態を検知する。またパネル信号E0107の状態を検知して、パネル信号E0107の駆動を制御してフロントパネル上のLED E0020の点滅を行う。
さらにASIC E1102は、エンコーダ信号(ENC)E1020の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド制御信号E1021で記録ヘッドH1001とのインターフェースをとり記録動作を制御する。ここにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はCRFFC E0012を通じて入力されるエンコーダセンサE0004の出力信号である。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブルフラットケーブルE0012を通じてキャリッジ基板E0013に接続される。そして、前述のヘッド駆動電圧変調回路E3001およびヘッドコネクタE0101を経て記録ヘッドH1001に供給されるとともに、記録ヘッドH1001からの各種情報をASIC E1102に伝達する。このうち吐出部毎のヘッド温度情報については、メイン基板上のヘッド温度検出回路E3002で信号増幅された後、ASIC E1102に入力され、各種制御判断に用いられる。
図中、E3007はDRAMであり、記録用のデータバッファ、ホストコンピュータからの受信データバッファ等として、また各種制御動作に必要なワーク領域しても使用されている。
1.4 記録ヘッド構成
以下に本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。 本実施形態におけるヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクタンクH1900を搭載する手段およびインクタンクH1900から記録ヘッドにインクを供給するための手段を有している。そして、キャリッジM4000に対して着脱可能に搭載される。
図21は、本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000に対し、インクタンクH1900を装着する様子を示した図である。本実施形態の記録装置は、シアン(C)、ライトシアン(Lc)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)、第1ブラック(K1)、第2ブラック(K2)、レッド(R)、グリーン(G)およびグレー(Gray)の10色で画像を形成する。これら10色のインクは全ての顔料インクである。従ってインクタンクT0001も10色分が独立に用意されている。そして、図に示すように、インクタンクそれぞれがヘッドカートリッジH1000に対して着脱自在となっている。なお、インクタンクH1900の着脱は、キャリッジM4000にヘッドカートリッジH1000が搭載された状態で行えるようになっている。
1.5 インク構成
以下に本発明で使用する10色のインクについて説明する。
本発明に用いられる10色とは、シアン(C)、ライトシアン(Lc)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)、第1ブラック(K1)、第2ブラック(K2)、グレー(Gray)、レッド(R)およびグリーン(G)である。各色に用いられる着色剤は全てが顔料であることが好ましい。ここで、顔料の分散を行うためには、公知一般の分散剤を用いてもよいし、また公知一般の方法で顔料表面を改質し、自己分散性を付与してもよい。本発明の主旨にあえば、少なくとも一部の色に用いられる着色剤が染料であってもよい。また、少なくとも一部の色に用いられる着色剤が顔料と染料を調色した形でもよく、顔料を複数種ふくんでもよい。また本発明に用いられる10色インクには、本発明の主旨にある範疇で、水溶性有機溶剤・添加剤・界面活性剤・バインダー・防腐剤から選ばれる少なくとも1種以上が含まれてもよい。
2.特徴構成
以下、本発明の特徴的なマルチパス記録方法について説明する。
図4は、まず基本的なマルチパス記録方法を説明するために、記録ヘッドおよび記録パターンを模式的に示した図である。本実施形態に適用される記録ヘッドH1001は実際には768個のノズルを有するが、ここでは簡単のため16個のノズルを有するものとして説明する。なお、ここでは4パスのマルチパス記録を例に説明する。
4パスのマルチパス記録の場合、16個のノズルは図のように第1〜第4の4つのノズル群に分割され、各ノズル群には4つずつのノズルが含まれる。マスクパターンP0002は、第1〜第4のマスクパターンP0002(a)〜P0002(d)で構成される。第1〜第4のマスクパターンP0002(a)〜P0002(d)は、それぞれ、第1〜第4のノズル群が記録可能なエリアを定義している。マスクパターンにおける黒塗りエリアは記録許容エリアを示し、白塗りエリアは非許容エリアを示している。第1〜第4のマスクパターンP0002(a)〜P0002(d)は互いに補完の関係にあり、これら4つのマスクパターンを重ね合わせると4×4のエリアに対応した領域の記録が完成される。P0003〜P0006で示した各パターンは、記録走査を重ねていくことによって画像が完成されていく様子を示している。
このようなマルチパス記録を実行すると、記録媒体の画像領域は4つのノズルグループによって順番に記録される。よって、例えば1つのノズルが不吐出であったとしても、当該ノズルによる記録ドットが主走査方向に連続することは無く、白スジのような弊害は現れ難い。また、不吐出でなくとも個々のノズルには吐出量や吐出方向にばらつきがあり、特徴的なノズルによって形成されたドットが主走査方向に連続して配置すると、すじや濃度むらのような弊害が発生することが懸念される。しかし、このような場合であってもマルチパス記録を実行することにより、画像全体を滑らかにすることが出来る。
図5は、実際に適用されているマスクパターンの一例を示したものである。本実施形態で適用する記録ヘッドH1001の場合、768個のノズルを有しているので、4パス記録を行う場合には、4つのノズル群にはそれぞれ192個ずつのノズルが属する。マスクパターン大きさは、縦方向がノズル数と同等の768エリア、横方向は256エリアとなっており、4つのノズル群それぞれに対応する4つのマスクパターンで互いに補完の関係を保つような構成となっている。
図22は、本実施形態のようにカラム間引き記録を行いながら、更に奇数カラムおよび偶数カラムに対し2パスのマルチパス記録を実行する際の、記録画素(エリア)の位置と従来のマスクパターン構成を説明するため模式図である。ここでは縦方向2エリア×横方向4エリアの1画素分の領域が示されており、グレーで示したエリアが奇数カラム、白で示したエリアが偶数カラムを意味する。奇数カラムは奇数走査目に往路方向で記録され、偶数カラムは偶数走査目に復路方向で記録される。従来、それぞれのカラムに相当するエリアを更に複数の記録走査に分解するためには、1種類のマスクパターン2201が用意されていた。ここで、2201は、画像データを約50%に間引くための2パス用のマスクパターンである。以下、本実施形態では、奇数カラムおよび偶数カラムのそれぞれを2回の記録走査に分解するマスクパターンを用い、奇数カラム、偶数カラム合わせて、計4回の記録走査で同一画像領域の記録を完成させるマルチパス記録方法を採用するものとして説明する。
図23は、マスクパターン2201を用いて画像を記録した際に現れる弊害を説明するための模式図である。図では、4回の記録走査によって記録媒体上の同一画像領域に対する記録が行われていく様子を示している。ここでは、所定の画像領域に対する1回目の記録走査で記録されるパターンをプレーンA1、2回目をプレーンA2、3回目をプレーンA3、4回目をプレーンA4として示している。上記所定の画像領域は、プレーンA1〜プレーンA4を重ね合わせることによって完成される。このうち、プレーンA1とプレーンA3は奇数カラム用のプレーンであり、マスクパターン2201によって分割された、互いに補完関係にある2つのプレーンである。すなわち、プレーンA1とプレーンA3を重ね合わせることにより、奇数カラムに相当する全てのエリアが記録される。一方、プレーンA2とプレーンA4は偶数カラム用のプレーンであり、やはりマスクパターン2201によって分割された、互いに補完関係にある2つのプレーンである。
既に説明したように、マルチパス記録は出力画像を滑らかにするために採用する記録方法であるが、更に様々な弊害を積極的に解決するために、様々な特徴を持つマスクパターンが考案されている。但し、どのようなマスクパターンを採用するにせよ、何らかの要因で複数の記録走査間の記録位置にずれが生じると、補完の関係が不十分となり、マスクパターンの模様がテクスチャとなって現れる。図では、プレーンA1とプレーンA3にずれが生じ、2301で示したようなテクスチャが現れた状態を示している。
このような状況においては、更にプレーンA2とプレーンA4の間でも同様なずれが生じることが想定される。すなわち、プレーンA2とプレーンA4とにおいても補完の関係が不十分となり、マスクパターン2201の模様がテクスチャ2301となって現れる。このとき、奇数カラムも偶数カラムも同じマスクパターン2201を使用しているので、画像に発生するテクスチャ2301も同様あるいは類似した模様となる。結果、テクスチャ2301はより強調されたテクスチャ2302となって現れる。
このようなテクスチャは、奇数カラムのみあるいは偶数カラムのみであれば、それほど目立たない場合が多い。しかし、図22および図23を用いて説明した従来例のように、奇数カラムと偶数カラムとで同様のテクスチャが発生してしまうと、両者のテクスチャが重なることによって、互いに干渉および強調し合い、一層目立ちやすい周期的なむらを発生する。よって、本実施形態では、互いに干渉および強調し合わないテクスチャとなるようなマスクパターンの設定を行う。
図24は、本実施形態のマルチパス記録を実行する際の、記録画素(エリア)の位置とマスクパターン構成を説明するため模式図である。本実施形態において、奇数カラムの画像データに対してはマスクパターン2401を用意し、偶数カラムの画像データに対してはマスクパターン2402を用意している。マスクパターン2401および2402では、記録許容エリアと非記録許容エリアの分布が互いに異なる内容になっている。そして、奇数カラム用のマスクデータおよび偶数カラム用マスクデータとして、記録装置本体内のメモリの異なる領域に格納されている。
図25は、本実施形態のマスクパターン2401および2402を用いて画像を記録した際の各プレーン間の記録状態を説明するための模式図である。ここでは、所定の画像領域に対する1回目の記録走査で記録されるパターンをプレーンA1、2回目をプレーンB2、3回目をプレーンA3、4回目をプレーンB4として示している。このうち、プレーンA1とプレーンA3は奇数カラム用のプレーンであり、マスクパターン2401によって分割された、互いに補完関係にある2つのプレーンである。一方、プレーンB2とプレーンB4は偶数カラム用のプレーンであり、マスクパターン2402によって分割された、互いに補完関係にある2つのプレーンである。
この状態において、プレーンA1とプレーンA3の間およびプレーンB2とプレーンB4の間にずれが生じた場合、テクスチャは適用するマスクパターンの模様に依存するので、それぞれ異なる特徴を有するテクスチャ2501および2502を発生する。異なる特徴を有するテクスチャ同士は、両者が重ねあわされても互いに強調し合うことはないので、従来のような画像問題は低減される。以上説明した本実施形態の作用は、モノクロモードのようなコントラストが高い単色インクを用いる記録モードにおいて、特に効果的に発揮される。
次に、本発明および本実施形態に適用可能な特徴的なマスクパターンを幾つか説明する。
(1)隣接禁止マスク
カラム間引き記録方法を採用すれば、主走査時のキャリッジ速度を上昇させることによって記録時間を低減する効果があることは既に説明した。これと同じ理由から、奇数カラムと偶数カラムのそれぞれに対し、主走査方向に記録許容エリアが連続しないようなマスクパターンを採用することにより、キャリッジスピードを更に増加させることができる。
図26は、隣接禁止マスクの一例を4パスのマルチパスを例に示した拡大図である。図26(A)〜(D)は、所定の画像領域に4回の記録走査に分けて記録される4種類のパターンを示している。図において、いずれのパターンも記録許容エリアが主走査方向に連続しない状態を保ちつつ、補完関係が満たされている。
図27は、2パス用の隣接禁止マスクパターンの例を40エリア×40エリアで示した図である。2パス用のマスクパターンではマスクパターン内の記録許容エリアが50%を占めるので、主走査方向の隣接を禁止しつつランダムに作成すると、図のように副走査方向に連続する箇所が多くなりがちになる。このような場合、本発明が懸念するようなプレーン間のずれによるテクスチャは目立ちやすいと言える。
但し、本実施形態においては、互いに配置の異なる2種類の隣接禁止マスクを用意し、奇数カラム用のマスクおよび偶数カラム用のマスクとして適用する。これにより、各プレーン間のずれによって生じる2種類のテクスチャは、互いに干渉し合うことなく重なり合い、それぞれのテクスチャを目立たなくする効果がある。すなわち、より高速なキャリッジスピードで記録を行いつつも、画像品位を低下させること無く、短時間で画像を出力することが可能となる。
(2)ブルーノイズマスク
一般に、インクジェット記録方法のようにドットマトリクスによって画像を記録する場合には、ドットの分散状態がざらつき感に影響を与えることが知られている。ざらつき感とは人間の目の感度に依存する感覚であり、目の感度は一般に高周波数領域よりも低周波数領域に敏感である。すなわち、低周波数領域に一定量以上のパワースペクトルが存在すると、人はざらつき感を感じる。よって、このざらつき感を低減し滑らかな画像を得るためには、低周波数領域のパワースペクトルを抑え高周波数領域に集中させた画像を出力することが効果的である。
ドットマトリクスを用いて、このようなパワースペクトルを実現するための手段として、画像処理時のハーフトーニングにブルーノイズ量子化用マスクを採用する技術が知られている。ブルーノイズパターンの生成方法やその特徴については多くの文献で開示されている。「Digital Halftoning」Robert Ulichneey(The Mit Press Cambridge,Massachusetts London、England)もその一つである。このようなハーフトーニングを採用することにより、低周波数成分を抑えた分散性の高いドット配置を実現することが出来る。
本発明においては、このようにして作成されたブルーノイズパターンをマスクパターンとして適用することが出来る。ブルーノイズパターンは、それ自体が人間の視覚特性上好ましい配置パターンとなっているので、本発明が問題としているテクスチャが発生した場合でも、テクスチャ自体を目障りでなくすることが出来る。本実施形態においては、互いに配置の異なる2種類のブルーノイズマスクを用意し、奇数カラム用のマスクおよび偶数カラム用のマスクとして適用する。これにより、各プレーン間のずれによって生じるテクスチャをより一層目立たなくすることが出来る。
(3)積層マスク
上述したブルーノイズマスクを更に発展させた形態として、積層マスクがある。積層マスクは、複数色のインクを用いてマルチパス記録を行う際に、同一記録主走査で記録されたドットの分散状態が、各色のドットの和で見た場合でもブルーノイズ特性を維持していることを特徴としている。近年のように、光沢のある記録媒体にカラーの写真画像を高品位に出力しようとする場合、当該積層マスクが有効に機能する。
本発明においては、このように、複数のインク色を考慮して作成された積層マスクを2種類用意し、奇数カラム用のマスクおよび偶数カラム用のマスクとして適用することが出来る。これにより、高解像なカラーの写真画像をテクスチャのない状態で高速に出力することが可能となる。
以上、本発明に適用可能なマスクパターンの例として、3種類のマスクパターンを説明したが、本発明は上記マスクパターンを用いることに限定されるものではない。例えば図5に示したような記録率分布に偏りを持つようなマスクパターンを採用しても良いし、別の特徴を有するマスクパターンであっても構わない。更に、上記3つのマスクパターンを用いながらも、奇数カラム用のマスクパターンと偶数カラム用のマスクパターンとで異なる特徴のマスクパターンを適用しても構わない。いずれにせよ、奇数カラム用のマスクパターンと偶数カラム用のマスクパターンとして異なるマスクパターンを用意し、それぞれのカラム画像をマルチパス記録によって記録すれば、本発明の範疇に含まれる。
ところで、本実施形態のように記録時に使用するマスクパターンを複数用意することは、記録中の処理内容を増大することに繋がり、処理時間に影響を与えることが懸念される。特に本実施形態で用いるインクジェット記録装置のように、多くのインク色を搭載している場合には、インク色ごとにマスクパターンが用意されている場合も多い。この状態において、さらに本発明を採用しようとするとマスクデータ変換処理に関わる処理は倍増する。結果、記録装置のメモリオーバーを招いたり、記録中にキャリッジか停止してしまうような弊害も懸念されたりする。このような状況において、本実施形態では、記録に用いるインク色の数に応じて、用意するマスクパターンの切り替えを可能とする。
図28は、画像記録コマンドを受信した際に、記録装置のCPUが行う処理工程を説明するためのフローチャートである。
処理が開始されると、ステップS2801において、CPUは画像出力に使用するインク色の数を判断する。ここで、使用するインク色数が閾値Nより多いと判断された場合、ステップS2802へ進み、奇数カラム用のマスクパターンと偶数用のマスクパターンは同じものを各色分用意する。
一方、ステップS2801において、使用するインク色数が閾値Nより少ないと判断された場合、ステップS2802へ進み、奇数カラム用のマスクパターンと偶数用のマスクパターンは異なるものを各色分用意する。
ステップS2804では、ステップS2802またはステップS2803で設定された複数のマスクパターンを用いてマスクデータ変換処理を行い、得られた2値データに従って画像を記録する。以上で本処理を終了する。
以上説明した工程を実行することにより、処理負担を適切な状態に維持しておくことが出来る。この場合、適用する色数が多いと本発明の効果が得られないことになるが、一般に、使用するインク色数が多いほど本発明が課題とする周期的なテクスチャは確認されにくく、マスクが単一であっても高画質な画像を形成する事が期待出来る。よって、本実施形態では、メモリの処理負担を重視し、図28のフローチャートを採用することにした。但し、このような処理を行うことは、本発明を限定するものではない。
なお、図28で示した例では、ステップS2801において、CPUが使用するインク色の数を確認するものとしたが、例えば記録モードを判別することによっても同様の効果を得ることが出来る。記録モードはユーザが記録コマンドを入力する際にプリンタドライバに設定することが可能であり、この記録モードによって使用するインク色の数もほぼ一義的に定められるからである。例えば、モノクロ記録モードが設定された場合には、使用するインクが黒のみ、あるいは黒とグレーのみであるので、奇数カラム用のマスクと偶数カラム用のマスクは、それぞれ別のものを用意する。一方、カラー記録モードが設定された場合には、使用するインクが多色に及び各色で異なるマスクパターンを用意するので、奇数カラム用のマスクと偶数カラム用のマスクは同じものを用いる。
ところで以上の実施形態では、奇数カラムの画像データと偶数カラムの画像データをそれぞれ2分割し、計4回の記録走査によって画像を形成する4パスのマルチパス記録を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。奇数カラムの画像データおよび偶数カラムの画像データはそれぞれ3パス以上に分割されても構わない。
また、上記実施形態では、奇数カラムを往路走査で、偶数カラムを復路走査でそれぞれ記録する構成で説明してきたが、本発明はこのような構成に限定されるものでもない。カラム間引き記録法を採用しながらも、奇数カラムおよび偶数カラムの画像データそれぞれがマルチパスによって記録されており、更に奇数カラム用と偶数カラム用とで異なるマスクパターンが用意されていれば、本発明の効果を十分得ることが出来る。
本発明の実施形態で適用する記録システムにおける画像データ処理の流れを説明するための図である。 記録データの構成例を示した図である。 ドット配置パターン化処理で変換する、入力レベル0〜8に対する出力パターンを示す図である。 マルチパス記録方法を説明するための図である。 本発明に適用可能なマスクパターンの一例を示した図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置の外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置の外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置の外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置本体の内部機構の説明図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置本体の内部機構の説明図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置本体の内部機構の説明図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置の外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置の外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置本体の内部機構の説明図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置本体の内部機構の説明図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置本体の内部機構の説明図である。 本発明の実施形態で適用する記録装置本体の内部機構の説明図である。 記録装置における電気的回路の全体構成を概略的に説明するためのブロック図である。 メイン基板E1004の内部構成を示すブロック図である。 光学センサの接続状態を示す図である。 ヘッドカートリッジに対し、インクタンクを装着する様子を示した図である。 カラム間引き記録を行いながら、更に奇数カラムおよび偶数カラムに対し2パスのマルチパス記録を実行する際の、記録画素(エリア)の位置と従来のマスクパターン構成を説明するため模式図である。 マスクパターンを用いて画像を記録した際に現れる弊害を説明するための模式図である。 マルチパス記録を実行する際の、記録画素(エリア)の位置とマスクパターン構成を説明するため模式図である。 マスクパターンを用いて画像を記録した際の各プレーン間の記録状態を説明するための模式図である。 隣接禁止マスクの一例を4パスのマルチパスを例に示した拡大図である。 2パス用の隣接禁止マスクパターンの例を40エリア×40エリアで示した図である。 画像記録コマンドを受信した際に、記録装置のCPUが行う処理工程を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
2201、2401、2402 マスクパターン
2301、2302、2501、2502、2503 テクスチャ
J0001 アプリケーション
J0002 前段
J0003 後段
J0004 γ補正
J0005 ハーフトーニング
J0006 印刷データの作成
J0007 ドット配置パターン化処理
J0008 マスクデータ変換処理
J0009 ヘッド駆動回路
H1001 記録ヘッド
J0011 記録システム
J0012 ホスト装置
J0013 記録装置
J0020 カラムデータ分割処理
P0002 マスクパターン
P0002(a)〜P0002(d) 第1のマスクパターン〜第4のマスクパターン
M1010 シャーシ
M1011 ガイドレール
M2000 ベース
M2010 圧板
M2012 圧板バネ
M2013 分離シート
M2020 戻しレバー
M2021 戻しレバーバネ
M2030 可動サイドガイド
M2040 分離ローラホルダ
M2041 分離ローラ
M2044 分離ローラリリースシャフト
M2060 給紙トレイ
M2061 給紙サブトレイ
M2070 駆動部
M2080 給紙ローラ
M3000 ピンチローラホルダ
M3021 PEセンサレバー
M3030 ペーパガイドフラッパ
M3040 プラテン
M3041 紙押さえ
M3060 搬送ローラ
M3061 プーリ
M3062 コードホイール
M3070 ピンチローラ
M3100 第1の排紙ローラ
M3110 第2の排紙ローラ
M3111 弾性体
M3120 拍車
M3130 拍車ホルダ
M3160 排紙トレイ
M4000 キャリッジ
M4010 ヘッドセットレバー
M4020 ガイドシャフト
M4041 タイミングベルト
M4042 アイドルプーリ
M4090 位置検出センサ
M5000 ポンプ
M5010 キャップ
M5011 キャップ吸収体
M5020 ブレード
M5060 ブレードクリーナ
M5070 ウエット液転写部材
M5080 ウエット液保持部材
M5081 ウエット液転写部
M5090 ウエット液タンク
M7010 フロントカバー
M7030 アクセスカバー
M7040 上ケース
M7060 LEDガイド
M7080 下ケース
M7090 リアトレイ
M7091 リアサブトレイ
E0001 キャリッジモータ
E0002 LFモータ
E0004 エンコーダセンサ
E0005 エンコーダスケール
E0012 CRFFC(フレキシブルフラットケーブル)
E0013 キャリッジ基板
E0014 メイン基板
E0015 電源ユニット
E0017 ホストI/F
E0018 電源キー
E0019 リジュームキー
E0020 LED
E0100 デバイスI/F
E0101 ヘッドコネクタ
E0104 センサ信号
E0106 フロントパネル
E0107 パネル信号
E1004 ROM
E1010 電源制御回路
E1014 制御バス
E1015 RESET(リセット信号)
E1020 ENC(エンコーダ信号)
E1021 ヘッド制御信号
E1024 電源制御信号
E1028 ホストI/F信号
E1029 ホストI/Fケーブル
E1035 LFモータ駆動信号
E1037 CRモータ駆動信号
E1100 デバイスI/F信号
E1102 ASIC
E1103 ドライバ・リセット回路
E1106 モータ制御信号
E3000 マルチセンサ
E3001 ヘッド駆動電圧変調回路
E3002 ヘッド温度検出回路
E3004 フラットパスキー
E3005 APモータ
E3006 PRモータ
E3007 RAM
E4000 電源ユニット制御信号
E4001 APモータ駆動信号
E4002 PRモータ駆動信号
E4003 マルチセンサ信号
H1000 ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1900 インクタンク

Claims (9)

  1. ドットを記録するための記録素子が複数配列された記録ヘッドを記録媒体の同一領域に対して前記記録素子が配列される方向とは異なる走査方向に複数回走査させることによって前記同一領域の画像を記録する記録方法であって、
    前記画像を構成するドットを記録するための記録データを、奇数カラムデータと偶数カラムデータに分割する工程と、
    ドットの記録を許容する記録許容エリアおよびドットの記録を許容しない非許容エリアが配列されてなる第1のマスクパターンを用いて、前記奇数カラムデータを複数に分割する工程と、
    前記第1のマスクパターンとは異なる配置で前記記録許容エリアおよび前記非記録許容エリアが配列されてなる第2のマスクパターンを用いて、前記偶数カラムデータを複数に分割する工程と、
    前記分割された奇数および偶数カラムデータの夫々を、前記記録ヘッドの異なる走査で前記同一領域に記録する工程と
    を有することを特徴とする記録方法。
  2. 前記同一領域に対する複数回の走査は、前記記録ヘッドの第1方向への走査と前記第1方向とは反対の第2方向への走査を含み、前記分割された奇数カラムデータの夫々は、前記第1方向への異なる走査で記録され、前記分割された偶数カラムデータの夫々は、前記第2方向への異なる走査で記録されることを特徴とする請求項1に記載の記録方法。
  3. 前記第1のマスクパターンおよび前記第2のマスクパターンの少なくとも一方は、前記記録許容エリアが前記走査方向に隣接しないパターンであることを特徴とする請求項1または2に記載の記録方法。
  4. 前記第1のマスクパターンおよび前記第2のマスクパターンの少なくとも一方における前記記録許容エリアの配置はブルーノイズ特性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の記録方法。
  5. ドットを記録するための記録素子が複数配列された記録ヘッドを記録媒体の同一領域に対して前記記録素子が配列される方向とは異なる走査方向に複数回走査させることによって前記同一領域の画像を記録する記録方法であって、
    前記画像を構成するドットを記録するための記録データを、奇数カラムデータと偶数カラムデータに分割する工程と、
    ドットの記録を許容する記録許容エリアおよびドットの記録を許容しない非許容エリアが配列されてなるマスクパターンを用いて、前記奇数カラムデータおよび前記偶数カラムデータの夫々を複数に分割する工程と、
    前記分割された奇数および偶数カラムデータの夫々を、前記記録ヘッドの異なる走査で前記同一領域に記録する工程とを有し、
    第1の記録モードを実行する場合、前記奇数カラムデータを分割するのに用いるマスクパターンにおける記録許容エリアの配列と前記偶数カラムデータを分割するのに用いるマスクパターンにおける記録許容エリアの配列は異なり、
    前記第1の記録モードとは異なる第2の記録モードを実行する場合に、前記奇数カラムデータを分割するのに用いるマスクパターンにおける記録許容エリアの配列と前記偶数カラムデータを分割するのに用いるマスクパターンにおける記録許容エリアの配列は同じであることを特徴とする記録方法。
  6. 前記記録ヘッドは複数色のインクのドットを記録可能であり、
    前記第1の記録モードは、使用可能なインクの色数が所定数以下の記録モードであり、前記第2の記録モードは、使用可能なインクの色数が所定数より多い記録モードであることを特徴であることを特徴とする請求項5に記載の記録方法。
  7. 前記第1の記録モードはモノクロ記録モードであり、前記第2の記録モードはカラー記録モードであることを特徴とする請求項5に記載の記録方法。
  8. ドットを記録するための記録素子が複数配列された記録ヘッドを記録媒体の同一領域に対して前記記録素子が配列される方向とは異なる走査方向に複数回走査させることによって前記同一領域の画像を記録することが可能な記録装置であって、
    前記画像を構成するドットを記録するための記録データを、奇数カラムデータと偶数カラムデータに分割する手段と、
    ドットの記録を許容する記録許容エリアおよびドットの記録を許容しない非許容エリアが配列されてなる第1のマスクパターンを用いて、前記奇数カラムデータを複数に分割する手段と、
    前記第1のマスクパターンとは異なる配置で前記記録許容エリアおよび前記非記録許容エリアが配列されてなる第2のマスクパターンを用いて、前記偶数カラムデータを複数に分割する手段と、
    前記分割された奇数および偶数カラムデータの夫々が前記記録ヘッドの異なる走査で前記同一領域に記録されるように、前記分割された奇数および偶数カラムデータに従って前記記録ヘッドを駆動する手段と
    を具備することを特徴とする記録装置。
  9. ドットを記録するための記録素子が複数配列された記録ヘッドを記録媒体の同一領域に対して前記記録素子が配列される方向とは異なる走査方向に複数回走査させることによって前記同一領域の画像を記録することが可能な記録装置と、前記記録装置を制御するためのホスト装置とを有する記録システムであって、
    前記画像を構成するドットを記録するための記録データを、奇数カラムデータと偶数カラムデータに分割する手段と、
    ドットの記録を許容する記録許容エリアおよびドットの記録を許容しない非許容エリアが配列されてなる第1のマスクパターンを用いて、前記奇数カラムデータを複数に分割する手段と、
    前記第1のマスクパターンとは異なる配置で前記記録許容エリアおよび前記非記録許容エリアが配列されてなる第2のマスクパターンを用いて、前記偶数カラムデータを複数に分割する手段と、
    前記分割された奇数および偶数カラムデータの夫々が前記記録ヘッドの異なる走査で前記同一領域に記録されるように、前記分割された奇数および偶数カラムデータに従って前記記録ヘッドを駆動する手段と
    を具備することを特徴とする記録システム。
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