JP4613843B2 - トナーおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
前記離型剤が、少なくとも下記一般式(1)により表されるモノエステル化合物よりなる第1の離型剤成分と、分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物よりなる第2の離型剤成分とを含む2種以上の離型剤成分よりなり、
離型剤における前記第1の離型剤成分の割合が40〜98質量%であり、
離型剤を結着樹脂となる重合性単量体に溶解または分散させて重合性単量体溶液を得、当該重合性単量体溶液を水系媒体中で油滴化し、この油滴を重合することにより結着樹脂微粒子の分散液を調製し、当該結着樹脂微粒子を水系媒体中で塩析、凝集、融着させて凝集粒子を形成する工程を含む方法によって得られるものであることを特徴とする。
一般式(1) R 1 −COO−R 2
〔上記一般式(1)において、R 1 およびR 2 は、各々、置換基を有していてもいなくてもよい炭素数が13〜30の炭化水素基を示す。R 1 およびR 2 は、各々、同一であっても、異なっていてもよい。〕
当該トナーの製造方法は、
離型剤を結着樹脂となる重合性単量体に溶解または分散させて重合性単量体溶液を得る工程、
当該重合性単量体溶液を水系媒体中で油滴化し、この油滴を重合することにより結着樹脂微粒子の分散液を調製する工程、
当該結着樹脂微粒子を水系媒体中で塩析、凝集、融着させて凝集粒子を形成する工程、を含む方法であり、
前記離型剤が、少なくとも下記一般式(1)により表されるモノエステル化合物よりなる第1の離型剤成分と、分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物よりなる第2の離型剤成分とを含む2種以上の離型剤成分よりなり、
離型剤における前記第1の離型剤成分の割合が40〜98質量%であることを特徴とする。
一般式(1) R 1 −COO−R 2
〔上記一般式(1)において、R 1 およびR 2 は、各々、置換基を有していてもいなくてもよい炭素数が13〜30の炭化水素基を示す。R 1 およびR 2 は、各々、同一であっても、異なっていてもよい。〕
分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物が気化成分を発生させにくい理由については明確ではないが、分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物は、分子自体の融点は低いものの、分岐鎖や環状構造を有するために分子間の絡み合いが発生しやすく、結果として気化成分を発生させにくい構造になっているものと推定される。
本発明のトナーの離型剤を構成する第1の離型剤成分であるモノエステル化合物を示す上記一般式(1)において、R1 およびR2 は、各々、置換基を有していてもいなくてもよい炭素数が13〜30、好ましくは17〜22の炭化水素基を示す。また、R1およびR2 は、各々、同一であっても、異なっていてもよい。
式(b) CH3 −(CH2 )14−COO−(CH2 )15−CH3
式(c) CH3 −(CH2 )16−COO−(CH2 )17−CH3
式(d) CH3 −(CH2 )16−COO−(CH2 )21−CH3
式(e) CH3 −(CH2 )20−COO−(CH2 )17−CH3
式(f) CH3 −(CH2 )20−COO−(CH2 )21−CH3
式(g) CH3 −(CH2 )25−COO−(CH2 )25−CH3
式(h) CH3 −(CH2 )28−COO−(CH2 )29−CH3
本発明のトナーを構成する分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物における分岐の割合、すなわち分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物を構成する全炭素原子中の3級炭素原子および4級炭素原子の合計の割合は、下記の方法によって得られる値であって、0.1〜20%であることが好ましく、0.3〜1.0%であることがさらに好ましい。
離型剤における第2の離型剤成分の割合は、2〜60質量%、好ましくは5〜30質量%とされる。
〔上記式(2)において、C3は3級炭素原子に係るピーク面積、C4は4級炭素原子に係るピーク面積、C1は1級炭素原子に係るピーク面積、C2は2級炭素原子に係るピーク面積を示す。〕
測定装置 :FT NMR装置 Lambda400(日本電子社製)
測定周波数 :100.5MHz
パルス条件 :4.0μs
データポイント:32768
遅延時間 :1.8sec
周波数範囲 :27100Hz
積算回数 :20000回
測定温度 :80℃
溶媒 :ベンゼン−d6 /o−ジクロロベンゼン−d4 =1/4(v/v)
試料濃度 :3質量%
試料管 :φ5mm
測定モード :1H完全デカップリング法
以上のような分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物を得るための製造方法としては、原料油を特定温度に維持した状態で固化した炭化水素を分離して取り出すプレス発汗法、および石油の減圧蒸留残渣油または重質留出油である原料油に溶剤を加えて結晶化させ、濾別する溶剤抽出法の2つが挙げられるが、後者の溶剤抽出法が好ましい。また、上記の製造方法によって得られる分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物は着色されているため、硫酸白色土などを用いて精製してもよい。
本発明のトナーを構成する離型剤の融点は、離型剤吸熱ピークのピークトップの温度を表し、例えば「DSC−7示差走査カロリメーター」(パーキンエルマー製)、「TAC7/DX熱分析装置コントローラー」(パーキンエルマー製)などを用いて測定することができる。
具体的には、離型剤4.00mgを小数点以下2桁まで精秤してアルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダーにセットし、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行った。リファレンスの測定には、空のアルミニウム製パンを用いた。
本発明のトナーを製造する方法としては、特に限定されるものではなく、粉砕法、懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル分子伸長法その他の公知の方法などを挙げることができるが、本発明のトナーを製造する方法としては、特にミニエマルション法とよばれる臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、離型剤を重合性単量体中に溶解してなる重合性単量体溶液を、機械的エネルギーを利用して油滴(10〜1000nm)を形成して分散液を調製し、得られた分散液に水溶性重合開始剤を添加して、ラジカル重合させて得られる結着樹脂微粒子を会合(凝集/融着)してトナーを得る方法を用いることが好ましい。
この理由としては、前記油滴において重合が行われるために、トナー粒子においては離型剤分子が結着樹脂に確実に包含された状態となり、従って、定着装置において定着処理が行われるまで、すなわち熱を加えられるまでは離型剤についての気化成分の発生が抑制されると考えられるからである。
なお、このミニエマルション重合凝集法においては、水溶性重合開始剤を添加することに代えて、または、当該水溶性ラジカル重合開始剤を添加すると共に、油溶性ラジカル重合開始剤を前記単量体溶液中に添加してもよい。
(1)離型剤、着色剤および必要に応じて荷電制御剤などのトナー粒子構成材料を結着樹脂となる重合性単量体に溶解または分散させて重合性単量体溶液を得る溶解・分散工程
(2)重合性単量体溶液を水系媒体中で油滴化し、ミニエマルション法により結着樹脂微粒子の分散液を調製する重合工程
(3)結着樹脂微粒子を水系媒体中で塩析、凝集、融着させて凝集粒子を形成する凝集・融着工程
(4)凝集粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整しトナー粒子の分散液を得る熟成工程
(5)トナー粒子の分散液を冷却する冷却工程
(6)冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過・洗浄工程
(7)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程
(8)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程
から構成される。
(1)溶解・分散工程;
この工程は、重合性単量体に離型剤、着色剤などのトナー粒子構成材料を溶解あるいは分散させて重合性単量体溶液を調製する工程である。
離型剤の添加量としては、最終的に得られるトナーにおける離型剤の含有割合が上記の範囲となる量とされる。
この重合性単量体溶液中には、後述の油溶性重合開始剤および/または他の油溶性の成分を添加することができる。
この重合工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を含有した水系媒体中に、上記の重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて油滴を形成し、次いで水溶性ラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該油滴中において重合反応が行われる。なお、前記水系媒体中には、核粒子として樹脂粒子が添加してあってもよい。
この重合工程において、離型剤と結着樹脂とを含有する結着樹脂微粒子が得られる。この結着樹脂微粒子は、着色されていてもよく、着色されていなくてもよい。着色された結着樹脂微粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。また、着色されていない結着樹脂微粒子を使用する場合には、後述する凝集工程において、結着樹脂微粒子の分散液に、着色剤微粒子の分散液を添加し、結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを凝集させることでトナー粒子とすることができる。
凝集・融着工程においては、上記の重合工程により得られる結着樹脂微粒子の分散液に、当該結着樹脂微粒子が着色されていないものである場合は着色剤微粒子の分散液を添加し、結着樹脂微粒子を前記着色剤微粒子と共に水系媒体中で塩析、凝集および融着させる。この凝集・融着工程の途中段階においては、樹脂組成の異なる結着樹脂微粒子を添加して凝集させることができる。
また、当該凝集・融着工程においては、結着樹脂微粒子および着色剤微粒子と共に、荷電制御剤などの内添剤粒子なども融着させることもできる。
さらに、結着樹脂微粒子および着色剤微粒子の分散液が前記ガラス転移温度以上かつ離型剤の融解ピーク温度以上の温度に到達した後、当該分散液の温度を一定時間保持することにより、塩析、凝集および融着を継続させることが肝要である。これにより、トナー粒子の成長(結着樹脂微粒子および着色剤微粒子の凝集)と、融着(粒子間の界面の消失)とを効果的に進行させることができ、最終的に得られるトナーの耐久性を向上することができる。
この着色剤微粒子は表面改質されていてもよく、具体的には、溶媒中に着色剤微粒子を分散させ、この分散液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させ、反応終了後、着色剤微粒子を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤微粒子を得ることができる。
この熟成工程は、熱エネルギー(加熱)により行う方法が好ましい。
具体的には、凝集粒子を含む系を加熱撹拌することにより、凝集粒子の形状を所望の平均円形度になるまで、加熱温度、撹拌速度、加熱時間により調整し、トナー粒子とするものである。
また、この熟成工程において、上記トナー粒子をコア粒子として、結着樹脂微粒子をさらに添加しコア粒子に付着、融着させることによって、コア−シェル構造のものとしてもよい。この場合には、シェル層を構成する結着樹脂微粒子のガラス転移点温度を、コア粒子を構成する結着樹脂微粒子のガラス転移点温度よりも20℃以上高くすることが好ましい。
また、上記の凝集・融着工程において用いた結着樹脂微粒子が、後述のイオン性解離基を有する重合性単量体を原料とする樹脂(親水性樹脂)と、イオン性解離基のない重合性単量体のみを原料とする樹脂(疎水性樹脂)とを含有して構成されている場合は、この熟成工程において、親水性樹脂を凝集粒子の表面側に、疎水性樹脂を当該凝集粒子の内部側へ配向させることによって、コア−シェル構造を有するトナー粒子を形成させることができる。
この冷却工程は、上記のトナー粒子の分散液を冷却処理する工程である。冷却処理における冷却速度は、1〜20℃/minとされる。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
この濾過・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離させて濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物、熟成工程で用いたアルカリ剤を除去する洗浄処理とが施される。
ここに、洗浄処理は、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄することにより行われる。また、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェなどを使用して行う減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用して行う濾過法などがあり、特に限定されるものではない。
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥されたトナー粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサーなどの機械式の解砕装置を使用することができる。
この工程は、乾燥処理されたトナー粒子に必要に応じて外添剤を添加する工程である。外添剤を添加するために使用される混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子が粉砕法、溶解懸濁法などによって製造される場合には、トナーを構成する結着樹脂として、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、カーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフオン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの多官能性ビニル類を用いて架橋構造の結着樹脂を得ることもできる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂を得るために使用する界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などのイオン性界面活性剤を好適なものとして例示することができる。また、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドとのエステル、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤も使用することができる。これらの界面活性剤はトナーを乳化重合法によって得る場合に乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。
懸濁重合法を用いる場合においては油溶性ラジカル重合開始剤を用いることができ、油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
また、ミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法を用いる場合においては水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができ、水溶性ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素などを挙げることができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく、例えばn−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素およびα−メチルスチレンダイマーなどが使用される。
本発明のトナーを構成する着色剤としては、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。以下に、具体的な着色剤を示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラックや、マグネタイト、フェライトなどの磁性粉が挙げられる。
また、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138などが挙げられる。
また、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲とされる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子をミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂を得るために使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、必要に応じて荷電制御剤が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、上述したトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
個数平均粒径が3〜8μmであることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できると共に、トナーの消費量を大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。
本発明のトナーは、このトナーを構成する個々のトナー粒子について、転写効率の向上の観点から、下記式(3)で示される平均円形度が0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995である。
式(3); 平均円形度=円相当径から求めた円の周囲長/粒子投影像の周囲長
本発明のトナーには、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物粒子を使用することが好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形のものを使用することができる。この有機微粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などの重合体を使用することができる。
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させて磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれも使用することができる。また、本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる樹脂分散型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
好ましいキャリアとしては、外添剤の離脱防止や耐久性の観点から、被覆樹脂としてスチレン−アクリル系樹脂系樹脂で被覆したコートキャリアを挙げられる。
本発明のトナーは、特に、トナー像が形成された転写材を、接触加熱方式の定着装置において定着させる画像形成方法に好適に使用することができる。
この画像形成装置は、4組の画像形成ユニット100Y、100M、100C、100Bkが中間転写体である中間ベルト14aに沿って設けられた構成のタンデム方式のカラー画像形成装置である。
ここで、画像形成ユニット100Yによれば黄色のトナー像が形成され、画像形成ユニット100Mによればマゼンタ色のトナー像が形成され、画像形成ユニット100Cによればシアン色のトナー像が形成され、画像形成ユニット100Bkによれば黒色のトナー像が形成される。
以上の画像形成方法に使用される好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式を挙げることができ、接触加熱方式としては、例えば、熱圧定着方式、熱ロール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を好適に挙げることができる。
この定着装置30は、加熱ローラ31と、これに当接する加圧ローラ32とを備えるものである。なお、図2において、Tは転写材P上に形成されたトナー像であり、33は、分離爪である。
芯金31bの肉厚は0.1〜15mmとされ、省エネルギーの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同などの強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
フッ素樹脂からなる被覆層31cの厚みは10〜500μmとされ、好ましくは20〜400μmとされる。
フッ素樹脂からなる被覆層の厚みが10μm未満であると、被覆層としての機能を十分に発揮することができず、定着装置としての耐久性を確保することができない。一方、500μmを超える被覆層の表面には紙粉によるキズがつき易く、当該キズ部にトナーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する問題がある。
弾性体からなる被覆層31cの厚みは0.1〜30mmとされ、好ましくは0.1〜20mmとされる。
また、被覆層31cを構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。
また、芯金32aを構成する材料としては特に限定されるものではないが、アルミニウム、鉄、銅などの金属またはそれらの合金をあげることができる。
また、被覆層32bの厚みは0.1〜30mmとされ、好ましくは0.1〜20mmとされる。
この定着装置40は、ハロゲンランプよりなる加熱源41aを有する加熱ローラ41と、当該加熱ローラ41と平行な状態において離間して配設される支持ローラ42と、加熱ローラ41および支持ローラ42に張架された無端状の定着ベルト43と、当該定着ベルト43を介して支持ローラ42に押圧して定着ニップ部Nを形成する対向ローラ44とを有するものである。
定着ベルト43は、例えば、肉厚約40μmのNi電鋳基体または肉厚50〜100μmのポリイミド製基体の外周面上に、肉厚約200μmのSiゴム層が形成され、このSiゴム層の外周面上に肉厚約30μmのPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)よりなる被覆層が形成されたものであることが好ましい。
本発明のトナーによる画像が形成される転写材は、トナー像を保持する支持体であって、具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
石油減圧蒸留残渣油または重質留出油である原料油を、溶剤抽出法により分離して表1に示す物性の離型剤(6)〜(13)を精製した。
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8gをイオン交換水3Lに溶解させた溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し、再度液温80℃とし、スチレン480g、n−ブチルアクリレート250g、メタクリル酸68.0gおよびn−オクチル−3−メルカプトプロピオネート16.0gよりなる重合性単量体溶液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子(1h)を含有する樹脂粒子分散液(1H)を調製した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7gをイオン交換水800mlに溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、上記の樹脂粒子分散液(1H)260gと、スチレン245g、n−ブチルアクリレート120g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート1.5g、表1に示す離型剤(1)130gおよび表1に示す離型剤(12)3gを90℃にて溶解させた重合性単量体溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CREARMIX(エム・テクニック社製)により1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子(1hm)を含有する樹脂粒子分散液(1HM)を調製した。
上記の樹脂粒子分散液(1HM)に過硫酸カリウム11gをイオン交換水400mlに溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に、スチレン435g、n−ブチルアクリレート130g、メタクリル酸33gおよびn−オクチル−3−メルカプトプロピオネート8gをからなる重合性単量体溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し樹脂粒子aを含有する樹脂粒子分散液Aを得た。この樹脂粒子分散液Aにおける樹脂粒子aの粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準のメディアン径で150nmであった。また、この樹脂粒子aのガラス転移点温度を測定したところ、45℃であった、
それぞれ離型剤として表1に示されるものを表2に示される配合で用いたことの他は樹脂粒子分散液の製造例1と同様にして、樹脂粒子分散液B〜Nを得た。
ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交換水1600mlに溶解させた溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420gを徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子の分散液Qを調製した。この着色剤微粒子の分散液Qにおける着色剤微粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準のメディアン径で110nmであった。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、樹脂粒子分散液Aを固形分換算で300gと、イオン交換水1400gと、着色剤微粒子の分散液Qを120gと、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3gをイオン交換水120mlに溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム35gをイオン交換水35mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加し、3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、90℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザーIII」にて凝集粒子の粒径を測定し、所望の粒子径になった時点で、塩化ナトリウム150gをイオン交換水600mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成工程として液温度98℃にて加熱撹拌することにより、「FPIA−2100」による測定で平均円形度0.965になるまで、粒子間の融着を進行させつつ、親水性樹脂を凝集粒子の表面側へ、疎水性樹脂を当該凝集粒子の内部側へ配向させることによって、コア−シェル構造を有するトナー粒子を形成させ、その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、撹拌を停止した。
なお、これらのトナー粒子について、疎水性シリカおよび疎水性酸化チタンの添加によっては、その形状および粒径は変化しなかった。
樹脂粒子分散液Aの代わりに樹脂粒子分散液B〜Nを用いたことの他はトナー粒子の製造例1と同様にしてトナー粒子2〜14よりなるトナー2〜14を作製した。
トナー粒子1〜14の各々に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアをトナー濃度が6%となるよう混合することにより、現像剤1〜7および比較用現像剤1〜7を調製した。
以上のようにして得られた現像剤1〜7および比較用現像剤1〜7の各々について、デジタル複写機「bizhub PRO C350」(コニカミノルタ社製)に以下の定着装置を搭載したものを用いて実写テストを行い、下記(I)〜(III )の評価を行った。結果を表3に示す。
図2に示したような接触加熱方式のものであり、その具体的構成は、下記のとおりである。円筒状のアルミニウム合金からなる芯金(内径40mm、肉厚1.0mm、全幅310mm)の表面を、PTFE(テトラフルオロエチレン)によって厚み120μmで被覆してなり、中央部にヒーターを内蔵する加熱ローラと、円筒状の鉄からなる芯金(内径40mm、肉厚2.0mm)の表面を、スポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度48°、厚み2mm)で被覆してなる加圧ローラとが、150Nの総荷重により当接されて5.8mm幅の定着ニップ部が形成されたものである。
そして、この定着装置の定着温度を120℃、140℃または160℃に制御し、印字の線速を160mm/secに設定した条件で使用した。
常温常湿(20℃、55%RH)の環境下において、定着ベルトの表面温度をそれぞれ120℃、140℃、160℃とした状態で64g/m2 の「Jペーパー」(コニカミノルタ社製)上に、画素率7%の文字画像、人物顔写真画像、相対画像濃度0.6のシアンハーフトーンベタ画像を形成した混合画像をテスト画像として10000枚形成し、10000枚目に得られたテスト画像について、帯状または白スジ状の画像欠陥を目視により観察し、全く発生なしである場合を「◎」、シアンハーフトーンベタ画像においてスジ状に若干濃度が薄くなっている箇所がある程度である場合を「○」、シアンハーフトーンベタ画像においては白スジが数本あるものの、文字画像、人物顔写真画像では目立たなく、使用上問題ないレベルである場合を「△」、シアンハーフトーンベタ画像において、はっきりと白スジが確認されて、実質上、使用不可のレベルである場合を「×」として評価した。
常温常湿(20℃、50%RH)の環境下において、定着ベルトの表面温度をそれぞれ120℃、140℃、160℃とした状態でA4判上質紙(64g/m2 )の「Jペーパー」(コニカミノルタ社製)上にベタ黒画像を形成し、下記のメンディングテープ剥離法による定着強度の測定を行って定着率を算出し、この定着率に基づいて定着率が95%以上である場合を「◎」、定着率が85%以上95%未満である場合を「○」、定着率が85%未満である場合を「×」として評価した。
1)ベタ黒画像における絶対反射濃度D0 を測定する。
2)メンディングテープ「No.810−3−12」(住友3M社製)を、ベタ黒画像に軽く貼り付ける。
3)1kPaの圧力でメンディングテープの上を3.5回往復擦り付ける。
4)180℃の角度、200gの力でメンディングテープを剥がす。
5)剥離後の絶対反射濃度D1 を測定する。
6)下記式(4)に基づいて定着率を算出する。
式(4);定着率(%)=D1 /D0 ×100
なお、絶対反射濃度の測定には、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用した。
常温常湿(20℃、55%RH)の環境下において、加熱ローラの表面温度を120℃、140℃、160℃と変化させ、それぞれの表面温度の際に、搬送方向に対して垂直方向に5mm幅のベタ黒帯状画像を有するA4画像をA4判上質紙(64g/m2 )上に形成し、縦送りで搬送した際における画像側の加熱ローラと紙との分離性を、A4判上質紙がカールすることなく加熱ローラと分離する場合を「◎」、A4判上質紙が加熱ローラと分離爪で分離するが、画像上に分離爪の後はほとんど目立たない場合を「○」、A4判上質紙が加熱ローラと分離爪で分離し、画像上に分離爪跡が残る、もしくは加熱ローラに巻きついてしまい当該加熱ローラと分離できない場合を「×」と評価した。
11Y、11M、11C、11Bk 帯電手段
12Y、12M、12C、12Bk 露光手段
13Y、13M、13C、13Bk 現像手段
131Y、131M、131C、131Bk 現像スリーブ
14a 中間ベルト
14Y、14M、14C、14Bk 転写手段
14b 2次転写手段
16 分離手段
17 定着装置
18 排出口
30 定着装置
31 加熱ローラ
31a 加熱部材
31b 芯金
31c 被覆層
32 加圧ローラ
32a 芯金
32b 被覆層
33 分離爪
40 定着装置
41 加熱ローラ
41a 加熱源
41b 円筒芯金
41c 耐熱弾性層
41d トナー離型層
42 支持ローラ
43 定着ベルト
44 対向ローラ
100Y、100M、100C、100Bk 画像形成ユニット
T トナー像
N 定着ニップ部
P 転写材
Claims (3)
- 結着樹脂、着色剤、および離型剤を含有するトナーであって、
前記離型剤が、少なくとも下記一般式(1)により表されるモノエステル化合物よりなる第1の離型剤成分と、分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物よりなる第2の離型剤成分とを含む2種以上の離型剤成分よりなり、
離型剤における前記第1の離型剤成分の割合が40〜98質量%であり、
離型剤を結着樹脂となる重合性単量体に溶解または分散させて重合性単量体溶液を得、当該重合性単量体溶液を水系媒体中で油滴化し、この油滴を重合することにより結着樹脂微粒子の分散液を調製し、当該結着樹脂微粒子を水系媒体中で塩析、凝集、融着させて凝集粒子を形成する工程を含む方法によって得られるものであることを特徴とするトナー。一般式(1) R1 −COO−R2
〔上記一般式(1)において、R1 およびR2 は、各々、置換基を有していてもいなくてもよい炭素数が13〜30の炭化水素基を示す。R1 およびR2 は、各々、同一であっても、異なっていてもよい。〕 - 前記分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物における全炭素原子中の3級炭素原子および4級炭素原子の割合が0.1〜20%であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 結着樹脂、着色剤、および離型剤を含有するトナーの製造方法において、
当該トナーの製造方法は、
離型剤を結着樹脂となる重合性単量体に溶解または分散させて重合性単量体溶液を得る工程、
当該重合性単量体溶液を水系媒体中で油滴化し、この油滴を重合することにより結着樹脂微粒子の分散液を調製する工程、
当該結着樹脂微粒子を水系媒体中で塩析、凝集、融着させて凝集粒子を形成する工程、を含む方法であり、
前記離型剤が、少なくとも下記一般式(1)により表されるモノエステル化合物よりなる第1の離型剤成分と、分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物よりなる第2の離型剤成分とを含む2種以上の離型剤成分よりなり、
離型剤における前記第1の離型剤成分の割合が40〜98質量%であることを特徴とするトナーの製造方法。
一般式(1) R 1 −COO−R 2
〔上記一般式(1)において、R 1 およびR 2 は、各々、置換基を有していてもいなくてもよい炭素数が13〜30の炭化水素基を示す。R 1 およびR 2 は、各々、同一であっても、異なっていてもよい。〕
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