JP4613771B2 - 符号化装置、符号化方法及びそのプログラム - Google Patents
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Description
上記目的を達成するために、本発明にかかる符号化装置は、既定サイズに設定された画像ブロック内の処理対象である画像データと、既定の予測方法で生成された予測データとを比較して、予測データが画像データと一致しているか否かを判定する予測手段と、前記予測手段による判定結果に基づいて、画像データと予測データとが一致しなかった不一致回数を画像ブロック毎に計数することにより、画像データに対する予測データの一致度合いを評価する予測評価手段と、前記予測評価手段によりいずれかの画像ブロックについて計数されている不一致回数が既定の基準値以上となった場合、該画像ブロックに含まれる画像データのうち処理対象の画像データ以降の画像データを予測データへと変換する変換手段と、前記変換手段により変換された画像データを、前記予測方法を用いる予測符号化方式で符号化する符号化手段とを有する。
また、本発明にかかる符号化方法は、既定サイズに設定された画像ブロック内の処理対象である画像データと、既定の予測方法で生成された予測データとを比較して、予測データが画像データと一致しているか否かを判定し、判定結果に基づいて、画像データと予測データとが一致しなかった不一致回数を画像ブロック毎に計数することにより、画像データに対する予測データの一致度合いを評価し、評価により、いずれかの画像ブロックについて計数されている不一致回数が既定の基準値以上となった場合、該画像ブロックに含まれる画像データのうち処理対象の画像データ以降の画像データを予測データへと変換し、変換された画像データを、前記予測方法を用いる予測符号化方式で符号化する。
また、本発明にかかるプログラムは、既定サイズに設定された画像ブロック内の処理対象である画像データと、既定の予測方法で生成された予測データとを比較して、予測データが画像データと一致しているか否かを判定するステップと、判定結果に基づいて、画像データと予測データとが一致しなかった不一致回数を画像ブロック毎に計数することにより、画像データに対する予測データの一致度合いを評価するステップと、評価により、いずれかの画像ブロックについて計数されている不一致回数が既定の基準値以上となった場合、該画像ブロックに含まれる画像データのうち処理対象の画像データ以降の画像データを予測データへと変換するステップとをコンピュータに実行させる。
JPEGなどの変換符号化処理では、離散コサイン変換(DCT)などの周波数変換を行い、これをジグザグスキャンで低周波から高周波へとシリアライズし、これを被符号化シンボルとする。
一般に、低周波成分が視覚的に重要という性質がある。そこで圧縮率を上げたい場合には、優先的に高周波数を削っていく。
例えば、JPEGの場合、ゼロとなる係数はランレングスで表現する。また、それ以上高域の係数が全てゼロになる場合には、そのブロックの符号をEOB(end of block)で打ち切ることができる。
この双方の理由からゼロ係数の符号量がブロック全体の符号量に占める割合は小さいと考えられる。つまり、非ゼロ係数の個数と符号量は、密接な相関を持つことになる。
変換符号化処理における符号量制御は、この性質を利用している。
このため解像度を下げるなどして符号量の調整はできるものの、変換符号化処理における符号打ち切り処理が導入できないために、1パスの符号量制御が実現できなかった。
より具体的には、本画像処理装置2は、予測符号化方式における予測外れの頻度(以下、不一致回数とよぶ)を部分画像毎に評価し、不一致回数が既定の上限を超える部分画像において、予測が外れた画素の画素値をその予測値で置換する。ここで、予測外れの頻度の評価とは、画像データと予測データとの一致度合いに関する評価の一例であり、予測外れの回数そのもの、予測外れの密度、又は、予測外れに伴う符号量増加度合い(予測誤差の情報量、予測外れの画素値、符号量そのものなど)などである。
不一致回数の多い部分画像において、予測外れの画素が予測値で置換されると、この部分画像における予測的中率が向上して、符号量を小さくすることができる。また、予測外れが多い部分画像(すなわち、画素値が変化し続ける領域)は、写真やスキャンイメージのようなノイジーな画像であることが多く、そのような画像は、高周波成分が制限されているため、文字画像やコンピュータグラフィックスに比較して、予測値で置換することによる画質劣化が目立ちにくい。
したがって、画像処理装置2は、予測外れの頻度を優先順位の指標として、画像データに含まれる画素値を予測値で置換することにより、画質劣化を抑えつつ、所望の符号量を実現することができる。
次に、第1の実施形態における画像処理装置2のハードウェア構成を説明する。
図1は、本発明にかかる符号化方法が適応される画像処理装置2(符号化装置)のハードウェア構成を、制御装置21を中心に例示する図である。
図1に例示するように、画像処理装置2は、CPU212及びメモリ214などを含む制御装置21、通信装置22、HDD・CD装置などの記録装置24、並びに、LCD表示装置あるいはCRT表示装置およびキーボード・タッチパネルなどを含むユーザインターフェース装置(UI装置)25から構成される。
画像処理装置2は、例えば、本発明にかかる符号化プログラム5(後述)がプリンタドライバの一部としてインストールされた汎用コンピュータであり、通信装置22又は記録装置24などを介して画像データを取得し、取得された画像データを符号化してプリンタ装置3に送信する。
図2は、制御装置21(図1)により実行され、本発明にかかる符号化方法を実現する第1の符号化プログラム5の機能構成を例示する図である。
図2に例示するように、第1の符号化プログラム5は、ブロック抽出部500、予備予測部510、予測評価部520、画素値変換部530、及び予測符号化部540を有する。
本例では、ランレングス符号化方式が適用されるため、予備予測部510は、ブロック抽出部500から入力されたブロックに含まれる各画素の画素値と、これらの画素の直前にある画素の画素値(予測値)とを比較し、これらの画素値が一致したか否かを予測評価部520に出力する。
例えば、予測評価部520は、ブロック抽出部500により抽出されたブロック毎に、予測外れの頻度を評価する。
本例の予測評価部520は、ブロック毎に、処理対象の画素と予測値(直前画素の画素値)とが一致しなかった回数(すなわち、不一致回数)をカウントし、不一致回数が既定の基準値に達した場合に、その旨を画素値変換部530に出力する。
例えば、画素値変換部530は、予測評価部520により評価された予測外れの頻度が既定の条件に合致するブロックについてのみ、予測が外れた画素の画像データを、この画素の予測データで置換する。
本例の画素値変換部530は、予測評価部520から不一致回数が既定の基準値に達した旨が入力されると、このブロックに含まれる以降の画素の画素値を、直前の画素の画素値で置換する。これにより、不一致回数が基準値に達した画素以降の画素群(同一のブロック内)においてランが連続し、このブロックにおける符号量が抑制される。
本例の予測符号化部530は、ランレングス符号化方式を用いて、画素値変換部530から入力された画像データを符号化する。
図3(A)に例示するように、ブロック抽出部500(図2)は、互いに副走査方向で隣接するブロックが主走査方向にずれるように、M×Nサイズのブロックを抽出する。
画素値変換部530による画素値の変更は、画質劣化の原因となりうるが、図3(A)に例示するように、処理単位であるブロックを処理方向(画素の配列方向)にずらすことにより、画質劣化を顕在化しにくくすることができる。
また、図3(B)に例示するように、ブロック抽出部500(図2)は、互いに主走査方向で隣接するブロックが副走査方向にずれるように、M×Nサイズのブロックを抽出してもよい。
図4に例示するように、予測符号化部540は、予測部542、ラン計数部544、シンボル生成部546、及び符号生成部548を含む。
本例の予測部542は、処理対象である注目画素の直前にある画素(直前画素)の画素値を予測値とし、この予測値と、注目画素の画素値とが一致するか否かを判定し、判定結果をラン計数部544に出力する。
本例のラン計数部544は、予測部544から入力された判定結果に基づいて、予測値(直前画素の画素値)と注目画素の画素値とが連続して一致する連続一致数をカウントし、注目画素の画素値と予測値(直前画素の画素値)とが一致しなかった旨が予測部542から入力されると、内部カウンタでカウントしている連続一致数をシンボル生成部546に出力して内部カウンタを初期化し、その後に、一致しなかった旨をシンボル生成部546に出力する。
本例のシンボル生成部546は、1以上の連続一致数がラン計数部544から入力されると、連続一致数を被符号化シンボルとし、一致しなかった旨(注目画素と直前画素とが一致しなかった旨)がラン計数部544から入力されると、注目画素の画素値そのものを被符号化シンボルとする。
本例の符号生成部548は、Huffman符号表を用いて、シンボル生成部546から入力された連続一致数又は画素値の符号を生成する。
図5に示すように、ステップ100(S100)において、ブロック抽出部500(図2)は、入力された画像データを、図3(A)に例示するように、複数のブロックに分割し、分割されたブロックの中から、処理対象となる注目ブロックを設定する。本例では、主走査方向に8画素、副走査方向に1画素のブロック(8×1サイズのブロック)が生成される。
符号化プログラム5は、不一致回数のカウント値が基準値を超えている場合に、S135の処理に移行し、不一致回数のカウント値が基準値以下である場合に、S130の処理に移行する。
また、符号化プログラム5は、注目ブロックに含まれる全ての画素(8画素)を注目画素として処理したか否かを判定し、未処理の画素が存在する場合には、S105の処理に戻って、次の画素を注目画素としてS110以降の処理を行い、注目ブロックに含まれる全ての画素が処理された場合には、S140の処理に移行する。
これにより、符号量の制御が可能になる。
また、ブロック毎に不一致回数が評価されるため、不一致回数の多い画像領域に対して、重点的に画素値変換を行うことができ、画素値変換に伴う画質劣化を顕在化しにくくすることができる。
次に、上記実施形態の変形例を説明する。
上記実施形態では、ブロックの不一致回数が基準値を超えた場合に、このブロックに含まれる画素値を変換することにより、符号量を調整したが、第1の変形例では、ブロックの不一致回数が基準値を超えた場合に、このブロックに含まれる画素に対応する符号そのものを変化させることにより、符号量を調整する。
図6(A)に例示するように、第2の符号化プログラム52は、第1の符号化プログラム5から第1の予測符号化部540を削除し、画素値変換部530を第2の予測符号化部550で置換した構成をとる。
また、図6(B)に例示するように、第2の予測符号化部550は、第1の予測符号化部540のシンボル生成部546を、第2のシンボル生成部556に置換した構成をとる。
第2のシンボル生成部556は、予測評価部520から入力された一致度合いの評価結果に応じて、画像データと予測データとの一致判定結果に応じたシンボル、又は、一致判定結果によらない既定のシンボルを生成し、生成されたシンブルを被符号化シンボルとして符号生成部548に出力する。
本例のシンボル生成部556は、予測評価部520から不一致回数のカウント値が基準値以下である旨が入力された場合には、ラン計数部544から入力される連続一致数、又は、注目画素の画素値をシンボルとし、予測評価部520から不一致回数のカウント値が基準値を超えた旨が入力された場合には、注目画素以降の画素でランが連続する旨を示すシンボルを生成する。より具体的には、シンボル生成部556は、不一致回数のカウント値が基準値を超えた場合には、注目ブロックの残りの画素数(注目画素を含む)を連続一致数として、この連続一致数をシンボルにする。これにより、残りの画素(注目画素以降の画素)については、ランが連続している旨を示す符号が出力される。
上記実施形態では、予測評価部520は、不一致回数をカウントしているが、これに限定されるものではなく、例えば、被符号化シンボルとなる画素値の数、又は、ランの数を一致度合いの評価値としてカウントしてもよい。
また、ブロックのサイズを小さくし、不一致回数が基準値を超えるブロックについて、ブロックの先頭画像以外を画素値変換の対象としてもよい。この場合には、処理が簡略化されて好適である。
次に、第2の実施形態を説明する。
上記実施形態では、1つの予測方法を用いた予測符号化方式(具体例としてランレングス符号化方式)について説明したが、第2の実施形成では、複数の予測方法を用いた予測符号化方式について説明する。
複数の予測方法を用いた予測符号化方式には、例えば、LZ符号化方式などが含まれる。
図7に例示するように、第3の予測符号化部570は、複数の予測部572(第1予測部572a、第2予測部572b、第3予測部572c、第4予測部572d)、予測誤差算出部574、ラン計数部576、シンボル生成部578、及び符号生成部579を含む。
より具体的には、第1予測部572a〜第4予測部572dは、それぞれ参照画素A〜D(図8を参照して後述)の画素値(予測値)と、注目画素X(図8を参照して後述)の画素値とを比較して、画素値と予測値とが一致した場合(すなわち、予測が的中した場合)に、自己を識別する予測部IDをラン計数部576に対して出力し、これ以外の場合に、一致しなかった旨をラン計数部576に対して出力する。
本例の予測誤差算出部574は、第1予測部572aと同じ参照位置(参照ブロックA)の画素値を予測値とし、この予測値と実際の画素値(注目画素Xの画素値)との差分を算出し、算出された差分値を予測誤差値とする。
本例のラン計数部576は、全ての予測部572において予測値が注目画素の画素値と一致しなかった場合に、内部カウンタでカウントされている予測部ID及びその連続数を出力する。
図8(A)に例示するように、複数の予測部572それぞれの参照位置は、注目画素Xとの相対位置として設定されている。具体的には、第1予測部572aの参照画素Aは、注目画素Xの主走査方向上流に設定され、第2予測部572bから第4予測部572dの参照画素B〜Dは、注目画素Xの上方(副走査方向上流)の主走査ライン上に設定されている。
いずれかの予測部572(参照画素)で予測が的中した場合には、ラン計数部576(図7)は、予測が的中した予測部572(参照画素)について、予測部IDの連続数を増加させ、全ての予測部572(参照画素)で予測が的中しなかった場合に、カウントしていた予測部IDの連続数をシンボル生成部578に出力する。
符号生成部579は、図8(B)に例示するように、各予測部572(参照位置)と符号とを互いに対応付けており、注目画素Xと画素値が一致した参照位置に対応する符号を出力する。なお、それぞれの参照位置に対応付けられている符号は、例えば、各参照位置の的中率に応じて設定されたエントロピー符号であり、的中率に応じた符号長となる。
この場合に、第2の実施形態における予備予測部510は、図7に例示する複数の予測部572を用いて、複数の予測データを生成し、これらの予測データの一致又は不一致を判定結果として予測評価部520に出力する。本例の予備予測部510は、図8(D)に例示する参照位置A〜Dを参照して、それぞれの参照位置の画素値を予測値とし、これらの予測値と、注目画素Xの画素値とを比較する。
予測評価部520は、予備予測部510から入力された判定結果に基づいて、一致度合いを評価する。本例では、図8(B)に例示するように、それぞれの予測部に対して符号が割り当てられており、連続数及び予測誤差値の符号長はHuffman符号表から判定できるため、本例の予測評価部520は、予備予測部510から入力された判定結果に基づいて、各ブロックの符号量を評価し、符号量が既定の基準値を超えた場合に、画素値を変更するよう画素値変換部530に指示する。
画素値変換部530は、予測評価部520からの指示に応じて、図7に例示した複数の予測部572による予測の的中率が向上するように、ブロックに含まれる画素の画素値を変換する。
図9(A)に例示するように、本例のブロック抽出部500は、入力された画像データを、4×1サイズのブロックに分割する。
また、本例の画素値変換部530は、図9(A)に例示するブロックのうち、符号量が基準値を超えるブロックに対して、図9(B)に例示する画素値変換フィルタ532を適用して、このブロックに含まれる画素の画素値を変換する。
図9(B)に例示するように、画素値変換フィルタ532Aは、注目ブロックの最上流画素(先頭画素)については、その画素の画素値を変更しない。したがって、画素値変換フィルタ532が適用されても、実際の画素値(実画素値)が注目ブロックの先頭画素にそのまま残る。
また、画素値変換フィルタ532Aは、注目ブロックの第2の画素(先頭画素の次の画素)の画素値を、直前の画素(左の画素(すなわち、先頭画素))の画素値で置換する。これにより、第1の予測部572aが的中するようになる。
また、画素値変換フィルタ532Aは、注目ブロックの第3の画素の画素値を、直上の画素(すなわち、図8の参照画素B)の画素値で置換する。これにより、第2の予測部572bが的中するようになる。
同様に、画素値変換フィルタ532Aは、注目ブロックの第4の画素の画素値を、直上の画素(参照画素B)の画素値で置換する。これにより、第2の予測部572bが的中するようになる。
このように、画素値変換部530は、図9(B)に例示する画素値変換フィルタ532を用いることにより、この4×1サイズのブロックの被符号化シンボルを、最大でも予測誤差値を1個、1画素のラン(連続数)を1個、2画素のラン(連続数)を1個に制限することができ、これに対応する圧縮率を保証することができる。
同様に、第2画素まで連続して予測が的中する場合には、画素値変換部530は、図9(D)に例示するように、先頭画素及び第2画素に対するフィルタ処理を無効化して、第3画素を実画素値とする。
これにより、圧縮率を保証しつつ、画素値変換に伴う画質劣化を抑えることができる。
写真画像などのように、画素値が変化し続ける画像が入力された場合には、画素値変換部530は、全てのブロックに対して、画素値変換フィルタ532を適用して、画素値を変換することになる。この場合に、ブロックがライン毎にずれていると(本例では、ライン毎に2画素ずれている)、図10(A)に例示するように、画素値変換フィルタ532の適用位置も、ライン毎に2画素ずれることになる。
このように画素値変換フィルタ532の適用位置がライン毎にずれると、図10(B)に例示するように、同一の画素値で塗り潰された2×2サイズの正方形領域が、副走査方向(図の上下方向)にずれて配列されることになる。これは、元の画像の解像度を半分にしたものと同等であるが、2×2サイズの正方形領域がずれて配列されているため、正方格子状に配列される場合よりも画質が高いことが多い。
図11に示すように、ステップ200(S200)において、ブロック抽出部500(図2)は、入力された画像データを、図9(A)に例示するように、4×1サイズのブロックに分割し、分割されたブロックの中から、処理対象となる注目ブロックを設定する。
なお、本例では、同一の予測部が連続して的中しないものとみなして、符号量を評価している。すなわち、本例では、予測が的中した場合における最悪の符号量を算出しているのであるが、連続数をカウントして連続数の符号量も評価してもよい。
画素値変換部530は、画素値の変換が禁止された場合には、注目ブロックの画素値をそのまま予測符号化部570に出力する。
符号化プログラムは、符号量カウント値が既定の基準値を超えている場合に、S240の処理に移行し、符号量カウント値が基準値以下である場合に、S245の処理に移行する。
上記第2の実施形態の変形例を説明する。
上記実施形態では、符号量の制御を主な目的としてきたが、本変形例では、復号化処理に要する時間(以下、復号時間という)の制御を主な目的する形態を説明する。
エントロピー符号化処理は、符号化処理及び復号化処理のボトルネックの1つである。特に、ハードウェアで処理する場合、Huffman符号のようにフィードバックループが存在する処理は、高速化が困難である。
シンボル毎に符号表を設計してある場合には、符号の個数は、被符号化シンボルの個数と同じである。したがって、被符号化シンボルを減らすことによって、符号の個数を減らし、これによって復号化処理の処理時間を推測したり、保証したりすることができる。
これを実現するためには、例えば、被符号化シンボルを評価して、各被符号化シンボルの復号に必要とするクロック数を積算するように構成すればよい。
図12(A)に例示するように、本変形例の符号化プログラム56は、図2に示された符号化プログラム5のうち、予測評価部520をシンボル評価部580で置換し、画素値変換部530を第2の画素値変換部590で置換した構成をとる。
符号化プログラム56において、シンボル評価部580は、予備予測部510による判定結果に基づいて、被符号化シンボルを評価し、評価結果を画素値変換部590に出力する。被符号化シンボルの評価とは、例えば、シンボルの種類又はシンボルの数などである。シンボルの種類が多いほど、符号化に用いられる符号の種類が増えるため、復号時間が大きくなる傾向にある。また、シンボルの数が増えるほど、復号時間が大きくなる。
例えば、シンボル評価部580は、被符号化シンボルの種類をブロック毎にカウントし、シンボルの種類のカウント値を評価値とする。
本例では、図8に例示した複数の予測部ID、予測一致の連続数(ラン)、及び予測誤差が被符号化シンボルであるため、シンボル評価部580は、予備予測部510による判定結果に基づいて、ブロック毎に、被符号化シンボルを特定し、特定された被符号化シンボルに対応する処理クロックを、図12(B)に例示するテーブルを参照して算出する。
本例のシンボル評価部580は、図12(B)に例示するテーブルを参照して、ブロックに含まれる被符号化シンボルに対応する処理クロック数を算出する。
例えば、画素値変換部590は、注目ブロックに含まれるシンボルの種類数が既定の基準値を超える場合に、画素値の変換(図9に例示した画素値変換フィルタ532の使用)を行い、シンボルの種類数が基準値以下である場合に、画素値の変換を行わない。
本例の画素値変換部590は、要求されている復号時間と、ブロック数とに基づいて、1ブロックあたりの基準処理クロックを算出し、算出された基準処理クロックと、シンボル評価部580から入力される処理クロックとを比較し、処理クロックが基準処理クロックを超えているブロックに対して画素値変換処理を行う。
図13に示すように、S200において、ブロック抽出部500(図12)は、入力された画像データを、4×1サイズのブロックに分割し、分割されたブロックの中から、処理対象となる注目ブロックを設定する。
S205において、ブロック抽出部500は、設定された注目ブロックの中から、走査順に、処理対象である注目画素を設定する。
画素値変換部590は、画素値の変換が禁止された場合には、注目ブロックの画素値をそのまま予測符号化部570に出力する。
符号化プログラム56は、クロックカウント値が基準処理クロック数を超えている場合に、S240の処理に移行し、クロックカウント値が基準処理クロック数以下である場合に、S245の処理に移行する。
S250において、予測符号化部570(図12)は、画素値変換部590から入力された画像データを、複数の予測方法を用いた予測符号化方式(図8で説明した予測符号化方式)で符号化する。
5,52・・・符号化プログラム
500・・・ブロック抽出部
510・・・予備予測部
520・・・予測評価部
530,590・・・画素値変換部
540,550,570・・・予測符号化部
556・・・シンボル生成部
580・・・シンボル評価部
Claims (6)
- 既定サイズに設定された画像ブロック内の処理対象である画像データと、既定の予測方法で生成された予測データとを比較して、予測データが画像データと一致しているか否かを判定する予測手段と、
前記予測手段による判定結果に基づいて、画像データと予測データとが一致しなかった不一致回数を画像ブロック毎に計数することにより、画像データに対する予測データの一致度合いを評価する予測評価手段と、
前記予測評価手段によりいずれかの画像ブロックについて計数されている不一致回数が既定の基準値以上となった場合、該画像ブロックに含まれる画像データのうち処理対象の画像データ以降の画像データを予測データへと変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された画像データを、前記予測方法を用いる予測符号化方式で符号化する符号化手段と
を有する符号化装置。 - 前記予測手段は、互いに隣接する画像ブロックが画素の配列方向のいずれか一方にずれるように設定された画像ブロック内の画像データを処理対象とする
請求項1に記載の符号化装置。 - 前記予測手段は、処理対象の画像データに対し走査順で直前にあたる画像データを予測データとし、処理対象の画像データと該予測データとを比較して、該予測データが画像データと一致しているか否かを判定する
請求項1又は2に記載の符号化装置。 - 既定サイズに設定された画像ブロック内の処理対象である画像データと、既定の予測方法で生成された予測データとを比較して、予測データが画像データと一致しているか否かを判定する予測手段と、
前記予測手段による判定結果に基づいて、画像データと予測データとが一致しなかった不一致回数を画像ブロック毎に計数することにより、画像データに対する予測データの一致度合いを評価する予測評価手段と、
前記予測方法を用いる予測符号化方式で、入力された画像データを符号化する符号化手段と、
前記予測評価手段によりいずれかの画像ブロックについて計数されている不一致回数が既定の基準値以上となった場合、該画像ブロックに含まれる画像データのうち処理対象の画像データ以降の画像データは、前記符号化手段により生成される符号データに代えて、予測データを符号化して得られる符号データを出力させる符号制御手段と
を有する符号化装置。 - 既定サイズに設定された画像ブロック内の処理対象である画像データと、既定の予測方法で生成された予測データとを比較して、予測データが画像データと一致しているか否かを判定し、
判定結果に基づいて、画像データと予測データとが一致しなかった不一致回数を画像ブロック毎に計数することにより、画像データに対する予測データの一致度合いを評価し、
評価により、いずれかの画像ブロックについて計数されている不一致回数が既定の基準値以上となった場合、該画像ブロックに含まれる画像データのうち処理対象の画像データ以降の画像データを予測データへと変換し、
変換された画像データを、前記予測方法を用いる予測符号化方式で符号化する
符号化方法。 - 既定サイズに設定された画像ブロック内の処理対象である画像データと、既定の予測方法で生成された予測データとを比較して、予測データが画像データと一致しているか否かを判定するステップと、
判定結果に基づいて、画像データと予測データとが一致しなかった不一致回数を画像ブロック毎に計数することにより、画像データに対する予測データの一致度合いを評価するステップと、
評価により、いずれかの画像ブロックについて計数されている不一致回数が既定の基準値以上となった場合、該画像ブロックに含まれる画像データのうち処理対象の画像データ以降の画像データを予測データへと変換するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
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