JP4613688B2 - プラズマディスプレイパネル用材料 - Google Patents

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Description

本発明はプラズマディスプレイパネル用材料に関するものである。
プラズマディスプレイパネルは、自己発光型のフラットディスプレイであり、軽量薄型、高視野角等の優れた特性を備えており、また大画面化が可能であることから、最も将来性のある表示装置の一つとして注目されている。
プラズマディスプレイパネルは、一般に前面ガラス基板と背面ガラス基板とが対向して設けられており、これら基板の間の空間には、ガス放電部を区切るための多数の隔壁(バリアリブともいう)が形成されている。隔壁を形成する材料としては、ガラス粉末とセラミックフィラー粉末を混合した材料が広く用いられている。この隔壁形成材料には、ガラス基板の変形を防止するために600℃以下で焼成できることが必要であり、それ故、ガラス粉末には、軟化点を低くする成分であるPbOを含有させたガラスが使用されているが、近年では、PbOを含むガラスは、ガラス粉末を作製する際の人体への影響や廃棄物の処理が問題となっている。そこでZnO−B23系ガラス粉末を用いたプラズマディスプレイパネル用隔壁形成材料が種々提案されている。(例えば特許文献1)
またプラズマディスプレイパネルの輝度向上を目的として、透光性のある隔壁を採用することが望まれている。そこで透光性のある隔壁を形成可能な材料が特許文献2で提案されている。この材料は、フィラー粉末として特定の粒度のアルミナ粉末を用いたものである。
特開2002−326839号公報 特開2002−110035号公報
特許文献2には、ZnO−B23系ガラス粉末にアルミナ粉末を添加すれば、透光性のある隔壁を得ることができる旨の開示がある。しかしながらZnO−B23系ガラスにおいて、特許文献2の技術が利用できる場合は限定されている。例えば特許文献2のZnO−B23系ガラス粉末はBaOを多量に含有しているが、BaOの含有量が少ないガラス粉末では、アルミナ粉末と組み合わせても透光性のある隔壁を作製しにくい。
本発明の目的は、輝度の高い隔壁が形成可能なプラズマディスプレイパネル用材料を提供することである。
本発明者等が種々の実験を行ったところ、アルミナ粉末の代わりにムライト粉末を使用すれば、BaO含有量の少ないZnO−B23系ガラス粉末を使用した場合でも透光性のある隔壁を形成できることが明らかになった。これは、この種のZnO−B23系ガラスが、アルミナよりもムライトに近い屈折率を有しやすいことによるものと推測される。ただし得られる隔壁は濃いベージュ色の色調を呈し、例え透光性を有する場合でも、輝度の高いプラズマディスプレイパネルを作製することが困難であった。本発明者等のさらなる調査の結果、ムライト粉末を予め焼成しておくことにより、上記問題が解決できることを見いだし、本発明として提案するものである。
即ち、本発明のプラズマディスプレイパネル用材料は、ガラス粉末とフィラー粉末を含み、前記フィラー粉末の少なくとも一部がムライト粉末であり、前記ムライト粉末は使用前に焼成処理を施したムライト粉末であることを特徴とする。

ムライト粉末は、600〜1100℃で焼成されてなることが好ましい。
またムライト粉末の50%平均粒子径は、0.5〜6μmであることが望ましい。
ガラス粉末は、ZnO−B23系ガラス粉末、特にZnO−B23系無鉛ガラスからなることが好ましい。より具体的にはZnO−B23系ガラス粉末が質量百分率で、ZnO 20〜60%、B23 15〜50%、BaO 0〜25%、SiO2 1〜25%、Li2O+Na2O+K2O 0〜17%含有するガラス、特に質量百分率で、ZnO 30〜60%、B23 15〜35%、BaO 0〜25%、SiO2 3〜20%、Li2O 0.2〜6%、Li2O+Na2O+K2O 1〜12%含有するBaO−ZnO−B23系ガラスが挙げられる。
また本発明の材料は、ガラス粉末60〜90質量%とフィラー粉末10〜40質量%を含むことが好ましく、またフィラー粉末の20〜100質量%を焼成されたムライト粉末が占めることが望ましい。
また本発明のプラズマディスプレイパネル用ペースト及びグリーンシートは、上記材料を含むことを特徴とする。
また本発明の隔壁は、上記材料、ペースト或いはグリーンシートを用いて形成されてなることを特徴とする。
本発明のプラズマディスプレイパネル用材料は、ムライト粉末をフィラーとして用いているにも関わらず、得られる隔壁の白色度が高く、輝度の高いプラズマディスプレイパネルを作製することが可能である。さらにムライト粉末は、機械的強度が高く、しかも誘電率が比較的低いため、本発明の材料は誘電率の低い隔壁を形成する場合に有利である。
またZnO−B23系ガラス粉末と組み合わせて使用すれば、透光性のある隔壁を形成でき、より高輝度のプラズマディスプレイパネルを作製することが可能になる。しかも両材料とも誘電率が低いため、低誘電率(ε 10以下)の隔壁を形成でき、消費電力の少ないパネルを作製することが容易になる。
以下、本発明の材料を詳述する。
本発明のプラズマディスプレイパネル用材料は、フィラー粉末として主にムライト粉末を使用する。ムライト粉末は、アルミナとシリカの焼成品、あるいは電融品のいずれも使用可能である。
ところでムライト粉末は、粉末粒径が小さくなるほど白色度が低下し、隔壁を着色させてしまう。これはムライト粉末に含まれる異物や、結晶の構造欠陥に起因するものと思われる。そこで本発明では、予め焼成したムライト粉末を使用する。予めムライト粉末を焼成しておけば、異物が除去され、また欠陥が改善されるため、白色度の高いムライト粉末となる。
またムライト粉末は予め焼成されたものを使用する。焼成温度は600〜1100℃の範囲にあることが好ましい。600℃より低い温度で焼成した場合は、白色の外観が得にくくなる。1100℃より高温で焼成すると、ムライト粉末の焼結が進み、粒度が変わりやすくなるため好ましくない。なお焼成炉としては抵抗加熱式、誘導加熱式、プラズマ加熱式の電気炉や、液体や気体といった燃料を使用する焼成炉の何れも使用可能である。またバッチ式、連続式の何れの操業方法も適用可能である。
なお、本発明においては、フィラー粉末全てをムライト粉末としてもよいが、本発明の目的を損なわない範囲で、その他のフィラー粉末を併用することも可能である。例えば、アルミナ、シリカ等のセラミックフィラーを熱膨張係数の調整のために導入することが可能である。さらに形状維持性の向上を目的として、アルミナ、シリカのほか、コージエライト等のムライト以外のセラミックフィラーを導入しても良い。フィラー粉末全体に占めるムライト粉末の割合は20〜100質量%、好ましくは25〜100質量%、さらに好ましくは30〜100質量%である。ムライト粉末の占める割合が少ないと、得られる隔壁の透光性が低下する。
またムライト粉末は、50%平均粒子径が0.5〜6μm、特に0.6〜5μmであることが好ましい。ムライト粉末の平均粒子径が小さ過ぎると、ペーストの形態で供給される過程でレオロジー調整がしにくくなり、またコスト的にも高くなってしまう。一方、平均粒子径が大きくなると形状維持性が悪くなる傾向がある。なお平均粒子径の異なる2種類以上のムライトを任意の混合割合で混合して使用することも可能である。またムライト以外のフィラー粉末についても、ムライトの場合と同じ理由から、50%平均粒子径が0.5〜6μmの範囲のものを使用することが望ましい。ただし、チタニアを使用すると隔壁の透光性を著しく損ねるため、本発明においては使用すべきでない。
本発明のプラズマディスプレイパネル用材料は、ガラス粉末として種々の材料が使用可能である。例えばPbO−B23系ガラス粉末、ZnO−B23系ガラス粉末、Bi23−B23系ガラス粉末、等、隔壁用途に使用可能なガラス粉末であれば問題なく使用可能である。
特にZnO−B23系ガラス粉末と組み合わせれば、透光性のある隔壁を作製することが可能になる。ZnO−B23系ガラスは、例えばZnOを30質量%以上、またB23を15質量%以上含有するようなガラスである。またBaOを含まないか、或いは含む場合でも25質量%を超えない組成のガラスであることが好ましい。その理由は、この範囲にあるガラスは、アルミナ粉末よりもムライト粉末と組み合わせる方が、透光性に優れた隔壁を作製する上で有利であるためである。また隔壁材料からPbOを削減するという目的からすれば、PbOは1質量%以下、好ましくは全く含有しないことが望まれる。
ZnO−B23系ガラスの好適な組成例として、質量百分率で、ZnO 20〜60%、B23 15〜50%、BaO 0〜25%、SiO2 1〜25%、Li2O+Na2O+K2O 0〜17%含有するガラス、特に質量百分率で、ZnO 30〜60%、B23 15〜35%、BaO 0〜25%、SiO2 3〜20%、Li2O 0.2〜6%、Li2O+Na2O+K2O 1〜12%含有するZnO−B23系ガラスが挙げられる。上記組成を有するガラスは、600℃以下、特に560℃程度の低温で焼成できる隔壁材料を作製可能なものである。以下に各成分について説明する。
ZnOは軟化点を下げるとともに、熱膨張係数を低下させる成分であり、その含有量は20〜60%、好ましくは30〜60%、より好ましくは35〜55%、さらに好ましくは37〜54%である。ZnOが20%より少ないと上記効果を得にくくなり、60%より多いとガラス中に結晶が析出して緻密な焼結体が得られなくなる。
23はガラスの骨格を構成する成分であり、その含有量は15〜50%、好ましくは15〜35%、より好ましくは16〜33%である。B23が15%より少ないとガラス化が困難となる。一方、B23が50%より多いと軟化点が高くなり560℃以下の温度で焼成すると緻密な焼結体を得にくくなり、パネル特性が低下する可能性がある。
BaOはガラスを安定化させる成分であり、その含有量は0〜25%、好ましくは3〜25%、特に好ましくは5〜20%である。BaOは必須成分ではないが、3%より少ないと、ガラスが不安定となり結晶化しやすくなり、ドライフィルムとの密着性に問題が生じたり、焼成時に結晶が析出して緻密な焼結体が得られなくなったりする場合がある。一方、25%より多いと熱膨張係数が高くなりガラス基板のそれと適合しなくなったり、透光性が低下するため好ましくない。
SiO2はガラスの骨格を形成する成分であり、その含有量は1〜25%、好ましくは3〜20%、より好ましくは4〜17%、更に好ましくは4〜16%である。SiO2が1%より少ないとガラスが不安定になり、25%より多いと軟化点が高くなり560℃以下の温度で焼成することが難しくなる。
アルカリ成分についてはLi2O、Na2O及びK2Oの合量の含有量で0〜17%、好ましくは1〜12%、より好ましくは2〜10%であることが必要である。合量で1%以上含有させることによってガラスの軟化点を低下させ易くなり、560℃以下の温度での焼成が容易になる。一方、17%より多いとガラスが不安定になり、結晶化しやすくなり、ドライフィルムとの密着性が低下したり、ガラスの耐久性に問題が生じる。
アルカリ成分の中でもLi2Oはガラスの軟化点を著しく低下させる成分であり、好ましくは0.2〜6%、更に好ましくは0.5〜5%含有させることが好ましい。Li2Oが0.2%より少ないと軟化点が低下し難く、560℃以下の温度で焼成することが難しくなる。一方、Li2Oが6%より多いと著しくガラスが不安定になり、結晶化しやすくなり、ドライフィルムとの密着性が低下したり、焼成時に結晶が析出して緻密な焼結体が得られなくなる。
またガラスの安定性を維持する目的で、Li2Oをガラス中に多く添加できない場合、Li2Oと同様にガラスの軟化点を低下させる成分であるNa2OまたはK2O、もしくは両者を併用することが望ましい。但し、Na2O、K2Oの含有量が多くなるとガラスの安定性が低下し、ドライフィルムとの密着性の低下や、緻密な焼成体が得られなくなることが懸念されるため、含有量は、Na2Oが9%以下、8%以下、特に6%以下、K2Oが6%以下、特に5%以下に制限することが望ましい。
アルカリ金属成分を添加するとドライフィルムとの密着性が低下する傾向にある。そこで、密着性を改善するために、Al23を含有させてもよい。但し、Al23の含有量が多くなると軟化点が上昇するため、1.5%以下に制限することが望ましい。
また、ガラスを安定化させるために、BaO/(B23+SiO2)の割合を0.1〜0.8の範囲内にすることが望ましい。この割合が0.1より小さいと、ガラスが不安定となり、焼成時に結晶が析出して緻密な焼結体が難しくなり易い。また、0.8より大きいと、材料の熱膨張係数が高くなり、ガラス基板のそれと適合し難くなる。より好ましい範囲は、0.15〜0.6である。
また、上記成分の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を添加することができる。例えば耐水性や耐薬品性を向上させるためにMgO、CaO、SrO等のアルカリ土類金属酸化物や、Ta25、La23、SnO2、ZrO2、TiO2、Nb25を、またガラス安定化のためにP25を添加してもよい。なおこれらの成分の添加量は合量で12%以下、好ましくは10%以下に制限すべきである。
本発明の材料において、ガラス粉末とフィラー粉末の割合は、ガラス粉末60〜90質量%、フィラー粉末10〜40質量%、好ましくはガラス粉末60〜85質量%、フィラー粉末15〜40質量%、さらに好ましくはガラス粉末63〜84質量%、フィラー粉末16〜37質量%である。フィラー粉末が少ないと(即ちガラス粉末が多いと)形状維持性が低下する。一方、フィラー粉末が多くなると(即ちガラス粉末が少ないと)焼結性が不十分となり易く、緻密な隔壁を形成することが難しくなる。また得られる隔壁の透光性が低下する。
本発明のプラズマディスプレイパネル用材料は、ペーストやグリーンシートなどの形態で使用することができる。
ペーストの形態で用いる場合、上述した材料と共に、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等を使用する。隔壁等の形成材料のペースト中での含有量としては、30〜90質量%程度が一般的である。ペーストの粘度としては、200〜1500ポイズが望ましい。200ポイズ以下であると、ペーストの保管性に問題があり、1500ポイズ以上では、印刷性に問題が生じる。また、ペースト粘度が1000ポイズ以下の状態で提供される場合は、ペーストの分離、粘度低下、樹脂の劣化等を未然に防ぐために3%までの酸化防止剤や界面活性剤を添加することが望ましい。なお、本発明でいう粘度とは、23℃、ずり速度5.7/秒の条件で測定したときの値である。
熱可塑性樹脂は、乾燥後の膜強度を高め、また柔軟性を付与する成分であり、その含有量は、0.1〜20質量%程度が一般的である。熱可塑性樹脂としてはポリブチルメタアクリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメタアクリレート、エチルセルロース等が使用可能であり、これらを単独あるいは混合して使用する。
可塑剤は、乾燥速度をコントロールすると共に、乾燥膜に柔軟性を与える成分であり、その含有量は0〜10質量%程度が一般的である。可塑剤としてはブチルベンジルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジブチルフタレート等が使用可能であり、これらを単独あるいは混合して使用する。
溶剤は材料をペースト化するための材料であり、その含有量は10〜30質量%程度が一般的である。溶剤としては、例えばターピネオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート等を単独または混合して使用することができる。
ペーストの作製は、隔壁等の形成材料(ガラス粉末及びフィラー粉末)、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等を用意し、これを所定の割合で混練することによりペーストとすることができる。
このようなペーストを用いて、例えば隔壁を形成するには、まずこれらのペーストをスクリーン印刷法や一括コート法等を用いて塗布し、続いてサンドブラスト法を用いて不要な部分を除去した後、焼成して所定形状の隔壁を得る。
本発明のプラズマディスプレイパネル用材料を、グリーンシートの形態で使用する場合、上記隔壁等の形成材料と共に、熱可塑性樹脂、可塑剤等を使用する。
隔壁等の形成材料のグリーンシート中での含有量は、60〜80質量%程度が一般的である。
熱可塑性樹脂及び可塑剤としては、上記ペーストの調製の際に用いられるのと同様の熱可塑性樹脂及び可塑剤を用いることができ、熱可塑性樹脂の混合割合としては、5〜30質量%程度が一般的であり、可塑剤の混合割合としては、0〜10質量%程度が一般的である。
グリーンシートを作製する一般的な方法としては、隔壁等の形成材料と、熱可塑性樹脂及び可塑剤とを用意し、これらに、トルエン等の主溶媒や、イソプロピルアルコール等の補助溶媒を添加してスラリーとし、このスラリーをドクターブレード法によって、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のフィルムの上にシート成形する。シート成形後、乾燥させることによって溶媒や溶剤を除去し、グリーンシートとすることができる。
以上のようにして得られたグリーンシートを、ガラス層を形成すべき箇所に熱圧着し、その後焼成することによって、ガラス層を形成することができる。隔壁を形成する場合には、熱圧着して塗布層を形成した後に、上述のペーストの場合と同様にして所定の隔壁の形状に加工する。
上記の説明においては、隔壁形成方法として、ペーストまたはグリーンシートを用いたサンドブラスト法を例にして説明しているが、これらの方法に限定されるものではなく、印刷積層法、リフトオフ法、感光性ペースト法、感光性グリーンシート法、プレス成形法などその他の形成方法にも適用され得る材料である。
上記のようにして作製されるプラズマディスプレイパネルの隔壁は白色の色調を呈する。白色度を評価するパラメータとして、色差計にて測定されるL*値を利用することができる。具体的には、隔壁形成材料をプレス成形して粉末成形体とし、その焼成体の表面を色差計にて測定することで得られるL*値を利用する。本発明においてはL*値が60%以上、特に65%以上、さらには70%以上であることが望ましい。
また透光性のある隔壁を作製する場合、透光性を評価するパラメータとして、ガラス粉末の軟化点で10分間焼成した後、膜厚が30μm換算での550nmの拡散透過率値を利用することができる。本発明においては、この値が50%以上、特に55%以上となることが望ましい。拡散透過率値が50%以上であれば、プラズマディスプレイパネルの輝度の向上が期待できる。
なお本発明の材料は、隔壁用途以外にも使用可能であり、例えばアドレス電極保護用誘電体用途等に使用できる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳述する。ただし本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
表1は、本実施例に用いたガラス粉末組成(試料A〜F)を、表2、3は、本実施例に用いるフィラー粉末(試料a〜h)を示すものである。また表4〜6は、隔壁材料の例(試料No.1〜22)とその評価結果を示すものである。
表1の各試料は次のようにして調製した。まず表に示す組成となるように各種酸化物、炭酸塩等のガラス原料を調合し、均一に混合した後、白金坩堝に入れて1250℃で2時間溶融して均一なガラス体を得た。次いでこれをアルミナボールミルで粉砕し、平均粒径が3μm、最大粒径が20μmのガラス粉末を得た。得られたガラス粉末について熱膨張係数、軟化点を測定した。その結果、A〜Eの各試料は熱膨張係数が69.3〜80.0×10-7/℃、軟化点が564℃以下であった。
また表2、3のフィラー粉末を用意した。特に試料a〜eのムライト粉末については、使用前に焼成処理を施した。また焼成後に粒度を確認したところ、試料dについては粒度変化が生じていることが確認された。これは焼結が進行したものと思われる。
Figure 0004613688
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次に表1のガラス粉末及び表2、3のフィラー粉末を用いて隔壁材料を調製した。
まず表4〜7に示す配合割合となるように、各ガラス粉末と種々のセラミックフィラー粉末を混合した。なお、表に示す配合割合は重量%表示で示している。次に得られた混合物を、エチルセルロールのターピネオール溶液と混練して隔壁形成用ペーストとした。
このペーストを用いて、形状維持性、透過率、膜厚を評価した。またガラス粉末とフィラー粉末からなる混合粉末を用いてL*値を評価した。結果を表に示す。
なお形状維持性は次のようにして評価した。まず、2枚の窓板ガラス(板厚1.7mm)を用意し、各ガラス板に厚み200μmの塗布層をスクリーン印刷法により形成した。次に塗布層上にドライフィルムレジスト(DFR)をラミネートした。続いてこのレジストをマスクとし、サンドブラスト法によりレジストで覆われていない部分を除去して、隔壁の形状を形成した。次に、一方はガラス粉末の軟化点で、もう一方はガラス粉末の軟化点より20℃高い温度でそれぞれ10分間焼成した。このようにして形成された2種類の隔壁の高さ、H(軟化点)、H(軟化点+20℃)、を評価して、その変化率△Hを以下の様な計算式により求め、隔壁材料としての形状維持性を評価した。なお隔壁の高さは、隔壁の断面をSEM観察し、その写真から求めた。
△H=(H(軟化点+20℃))/H(軟化点))×100
また透過率及び膜厚は次のようにして評価した。まず上記と同様の方法で窓板ガラス(板厚1.7mm)上に焼成膜厚が30±1μmになるように、約50μmの塗布層を形成し、ガラス粉末の軟化点で10分間焼成することにより焼成膜を作製した。このようにして作製した隔壁について、550nmでの拡散透過率を測定した。さらにこの値を膜厚30μmに換算し、透過率として記載した。なお拡散透過率の測定は島津製分光光度計UV−3100にて積分球付き検出器下で行い、ガラス基板込みの値を測定した。また各試料の膜厚は、焼成後の膜厚につき評価した値であり、マイクロメータにて測定した。
また、L*値については、次のようにして評価した。まず、表4〜6に示す配合割合となるように、各ガラス粉末と種々のセラミックフィラー粉末を混合した隔壁形成材料を、各々の密度分秤量し、内径20mmの金型にてプレスして粉末成形体を作製した。続いて表中の焼成温度にて成形体を焼成した後、得られた焼結体の表面を、(株)カラーテクノシステム製色差計JS−555を用い、D65光源にて反射方式によりL***測色し、この際に得られるL*値を用いた。
Figure 0004613688
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Claims (13)

  1. ガラス粉末とフィラー粉末を含み、前記フィラー粉末の少なくとも一部がムライト粉末であり、前記ムライト粉末は使用前に焼成処理を施したムライト粉末であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用材料。
  2. ムライト粉末が600〜1100℃で焼成されてなることを特徴とする請求項1のプラズマディスプレイパネル用材料。
  3. ガラス粉末が、ZnO−B系ガラス粉末からなることを特徴とする請求項1のプラズマディスプレイパネル用材料。
  4. ZnO−B系ガラス粉末が、ZnO−B系無鉛ガラスからなることを特徴とする請求項のプラズマディスプレイパネル用材料。
  5. ZnO−B系ガラス粉末が、質量百分率で、ZnO 20〜60%、B 15〜50%、BaO 0〜25%、SiO 1〜25%、LiO+NaO+KO 0〜17%含有するガラスからなることを特徴とする請求項のプラズマディスプレイパネル用材料。
  6. ZnO−B系ガラス粉末が、質量百分率で、ZnO 30〜60%、B 15〜35%、BaO 0〜25%、SiO 3〜20%、LiO 0.2〜6%、LiO+NaO+KO 1〜12%含有するガラスからなることを特徴とする請求項のプラズマディスプレイパネル用材料。
  7. ガラス粉末60〜90質量%とフィラー粉末10〜40質量%を含むことを特徴とする請求項1のプラズマディスプレイパネル用材料。
  8. フィラー粉末の20〜100質量%を、焼成されたムライト粉末が占めることを特徴とする請求項1のプラズマディスプレイパネル用材料。
  9. 請求項1〜の何れかの材料を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用ペースト。
  10. 請求項1〜の何れかの材料を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用グリーンシート。
  11. 請求項1〜の何れかの材料を用いて形成されてなることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの隔壁。
  12. 請求項のペーストを用いて形成されてなることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの隔壁。
  13. 請求項10のグリーンシートを用いて形成されてなることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの隔壁。
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