JP4612948B2 - 無線通信端末及び無線通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回線容量及び通信品質に応じて、伝送レートを変更できる無線通信端末及び無線通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動体通信に対して、音声だけにとどまらず、静止画像や動画像の伝送、インターネットの閲覧など、高速で高品質なデータの伝送が求められている。そのため、固定拡散率(固定伝送レート)、すなわち全移動局及び全基地局共に同一の拡散率でCDMA伝送する従来のCDMA移動通信システムに対して、第3世代(IMT−2000)と呼ばれる可変拡散率伝送を行うCDMA移動通信システムが提案されている。可変拡散率伝送とは、音声のような低速なデータを伝送する場合には拡散率を大きく、すなわち伝送レートを低く、また画像のような高速なデータを伝送する場合には、拡散率を小さく、すなわち伝送レートを高くして伝送することである。
【0003】
伝送レートを可変にする例として、例えば特開2000−49663号公報で開示されている無線通信装置及び伝送レート制御方法によると、通信端末装置は受信品質を測定し、その測定結果を基地局装置に報告する。基地局装置は受信品質の報告結果に基づいて伝送レートを切り替える。すなわち、通信端末装置の受信品質が悪くなった時点を起点として、伝送レートを切り替える。また、通信端末装置と基地局装置の通信路状態に応じて他への干渉量を許容できる範囲内となるように伝送レートを切り替える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の無線通信端末において、ユーザは伝送レート及び通信品質を希望することができない。また、仮に、ユーザの希望による伝送レート及び通信品質でデータ伝送を行うとすると、ある特定の伝送レート及び通信品質に集中することにより回線効率が悪くなる。
【0005】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが希望する伝送レート及び通信品質を選択することができ、通信開始時または通信中に最適な伝送レート及び通信品質を、基地局または無線通信端末が決定することで、同セル内の他の無線通信端末の干渉の増大を緩和し、同セル内の回線容量の超過を事前に防ぐことができる無線通信端末及び無線通信システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係る無線通信端末は、回線状況の推定を行い、該推定の結果に応じて基地局または無線通信端末が伝送レート及び所要品質を変更する無線通信端末において、ユーザが前記伝送レート及び前記所要品質の要求を行うことを特徴とするものである。
【0007】
このような構成によれば、ユーザが希望する伝送レート及び所要品質を選択することができる。
【0008】
また、本発明に係る無線通信端末において、前記回線状況に対して前記要求の可否の判断を行い、該判断の結果をユーザへ通知することを特徴とするものである。
【0009】
このような構成によれば、ユーザが希望する伝送レート及び所要品質が受信可能か否かを知ることができる。
【0010】
また、本発明に係る無線通信システムは、上述した無線通信端末と、該無線通信端末と通信を行う基地局とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
このような構成によれば、ユーザが希望する伝送レート及び所要品質を選択することができ、希望する伝送レート及び所要品質が受信可能か否かを知ることができる。
【0012】
また、本発明に係る無線通信システムにおいて、前記回線状況に余裕が生じた場合に、前記伝送レート及び前記所要品質を変更することを特徴とするものである。
【0013】
このような構成によれば、通信中において最適な伝送レート及び通信品質を基地局または無線通信端末が決定することで、回線効率が向上する。
【0014】
また、本発明に係る無線通信システムにおいて、基地局または無線通信端末が前記要求の可否の判断を行うと共に、該判断の結果が不可能の場合、可能な前記伝送レート及び前記所要品質に変更することを特徴とするものである。
【0015】
このような構成によれば、通信開始時に最適な伝送レート及び通信品質を基地局または無線通信端末が決定することで、同セル内の回線容量の超過を事前に防ぐことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る無線通信システムにおける移動局の構成例を示すブロック図である。ここで移動局を無線通信端末とする。以下、本実施の形態の構成と動作について、図1を用いて説明する。まず、移動局は基地局からの報知チャネルを受信する。基地局により拡散された報知チャネル信号は、CDMA変復調部101の復調部分で逆拡散処理が施され、報知チャネル1次変調信号に変換される。報知チャネル1次変調信号は、報知チャネル復調部102と報知チャネル受信電力測定部103と干渉波電力測定部104へ出力される。報知チャネル1次変調信号は、報知チャネル復調部102で報知情報として復調され、報知情報から下り総送信電力許容最大値と下り総送信電力値と下り報知チャネル送信電力値が抽出され、このうち下り総送信電力許容最大値と下り総送信電力値は受信可否決定部108へ、下り報知チャネル送信電力値は伝搬損失推定部105へ出力される。
【0017】
ここで、下り総送信電力許容最大値とは、送信元の基地局に対してシステムで予め設定されている送信電力の最大値を示している。また、下り総送信電力値とは、送信元の基地局が現在送信している各チャネルの送信電力の和を示している。また、下り報知チャネル送信電力値とは、送信元の基地局が現在送信している報知チャネル単独の送信電力を示している。
【0018】
一方、報知チャネル1次変調信号に含まれる報知チャネルの受信電力は、報知チャネル受信電力測定部103で測定され、この受信電力は下り報知チャネル受信電力値として伝搬損失推定部105へ出力される。測定された下り報知チャネル受信電力値と、報知情報に含まれた下り報知チャネル送信電力値は、伝搬損失推定部105で演算され、この結果は伝搬損失として送信必要電力推定部107へ出力される。以下に演算式(1)を示す。
【0019】
伝搬損失=下り報知チャネル送信電力値−下り報知チャネル受信電力値 (1)
【0020】
また、報知チャネル1次変調信号に含まれる干渉波電力は、干渉波電力測定部104で測定され干渉波電力値として受信必要電力推定部106へ出力される。
【0021】
次に、受信必要電力推定部106の動作について説明する。受信必要電力推定部106は、移動局が受信したいデータの種類をパラメータとして表す。ここで、パラメータは、伝送拡散率と所要品質である。受信必要電力推定部106は、伝送拡散率と所要品質を満たすために、移動局の逆拡散前すなわち受信機入力端での必要な受信電力を干渉波電力値を用いて推定し、その結果を受信必要電力値として送信必要電力推定部107へ出力する。
【0022】
具体例として、所要品質がBER(ビット誤り率)=1×10-6である画像データを受信したい場合について説明する。移動局は、所要品質BER=1×10-6を得るための所要Eb/I0(ビットあたりの信号エネルギー対干渉波電力のエネルギ)を求める。これは、受信機固有のEb/I0対BER特性のカーブを予めメモリ等にテーブルとして保持しておくことにより容易に実現できる。仮に、所要品質BER=1×10-6を得るための所要Eb/I0=15(dB)であったとする。また、干渉波電力測定部104で測定された干渉波電力値=−100(dBm)であったとする。Eb/I0=15(dB)、干渉波電力値=−100(dBm)から、逆拡散後において必要な受信電力Rde-spreadは、以下の(2)式で表すことができる。
【0023】
Rde-spread=干渉波電力値+所要Eb/I0 (2)
=−100+15=−85(dBm)
【0024】
また、受信必要電力値をRinとすると、Rinは想定する伝送拡散率PG(dB)によって異なり、以下の(3)式で表すことができる。
【0025】
Rin=Rde-spread−PG (3)
【0026】
仮に、PG=21(dB)とすると、(3)式より、Rin=−85−21=−106(dBm)となる。図2は、上述した例と同様、所要Eb/I0=15(dB)、干渉波電力値=−100(dBm)の時に算出される、通信種に対する伝送拡散率と受信必要電力値の一例を示す表である。
【0027】
次に、送信必要電力推定部107の動作について説明する。送信必要電力推定部107は、受信必要電力推定部106で推定された受信必要電力値と伝搬損失推定部105で推定された伝搬損失とから、所要品質と伝送拡散率を満たすために必要な基地局の送信電力を推定し、その結果を送信必要電力値として受信可否決定部108へ出力する。送信必要電力値Toutは、以下の(4)式で表すことができる。
【0028】
Tout=Rin+伝搬損失 (4)
【0029】
仮に、伝搬損失推定部105で推定した伝搬損失=20(dB)とする。図3は、伝搬損失=20(dB)の時、図2に基づいて算出される送信必要電力値の一例を示す表である。
【0030】
次に、受信可否決定部108の動作について説明する。受信可否決定部108は、送信必要電力推定部107で推定された送信必要電力値と、報知情報に含まれる下り総送信電力許容最大値及び下り総送信電力値とから、基地局にあとどれくらい送信する能力があるかを推定し、受信可否として表示部109とスイッチ部111へ出力する。
【0031】
具体例として、下り総送信電力許容最大値=−70(dBm)、下り総送信電力値=−75(dBm)と仮定する。まず、移動局が図3の番号1の伝送を行う場合、図3の番号1より送信必要電力値は−89(dBm)となる。下り総送信電力値と送信必要電力値を電力加算することにより、基地局の予想下り総送信電力値は以下のように求まる。
【0032】
予想下り総送信電力値=下り総送信電力値+送信必要電力値
=−75(dBm)+(−89(dBm))
≒−74.8(dBm)<−70(dBm)
【0033】
従って、予想下り総送信電力値は下り総送信電力許容最大値を越えないので、図3の番号1の伝送は受信可能と判断する。
【0034】
また、移動局が図3の番号7の伝送を行う場合、図3の番号7より送信必要電力値は−71dBmとなる。下り総送信電力値と送信必要電力値を電力加算することにより、基地局の予想下り総送信電力値は以下のように求まる。
【0035】
予想下り総送信電力値=下り総送信電力値+送信必要電力値
=−75(dBm)+(−71(dBm))
≒−69.5(dbm)>−70(dBm)
【0036】
従って、予想下り総送信電力値は下り総送信電力許容最大値を越えてしまうので、図3の番号7の伝送は受信不可能と判断する。
【0037】
受信可否決定部108の受信可否は表示部109へ出力され、どの伝送拡散率で伝送可能かを移動局のユーザに明示する。また、表示部109は、受信可否の他に、基地局にあとどれくらい送信する能力があるかを推定した結果を、移動局が在圏するセル内の回線状態として表示することも可能である。
【0038】
表示部109に表示された受信可否をもとに、操作部110でユーザが図3の何番の伝送をするかを選択すると、操作部110で選択伝送拡散率と品質情報が生成される。また、移動局は、受信可否決定部108で最適と判断され決定された選択伝送拡散率及び品質情報を常に選び、通信中に基地局と交渉し、適応的に選択伝送拡散率を変えながらデータを受信、復調することも可能である。
【0039】
さらに、操作部110においてユーザが選択した選択伝送拡散率及び品質情報と、受信可否決定部108で最適と判断され決定された選択伝送拡散率及び品質情報を、スイッチ部111で切り替えることも可能である。以上の結果、生成された選択伝送拡散率と品質情報が送信情報生成部112へ出力される。
【0040】
移動局がどのような伝送拡散率でどのような品質のデータを受信しようとしているかを基地局へ要求するための選択伝送拡散率及び品質情報は、送信情報生成部112で外部から入力される他送信データと共に多重及びフレームフォーマットが行われ、CDMA変復調部101の変調部分でCDMA変調されて基地局へ送信される。要求を受けた基地局は、要求された伝送拡散率と品質で通信チャネルを開き、要求した移動局に向けて下り送信を開始する。移動局において受信された通信チャネルは、CDMA変復調部101の復調部分において、要求した伝送拡散率を用いた逆拡散処理が施され、通信チャネル復調部113において通信チャネルの復調が行われ、通信データとして表示部109へ出力される。
【0041】
上述した無線通信システムによれば、どの伝送拡散率で伝送可能かをユーザに対して明示することができると共に、不用意な回線容量の超過や干渉の増大となる原因となる伝送を防ぐことが可能となる。
【0042】
次に、通信回線状況の表示方法について、図4を用いて説明する。図4は、ユーザが選択伝送拡散率及び品質情報を選択する場合の表示部109における表示の一例を示す図である。表示例1は通信回線状況が良好である場合を示す。この表示は、回線容量に余裕があること、すなわち使用ユーザが少ない、または低レート及び低品質のサービスが行われていることを表す。このとき、ユーザは伝送速度と通信品質に関して高いレベルのサービスを受けることが可能である。ユーザは、表示された通信回線状況をもとに希望する通信種を選択し、選択した通信種の番号を操作部110で入力する。データ伝送は、伝送速度と通信品質に関して、それぞれレベルの高い順にA、B、Cの3段階で表される。例えば、通信種1番は、伝送速度と通信品質が共にレベルAであるサービスを表す。
【0043】
また、表示例2は通信回線状況がやや混雑している場合を示す。この表示は、回線容量がやや低下していること、すなわち伝送速度または通信品質の一方が低下していることを表す。表示例1の場合と同様に、ユーザは、表示された通信回線状況をもとに希望する通信種を選択し、選択した通信種の番号を操作部110で入力する。
【0044】
また、表示例3は通信回線状況が大変混雑している場合を示す。この表示は、回線容量が悪化していること、すなわち伝送速度及び通信品質の双方が低下していることを表す。表示例1の場合と同様に、ユーザは、表示された通信回線状況をもとに希望する通信種を選択し、選択した通信種の番号を操作部110で入力する。
【0045】
図4の表示例は、伝送速度と通信品質をA,B,Cの3段階で表しているが、さらに段階を多くして表しても良い。また、伝送速度を実際の値、例えば384kbps、64kbps、32kbpsで表し、通信品質を実際の値、例えばBER=1×10-6で表しても良い。
【0046】
このように、移動局側に通信回線状況を表示することにより、ユーザは、現在の通信回線状況を知ることができ、希望する通信種を選択することができる。また、例えば低レベルの通信種を低料金にすることにより、ユーザが高レベルの通信種を選ぶことが少なくなるため、通信回線の混雑を防ぐことができる。
【0047】
実施の形態2.
図5は、本実施の形態に係る無線通信システムにおける移動局の構成例を示すブロック図である。図6は、本実施の形態に係る無線通信システムにおける基地局の構成例を示すブロック図である。以下、本実施の形態の構成と動作について、図5と図6を用いて説明する。
【0048】
まず、基地局は下り報知チャネル送信電力値と他の報知情報を報知チャネル変調部302で報知チャネルとして変調し、CDMA変復調部301の変調部分でCDMA変調し、移動局に対して送信する。
【0049】
移動局は基地局からの報知チャネルを受信する。基地局により拡散された報知チャネル信号は、移動局のCDMA変復調部201の復調部分で逆拡散処理が施され、報知チャネル1次変調信号に変換される。報知チャネル1次変調信号は、報知チャネル復調部202で報知情報として復調され、報知情報から下り報知チャネル送信電力値が抽出される。下り報知チャネル送信電力値は伝搬損失推定部205へ出力される。
【0050】
一方、報知チャネル1次変調信号のうち報知チャネルの受信電力は、報知チャネル受信電力測定部203で測定され、この受信電力は下り報知チャネル受信電力値として伝搬損失推定部205へ出力される。測定された下り報知チャネル受信電力値と、報知情報に含まれた下り報知チャネル送信電力値は、伝搬損失推定部205で演算され、この結果は伝搬損失として上り制御チャネル変調部208へ出力される。伝搬損失は、下り報知チャネル受信電力値と下り報知チャネル送信電力値を用いて(1)式より算出される。
【0051】
また、報知チャネル1次変調信号のうち干渉波電力は、干渉波電力測定部204で測定され干渉波電力値として上り制御チャネル変調部208へ出力される。
【0052】
可能通信種リスト206は、可能通信種として予め保持する全ての通信種と、これに対応する伝送拡散率及び所要品質を、希望通信種選択部207と上り制御チャネル変調部208へ出力する。ユーザは通信開始にあたり、可能通信種の中から希望する通信種をキー操作などで選択する。ここで、表示部211には可能通信種が表示される。可能通信種の表示方法は、実施の形態1における通信回線状況の表示方法と同様である。希望通信種選択部207は、可能通信種の中からユーザが希望した通信種に対応する伝送拡散率及び所要品質を希望通信種として上り制御チャネル変調部208へ出力する。
【0053】
上りの制御情報である干渉波電力値及び伝搬損失及び希望通信種及び可能通信種は、上り制御チャネル変調部208で制御チャネルとして変調され、CDMA変復調部201の変調部分でCDMA変調され、制御チャネル信号として基地局へ送信される。
【0054】
移動局から受信した制御チャネル信号は、基地局のCDMA変復調部301で復調され、上り制御チャネル復調部303で制御情報として復調され、制御情報から伝搬損失及び干渉波電力値及び移動局希望通信種及び移動局可能通信種が抽出される。ここで、移動局希望通信種は移動局が送信した希望通信種であり、移動局可能通信種は移動局が送信した可能通信種である。このうち伝搬損失及び干渉波電力値及び移動局希望通信種は対応可能通信種判定部306へ出力される。また、移動局可能通信種は移動局毎の可能通信種リスト305へ出力される。移動局可能通信種は、可能通信種リスト305で保持されると共に、対応可能通信種判定部306へ出力される。
【0055】
ここで、対応可能通信種判定部306の動作について説明する。対応可能通信種判定部306には、送信電力推定部304からの下り総送信電力値、上り制御チャネル復調部303からの伝搬損失及び干渉波電力値及び移動局希望通信種、移動局毎の可能通信種リスト305からの移動局可能通信種、さらにシステムで予め設定された下り総送信電力許容最大値が入力される。対応可能通信種判定部306は、基地局にあとどれくらい送信する能力があるかを推定し、対応可能な通信種を選択通信種として送信電力推定部304と下り制御チャネル変調部307と通信チャネル変復調部308へ出力する。
【0056】
具体例として、所要品質がBER=1×10-6である画像データを移動局が受信したい場合について説明する。対応可能通信種判定部306は、移動局が所要品質BER=1×10-6を得るための所要Eb/I0を求める。これは、システムの仕様において決定される、移動局の受信能力を予め保持し適用することで実現できる。仮に、所要品質BER=1×10-6を得るための所要Eb/I0=15(dB)であったとする。また、移動局から報告された干渉波電力値=−100(dBm)であったとする。Eb/I0=15(dB)、干渉波電力値=−100(dBm)から、移動局において逆拡散後に必要な受信電力Rde-spreadは、(2)式より、Rde-spread=−100+15=−85(dBm)となる。
【0057】
また、逆拡散前すなわち受信機入力端での必要な電力を受信必要電力値Rinとすると、Rinは移動局が希望する伝送拡散率PG(dB)によって異なり、(3)式から算出される。仮に、PG=21(dB)とすると、(3)式より、Rin=−85−21=−106(dBm)となる。
【0058】
次に、対応可能通信種判定部306は、伝搬損失と受信必要電力値から送信必要電力値を求める。送信必要電力値とは、移動局希望通信種に示された伝送拡散率と所要品質を満たす移動局の受信のために、基地局が必要とする送信電力のことである。送信必要電力値Toutは、(4)式から算出される。仮に、移動局から報告された伝搬損失=50(dB)とすると、(4)式よりTout=−106+50=−56(dBm)となる。
【0059】
次に、対応可能通信種判定部306は、送信必要電力値と下り総送信電力許容最大値と下り総送信電力値とから、基地局にあとどれくらい送信する能力があるかを推定する。具体例として、下り総送信電力許容最大値=−30(dBm)、下り総送信電力値=−40(dBm)と仮定する。移動局希望通信種の通信を行うとすると、基地局の予想下り総送信電力値は以下のように求まる。
【0060】
予想下り総送信電力値=下り総送信電力値+送信必要電力値値
−40(dBm)+(−56(dBm))
≒−39(dbm)<−30(dBm)
【0061】
従って、予想下り総送信電力値は下り総送信電力許容最大値を越えないので、対応可能通信種判定部306は、この移動局希望通信種は対応可能と判断し、選択通信種として出力する。
【0062】
もう一つの具体例として、所要品質がBER=1×10-6であるデータを受信したい場合について説明する。仮に、所要品質BER=1×10-6を得るための所要Eb/I0=15(dB)であったとする。また、移動局から報告された干渉波電力値及び伝搬損失をそれぞれ干渉波電力値=−75(dBm)、伝搬損失=50(dB)であったとする。また、下り総送信電力許容最大値=−30(dBm)、下り総送信電力値=−32(dBm)であったとする。
【0063】
(2)式より、Rde-spread=−75+15=−60(dBm)となる。受信必要電力値Rinは、PG=21(dB)とすると、(3)式より、Rin=−60−21=−81(dBm)となる。送信必要電力値は、(4)式より、Tout=−81+50=−31(dBm)となる。従って、基地局の予想下り総送信電力値は以下のように求まる。
【0064】
予想下り総送信電力値=下り総送信電力値+送信必要電力値値
−32(dBm)+(−31(dBm))
≒−28(dbm)>−30(dBm)
【0065】
予想下り総送信電力値は、下り総送信電力許容最大値を越えてしまうので、対応可能通信種判定部306は、この移動局からの移動局希望通信種は対応不可と判断する。対応不可と判断した場合、対応可能通信種判定部306は、移動局毎の可能通信種リスト305の中の移動局可能通信種から次の候補の通信種を選択し、上述した方法で対応可能か否かを判断する。そして、対応可能とした通信種を選択通信種として出力する。
【0066】
送信電力推定部304は、システムからの電力制御情報と選択通信種より下り報知チャネル送信電力値など、符号チャネル毎の送信電力値を推定し、さらに符号チャネル毎の送信電力値を全て加算した下り総送信電力値を推定する。その結果、下り報知チャネル送信電力値は報知チャネル変調部302へ出力され、下り総送信電力値は対応可能通信種判定部306へ出力される。また、選択通信種と通信チャネルを開く際に移動局が必要な他の無線パラメータは、下り制御チャネル変調部307で制御チャネルとして変調され、CDMA変復調部301の変調部分でCDMA変調され、制御チャネル信号として移動局へ送信される。
【0067】
移動局は基地局からの制御チャネルを受信する。基地局により拡散された制御チャネル信号は、移動局のCDMA変復調部201の復調部分で逆拡散処理が施され、制御チャネル1次変調信号に変換される。制御チャネル1次変調信号は、下り制御チャネル復調部209で制御情報として復調され、制御情報から選択通信種と他の無線パラメータが抽出される。選択通信種と他の無線パラメータは、通信チャネル変復調部210と表示部211へ出力される。
【0068】
移動局の通信チャネル変復調部210は、選択通信種と他の無線パラメータに基づいて通信チャネルを開く。また、通信チャネル送受信データは、通信チャネル変復調部210を介してCDMA変復調部201と外部との間でやりとりが行われる。受信時の通信チャネルは、CDMA変復調部201で復調され、通信チャネル変復調部113において通信チャネルの復調が行われ、通信データとして表示部211へ出力される。また、送信時の通信チャネルは、CDMA変復調部201で変調され、基地局へ送信される。
【0069】
一方、基地局の通信チャネル変復調部308は、選択通信種に基づいて通信チャネルを開く。また、通信チャネル送受信データは、通信チャネル変復調部308を介してCDMA変復調部301と外部との間でやりとりが行われる。受信時の通信チャネルは、CDMA変復調部301で復調される。また、送信時の通信チャネルは、CDMA変復調部301で変調され、移動局へ送信される。
【0070】
また、通信中において、回線状態は基地局の対応可能通信種判定部207で常時監視されている。ここで、通信開始時において基地局が選択した選択通信種で通信を行っていた場合を例に挙げる。他の移動局との回線の切断により回線容量に余裕ができ、移動局が希望していた移動局希望通信種が可能と判断された時には、選択通信種が変更され、移動局にとってより高いレベルの通信種で通信を行うことが可能である。
【0071】
逆に、通信開始時において移動局希望通信種を選択通信種として通信を行っていた場合を例に挙げる。通信を希望する他の移動局の増加により回線容量に余裕がなくなり、移動局希望通信種が不可能と判断された時には、通信種を変えても大きな問題が起こらない移動局のレベルを落とすことにより、回線の飽和を防ぎ、回線容量を効率よく使用させる。
【0072】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明によれば、ユーザが希望する伝送レート及び通信品質を選択することができ、通信開始時または通信中に最適な伝送レート及び通信品質を、基地局または移動局が決定することで、同セル内の他移動局の干渉の増大を緩和し、同セル内の回線容量の超過を事前に防ぐことができる。また、適応的に伝送レートを変えながらデータを受信、復調することで、例えば、干渉が大きい場合には大きい拡散率で低速伝送を行い、干渉が小さい場合には小さい拡散率で高速伝送を行うなど回線品質の状態に応じた伝送を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る無線通信システムにおける移動局の構成例を示すブロック図である。
【図2】所要Eb/I0=15(dB)、干渉波電力値=−100(dBm)の時に算出される、データの種類に対する伝送拡散率と受信必要電力値の一例を示す表である。
【図3】伝搬損失=20(dB)の時、図2に基づいて算出される送信必要電力値の一例を示す表である。
【図4】ユーザが選択伝送拡散率及び品質情報を選択する場合における表示部109の表示の一例を示す図である。
【図5】実施の形態2に係る無線通信システムにおける移動局の構成例を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2に係る無線通信システムにおける基地局の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
101,201,301 CDMA変復調部、102,202 報知チャネル復調部、103,203 報知チャネル受信電力測定部、104,204 干渉電力測定部、105,205 伝搬損失推定部、106 受信必要電力推定部、107 送信必要電力推定部、108 受信可否決定部、109,211 表示部、110 操作部、111 スイッチ部、112 送信情報生成部、113 通信チャネル復調部、206 可能通信種リスト、207 希望通信種選択部、208 上り制御チャネル変調部、209 制御チャネル復調部、210,308 通信チャネル変復調部、302 報知チャネル変調部、303 上り制御チャネル復調部、304 送信電力推定部、305 移動局毎の可能通信種リスト、306 対応可能通信種判定部、307 下り制御チャネル変調部。
Claims (5)
- 回線状況の推定を行い、該推定の結果に応じて基地局と無線通信端末との間で伝送レート及び所要品質を変更して通信を行う無線通信システムで用いられる無線通信端末において、
ユーザが前記伝送レート及び前記所要品質の要求を行うための手段と、
前記回線状況及び可能通信種を表示する表示部と、
表示された前記回線状況及び前記可能通信種をもとに希望する通信種に対応する前記伝送レート及び前記所要品質を選択する操作部と、
を備えたことを特徴とする無線通信端末。 - 請求項1に記載の無線通信端末において、
前記通信の開始にあたり、前記可能通信種の中からユーザが希望した通信種に対応する伝送拡散率及び所要品質を希望通信種として前記基地局に送信する希望通信種選択部を備えたことを特徴とする無線通信端末。 - 請求項1または請求項2に記載の無線通信端末と、該無線通信端末と通信を行う前記基地局とを備えたことを特徴とする無線通信システム。
- 請求項3に記載の無線通信システムにおいて、
前記無線通信端末である移動局からの移動局希望通信種を対応不可と判断した場合、
対応可能通信種判定部は、移動局毎の移動局可能通信種から次の候補の通信種を選択し、対応可能か否かを判断し対応可能とした通信種を選択通信種として移動局へ送信することを特徴とする無線通信システム。 - 請求項3に記載の無線通信システムにおいて、
前記回線状況の推定結果に基づき、該回線状況に余裕が生じたと判断される場合に、前記伝送レート及び前記所要品質を変更することを特徴とする無線通信システム。
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