JP4612261B2 - 予め作製されたリポソームへの精製膜蛋白質の再構成 - Google Patents

予め作製されたリポソームへの精製膜蛋白質の再構成 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、膜蛋白質を予め作製したリポソームに取り込ませる方法に関する。本発明はさらに、精製して再構成した天然またはリコンビナントヒト組織因子(rTF)を用いてプロトロンビン時間(PT)試薬を作製する方法に関する。より具体的には、本発明は、組織因子(TF)をリン脂質リポソームに再構成して組織因子を主剤とするPT試薬を製造することに関する。
【0002】
【従来技術】
膜蛋白質は細胞機能にとって必須であり、レセプター、イオンポンプ、電子伝達蛋白質、シグナルトランスデューサーおよび細胞内環境の調節因子がこれに含まれる。これら蛋白質の単離および膜への再構成はよく研究され、綿密に立証されている。
【0003】
リポソームは、水性間隙を取り囲む1つまたは2つ以上の脂質二重層を含む小胞の概括的分類区分である。リポソームにはユニラメラ小胞およびマルチラメラ小胞(MLV)が含まれ、前者は一層膜または脂質二重層で構成され、後者は多くの同心円膜(または脂質二重層)で構成される。リポソームは一般的にはリン脂質から調製される。これら小胞の固有の特性のために、リポソームは生物膜の特性の解明および膜蛋白質の機能の研究のためのモデル膜として広く用いられてきた。
【0004】
蛋白質をリポソームに取り込ませる(すなわち再構成する)ためには本質的に4つのメカニズムが現在知られている。例えば以下を参照されたい:J-L. Rigaud et al., “Liposomes as Tools for the Reconstitution of Biological Systems," p.71-88, in Liposomes as Tools in Basic Research and Industry, edJ.R. Philippot & F. Schuber, CRC Press, Boca Raton, Fl(1995)。1つの方法は有機溶媒の使用を必要とする。しかしながらそのような方法はしばしば蛋白質の変性をもたらす。二番目の方法は機械的手段を用い、過剰な緩衝液中で乾燥リン脂質フィルムを膨潤させることによりMLVから大小のユニラメラ小胞を製造する。前記の機械的手段には、MLVの超音波処理、フレンチプレスへの強制的通過、凍結融解または脱水再水和サイクルが含まれる。超音波処理に関する欠点には変動性およびある種の蛋白質の超音波処理による不活化が、小型リポソームの形成とともに含まれる。第三の方法は、予め作製した小型のユニラメラリポソームに蛋白質を直接取り込ませること(自発的取り込みとも称される)を必要とする。前記の方法は通常低濃度のコール酸エステル(もしくは塩)またはリゾレシチンによって触媒される。これらの方法に関する問題は、蛋白リポソームの多様なサイズ分布、リポソーム中の蛋白質の不均一分布、および非リン脂質不純物(効果的な蛋白質の取り込みに要求される)の存在で、これらはリポソームの性能に影響を及ぼすであろう。
【0005】
第四の、蛋白質のリポソームへの取り込みにもっとも頻繁に用いられる方法は洗剤の使用を伴うものである。前記の方法では、蛋白質およびリン脂質は洗剤中で共に溶解されミセルが形成される。続いて洗剤を除去し、その中に蛋白質が取り込まれた二重層小胞を自発的に形成させる。洗剤はリポソーム中に蛋白質同様に取り込まれ、したがってこれらの方法では、例えば透析、ゲル排斥クロマトグラフィーまたは疎水性樹脂への吸着のような方法によって洗剤を除去することが要求される。洗剤を使用する方法は非常に速度が遅い。なぜならば、洗剤の除去は可能なかぎり完全でなければならず、さらにまたこの工程中に生じる相変化は洗剤の除去をさらに遅らせるからである。さらに洗剤を完全に除去することもまた困難である。また別の欠点は、洗剤を使用する方法ではリポソームに取り込まれる蛋白質の方向性を制御することができないということである。
【0006】
リポソームは、多様な利用で重用されるいくつかの特性を有する。これらの特性のうちもっとも重要なものは、均一な制御可能なサイズ、およびリポソームの生物学的な運命の制御を可能にする表面特性である。これらの特性はリポソームをドラッグデリバリーシステムの好ましい担体およびアッセイ用試薬の基地にする。例えば、組織因子を含むリポソームは、血液凝固検査のためのプロトロンビン時間(PT)アッセイ用試薬として用いられてきた。これらの事例では、リポソームのリン脂質構成成分は血小板リン脂質(これはin vivoでの正常な止血に必須である)の代替物として用いられる。例えば、Dade Behring Inc. は、PTの測定およびプロトロンビン時間を基準にするアッセイで使用するINNOVIN(登録商標)を現在製造している。この製品は、合成リン脂質と結合させた大腸菌産生精製ヒト組織因子(トロンボプラスチン)、カルシウム、緩衝液および安定剤から製造される。
【0007】
血液凝固は2つの経路、内在性経路および外因性経路によって生じる。内在性経路(内的要因経路または外来物接触依存性経路)では、凝固を生じる連鎖事象は、非内皮系表面(例えばin vitroではガラス、またはin vivoでは基底膜内のコラーゲン線維)に血漿が単に暴露されることによって開始する。対照的に、外因性経路(外的要因経路または組織依存性経路)は、血管壁に対する外部の損傷の結果として組織液が血漿成分と混合されるときに開始する。
【0008】
脊椎動物の組織は、クエン酸塩付加血漿に添加されそしてカルシウムが再添加(recalcified)されたとき、血液凝固時間を大いに速めることが観察されている。外因性経路によって前記血液凝固プロテアーゼの連鎖事象を活性化させることが観察されたこの組織構成要素は、一般にトロンボプラスチンまたは組織因子(TF)と称される。
【0009】
組織因子は膜結合糖蛋白質で、血液凝固第VII因子および第VIIa因子と複合体を形成することによって機能する。これら因子の複合体形成は、第VIIおよび第VIIa因子の蛋白分解活性を極めて強化する。組織因子の機能活性はリン脂質の存在に絶対的に依存する(Ronald R. Bach, Initiation of Coagulation by Tissue Factor, CRC Critical Reviews in Biochemistry 23(4):339-368(1988))。第VII/VIIa因子/組織因子複合体は、最終的にトロンビン、フィブリンの生成、血小板の活性化をもたらし、最後に凝血塊を形成する血液凝固連鎖反応の外因性および通常経路を構成する一連の固有酵素を活性化する(Yale Nemerson, Tissue Factor and Hemostasis, Blood 71:1-8(1988))。
【0010】
血液凝固疾患のスクリーニング検査は、1つまたは2つ以上の凝固因子の顕著な異常を検出し、この異常の場所を凝固経路の種々の段階に対して決定できるようにデザインされている。この目的のために一般に用いられるスクリーニング検査には、活性化される部分的トロンボプラスチン時間(APTT)およびプロトロンビン時間(PT)が含まれる。診断検査(例えばPT検査)は、制御条件下にあるこの一連の酵素的事象をin vitroで利用して患者の血液凝固系における機能不全を診断する。PT検査では、凝血塊形成に要する時間はプロトロンビン時間または”PT値”である。
【0011】
PT検査は血漿にカルシウムを含む組織トロンボプラスチンを添加することによって実施される。第VII因子を活性化することによって凝固が開始され、第VII因子は順次第X因子を活性化し、第X因子は第V因子の存在下でプロトロンビンのトロンビンへの変換をもたらす。そのようにして生成されたトロンビンはフィブリノゲンをフィブリンに変換する。PTはしたがって内在性凝固経路を迂回し、第XII、XI、IXおよびVIII因子欠損患者では正常である。PTは、第VII、X、V因子、プロトロンビンまたはフィブリノゲン欠損患者では異常である。組織トロンボプラスチンは、カルシウムが添加されているリン脂質抽出物(ウサギ脳または肺およびヒト脳または胎盤由来)である。前記は通常は凍結乾燥形態で提供され、蒸留水で再構成する必要がある。
【0012】
プロトロンビン時間(PT)検査は、血液凝固検査室でもっとも一般的に実施されるアッセイである。
PTアッセイ試薬は迅速なスクリーニング検査で特に有用で、遺伝的および後天的凝固疾患を示唆する外因性凝固系の単独欠損もしくは複合欠損、肝疾患またはビタミンK不足を検出することができる。PTアッセイ試薬はまた、経口用抗凝固薬治療のモニター検査および特定の凝固因子についてのアッセイでも使用される。
【0013】
組織因子は膜蛋白質の一例である。膜蛋白質(例えばレセプター)は、細胞内および細胞外ドメインとともに1つまたは2つ以上のトランスメンブレンドメインで構成される。そのような蛋白質の活性は、精製蛋白質の人口膜への組み込みに続いて測定される。組織因子は血液凝固系の第VII因子のためのレセプターで、アポ蛋白質および脂質で構成される(F.A. Pitlick & Y. Nemerson, Binding of the protein component of tissue factor to phospholipids. Biochemistry 9(26):5105-13(1970))。アポ蛋白質はアミノ酸263個の糖付加ポリペプチドである。カルボキシ末端の近くに、前記アポ蛋白質は23個のアミノ酸の疎水性配列を有し、それによって前記蛋白質は膜に固定される。細胞内部分は21個のアミノ酸を含む(K.L. Fisher et al., Cloning and expression of human tissue factor cDNA. Thromb. Reseach 48:89-99(1987);J.H. Morrissey et al., Molecular cloning of the cDNA for the tissue factor, the cellular receptor for the initiation of the coagulation protease cascade. Cell 50:29-35(1987))。in vivoでは、組織因子は必須の細胞膜蛋白質として存在し、血液とは直接接触しない。細胞表面レセプターとしてのその生理学的機能は、血液または血漿と接触を開始したとき血液凝固第VII因子と結合しこれを活性化することを含む。前記複合体はセリンプロテアーゼ活性を有し、第IXおよび第X因子を活性化しそれによって凝固を開始させることができる。
【0014】
K. FickenscherおよびN.F. Zender(米国特許第5,599,909号)は単離組織因子の再脂質添加の方法を記載している。前記方法は洗剤を使用せず、蛋白質/脂質混合物の酸性化および/または加熱によって実施される。この方法は、蛋白質およびリン脂質を十分に低いpH値で混合することを必要とする。この方法では、リン脂質の溶解は洗剤によって補助されないが、その代わりにリン脂質は水溶液中で乳化される。適当なpH範囲はpH1から5、好ましくはpH2から4、特に好ましくはpH約3であると開示されている。再脂質添加は、溶解させた膜蛋白質を用いるか、またはアフィニティーカラム(例えばポリクローナルまたはモノクローナル抗体を含む免疫吸着カラム)に結合させた膜蛋白質を用いて実施できる。リン脂質水性乳液は先ず初めに緩衝液と酸性pHで混合される。続いて精製膜蛋白質をこの酸性乳液に添加し混合する。1から10分間インキュベートした後、混合物のpHを蛋白質サンプルを混合して均質性を達成した後直ちに所望の値に調節することができる。これらの蛋白質を低いpHに付すことによって、蛋白質を変性させ、易酸性集団(例えばある種の糖結合)の除去に影響を与える可能性がある。そのような集団が蛋白質から失われることによって、これら蛋白質に存在する特定の結合部位に影響が生じるかもしれない。
【0015】
FickenscherおよびZender(米国特許第5,599,909号)はまた脂質膜に膜蛋白質を組み込む第二の方法を開示している。この方法はリン脂質の存在下で蛋白質を加熱する工程を用いる。酸性化を必要とする工程の場合のように脂質の溶解は洗剤で補助されず、むしろ混合物を80から90℃で1から10分加熱することによって溶解される。その後、混合物を1から10分以内室温に冷却し、続いて緩衝液を添加する。再脂質添加の後で膜蛋白質を脂質膜に活性な形態で組み込ませる。適当な添加剤を加え、リポソームをさらに加工することができる。組織因子のアポ蛋白質をこの発明の方法の1つを用いて再脂質添加するならば、治療薬または診断薬としてそれを使用することが可能になる。第二の事例では、再脂質添加した組織因子を処理して、血漿の血液凝固を調べるためのプロトロンビン時間を測定する試薬を製造することができる。しかしながら、前記の温度での加熱は不可逆的な蛋白質の展開、変性および沈殿を生じる可能性がある。
【0016】
上記で述べたように、INNOVIN(登録商標)は、膜蛋白質がリポソームに取り込まれている市販品の一例である。INNOVIN(登録商標)はリコンビナントヒト組織因子および合成リン脂質から製造されているので、他の凝固因子(例えばプロトロンビン、第VIIIおよび第X因子)を全く含まない。さらにまた、INNOVIN(登録商標)は、天然の供給源(例えばウサギ脳、ウサギ脳/肺混合物、ヒト胎盤またはウシ脳)から抽出された粗組織因子を含む他の市販のPT試薬とは異なり不純物を含まない供給源に由来する。前記天然の供給源にはいずれも制約がある。例えば、ウサギ脳のトロンボプラスチンは季節による変動性、ロット間変動性を示し、原料供給源の信頼性に左右される。ヒトの組織因子はHIVまたは他のヒトウイルス疾患の発生源となる可能性があり、さらにまた供給源の信頼性に左右される。ウシの脳は、他の一般的な供給源に由来する組織因子を用いるものよりもはるかに長い正常PT値を示す。PT値が長い場合、臨床検査室での処理量は減少する。さらにまた、これらの時間が長いことは、ウシ組織因子のヒト第VII因子との結合能力の相違を反映しているのかもしれない。さらにまた、天然の供給源に由来する粗組織因子調製物は夾雑物として他の凝固因子を含む。凝固因子による夾雑は、凝固因子欠損血漿に対する感度が低い凝固因子アッセイ曲線を生じる。したがって、これらの欠点をもたず、さらにロット間変動性が改善された組織因子供給源を使用し、より再現性のあるPT試薬を作製することが望ましい。
【0017】
INNOVIN(登録商標)は凝固因子欠損および経口用抗凝固薬処置血漿サンプルに対する感度が高い。INNOVIN(登録商標)の感度はWHOヒト標準トロンボプラスチンと類似する。INNOVIN(登録商標)はまた、治療レベルのヘパリンには感受性を示さない。この特性の組み合わせのゆえに、INNOVIN(登録商標)は経口用抗凝固治療のモニターに非常に有用である。INNOVIN(登録商標)はこのように感度が高いので、異常な血漿(軽度の病的範囲の血漿でさえ)の識別も可能である。この組織因子試薬およびそれを製造する方法は、P.L. Hawkins et al.(国際公開第WO 93/07492号および米国特許第5,625036号(これらの文献はともに参照により本明細書に加入される))によって報告されている。この試薬は、一般には、洗剤(例えばオクチルグルコシド)中の精製組織因子を天然または合成リン脂質(これもまた洗剤溶液中で可溶化されている)と結合させることによって製造される。続いて洗剤をダイアフィルトレーションまたは透析によって除去し、組織因子を含む脂質ミセルを形成する。透析またはダイアフィルトレーションを用いて洗剤を除去する必要がない組織因子試薬(例えばINNOVIN(登録商標))の製造方法を得ることは有用であろう。
【0018】
【発明の概要】
本発明は、少なくとも1つのタイプの脂肪酸の存在下で予め作製しておいたリポソームに精製膜蛋白質を再構成する方法に関する。好ましい実施態様の1つでは、本発明は洗剤を使用しない方法に関する。
本出願は、その中に膜蛋白質を取り込んだリポソームを製造する、以下の工程を含む方法に関する:溶液中に膜蛋白質を用意し;予め作製したリポソームの溶液を用意し;そして、生理的温度およびpH条件下で前記混合物をインキュベートする。予め作製したリポソームの溶液を提供する工程の前に、前記リポソームは、リン脂質混合物を少なくとも1つのタイプの不飽和脂肪酸の溶液と混合することによって作製される。前記脂肪酸は約16から約20の炭素原子を含む不飽和脂肪酸を含む。好ましくは前記脂肪酸はオレイン酸を含む。好ましい方法では、オレイン酸は、約10から約35重量パーセント、好ましくは約15から約30重量パーセントの範囲の量、もっとも好ましくは約16重量パーセントの量で存在する。
【0019】
本発明の方法では膜蛋白質は可溶化される。好ましくは蛋白質は塩溶液中で可溶化される。好ましい実施態様では、蛋白質は、50mMヘペス−150mM NaCl(pH7.40)(40−50%のトリフルオロエタノール、60%アルコールまたは20−40%のDMSOを含む)中で可溶化するか、または50mMヘペス−0.5M NaCl(pH7.40)と置換することによって可溶化される。好ましくは、蛋白質は、前記蛋白質の洗剤溶液を塩を含む緩衝液(例えば50mMヘペス−0.5M NaCl(pH7.40))と置換することによって可溶化される。
【0020】
本発明の方法で使用する予め作製したリポソームは天然または合成リン脂質のどちらかを含む。前記リン脂質混合物は、飽和または不飽和一もしくは二置換脂肪酸およびその組み合わせを含むリン脂質の混合物を含む。これらのリン脂質は以下から選ばれる:ジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルセリン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルホスファチジック酸、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルオレオイルホスファチジルセリン、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン、パルミトイルオレオイルホスファチジルグリセロール、パルミトイルオレオイルホスファチジック酸、パルミトエライドイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトエライドイルオレオイルホスファチジルセリン、パルミトエライドイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン、パルミトエライドイルオレオイルホスファチジルグリセロール、パルミトエライドイルオレオイルホスファチジック酸、ミリストオレオイルオレオイルホスファチジルコリン、ミリストオレオイルオレオイルホスファチジルセリン、ミリストオレオイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ミリストオレオイルオレオイルホスファチジルグリセロール、ミリストオレオイルオレオイルホスファチジック酸、ジリノオレオイルホスファチジルコリン、ジリノオレオイルホスファチジルセリン、ジリノオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジリノオレオイルホスファチジルグリセロール、ジリノオレオイルホスファチジック酸、パルミチックリノオレオイルホスファチジルコリン、パルミチックリノオレオイルホスファチジルセリン、パルミチックリノオレオイルホスファチジルエタノールアミン、パルミチックリノオレオイルホスファチジルグリセロール、パルミチックリノオレオイルホスファチジック酸。これらのリン脂質はまた以下のもののモノアシル化誘導体でもよい:ホスファチジルコリン(リゾホスファチジルコリン)、ホスファチジルセリン(リゾホスファチジルセリン)、ホスファチジルエタノールアミン(リゾホスファチジルエタノールアミン)、ホスファチジルグリセロール(リゾホスファチジルグリセロール)およびホスファチジン酸(リゾホスファチジン酸)。これらのリゾホスファチジル誘導体のモノアシル鎖はパルミトイル、オレオイル、パルミトオレオイル、リノオレオイル、ミリストイルまたはミリストオレオイルでありうる。好ましくは、リン脂質の混合物はジオレオイルホスファチジルコリンおよびジオレオイルホスファチジルセリンを約4から約1の比率で含む。好ましい方法では、ジオレオイルホスファチジルコリンおよびジオレオイルホスファチジルセリンは約7から約3の比率で含まれる。好ましい方法ではリン脂質は合成物である。
【0021】
上記で述べたように、本発明の方法は、膜蛋白質およびリポソームの混合物を25℃から45℃、好ましくは約37℃でインキュベートする工程を必要とする。好ましくは、前記混合物は約30分から少なくとも1時間、好ましくは約1時間加熱される。
続いて混合物は適当な緩衝液、例えばヘペスを主剤とする緩衝液(pH7.4)で希釈される。前記緩衝液は塩、BSA、塩化カルシウム、デキストラン、グリシンおよび保存料を含む。
【0022】
本発明の方法はさらに、予め作製したリポソーム中に再構成させた組織因子を含む試薬を製造する方法に関する。組織因子試薬を製造する本発明の方法は以下の工程を含む:溶液の組織因子を提供し;リン脂質の混合物および少なくとも1つのタイプの不飽和脂肪酸を含む予め作製したリポソームの溶液を提供し;さらに、37℃の生理的温度下で前記混合物をインキュベートする。リン脂質の混合物は好ましくは以下から選ばれるリン脂質の混合物を含む:ジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルセリン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルホスファチジン酸。脂肪酸は好ましくはオレイン酸を含む。
【0023】
本発明の方法は、膜蛋白質(例えば組織因子)を予め作製したリポソームと結合させる方法を提供する。本方法は現在用いられている方法よりも効率がよく、再現性も高い。本発明はまた、PT値の測定について高い感度および再現性をもつPT試薬に関する。本発明のPT試薬は血液凝固系の全体的な機能に対して感度を示す。本発明の方法は、正常な血漿サンプルについては境界の明瞭な凝固時間を示し、異常な血漿サンプルの凝固時間を遅らせるPT試薬を提供する。本発明の方法はまた、ロット間変動性が最小限で、さらに安定性および光学的透明度が高められたPT試薬を提供する。
【0024】
【発明の詳述】
本発明は、予め作製したリポソームに精製膜蛋白質を再構成する方法に関する。本発明は、これまでに知られていた方法で必要とされた洗剤の使用を実施することなく前記の再構成を可能にする。“洗剤”という用語は、両親媒性化合物(例えば長鎖炭化水素で一方の端が極性基(しばしば電荷を有する)で終わるもの)を指す。これらの化合物には、その荷電極性基が極めて水溶性で一方炭化水素は水性環境に容易に侵入することができない分子が含まれる。本明細書で用いられるように洗剤には、電荷を全くもたないもの(例えばn−オクチル−β−D−グルコピラノース(オクチルグルシド)、陰性電荷をもつ陰イオン性洗剤(例えばドデシルスルフェート)、および陽性電荷をもつ陽イオン性洗剤(例えばヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)が含まれる。
【0025】
本発明の実施態様の1つでは、リポソームに取り込まれる蛋白質は精製組織因子である。前記蛋白質は、凝固活性を示すことによって明示されるように活性を有する(前記凝固活性は、これまでに知られている方法で得られた(例えば洗剤を用いて得られた)リポソーム中の組織因子の活性に匹敵する)。
【0026】
上記で簡単に考察したように、TFをリン脂質混合物中に再構成させるこれまでに知られた方法には、蛋白質およびリン脂質の混合物を低pHで加熱することが含まれる(米国特許第5,599,909号)。しかしながら、この方法の欠点は、低pHでの加熱はリポソームの凝集および不可逆的変性並びに蛋白質の不可逆的変性を引き起こす可能性があるということである。また別のよく用いられる方法は洗剤の使用とその除去を必要とする。しかしながら、この方法の欠点は、この方法は非常に速度が遅い工程で、さらにこの工程中に生じる相変化は洗剤の除去をさらに遅らせるという事実を含む。蛋白質の他にさらに洗剤がリポソームに取り込まれるが、前記蛋白質は漏出し易く脆いリポソームを生じるであろう。洗剤は完全に除去することが困難で、さらに究極的にはリポソームに取り込まれた蛋白質の方向性を制御することができない。
【0027】
本発明の方法は、再構成の工程のために洗剤を用いる必要がなく、予め作製したリポソーム中に精製膜蛋白質を再構成することを可能にする。
上記で簡単に述べたように、その中に膜蛋白質を取り込んだリポソームを製造する本発明の方法は以下の工程を含む:溶液の膜蛋白質を提供し;予め作製したリポソームの溶液を提供し;さらに、生理的条件下で前記混合物をインキュベートする。予め作製しておくリポソームは、リン脂質の混合物を少なくとも1つのタイプの不飽和脂肪酸の溶液と混合することを含む方法によって製造される。
【0028】
本発明の方法で予め作製しておくリポソームを製造するために用いるリン脂質は天然または合成リン脂質のどちらかを含む。前記リン脂質は、飽和または不飽和一もしくは二置換脂肪酸およびその組み合わせを含むリン脂質類から選ばれる。これらのリン脂質は以下のものである:ジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルセリン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルホスファチジック酸、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルオレオイルホスファチジルセリン、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン、パルミトイルオレオイルホスファチジルグリセロール、パルミトイルオレオイルホスファチジック酸、パルミトエライドイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトエライドイルオレオイルホスファチジルセリン、パルミトエライドイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン、パルミトエライドイオレオイルホスファチジルグリセロール、パルミトエライドイルオレオイルホスファチジック酸、ミリストオレオイルオレオイルホスファチジルコリン、ミリストオレオイルオレオイルホスファチジルセリン、ミリストオレオイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ミリストオレオイルオレオイルホスファチジルグリセロール、ミリストオレオイルオレオイルホスファチジック酸、ジリノオレオイルホスファチジルコリン、ジリノオレオイルホスファチジルセリン、ジリノオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジリノオレオイルホスファチジルグリセロール、ジリノオレオイルホスファチジック酸、パルミチンリノオレオイルホスファチジルコリン、パルミチンリノオレオイルホスファチジルセリン、パルミチンリノオレオイルホスファチジルエタノールアミン、パルミチンリノオレオイルホスファチジルグリセロール、パルミチンリノオレオイルホスファチジック酸。これらのリン脂質はまた以下のもののモノアシル化誘導体でもよい:ホスファチジルコリン(リゾホスファチジルコリン)、ホスファチジルセリン(リゾホスファチジルセリン)、ホスファチジルエタノールアミン(リゾホスファチジルエタノールアミン)、ホスファチジルグリセロール(リゾホスファチジルグリセロール)およびホスファチジック酸(リゾホスファチジック酸)。これらのリゾホスファチジル誘導体のモノアシル鎖はパルミトイル、オレオイル、パルミトオレオイル、リノオレオイル、ミリストイルまたはミリストオレオイルであろう。好ましくは、リン脂質の混合物はジオレオイルホスファチジルコリンおよびジオレオイルホスファチジルセリンを約5から約1の比率で含む。好ましい方法では、ジオレオイルホスファチジルコリンおよびジオレオイルホスファチジルセリンは約7から約3の比率で含まれる。好ましい方法ではリン脂質は合成である。合成リン脂質は、種々の供給元(例えばAVANTI Polar Lipids(Albaster, AL); Sigma Chemical Company(St.Louis, MO))から市販ルートで容易に入手できる。
【0029】
リコンビナントTFを含むPT試薬で用いられる天然に存在するリン脂質は、総リン脂質の約25から35%の範囲、もっとも好ましくは約30%の天然のホスファチジルセリン(PS)を、さらに総リン脂質の約65%から75%の範囲、もっとも好ましくは約70%の天然のホスファチジルコリン(PC)を含む。使用されるホスファチジルコリンは中性荷電で、一方ホスファチジルセリンは陰性に荷電している。好ましい実施態様では、脂質混合物は正味の陰性荷電をもつ少なくとも1つの成分を含む。本発明の他の実施態様では、他の脂質の組み合わせを用いることができる。天然のPSの好ましい供給源はウシの脳由来で、天然のPCの好ましい供給源は卵黄由来である。
【0030】
本発明では合成リン脂質もまた用いることが可能であり好ましい。これらの合成化合物は種々多様で、その脂肪酸側鎖に天然に存在するリン脂質に見出されない変型を含んでいてもよい。PT試薬の改善をもたらす側鎖の変型は上記に列挙されている。好ましい化合物は、PSまたはPCのいずれか一方または両方でC14、C16、C18またはC20の鎖の長さの不飽和脂肪酸側鎖を有する。好ましい組成物は、構成成分としてジオレオイル(18:1)−PS;パルミトイル(16:0)−オレオイル(18:1)−PS、ジミリストイル(14:0)−PS、ジパルミトオレオイル(16:1)−PC、ジパルミトイル(16:0)−PC、ジオレオイル(18:1)−PC、パルミトイル(16:0)−オレオイル(18:1)−PC、およびミリストイル(14:0)−オレオイル(18:1)−PCを含む(ただしこれらに限定されない)。
【0031】
PT試薬の最適活性は、組織因子:合成リン脂質の比が約1:2000から1:20000のとき、好ましくは約1:10000の比のときに達成される。この場合総リン脂質の最終濃度は約50−300μMとなる。したがって、PS:PCおよび総リン脂質に対するrTFの比率の両方が、最適な機能活性の達成および維持に必須である。
【0032】
前述のように、本発明の方法は、リン脂質及び脂肪酸から予め作製したリポソームを利用する。好ましくは脂肪酸は、約16から約20の炭素原子をもつ鎖式不飽和脂肪酸を含む。好ましい実施態様では脂肪酸はオレイン酸を含む。好ましい方法では、オレイン酸は、リン脂質に対して約15から約30重量パーセントの範囲の量、もっとも好ましくは約16重量パーセントの量で存在する。
【0033】
本発明の方法では膜蛋白質は可溶化される。好ましくは蛋白質は塩溶液中で可溶化される。好ましい実施態様では、蛋白質は、50mMヘペス−150mM NaCl(pH7.40)(40−50%のトリフルオロエタノールまたは60%アルコールを含む)中で可溶化するか、または50mMヘペス−0.5M NaCl(pH7.40)と交換することによって可溶化される。好ましくは、洗剤(例えば2%オクチルグルコシド)の存在下で可溶化された純粋な蛋白調製物は、前記蛋白質の洗剤溶液を生理学的pHの緩衝液(例えば0.5M NaClを含む50mMヘペス(pH7.40))と交換することによって可溶化される。
【0034】
本発明を用いて、予め作製したリポソームに他の膜蛋白質を再構成させることができる。本発明の方法で有用な蛋白質は組織因子と同様な構造および生物学的特性を有する。蛋白質は天然の供給源から入手してもよいし、遺伝子工学技術により合成してもよい。好ましくは、蛋白質は、HPLCのような分析方法、生化学的活性、アミノ酸組成および電気泳動パターンによってモニターしながら、ただ1種の均質な物質種になるまで均質に精製される。ある種の実施態様では、蛋白質は好ましくは遺伝子組換え方法により得られる。前記の遺伝子組換え方法は当技術分野では公知である。リコンビナント蛋白質の使用によって、夾雑物(例えば個々の種の生理的機能を維持するために通常は必須の他の蛋白質)の存在が排除される。
【0035】
本発明の好ましい実施態様では膜蛋白質は組織因子である。好ましくは、本発明で用いられる組織因子は、P.L. Hawkins et al(米国特許第5,625,136号)が記載したリコンビナント組織因子である。(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。上記で考察したように、リコンビナント組織因子の使用によって、天然の供給源(例えばウサギ脳、ウサギ脳/肺混合物、ヒト胎盤またはウシ脳)に由来する粗組織因子とは対照的に、前記の供給源に付随する問題が排除される。組織因子は以下の文献に記載された方法と同様な方法によって大腸菌でクローニングされる(K.L. Fisher et al. Cloning and Expression of human tissue factor cDNA. Tromb. Res. 48:89-99(1987)およびJ.H. Morrissey et al. Molecular cloning of the cDNA for tissue factor, the cellular receptor fot the initiation of the coagulation protease cascade, Cell 50:129-135(1987))。
【0036】
本発明の好ましい実施態様では、明瞭に規定された精製蛋白質(例えばrTF)が、明瞭に規定された精製リン脂質および脂肪酸から作製されたリポソームと一緒に用いられる。切断形リコンビナント分子と同様に完全長分子を使用することができる。これらは、当技術分野で公知の方法、例えばNemerson and Pabroskyの方法(E.K. Spicer et al. Isolation of cDNA clones coding for human tissue factor: primary structure of the protein and cDNA, Proc Natl. Acad. Sci. USA 84:5148-52(1987); L. Pabrosky et al. Purification of recombinant human tissue factor. Biochemistry 28:8072-77(1989); K.L. Fisher et al. Cloning and expression of human tissue factor cDNA. Thromb. Research 48:89-99(1987))にしたがって調製できる。本発明はまた、試薬の機能的な活性を減少させないアミノ酸の付加、欠失および置換を有する蛋白質、例えばrTFも包含する。好ましい実施態様では、rTFの好ましい改変形はアミノ酸残基243位でまたはそのあたりで切り縮められている。PT試薬中の好ましいrTF濃度は、約20から400ng/mL、もっとも好ましくは約100から350ng/mLである。前記のような原料から製造されるPT試薬は、天然物質の粗抽出物を基にしたPT試薬で見出される微細沈殿を含まず光学的に透明である。前記原料物質は高度に精製されるているので、化学的分析はそれらの予想される性能について有意義な測定値を提供する。化学的分析は機能的分析との併用でロット間一定性(臨床上重要な考慮すべき項目である)を提供する。
【0037】
天然のリン脂質および合成リン脂質(側鎖に多様性をもつものもたないものを含む)とともにリコンビナントまたは天然の精製組織因子から製造したPT試薬は、PT試薬の質および感度の改善を示す。合成リン脂質はより再現性の高い最終製品のもつ利点を有し、側鎖を変更したときPT試薬の機能的活性のより良好な制御を提供する。
【0038】
緩衝液および安定剤の選択の幅は広く、PT試薬の安定性にもまた寄与することができる。もっとも好ましい実施態様は、約9から15mMの濃度範囲のカルシウムイオン、約0から10%の濃度範囲(もっとも好ましくは約6から9%の範囲)のNaCl、約0から5%の範囲のデキストラン、約0−5%の濃度範囲の蛋白質(例えばウシガンマグロブリンまたはウシ血清アルブミン)および適当な緩衝液を含むことができる。例えば以下のような緩衝液がPT試薬では好ましい:N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−アミノエタンスルホン酸(HEPES)、3−[N−トリス{ヒドロキシメチル}メチルアミノ]−2−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸(TAPSO)、3−(N−モルフォリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、N−トリス−(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、3−[N−ビス(ヒドロキシエチル)−アミノ]2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、ピペラジン−N,N′−ビス(2−ヒドロキシプロパン−スルホン酸)(POPSO)、N−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(HEPPSO)およびトリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)。もっとも好ましい緩衝液はHEPESまたはTAPSOで約20から80mMの濃度範囲である。
【0039】
本発明の好ましい実施態様では、原料のリコンビナントヒト組織因子は大腸菌でin vitroで生成され、洗剤溶液で抽出され、続いてヒト組織因子に対して作製し固定モノクローナル抗体によるアフィニティークロマトグラフィー法を用いて精製される(Ronald R. Bach, Initiation of Coagulation by Tissue Factor, CRC Critical Reviews in Biochemistry, 23(4):339-368(1988))。
【0040】
本発明の方法では、可溶化膜蛋白質を予め作製したリポソームと混合し、生理的条件下でインキュベートする。インキュベーションは好ましくはリポソームの遷移温度でまたは遷移温度近くで(例えば25−37℃)実施される。ジオレオイルホスファチジルコリンおよびジオレオイルホスファチジルセリン(約7から約3の比率)並びにオレイン酸の混合物を用いる好ましい実施態様では、混合物は約37℃でインキュベートされる。適当な温度は、本明細書に含まれる開示により当業者は容易に選択できる。好ましくは前記混合物は約30分から少なくとも1時間、好ましくは約1時間インキュベートされる。
【0041】
好ましくは、使用されるリポソームのサイズは、75から150nmの範囲、もっとも好ましくは約100nmである。リポソームは全体的に均一なサイズであることが好ましい。この均一性は当分野で公知の方法によって得ることができる。表1はリポソームサイズの凝固時間に対する影響を示す。比較的小さいリポソームおよび比較的大きいリポソーム(例えば50nmおよび400nm)はより長い凝固時間を示す。この表では、リポソームは3.15nMの蛋白質/75μMのリン脂質混合物から製造され、適当なサイズの膜(Avestin, Inc., Ottawa, Canada)から押し出してそのサイズを作製した。
【0042】
【表1】
Figure 0004612261
【0043】
本発明の方法はさらに、予め作製したリポソームに再構成させた、アッセイに有用な蛋白質を含むアッセイ試薬を製造する方法に関する。例えば、再構成リポソームは、レセプター依存性またはレセプター非依存性ドラッグデリバリー、例えば成長ホルモンのレセプター非依存性ドラッグデリバリーに用いることができる。これらのリポソームはまた、抗体産生のための抗原担体として、遺伝子伝達薬剤として、ウイルス蛋白質を捕捉するためのワクチン製造で、さらに酵素のアイソフォーム(明らかに異なる生理学的機能を有する遊離および膜結合酵素を含む)の研究のためにも用いることができる。リポソームはまた酵素触媒反応(特に生成物が酵素の非常に強力な抑制物質として作用する場合)の研究に用いることができる。
【0044】
好ましい実施態様では、本発明の方法はさらに、予め作製したリポソームに再構成させた組織因子を含む試薬の製造方法に関する。組織因子試薬を製造する本発明の方法は以下の工程を含む:溶液の組織因子を用意し;予め作製したリポソームの溶液を用意し;さらに生理的条件下で前記混合物をインキュベートする。予め作製したリポソームの溶液を提供する工程はさらに、リン脂質の混合物を少なくとも1つのタイプの不飽和脂肪酸の溶液と混合することによってリポソームを形成することを含む。リン脂質の混合物は、好ましくはジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルセリンおよびジオレオイルホスファチジルエタノールアミンから選ばれるリン脂質の混合物を含む。好ましくはリポソームは、ジオレオイルホスファチジルコリンおよびジオレオイルホスファチジルセリンの混合物並びにオレイン酸から形成される。好ましくは、ジオレオイルホスファチジルコリンとジオレオイルホスファチジルセリンは7:3の割合で存在し、さらにオレイン酸は16%(w/w)で存在する。リン脂質溶液/オレイン酸溶液から調製したリポソームを、塩溶液中で可溶化した組織因子の溶液と混合し、37℃でインキュベートする。好ましくは前記混合物を約1時間インキュベートする。
【0045】
所望の場合は、得られた再構成リポソーム溶液を続いて適当な緩衝液で希釈する。有用な緩衝液の一例にはヘペスを基剤とした緩衝液(pH7.4)が含まれる。前記緩衝液は、塩、BSA、塩化カルシウム、デキストラン、グリシンおよび保存料を含む。当業者は容易に適切な緩衝液を決定できる。好ましい緩衝液は生理学的範囲内のpKaを有する。
【0046】
本発明の方法は膜蛋白質(例えば組織因子)を予め作製したリポソームと結合させる方法を提供し、本方法は現時点で用いられている方法よりもより効率的で再現性が高い。本発明はまた、PT値の測定について高い感度および再現性を有するPT試薬に関する。本発明のPT試薬は凝固系の全体的な機能に対して感受性を有する。本発明の方法は、正常血漿サンプルについては境界が明瞭な凝固時間を示し、異常な血漿サンプルの凝固時間を遅らせるPT試薬を提供する。本発明の方法はまた、ロット間変動性が最小限で安定性および光学的透明度が強化されたPT試薬を提供する。
【0047】
本発明のPT試薬は非常に安定である。いったん再構成リポソームが形成されると、それらは溶液中で安定で、特に溶液がリポソームの遷移温度より低い温度で維持される場合は安定である。例えば、リポソームの遷移温度が約37℃である場合、再構成リポソーム溶液は好ましくは約4℃から約25℃で維持される。
【0048】
本発明のPT試薬は、研究室、救急病院処置室および家庭で使用されるいずれのPTアッセイでも用いることができる。これらの試薬を用いることができる装置のタイプは例えば、Medical Laboratory Automation(MLA)の装置で700、800、1000、1400および1600シリーズ、Sysmaxの装置でCA540、CA1000およびCA6000シリーズ、Dade Behringの装置でBFA、BCTおよびBCSシリーズ、Organon Technicaの装置MDA40、Instrumentation Laboratoriesの装置でACL100、ACL1000およびACL3000シリーズ、Boehringer Mannheim/RocheのBM/Stago STAシリーズおよびCoaguteckである。 前記の装置リストは単なる情報を目的とし、これらに限定しようとするものではない。本明細書に記載のものと同様な操作原理を利用する他のいずれの装置も全て本発明の試薬のために用いることができる。好ましくは、本発明のPT試薬は、装置MLA ELECTRA 900C(登録商標)または1000C(登録商標)(Medical Laboratory Automation, Inc., Pleasantville, NY)で実施されるアッセイで用いられる。MLA ELECTRA 900C(登録商標)は、正確で一定した結果を提供する一方で使い易さと広い検査能力のためにデザインされたコンピュータ化凝固システムである。MLA ELECTRA 900C(登録商標)は測光検出を用い、凝固処置および発色アッセイを実施する。サンプルを入れるキュベットは自動的に測光検出装置の前を通過し検査結果を決定する。
【0049】
本発明のPT試薬は、MLA ELECTRA 900C(登録商標)で使用したとき正常な凝固時間を示す。例えば、正常な凍結血漿およびクーマジン(Coumadine)血漿とともに用いたとき、本発明の方法にしたがって製造したPT試薬はそれぞれ12.5秒および39.4秒の凝固時間を示した。Dade BehringのTFの製造ロット(洗剤を用いる方法で製造)を含むコントロール(TFS−62)は、正常な凍結血漿およびクーマジン血漿とともに用いたときそれぞれ12.4秒および40.4秒の凝固時間を示した。
以下の実施例は本発明の説明のために提供され、いかなる態様においても本発明の範囲を制限しようとするものではない。
【0050】
【実施例】
I.脂肪酸が添加されていない予め作製したリポソームへの精製組織因子の再構成
A.組織因子の調製:
大腸菌ペーストに存在するリコンビナント組織因子(rTF)を免疫アフィニティーカラムを通して精製した。免疫アフィニティーカラム(1.6×30cm)(抗rTFモノクローナル抗体を活性化アガロースと共有結合させて調製)を20mMトリス−150mM NaCl−0.5%オクチルグルコシド(pH7.40)で平衡化させた。Q−セファロースの初期精製の後で、15mLのrTF溶液(カラム平衡化緩衝液中に0.66mg/mLの蛋白質を含む)をアフィニティーカラムに装荷した。カラムに吸着した蛋白質を最初0.1M酢酸−150mM NaCl−0.1%オクチルグルコシド(pH4.0)で、続いて0.1および2%オクチルグルコシドを含む0.1M酢酸−150mM NaCl緩衝液(pH3.0)で連続して溶出させた。pH3.0緩衝液で溶出した蛋白質分画を0.5Mトリスの添加によりpH7.30に調節した。これらの分画はそれぞれ2.3mgおよび5.9mgの蛋白質を含んでいた。SDS−PAGEゲルで調べたとき、これら蛋白質含有分画は両方とも同一の蛋白質を含んでいることが判明した。これらの分画を一緒にし、固体のオクチルグルコシドと混合して前記洗剤の2%の最終濃度を得た。アポ蛋白質rTFを含む溶出蛋白質溶液(82%回収)は、SDS−PAGEで調べたとき単一種であることが判明した。蛋白質濃度は吸光係数1.6mgmL-1cm-1を用いて決定した。
2%オクチルグルコシドを含む緩衝液中の透明な蛋白質溶液(0.2mL)を1.0mLの冷アセトンで沈殿させ、沈殿物を0.4mLのトリフルオロエタノールに懸濁させ、40mMヘペス−160mM NaCl(pH7.40)の0.4mLで希釈した。50mMヘペス−0.5M NaCl(pH7.40)、50mMヘペス(pH7.40)(20%DMSO、40%DMSOまたは60%アルコールを含む)を用いてAmicon限外濾過システム(YM−10)で前記蛋白質の洗剤可溶化溶液をダイアフィルトレーションに付したとき、透明な溶液が得られた。
【0051】
B.リポソームの調製:
ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC;66mg;25mg/mLを2.64mL)およびジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS;28.8mg;10mg/mLを2.88mL)のクロロホルム溶液を窒素流の下で蒸発させた。前記リン脂質の乾燥薄膜を2mLのヘキサンに溶解し、有機溶媒を再び窒素流の下で除去した。前記リン脂質の乾燥薄膜を3.16mLの40mMヘペス−160mM NaCl(pH7.40)に懸濁させた。このリン脂質懸濁液をカップホーンで1分間超音波処理し、続いて100nmの膜(Avestin Inc., Ottawa, Canada)から押し出した。この工程によって透明な乳白色懸濁液が得られた。
【0052】
C.再構成:
アポ蛋白質rTFの溶液(20−100μL)を500μLのリン脂質懸濁液と37℃で1時間または4℃で一晩インキュベートした。MLAで検査するために、蛋白質−リン脂質混合物は、40mMヘペス−160mM NaCl−0.2%BSA−0.2%デキストラン−4.5%グリシン−11mM CaCl2(pH7.40)を含む緩衝液で希釈した。
組織因子とともに再構成したリポソームを含む最終混合物をMLA ELECTRA 900C(登録商標)で検査した。
【0053】
II.予め作製した脂肪酸添加リポソームへの精製組織因子の再構成
A.組織因子の調製:
組織因子は上記で述べたように調製した。
【0054】
B.リポソームの調製:
ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC;11mg;20mg/mLを0.55mL)およびジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS;4.8mg;25mg/mLを0.19mL)のクロロホルム溶液を、オレイン酸のクロロホルム溶液(20mg/mL)の0、0.01、0.02、0.04、0.08、0.16、0.32または0.64mLとそれぞれ混合した。
0から44.7%のオレイン酸(w/w)を含むリン脂質混合物を窒素流の下で蒸発させた。前記リン脂質混合物の乾燥薄膜を0.1mLのヘキサンに溶解し、有機溶媒を再び窒素流の下で除去した。
リン脂質混合物の乾燥薄膜を0.526mLの40mMヘペス−160mM NaCl(pH7.40)に懸濁させた。このリン脂質懸濁液をカップホーンで1分間超音波処理し、続いて100nmの膜(Avestin Inc., Ottawa, Canada)から押し出した。この工程によって透明な乳白色懸濁液が得られた。
【0055】
C.再構成:
50mMヘペス−0.5M NaCl(pH7.40)中のアポ蛋白質rTFの溶液(7.5μL;0.69mg/mL)を各々100μLのリン脂質懸濁液と37℃で2時間保温した。MLA900で検査するために、蛋白質−リン脂質混合物は、40mMヘペス−160mM NaCl−0.2%BSA−0.2%デキストラン−4.5%グリシン−11mM CaCl2(pH7.40)を含む緩衝液で希釈した。
組織因子とともに再構成したリポソームを含む最終混合物をMLA ELECTRA 900C(登録商標)で検査した。
組織因子とともに再構成したリポソームを含む最終混合物をMLA ELECTRA 900C(登録商標)で検査した場合、この溶液は、正常な凍結血漿およびクーマジン血漿を使用したときそれぞれ12.5秒および39.4秒の凝固時間を示した。この実験の場合、リポソームはDOPC、DOPSおよびオレイン酸をそれぞれ58、25および17%(w/w)含んでいた。同一の条件下で、コントロール(TFS−625:洗剤法によって調製したTFの製造ロット)はそれぞれ12.4秒および40.4秒の凝固時間を示した。
【0056】
III.結果
A.可溶化剤としてのNaCl:
最良の凝固時間は組織因子の可溶化にNaClを用いて達成された。表2は、組織因子をDMSO、TEFまたはアルコール中で可溶化したとき凝固時間はより長いことを示している。このデータは、有機溶媒は可溶化剤としてNaClより有用でないことを示している。
【0057】
【表2】
Figure 0004612261
【0058】
a 同じ容積のリコンビナント蛋白質溶液を適当な緩衝液と交換して得られた溶液の吸収から決定。
b Dade Behringの市販品
c リン脂質と4℃でインキュベートした50mMヘペス−0.5M NaCl(pH7.40)中の蛋白質溶液
d リン脂質と37℃でインキュベートした50mMヘペス−0.5M NaCl(pH7.40)中の蛋白質溶液
e 適当な容積の有機溶媒をヘペスおよびNaClを含む水性緩衝液混合物に添加し、それによって最終緩衝液濃度を50mMヘペス−150mM NaCl(pH7.40)にした。この混合緩衝液を用いて蛋白質の洗剤溶液と交換した。続いて透明な蛋白質溶液を40mMヘペス−160mM NaCl(pH7.40)中のリポソーム乳濁液とインキュベートした。
f 装置の限界より大きい凝固時間
【0059】
B.オレイン酸の割合:
表3aおよび表3bは、もっとも短い凝固時間は使用リン脂質が7:3の割合のDOPCおよびDOPSで、オレイン酸が約16から30重量パーセントを含む範囲で存在するときに得られることを示している。この試薬および装置のセットを用いて正常患者サンプルに対する凝固時間は13−17秒の間であることが判明した。
【0060】
【表3】
Figure 0004612261
【0061】
C.凝固時間に対するリポソームの添加物の影響:
実験は蛋白質の量の増加は凝固時間を増加させないことを示した。表4は、再構成蛋白質量が2倍または4倍になったときでさえ、凝固時間は顕著には変化しないことを示している。
表4はまた、添加物、例えばコレステロールおよびパルミチン酸は凝固時間を増加させることを示している。
【0062】
【表4】
Figure 0004612261
【0063】
表5および6は、他のリン脂質および他のタイプの脂肪酸の添加は凝固時間を増加させることを示している。
【表5】
Figure 0004612261
【0064】
【表6】
Figure 0004612261
【0065】
本明細書で引用した全ての参考文献は完全な形で本明細書に含まれる。
本発明は、その好ましい実施態様を個々に参照しながら説明してきたが、本発明の開示を斟酌して本発明の範囲内の改変および改良を当業者は容易に実施できることは理解されよう。

Claims (22)

  1. 以下の工程:
    a) 溶液中に膜蛋白質を用意し;
    b) 予め作製されたリポソームの溶液を用意し、ここでこのリポソームは、リン脂質混合物を少なくとも1つのタイプの不飽和脂肪酸の溶液と混合することによって形成されたものであり;そして
    c) この混合物をインキュベートする、からなる、その中に膜蛋白質が取り込まれているリポソームの製造方法。
  2. 脂肪酸が16から20の炭素原子を有する不飽和脂肪酸を含む請求項1に記載の方法。
  3. 脂肪酸がオレイン酸を含む請求項2に記載の方法。
  4. 溶液の膜蛋白質を用意する工程がさらに塩溶液中で膜蛋白質を可溶化することを含む請求項1に記載の方法。
  5. リン脂質混合物がジオレオイルホスファチジルコリンおよびジオレオイルホスファチジルセリンを含む請求項1に記載の方法。
  6. ジオレオイルホスファチジルコリンおよびジオレオイルホスファチジルセリンが4:1の比率で存在する請求項5に記載の方法。
  7. ジオレオイルホスファチジルコリンおよびジオレオイルホスファチジルセリンが7:3の比率で存在する請求項5に記載の方法。
  8. リン脂質が合成物である請求項1に記載の方法。
  9. 混合物が約25℃から約45℃でインキュベートされる請求項1に記載の方法。
  10. オレイン酸が約15から約30重量パーセントの範囲の量で存在する請求項3に記載の方法。
  11. オレイン酸が約16重量パーセントの量で存在する請求項10に記載の方法。
  12. 以下の工程:
    a) 溶液の組織因子を用意し;
    b) 予め作製したリポソームの溶液を用意し、ここでこのリポソームは、リン脂質混合物を少なくとも1つのタイプの不飽和脂肪酸の溶液と混合することによって形成されたものであり;そして
    c) この混合物をインキュベートする、からなる、組織因子試薬を製造する方法。
  13. 脂肪酸が16から20の炭素原子を有する不飽和脂肪酸を含む請求項12に記載の方法。
  14. 脂肪酸がオレイン酸を含む請求項13に記載の方法。
  15. 溶液の膜蛋白質を用意する工程がさらに塩溶液中で膜蛋白質を可溶化することを含む請求項12に記載の方法。
  16. リン脂質混合物がジオレオイルホスファチジルコリンおよびジオレオイルホスファチジルセリンを含む請求項12に記載の方法。
  17. ジオレオイルホスファチジルコリンおよびジオレオイルホスファチジルセリンが4:1の比率で存在する請求項16に記載の方法。
  18. ジオレオイルホスファチジルコリンおよびジオレオイルホスファチジルセリンが7:3の比率で存在する請求項16に記載の方法。
  19. リン脂質が合成物である請求項12に記載の方法。
  20. 混合物が約25℃から約45℃でインキュベートされる請求項12に記載の方法。
  21. オレイン酸が約15から約30重量パーセントの範囲の量で存在する請求項14に記載の方法。
  22. オレイン酸が約16重量パーセントの量で存在する請求項21に記載の方法。
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