JP4610918B2 - ピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、各種の表示装置に好適な自発光素子である有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に適した化合物に関するものであリ、詳しくは複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾ−ル環構造を有する化合物に関するものである。
有機EL素子は自己発光性素子であるため、液晶素子にくらべて明るく視認性に優れ、鮮明な表示が可能であるため、活発な研究がなされてきた。
1987年にイーストマン・コダック社のC.W.Tangらは各種の役割を各材料に分担した積層構造素子を開発することにより有機材料を用いた有機EL素子を実用的なものにした。彼らは電子を輸送することのできる蛍光体と正孔を輸送することのできる有機物とを積層し、両方の電荷を蛍光体の層の中に注入して発光させることにより、10V以下の電圧で1000cd/m2以上の高輝度が得られるようになった(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開平8−48656号公報 特許第3194657号公報
現在まで、有機EL素子の実用化のために多くの改良がなされ、各種の役割をさらに細分化して、基板上に順次に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極を設けた電界発光素子によって高効率と耐久性が達成されている(例えば、非特許文献1参照)。
[非特許文献1]応用物理学会第9回講習会予稿集55〜61ペ−ジ(2001)
また発光効率の更なる向上を目的として三重項励起子の利用が試みられ、燐光発光体の利用が検討されている(例えば、非特許文献2参照)。
[非特許文献2]応用物理学会第9回講習会予稿集23〜31ペ−ジ(2001)
発光層は、一般的にホスト材料と称される電荷輸送性の化合物に、蛍光体や燐光発光体をド−プして作製することもできる。上記の講習会予稿集に記載されているように、有機EL素子における有機材料の選択は、その素子の効率や耐久性など諸特性に大きな影響を与える。
有機EL素子においては、両電極から注入された電荷が発光層で再結合して発光が得られるが、電子の移動速度より正孔の移動速度が速いため、正孔の一部が発光層を通り抜けてしまうことによる効率低下が問題となる。そのため電子の移動速度の速い電子輸送材料が求められている。
代表的な発光材料であるトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(以後、Alqと略称する)は、電子輸送材料としても一般的に用いられるが、電子の移動速度は遅いと言われている。そのために、移動速度の速い材料として、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(以後、PBDと略称する)などが提案された(例えば、非特許文献3参照)。
Jpn.J.Appl.Phys.,27,L269(1988)
しかし、PBDは結晶化を起こしやすいなど、薄膜状態における安定性に乏しいことが指摘され、種々のオキサジアゾール誘導体が提案されている(例えば、特許文献3、4、5参照)。
特許第2721442号公報 特許第3316236号公報 特許第3486994号公報
これらの電子輸送材料においては、PBDと比較した安定性は改善されたがまだ充分であるとは言えず、正孔の移動速度との均衡という観点では電子の移動速度がまだ不十分であった。そのため、安定性の良好なAlqが電子輸送材料をして用いられることが多かったが、満足できる素子特性が得られていなかった。
また正孔の一部が発光層を通り抜けてしまうことを防ぎ、発光層での電荷再結合の確率を向上させる方策には、正孔阻止層を挿入する方法がある。正孔阻止材料としてはこれまでに、トリアゾール誘導体(例えば、特許文献6参照)やバソクプロイン(以後、BCPと略称する)、アルミニウムの混合配位子錯体(BAlq)(例えば、非特許文献2参照)などが提案されている。
特許第2734341号公報
しかし、いずれの材料も膜の安定性が不足していたり、もしくは正孔を阻止する機能が不十分である。現在一般的に用いられている正孔阻止材料はBCPであるが、充分に安定な材料とは言えないため、正孔阻止層として十分に機能しているとは言えず、満足できる素子特性が得られていなかった。
有機EL素子の素子特性を改善させるために、電子輸送性能と正孔阻止能力に優れ、薄膜状態での安定性が高い有機化合物が求められている。
本発明の目的は、高効率、高耐久性の有機EL素子用の材料として、電子輸送性能に優れ、正孔阻止能力を有し、薄膜状態での安定性が高い優れた特性を有する有機化合物を提供することにある。このような有機化合物の物理的な特性としては、(1)電子の移動速度が速いこと、(2)正孔阻止能力に優れること、(3)薄膜状態が安定であること、を挙げることができる。
そこで本発明者らは上記の目的を達成するために、電子親和性であるピリジン環の窒素原子が金属に配位する能力を有していることに着目して、複数の連結したピリジン環をオキサジアゾール環に連結した新規な有機化合物を設計して化学合成し、種々の有機EL素子を試作し、素子の特性評価を鋭意行なった結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1)で表される複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する化合物である。
〔式中、Arは無置換もしくは置換された芳香族炭化水素基、無置換もしくは置換された芳香族複素環基または無置換もしくは置換された縮合多環芳香族基を表し、R1、R2、R3、R4、R5は、それらのうちの1つが結合基であり、他はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基を表し、R6、R7、R8、R9、R10は、それらのうちの2つが結合基であり、他はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基を表し、mは1〜3の整数を表し、nは1〜4の整数を表す。〕
また本発明は、一般式(1)で表される複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子用化合物である。
一般式(1)中の基Arである、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、縮合多環芳香族基としては具体的に次のような基を挙げることができる。フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニル基、テトラキスフェニル基、スチリル基、ナフチル基、アントリル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ピリジル基、ピリミジル基、フラニル基、ピロニル基、チオフェニル基、キノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基。
またこれらの基Arの環に対する置換基としては具体的に次のような例を挙げることができる。フッ素原子、塩素原子、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アラルキル基。
一般式(1)中の連結したピリジル基としては、具体的にジピリジル基、ターピリジル基を挙げることができる。
本発明の複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する有機化合物は、従来の電子輸送材料より電子の移動が速く、優れた正孔の阻止能力を有し、かつ薄膜状態が安定である。この結果、高効率、高耐久性の有機EL素子が実現できることが明らかである。
本発明は、有機EL素子の電子輸送層、正孔阻止層、あるいは発光層の構成材料として有用な、複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する有機化合物であり、本発明の材料を用いることにより、従来の有機EL素子の発光効率と耐久性を格段に改良することができる。
本発明の複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する有機化合物は、新規な化合物であり、これは例えば、6−(2H−テトラゾール−5−イル)−2,2’−ビピリジンや相当するターピリジンを種々のクロロホルメートと縮合することによって合成することができる。
これらの化合物の精製はカラム精製、溶媒による再結晶や晶析法により行った。化合物の構造同定は、水素のNMR分析により行なった。物性値として、DSC測定(Tg)と融点の測定を行った。融点は蒸着性の指標となるものであり、ガラス転移点(Tg)は薄膜状態の安定性の指標となるものである。
融点とガラス転移点は、粉体を用いて、セイコーインスツルメンツ製の示差走査熱量測定装置DSC6200型を用いて測定した。
また仕事関数は、ITO基板の上に100nmの薄膜を作製して、理研計器製の大気中光電子分光装置AC2型を用いて測定した。仕事関数は正孔阻止能力の指標となるものである。
本発明の複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾ−ル環構造を有する有機化合物の電子移動の速さは、実際の有機EL素子の素子特性を比較して演繹した。
本発明の化合物に適した有機EL素子の構造としては、基板上に順次に、陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極からなるもの、また、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、陰極からなるものが挙げられる。これらの多層構造においては有機層を何層か省略することも可能である。
有機EL素子の陽極としては、ITOや金のような仕事関数の大きな電極材料が用いられる。正孔注入層としては銅フタロシアニン(以後、CuPcと略称する)のほか、スターバースト型のトリフェニルアミン誘導体などの材料を用いることができる。正孔輸送層にはベンジジン誘導体であるN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)−ベンジジン(以後、TPDと略称する)やN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(α−ナフチル)−ベンジジン(以後、NPDと略称する)、種々のトリフェニルアミン4量体などを用いることができる。また、正孔の注入・輸送層として、PEDOT/PSSなどの塗布型の高分子材料を用いることができる。
有機EL素子の発光層、正孔阻止層、電子輸送層としては複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する有機化合物のほか、アルミニウムの錯体、スチリル誘導体、オキサゾール誘導体、カルバゾ−ル誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体などを用いることができる。あるいはキナクリドン、クマリン、ルブレンなどの蛍光体、或いはフェニルピリジンのイリジウム錯体などの燐光発光体であるドーパントを用いることができる。
有機EL素子の電子注入層としてはフッ化リチウムなどを用いることができる。陰極としては、アルミニウムマグネシウム電極のような、アルミニウムとマグネシウムや銀の合金のような仕事関数の低い電極材料が用いられる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[合成例1]6−(2H−テトラゾール−5−イル)−2,2’−ビピリジンの合成
DMF50mlに6−シアノ−2,2’−ビピリジン10.0gとアジ化ナトリウム5.4g、塩化アンモニウム4.4gを加え、100℃にて6時間攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液を20%塩酸水溶液500ml中に注ぎ、析出した白色固体を吸引ろ過により取り出し水洗した。80℃で20時間真空乾燥して、11.6gの白色粉体を得た。
[合成例2]1,3−ビス〔2−(2,2’−ビピリジン−6イル)−1,3,4−オキサジアゾール−5−イル〕ベンゼン(以後BpyOXDmと略称する)の合成
[合成例1]で合成した、テトラゾイルビピリジンである中間体0.63gを脱水ピリジン10mlに溶解させ、二塩化イソフタロイル0.29gをゆっくりと加えた。115℃に加温して6時間還流攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液を水中に注ぎ、析出した白色固体を吸引ろ過により取り出し、水洗した。80℃で20時間真空乾燥して、得られた固形物をカラムクロマトにより精製(担体:シリカゲル、溶離液:クロロホルム/メタノ−ル=20/1)して、1,3−ビス〔2−(2,2’−ビピリジン−6イル)−1,3,4−オキサジアゾール−5−イル〕ベンゼン、0.62g(収率81%)を得た。
得られた粉体についてNMRを使用して構造を同定した。1H−NMR測定結果を[図1]に示した。
1H−NMR(CDCl3)で以下の18個の水素のシグナルを検出して構造を同定した。δ(ppm)=9.071(s,1H),8.639−8.714(m,6H),8.325−8.477(m,4H),8.037(t,2H),7.756−7.854(m,3H),7.330(t,2H)。
[合成例3]1,4−ビス〔2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−5−イル〕ベンゼン(以後、BpyOXDpと略称する)の合成
[合成例1]で合成した、テトラゾイルビピリジンである中間体0.67gを脱水ピリジン10mlに溶解させ、二塩化テレフタロイル0.32gを加えた。110℃に加温して5時間還流攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液を水中に注ぎ、析出した白色固体を吸引ろ過により取り出し、水洗した。80℃で20時間真空乾燥して、白色の粗製物を得た。カラムクロマトグラフにより精製して、0.58g(収率74%)の目的物を得た。
得られた粉体についてNMRを使用して構造を同定した。1H−NMR測定結果を[図2]に示した。
1H−NMR(CDCl3)で以下の18個の水素のシグナルを検出して構造を同定した。δ(ppm)=8.736(s,2H),8.640(d,4H),8.463(s,3H),8.260−8.384(m,4HH),8.060(t,2H),7.932(s,2H),7.380(d,1H)。
[合成例4]2,6−ビス〔2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−5−イル〕ピリジン(以後、BpyOXDmPyと略称する)の合成
[合成例1]で合成した、テトラゾイルビピリジンである中間体0.50gを脱水ピリジン10mlに溶解させ、2,6−ピリジンジカルボニルジクロライド0.26gを加えた。110℃に加温して9時間還流攪拌を行った。室温まで冷却後、反応溶液を水中に注ぎ、析出した白色固体を吸引ろ過により取り出し、水洗した。80℃で20時間真空乾燥して、白色の粗製物を得た。カラムクロマトグラフにより精製して、0.12g(収率24%)の目的物を得た。
得られた粉体についてNMRを使用して構造を同定した。1H−NMR測定結果を[図3]に示した。
1H−NMR(CDCl3)で以下の17個の水素のシグナルを検出して構造を同定した。
δ(ppm)=8.005−8.648(m,13H),7.667(t,2H),7.256(d,2H)。
本発明の化合物について、示差走査熱量測定装置(セイコ−インスツルメンツ製、DSC6200型DSC)によって融点とガラス転移点を求めた。
融点 ガラス転移点
本発明実施例2の化合物 243℃ 106℃
本発明実施例3の化合物 271℃ 観察されず
本発明実施例4の化合物 253℃ 114℃
本発明の化合物でガラス転移点を示すものは、100℃以上の値を示し、薄膜状態が安定であると演繹できる。
本発明の化合物を用いて、ITO基板の上に膜厚100nmの蒸着膜を作製して、大気中光電子分光装置(理研計器製、AC2型)で仕事関数を測定した。実施例2、3、4の化合物はすべて測定装置の計測限界の6.8eVを越えた値であった。
このように本発明の化合物は正孔輸送材料より明らかに深い仕事関数を有しており、大きな正孔阻止能力を有していると演繹できる。
有機EL素子は、[図4]に示すように、ガラス基板1上に透明陽極2としてITO電極をあらかじめ形成したものの上に、正孔輸送層3、発光層4、電子輸送層5、陰極(アルミニウムマグネシウム電極)6の順に蒸着して作製した。
膜厚150nmのITOを成膜したガラス基板1を有機溶媒洗浄後に、酸素プラズマ処理にて表面を洗浄した。これを、真空蒸着機内に取り付け0.001Pa以下まで減圧した。
続いて、正孔輸送層3として、TPDを蒸着速度6nm/minで約50nm形成した。次に、発光層4としてAlqを蒸着速度6nm/minで約20nm形成した。この発光層4の上に、電子輸送層5として本発明の実施例1の化合物であるBpyOXDmを蒸着速度6nm/minで約30nm形成した。ここまでの蒸着をいずれも真空を破らずに連続して行なった。最後に、陰極蒸着用のマスクを挿入して、MgAgの合金を10:1の比率で約200nm蒸着して陰極6を形成した。作成した素子は、真空デシケ−タ−中に保存し、大気中、常温で特性測定を行なった。
このように形成された本発明の有機EL素子の特性を100cd/m2の発光が得られる印加電圧、200mA/cm2の電流を負荷した場合の発光輝度、発光輝度/電圧で定義される発光効率で評価した。
有機EL素子に直流電圧を印加した結果、3.7Vから100cd/m2の発光が見られ、7.8Vでは200mA/cm2の電流が流れ、11900cd/m2の安定な緑色発光を得た。この輝度での発光効率は6.0cd/Aと高効率であった。
[図1]の素子において、電子輸送層5の材料を実施例7で用いたBpyOXDmから同じく本発明の実施例4の化合物であるBpyOXDmPyに代えて、実施例5と同じ条件で有機EL素子を作製してその特性を調べた。4.0Vから100cd/m2の発光が見られ、8.5Vでは200mA/cm2の電流が流れ、11500cd/m2の安定な緑色発光を得た。この輝度での発光効率は5.8cd/Aと高効率であった。
[比較例]
比較のために、電子輸送層5の材料をAlqに代えて、実施例5と同じ条件で有機EL素子を作製してその特性を調べた。すなわち発光層兼電子輸送層3及び4としてAlq3を蒸着速度6nm/minで約50nm形成した。7.2Vから100cd/m2の発光が見られ、13.3Vでは200mA/cm2の電流が流れ、9600cd/m2の緑色発光を得た。この輝度での発光効率は4.6cd/Aであった。
これらの結果から明らかなように、本発明の複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾ−ル環構造を有する化合物を用いた有機EL素子は、一般的な電子輸送材料として用いられているAlqを用いた素子と比較して、発光効率に優れており、さらに駆動電圧の顕著な低下が達成できるため、耐久性に優れていることがわかった。
上記に比較試験において、明らかな駆動電圧の低下が認められることから、本発明の複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾ−ル環構造を有する有機化合物の電子移動の速度は、従来からの電子輸送材料であるAlqより各段に速いと演繹できる。
本発明の複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾ−ル環構造を有する化合物は、電子の移動速度が速く、薄膜状態が安定であるため、有機EL素子用の化合物として優れている。本発明の化合物を用いて有機EL素子を作製することにより、発光効率と耐久性を格段に改良することができる。例えば、家庭電化製品や照明の用途への展開が可能となった。
BpyOXDmの1H−NMRチャート図である。 BpyOXDpの1H−NMRチャート図である。 BpyOXDmPyの1H−NMRチャート図である。 実施例7のEL素子構成を示した図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 透明陽極
3 正孔輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 陰極


Claims (6)

  1. 一般式(1)で表される複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する化合物。
    〔式中、Arは無置換もしくは置換された芳香族炭化水素基、無置換もしくは置換された芳香族複素環基または無置換もしくは置換された縮合多環芳香族基を表し、R1、R2、R3、R4、R5は、それらのうちの1つが結合基であり、他はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基を表し、R6、R7、R8、R9、R10は、それらのうちの2つが結合基であり、他はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基を表し、mは1〜3の整数を表し、nは1〜4の整数を表す。〕
  2. 一般式(1)中におけるn=1であり、複数の連結したピリジル基がジピリジル基である請求項1記載のピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する化合物。
  3. 一般式(1)中におけるn=2であり、複数の連結したピリジル基がターピリジル基である請求項1記載のピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する化合物。
  4. 一般式(1)で表される複数の連結したピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子用化合物。
    〔式中、Arは無置換もしくは置換された芳香族炭化水素基、無置換もしくは置換された芳香族複素環基または無置換もしくは置換された縮合多環芳香族基を表し、R1、R2、R3、R4、R5は、それらのうちの1つが結合基であり、他はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基を表し、R6、R7、R8、R9、R10は、それらのうちの2つが結合基であり、他はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シアノ基、アルキル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基を表し、mは1〜3の整数を表し、nは1〜4の整数を表す。〕
  5. 一般式(1)中におけるn=1であり、複数の連結したピリジル基がジピリジル基である請求項4記載のピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子用化合物。
  6. 一般式(1)中におけるn=2であり、複数の連結したピリジル基がターピリジル基である請求項4記載のピリジル基で置換されたオキサジアゾール環構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子用化合物。
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