JP4610101B2 - 電気掃除機用集塵紙袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気掃除機用集塵紙袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電気掃除機で吸引された塵埃を捕えることができる集塵紙袋としては種々の形状を有するものが開発されている。このような集塵紙袋は、開口部を有しており濾材を袋状に形成してなる集塵紙袋本体と、該開口部に設けられており集塵を導入する導入口を有する支持体と、該導入口の周囲に設けられるシールパッキンとを通常有している。
【0003】
そして、上記のシールパッキンは、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂等のプラスチック材料から形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電気掃除機用集塵紙袋は、プラスチック材料から形成されたシールパッキンを有するため、使用後に廃棄する場合には、分別収集しなければならず手間がかかっていた。また、上記従来の電気掃除機用集塵紙袋は、プラスチック材料から形成されたシールパッキンを有するため、廃棄物として処理する際の環境に対する負荷が大きかった。
【0005】
また、従来の電気掃除機用集塵紙袋は、これを電気掃除機に取り付ける際等に、シールパッキンにこれを構成するプラスチック材料の弾性限界を超える過度の力がかかってしまうと、シールパッキンの一部又は全部が変形したままもとの形状に復元しない状態となってしまう場合があった。その結果、シールパッキンと電気掃除機の電気掃除機用集塵紙袋の取付部との間に隙間が生じて、電気掃除機の作動中等にこの隙間からゴミが漏れてしまう不具合が発生する場合があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、電気掃除機に取り付けたときの密着性が高く、分別収集することなく容易に廃棄することができ、廃棄後の環境に対する負荷が小さい電気掃除機用集塵紙袋を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、生分解性プラスチックから形成したシールパッキンを用いることにより、電気掃除機に取り付けたときの密着性を十分に保持しつつ、廃棄処理する際の環境に対する負荷を低減できることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明の電気掃除機用集塵紙袋は、開口部を有しており濾材を袋状に形成してなる集塵紙袋本体と、開口部に設けられており集塵を導入する導入口を有する支持体と、導入口の周囲に設けられるシールパッキンとを有する電気掃除機用集塵紙袋であって、シールパッキンが、生分解性樹脂を主成分とするプラスチック材料から形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の電気掃除機用集塵紙袋は、シールパッキンが生分解性樹脂を主成分とするプラスチック材料から形成されているので、分別収集することなく容易に廃棄することができ、廃棄処理する際の環境に対する負荷を十分に低減することができる。また、本発明の電気掃除機用集塵紙袋は、シールパッキンの構成材料となるプラスチック材料の構成成分の組み合わせとその組成比、シールパッキンの厚みを調節することにより、シールパッキンの弾性を調節できるので、電気掃除機に取り付けたときの密着性を従来よりも容易に向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
図1は、本発明の電気掃除機用集塵紙袋の好適な一実施形態を示す斜視図である。図1に示すように、電気掃除機用集塵紙袋100は、主として、開口部(図示せず)を有しており濾材を袋状に形成してなる集塵紙袋本体1と、集塵紙袋本体1の開口部に設けられており集塵を導入する導入口3を有する支持体2と、導入口3の周囲に設けられるシールパッキン8とから構成されている。
【0012】
集塵紙袋本体1は、集塵された塵埃を収集し、更に、例えば、ダニなどの害虫も捕獲するためのものである。そして、集塵紙袋本体1は、使用前には折りたたまれているが、その内部に電気掃除機により収集されたゴミ等が搬送されてくるにつれて徐々に折り目を伸ばしてひろがる仕組みを有している。集塵紙袋本体1の構成材料としては、例えば、パルプ、天然または合成繊維、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維、天然樹脂または合成樹脂、ゴム、金属等の材料を紙、フィルム、織布、不織布、シート、プレート、ピースまたは棒状体などの素材に加工した濾材を単独または積層したものが用いられる。また、その形状は袋状であればよく、たとえば蛇腹状、角筒状、円筒状など種々の形状のものを用いることができる。
【0013】
集塵紙袋本体1には、捕獲されたダニ、ゴキブリ、シラミ、ノミ、アリなどの害虫を防除するための活性物質を付着させてもよく、また該集塵紙袋本体1内に活性物質を固定化したマットまたはシートを設けてもよい。このような活性物質としては、殺ダニ剤、殺菌剤、防黴剤、殺虫剤、忌避剤及び/又は抗菌剤が挙げられる。
【0014】
殺ダニ剤および殺虫剤としては、例えば、ピレトリン、ジョチュウギクエキス、アレスリン、d‐アレスリン、ペルメトリン、フェノトリン、レスメトリン、d‐レスメトリン、フタルスリン、フラメトリン、ベーパースリン、シフェノトリンなどのプレスロイド系化合物;フェニトロチオン、ダイアジノン、フェンチオン、カルクロホス、シアホス、ジクロルボス、テメホス、ナレド、トリクロルホン、フェンクロホス、マラチオン、ピリダフェンチオンなどの有機リン系化合物;カーバリール、プロポクサー、ジメチランなどのカーバメート系化合物などをあげることができ、これらを単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0015】
また殺菌剤としてはp‐クロロメタクレゾール、p‐クロロ‐m‐キシレノール、o‐フェニルフェノール、α‐ブロムシンナムアルデヒド、2,4,4′‐トリクロロ‐2′‐ハイドロオキシジフェニルエーテル、N‐(フルオロジクロロメチルチオ)‐フタルイミド、N,N‐ジメチル‐N′‐フェニル‐(N‐フルオロジクロロメチルチオ)‐スルファミド、2‐(4‐チアゾリル)ベンズイミダゾール、クロルヘキシジン、第4級アンモニウム塩、8‐オキシキノリン銅、2‐ピリジンチオール‐1‐オキサイド塩などをあげることができ、これらを単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。また忌避剤としてはN,N‐ジメチル‐m‐トルアミド、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、2‐エチル‐ヘキサン‐1,3‐ジオールなどがあげられ、これらを単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。更に、これら活性物質には必要に応じて共力剤、安定剤、香料、消臭剤、防錆剤、保留剤などを添加してもよい。
【0016】
また、前述の活性物質を集塵紙袋本体1に固定化する方法としては、例えば、活性物質を直接または間接的に集塵紙袋本体1に含浸、練込、塗布または印刷するなどの種々の方法が挙げられる。更に、前述の活性物質の集塵紙袋本体1への処理量は、該集塵紙袋本体1の材質、形態または活性物質の種類などにより適宜調節する。また、集塵紙袋本体1の内面および外面の両面に前述の活性物質を固定化した場合、その固定化された活性物質の有する性能が高められるので好ましい。また、前述の活性物質を固定化せしめた集塵紙袋本体1の表面に集塵紙袋本体1の通気性を阻害しない蒸散抑制シートをラミネートして長期間活性物質の効力が持続するようにしてもよい。更に、集塵紙袋本体1の中に、前述の活性物質を固定化させたマットまたはシートなどを貼付、または挿入するなどの手段によって設けてもよい。
【0017】
また、後述する支持体2と、集塵紙袋本体1の開口部との接着方法は両者を固定化することができればよく特に限定されない。例えば、接着剤を用いて接着する場合には、その接着剤の成分の一例としては、フェノール系樹脂、レゾルシノール系樹脂、尿素系樹脂、エチレン‐尿素系樹脂、フェノール‐レゾルシノール系樹脂、α‐オレフィン系メラミン樹脂、エポキシ不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリジアリルフタレートなどの熱硬化性樹脂またはこれらの共縮合体;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルシアノアクリレート、ポリα‐シアノアクリレート、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂;天然ゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ポリクロロプレンなどのゴム;尿素樹脂‐酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂‐酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂‐ニトリルゴム、メラミン樹脂‐アルキッド樹脂、エポキシ樹脂‐ナイロンなどの複合材料;デンプン類、にかわ、カゼイン、セラック、ロジン、うるしなどの天然高分子化合物;セルロース誘導体などの半合成高分子化合物等が挙げられる。
【0018】
支持体2は、集塵紙袋本体1の開口部に設けられている。そしてこの支持体2には、電気掃除機から搬送されてくる集塵を集塵紙袋本体1内に導入するための導入口3が形成されている。
【0019】
支持体2の構成材料としては、例えば、パルプ、天然または合成繊維、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維、天然樹脂または合成樹脂、ゴム、金属等の材料を紙、フィルム、織布、不織布、シートまたはプレート等の素材に加工し、これら素材を単独または積層したものが用いられる。また、支持体2の形状は、特に限定されるものではなく、電気掃除機の集塵部に適用しうる形状であればいかなる形状のものであってもよい。例えば、図1に示すような矩形であってもよく、円形、多角形等であってもよい。
【0020】
導入口3は支持体2に形成されていればよく、その形成位置は任意である。また、導入口3の形状は、特に限定されるものではなく、電気掃除機の集塵部に適用しうる形状であれば、いかなる形状のものであってもよい。例えば、図1に示すような円形であってもよく、矩形、多角形等であってもよい。更に、導入口3の大きさは、使用する電気掃除機の集塵部の吸込口の大きさによって適宜決定される。例えば、電気掃除機用集塵紙袋100を種々の電気掃除機に適合させるために、導入口3の縁部に同心円状に複数の弱め線を予め設けておいてもよい。このようにすれば、切断する弱め線を選択することにより形成する導入口3の大きさを、使用する電気掃除機の集塵部の吸込口の大きさによって調節できるようになる。
【0021】
図1に示す支持体2には、鍔部4と、取付孔形成用弱め線52と、切り欠き形成用弱め線62とが形成されている。ここで、本発明において「弱め線」とは、支持体2に直線状又はミシン目状の切れ目加工等を施して形成された手段であり、これにより刃物を用いなくても容易に支持体2を部分的に切り離すことができるものを示す。なお、直線状の切れ目加工とは支持体2に僅かの厚みを残して直線状の溝が連続的に施されるものであり、ミシン目状の切れ目加工とは支持体2にスリット又は溝が所定の間隔をおいて連続的に形成されるものである。
【0022】
上記の取付孔形成用弱め線52と切り欠き形成用弱め線62の部分を完全に切り離すことにより、図2に示すように、取付孔5と切り欠き6とが支持体2にそれぞれ形成される。通常、電気掃除機の集塵部には集塵紙袋を取り付けるための凹部や凸部等が形成されており、支持体2の鍔部4、取付孔5及び切り欠き6は上記の凹部や凸部等にはめ込んだり噛み合わせる等して電気掃除機用集塵紙袋100を電気掃除機の集塵部に装着させて固定するためのものである。
【0023】
なお、支持体2には、前述の取付孔形成用弱め線52や切り欠き形成用弱め線62を設けずに、取付孔5や切り欠き6を予め形成しておいてもよい。
【0024】
図1及び図2に示すシールパッキン8は導入口3の周囲に形成されている。シールパッキン8は、電気掃除機用集塵紙袋100を電気掃除機の集塵部に装着した際に、電気掃除機用集塵紙袋100と電気掃除機の集塵部とを密着させ、電気掃除機により収集されたゴミが電気掃除機用集塵紙袋100の外に漏れてしまうことを防止するためのものである。
【0025】
このシールパッキン8は、生分解性樹脂を主成分とするプラスチック材料から形成されている。このため、電気掃除機用集塵紙袋100は、分別収集することなく容易に廃棄することができ、廃棄後の環境に対する負荷が従来の電気掃除機用集塵紙袋と比較して小さい。そして、シールパッキン8は、電気掃除機の集塵部との密着性を良好なものとするために優れた可とう性を有している。
【0026】
ここで、本発明において、「生分解性樹脂」とは、地中に廃棄された場合、地中の微生物等の生物により最終的に二酸化炭素と水に分解される樹脂を示す。本発明の電気掃除機用集塵紙袋に備えるシールパッキンの構成材料となるプラスチック材料に含まれる生分解性樹脂は、上記の生分解性樹脂であれば特に限定されないが、例えば、天然でん粉樹脂、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエステルアミド、ポリグリコール酸、生分解性コーポリエステル、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸(PLA)等が挙げられる。また、上記のような生分解性樹脂を構成材料として含有し、本発明のシールパッキンとして使用可能なシール材の商品名としては、オリカ社製の「エコーン」、カーギルジャパン社製の「エコプロ」、昭和高分子社製の「ビオノール」、BASF社製の「エコフレックス」等が挙げられる。
【0027】
シールパッキンが、圧縮距離の範囲を3.0mm以下とした場合の圧縮抵抗力−ひずみ曲線上において実質的に降伏点を有しない弾性変形体であることが好ましい。更に、この場合、シールパッキン8は、その厚さが0.1〜3.0mmであることが好ましい。
【0028】
このような特性を有するシールパッキン8は優れた復元力を有する。そのため、電気掃除機用集塵紙袋100を電気掃除機に取り付ける際等に、シールパッキン8に大きな力がかかってしまう場合があっても、シールパッキン8の一部又は全部が変形したままもとの形状に復元しない状態となってしまうことがないので、シールパッキンと電気掃除機の電気掃除機用集塵紙袋100の取付部(又は電気掃除機の集塵部の接続部位)との間に隙間が生じて、電気掃除機の作動中等にこの隙間からゴミが漏れてしまう不具合の発生を十分に防止することができる。これにより、従来の電気掃除機用集塵紙袋と比較して電気掃除機に取り付けたときの密着性を向上させることができる。
【0029】
ここで、本発明において「圧縮抵抗力」とは、英拡精器社製の圧縮抵抗力測定器「Texture Analyser」に試験片をセットし、測定温度25℃、圧縮面積30mm2、圧縮速度0.1mm/sの条件のもとで試験片を圧縮することにより得られる試験片の単位厚み(1mm)当たりの抵抗力[N・mm-1]を示す。
【0030】
また、本発明において、「圧縮抵抗力−ひずみ曲線」における「ひずみ」(以下、γとする。)とは下記式(1)で表される値である。ただし、式(1)中、L0は圧縮前の試験片の厚みを示し、Lは圧縮後の試験片の厚みを示す。
γ=(L0−L)/L0…(1)
【0031】
更に、本発明において、「弾性変形体」とは、圧縮距離の範囲を3.0mm以下とした場合の圧縮抵抗力−ひずみ曲線上において実質的に降伏点を有しないものを示す。「実質的に降伏点を有しない」状態とは、圧縮距離の範囲を3.0mm以下とし、かつ、圧縮率L/L0が下記式(2)で表される条件を満たす範囲において圧縮抵抗力−ひずみ曲線上に降伏点が観測されないことを示す。
L/L0≧0.03…(2)
【0032】
また、本明細書においては、上記の圧縮距離の範囲を3.0mm以下とした場合の圧縮抵抗力−ひずみ曲線上において、降伏点を有するものを「塑性変形体」とする。なお、本発明においては、ひずみγのかわりに式(1)における圧縮距離(L0−L)を用いた「圧縮抵抗力−圧縮距離」曲線を上記の圧縮抵抗力−ひずみ曲線のかわりに用いて降伏点の有無を判断してもよい。
【0033】
また、シールパッキン8の厚さが0.1mm未満となると、適度なクッション性が得にくくなり、当該シールパッキン8と電気掃除機の集塵部との十分な密着性を保持することが困難となる傾向が大きくなる。一方、シールパッキン8の厚さが3.0mmを超えると、電気掃除機の集塵部の接続部位に対するシールパッキン8の反発力が大きくなり、電気掃除機用集塵紙袋100が該集塵部から脱落してしまうおそれがある。なお、上記と同様の観点から、このシールパッキン8の厚さは、0.5〜2.0mmであることがより好ましい。
【0034】
また、シールパッキン8の圧縮抵抗力の圧縮距離依存性を示す曲線上に降伏点が観測されないようにするためには、シールパッキン8の厚さを上記の範囲に調節することの他に、後述するように、シールパッキン8の発泡倍率や構成成分の組み合わせたそれらの組成比を調節することにより行うことができる。
【0035】
シールパッキン8の発泡倍率は5〜40倍であることが好ましい。
【0036】
ここで、本発明において「発泡倍率」とは、下記式(3)で表される発泡性を有するシールパッキンの見かけ密度d1及び下記式(4)で表される発泡性を有していない素材の密度d2に基づき、下記式(5)で定義される値Zである。なお、「発泡性を有していない素材」とは、製造工程において発泡剤を使用しないこと以外は本発明におけるシールパッキンと同様の方法により製造した素材を示し、発泡性を有していないこと以外は本発明におけるシールパッキンと同様の構成成分から形成されているものを示す。
d1=M1/V1…(3)
d2=M2/V2…(4)
Z=d2/d1…(5)
【0037】
なお、式(3)〜式(5)中、V1はシールパッキンの体積を示し、V2は発泡性を有していない素材の体積を示す。また、式(3)〜式(5)中、M1はシールパッキンの質量を示し、M2は、発泡性を有していない素材の質量を示す。
また、シールパッキン8の発泡倍率が5倍未満となると、適度なクッション性が得にくくなり、当該シールパッキン8と電気掃除機の集塵部との十分な密着性を保持することが困難となる傾向が大きくなる。一方、シールパッキン8の発泡倍率が40倍を超えると、前述の圧縮距離の範囲内において圧縮抵抗力−ひずみ曲線上に降伏点が観測されるようになり、塑性変形してしまう危険性がある。なお、上記と同様の観点から、このシールパッキン8の発泡倍率は、10〜30倍であることがより好ましい。
【0038】
また、シールパッキン8を形成するためのプラスチック材料は、生分解性樹脂と、ポリエチレンとを含んでおり、生分解性樹脂の含有量が70質量%以上であり、ポリエチレンの含有量が30質量%以下であることが好ましい。
【0039】
ここで、生分解性樹脂の含有量が70質量%未満となると、シールパッキンが生分解性を有しなくなる傾向が大きくなる。また、生分解性樹脂の含有量が90質量%を超えると、シールパッキンの強度及び整形性を十分に確保することが困難となる観点から、生分解性樹脂の含有量は、80〜90質量%であることがより好ましい。
【0040】
ポリエチレンの含有量が30質量%を超えると、シールパッキンが生分解性を有しなくなる傾向が大きくなる。また、ポリエチレンの含有量が10質量%未満となると、シールパッキンの強度及び整形性を十分に確保することが困難となる観点から、ポリエチレンの含有量は、10〜20質量%であることがより好ましい。
【0041】
更に、シールパッキン8を形成するためのプラスチック材料には、生分解性樹脂とポリエチレンの他に、脂肪族ポリエステル、ポリアミド等の成分が含有されていてもよい。
【0042】
また、シールパッキン8の発泡形態は独立発泡であることが好ましい。ここで、本明細書において、「独立発泡」とは発泡剤によりシールパッキン8の内部に形成される複数の発泡空隙が一つ一つ独立している状態であることを示す。一方、本明細書において、上記の独立発泡に対して複数の発泡空隙が一つ一つ独立しておらず、複数の発泡空隙のうちの一部又は全てが連続的に連結している状態であること「連続発泡」という。このように、シールパッキン8の発泡形態が独立発泡であれば、電気掃除機の集塵部から電気掃除機用集塵紙袋100に向けて搬送されるゴミ等、或いは電気掃除機用集塵紙袋100内に一旦収容されたゴミ等がシールパッキン8内部の空隙を通過して外部に漏れ出てしまうことを確実に防止することができる。一方、例えば、ウレタン樹脂製のシールパッキン等の従来の電気掃除機用集塵紙袋のシールパッキンの中は、内部の発泡空隙の発泡形態が連続発泡となっており、ゴミなどが連結した空隙部を通過して電気掃除機用集塵紙袋の外部に漏れ出てしまう場合があった。
【0043】
更に、シールパッキン8を形成するためのプラスチック材料には、それを製造する過程において、発泡剤が混入される。ここで、本発明におけるシールパッキンの製造に使用される発泡剤は、得られるシールパッキンが圧縮距離の範囲を3.0mm以下とした場合の圧縮抵抗力−ひずみ曲線上において実質的に降伏点を有しない弾性変形体となり、得られるシールパッキンが上記の発泡倍率を有し、かつ、得られるシールパッキンが上記の発泡形態を有するものになるようにできる発泡剤であれば特に限定されず、公知の発泡剤を使用することができる。
【0044】
また、シールパッキン8の製造方法は特に限定されず、公知の発泡シートと同様の方法により製造することができる。更に、シールパッキン8を支持体2に取り付ける方法も特に限定されず、公知の方法用いることができる。
【0045】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0046】
例えば、図1及び図2に示した電気掃除機用集塵紙袋100においては、支持体2に鍔部4、取付孔5及び切り欠き6が形成されている場合について説明したが、本発明の電気掃除機用集塵紙袋はこれに限定されるものではなく、使用する電気掃除機に電気掃除機用集塵紙袋が支障なく固定できるのであれば、支持体には鍔部、取付孔及び切り欠きのうち少なくとも一つが形成されていればよい。
【0047】
また、図1及び図2に示した取付孔5の形成位置、形状及びその数は、一例を示したものである。従って、本発明の電気掃除機用集塵紙袋の支持体に形成される取付孔の形成位置、形状及びその数は、使用する電気掃除機に合わせて任意に決定されるものであり、図1及び図2に示した取付孔5に限定されるものではない。更に、図1及び図2に示した切り欠き6の形成位置、形状及びその数も、一例を示したものである。従って、本発明の電気掃除機用集塵紙袋の支持体に形成される切り欠きの形成位置、形状及びその数は、使用する電気掃除機に合わせて任意に決定されるものであり、図1及び図2に示した取付孔5に限定されるものではない。
【0048】
更に、本発明の電気掃除機用集塵紙袋の集塵紙袋本体の形状は図1に示した電気掃除機用集塵紙袋100の集塵紙袋本体1の形状に特に限定されるものではなく、使用する電気掃除機の集塵部に適用しうる形状であればよい。例えば、球状、円柱状、三角柱状や多角柱状などでもよい。
【0049】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0050】
(実施例1)
図1に示した電気掃除機用集塵紙袋100と同様の構成を有する電気掃除機用集塵紙袋を公知の方法により製造した。電気掃除機用集塵紙袋の支持体に取り付けるシールパッキンの厚みは1mmであった。また、シールパッキンの構成材料の成分組成については、生分解性樹脂(オリカ社製,商品名「エコーン」)の含有量が90質量%、ポリエチレンの含有量が10質量%であった。更に、シールパッキンの発泡倍率は20倍であった。
【0051】
(比較例1)
シールパッキンの構成材料の成分に生分解性樹脂を用いなかったこと以外は実施例1と同様の構成を有する電気掃除機用集塵紙袋を公知の方法により製造した。この電気掃除機用集塵紙袋の支持体に取り付けるシールパッキンの厚みは1.5mmであった。また、シールパッキンの成分組成については、ウレタン樹脂(アキレス社製,商品名「HH」)の含有量が100質量%であった。更に、シールパッキンの発泡倍率は50倍であった。
【0052】
[シールパッキンの圧縮抵抗力の測定試験]
実施例1及び比較例1の電気掃除機用集塵紙袋に備えられているシールパッキンついて、先に述べた方法に基づいてそれぞれの圧縮抵抗力を測定した。その結果を図3及び図4に示す。図3は、実施例1と比較例1とにそれぞれ備えられるシールパッキンの圧縮抵抗力−圧縮距離曲線の一例を示すグラフである。また、図4は、図3に示すグラフの拡大図である。
【0053】
図3及び図4中の実施例1の圧縮抵抗力の圧縮距離依存性を示す圧縮抵抗力−圧縮距離曲線10と、比較例1の圧縮抵抗力の圧縮距離依存性を示す圧縮抵抗力−圧縮距離曲線20とを比較すると、曲線10には降伏点が実質的に観測されないのに対し、曲線20には圧縮距離が約0.29mmのところに降伏点が観測された。これにより、本発明の電気掃除機用集塵紙袋である実施例1に備えられるシールパッキンは弾性変形体であり優れた復元力を有していることが確認された。一方、比較例1に備えられるシールパッキンは塑性変形体であることが確認された。すなわち、実施例1の電気掃除機用集塵紙袋は電気掃除機に取り付けたときの密着性が従来の電気掃除機用集塵紙袋よりも優れていることが確認された。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電気掃除機用集塵紙袋によれば、電気掃除機に取り付けたときの密着性を向上させることができる。また、本発明の電気掃除機用集塵紙袋は、分別収集することなく容易に廃棄することができ、廃棄後の環境に対する負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気掃除機用集塵紙袋の好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す電気掃除機用集塵紙袋の使用中の状態の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の電気掃除機用集塵紙袋に備えられるシールパッキンの圧縮抵抗力−圧縮距離曲線の一例を示すグラフである。
【図4】図3に示すグラフの拡大図である。
【符号の説明】
1…集塵紙袋本体、2…支持体、3…導入口、4…鍔部、5…取付孔、6…切り欠き、10…実施例1に備えられるシールパッキンの圧縮抵抗力−圧縮距離曲線、20…比較例1に備えられるシールパッキンの圧縮抵抗力−圧縮距離曲線、52…取付孔形成用弱め線、62…切り欠き形成用弱め線。

Claims (6)

  1. 開口部を有しており濾材を袋状に形成してなる集塵紙袋本体と、
    前記開口部に設けられており集塵を導入する導入口を有する支持体と、
    前記導入口の周囲に設けられるシールパッキンと、を有する電気掃除機用集塵紙袋であって、
    前記シールパッキンが、生分解性樹脂とポリエチレンとを含むプラスチック材料から形成されており、
    前記シールパッキンにおいて、前記生分解性樹脂の含有量が70質量%〜90質量%であり、且つ、前記ポリエチレンの含有量が10質量%〜30質量%であることを特徴とする電気掃除機用集塵紙袋。
  2. 前記シールパッキンが、圧縮距離の範囲を3.0mm以下とした場合の圧縮抵抗力−ひずみ曲線上において実質的に降伏点を有しない弾性変形体であることを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機用集塵紙袋。
  3. 前記シールパッキンの厚さが0.1〜3.0mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気掃除機用集塵紙袋。
  4. 前記シールパッキンの発泡倍率が5〜40倍であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電気掃除機用集塵紙袋。
  5. 前記シールパッキンの発泡形態が独立発泡であることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の電気掃除機用集塵紙袋。
  6. 前記支持体には、鍔部、取付孔及び切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の電気掃除機用集塵紙袋。
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