JP4607163B2 - エンジン制御装置 - Google Patents

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この発明は、排気ガス中の酸素濃度に感応して酸素センサ出力値が変化する酸素センサを備えた車両用のエンジン制御装置に関し、特に酸素センサ出力値に基づいて燃料噴射量を調整することにより、空燃比を目標空燃比にフィードバック制御する技術に関するものである。
従来のエンジン制御装置においては、エンジンの排気管に酸素センサを設け、排気ガス中の酸素濃度に応じて変化する酸素センサ出力値を空燃比データに変換し、空燃比データから実際の空燃比(以下、「実空燃比」という)を算出し、実空燃比と目標空燃比(理論空燃比)との空燃比偏差に基づいて空燃比フィードバック制御を実現している(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に記載のシステム構成によれば、理論空燃比に対する実空燃比がリッチまたはリーン状態であるかの判定結果のみに基づく空燃比フィードバック制御と比べて、空燃比偏差に応じたフィードバック制御が可能になることから、素早く目標空燃比(理論空燃比)に収束させることができるという利点がある。また、上記の酸素センサは、空燃比をリニアに検出する空燃比センサに比べて安価なので、コスト低減を実現することができる。
ところで、通常の4輪車両と比べて趣味性の高い2輪車の場合においては、エンジンの出力トルクを高めるために、大型または小型にかかわらず、理論空燃比域で走行する場合よりも、エンリッチ域(理論空燃比域さらにリッチとなる運転領域)で走行する場合が多い。特に、小型2輪車においては、最大出力トルク自体が低いので、スロットル開度が全開付近での走行が高頻度で行われる。
しかし、上記特許文献1に記載の空燃比フィードバック制御においては、酸素センサを用いて目標空燃比を理論空燃比に収束させることを目標としており、理論空燃比以外の領域で走行する場合には、フィードバック制御を適用することができないので、オープンループ制御が行われている。
オープンループ制御の場合には、燃料噴射量に影響するコンポーネント(スロットルポジションセンサ、インジェクタ、燃圧レギュレータなど)の特性ばらつきや経年特性変化への対応が困難であることから、フィードバック制御のように空燃比を目標空燃比に維持させることができず、燃料噴射量にばらつきが生じて、ドライバビリティおよび燃費などに悪影響を及ぼすことになる。
一方、酸素センサを用いた空燃比フィードバック制御の場合に、上記理論空燃比以外の領域に対して適応することができない理由として、本来、酸素センサは、理論空燃比付近を測定することを目的としているので、理論空燃比付近では出力が急変するものの、理論空燃比付近から離れると、空燃比変化に対する酸素センサ出力値の変化量が小さくなり、酸素センサ出力値の微小なばらつきでも、空燃比の検出結果が大きく異なる可能性があるという点があげられる。
また、酸素センサの温度特性によって酸素センサの温度が変化すると、理論空燃比以外の酸素センサ出力値も変化してしまうことから、理論空燃比以外では空燃比を正確に測定することが困難になる点があげられる。
さらに、酸素センサに代えて、空燃費に対しリニアな出力が得られる空燃比センサを用いた場合には、理論空燃比にかかわらず全領域での空燃比フィードバック制御が可能となるが、空燃比センサが酸素センサに比べて高価なので、コスト低減を求められる2輪車(特に、小型2輪車)では空燃比センサの採用は現実的ではない。
特開2002−364423号公報
従来のエンジン制御装置では、酸素センサを用いた空燃比制御において、理論空燃比以外の領域で走行する場合にオープンループ制御が行われているので、燃料噴射量に影響するコンポーネントの特性ばらつきや経年特性変化に対応することができず、燃料噴射量にばらつきが生じて、ドライバビリティおよび燃費などに悪影響を及ぼすという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、実空燃比を安定に目標空燃比に収束させることのできるエンジン制御装置を得ることを目的とする。
この発明によるエンジン制御装置は、エンジン回転速度およびスロットル開度を含むエンジンの運転状態を検出する各種センサと、エンジンの排気ガス中の酸素濃度に感応して酸素センサ出力値が変化する酸素センサと、運転状態および酸素センサ出力値に基づいてエンジンへの燃料噴射量を調整する空燃比フィードバック制御手段と、を備えたエンジン制御装置であって、空燃比フィードバック制御手段は、酸素センサ出力値を実空燃比に変換するセンサ出力変換手段と、酸素センサの出力範囲内の任意の目標空燃比を、エンジン回転速度およびスロットル開度に基づいて決定する目標空燃比決定手段と、実空燃比と目標空燃比との空燃比偏差に基づいて比例ゲインを決定する比例ゲイン演算手段と、目標空燃比に対して実空燃比がリッチ側またはリーン側のいずれであるかの判定結果に基づいて積分ゲインを更新する積分ゲイン演算手段と、酸素センサ出力値が第1の判定電圧値まで低下した時点で積分ゲインの演算開始を許可し、酸素センサ出力値が、第1の判定電圧値よりも低い第2の判定電圧値まで低下した時点で、比例ゲインの演算開始を許可する演算開始判定手段と、演算された比例ゲインおよび積分ゲインの少なくとも一方に基づいて空燃比フィードバック制御補正量を決定する制御補正量演算手段と、を含むものである。
この発明によれば、空燃比偏差に基づく比例ゲインにより目標空燃比への早い収束が可能となり、かつ、積分ゲインにより徐々に目標空燃比に近づけることが可能となり、安定に目標空燃比に収束させることができる。
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置がエンジンに取り付けられた状態を示す構成図であり、図2は図1内のコントロールユニット1の機能構成を示すブロック図である。
図1において、コントロールユニット1は、エンジン制御装置の主要部を構成するCPUおよびメモリを含むマイクロコンピュータからなり、エンジン19の全体の動作を制御するためのプログラムやマップを格納している。
エンジン19に吸入空気Aを導入する吸気管14には、エンジン19への吸入空気Aの温度(吸気温)Taを計測する吸気温センサ2と、スロットルアクチュエータ4Aにより開閉駆動されるスロットル弁3と、スロットル弁3の開度θを計測するスロットルポジションセンサ4と、スロットル弁3の下流の吸気圧Paを計測する吸気圧センサ5と、燃料Fを噴射するためのインジェクタを含む燃料噴射モジュール8とが設けられている。
また、エンジン19には、エンジン19の壁面温度(エンジン温度)Twを計測するエンジン温度センサ6と、エンジン回転速度Neおよびクランク位置に対応したクランク角信号SGT(パルス)を出力するクランク角センサ7と、点火コイル9により駆動される点火プラグ9Aとが設けられている。
さらに、エンジン19からの排気ガスAhを排出する排気管10には、空燃比センサとして機能する酸素センサ11と、排気ガスAhを浄化するための三元触媒コンバータ(以下、単に「三元触媒」という)12とが設けられている。
酸素センサ11からの酸素センサ出力値AFは、図3に示すように、排気ガスAh中の酸素濃度に感応して変化する。
酸素センサ11は、試験管状のジルコニア素子の両面に白金電極が設けられた構成からなり、また、各白金電極を保護するために、白金電極の外側がセラミックスでコーティングされた構成を有し、ジルコニア素子の性質(高温で内外面の酸素濃度差があると起電力を発生する)を用いている。
図3において、横軸は空燃比、縦軸は酸素センサ出力値AFであり、実線は基準温度Tstにおける出力特性、破線は基準温度Tstよりも低温の場合の出力特性、2点鎖線は基準温度Tstよりも高温の場合の出力特性、をそれぞれ示している。
酸素センサ出力値AF[V]は、理論空燃比(=14.7)を境界として急変し、理論空燃比よりもリッチ側では起電力が高く、理論空燃比よりもリーン側では起電力が低くなる特性を有している。また、理論空燃比を境界とした酸素センサ出力値AFの変化量は、センサ素子温度が高くなるほど小さくなる。
酸素センサ11および各種センサ2、4〜7による検出信号は、エンジン19の運転状態を示す情報として、コントロールユニット1に入力される。
コントロールユニット1は、各種の運転状態情報(吸気温Ta、スロットル開度θ、吸気圧Pa、エンジン温度Tw、エンジン回転速度Ne、クランク角信号SGT、酸素センサ出力値AF)に基づいて、各種アクチュエータに対する駆動信号を出力する。
また、コントロールユニット1には、エンジン19の制御状態や警告情報などを車両の運転者に知らせる装置として、表示装置13が設けられている。
コントロールユニット1は、運転状態に基づき吸気管14に対する適切な燃料噴射時期および燃料噴射量を演算して、燃料噴射モジュール8に対する駆動信号を出力する。
また、コントロールユニット1は、運転状態に基づき適切な点火時期を演算して点火信号を点火コイル9に出力し、点火プラグ9Aに火花放電用の高電圧を印加して、エンジン19の燃焼室内の混合気を爆発燃焼させる。
エンジン19からの排気ガスAhは、排気管10から大気中に排出されるが、排気管10には、排気浄化用の三元触媒12が設けられている。
三元触媒12は、排出ガスAhの有毒成分を同時に低減させる有効な装置であり、HCまたはCOの酸化反応と、NOxの還元反応とが同時に行われる。
図2において、各種センサ15は、図1内の各センサ2、4〜7を含み、運転状態情報として、吸気温Ta、スロットル開度θ、吸気圧Pa、エンジン温度Tw、エンジン回転速度Ne、クランク角信号SGT、酸素センサ出力値AFをコントロールユニット1に入力する。同様に、酸素センサ11は、酸素センサ出力値AFをコントロールユニット1に入力する。
コントロールユニット1は、点火時期制御手段(図示せず)に加えて、燃料噴射制御手段に関連した空燃比フィードバック制御手段20を備えており、各種センサ15からの運転状態情報および酸素センサ出力値AFに基づいてエンジン19への燃料噴射量を調整するようになっている。
コントロールユニット1内の空燃比フィードバック制御手段20は、酸素センサ出力値AFに基づく実空燃比AFrを目標空燃比AFoに一致させるように、空燃比フィードバック制御を行う。
空燃比フィードバック制御手段20は、目標空燃比AFoを決定する目標空燃比決定手段21と、酸素センサ出力値AFを実空燃比AFrに変換するセンサ出力変換手段22と、空燃比フィードバック制御の比例項に対応した比例ゲインGpを演算する比例ゲイン演算手段23と、空燃比フィードバック制御の積分項に対応した積分ゲインGpを演算する積分ゲイン演算手段24と、空燃比フィードバック制御補正量Kfbを決定する制御補正量演算手段25と、燃料噴射モジュール8を駆動する燃料噴射駆動手段26とを備えている。
目標空燃比決定手段21は、クランク角信号SGTに基づくエンジン回転速度Neと、スロットルポジションセンサ4からのスロットル開度θとに基づいて、理論空燃比(=14.7)および理論空燃比以外の目標空燃比AFoを決定する。
センサ出力変換手段22は、後述するように、センサ素子温度Toeを、エンジン回転速度Neおよびスロットル開度θに基づいて推定演算する。
比例ゲイン演算手段23は、実空燃比AFrと目標空燃比AFoとの空燃比偏差dAFに基づいて比例ゲインGpを決定する。
積分ゲイン演算手段24は、目標空燃比AFoに対して実空燃比AFrがリッチ側またはリーン側のいずれであるかの判定結果に基づいて積分ゲインGiを更新する。
また、積分ゲイン演算手段24は、実空燃比AFrのリッチまたはリーンの判定結果に基づく積分ゲインGiの更新量を、実空燃比AFrと目標空燃比AFoとの空燃比偏差dAFに基づいて補正する。
制御補正量演算手段25は、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiの少なくとも一方に基づいて空燃比フィードバック制御補正量Kfbを決定する。
また、制御補正量演算手段25は、後述するように、空燃比フィードバック制御補正量Kfbに対して、酸素センサ11の誤検出による過リーン化制御を防止するための下限制限値を設定し、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiの少なくとも一方に基づく空燃比フィードバック制御補正量Kfbが下限制限値よりも小さい場合には、最終的な空燃比フィードバック制御補正量Kfbとして下限制限値を決定する。
また、制御補正量演算手段25は、下限制限値を設定するための学習機能を有し、目標空燃比AFoを理論空燃比に設定した場合での、空燃比フィードバック制御補正量Kfbの平均値(後述する空燃比学習補正量KAFL)を、下限制限値として設定する。
さらに、制御補正量演算手段25は、後述するように、積分ゲインGiの平均値Giaveを算出して記憶し、積分ゲインの平均値Giaveに基づいて、空燃比フィードバック制御補正量Kfbの平均値を設定する。
以下、図1〜図3とともに、図4のフローチャートおよび図5〜図11の説明図を参照しながら、空燃比フィードバック制御手段20の動作について詳細に説明する。
図4において、まず、空燃比フィードバック制御手段20は、エンジン19の運転状態を示す各センサ信号を読込む(ステップS1)。すなわち、コントロールユニット1に接続された酸素センサ11および各種センサ15(吸気温センサ2、スロットルポジションセンサ4、吸気圧センサ5、エンジン温度センサ6、クランク角センサ7)からの出力信号(クランク角信号SGTから演算されるエンジン回転速度Neなど)を読込む。
続いて、目標空燃比決定手段21は、エンジン回転速度Neおよびスロットル開度θに基づく目標空燃比マップ(図5参照)から、エンジン19の負荷に応じた目標空燃比AFoをマップ演算により決定する(ステップS2)。
図5に示す目標空燃比マップにおいて、目標空燃比AFoは、理論空燃比(=14.7)のみに設定されるのではなく、たとえば、スロットル開度全開付近(20<θ≦90[deg])および高速回転領域(Ne>8000[rmin])では、エンリッチ(<14.7)に設定されるなどにより、幅広い範囲の目標空燃比AFoの設定が可能となっている。
次に、空燃比フィードバック制御手段20は、空燃比フィードバック制御条件が成立しているか否かを判定する(ステップS3)。具体的な空燃比フィードバック制御条件としては、酸素センサ11が活性化していること、酸素センサ11が故障中でないこと、燃料カット中でないことなどが挙げられる。したがって、車両が正常な状態であれば、運転領域のほぼ全域で空燃比フィードバック制御条件が成立することになる。
ステップS3において、酸素センサ11に異常発生中または燃料カット中などにより、空燃比フィードバック制御条件が不成立(すなわち、NO)と判定されれば、空燃比フィードバック制御補正量Kfbを無効とするために、Kfb=1.0に設定して(ステップS16)、ステップS17(後述する)に進む。
一方、ステップS3において、空燃比フィードバック制御条件が成立している(すなわち、YES)と判定されれば、空燃比フィードバック制御手段20は、エンジン回転速度Neおよびスロットル開度θに基づく酸素センサ基本温度マップ(図6参照)を用いて、酸素センサ11のセンサ素子温度Toeを推定演算する(ステップS4)。
酸素センサ11は、図3に示すように、理論空燃比(=14.7)を示す出力値V0がセンサ素子温度によらず一定となるように作られているが、理論空燃比以外の領域では、センサ素子温度Toeの変化によって酸素センサ出力値AFと空燃比との関係が変化する特性を有する。
そこで、後述する温度補正演算により、理論空燃比以外の領域での空燃比を正確に把握するために、酸素センサ11の現在温度を、センサ素子温度Toeとして推定演算する必要がある。
なお、センサ素子温度Toeを推定演算せずに、酸素センサ11に温度センサを取り付け、センサ素子温度を直接測定してもよい。センサ素子温度を直接測定する場合には、ステップS4を実行せずに、次のステップS5に進む。
以下、ステップS4におけるセンサ素子温度Toeの推定演算方法について説明する。
まず、エンジン回転数Neおよびスロットル開度θを軸とする酸素センサ基本温度マップ(図6)から、センサ素子温度Toeの基本値となるセンサ推定基本温度Toebを算出する。
図6の酸素センサ基本温度マップは、車両出荷前の適合時において、酸素センサ11にセンサ素子温度を直接測定可能な温度センサを装着し、図5の目標空燃比マップにしたがう各エンジン負荷状態で目標空燃比AFoにオープンループ制御させた状態での、酸素センサ11のセンサ素子温度を正確に測定して得られたものである。
なお、酸素センサ11に温度センサが装着されるのは車両適合時のみであり、量産車両の場合、センサ素子温度Toeの推定演算時(ステップS4)には、一般に温度センサが装着されない。
また、酸素センサ11を活性化させるためにO2ヒータ(図示せず)が装着されている車両の場合には、O2ヒータの発熱量がセンサ素子温度Toeに与える影響や、エンジン19の点火時期や空燃比変化による排気温度変化などの外乱変化に対応する補正が行われる。
具体的な補正内容として、たとえばO2ヒータに対しては、車載バッテリ(図示せず)の電源電圧変化による発熱量変化を防ぐために、酸素センサ11の活性から一定時間経過後、PWM制御によりO2ヒータへの電圧を制御する。
これにより、電源電圧変化によらず、O2ヒータの発熱量を一定に保つことが可能となり、図6の酸素センサ基本温度マップ作成時のO2ヒータ発熱量を再現可能となる。
また、点火時期が進角側から遅角側に変化した際の排気温度上昇の対応として、点火時期を軸とする補正マップ(図示せず)を用意し、図6の酸素センサ基本温度マップ作成時の点火時期よりも遅角側に変化した場合に、推定演算したセンサ素子温度Toeを補正する。
同様に、空燃比がリッチ側では排気温度が低くなり、リーン側では排気温度が高くなることから、空燃比を軸とする補正マップ(図示せず)を用意し、空燃比変化に応じて推定演算したセンサ素子温度Toeを補正する。
また、たとえばエンジン19の吸気温Taが高くなると排気温度も高くなるので、図6の酸素センサ基本温度マップ(図6)作成時の吸気温Taと比較することにより、センサ素子温度Toeの推定値を補正する。
以上の補正処理をセンサ推定基本温度Toebに施すことにより、最終的なセンサ素子温度(推定値)Toeを算出する。
さらに、図6から明らかなように、運転状態の変化(たとえば、Ne>4000[rmin]、θ>20[deg])に応じて、センサ素子温度が急変する箇所があるが、このようにセンサ素子温度Toeの推定値が大きく変化すると、燃料噴射モジュール8からの燃料噴射量も影響を受けるので、センサ素子温度Toeの急変は好ましくない。
したがって、算出したセンサ素子温度Toeに対してフィルタ演算処理を施し、以下の式(1)のように、フィルタ演算処理後のセンサ素子温度Toefを算出する。
Toef(n)=Toe+Cf×(Toe−Toef(n−1))/R・・・(1)
式(1)において、Toef(n)は最新のフィルタ演算処理後の酸素センサ素子温度であり、Toef(n−1)は前回値を示す。また、Cfは分解能Rのフィルタ係数である。
こうして、ステップS4において、式(1)によるフィルタ処理(なまし算出)後のセンサ素子温度Toefが最終的なセンサ素子温度Toeとして設定される。
次に、センサ出力変換手段22は、酸素センサ出力値AFを実空燃比AFrに変換し、変換後の実空燃比AFrを検出値として設定する(ステップS5)。
酸素センサ出力値AFから実空燃比AFrへの変換は、酸素センサ出力値AFと実空燃比AFrとの関係を示す空燃比変換マップ(図7参照)にしたがって行われる。
図7の空燃比変換マップは、酸素センサ11のセンサ素子特性に基づき、所定の基準温度Tstにおける酸素センサ出力値AF(t)と実空燃比AFr(t)との関係を記憶したテーブルからなる。
したがって、酸素センサ11の素子温度が基準温度Tstから変化した場合には、図7の空燃比変換マップ(酸素センサ出力値AF(t)と実空燃比AFr(t)との関係)と、実際の酸素センサ出力値AFと実空燃比AFrとの関係との間にズレが生じる。
そこで、センサ出力変換手段22は、ステップS5に続いて、酸素センサ11の温度特性による実空燃比AFrのズレを補正する(ステップS6)。
最終的な実空燃比は、後述の式(4)のように、ステップS5で変換した実空燃比(検出値)AFrに対して、実空燃比補正量Cafを加算することにより算出される。これにより、酸素センサ11の温度特性に起因した出力値ズレに基づく誤差は補正される。
なお、実空燃比補正量Cafは、以下の式(2)のように表される。
Caf=(AFr−14.7)×Ct ・・・(2)
式(2)において、Ctは温度偏差補正係数であり、酸素センサ出力値AFと実空燃比AFrとの関係を設定した空燃比変換マップ(図7)作成時の基準温度Tstと、現在のセンサ素子温度Toeとの温度偏差dToから算出された値である。
なお、ステップS4(センサ素子温度Toeの推定演算)を実行せずに、センサ素子温度を直接測定した場合には、測定温度がセンサ素子温度Toeとなる。以下、推定演算した場合でも直接測定した場合でも、センサ素子温度Toeと表記するものとする。
以下、温度偏差補正係数Ctの算出方法について説明する。
まず、酸素センサ11の基準温度Tstと、ステップS4で算出したセンサ素子温度Toeとの温度偏差dToを、以下の式(3)のように算出する。
dTo=Toe−Tst ・・・(3)
次に、酸素センサ11の温度偏差dToを軸とする温度偏差補正係数マップ(図8参照)から、温度偏差補正係数Ctを算出する。
図8の温度偏差補正係数マップにおいて、現在のセンサ素子温度Toeが基準温度Tstよりも高温の場合には正の数値が設定され、逆に、現在のセンサ素子温度Toeが基準温度Tstよりも低温の場合には負の数値が設定されている。これにより、酸素センサ11の高温側の特性変化および低温側の特性変化を補正することが可能となる。
また、図3に示す酸素センサ11の出力特性によれば、理論空燃比(=14.7)は、どの温度においても一致する特徴があるので、実空燃比AFrが理論空燃比と一致する場合には、実空燃比補正量Cafを無効化する。
以上のように決定した実空燃比補正量Cafを用いて、ステップS6においては、補正前の実空燃比AFr(j−1)に実空燃比補正量Cafを加算することにより、最終的な実空燃比AFr(j)を、以下の式(4)のように演算される。
AFr(j)=AFr(j−1)+Caf ・・・(4)
続いて、比例ゲイン演算手段23は、式(4)で算出した実空燃比AFrとステップS2で算出した目標空燃比AFoとの空燃比偏差dAFを、以下の式(5)のように算出する(ステップS7)。
dAF=AFr−AFo ・・・(5)
また、比例ゲイン演算手段23は、式(5)で算出された空燃比偏差dAFに基づき、あらかじめ設定した比例ゲインマップ(図9参照)から、比例ゲインGp[%]をマップ演算する(ステップS8)。
図9の比例ゲインマップを用いた算出方法により、空燃比偏差dAFに応じた比例ゲインGpを決定することができ、目標空燃比AFoに対して実空燃比AFrを速やかに収束させることができる。
一方、積分ゲインGiについては、実空燃比AFrが目標空燃比AFoに対してリッチ状態かまたはリーン状態かによって演算方法が異なるので、積分ゲイン演算手段24は、以下の処理(ステップS9〜S12)により積分ゲインGiを算出する。
まず、ステップS8に続いて、積分ゲイン演算手段24は、空燃比偏差dAFが正であるか否かに基づいて、目標空燃比AFoに対して実空燃比AFrがリーン状態であるか否かを判定する(ステップS9)。
つまり、空燃比偏差dAF>0の場合には、実空燃比AFrが目標空燃比AFoに対してリーン状態であり、逆に、空燃比偏差dAF<0の場合には、実空燃比AFrが目標空燃比AFoに対してリッチ状態であると判定することができ、空燃比偏差dAF=0の場合には、実空燃比AFrが目標空燃比AFoと一致していると判定することができる。
ステップS9において、実空燃比AFrがリーン状態であって、dAF>0(すなわち、YES)と判定されれば、積分ゲインGiを演算する(ステップS10)。
ステップS10における積分ゲインGiの演算は、具体的には以下のように、ステップS1でコントロールユニット1が読込んだエンジン回転速度Neおよびスロットル開度θに応じて、積分ゲイン変化量ΔGiを決定することにより行われる。
まず、積分ゲイン変化量ΔGi[%]は、エンジン回転速度Neおよびスロットル開度θを軸とする積分ゲインマップ(図10参照)によってマップ演算される。
また、図10の積分ゲインマップにより決定された積分ゲイン変化量ΔGiに対して、空燃比偏差dAFに応じた積分ゲイン補正係数Ciを乗算し、この乗算結果を前回の積分ゲインGi(n−1)に加算することにより、以下の式(6)のように、今回の積分ゲインGi(n)が算出される。
Gi(n)=Gi(n−1)+ΔGi×Ci ・・・(6)
式(6)のように、積分ゲイン変化量ΔGiに対して、積分ゲイン補正係数Ciを乗算補正することにより、積分ゲイン補正係数Ciにより乗算補正しない場合に比べて、実空燃比AFrの目標空燃比AFoへの収束性を高めることができる。
なお、積分ゲイン補正係数Ciは、空燃比偏差dAFを軸とする積分ゲイン補正係数マップ(図11参照)から決定される。
一方、ステップS9において、実空燃比AFrがリーン状態ではなく、dAF≦0(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、空燃比偏差dAF<0であるか否かにより、実空燃比AFrがリッチ状態であるか否かを判定する(ステップS11)。
ステップS11において、実空燃比AFrがリッチ状態であって、dAF<0(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS10とは逆に、前回値に補正量を減算して、今回の積分ゲインGi(n)を決定する(ステップS12)。
具体的には、前回の積分ゲインGi(n−1)から、エンジン回転速度Neおよびスロットル開度θに応じて決定した積分ゲイン変化量ΔGiと、空燃比偏差dAFに応じた積分ゲイン補正係数Ciと、を乗算した補正量を減算して、以下の式(7)のように、積分ゲインGi(n)を決定する。
Gi(n)=Gi(n−1)−ΔGi×Ci ・・・(7)
一方、ステップS10およびS11において、実空燃比AFrと目標空燃比AFoとが一致していて、dAF=0(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS10またはS12のいずれの補正処理も実行せずに、積分ゲインGiの前回値をホールドする。
次に、制御補正量演算手段25は、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiを加算して、以下の式(8)のように、空燃比フィードバック制御補正量Kfbを算出する(ステップS13)。
Kfb=Gp+Gi+1.0 ・・・(8)
また、制御補正量演算手段25は、ステップS13で算出した空燃比フィードバック制御補正量Kfbに対して下限制限値(空燃比学習補正量KAFL)を設定し、空燃比フィードバック制御補正量Kfbが下限制限値(空燃比学習補正量KAFL)よりも小さいか否かを判定する(ステップS14)。
前述した通り、酸素センサ11は、理論空燃比付近を測定する目的のため、図3のように、理論空燃比付近では酸素センサ出力値AFが急変するが、理論空燃比付近から離れると、空燃比変化に対する酸素センサ出力値AFの変化が小さくなり、酸素センサ出力値AFの微小なばらつきでも空燃比の検出結果が大きく異なる可能性がある。
したがって、実空燃比AFrの誤判定に起因して、空燃比フィードバック制御補正量Kfbにより過リーン化制御または過リッチ化制御を招く可能性がある。特に、過リーン化制御が行われると、エンジン19の燃焼温度が異常に上昇してエンジン19の破損を招く可能性がある。
このような不具合を回避するために、ステップS13で算出された空燃比フィードバック制御補正量Kfbに対して下限制限値を設定している。
なお、ここでは、下限制限値として、ステップS20(後述する)で決定される空燃比学習補正量KAFLが設定される。
空燃比学習補正量KAFLは、目標空燃比AFoを理論空燃比に設定した場合での、空燃比フィードバック制御補正量Kfbの平均値である。
このように、酸素センサ11において、理論空燃比(正確な空燃比を算出可能な領域)で決定した空燃比フィードバック制御補正量Kfbの平均値(空燃比学習補正量KAFL)を下限制限値として設定することにより、車両の個体差や経年劣化などによるエンジン19の性能変化を正確に補正することが可能となる。
ステップS14において、空燃比フィードバック制御補正量Kfb≧空燃比学習補正量KAFL(すなわち、NO)と判定されれば、直ちにステップS17に進む。
一方、ステップS14において、Kfb<KAFL(すなわち、YES)と判定されれば、制御補正量演算手段25は、空燃比フィードバック制御補正量Kfbとして、空燃比学習補正量KAFL(下限制限値)を設定して(ステップS15)、ステップS17に進む。
以下、制御補正量演算手段25は、ステップS17〜S22において、空燃比学習補正量KAFLを更新演算する。
なお、空燃比フィードバック制御補正量Kfbは、ステップS3の空燃比フィードバック制御条件成立時のみ算出される。したがって、エンジン始動直後の酸素センサ11が活性化していない間は、空燃比フィードバック制御は実行されない。
また、オープンループ制御時の空燃比も、所望の目標空燃比AFoに制御するために、空燃比フィードバック制御補正量Kfbとは別に、空燃比学習補正量KAFLを燃料噴射量に反映させることにより決定される。
空燃比学習補正量KAFLの演算処理において、まず、制御補正量演算手段25は、空燃比学習補正量KAFLの更新条件が成立しているか否かを判定する(ステップS17)。
このときの判定条件としては、エンジン回転数Ne、スロットル開度θが所定範囲内であること、エンジン温度Tw、吸気温Taが所定範囲内であること、などがあげられる。
ステップS17において、更新条件が成立していない(すなわち、NO)と判定されれば、直ちに図4の処理ルーチンを終了して抜け出る。
一方、更新条件が成立している(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、空燃比学習補正量KAFLの更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS18)。
ステップS18において、更新タイミングでない(すなわち、NO)と判定されれば、直ちに図4の処理ルーチンを終了して抜け出る。
一方、更新タイミングである(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS10またはS12で算出した空燃比フィードバック制御の積分ゲインGiに対して平均化処理を施し、平均値Giaveを算出する(ステップS19)。
積分ゲインの平均値Giaveは、更新タイミング間で空燃比フィードバック制御の積分ゲインGiを積算し、更新タイミングごとに積算した回数Nで除算することにより、一定タイミングごとに算出される。
積分ゲインの平均値Giaveは、空燃比学習補正量KAFLの演算に用いられる。
なお、ステップS17、S18の更新条件成立時には、目標空燃比AFoが理論空燃比に設定される。目標空燃比AFoを理論空燃比に設定する理由は、前述(図3参照)のように、酸素センサ11は、その出力値AFが、センサ素子温度Toeの状態に応じて変化するものの、理論空燃比においては常に変化しないように設計されているからである。
理論空燃比での酸素センサ出力値AFと比較することにより、空燃比学習補正量KAFLの正確な更新が行われるようになる。
続いて、前回の空燃比学習補正量KAFL(n−1)に、ステップS19で算出した積分ゲインGiの平均値Giaveを加算して、以下の式(9)のように、更新後の空燃比学習補正量KAFL(n)を算出する(ステップS20)。
KAFL(n)=KAFL(n−1)+Giave ・・・(9)
次に、制御補正量演算手段25は、式(9)により更新演算された空燃比学習補正量KAFLを、エンジン19の始動キーをOFFしてもメモリ内容が消去されない不揮発性メモリ(または、バックアップRAM)に記憶させる(ステップS21)。
ステップS21における記憶するタイミングは、ステップS18における空燃比学習補正量KAFLの更新タイミングと同じである。
最後に、ステップS13またはS15で算出した空燃比フィードバック制御補正量Kfbの積分ゲインGiを「0」にクリアして(ステップS22)、図4の処理ルーチンを終了して抜け出る。
なお、ステップS22で積分ゲインGiをリセットする理由は、ステップS20で更新後の空燃比学習補正量KAFLが前回値よりも増加することから、ステップS18での空燃比学習補正量KAFLの更新タイミング成立時には、積分ゲインGiが倍近く反映してしまうので、これを抑制するためである。
これにより、酸素センサ出力値AFと実空燃比AFrとの関係が良好に維持されて、目標空燃比AFoに対して正確な空燃比フィードバック制御が可能となる。
以上のように、この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置は、エンジン回転速度Neおよびスロットル開度θを含むエンジン19の運転状態を検出する各種センサ15と、エンジン19の排気ガスAh中の酸素濃度に感応して酸素センサ出力値AFが変化する酸素センサ11と、運転状態および酸素センサ出力値AFに基づいてエンジン19への燃料噴射量を調整する空燃比フィードバック制御手段20とを備えている。
また、空燃比フィードバック制御手段20は、酸素センサ出力値AFを実空燃比AFrに変換するセンサ出力変換手段22と、酸素センサ11の出力範囲内の任意の目標空燃比AFoを、エンジン回転速度Neおよびスロットル開度θに基づいて決定する目標空燃比決定手段21と、実空燃比AFrと目標空燃比AFoとの空燃比偏差dAFに基づいて比例ゲインGpを決定する比例ゲイン演算手段23と、目標空燃比AFoに対して実空燃比AFrがリッチ側またはリーン側のいずれであるかの判定結果に基づいて積分ゲインGiを更新する積分ゲイン演算手段24と、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiの少なくとも一方に基づいて空燃比フィードバック制御補正量Kfbを決定する制御補正量演算手段25とを備えている。
これにより、空燃比偏差dAFに基づく比例ゲインGpを用いて、実空燃比AFrを目標空燃比AFoに早く収束させるとともに、実空燃比AFrのリッチ/リーンに応じた積分ゲインGiを用いて、実空燃比AFrを徐々に目標空燃比AFoに近づけることができ、実空燃比AFrを安定に目標空燃比AFoに収束させることができる。
また、積分ゲイン演算手段24は、実空燃比AFrのリッチ/リーンの判定結果に基づく積分ゲインGiの更新量を、実空燃比AFrと目標空燃比AFoとの偏差dAFに基づいて補正するので、目標空燃比AFoと実空燃比AFrとの偏差dAFが大きい状態において、目標空燃比AFoへの実空燃比AFrの収束性を向上させることができる。
また、センサ出力変換手段22は、酸素センサ11のセンサ素子温度Toeを、エンジン回転速度Neおよびスロットル開度θに基づいて推定演算するので、センサ素子温度計測用の別途の温度センサが不要となり、車両全体の軽量化およびコスト低減を実現することができる。
また、制御補正量演算手段25は、空燃比フィードバック制御補正量Kfbに対して、酸素センサ11の誤検出による過リーン化制御を防止するための下限制限値(空燃比学習補正量KAFL)を設定し、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiの少なくとも一方に基づく空燃比フィードバック制御補正量Kfbが下限制限値KAFLよりも小さい場合には、下限制限値KAFLを空燃比フィードバック制御補正量Kfbとして決定するので、酸素センサ11の検出精度が低下する場合(理論空燃比から離れた実空燃比AFrでの酸素センサ出力値AFの場合、空燃比フィードバック制御補正量Kfbが過リーン化制御を行う数値となった場合)であっても、過リーン化制御によるエンジン19への悪影響を抑制して、安全性を維持することができる。
さらに、制御補正量演算手段25は、積分ゲインGiの平均値Giaveを算出して記憶する学習機能を有するので、酸素センサ11が活性化していないエンジン19の始動直後状態であっても、空燃比フィードバック制御補正量Kfbの学習値を用いた空燃比オープンループ制御によって、目標空燃比AFoへの応答性を高めることができる。
なお、図4では、センサ出力変換手段22において、酸素センサ出力値AFから実空燃比AFrへの変換処理(ステップS5)の実行後に、実空燃比AFrの温度補正処理(ステップS6)を実行したが、図12のように、センサ素子温度Toeに応じて、酸素センサ出力値AFから実空燃比AFrへの変換処理(ステップS5A)を実行してもよい。
以下、図1および図2とともに、図12のフローチャートおよび図13の説明図を参照しながら、この発明の実施の形態1の変形例について説明する。
なお、この例でのエンジン制御装置の全体構成は、図1および図2に示した通りであり、センサ出力変換手段22の一部機能が前述と異なる。
図13はセンサ素子温度Toeごとの空燃比変換マップを示しており、センサ出力変換手段22により用いられる。
図12において、ステップS1〜S4、S7〜S22は、前述(図4参照)と同様の処理であり、前述のステップS5およびS6に代えて、ステップS5Aを挿入した点のみが前述と異なる。
この場合、酸素センサ出力値AFから実空燃比AFrへの変換時(ステップS5A)において、温度変化による特性変化を傾きズレ補正(図4内のステップS6)によって補うのではなく、酸素センサ11のセンサ素子温度Toeと酸素センサ出力値AFとを軸とする空燃比変換マップ(図13)を使用する。
センサ出力変換手段22は、前述のステップS4で酸素センサ11のセンサ素子温度Toeを推定演算(または、温度センサにより実測)した後、センサ素子温度Toeに適した実空燃比AFrへの変換処理(ステップS5A)を行う。
以下、前述と同様の処理(ステップS7〜S22)を実行する。
以上のように、この発明の実施の形態1の変形例によれば、センサ出力変換手段22は、酸素センサ出力値AFから変換する実空燃比AFrの値を、酸素センサ11のセンサ素子温度Toeの変化に基づいて補正するので、センサ素子温度Toeが変化して酸素センサ出力値AFと実空燃比AFrとの関係が変化した場合でも、高精度に実空燃比AFrへの変換を行うことができる。
また、変換時の処理(ステップS5A)が簡略化されるので、空燃比フィードバック制御手段20の処理負荷を軽減することができる。
なお、上記説明(図2、図4、図12)では、特に言及しなかったが、図14のように、空燃比フィードバック制御手段20A内に演算開始判定手段27を設け、図15内のステップS30〜S33のように、演算開始条件が成立した場合のみに比例ゲインGpおよび積分ゲインGiの演算を行うように構成することが望ましい。
以下、図1とともに、図14のブロック図、図15のフローチャートおよび図16のタイミングチャートを参照しながら、この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置について説明する。
なお、エンジン制御装置の全体構成は、図1に示した通りであり、コントロールユニット1Aの空燃比フィードバック制御手段20A内の一部機能が前述と異なる。
図14において、空燃比フィードバック制御手段20Aは、比例ゲイン演算手段23Aおよび積分ゲイン演算手段24Aの演算開始条件の成立/不成立を判定する演算開始判定手段27を備えている。
演算開始判定手段27は、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiの各々の演算開始条件を満たす場合に、比例ゲイン演算手段23Aおよび積分ゲイン演算手段24Aの演算開始を許可する。
図15において、ステップS1〜S22は、前述(図4参照)と同様の処理である。
この場合、ステップS7の後にステップS30、S31を挿入し、ステップS8の後にステップS32、S33を挿入し、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiの演算タイミングに対して個々の開始条件を設定した点のみが前述と異なる。
演算開始判定手段27は、前述のステップS7(空燃比偏差dAFの算出)に続いて、酸素センサ出力値AFが所定の開始電圧値を下回った(リーン側)か否かにより、比例ゲインGpの演算開始条件が成立したか否かを判定する(ステップS30)。
ステップS30において、比例ゲインGpの演算開始条件が成立している(すなわち、YES)と判定されれば、比例ゲインGpの演算処理(ステップS8)に進む。
一方、比例ゲインGpの演算開始条件が成立していない(すなわち、NO)と判定されれば、比例ゲインGpを「0」にリセットして(ステップS31)、積分ゲインGiの演算開始判定処理(ステップS32)に進む。
すなわち、ステップS30において、酸素センサ出力値AFと比例ゲインGpの開始電圧値とを比較し、酸素センサ出力値AFが比例ゲインGpの開始電圧値以下となった場合には、ステップS8で比例ゲインGiを演算し、開始条件を満たさない場合(AF>開始電圧値)には、ステップS31で比例ゲインGpを無効化する。
続いて、演算開始判定手段27は、酸素センサ出力値AFが所定の開始電圧値を下回った(リーン側)か否かにより、積分ゲインGiの演算開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS32)。
ステップS32において、積分ゲインGiの演算開始条件が成立している(すなわち、YES)と判定されれば、空燃比偏差dAFの判定処理(ステップS9)に進む。
一方、積分ゲインGiの演算開始条件が成立していない(すなわち、NO)と判定されれば、積分ゲインGiを「0」にリセットして(ステップS33)、空燃比フィードバック制御補正量Kfbの算出処理(ステップS13)に進む。
すなわち、ステップS32において、ステップS30と同様に積分ゲインGiの開始条件を判定し、酸素センサ出力値AFが積分ゲインGiの開始電圧値以下となった場合には、ステップS9で積分ゲインGiを演算し、開始条件を満たさない場合(AF>開始電圧値)には、ステップS33で積分ゲインGiを無効化する。
以下、前述と同様の処理(ステップS13〜S22)を実行する。
なお、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiの各条件値は、目標空燃比AFoごとに設定される。
一般に、エンジン19の始動直後は、酸素センサ11の初期値が状況により変化する。たとえば、前回のエンジン19の運転停止から時間が経過している状態で、エンジン19を再始動させた場合には、排気管10に燃料がほぼ残っていないことから、酸素センサ出力値AFは過リーン状態を示すが、前回の運転停止から時間をおかずにエンジン19を再始動した場合には、酸素センサ出力値AFがリッチ状態を示すことがある。
したがって、エンジン19の始動直後に、目標空燃比AFoと酸素センサ出力値AFから変換した実空燃比AFrとの空燃比偏差dAFが大きい場合には、比例ゲインGpの値が極端に大きくなり、空燃比フィードバック制御が過リッチ化制御または過リーン化制御となる可能性がある。
このように、過リッチ化制御や過リーン化制御になると、燃料噴射量の変動が大きくなり、エンジン回転速度Neも影響を受けて、車両のドライバビリティに悪影響を与えてしまう。
したがって、このようなドライバビリティの悪化を回避するために、図14、図15のように、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiに対して演算開始条件を設定し、積分ゲインGiにより空燃比を安定領域まで補正した後、比例ゲインGpにより、実空燃比AFrを目標空燃比AFoに収束させる。
次に、図16を参照しながら、空燃比フィードバック制御の比例ゲインGpおよび積分ゲインGiの演算開始タイミングについて、酸素センサ出力値AF、比例ゲインGp、積分ゲインGiおよび空燃比フィードバック制御補正量Kfbと関連させながら、具体的に説明する。
図16において、エンジン19の始動直後は、実空燃比AFrと目標空燃比AFoとの空燃比偏差dAFが大きいが、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiの各開始条件(VGi>VGp)を設定することにより、段階的に空燃比フィードバック制御が行われる。
各開始電圧値VGi、VGpは、目標空燃比AFoに相当する酸素センサ出力値Voよりもリッチ側(高い電圧値)に設定されている。
この場合、酸素センサ11の活性化が判定された時点t1以降から、酸素センサ出力値AFが、積分ゲインGiの開始電圧値VGiまで低下(リーン化)した時点t2で、積分ゲインGiの演算が開始される。
続いて、酸素センサ出力値AFが、比例ゲインGpの開始電圧値VGpまで低下(リーン化)した時点t3で、比例ゲインGpの演算が開始される。
これにより、空燃比フィードバック制御補正量Kfbは、時刻t2において、積分ゲインGiに基づく補正量が算出され、時刻t3において、比例ゲインGpに基づく補正量が重畳される。
したがって、燃料噴射量の極端な変動が抑制され、車両のドライバビリティを良好にすることができる。
以上のように、この発明の実施の形態1に係る空燃比フィードバック制御手段20Aは、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiの各演算開始条件を満たす場合に、比例ゲイン演算手段23Aおよび積分ゲイン演算手段24Aの演算開始を許可する演算開始判定手段を備えている。
これにより、酸素センサ出力値AFが不安定な状態(エンジン19の始動直後)において、空燃比偏差dAFが大きいことから、比例ゲインGpが極端に大きくなって燃料噴射量が大きく変動し得る状況下であっても、積分ゲインGiと比例ゲインGpとを段階的に用いた演算を行うことによって、燃料噴射量の変動を抑制し、快適なドライバビリティを実現することができる。
また、演算開始判定手段27は、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiに対して開始電圧値VGp、VGiを、目標空燃比AFoに基づいて各々設定し、酸素センサ出力値AFが各開始電圧値VGp、VGiを下回る場合に、各演算開始条件を満たすものと判定し、比例ゲイン演算手段および積分ゲイン演算手段の演算開始を許可するので、目標空燃比AFoごとに演算開始タイミングを設定可能となり、空燃比フィードバック制御による燃料噴射量の無駄な変化を抑制し、燃料噴射量の安定性を高めることができる。
実施の形態2
なお、上記実施の形態1では特に言及しなかったが、空燃比フィードバック制御の開始直後、または、酸素センサ11の活性化直後においては、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiを通常制御すると、空燃比が大きく変動して異常値になる可能性がある。
また、酸素センサ11が一旦活性化した後も、空燃比フィードバック未実行状態で、燃料カットによるリーン状態やリッチ状態で運転した後に、再び空燃比フィードバック制御を開始した場合には、酸素センサ11の異常センサ出力に起因して、フィードバック制御ゲイン(特に、比例ゲインGp)を通常通りに動かすと、空燃比が発振する可能性がある。
そこで、空燃比フィードバック制御開始直後、または、酸素センサ11が活性化直後においては、比例ゲインGpおよび積分ゲインGiを通常制御時よりも大きく制限し(なまし処理を施し)、所定時間経過後に徐々に通常制御に復帰させることが望ましい。
図17はこの発明の実施の形態2に係る空燃比フィードバック制御手段の演算処理を示すフローチャートであり、空燃比フィードバック制御開始後での、酸素センサ11の活性化状態への切り替わり直後、および異常センサ出力の検出時において、空燃比偏差dAFに対して制限の大きい上下限制限値DH、DL、DH2、DL2を設定した後、上下限制限値DH、DL、DH2、DL2をそれぞれテーリング処理して通常制限値に復帰させる動作を示している。
図17において、前述(図15参照)と同様の処理には、前述と同一符号が付されている。
また、図17において、ステップS41は前述(図15)のステップS1、S2に対応し、ステップS51は前述のステップS5〜S7に対応し、ステップS54は前述のステップS10〜S12に対応する。
なお、この場合、空燃比フィードバック制御手段20A(図14参照)は、酸素センサ出力値AFに基づいて酸素センサ11が活性化状態であるか否かを判定する活性化判定手段と、活性化判定手段の判定結果と各種センサ15により検出されるエンジンの運転状態とに基づいて、空燃比フィードバック制御の実行条件が成立しているか否かを判定する空燃比フィードバック制御条件判定手段と、酸素センサ11が活性化状態であると判定され、空燃比フィードバック制御の実行条件が成立と判定され、かつ酸素センサ出力値AFが所定範囲を逸脱している状態が許容時間以上にわたって継続したか否かにより、異常センサ出力の検出の有無を判定する異常センサ出力検出手段とを備えている。

また、制御補正量演算手段25は、酸素センサ11が非活性状態から活性化状態に変化した後の第1の所定時間τ1以上、または異常センサ出力検出手段が異常センサ出力を検出した状態で空燃比フィードバック制御の実行条件が成立した後の第2の所定時間τ2以上、の少なくとも一方の期間において、空燃比偏差dAF、積分ゲインGiおよび比例ゲインGpの少なくとも1つのパラメータ(ここでは、空燃比偏差dAF)の上下限制限値を、通常の空燃比フィードバック制御時よりも大きく制限する。
さらに、制御補正量演算手段25は、第1の所定時間τ1または第2の所定時間τ2の経過後には、上下限制限値DH、DL、DH2、DH2のテーリング処理(徐々に復帰)を施す。すなわち、単位時間当たりに所定値ずつ、空燃比偏差dAFの上限制限値DH、DH2を増加させ、かつ空燃比偏差dAFの下限制限値DL、DL2を減少させる。
以下、図1および図17を参照しながら、この発明の実施の形態2について説明する。
なお、この発明の実施の形態2に係るエンジン制御装置の全体構成は、図1に示した通りである。
図17において、まず、空燃比フィードバック制御手段は、前述と同様に、エンジン19の運転状態を示す各センサ信号を読込み、エンジン19の負荷に応じた目標空燃比AFoを演算する(ステップS41)。
続いて、酸素センサ11が活性化しているか否かを判定し(ステップS42)、活性化していない(すなわち、NO)と判定されれば、空燃比フィードバック制御補正量Kfb=1.0にセット(オープンループ制御に設定)して(ステップS16)、図17の処理ルーチンを終了して抜け出る。
一方、ステップS42において、酸素センサ11が活性化している(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、空燃比フィードバック制御条件が成立しているか否かを判定し(ステップS3)、空燃比フィードバック制御条件が成立していない(すなわち、NO)と判定されれば、前述のステップS16に進む。
一方、ステップS3において、空燃比フィードバック制御条件が成立している(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、酸素センサ11が「非活性状態」の判定結果から「活性状態」の判定結果に今回切り替わったか否かを判定する(ステップS43)。
ステップS43において、前回の「非活性化状態」から今回の「活性化状態」に判定結果が切り替わっている(すなわち、YES)と判定されれば、活性判定フラグを「1」にセットするとともに、空燃比偏差dAFの上下限制限値DH、DLの初期値(制限が大きく作用する値)をセットする(ステップS44)。
以下、上下限制限値DH、DLを用いて、後述のステップS52、ステップ53において空燃比偏差dAFの上下限制限処理が行われる。
一方、ステップS43において、今回の判定結果が「活性化状態」に切り替わっていない(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS44は実行されない。
続いて、活性判定フラグのセットから第1の所定時間τ1以上時間が経過したか否かを判定し(ステップS45)、第1の所定時間τ1以上経過した(すなわち、YES)と判定されれば、上下限制限値DH、DLのテーリング処理を行う(ステップS46)。
すなわち、上限制限値DHに対しては、単位時間当たりに所定値ずつ増加させることにより、制限が小さくなる方向にテーリング処理を施す。
同様に、下限制限値DLに対しては、単位時間当たりに所定値ずつ減少させることにより、制限が小さくなる方向にテーリング処理を施す。
なお、ステップS46においては、活性判定フラグがクリアされないので、活性化の判定による空燃比偏差dAFの上下限制限は、最初の活性化判定時においては1回のみ実行される。
一方、ステップS45において、第1の所定時間τ1以上時間が経過していない(すなわち、NO)と判定されれば、上下限制限値DH、DLのテーリング処理(ステップS46)は実行されない。
続いて、異常センサ出力の条件が成立したか否かを判定する(ステップS47)。
このとき、異常センサ出力の条件は、以下の条件(A)〜(C)がすべて成立することである。
(A)空燃比フィードバック制御条件の非成立状態から成立状態に今回変化したこと。
(B)酸素センサ出力値(電圧値)が所定電圧範囲を逸脱していること。
(C)酸素センサ11の活性化状態が判定されていること。
なお、条件(B)、(C)については、過去に許容時間以上成立している場合である。
つまり、空燃比フィードバック制御条件を満たさずにオープンループ制御が行われていたが、燃料カットにより空燃比センサ電圧としてはリーン状態を示している場合、または、オープンループ制御によりエンリッチ運転を継続し、空燃比センサ出力値(電圧値)はリッチ状態を示している場合である。
ステップS47において、異常センサ出力の条件が成立する(すなわち、YES)と判定されれば、異常センサ出力判定フラグをセットするとともに、空燃比偏差dAFの上下限制限値DH2、DL2の初期値(制限が大きく作用する値)をセットする(ステップS48)。
一方、ステップS47において、異常センサ出力の条件が成立しない(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS48は実行されない。
続いて、異常センサ出力判定フラグのセットから第2の所定時間τ2以上経過しているか否か判定し(ステップS49)、第2の所定時間τ2以上経過している(すなわち、YES)と判定されれば、異常センサ出力判定フラグをクリアするとともに、上下限制限値DH2、DL2のテーリング処理を行う(ステップS50)。
すなわち、上限制限値DH2に対し、単位時間当たりに所定値ずつ増加させて、制限が小さくなる方向にテーリング処理を施す。
同様に、下限制限値DL2に対し、単位時間当たりに所定値ずつ減少させて、制限が小さくなる方向にテーリング処理を施す。
一方、ステップS49において、異常センサ出力の条件が成立しない(すなわち、NO)と判定されれば、上下限制限値DH2、DL2のテーリング処理(ステップS50)は実行されない。
続いて、前述と同様に、酸素センサ出力値AFを実空燃比AFrに変換し、酸素センサ出力値AFの傾きズレ補正を行い、空燃比偏差dAFを演算する(ステップS51)。
次に、空燃比偏差dAFが上下限制限値の範囲内(DL<dAF<DH、または、DL2<dAF<DH2)にあるか否かを判定し(ステップS52)、上下限制限値の範囲外である(すなわち、NO)と判定されれば、空燃比偏差dAFを上下限制限値で制限する(ステップS53)。
すなわち、空燃比偏差dAFが上限制限値DH、DH2を超えた場合は、dAF=DH、または、dAF=DH2に設定し、空燃比偏差dAFが下限制限値DL、DL2を超えた場合は、dAF=DL、または、dAF=DL2に設定する。
一方、ステップS52において、空燃比偏差dAFが上下限制限値の範囲内である(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS53は実行されない。
以下、前述と同様に、ステップS30で比例ゲインGpの演算開始条件が成立すれば、ステップS8で比例ゲインGpの演算を行い、ステップS32で積分ゲインGiの演算開始条件が成立すれば、ステップS54で積分ゲインGiの更新を行い、ステップS13で空燃比フィードバック制御補正量Kfbを算出して、図17の処理ルーチンを終了して抜け出る。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、酸素センサ11の状態が不安定な活性化直後や、空燃比フィードバック制御開始直後においては、空燃比フィードバック制御補正量Kfbに直結する空燃比偏差dAFの上下限制限値DH、DL、DH2、DL2を制限し、徐々に通常制御状態に復帰させるので、空燃比フィードバック制御補正量Kfbを安定させることができる。
なお、上記実施の形態2では、空燃比偏差dAFのみの上下限制限値を制限したが、これに限らず、他のパラメータ、たとえば、比例ゲインGp、積分ゲインGi、積分ゲインGiの更新量(=ΔGi×Ci)(前述の式(6)、式(7)参照)、空燃比フィードバック制御補正量Kfbそのもの、などの上下限制限値を制限してもよい。
この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置をエンジンとともに示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置の機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に用いられる酸素センサの出力特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る空燃比フィードバック制御手段の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に用いられる目標空燃比マップを示す説明図である。 この発明の実施の形態1に用いられる酸素センサ基本温度マップを示す説明図である。 この発明の実施の形態1に用いられる空燃比変換マップを示す説明図である。 この発明の実施の形態1に用いられる酸素センサの温度偏差補正係数マップを示す説明図である。 この発明の実施の形態1に用いられる比例ゲインマップを示す説明図である。 この発明の実施の形態1に用いられる積分ゲインマップを示す説明図である。 この発明の実施の形態1に用いられる積分ゲイン補正係数マップを示す説明図である。 この発明の実施の形態1の変形例に係る空燃比フィードバック制御手段によるセンサ素子温度の推定演算処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1の変形例におけるセンサ素子温度ごとの空燃比変換マップを示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係るエンジン制御装置の機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る空燃比フィードバック制御手段によるセンサ素子温度の推定処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による空燃比フィードバック制御処理を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2に係る空燃比フィードバック制御手段の演算処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1、1A コントロールユニット、2 吸気温センサ、3 スロットル弁、4 スロットルポジションセンサ、4A スロットルアクチュエータ、5 吸気圧センサ、6 エンジン温度センサ、7 クランク角センサ、8 燃料噴射モジュール、9 点火コイル、9A 点火プラグ、10 排気管、11 酸素センサ、14 吸気管、15 各種センサ、20、20A 空燃比フィードバック制御手段、21 目標空燃比決定手段、22 センサ出力変換手段、23、23A 比例ゲイン演算手段、24、24A 積分ゲイン演算手段、25 制御補正量演算手段、26 燃料噴射駆動手段、27 演算開始判定手段、AF 酸素センサ出力値、AFo 目標空燃比、AFr 実空燃比、dAF 空燃比偏差、DH、DH2 上限制限値、DL、DL2 下限制限値、Gi 積分ゲイン、Gp 比例ゲイン、Kfb 空燃比フィードバック制御補正量、Ta 吸気温、Tw エンジン温度、SGT クランク角信号、τ1 第1の所定時間、τ2 第2の所定時間、θ スロットル開度。

Claims (9)

  1. エンジン回転速度およびスロットル開度を含むエンジンの運転状態を検出する各種センサと、
    前記エンジンの排気ガス中の酸素濃度に感応して酸素センサ出力値が変化する酸素センサと、
    前記運転状態および前記酸素センサ出力値に基づいて前記エンジンへの燃料噴射量を調整する空燃比フィードバック制御手段と、
    を備えたエンジン制御装置であって、
    前記空燃比フィードバック制御手段は、
    前記酸素センサ出力値を実空燃比に変換するセンサ出力変換手段と、
    前記酸素センサの出力範囲内の任意の目標空燃比を、前記エンジン回転速度および前記スロットル開度に基づいて決定する目標空燃比決定手段と、
    前記実空燃比と前記目標空燃比との空燃比偏差に基づいて比例ゲインを決定する比例ゲイン演算手段と、
    前記目標空燃比に対して前記実空燃比がリッチ側またはリーン側のいずれであるかの判定結果に基づいて積分ゲインを更新する積分ゲイン演算手段と、
    前記酸素センサ出力値が第1の判定電圧値まで低下した時点で前記積分ゲインの演算開始を許可し、前記酸素センサ出力値が、前記第1の判定電圧値よりも低い前記第2の判定電圧値まで低下した時点で、前記比例ゲインの演算開始を許可する演算開始判定手段と、
    演算された前記比例ゲインおよび前記積分ゲインの少なくとも一方に基づいて空燃比フィードバック制御補正量を決定する制御補正量演算手段と
    を含むことを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 前記積分ゲイン演算手段は、前記実空燃比のリッチまたはリーンの判定結果に基づく前記積分ゲインの更新量を、前記実空燃比と前記目標空燃比との空燃比偏差に基づいて補正することを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
  3. 前記センサ出力変換手段は、前記酸素センサ出力値から変換する前記実空燃比の値を、前記酸素センサのセンサ素子温度変化に基づいて補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジン制御装置。
  4. 前記センサ出力変換手段は、前記センサ素子温度を、前記エンジン回転速度および前記スロットル開度に基づいて推定演算することを特徴とする請求項3に記載のエンジン制御装置。
  5. 前記制御補正量演算手段は、
    前記空燃比フィードバック制御補正量に対して、前記酸素センサの誤検出による過リーン化制御を防止するための下限制限値を設定し、
    前記比例ゲインおよび前記積分ゲインの少なくとも一方に基づく空燃比フィードバック制御補正量が前記下限制限値よりも小さい場合には、前記下限制限値を空燃比フィードバック制御補正量として決定することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のエンジン制御装置。
  6. 前記制御補正量演算手段は、
    前記下限制限値を設定するための学習機能を有し、
    前記目標空燃比を理論空燃比に設定した場合での、前記空燃比フィードバック制御補正量の平均値を、前記下限制限値として設定することを特徴とする請求項5に記載のエンジン制御装置。
  7. 前記制御補正量演算手段は、前記積分ゲインの平均値を算出して記憶し、前記積分ゲインの平均値に基づいて、前記空燃比フィードバック制御補正量の平均値を設定することを特徴とする請求項6に記載のエンジン制御装置。
  8. 前記空燃比フィードバック制御手段は、
    前記酸素センサ出力値に基づいて前記酸素センサが活性化状態であるか否かを判定する活性化判定手段と、
    前記活性化判定手段の判定結果と前記各種センサにより検出される前記エンジンの運転状態とに基づいて、空燃比フィードバック制御の実行条件が成立しているか否かを判定する空燃比フィードバック制御条件判定手段と、
    前記酸素センサが活性化状態であると判定され、前記空燃比フィードバック制御の実行条件が成立と判定され、かつ前記酸素センサ出力値が所定範囲を逸脱している状態が許容時間以上にわたって継続したか否かにより、異常センサ出力の検出の有無を判定する異常センサ出力検出手段とを含み、
    前記制御補正量演算手段は、
    前記酸素センサが非活性状態から活性化状態に変化した後の第1の所定時間以上、または、前記異常センサ出力検出手段が異常センサ出力を検出した状態で前記空燃比フィードバック制御の実行条件が成立した後の第2の所定時間以上、の少なくとも一方の期間において、
    前記空燃比偏差、前記積分ゲインおよび前記比例ゲインの少なくとも1つのパラメータの上下限制限値を、通常の空燃比フィードバック制御時よりも大きく制限することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のエンジン制御装置。
  9. 前記制御補正量演算手段は、前記第1または第2の所定時間の経過後には、単位時間当たりに所定値ずつ、前記パラメータの上限制限値を増加させ、かつ前記パラメータの下限制限値を減少させることを特徴とする請求項8に記載のエンジン制御装置。
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