JP4605942B2 - コージェネレーションシステムの運転方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンと発電機とを一体化したものとか燃料電池といったような、電力と熱とを発生する熱電併給装置を設け、電力と熱の両方を得るように構成したコージェネレーションシステムの運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のものとして、電力需要に追従して運転するように構成したものがあったが、熱電併給装置で発生した熱の総量が熱需要量よりも必要以上に多いと、余剰の熱を捨てることになって無駄である。
【0003】
そこで、熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクを設け、その蓄熱タンク内の上下の所定箇所に温度センサを設け、その温度変化に基づいて蓄熱タンク内に温水が満杯になったかほぼ空になったかを判別させ、熱電併給装置の運転を制御し、熱需要に対応できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際に熱を必要としない場合でも蓄熱タンク内に熱を貯めることになり、その貯めた熱を消費するまでの時間が長いと、蓄熱タンクからの放熱量が多くなり、この放熱ロスのために省エネルギー性が低下する欠点があった。
【0005】
運転形態としては、定格運転、定格以下の部分は電力需要に追従する運転、更には複数段の電力量での運転があるが、いずれにおいても、放熱ロスを少なくするために、熱を消費するまでの時間が短くなるように熱電併給装置を運転しようとすると、電力需要が少ないときに運転することになって、見掛け上の発電効率または発電効率が低下してしまい、省エネルギー性がかえって低下する問題がある。
【0006】
逆に、発電効率を重視し、発電効率が高い状態で熱電併給装置を運転しようとすると、前述同様に、放熱ロスのために、省エネルギー性が低下する問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1および請求項2に係る発明は、見掛け上の発電効率を極力高くするとともに放熱ロスを極力少なくする状態で熱電併給装置を運転し、省エネルギー性を向上できるようにすることを目的とし、請求項3、請求項4、請求項5および請求項6に係る発明は、発電効率を極力高くするとともに放熱ロスを極力少なくする状態で熱電併給装置を運転し、省エネルギー性を向上できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、上述のような目的を達成するために、
定格発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
前記熱電併給装置で発生した電力を熱に変換する電熱変換手段と、
所定時間を1周期として、その1周期および次の1周期それぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
前記1周期内での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費する第1の状態、および、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態それぞれを想定し、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割した運転開始時刻を順次入力し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上になるようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる最適運転状態を前記第1および第2の状態の全体から求め、求められた最適運転状態の運転開始時刻とその運転開始時刻から導かれる運転終了時刻とによって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量よりも小さいときの余剰電力を前記電熱変換手段で熱に変換することを特徴としている。
また、請求項2に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、上述のような目的を達成するために、
請求項1に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
所定時間を1周期Tとして、その1周期Tおよび次の1周期Tそれぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
前記1周期T内での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費する第1の状態、および、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態それぞれを想定し、前記1周期Tを設定時間間隔ごとに分割した運転開始時刻aを順次入力し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t)が常に下記条件式(1)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE1[式(3)]が最小となる最適運転状態を前記第1および第2の状態の全体から求め、求められた最適運転状態の運転開始時刻aとその運転開始時刻aから導かれる運転終了時刻bとによって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量よりも小さいときの余剰電力を前記電熱変換手段で熱に変換することを特徴としている。
【数15】
Figure 0004605942
ここで、S(0)は初期蓄熱量を示している。Fは定格発電量を、kは熱電比をそれぞれ示している。
また、h(t)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t)はシステムからの放熱量である。そして、Hは、余剰電力を電熱変換手段で熱に変換した変換熱量で、F>e(t)の分を積算するものであり、下記(2)式で表される。
【数16】
Figure 0004605942
但し、e(t)<Fであれば、E(t)=e(t)
e(t)≧Fであれば、E(t)=F
ここで、E(t)は、負荷電力が定格電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t)は、予め特定された電力需要の経時的変化を示す関数である。
PE1=GI・α+BE・β……(3)
ここで、GIは運転開始時刻aから運転終了時刻bまでの熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(4)で表される。αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。
【数17】
Figure 0004605942
ここで、GI(t)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量である。
BEは、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(5)で表される。βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
【数18】
Figure 0004605942
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(6)で表される。
【数19】
Figure 0004605942
但し、e(t)<Fであれば、E(t)=e(t)
e(t)≧Fであれば、E(t)=F
【0009】
また、請求項に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、前述のような目的を達成するために、
負荷電力が定格発電量より少ない場合負荷に合わせて運転することができる電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
所定時間を1周期として、その1周期および次の1周期それぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
前記1周期内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費する第1の状態、および、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態それぞれを想定し、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割した運転開始時刻を順次入力し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上になるようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる最適運転状態を前記第1および第2の状態の全体から求め、求められた最適運転状態の運転開始時刻とその運転開始時刻から導かれる運転終了時刻とによって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量よりも小さいときには電力需要の変化に追従させて運転することを特徴としている。
また、請求項4に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、前述のような目的を達成するために、
請求項3に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
所定時間を1周期Tとして、その1周期Tおよび次の1周期Tそれぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
前記1周期T内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費する第1の状態、および、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態それぞれを想定し、前記1周期Tを設定時間間隔ごとに分割した運転開始時刻aを順次入力し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t)が常に下記条件式(7)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE1[式(3)]が最小となる最適運転状態を前記第1および第2の状態の全体から求め、求められた最適運転状態の運転開始時刻aとその運転開始時刻aから導かれる運転終了時刻bとによって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量よりも小さいときには電力需要の変化に追従させて運転することを特徴としている。
【数20】
Figure 0004605942
ここで、S(0)は初期蓄熱量を示し、E(t)は、負荷電力が定格電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。B[E(t)]は、電力量E(t)における熱電併給装置の発生熱量を示している。
また、h(t)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t)はシステムからの放熱量である。
PE1=GI・α+BE・β……(3)
ここで、GIは運転開始時刻aから運転終了時刻bまでの熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(4a)で表される。αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。
【数21】
Figure 0004605942
ここで、GI(t)は、負荷電力が定格発電量よりも少ない運転において使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量である。
BEは、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(5)で表される。βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
【数22】
Figure 0004605942
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(6)で表される。
【数23】
Figure 0004605942
但し、e(t)<Fであれば、E(t)=e(t)
e(t)≧Fであれば、E(t)=F
上記(5)および(6)式において、e(t)は、予め特定された電力需要の経時的変化を示す関数である。
【0010】
また、請求項に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、前述のような目的を達成するために、
複数段に設定した発電量で運転して設定発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
所定時間を1周期として、その1周期および次の1周期それぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
前記1周期内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費する第1の状態、および、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態それぞれを想定し、前記1周期を電気負荷に合わせて、複数段に設定した発電量で運転し、その複数段の発電量が変わる時刻を複数段の設定発電量の運転状態それぞれに順次入力し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上になるようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる最適運転状態を前記第1および第2の状態の全体から求め、求められた最適運転状態の運転開始時刻によって、前記熱電併給装置を複数段の設定発電量で運転することを特徴としている。
また、請求項6に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法は、前述のような目的を達成するために、
請求項5に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
前記1周期T内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費する第1の状態、および、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態それぞれを想定し、前記1周期Tを電気負荷に合わせて、複数段に設定した発電量で運転し、その複数段の発電量が変わる時刻をa1 ,…,an-1 (nは正の整数)として複数段の設定発電量の運転状態それぞれに順次入力し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S’(t)が常に下記条件式(8)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE1’[式(9)]が最小となる最適運転状態を前記第1および第2の状態の全体から求め、求められた最適運転状態の運転開始時刻a1 ,…,an-1 によって、前記熱電併給装置を複数段の設定発電量で運転することを特徴としている。
【数24】
Figure 0004605942
ここで、S’(0)は初期蓄熱量を示し、F1 、…、Fn は各設定発電量を、k1 、…、kn は各設定発電量の熱電比をそれぞれ示している。H1 、H2 、…、Hn-1 は余剰電力を電熱変換手段で熱に変換した変換熱量であり、次式で示される。
【数25】
Figure 0004605942
但し、e(t)<Fk であれば、Ek (t)=e(t)
e(t)≧Fk であれば、Ek (t)=Fk
kは1からn−1までの整数である。
k (t)は、負荷電力が各設定発電量を越える場合は各設定発電量となり、負荷電力が各設定発電量より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。また、h(t)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t)はシステムからの放熱量である。
PE1’=GI’・α+BE’・β……(9)
ここで、GI’は、各複数段に設定した運転の運転開始時刻a1 ,…,an-1からの熱電併給装置の運転に要する総燃料供給量であり、次式(10)で表される。nは正の整数であり、GI’(t)は、複数段の発電に起因して運転される熱電併給装置によって特定される燃料供給量である。αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。
【数26】
Figure 0004605942
BE’は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(11)で表される。βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
【数27】
Figure 0004605942
ここで、GP’は、熱電併給装置の発電量であり、次式(12)で表される。
【数28】
Figure 0004605942
但し、e(t)<Fk であれば、Ek (t)=e(t)
e(t)≧Fk であれば、Ek (t)=Fk
上記(11)および(12)式において、e(t)は、予め特定された電力需要の経時的変化を示す関数である。
【0011】
【作用】
請求項1および請求項2に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法の構成によれば、熱電併給装置を定格発電量で運転して発電し、電力需要が定格発電量よりも小さいときの電力需要を越える余剰の電力を電熱変換手段によって熱に変換し、不足分の電力を買電手段で賄うとともに、変換した熱と熱電併給装置で発生した熱によって熱需要を賄い、かつ、後で必要とする熱を蓄熱タンクに貯めて熱需要に応じることができる。このときに、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分や昼分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄う場合まで想定し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことをも考慮して、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となるように運転する。
【0012】
また、請求項3および請求項4に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法の構成によれば、電力需要が定格発電量を越えるときは熱電併給装置を定格発電量で運転して発電し、電力需要が定格発電量よりも小さいときは熱電併給装置を電力需要に追従して運転して発電し、不足分の電力を買電手段で賄うとともに熱電併給装置で発生した熱によって熱需要を賄い、かつ、後で必要とする熱を蓄熱タンクに貯めて熱需要に応じることができる。このときに、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分や昼分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄う場合まで想定し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことをも考慮して、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となるように運転する。
【0013】
また、請求項5および請求項6に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法の構成によれば、例えば、1日間など、1周期となる所定時間内において、熱電併給装置を複数段に設定した発電量で運転して発電し、不足分の電力を買電手段で賄うとともに熱電併給装置で発生した熱および電力需要が定格発電量より小さい時の電力需要を越える余剰電力を電熱変換手段により変換される熱とによって熱需要を賄い、かつ、後で必要とする熱を蓄熱タンクに貯めて熱需要に応じることができる。このときに、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分や昼分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄う場合まで想定し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことをも考慮して、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となるように運転する。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例につき、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、コージェネレーションシステムの第1実施例を示すシステム構成図であり、1は熱電併給装置を、2は蓄熱タンクをそれぞれ示している。
【0015】
蓄熱タンク2には、その底側から上部にわたって第1のポンプ3を備えた循環配管4が接続されている。循環配管4に熱交換器5が設けられ、熱電併給装置1と熱交換器5とにわたって、第2のポンプ6を備えた熱回収用循環配管7が接続されている。
【0016】
この構成により、蓄熱タンク2の下部から取り出した水を熱電併給装置1からの熱によって加熱し、その加熱された蓄熱水を蓄熱タンク2に戻して蓄熱するように構成されている。
循環配管4の熱交換器5よりも下流側の箇所に電熱変換手段としての電気ヒータ8が設けられ、熱電併給装置1で発生した電力が余剰の場合に、余剰電力を熱に変換して蓄熱タンク2の下部から取り出した水を加熱し、その加熱された蓄熱水を蓄熱タンク2に蓄えることができるように構成されている。図中9は、給湯用の給湯管を示している。
【0017】
循環配管4には、熱交換器5と直列になるように出力用循環配管10が接続されるとともに、その出力用循環配管10に暖房用熱交換器11が設けられ、暖房用熱交換器11に、第3のポンプ12を備えた暖房用循環配管13を介して、室内暖房機、床暖房機、浴室乾燥機などのセントラルヒーティング用の暖房装置14が接続されている。
【0018】
熱電併給装置1には、発電電力を取り出す電力線15が接続され、その電力線15に、照明装置や電気機器などの電気負荷16が接続されている。また、電力線15に逆潮流防止用の保護装置17を介して商用電源線18が接続され、発電電力で不足するときに商用電源からの電力を投入できるように買電手段19が構成されている。
【0019】
また、電力線15に、スイッチ回路20を介して電気ヒータ8が接続され、余剰電力の発生時に電気ヒータ8に通電するようになっている。この電気ヒータ8としては、二点鎖線で示すように、熱回収用循環配管7に設けるようにしても良い。図中21はバックアップ用のガスボイラを示している。
【0020】
熱電併給装置1およびスイッチ回路20にはマイクロコンピュータ22が接続されている。
マイクロコンピュータ22には学習機能が備えられていて、図2のブロック図に示すように、需要変化特定手段23と運転時刻入力手段24と演算手段25と比較手段26と運転制御手段27とが備えられている。
【0021】
需要変化特定手段23では、前述した学習機能によって記憶されているデータに基づき、図3および図4のグラフに示すように、1周期Tとしての1日間における前述した、照明装置や電気機器駆動のための電力需要e(t)、および、給湯や暖房などの熱需要h(t)の経時的変化を、予め特定できるように構成されている。また、表−1に、上記給湯や暖房などの熱需要h(t)の経時的変化の数値例を示す。なお、図3および図4は、多数の需要家の平均値をとって概略的な変化として示したものである。
【表1】
Figure 0004605942
【0022】
すなわち、前日の需要変化とか、1週間前の同じ曜日の需要変化などが順次記憶され、それらの需要変化に基づいて当日1日間および翌日1日間における熱需要h(t)、および、電力需要e(t)の経時的変化を、予め特定できるようになっているのである。
【0023】
運転時刻入力手段24では、1周期Tとしての1日間を、例えば、1分間ごとなど、設定時間間隔ごとに分割した運転開始時刻aを順次入力するようになっている。
【0024】
演算手段25では、需要変化特定手段23からの当日1日間および翌日1日間における熱需要h(t)、および、電力需要e(t)の経時的変化に基づいて、後述する条件式に運転時刻入力手段24から運転開始時刻aとそれから導かれる運転終了時刻bとを入力することにより、一次エネルギーの換算値を演算するようになっている。
【0025】
比較手段26では、演算手段25から入力される一次エネルギーの換算値を記憶し、その換算値と次に入力される換算値とを比較し、小さいほうの換算値とそのときの運転開始時刻aおよび運転終了時刻bを新たに記憶していき、1日間分の運転開始時刻aの入力を終了した後に、一次エネルギーの換算値が最小であった運転開始時刻aおよび運転終了時刻bを出力するようになっている。
【0026】
運転制御手段27では、比較手段26からの運転開始時刻aおよび運転終了時刻bに応答して、熱電併給装置1およびスイッチ回路20に駆動信号を出力し、一次エネルギーの換算値が最小になる状態でコージェネレーションシステムを運転するようになっている。
【0027】
次に、上記条件式について説明する。
第1実施例では、熱電併給装置1を発電効率が最も高い定格発電量(100%負荷) で運転し、電力需要e(t)が定格発電量よりも小さい余剰電力分を電気ヒータ8によって熱に変換するものとする。ここでの定格発電量としては、1kwを例示する。この定格発電量は、例えば、0.8kwなど、使用する熱電併給装置によって決まるものである。
【0028】
先ず、1周期Tとしての1日間での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を熱電併給装置1により1日間で発生させて消費する第1の状態を想定する。1日全体での必要な熱需要h(t)の総量Aは、下記(13)式
【数29】
Figure 0004605942
で求められる。また、システム全体として、熱電併給装置1の筐体や蓄熱タンク2や配管からの放熱があり、その放熱量Bは時間の関数として下記(14)式で表すことができ、
【数30】
Figure 0004605942
となる。
【0029】
これらのことから、熱電併給装置1の運転開始時刻をa、運転終了時刻をbと想定して運転した場合に、得られる総熱量は、余剰電力を電気ヒータ8で熱に変換した変換熱量に熱電併給装置1からの熱量を足したものになり、この総熱量が前述した熱需要h(t)の総量Aと放熱量Bとを加算したものと等しくなる必要がある。
【0030】
余剰電力Eは、図5の(a)の電力需要の経時的変化のグラフに示すように、電力需要e(t)[kw]が定格発電量1kwよりも小さい運転時間(aからcまで)の分であり、余剰電力Eを電気ヒータ8によって熱に変換した変換熱量Hは、図5の(b)の熱需要の経時的変化のグラフに示すように、
【数31】
Figure 0004605942
となる。
但し、e(t)<1であれば、E(t)=e(t)
e(t)≧1であれば、E(t)=1
ここで、E(t)は、負荷電力が定格電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。
【0031】
熱電併給装置1からの熱量Dは、定格発電量をF、熱電比をkとすれば、
D=F・K・(b−a)
となる。いま、F=1、k=3.25であるとすれば、図6のグラフに示すように、
D=3.25(b−a)
となる。
【0032】
熱需要を主体として常に満たすためには、熱電併給装置1の運転に伴って得られる総熱量(=熱量D+変換熱量H)が、図7のグラフに示すように、熱需要h(t)の総量A相当分(斜線部分Aで示す)と放熱量B相当分(斜線部分Aの上部分Bで示す)とを加算したもの以上になる必要があり、下記(15)式が成立する。
【数32】
Figure 0004605942
但し、e(t)<1であれば、E(t)=e(t)
e(t)≧1であれば、E(t)=1
ここで、E(t)は、負荷電力が定格電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。
【0033】
放熱量Bの関数ex(t)は、蓄熱タンク2からの放熱量ST(t)、配管からの放熱量PL(t)と熱電併給装置1の筐体からの放熱量GE(t)との総和、すなわち、
ex(t)=ST(t)+PL(t)+GE(t)……(16)
で表すことができる。
【0034】
上記蓄熱タンク2、配管および熱電併給装置1の筐体からの放熱量ST(t),PL(t),GE(t)それぞれは、主としてシステム構築時の規模に比例した熱容量によって決まるものであり、例えば、配管や熱電併給装置1の筐体や蓄熱タンク2を断熱材で覆うような構成を採用すれば、その放熱量を抑えることができるが、断熱材の断熱効果もシステム構築時に予め特定できるものであり、いずれにしても、配管や熱電併給装置1の筐体や蓄熱タンク2からの放熱量は、実験や計算や学習効果などによって予め特定できるものである。
【0035】
以上のことから、蓄熱タンク2内に蓄えられている蓄熱量S(t)は、次のように示すことができ、また、コージェネレーションシステムにおいて、熱需要を賄うために、蓄熱量S(t)が不足しないことが条件になる。すなわち、
【数33】
Figure 0004605942
である。ここで、S(0)は初期蓄熱量を示し、例えば、当日の運転開始時刻a(この第1実施例では、午前12時頃)までに必要な分を設定するなど、予め特定される電力需要と熱需要とに基づいて適宜設定されるものであり、予め特定できるものである。表−1に基づけば、初期蓄熱量は2,000[×(1/860)kW]である。
【0036】
前述(15)式において、熱需要h(t)、電力需要e(t)、ならびに、電力需要e(t)が定格発電量を越える時刻cそれぞれは、前述したように需要変化特定手段23によって予め特定され、また、運転終了時刻bは、(15)式の両辺を等しいとすることにより、運転開始時刻aに基づいて特定できる。
【0037】
これらのことから、運転開始時刻aを想定することにより、運転開始時刻aから運転終了時刻bまでの熱電併給装置1の運転に要する燃料供給量GIを、次式(4)で求めることができる。
【数34】
Figure 0004605942
【0038】
また、1日間の不足分の電力の投入量BEは、次式(18)で求めることができる。
【数35】
Figure 0004605942
ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(6)で表される。
【数36】
Figure 0004605942
但し、e(t)<Fであれば、E(t)=e(t)
e(t)≧Fであれば、E(t)=F
ここで、E(t)は、負荷電力が定格電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。
上記(18)式および(6)式において、e(t)は、予め特定された電力需要の経時的変化を示す関数である。
【0039】
これらの燃料供給量GI、1日間の不足分の電力の投入量BEおよびシステムからの放熱量の一次エネルギーの換算値PE1を求めれば、
PE1=GI・α+BE・β……(3)
となる。ここで、αは燃料の一次エネルギーへの換算値、βは電力の一次エネルギーへの換算値である。ex(t)は、前述したように、システムからの放熱量である。
【0040】
更に、例えば、夕方に多量の電力需要があり、その発電効率が高く、熱電併給装置1の運転時間帯を夕方側にシフトし、蓄えた熱を翌日に消費した方が省エネルギー性を向上できる場合があることに着目し、負荷電力の多い時間帯で熱電併給装置1を運転して、余剰となった熱を次の1周期としての翌日に消費させる第2の状態を想定する。
【0041】
このように翌日に消費することを前提とする場合には、図8の(a)および(b)の熱需要と電力需要の経時的変化のグラフに示すように、翌日の熱需要分の約25%分を翌日に消費するように設定し、その翌日に消費する熱量分をも含めた状態で、熱電併給装置1の運転開始時刻aと運転終了時刻bとを導出することになる。
【0042】
この翌日に消費する熱量分が次の日の初期蓄熱量S(0)になる。この翌日に消費する熱量分としては、例えば、当日の運転開始時刻aと同じ時刻までの分を設定するなど、いずれにしても設定値であって予め特定できるものである。
例えば、熱需要分の25%分を設定するとすれば、
【数37】
Figure 0004605942
となり、予め特定される熱需要と放熱分とによって特定される。
また、当日の運転開始時刻aと同じ時刻までの分を設定するとすれば、
【数38】
Figure 0004605942
となり、当日の運転開始時刻aによって自ずと特定される。
【0043】
これらにより、前述した(17)式が次の通りに表される。
【数39】
Figure 0004605942
ここで、tは、翌日に予定した熱量分を消費しきる時刻を当日(所定周期T)に加えた時刻である。
例えば、午後5時(17時)から翌日の午前2時まで運転したとして、表−1に基づけば、初期蓄熱量S(0)が零であったとすれば、当日の午後5時(17時)から午後12時(24時)までに必要な熱量が24,000×(1/860)kWであるのに対して発生する熱量は7× 2,800×(1/860)kW =19,600×(1/860)kW であり、余剰電力分Eを電気ヒータ8によって熱に変換した変換熱量Hを考慮したとしても4,000 ×(1/860)kW 程度が不足する。また、午前中の熱需要分 2,000×(1/860)kW があり、放熱分を見込んだとして 6,500×(1/860)kW 以上が初期蓄熱量S(0)として必要である。
【0044】
したがって、翌日分に消費することを前提とする場合に、前述した(19)式や(20)式のようにして翌日に消費する分を適宜設定した状態で、1分ごとに運転開始時刻aを入力して、前述条件式(1)を満たす一次エネルギーの換算値PE1を求め,先に求めた当日に消費する場合の最小値と比較し、第1および第2の状態を含めた全体で、一次エネルギーの換算値PE1が最小値となる運転開始時刻aおよび運転終了時刻bとを導出し、熱電併給装置1を定格運転するのである。
【0045】
以上のようにして、需要変化特定手段23によって特定される熱需要h(t)、電力需要e(t)に応じ、上記一次エネルギーの換算値PE1が最小となるように1日間における熱電併給装置1の運転開始時刻aと運転終了時刻bとを導出し、その時刻でもって熱電併給装置1を定格運転することにより、熱電併給装置1からの熱を捨てずに、省エネルギー性を向上する最適な状態でコージェネレーションシステムを運転できる。
【0046】
次に、第2実施例について説明する
この第2実施例では、電力需要e(t)が定格発電量1kwよりも小さいところでは、電力需要e(t)に合わせて発電し、定格発電量1kwよりも大きいところでは、定格発電量1kwで発電するように熱電併給装置1を運転する。
【0047】
この第2実施例では、前述第1実施例のような電気ヒータを用いないものであり、構成的には、図1および図2の電気ヒータ8およびスイッチ回路20を無くした構成となる。そして、運転開始時刻aと運転終了時刻bとを想定すれば、図9の(a)および(b)の熱需要と電力需要の経時的変化のグラフに示すように、熱電併給装置1の運転によって得られる熱量D’が総熱量となり、下記式(21)で表される。
【数40】
Figure 0004605942
ここで、e(t)<1であれば、E(t)=e(t)
e(t)≧1であれば、E(t)=1
である。また、B[E(t)]は、電力量E(t)における熱電併給装置1の発生熱量であり、B[1]=3.25である。
【0048】
熱需要を主体として常に満たすためには、熱電併給装置1の運転に伴って得られる総熱量(=熱量D’)が、熱需要h(t)の総量A’相当分(斜線部分A’で示す)と放熱量B’相当分(斜線部分A’の上部分B’で示す)とを加算したもの以上になる必要があり、前述第1実施例[(15)式]と同様な下記(22)式が成立する。図面上では、D’=A’+B’として示している。
【数41】
Figure 0004605942
【0049】
また、第1実施例と同様に、蓄熱タンク2内に蓄えられている蓄熱量S(t)は、次のように示すことができ、また、コージェネレーションシステムにおいて、熱需要を賄うために、蓄熱量S(t)が不足しないことが条件になる。
【0050】
更に、当日の熱需要分に相当する量の熱の大半を熱電併給装置1により当日に発生させて消費する第1の状態に加えて、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を翌日に消費する第2の状態を考察する場合、第1実施例と同様にして、前述した(19)式や(20)式など、翌日に消費する設定熱量分を予め特定される熱需要と熱電併給装置1によって発生する熱量とによって、初期蓄熱量S(0)が特定される。
【0051】
以上のことから、下記条件式(7)が成立する。
【数42】
Figure 0004605942
ここで、e(t)<1であれば、E(t)=e(t)
e(t)≧1であれば、E(t)=1
である。また、B[E(t)]は、電力量E(t)における熱電併給装置1の発生熱量であり、この第2実施例においても、B[1]=3.25である。S(0)は初期蓄熱量を示している。
また、h(t)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t)はシステムからの放熱量である。
【0052】
これにより、第1実施例と同様に、翌日分に消費することを前提とする場合に、前述した(19)式や(20)式のようにして翌日に消費する分を適宜設定した状態で、1分ごとに運転開始時刻aを入力して、前述条件式(1)を満たす一次エネルギーの換算値PE1[(3)式]を求め,先に求めた当日に消費する場合の最小値と比較し、第1および第2の状態を含めた全体で、一次エネルギーの換算値PE1が最小値となる運転開始時刻aおよび運転終了時刻bとを導出し、熱電併給装置1を電力需要に追従させて運転するのである。
すなわち、
PE1=GI・α+BE・β……(3)
ここで、GIは運転開始時刻aから運転終了時刻bまでの熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(4a)で表される。αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。
【数43】
Figure 0004605942
ここで、GI(t)は、負荷電力が定格発電量よりも少ない運転において使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量である。
【0053】
この結果、このように電力需要e(t)が定格発電量1kwよりも小さいところで、電力需要e(t)に合わせて発電するように熱電併給装置1を運転する場合であっても、第1実施例と同じように、需要変化特定手段23によって特定される熱需要h(t)、電力需要e(t)に応じ、一次エネルギーの換算値PE1[(3)式]が最小となるように1日間における熱電併給装置1の運転開始時刻aと運転終了時刻bとを導出し、その時刻でもって熱電併給装置1を定格運転することにより、熱電併給装置1からの熱を捨てずに、省エネルギー性を向上する最適な状態でコージェネレーションシステムを運転できる。
【0054】
上記第1実施例および第2実施例では、1日間を1周期Tとして繰り返して運転することになるが、例えば、生産ラインなどで、3日間とか1週間を1周期Tとして繰り返して運転する場合などにも適用でき、要するに、熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定できる所定時間を1周期Tとして設定すれば良く、1日間の不足分の電力の投入量BEの(17)式を、下記式(5)に置換し、1周期Tを任意に設定可能な所定時間とすれば良い。
【数44】
Figure 0004605942
【0055】
次に、第3実施例について説明する
この第3実施例では、熱需要h(t)の多少に合わせるように熱電併給装置1を500wと定格発電量1kwとで複数段に設定した発電量で運転するものとする。
【0056】
この第3実施例において、例えば、午前9時までの午前中のピークに合わせて熱電併給装置1を500wで運転し、午前9時以降の夕方のピークに合わせて熱電併給装置1を定格発電量1kwで運転するとして、500w運転の運転開始時刻a1 と、定格発電量1kw運転への切り換え、すなわち、定格発電量1kw運転の運転開始時刻a2 と、その運転終了時刻a3 を想定すれば、図10のグラフに示すように、熱電併給装置1の運転によって得られる熱量D1とD2と余剰電力分Eを電気ヒータ8によって熱に変換した変換熱量Hとの和が総熱量Dとなり、下記式(23)で表される。
【数45】
Figure 0004605942
ここで、e(t)<1であれば、E(t)=e(t)
e(t)≧1であれば、E(t)=1
である。また、T1 は、500w運転の運転開始時刻a1 から時刻a2 までの運転時間であり、T2 は1kw運転の運転開始時刻a2 から運転終了時刻a3 までの運転時間である。k1 は500w運転時の熱電比を示し、k2 は1kw運転時の熱電比を示している。
【0057】
熱需要を主体として常に満たすためには、熱電併給装置1の運転に伴って得られる総熱量(=熱量D=D1+D2+H)が、図10のグラフに示すように、熱需要h(t)の総量A相当分(斜線部分A1+A2)と放熱量B相当分(斜線部分の上部分B1+B2)とを加算したもの以上になる必要があり、前述第1実施例[(15)式]と同様な下記(24)式が成立する。
【数46】
Figure 0004605942
【0058】
また、第1実施例と同様に、蓄熱タンク2内に蓄えられている蓄熱量S’(t)は、次のように示すことができ、また、コージェネレーションシステムにおいて、熱需要を賄うために、蓄熱量S’(t)が不足しないことが条件になる。
【0059】
更に、当日の熱需要分に相当する量の熱の大半を熱電併給装置1により当日に発生させて消費する第1の状態に加えて、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を翌日に消費する第2の状態を考察する場合、第1実施例と同様にして、前述した(19)式や(20)式など、翌日に消費する設定熱量分を予め特定される熱需要と熱電併給装置1によって発生する熱量とによって、初期蓄熱量S’(0)が特定される。
【0060】
以上のことから、下記条件式(25)が成立する。
【数47】
Figure 0004605942
ここで、F1 、F2 は各設定発電量を、k1 、k2 は各設定発電量の熱電比をそれぞれ示している。H2 は余剰電力を電熱変換手段で熱に変換した変換熱量であり、次式で示される。この第3実施例では、F1 =500w、F2 =1kwである。
【数48】
Figure 0004605942
また、h(t)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t)はシステムからの放熱量である。F2 =1である。
【0061】
(24)式は、前述した第1実施例と同じように特定できるものであり、500w運転および定格発電量1kw運転それぞれの運転開始時刻a1,a2を想定することにより、複数段に設定した発電量での熱電併給装置の運転に要する燃料供給量GI’を、次式(26)で求めることができる。
【数49】
Figure 0004605942
【0062】
また、1日間の不足分の電力の投入量BE’は、次式(27)で求めることができる。
【数50】
Figure 0004605942
ここで、GP’は、熱電併給装置の発電量であり、次式(28)で表される。
【数51】
Figure 0004605942
500W運転状態では電力需要e(t)よりも小さいためにE1 (t)=F1 =500w、1kw運転状態では電力需要e(t)よりも小さい部分がE2 (t)=F2 =1kwであり、電力需要e(t)よりも大きい部分はE2 (t)=e(t)である。
上記(27)および(28)式において、e(t)は、予め特定された電力需要の経時的変化を示す関数である。
【0063】
これらの燃料供給量GI’、1日間の不足分の電力の投入量BE’およびシステムからの放熱量の一次エネルギーの換算値PE1’を求めれば、
PE1’=GI’・α+BE’・β……(9)
となる。ここで、αは燃料の一次エネルギーへの換算値、βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
【0064】
以上のようにして、需要変化特定手段23によって特定される熱需要h(t)、電力需要e(t)に応じ、上記一次エネルギーの換算値PE1’が最小となるように、1日間における500w運転および定格発電量1kw運転それぞれの運転開始時刻a1 ,a2 、ならびに、運転終了時刻a2 ,a3 を導出し、それらの時刻でもって熱電併給装置1を運転することにより、熱電併給装置1からの熱を捨てずに、省エネルギー性を向上する最適な状態でコージェネレーションシステムを運転できる。
【0065】
上記第3実施例では、1日間を1周期として繰り返して運転することになるが、例えば、1週間を1周期として繰り返して運転する場合などにも適用でき、要するに、熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定できる所定時間を1周期として設定すれば良く、1日間の不足分の電力の投入量BE’の(27)式を、下記式(11)に置換し、Tを任意に設定可能な所定時間とすれば良い。
【数52】
Figure 0004605942
この第3実施例における複数段の発電量の設定の仕方としては、各設定発電量の中間を電力需要に追随させる状態にする形態、あるいは、発電量が電力需要を越えない状態で電力需要に極力近づける形態のいずれでも良い。前者の場合、余剰電力分を電気ヒータで熱に変換すれば良い。
【0066】
また、上記第3実施例では、500w運転および定格発電量1kw運転の2種類のステップ運転を行うようにしているが、本発明としては、例えば、700w運転および定格発電量1kw運転の2段に設定した発電量の運転を行うとか、500w運転、700w運転および定格発電量1kw運転などの3段以上に設定した発電量の運転を行うようにしても良く、その場合、複数の発電量が変わる時期a1 ,…,an-1 に基づき、前述条件式(25)式を下記式(8)に置換するとともに、(26)式を下記式(10)に、そして、(28)式を下記式(12)にそれぞれ置換すれば良い。nは正の整数である。
【数53】
Figure 0004605942
ここで、S’(0)は初期蓄熱量を示し、F1 、…、Fn は各設定発電量を、k1 、…、kn は各設定発電量の熱電比をそれぞれ示している。H1 、H2 、…、Hn-1 は余剰電力を電熱変換手段で熱に変換した変換熱量であり、次式で示される。
【数54】
Figure 0004605942
但し、e(t)<Fk であれば、Ek (t)=e(t)
e(t)≧Fk であれば、Ek (t)=Fk
kは1からn−1までの整数である。
k (t)は、負荷電力が定格電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。また、h(t)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t)はシステムからの放熱量である。
PE1’=GI’・α+BE’・β……(9)
【数55】
Figure 0004605942
【数56】
Figure 0004605942
但し、e(t)<Fk であれば、Ek (t)=e(t)
e(t)≧Fk であれば、Ek (t)=Fk
【0067】
次に、上記第3実施例のシュミレーションテストの一例について説明する。
1日の電気需要を15kw、1日の熱需要を32.5kwとし、500w運転の時間を1時間、2時間、3時間、4時間、5時間と変化させるとともに、放熱率を0%、1%、3%、5%、10%に想定して、熱需要=排熱となるように定格発電量1kwの運転と組み合わせた。
その結果、図11のデータシートに示す計算結果が得られた。
【0068】
今、1周期T内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置1により前記1周期T内で発生させて消費する第1の状態として、放熱率が3%で500w運転の時間を5時間にした場合(Mで示す)と、1周期T内の負荷電力の多い時間帯で熱電併給装置1を運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態として、放熱率が10%で500w運転の時間を3時間にした場合(Lで示す)とで比較すれば、後者の場合の方が、放熱率が高いにもかかわらず、一次エネルギーとしては小さくできている。
【0069】
このように、運転時刻の設定と、熱電併給装置1を運転すべき発電量の設定とを変えることによって、放熱率が高くても一次エネルギーを小さくできる場合が多々あり、上述のように運転時刻を求めることで省エネルギーを図ることができるものであり、本発明が極めて有用であることが明らかである。
【0070】
本発明は、家庭用や製造工場や商用ビルなどの各種の用途のコージェネレーションシステムに適用できる。
【0071】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1および請求項2に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法によれば、電力需要が定格発電量よりも小さいときの電力需要を越える余剰の電力を電熱変換手段によって熱に変換し、熱電併給装置を定格発電量で運転して発電するから、定格発電量よりも小さい発電量で運転する場合に比べて見掛け上の発電効率を高くできる。
しかも、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄う場合まで想定し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことをも考慮して、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となるように運転するから、放熱ロスのより少ない状態を選択して熱電併給装置を運転でき、省エネルギー性を向上できる。
【0072】
また、請求項3および請求項4に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法によれば、電力需要が定格発電量を越えるときは熱電併給装置を定格発電量で運転して発電するから発電効率を高くでき、また、電力需要が定格発電量よりも小さいときは熱電併給装置を電力需要に追従して運転して発電し、余剰電力を発生させないようにするから、常時定格運転するよりも効率を向上できるとともに熱に変換するための構成を不用にできる。
しかも、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄う場合まで想定し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことをも考慮して、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となるように運転するから、発電効率を極力高くできるとともに放熱ロスを極力少なくできる状態を選択して熱電併給装置を運転でき、省エネルギー性を向上できる。
【0073】
また、請求項5および請求項6に係る発明のコージェネレーションシステムの運転方法によれば、熱電併給装置を複数段に設定した発電量で運転するから、常時一定出力よりも余剰電力が少なく効率良い運転ができる。
しかも、例えば、1日などの1周期内にとどまらず、翌日の午前分の熱需要など次の1周期内の熱需要の一部を賄う場合まで想定し、蓄熱タンクに貯めた熱が消費までの間に放熱する分と、不足分の電力を買電手段で賄うことをも考慮して、全体の一次エネルギーへの変換値が最小となるように運転するから、発電効率を極力高くできるとともに放熱ロスを極力少なくできる状態を選択して熱電併給装置を運転でき、省エネルギー性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコージェネレーションシステムを示すシステム構成図である。
【図2】ブロック図である。
【図3】第1実施例の説明に供する電力需要の経時的変化を示すグラフである。
【図4】第1実施例の説明に供する熱需要の経時的変化を示すグラフである。
【図5】第1実施例の説明に供する電力需要と熱需要と発生熱量との相関を示すグラフである。
【図6】第1実施例の説明に供する熱需要と発生熱量との相関を示すグラフである。
【図7】第1実施例の説明に供する熱需要と発生熱量との相関を示すグラフである。
【図8】第1実施例の説明に供する電力需要と熱需要と発生熱量との相関を示すグラフである。
【図9】第2実施例の説明に供する電力需要と熱需要と発生熱量との相関を示すグラフである。
【図10】第3実施例の説明に供する電力需要と熱需要と発生熱量との相関を示すグラフである。
【図11】第3実施例のシュミレーションの実験結果を示すデータシートである。
【符号の説明】
1…熱電併給装置
2…蓄熱タンク
8…電熱変換手段としての電気ヒータ
19…買電手段
23…需要変化特定手段

Claims (6)

  1. 定格発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
    前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
    前記熱電併給装置で発生した電力を熱に変換する電熱変換手段と、
    所定時間を1周期として、その1周期および次の1周期それぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
    不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
    前記1周期内での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費する第1の状態、および、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態それぞれを想定し、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割した運転開始時刻を順次入力し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上になるようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる最適運転状態を前記第1および第2の状態の全体から求め、求められた最適運転状態の運転開始時刻とその運転開始時刻から導かれる運転終了時刻とによって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量よりも小さいときの余剰電力を前記電熱変換手段で熱に変換することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法。
  2. 請求項1に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
    所定時間を1周期Tとして、その1周期Tおよび次の1周期Tそれぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
    前記1周期T内での熱需要分またはその大半に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費する第1の状態、および、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態それぞれを想定し、前記1周期Tを設定時間間隔ごとに分割した運転開始時刻aを順次入力し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t)が常に下記条件式(1)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE1[式(3)]が最小となる最適運転状態を前記第1および第2の状態の全体から求め、求められた最適運転状態の運転開始時刻aとその運転開始時刻aから導かれる運転終了時刻bとによって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量よりも小さいときの余剰電力を前記電熱変換手段で熱に変換することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法。
    Figure 0004605942
    ここで、S(0)は初期蓄熱量を示し、Fは定格発電量を、kは熱電比をそれぞれ示している。
    また、h(t)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t)はシステムからの放熱量である。そして、Hは、余剰電力を電熱変換手段で熱に変換した変換熱量で、F>e(t)の分を積算するものであり、下記(2)式で表される。
    Figure 0004605942
    但し、e(t)<Fであれば、E(t)=e(t)
    e(t)≧Fであれば、E(t)=F
    ここで、E(t)は、負荷電力が定格電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量であり、e(t)は、予め特定された電力需要の経時的変化を示す関数である。
    PE1=GI・α+BE・β……(3)
    ここで、GIは運転開始時刻aから運転終了時刻bまでの熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(4)で表される。αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。
    Figure 0004605942
    ここで、GI(t)は、使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量である。
    BEは、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(5)で表される。βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
    Figure 0004605942
    ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(6)で表される。
    Figure 0004605942
    但し、e(t)<Fであれば、E(t)=e(t)
    e(t)≧Fであれば、E(t)=F
  3. 負荷電力が定格発電量より少ない場合負荷に合わせて運転することができる電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
    前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
    所定時間を1周期として、その1周期および次の1周期それぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
    不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
    前記1周期内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費する第1の状態、および、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態それぞれを想定し、前記1周期を設定時間間隔ごとに分割した運転開始時刻を順次入力し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上になるようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる最適運転状態を前記第1および第2の状態の全体から求め、求められた最適運転状態の運転開始時刻とその運転開始時刻から導かれる運転終了時刻とによって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量よりも小さいときには電力需要の変化に追従させて運転することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法。
  4. 請求項3に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
    所定時間を1周期Tとして、その1周期Tおよび次の1周期Tそれぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
    前記1周期T内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費する第1の状態、および、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態それぞれを想定し、前記1周期Tを設定時間間隔ごとに分割した運転開始時刻aを順次入力し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S(t)が常に下記条件式(7)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE1[式(3)]が最小となる最適運転状態を前記第1および第2の状態の全体から求め、求められた最適運転状態の運転開始時刻aとその運転開始時刻aから導かれる運転終了時刻bとによって、前記熱電併給装置を定格発電量で運転するとともに電力需要が定格発電量よりも小さいときには電力需要の変化に追従させて運転することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法。
    Figure 0004605942
    ここで、S(0)は初期蓄熱量を示し、E(t)は、負荷電力が定格電力を越える場合は定格電力量となり、負荷電力が定格電力より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。B[E(t)]は、電力量E(t)における熱電併給装置の発生熱量を示している。
    また、h(t)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t)はシステムからの放熱量である。
    PE1=GI・α+BE・β……(3)
    ここで、GIは運転開始時刻aから運転終了時刻bまでの熱電併給装置の運転に要する燃料供給量であり、次式(4a)で表される。αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。
    Figure 0004605942
    ここで、GI(t)は、負荷電力が定格発電量以下の運転において使用する熱電併給装置によって特定される燃料供給量である。
    BEは、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(5)で表される。βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
    Figure 0004605942
    ここで、GPは、熱電併給装置の発電量であり、次式(6)で表される。
    Figure 0004605942
    但し、e(t)<Fであれば、E(t)=e(t)
    e(t)≧Fであれば、E(t)=F
    上記(5)および(6)式において、e(t)は、予め特定された電力需要の経時的変化を示す関数である。
  5. 複数段に設定した発電量で運転して設定発電量の電力と熱とを発生する熱電併給装置と、
    前記熱電併給装置で発生した熱を貯める蓄熱タンクと、
    所定時間を1周期として、その1周期および次の1周期それぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段と、
    不足分の電力を投入可能な買電手段とを備え、
    前記1周期内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期内で発生させて消費する第1の状態、および、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態それぞれを想定し、前記1周期を電気負荷に合わせて、複数段に設定した発電量で運転し、その複数段の発電量が変わる時刻を複数段の設定発電量の運転状態それぞれに順次入力し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量が0以上になるようにして、全体の一次エネルギーの換算値が最小となる最適運転状態を前記第1および第2の状態の全体から求め、求められた最適運転状態の運転開始時刻によって、前記熱電併給装置を複数段の設定発電量で運転することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法。
  6. 請求項5に記載のコージェネレーションシステムの運転方法において、
    所定時間を1周期Tとして、その1周期Tおよび次の1周期Tそれぞれ内の熱需要および電力需要それぞれの経時的変化を予め特定する需要変化特定手段を備え、
    前記1周期T内での熱需要分に相当する量の熱を前記熱電併給装置により前記1周期T内で発生させて消費する第1の状態、および、負荷電力の多い時間帯で運転して余剰となった熱を次の周期で消費する第2の状態それぞれを想定し、前記1周期Tを電気負荷に合わせて、複数段に設定した発電量で運転し、その複数段の発電量が変わる時刻をa1 ,…,an-1 (nは正の整数)として複数段の設定発電量の運転状態それぞれに順次入力し、前記蓄熱タンク内の蓄熱量の変動値S’(t)が常に下記条件式(8)を満たすとともに、下記一次エネルギーの換算値PE1’[式(9)]が最小となる最適運転状態を前記第1および第2の状態の全体から求め、求められた最適運転状態の運転開始時刻a1 ,…,an-1 によって、前記熱電併給装置を複数段の設定発電量で運転することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法。
    Figure 0004605942
    ここで、S’(0)は初期蓄熱量を示し、F1 、…、Fn は各設定発電量を、k1 、…、kn は各設定発電量の熱電比をそれぞれ示している。H1 、H2 、…、Hn-1 は余剰電力を電熱変換手段で熱に変換した変換熱量であり、次式で示される。
    Figure 0004605942
    但し、e(t)<Fk であれば、Ek (t)=e(t)
    e(t)≧Fk であれば、Ek (t)=Fk
    kは1からn−1までの整数である。
    k (t)は、負荷電力が各設定発電量を越える場合は各設定発電量となり、負荷電力が各設定発電量より小さい場合はその負荷電力量となる電力量である。また、h(t)は、予め特定された熱需要の経時的変化を示す関数であり、ex(t)はシステムからの放熱量である。
    PE1’=GI’・α+BE’・β……(9)
    ここで、GI’は、各複数段に設定した運転の運転開始時刻a1 ,…,an-1からの熱電併給装置の運転に要する総燃料供給量であり、次式(10)で表される。nは正の整数であり、GI’(t)は、複数段の発電に起因して運転される熱電併給装置によって特定される燃料供給量である。αは燃料の一次エネルギーへの換算値である。
    Figure 0004605942
    BE’は、1周期Tとなる所定時間T内での不足分の電力の投入量であり、次式(11)で表される。βは電力の一次エネルギーへの換算値である。
    Figure 0004605942
    ここで、GP’は、熱電併給装置の発電量であり、次式(12)で表される。
    Figure 0004605942
    但し、e(t)<Fk であれば、Ek (t)=e(t)
    e(t)≧Fk であれば、Ek (t)=Fk
    上記(11)および(12)式において、e(t)は、予め特定された電力需要の経時的変化を示す関数である。
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