JP4601768B2 - 易開封性包装材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、易開封性(イージーピール性)の包装材料に関する。さらに詳しくは、比較的低温からヒートシールすることが可能であって、かつヒートシール温度を高く設定した場合であっても、ヒートシール強度が過度に高くならず良好な易開封性を確保することができる包装材料に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
食品等の包装に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートあるいはポリカーボネートなどで形成された容器に被包装物を充填した後、包装容器の充填口に蓋材を当接してヒートシールする方法が利用されている。こうした形態の包装体は、被包装物を取り出す際に蓋材を引き剥がす必要があることから、容器と蓋材との被包装体の漏洩等がなく、かつ被包装体を取り出す際に容器から蓋材が容易に剥離できる程度のヒートシール強度を有している(易開封性)必要がある。
【0003】
このようなポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートあるいはポリカーボネートなどで形成された容器に用いられる易開封性を有する蓋材の熱圧着性接着剤としては、飽和ポリエステル系の樹脂が使用されることが多い。しかしながら、熱圧着性接着剤としてポリエステル系樹脂を単独で使用すると、ヒートシール強度が高くなりすぎることが多いので、一般には、ポリエステル系樹脂の有するヒートシール強度を他の樹脂を配合することにより低下させて使用されている。
【0004】
例えば、特公平3−50704号公報には、ポリエステル系の樹脂にポリエチレン系の樹脂を配合したシール層を有する蓋材が開示されており、特公平3−50706号公報には、ポリエステル系樹脂に、この樹脂との相溶性が悪い樹脂(具体的にはポリエチレン系の樹脂)を配合したシール層を有する蓋材が開示されており、さらに、特開昭63−87222号公報には、ポリエステル樹脂にポリオレフィン系樹脂を混合した組成物からなる易開封性のフィルム等が開示されている。
【0005】
このようなポリエステルにポリオレフィンを配合した組成物では、ポリオレフィンがポリエステルに分散しにくく、接着する場所によって接着強度に差異を生ずることがある。
また、特許第2901324号公報には、特定の引張り伸びを有するポリエステル層/接着性ポリオレフィン層/ポリオレフィン樹脂層からなる易開封性のフィルムが開示されている。この公報に開示されている易開封性のフィルムは、ポリエステル樹脂の伸び率が低いことを利用してポリエステル樹脂層を層間剥離させることにより易開封性を発現させたものである。この公報に開示されているように、ポリエステルを主成分とする易開封性包装材料は、保香性などの点では好ましいが、最近ヒートシール部の仕上がりがより綺麗でかつより高速に成型できるように、より低い温度でヒートシールが可能なポリエステル系の易開封性包装材料が望まれている。
【0006】
しかしながら、低温でのヒートシール性のよいフィルムを用いようとすると、このフィルムを用いて易開封性包装材料を形成する際に巻回されたフィルムが相互にブロッキングしてしまう。このように強固にブロッキングしたフィルムは、巻回フィルムからのフィルムの円滑な巻き出しが困難になることがあり、連続した包装材料の製造が難しくなるという問題がある。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの熱可塑性樹脂からなるポリカーボネート製容器あるいはポリエステル製容器に対して易剥離性を有する包装材料を提供することを目的としている。
【0008】
さらに、本発明は、シール面が耐ブロック性に優れた易開封性包装材料を提供することを目的としている。
また、本発明は、ヒートシールした際にシール部の収縮が少ない外観を形成することができる包装材料を提供することを目的としてる。
【0009】
【発明の概要】
本発明は、基層とシール層を有する少なくとも二層の熱可塑性樹脂層からなる易開封性包装材料であって、上記シール層が、
テレフタル酸から誘導される成分単位および脂肪族ジカルボン酸から誘導される成分単位を有するジカルボン酸単位と、エチレングリコールから誘導される成分単位および1,4−ブタンジオールから誘導される成分単位を有するジオール成分単位とからなる繰返し単位から構成されたポリエステルであるガラス転移温度40℃以下の結晶性ポリエステルA:70〜90重量部と、
テレフタル酸から誘導される成分単位および脂肪族ジカルボン酸から誘導される成分単位を有するジカルボン酸成分単位と、エチレングリコールから誘導される成分単位およびシクロヘキサンジメタノールから誘導される成分単位を有するジオール成分単位とからなる繰返し単位から構成されるポリエステルであるガラス転移温度が45〜90℃の非晶性ポリエステルB:10〜30重量部を含むシール層であり、
そのシール層がヒートシールされた被着体にシール層を残して層間剥離し、シール層同士を重ねて100mm×100mmの面積に25kgの荷重をかけて50℃で72時間放置した後、チャック間速度200mm/分の速度で剥離した剥離強度が1N/100mm以下であり、
その被着体がポリエステル系の樹脂からなる容器、または、ポリカーボネート系の樹脂からなる容器であることを特徴とする易開封性包装材料に関する。
【0010】
本発明の易開封性包装材料は、特に、ポリエステル系の樹脂からなる包装材および、ポリカーボネート系の樹脂からなる包装材料に対して非常に良好な易開封性を示す。本発明の易開封性包装材料は、被着体にヒートシールして剥離する際に、被着体にこの易開封性包装材料を形成するシール層を被着体に残して層間剥離するものである。即ち、本発明の易開封性包装材料では、通常は、ヒートシールした際のシール層と被着体とのヒートシール強度が、基層とシール層との剥離強度よりも高い。
【0011】
また、本発明の易開封性包装材料は、易開封性の蓋材料であることが好ましい。
さらに、本発明の易開封性包装材料は、シール層と積層されている基層を構成する熱可塑性樹脂が変性ポリオレフィンからなり、且つシール層を構成する熱可塑性樹脂が低結晶性ポリエステル組成物から形成されていることが望ましい。
【0012】
そして、こうしたシール層を形成する低結晶性ポリエステル組成物は、この組成物中に含有される樹脂成分100重量部中に、ガラス転移温度40℃以下の結晶性ポリエステルA:70〜90重量部と、ガラス転移温度が45℃〜90℃の非晶性ポリエステルB:10〜30重量部との割合で含有されており、組成物としての融点が200℃以下であるものが好ましい。
【0013】
また、本発明の易開封性包装材料のシール層は、結晶性ポリエステルAと非晶性ポリエステルBとを含有してなり、この結晶性ポリエステルAが、テレフタルから誘導される成分単位酸および脂肪族ジカルボン酸から誘導される成分単位を有するジカルボン酸成分単位と、エチレングリコールから誘導される成分単位および1,4−ブタンジオールから誘導される成分単位を有するジオール成分単位とからなる繰返し単位から構成されたポリエステルであり、また、非晶性ポリエステルBは、テレフタル酸から誘導される成分単位および脂肪族ジカルボン酸から誘導される成分単位を有するジカルボン酸成分単位と、エチレングリコールから誘導される成分単位およびシクロヘキサンジメタノールから誘導される成分単位を有するジオール成分単位とからなる繰返し単位から構成されるポリエステルである。こうした樹脂組成物で形成されている表層の厚さは、10μm以下であることが好ましい。
【0014】
本発明の易開封性包装材料は、基層を構成する熱可塑性樹脂は変性ポリオレフィンから形成されていることが好ましいが、この変性ポリオレフィンが、一部若しくは全てが不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性された変性ポリオレフィンであることが特に好ましい。
さらに、本発明の易開放性包装材料は、基層が上記変性ポリオレフィン層と未変性のポリオレフィン層の二層であっても良い。かかる未変性ポリオレフィンとしてはポリエチレンであることが好ましい。又、シール層が積層されていない基層表面に、一軸若しくは二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムおよび/または一軸若しくは二軸延伸ポリアミドフィルムが、さらに積層されていることが好ましい。
【0015】
また、本発明の易開放性包装材料ではシール層を形成する樹脂組成物中の樹脂成分100重量部に対して0.1〜3重量部の帯電防止剤および/または0.5重量部のアンチブロッキング剤が含有されていることが好ましい。
【0016】
【発明の具体的説明】
次に本発明の易開封性包装材料について、具体的に説明する。
図1に示すように、本発明の易開封性包装材料1は、基層10と、シール層20との積層体である。基層10は一層であっても良いが、図1には、基層10は層12及び層15の二層からなる例が示されている。また、図2に示すように、この易開封性包装材料1のシール層20が形成されていない基層10の表面には、延伸フィルム22が積層されていることが好ましい。図2には延伸フィルム22と基層10との間に接着層16が構成されている。
【0017】
本発明の易開封性包装材料1を形成する基層10の一層である層12は、ポリオレフィンからなるフィルムから形成されている。層12としては、例えば高圧法低密度ポリエチレン(所謂HP−LDPE)、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)高密度ポリエチレン(所謂HDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブテンなどのポリオレフィンからなるフィルムを使用することができる。この基層12は、水蒸気バリアー性、耐熱性、耐衝撃性に優れた上記樹脂を使用することが好ましく、特に水蒸気バリアー性、耐熱性、耐衝撃性に優れたポリオレフィン、特にポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを使用することが好ましい。
【0018】
この層12としてポリエチレンを使用する場合、用いられるポリエチレンとしては、通常、密度:0.910〜0.970g/cm3、好ましくは0.915〜0.935g/cm3、ASTM D1238Dにより測定した190℃における2.16kg荷重におけるメルトフローレート〔MFR(190℃)〕が通常0.1〜10g/10分、好ましくは0.5〜5g/10分のHP-LDPEが好適である。
【0019】
また、層12としてポリプロピレンを使用する場合、用いられるポリプロピレンとしては、ASTM D1238Dにより測定した230℃における2.16kg荷重におけるメルトフローレート〔MFR(230℃)〕が通常0.1〜20g/10分、好ましくは0.51〜10g/10分のポリプロピレンが好適である。
さらに、上記のような層12を形成する樹脂は、例えば上記のようなポリオレフィンの混合物(組成物)であってもよく、また、上記のようなポリオレフィンを構成するエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンおよび4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィン同士の共重合体であっても良い。
【0020】
この基材12の厚さは、通常は、5μm以上、好ましくは10〜30μmである。このような厚さを有する層12を用いることにより、得られる易開封性包装材料が実用に耐え得る程度の強度を有するようになると共に、著しいコスト高を招来することもない。
本発明の易開封性包装材料において、基層10は、変性ポリオレフィン一層であっても良いが、前記ポリオレフィン層12と変性ポリオレフィン層15の二層から形成されていても良い。また基層10自体の表面を変性して接着性を賦与しても良い。この変性ポリオレフィン層15は、シール層20を形成する樹脂組成物との適度な接着性を確保するための層であり、例えば蓋材として用いた際に、開封時に上述した低結晶性ポリエステル組成物層20と容器2との界面では剥離せず、この変性ポリオレフィン層15と低結晶性ポリエステル組成物層20の層間で剥離するという特性を有し、夾雑物シール性に優れるので内容物が保管時あるいは輸送時に漏れる虞がない。
【0021】
特に本発明では、この基層10の一層を構成する変性ポリオレフィン層15は一部若しくは全部が不飽和カルボン酸若しくはその誘導体でグラフト変性された変性ポリオレフィンから形成されていることが好ましい。
この変性ポリオレフィン層15を形成するために使用される変性前の原料ポリオレフィンを形成するモノマーの例としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンおよび4-メチル-1-ペンテンなどのオレフィン類を挙げることができる。このオレフィン類は、単独であるいは他の単量体と共重合して層15を形成するための変性ポリオレフィンを構成する。こうしたオレフィン類が(共)重合した変性前のポリマーの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体などの炭素数2〜10のα-オレフィンを挙げることができる。これらのなかでも、フィルムの強度等の点でポリエチレン、エチレン・α-オレフィン共重合体が好ましい。本発明で変性前のポリマーとして、エチレン・α-オレフィン共重合体を使用する場合、エチレンと共重合されるα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテンが好ましい。
【0022】
エチレン・α-オレフィン共重合体において、エチレンから誘導される繰返し単位は、通常は80モル%以上100モル%未満、好ましくは90〜99モル%の範囲内にあり、α-オレフィンから誘導される繰返し単位は、通常は0モル%を超え20モル%以下、好ましくは1〜10モル%の範囲内にある。変性前のエチレン・α-オレフィン共重合体についてASTM D1238Dによる190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート〔MFR(190℃)〕は、通常は20〜0.001g/10分、好ましくは10〜0.01g/10分の範囲内にある。
【0023】
このような変性前の(共)重合体の製造方法は特に限定されず、例えばチタン(Ti)系、バナジウム(V)系、ジルコニウム(Zr)系等の触媒を用いて製造することができる。
こうした未変性の(共)重合体を不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性することにより、層15を形成するのに好適な樹脂であるグラフト変性ポリオレフィンを製造することができる。
【0024】
ここで使用される不飽和カルボン酸またはその誘導体の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、α-エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシス-〔2,2,1〕ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(ナジック酸TM)などの不飽和カルボン酸およびこれらの酸ハライド、アミド、イミド、酸無水物、エステル類などの誘導体を挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらの中でも、特にマレイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無水物が好適である。
【0025】
ポリオレフィンのグラフト変性は公知の方法で行うことができる。例えば前記ポリオレフィンを有機溶媒に溶解した溶液に不飽和カルボン酸またはその誘導体およびラジカル開始剤等を添加し、通常は60〜350℃、好ましくは80〜190℃の温度で、通常は0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させることにより変性することができる。この反応で使用できる有機溶媒は未変性のポリオレフィンなどおよび変性後のポリオレフィンなどを溶解若しくは分散可能な有機溶媒であれば良く、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキセン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、脂環族炭化水素溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0026】
また、上記の方法とは別のグラフト変性方法として、押出し機などを使用して、無溶媒でポリオレフィンと不飽和カルボン酸若しくはその誘導体とを接触させて変性物を調製する方法がある。この場合の反応条件は、反応温度は通常は120〜350℃、反応時間は通常は0.5〜10分間である。
上記グラフトモノマーと不飽和カルボン酸またはその誘導体を効率よくグラフと共重合させるためにラジカル開始剤を使用することが好ましい。
【0027】
本発明におけるグラフト変性に使用されるラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステル、アゾ化合物などがあり、これらの例としては、ベンゾイルペルオキサイド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン-3,2,5-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、t-ブチルペルベンゾエート、t-ブチルペルフェニルアセテート、t-ブチルペルイソブチレート、t-ブチルペル-sec-オクトエートおよびt-ブチルベンジエチルアセテート、アゾビスイソブトロニトリルなどを挙げることができる。これらのラジカル開始剤は単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらのなかでは、ジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3,2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)へキサン、1,4-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましい。ラジカル開始剤は、未変性のポリオレフィン100重量部に対して通常は0.001〜1重量部の量で用いられる。
【0028】
このようにしてグラフト変性して得られたグラフト変性物のグラフト量(グラフト変性率)は、通常は0.05〜10重量%、好ましくは0,05〜5重量%の範囲内になるが、本発明で層15として好適に使用できるグラフト変性物のグラフト変性率は、通常は0.05〜0.5重量%、好ましくは0.08〜0.5重量%である。従って、本発明では、好適なグラフト変性率のグラフト変性物を単独であるいは組み合わせて使用することもできるし、高グラフト変性率のグラフト変性物に未変性ポリマーを上述のような適性グラフト変性率になるように添加・希釈して用いることもできる。
【0029】
このような層15は、上記のグラフト変性物で形成することができるが、さらにこのグラフト変性物と共に、あるいはこれらとは別に他の樹脂を用いて形成することができる。このような他の樹脂の例としては、ポリイソプレン、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・1-ブテンゴム、1-オクテンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴムを挙げることができる。また、これらのオレフィン系エラストマーを前記不飽和カルボン酸若しくはその誘導体で変性した変性エラストマーも同様に使用することができる、これらは単独であるは組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ポリイソブチレン、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・1-ブテンゴム、エチレン・1-オクテンゴムおよびこれらの変性物が好ましく使用される。オレフィン系エラストマーを変性エチレン(共)重合体と共に使用する場合には、層15の特性が確保される範囲内の量であれば特に制限なく使用することができるが、その配合量は、変性エチレン(共)重合体100重量部に対して、通常は30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。
【0030】
このような基材10は、前記変性ポリオレフィン層一層から構成されていても良いが、変性ポリオレフィンは未変性ポリオレフィンに比べて一般的に価格が高いので、未変性ポリオレフィン層12と積層し、少なくとも二層にするとコスト高を招かない。
基層10が二層の場合は、未変性ポリオレフィンと共に上記層15を形成する変性ポリオレフィンとを共押出しして多層フィルムとすることもできるし、層15を形成するフィルムを別途製造し、層12に積層することにより形成することもできる。また、層15の形成成分である変性ポリオレフィンを溶媒に溶解もしくは分散させて層12上に塗布し、溶媒を除去することにより製造することもできる。
【0031】
本発明の易剥離性包装材料は、種々の製造方法、例えばシール層20を形成する低結晶性ポリエステル等の熱可塑性樹脂、基層を形成する変性ポリオレフィン更には未変性ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂とを夫々別個の押出機で溶融して二層あるいは三層等の多層ダイを用いて共押出し成形して製造する方法、予め成形した基層フィルムにシール層を形成する熱可塑性樹脂を押出しラミネートして製造する方法等を挙げることができる。シール層を形成する熱可塑性樹脂として低結晶性ポリエステルを用いる場合は共押出し成形法を採用することが好ましい。
【0032】
なお、本発明において層15は、好適には上記のような変性エチレン(共)重合体を用いて形成することができるが、これとは別に、層12を構成する未変性ポリオレフィンの表面のシール層20と積層する面を、例えば、エネルギー線で処理する方法、表面に過酸化物を反応させる方法などによっても形成したものを用いても良い。
【0033】
本発明の易開封性包装材料の好ましい例の一つは、こうして層15が形成された基層10と、シール層20との積層体である。
このシール層20は、好ましくは融点が200℃以下である樹脂組成物から形成されている。
そして、このシール層20を形成するフィルムは、好ましくは破断時の伸びが200%以上である。
【0034】
このようなシール層20を形成するフィルムは、通常は低結晶性ポリエステル組成物から形成されている。この低結晶性ポリエステル組成物は、結晶性ポリエステルAと、非晶質ポリエステルBとを含有するポリエステル組成物からなる。本発明で用いられる結晶性ポリエステルAの融点は、通常は200℃以下、好ましくは90〜185℃の範囲内にあり、ガラス転移温度(Tg)は、通常は40℃以下、好ましくは−35〜20℃の範囲内にある樹脂である。結晶性ポリエステルAの融点が200℃を超えると、非晶性ポリエステルBとの混練の温度を高く設定する必要がある場合があり、混練の際の加熱によって樹脂が劣化する虞があると共に、非晶性ポリエステルBとの組成物の融点も高くなることから製膜し難くなる虞がある。さらにこうした樹脂を用いた場合にはヒートシール温度を高く設定する必要があり、得られる包装材料の開封性が低下する虞がある。本発明で使用するポリエステルAは、融点を有しており結晶性である。この結晶性ポリエステルAのガラス転移温度(Tg)が40℃を超える場合は、本発明においてヒートシール性が低下する虞がある。
【0035】
このような結晶性ポリエステルAの他の特性として、結晶性ポリエステルAについて測定した還元粘度は、通常は0.5〜2.5、好ましくは0.6〜2.0の範囲内にあり、重量平均分子量は、通常は2万〜35万、好ましくは3万〜30万の範囲内にある。
このような結晶性ポリエステルAとしては、ジカルボン酸とジオールとの重縮合によって得られるポリエステルを挙げることができる。ここで使用されるジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルカルボン酸等の芳香族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を挙げることができる。また、ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどを挙げることができる。
【0036】
結晶性ポリエステルAの特性を上記のように調整するためには、ジカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸と共に、脂肪族ジカルボン酸を併用し、またジオール成分として、比較的炭素鎖の長いジオール成分を用いて縮重合する。このような特性を有する結晶性ポリエステルAは既に市販されており、上記のような特性を有する結晶性ポリエステルAとして、例えば、「バイロン」の商品名(東洋紡(株)製)で市販されている結晶性ポリエステルを使用することができる。
【0037】
本発明で使用される非晶性ポリエステルBは、ポリエチレンテレフタレートをベースとして、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸以外のジカルボン酸を使用することもあり、かつ、ジオール成分としてエチレングリコール以外のポリエステルのガラス転移温度を高くするジオール成分、好ましくはジオール成分の一部として1,4-シクロヘキサンジメタノールを用いて縮重合したポリエチレンテレフタレートコポリマーである。ここで用いられるテレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分の例としては、イソフタル酸、ジフェニレンカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸を挙げることができ、また、エチレングリコールおよび1,4-シクロヘキサンジメタノール以外のジオール成分の例としては、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール等を挙げることができる。このような非晶質ポリエステル系樹脂の具体的な例としては、エチレングリコールとテレフタル酸との縮重合物、エチレングリコールとイソフタル酸とテレフタル酸との縮重合物、1,4-シクロヘキサンジメタノールとイソフタル酸とテレフタル酸との縮重合物、エチレングリコールと1,4-シクロヘキサンジメタノールとイソフタル酸とテレフタル酸との縮重合物、プロピレングリコールとイソフタル酸とテレフタル酸との縮重合物を挙げることができる。
【0038】
このような非晶性ポリエステルBの重量平均分子量は、通常は1万〜40万の範囲内にあり、ガラス転移温度(Tg)は、通常は40℃を超え、好ましくは45〜90℃の範囲内にある。そして、この非晶性ポリエステルBは、結晶性を有していないので、単独で使用した場合には加熱冷却の工程では結晶化しない。特に本発明では非晶性ポリエステルBとして、ポリエチレンテレフタレートを形成するエチレングリコールから誘導される成分単位の少なくとも一部が1,4-シクロヘキサンメタノールから誘導される成分単位で置き換えられたコポリエステル樹脂を使用することが好ましい。
【0039】
このような非晶性のコポリエステル系樹脂は既に市販されており、本発明では、上記のような特性を有する非晶性ポリエステルBとして、例えば、「PET−G」の商品名(イーストマン・コダック社製)で市販されている非晶性コポリエステル系樹脂を使用することができる。本発明では、上記の結晶性ポリエステルAと非晶性ポリエステルBとを好ましくは混合した樹脂組成物を使用する。すなわち、上記結晶性ポリエステルAと非晶性ポリエステルBとを、溶融混練してヒートシール性組成物を形成し、このヒートシール性組成物を用いて、基材表面にヒートシール層を形成する。このヒートシール性組成物は、上記結晶性ポリエステルAを70〜90重量部の範囲内の量で用い、非晶性ポリエステルBを、10〜30重量部の範囲内の量で使用する。上記のような配合比率で結晶性ポリエステルAと非晶性ポリエステルBとからなる低結晶性ポリエステル組成物は、特にポリエステルシートもしくはポリカーボネートとの低温ヒートシール性に優れ、しかもシールした部分40を剥離する際には、例えば図3に示すように、層間剥離を起こすので夾雑物シール性に優れるとの特性を有する。
【0040】
本発明の易開封性包装材料1のシール層20を形成する熱可塑性樹脂としての好ましい例である低結晶性ポリエステル樹脂組成物は、融点が、通常は200℃以下、好ましくは180℃以下、特に好ましくは70℃〜180℃の範囲内にある。このような融点の低結晶性ポリエステルを使用することにより、低い温度で良好なヒートシール強度が発現すると共に、ヒートシール温度を高くしても、ヒートシール強度が著しく高くはならない。
【0041】
本発明の易開封性包装材料1のシール層20を形成する熱可塑樹脂には、通常添加される各種配合剤、例えば、耐熱安定剤、スリップ剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、耐光安定剤、防曇剤、核剤、滑剤、特定波長の光だけを吸収する染料、顔料、天然油、合成油、ワックスまたは可透光性の充填剤などの添加剤を配合することができる。
【0042】
殊に本発明の易開封性包装材料は、巻回された状態で供給されるフィルム原反を加工装置に供給して所定の形態に加工することから、フィルム原反を加工装置へ安定に供給するために上記シール層を形成する熱可塑性樹脂に帯電防止剤、アンチブロッキング剤およびスリップ剤を配合することが好ましい。このような添加剤は、熱可塑性樹脂中に通常は10重量%以下、好ましく7重量%以下、特に好ましくは0.6〜7重量%の量で配合される。特にアンチブロッキング剤としてシリカを使用する場合には、その添加量は全体樹脂量に対して通常は0.5〜5重量%であり、また、帯電防止剤の添加量は通常0.1〜3重量%である。
【0043】
特に本発明で使用されるシール層を形成する熱可塑性樹脂には、アンチブロッキング剤および帯電防止剤を配合することが好ましい。
ここで使用されるアンチブロッキング剤の例としては、シリカ粉末、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムおよびケイ酸アルミニウムを挙げることができ、また、帯電防止剤の例としては、グリセリン高級脂肪酸モノまたはジエステル、および、ジグリセリン高級脂肪酸モノまたはジエステル等を挙げることができる。
【0044】
さらに本発明で使用されることもあるスリップ剤の例としては、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、および、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等の高級脂肪酸ビスアミド等を挙げることができる。
上記のような成分からなる熱可塑性樹脂から形成されるシール層20は通常10μm以下、好ましくは3〜8μmの範囲内の厚さを有している。
【0045】
そして、本発明の易開封性包装材料1のシール層20は、好ましくは上記のような低結晶性ポリエステル組成物から形成されており、このシール層20を形成するフィルムについて破断時の伸びを測定すると、このフィルムの破断点伸び(破断伸度)は、通常200%以上、好ましくは350%以上、特に好ましくは350%〜450%の範囲内にある。本発明に記載した上記特定の結晶性ポリエステルAと非晶性ポリエステルBとを特定比率で配合した低結晶性ポリエステル組成物からなるフィルムを用いた場合は、このシール層20がこうした高い破断点伸びを示すにも拘らず、本発明の易開封性包装材料を容器の蓋材として用いる際に輸送時等に内容物の漏れ出す虞がない層間剥離を起こす強いヒートシールが可能であり、且つ内容物を取出す際には層間剥離により容易に剥離できるという特性を有している。
【0046】
そして、本発明の易開封性包装材料1は、優れた耐ブロッキング性を有しており、フィルムを巻回して保持した後、巻き出される易開封性材料1を形成するフィルムが巻回されたフィルムから容易に剥がれ、フィルムの巻き出しに大きな力を要しないとの優れた特性がある。
この耐ブロッキング性は、最もブロッキングを引き起こし易いシール層20を密着させて耐ブロッキング性測定用の試料を調整してシール層20,20間の剥離強度を側定することにより、定量的に確認することができる。
【0047】
即ち、本発明の易開封性包装材料から試験片を切り出し、シール層20が対面するように二枚の試験片を重ねて、この試験片100mm×100mmの面積に25kgの荷重をかけて50℃で72時間放置する。次いで、チャック間速度を200mm/分に設定した剥離強度測定装置を用いて上記の試験片について剥離強度を測定すると、本発明の易開封性包装材料では、その剥離強度が1N/100mm以下、好ましくは0.1〜0.5N/100mmの範囲の非常に低い値を示す。従って、本発明の易開封性包装材料は、製造後巻回保管したフィルムにブロッキングが発生しにくく、この易開封性包装材料を用いて延伸ポリエステル樹脂あるいは延伸ポリアミド樹脂等の層22との張り合わせ工程で、巻き戻しなどのトラブルの発生が少なく、良好なフィルムを製造することができる。
【0048】
本発明の易開封性包装材料は、上記のように基層10、(変性ポリオレフィン層一層の場合と、未変性ポリオレフィン層との二層から構成される場合がある)と、この基層10に積層されたシール層20とからなるが、さらに、本発明の易開封性包装材料1は図2に示すように、シール層20が形成されていない面に層22が配置されていてもよい。この層22を形成することによりその層を形成する材料を種々選択することにより、機械的強度、耐熱性、耐寒性などの特性を向上させることができる。
【0049】
この層22は、従来から包装材料として使用されている紙、不織布、樹脂フィルム、金属箔、金属蒸着箔などで形成することができ、さらに、これらの複合体(積層体)をも使用することができる。
特に本発明においては、層22として樹脂フィルムを使用することが好ましく、この層を形成する樹脂フィルムの例としては、一軸若しくは二軸延伸ポリアミドフィルム(例:ナイロン6、ナイロン66等)、一軸若しくは二軸延伸ポリエステルフィルム(例:ポリエチレンテレフタレートフィルムなど)を挙げることができる。
【0050】
この層22は、通常は基層10に接着剤層16を介して積層されている。この接着剤層16は、上記基層10若しくは層15と同等の接着性を有する接着剤で形成することができる。また、この層22は、例えば、低結晶性ポリエステル組成物/変性ポリオレフィン/未変性ポリオレフィンとを積層する際に、例えば、ドライラミネート、押出しラミネート、サンドイッチラミネートなどの方法を利用して形成することができる。
【0051】
本発明の易開封性包装材料1が上記のような層22を有する場合、この層22の厚さは適宜設定することができるが、通常は、12〜500μm、好ましくは12〜50μmである。また、この易開封性包装材料に層22を接着剤層16を介して積層する場合、この接着剤層16の厚さは、通常は3〜20μm、好ましくは3〜10μmである。
【0052】
本発明の易開封性包装材料1は、従来の積層法、例えば共押出し積層法、押出しコーティング法、サーマルラミネート法など、種々の積層法を採用して製造が可能である。
本発明の易開封性包装材料は、例えば易開封性の蓋材として特に好適に使用することができる。また、ポリオレフィン系樹脂を含有するヒートシール性組成物(表層フィルム形成用組成物)を用いた易開封性包装材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート基材に対して良好なヒートシール性を示すと共に、特にこれらの基材とヒートシールした場合に優れた易開封性を示す。しかしながら、他の樹脂から形成された被接着物に対してもヒートシール条件を調整することによって良好な易開封性を発現させることができる。
【0053】
本発明の易開封性包装材料は、シール層が対面するように配置して、ヒートシールして袋状の包装体とすることもできるし、また、容器の蓋として使用することもできる。
図3は、容器となるシート(他材料)30の上面縁部に本発明の易開封性包装材料1からなる蓋体をヒートシールした後、剥離した状態を示す図である。図3において付番40は、ヒートシール部を表す。
【0054】
本発明の易開封性包装材料は、好ましくは、図2に示す構成のものであり、低結晶性ポリエステル組成物からなるシール層20が容器の上面の縁部にヒートシールされている。
このような蓋体を引き剥がす際には基層10を構成する変性ポリオレフィン層15とシール層20間で層間剥離して容易に蓋体を剥離することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明の易開封性包装材料は、製造後巻回保管したフィルムにブロッキングが発生しにくく、この易開封性包装材料を用いて延伸ポリエステル樹脂あるいは延伸ポリアミド樹脂等の層22との張り合わせ工程で、巻き戻しなどのトラブルの発生が少なく、良好なフィルムを製造することができる。又、シール層として結晶性ポリエステル系樹脂と非晶質ポリエステル系樹脂とを含有する特定の低結晶性ポリエステル組成物からなる熱可塑性樹脂を用い、基層として変性ポリオレフィン層を用いることにより、比較的低い温度からイージーピール性を発現するのに充分なヒートシール強度が得られ、ヒートシール温度が高くなったとしても、低結晶性ポリエステル組成物層と変性ポリオレフィン層間で剥離するため、易開封性が維持でき、ヒートシール強度が極端に高くなることがない。
【0056】
また、本発明によれば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、あるいはポリカーボネートに対しても良好なヒートヒール性を有すると共に、これらの樹脂からなる容器等とヒートシールした際に良好な易開封性ヒートシール強度を達成することができる。
さらに、低結晶性ポリエステル組成物をシール層とした場合は、最内層に当該組成物が位置することから、保香性に優れている。
【0057】
【実施例】
次の本発明の易開封性包装材料について具体的に実施例を挙げて説明するが本発明はこれによって限定されるものではない。
【0058】
【実施例1】
結晶性ポリエステルAとして、融点が123℃であり、ガラス転移温度(Tg)が−70℃であり、重量平均分子量が30000〜40000、密度が1.26g/cm3の結晶性ポリエステル(商品名:バイロンTM GM913、東洋紡(株)製)を用意した。
【0059】
これとは別に、非晶質ポリエステルBとして、ガラス転移温度(Tg)が81℃、重量平均分子量が26000、固有粘度が0.75、密度が1.27g/cm3の非晶性ポリエステル(商品名:PET−GTM6763、イーストマン・コダック社製)を用意した。
上記結晶性ポリエステルA90重量部と非晶性ポリエステルB10重量部と、これらの樹脂合計100重量部に対して、帯電防止剤(商品名:ケミスタットTM PEG6000、三洋化成工業(株)製)0.4重量部、アンチブロッキング剤として平均粒子径が3.0μmのシリカ粉0.5重量部とを溶融混練して表層を形成する低結晶性ポリエステル組成物(ヒート層を形成する樹脂組成物)を調製した。
【0060】
なお、この非晶質ポリエステルBは、テレフタル酸とエチレングリコールとから製造されるポリエチレンテレフタレートのエチレングリコールの一部を1,4-シクロヘキサンジメタノールに代えたポリエチレンテレフタレートである。
基層として、高圧法低密度ポリエチレン(商品名:ミラソンTM M12P、三井化学(株)製、MFR:3g/10分、密度:0.927g/cm3)を用意した。
【0061】
基層として、シール層と積層する層を形成する変性ポリオレフィンとして、ポリエチレン・1-オクテンランダム共重合体(A)(MFR(190℃):4g/10分、密度:0.920g/cm3)、エチレン・プロピレンランダム共重合体(B)(エチレン含量:70モル%、密度:0.870g/cm3)、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン(C)(無水マレイン酸含量:1重量%、密度:0.960g/cm3)とを(A)/(B)/(C)=65/5/30重量%の割合でヘンシェルミキサーで溶融混練した後、造粒して変性ポリオレフィンを調製した。
【0062】
上記の3成分を3層共押出しして易開封性包装材料である3層フィルムを形成した。このときの共押出し条件は、シール層となる低結晶性ポリエステル組成物と、基層の一つである変性ポリオレフィンと、他の基層である高圧法低密度ポリエチレンとを同時に230℃の押出し温度で共押出しできる条件に設定した。
得られたシール層/基層(変性ポリオレフィン層)/基層(未変性ポリオレフィン層)からなる3層フィルムの各層の厚さは、5μm/10μm/15μmであった。
【0063】
次いで、得られた共押出し3層フィルムの高圧法低密度ポリエチレン(裏面)と厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)とをウレタン系接着剤を用いてドライラミネ−ションにより積層して、本発明の易開封性包装材料である蓋材を製造した。
〔評価方法〕
本発明の実施例において、各種評価は次の方法によって行った。
1)ヒートシール強度
上記方法で製造した易開封性フィルムのシール層(低結晶性ポリエステル層)面を厚さ220μmの非晶性ポリエステル樹脂シート(商品名:オーファンPETシート、大阪樹脂化工(株)製)に重ねて次の条件でヒートシールした。
【0064】
シールバー温度:表1に記載
圧力 :0.2MPa
シールバー幅 :5mm
シール時間 :1秒
次に上記方法で得た試験片を万能試験機で引張り速度500mm/分でT字剥離試験を行い強度の平均値(N/15mm)をヒートシール強度とした。
2)夾雑物シール性
易開封性包装材料を用いて、100mm×200mmの三方ヒートシール製袋品を製造した。開口部から水分を含有するキムチの漬物を入れ、ヒートシールによって融着させて袋を閉じた。このシール部の状態と液漏れについて評価した。
3)ブロッキング強度(剥離強度)
ASTM-D1893に準じた方法で行った。即ち、150×100mmの矩形サンプルに100mm×100mmの面積に25kgの荷重を載せ、50℃で3日間(72時間)エアーオーブン中に放置した。ブロッキング強度は、この試料を200mm/分の速度で剥離した際の強度(剥離強度)(N/100mm)で示した。
4)低結晶性ポリエステル組成物フィルムの破断伸度
実施例および比較例に記載の組成のポリエステル組成物からなる厚さ50μmのキャストフィルムを調製し、このフィルムから引張試験片を切り出し、ASTM-D882の方法に準じて引張試験を行ってその破断点伸度を求めた。引張り試験は引張速度300mm/分の条件で行った。
【0065】
結果を表1に示す。
【0066】
【実施例2〜5】
実施例1において、結晶性ポリエステルAであるバイロンTMの配合量および非晶性ポリエステルBであるPET-GTM、および、帯電防止剤と微粉末シリカの配合量を表1に示すように代えた以外は同様にして易開封性包装材料を製造した。
【0067】
得られた易開封性包装材料について、実施例1と同様にして各性能を評価した。
結果を表1に併せて記載する。
【0068】
【比較例1〜6】
実施例1において、結晶性ポリエステルAであるバイロンTMの配合量および非晶性ポリエステルBであるPET-GTM、および、帯電防止剤と微粉末シリカの配合量を表1に示すように代えた以外は同様にして易開封性包装材料を製造した。
【0069】
得られた易開封性包装材料について、実施例1と同様にして各性能を評価した。
結果を表1に併せて記載する。
【0070】
【表1】
【0071】
上記表1から明らかなように、本発明の要件を満たす包装材料は、ブロッキング強度が1N/100mm以下であり、フィルムの製造時、裁断時の加工性およびラミネート加工特性に良好である。また、本発明の要件を満たす包装材料は、図3に示すように、ートシールした後剥離する際にヒートシール部40で層間剥離し、夾雑物シール性に優れ、しかも内容物を取出す際には良好な易開封性を示す。
それに対して比較例1〜5の包装材料は、図4に示すように、他材料30にヒートシールし、このヒートシール部40を剥離した場合に界面剥離を起こし、夾雑物シール性に劣る。さらに、本発明の要件を満たす包装材料は125℃でヒートシールしたときと、130℃でヒートシールしたときのヒートシール強度の変動が少ないのに対して比較例1〜5の包装材料はヒートシール温度によるヒートシール強度の変動が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の易開封性包装材料の構成の例を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の易開封性包装材料の他の構成の例を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の易開封性包装材料を用いて他材料とヒートシールした後、ヒートシール部を剥離した例を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、比較例に示す易開封性包装材料を用いて他材料とヒートシールした後、ヒートシール部を剥離した例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・易開封性包装材料
10・・・基層
12・・・基層(未変性ポリオレフィン層)
15・・・基層(変性ポリオレフィン層)
16・・・接着剤層
20・・・シール層
22・・・裏面層
30・・・他材料
40・・・ヒートシール部
Claims (7)
- 基層とシール層を有する少なくとも二層の熱可塑性樹脂層からなる易簡易包装材料であって、上記シール層が、
テレフタル酸から誘導される成分単位および脂肪族ジカルボン酸から誘導される成分単位を有するジカルボン酸単位と、エチレングリコールから誘導される成分単位および1,4−ブタンジオールから誘導される成分単位を有するジオール成分単位とからなる繰返し単位から構成されたポリエステルであるガラス転移温度40℃以下の結晶性ポリエステルA:70〜90重量部と、
テレフタル酸から誘導される成分単位および脂肪族ジカルボン酸から誘導される成分単位を有するジカルボン酸成分単位と、エチレングリコールから誘導される成分単位およびシクロヘキサンジメタノールから誘導される成分単位を有するジオール成分単位とからなる繰返し単位から構成されるポリエステルであるガラス転移温度が45〜90℃の非晶性ポリエステルB:10〜30重量部(AおよびBの合計で100重量部とする)を含むシール層であり、
そのシール層がヒートシールされた被着体にシール層を残して層間剥離し、シール層同士を重ねて100mm×100mmの面積に25kgの荷重をかけて50℃で72時間放置した後、チャック間速度200mm/分の速度で剥離した剥離強度が1N/100mm以下であり、
その被着体がポリエステル系の樹脂からなる容器、または、ポリカーボネート系の樹脂からなる容器であることを特徴とする易開封性包装材料。 - 上記低結晶性ポリエステル組成物からなる表層の厚さが、10μm以下であることを特徴とする請求項第1項の易開封性包装材料。
- 基層を構成する熱可塑性樹脂が変性ポリオレフィンから形成されていることを特徴とする請求項第1項に記載の易開封性包装材料。
- 基層が未変性ポリオレフィンと変性ポリオレフィンとの少なくとも二層からなり、変性ポリオレフィン層がシール層と接することを特徴とする請求項第1項または第3項の何れかに記載の開封性包装材料。
- 上記変性ポリオレフィンが、一部若しくは全てが不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性された変性ポリオレフィンであることを特徴とする請求項第3項または第4項のいずれかに記載の易開封性包装材料。
- 基層を形成する変性ポリオレフィン層若しくはポリオレフィン層と変性ポリオレフィン層の、シール層が積層されていない基層表面に、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムおよび/または延伸ポリアミドフィルムが、積層されていることを特徴とする請求項第3項ないし第5項のいずれかに記載の易開封性包装材料。
- 上記易開封性包装材料が、容器の蓋材料であることを特徴とする請求項第1項ないし第6項のいずれかに記載の易開封性包装材料。
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