JP4601483B2 - 軌道作業用車両および脱線復旧方法 - Google Patents

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Description

この発明は軌道作業用車両およびその脱線の復旧方法に関する。
従来、道路走行用のゴムタイヤ輪と、線路軌道走行用の鉄製走行輪とを備えた、一般に軌陸車と称される軌道作業用車両が広く知られている(特許文献1、2)。
上記軌道作業用車両が道路から線路軌道へ乗り入れ、あるいは線路軌道から道路へと移行する際には、道路と線路軌道との交差部である踏み切りが利用される。
すなわち、上記軌道作業用車両は、軌道工事現場最寄りの踏み切りまでは道路を走行し、踏み切りに至れば、ハンドル操作あるいは車体に装備したターンテーブルなどにより向きを線路軌道に沿うように変え、次いで鉄製走行輪を下方へ突出して線路に載せることで軌道上へ移行することが行われる。以後は線路軌道上を軌道作業現場まで走行させるのである。
ところで、このような作業車が作業に従事する軌道は、もともと線路軌道の状態が完全でない場合が多い。このため、軌道用作業車両は作業中に脱線することも稀ではない。
従来では、このような場合、車体をジャッキアップして線路軌道へ復旧する場合や(特許文献3)、車体下に案内枠を潜り込ませこの案内枠上に、車体を支持した舟体を滑らせて復旧する(特許文献4)といったことが行われている。
特開平11−209087号公報 特開平6−305313号公報 特開2003−170828号公報(要約および図3) 特開平9−123909号公報
しかし、上記した脱線復旧手段として、作業員の操作によるジャッキアップ作業は、危険が伴う問題があった。また、人力による作業であるから作業に時間が掛かる問題もある。
さらに、脱線復旧用の枠体などの器具類は、もっぱら脱線復旧のためのジャッキアップ機能を含む専用品であり、軌道工事そのものには殆ど関与しない。従って、脱線復旧用具を搭載することにより本来軌道工事用として必要な機器類の搭載が制限される問題がある。
大型の軌道作業用車両の場合は、車体総重量も嵩むため人力に頼った対処は困難となる。さらに、この様な大型の軌道作業用車両では脱線復旧用の装置、機器類も大型となり、これらを車両に搭載すると、本来必要な機器類の搭載がさらに制限される問題がある。
この発明は、上記問題を解消するため、ジャッキアップ機能を含む脱線復旧専用の機器類を車両の前後双方に搭載しなくても脱線復旧を可能にし、しかも大型の軌道作業用車両であっても脱線復旧が容易にできる軌道作業用車両およびその脱線の復旧方法を開発することを課題としてなされたものである。
上記課題を達成するため、この発明の軌道作業用車両は、道路用走行輪で道路上を走行可能な車体に、前記車体の前後端部において、車体底面から軌道面へ向けて昇降する昇降装置と、該昇降装置のそれぞれの下部に設けられた軌道用走行輪とを備え、前記車体には軌道整備用機器類が搭載配置され、かつ前記軌道整備用機器類は前記車体の一端を前記軌道から持ち上げ支持可能な駆動力を備えて構成されている。
前記車体に搭載される軌道整備用機器類としては、線路軌道の直線または曲線状態の矯正を行う軌道こう上装置と道床を締め固める道床締固装置などとされ得る。
なお、車体上に搭載される前記軌道整備用機器類は、前後いずれかの車輪に対応して一台とするほか、車体前後に二台搭載配置しても良い。
また、上記軌道作業用車両の車体として、エンジンを備え、道路上および軌道上を自走可能とされているものと、トレーラーヘッドに牽引されて道路用走行輪で道路上を走行可能なトレーラーのいずれであってもよい。
また、トレーラーの場合は、軌道上を自走するための動力装置と、該動力装置を操縦するための運転席とを備えたものとすることもできる。
軌道作業用車両の脱線復旧方法は、前記車体に搭載される軌道整備用機器類の下端部を軌道方向へ下降させ、さらに降下付勢させることで前記車体の脱線した軌道用走行輪側を軌道から上昇させ、次いで前記軌道整備用機器類の幅方向移動機能を利用して前記車体を前記軌道直上に位置するよう幅方向へ移動させ、次いで前記車体を下降させ前記脱線した軌道用走行輪を軌道上に載置する工程より構成される。
前記車体に搭載される軌道整備用機器類のうち一つが、軌道こう上装置の場合は、軌道線路を掴む先端部を軌道に当接し、前記先端部を降下付勢させることで前記車体の脱線車輪側の端部を軌道から上昇させ、次いで前記軌道こう上装置の幅方向移動機能を利用して前記車体を前記軌道直上に位置するよう幅方向へ移動させ、次いで前記車体を下降させ前記脱線した軌道用走行輪を軌道上に載置する工程により復旧する。
前記車体に搭載される軌道整備用機器類のうち一つが、道床締固装置の場合は、前記道床締固装置の下端部を道床上へ下ろし、さらに降下付勢させることで前記車体の脱線車輪側の端部を軌道から上昇させ、次いで前記道床締固装置の幅方向移動機能を利用して前記車体を前記軌道直上に位置するよう幅方向へ移動させ、次いで前記車体を下降させ前記脱線した軌道用走行輪を軌道上に載置する工程により復旧する。
この発明は以上のように、軌道整備用機器類の機能を利用して脱線復旧ができるように構成されている。従って、従来のようにジャッキアップ機能を含む脱線復旧専用の機器類を車両の前後双方に搭載する必要がなく、軌道作業用車両の搭載スペースを有効利用できる。
また、脱線した車輪を復旧させる場合に、軌道整備用として使用されている軌道整備用機器類を使用するので、脱線復旧のための準備作業が軽減され、或いは殆ど不要となり、復旧作業が迅速に行える。
軌道作業用車両をトレーラーとした場合は、搭載スペースも広いので、軌道整備用機器類として高馬力の大型装置の搭載ができる。したがって、脱線復旧のためにこれら装置の機能を利用して、より迅速に復旧でき、工事全体の進捗効率を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態における軌道作業用車両であって車体をトレーラーとした場合の側面図、図2は同じく平面図である。
図1において、車体1としてのトレーラーはトレーラーヘッド2に牽引されて道路10を走行する。
トレーラーヘッド2は、トレーラーヘッドが本来備えているトラックエンジン(例えばディーゼルエンジン、図示せず)と運転席21、操舵輪22、駆動輪23を備え、フレーム24にトレーラー1を係止するカプラーなどの連結装置25を有している。
トレーラー1は、前端部にトレーラーヘッド2の連結装置25に係合するピン(図示省略)を有し、後部に道路走行時に車体を支えるゴムタイヤ輪11を有している。
トレーラー1内部には前後部に、ボギー台車3、3が搭載されている。
このボギー台車3、3は図3に示すようにフレーム31に一定の平行間隔をあけて車軸32、33が支持されそれぞれの車軸には鉄製走行輪34、35が取り付けられている。
そして、図示例のボギー台車3、3には油圧モーターなどの駆動装置36および油圧ディスクブレーキなどの制動装置37が設けられ、安全に自走可能とされている。
トレーラー1の前後に設けられたボギー台車3、3は、いずれも昇降装置4f、4aによりトレーラー1の車体底面より軌道へと昇降移動可能に支持されている。
トレーラー1の前部に設けられる昇降装置4fは、図4、図5に示す構造とされている。すなわち、平行配置された一対のリンクロッド42f、42fの一端が車体フレームに設けた同一軸線上の軸41f、41fに回動自在に軸支されている。そして、このリンクロッド42f、42fの他端側間に、支持ロッド43fが架設されている。
支持ロッド43fには吊止用ブラケット44fを介して基盤45fが吊り下げた状態で支持されている。
この基盤45fにボギー台車3が鉛直軸線周囲に矢印で示すように回転自在に取り付けられている。
そして、リンクロッド42f、42fの中間部にピストンシリンダよりなる伸縮装置46f、46fが連接されている。そして、伸縮装置46f、46fの他端はトレーラー1のフレームに設けた支持軸12f、12fに軸支されている。
このリンクロッド42f、42fの回動範囲は、上限が図5に点線で示すようにボギー台車3をトレーラー1の床面13より上に支持する位置、下限が軌道線路9上のボギー台車3に対してほぼ直立姿勢となる位置とされる。
上限を床面より上とするのは、ボギー台車3が連結装置25と干渉するのを防止するためである。下限を鉛直姿勢とするのはトレーラー1の荷重を安定支持するためである。
次に、トレーラー1の後部に設けられる昇降装置4aは、図6ならびに図7に示す構造とされている。すなわち、前部の昇降装置と同様、平行配置された一対のリンクロッド42a、42aが、一端をトレーラー1のフレームに設けた同一軸線上の軸41a、41aに回動自在に軸支されている。このリンクロッド42a、42aの他端間に、支持ロッド43aが架設されている。この支持ロッド43aに吊止用ブラケット44aを介して基盤45aが吊り下げ支持されている。そして基盤45aにボギー台車3が鉛直軸線周囲に矢印で示すように回転自在に取り付けられている。なお、この回転機能を利用して、ボギー台車3は引き上げた時、図1に示すようにトレーラー1の前後方向軸線に対してほぼ直角に交差する姿勢で固定されるようにされている。
リンクロッド42a、42aの中間部には、二本のロッド47、47を直列に連接してなる屈曲可能なリンク48がそれぞれ連接されている。このリンク48、48の他端はトレーラー1のフレームに設けた軸49に軸支されている。この屈曲可能なリンク48の中間連接点47p、47pに、連結軸47qが架設されている。この連結軸47qにピストンシリンダよりなる伸縮装置46aが連接されている。伸縮装置46aの他端はトレーラー1のフレームに設けた軸13に軸支されている。そして、ピストンシリンダ装置46aの駆動方向は、屈曲可能なリンク48の両端を結ぶ線Aに対してほぼ直角方向とされリンク47、47、リンクロッド42aとでトグル機構を構成している。
トレーラー1の車体前部には、カプラーなどの連結装置25の設置高さH(図1)より高い地表高さに仮支持する支持脚が設けられる。この実施の形態の場合支持脚として、後述する軌道こう上装置64が兼用されるようにされている。
そして、トレーラー1の車体前部を、高さHに支えることでトレーラーヘッド2との連結、解除が行えるようにされている。
トレーラー1の内部には、動力源6として、エンジンや油圧ポンプユニット61、油圧制御装置62ならびに油圧タンク63が搭載され、昇降装置のピストンシリンダ装置46a、46fを始め、ボギー台車3、3に搭載された油圧駆動装置36などを駆動するようにされている。
上記のようなトレーラー1に軌道整備用機器類として軌道こう上装置64とタイタンパーなど道床締固装置65が設けられている。
なお、搭載される軌道整備用機器類は一台でも二台でも良いが、ここでは、前後の台車に対応して二台搭載した場合を説明する。
即ち、軌道こう上装置64は前部のボギー台車3の近傍に設けられ、道床締固装置65は後部のボギー台車3の近傍に設けられている。
前者の軌道こう上装置64はレールレベリングユニットとも称され、レールのゆがみやひずみを修正すると共にレールに曲げを付与する場合に使用される。
図8に示すように、トレーラー1の車体に幅方向両側と中央の三点にそれぞれピストンシリンダ装置64a、64b、64cが連接されている。これらピストンシリンダ装置64a、64b、64cの先端に一つのベースフレーム64fが連接されている。このベースフレーム64fの両側には、ピストンシリンダ装置64dとリンクロッド64eとを介して、グリッパー64gが連接されている。
なお、三つのピストンシリンダ装置64a、64b、64cの車体側端はそれぞれスライダー64sに連接され、装置64全体が図1に仮想線で示すようにトレーラー1のスライドフレーム16に沿って矢印で示すように移動可能とされている。
そして、レールレベリング装置64のベースフレーム64fは、ピストンシリンダ装置64a、64b、64cの伸縮制御によって上下左右に移動可能とされている。
なお、この三つのピストンシリンダ装置64a〜64cと、ベースフレーム64eおよびトレーラー1本体からなるリンクは、図8下方に示すスケルトン図のように、5個のリンクと自由度2の6個の連接点からなる。そして、リンク全体の自由度は0となる。従ってシリンダピストン装置64a〜64cを制御しつつ伸縮させれば個々の伸縮量に応じてベースフレーム64fを一義的に上下左右に変移させることが可能となる。
また、グリッパー64gはピストンシリンダ装置64dを伸縮操作することによってレール9を掴めるようにされている。
従って、この軌道こう上装置64は、グリッパー64gでレール9を掴み、三つのピストンシリンダ装置64a〜64cを伸縮制御することでレール9の曲げを矯正するようにされている。そしてこのような本来の機能の他、グリッパー64gでレール9を掴んでピストンシリンダ装置64a〜64cをそれぞれ伸縮制御することで車体1を持ち上げ、たり幅方向へ平行移動させたりすることもできる。
道床締固装置65としては、図9に示すようにタイタンパー、マルチタイタンパーなどが搭載される。図示例はいわゆる16頭タイタンパーと称される。このタイタンパー65は図9に示すように各8本の振動片65a…を有する。そして、図1に明らかなように前列と後列とで合計16本の振動片65aが配列されている。これら振動片65a…および振動発生装置65b…などはそれぞれ車幅方向にスライダー65cで摺動自在に支持されている。幅方向移動はシリンダピストン装置65dでできるようにされている。
また、上下方向へもシリンダピストン装置65eにより移動可能に支持されている。
従って、先端の振動片65aが道床面に差し込まれないようにすればシリンダピストン装置65eを伸ばすことで車体1を持ち上げることができる。さらにこの状態で、シリンダピストン装置65dにより車体を左右方向へ平行移動させることが可能となる。
これらの操縦はトレーラー1の操縦席66(図1)で行うようにされている。図中15はトレーラー1の軌道走行時の運転席を示す。
上記の動力源の構成例として、油圧装置の場合を示したがエンジンや油圧ポンプユニット61に替えてエンジンで駆動される発電ユニット(図示せず)とし、油圧制御装置62に替えて電気制御装置(図示せず)を設け、さらにボギー台車の駆動装置を電動モーターとすることで、電気的に駆動されるようにすることもできる。
次に上記トレーラー1の脱線時の復旧方法について説明する。
トレーラー1は、本来の作業では、前部の軌道こう上装置64で軌道9のレールを上下左右に曲げるなどにより矯正する。また、道床締固装置65で軌道を締め固める。そして軌道に沿ってゆっくりと前進しつつこれら作業を行って行く。
この軌道工事中に、前部ボギー台車3の車輪が脱線した場合、ベースフレーム64fを下降させ、グリッパー64gで軌道9を掴み、ついで図10に示すように三つのシリンダピストン装置64a〜64cを制御しつつ伸張していく。
これによりトレーラー1の前部側は脱線した車輪34、35と共に図12、図13に示すように軌道9から上昇する。その後、三つのシリンダピストン装置64a〜64cを制御しつつ伸縮することでトレーラー1の前部側を左右方向へ移動させ、軌道直上へと移動していく。
そして、軌道直上位置に来れば下降させ、図14、図15に示すように前部ボギー台車3の車輪34、35を軌道上に載置し、復旧させるのである。
また、後部ボギー台車3の車輪34、35が脱線した場合は、それまで作業していたタイタンパー65を停止させる。道床面に振動片65a…が差し込まれ易い状況であれば、一旦、振動片を引き上げる。次いで道床上に枕木などの支えブロック65hを置き、その上に振動片65aを降ろす。その後シリンダピストン装置65e…をいっせいに駆動して振動片65a…を下降方向へ付勢する。これにより、トレーラー1の後部は車輪34、35と共に浮き上がる。次いで図18、図19に示すようにピストンシリンダ装置65d…を伸縮させれば、その伸縮量に応じてトレーラー1の車体は左右方向へ移動可能となる。このようにして軌道直上位置に来ればトレーラー1を下降させ、後部ボギー台車3の車輪34、35を軌道上に載置し図20、図21に示すように復旧させるのである。
なお、上記トレーラー1を踏み切りで道路から軌道へ移行する場合には、図22に示した方法により行う。
即ち、トレーラー1は、目的地まではトレーラーヘッド2に牽引されて道路10を走行する。目的地近傍の軌道と道路とが交差する踏み切り8に到達すれば、図22に示すようにトレーラー1の後部を踏み切り8の軌道9上に位置するようにトレーラーヘッド2を操縦する。
軌道9上に後部ボギー台車3の鉄製車輪34、35が正しく位置するようになれば、トレーラー1を停止させる。
次いで図23に示すように昇降部4aのピストンシリンダ48aを伸張させリンクロッド42a、42a(図6、図7)を下方向へ回動させ、後部ボギー台車3を下降させる。後部ボギー台車3は基盤45aに吊り下げられた状態で下降しやがて軌道9に乗る。
さらにピストンシリンダ48aを伸張させると、屈曲可能なリンク47とリンクロッド42aはトグル機構となっているので、リンク47、47が一直線状になるとリンクロッド42aは強大な力で下方へ押し下げられる。
これによってトレーラー1の後部は相対的に持ち上げられ、図23に示すようにタイヤ走行輪11は道路表面より浮上する。
次いで、図24に示すようにトレーラー1の後部を後部ボギー台車3により軌道9に沿って矢印X方向へ移動させ、同時にトレーラーヘッド2も矢印Y方向へ後退移動させる。
この移動は、ボギー台車3に取り付けた油圧モーターなどの駆動源により自走移動させるが、軌道9上に予め機動車(図示せず)を待機させておきその牽引によって移動させることもできる。
トレーラー1は図24に仮想線で示すような軌跡を描いて次第に軌道9へ姿勢を変化させていく。この時、トレーラー1の側壁は、道路10と軌道9とに接する円にほぼ沿うようにして移動する。従って、踏み切りの幅Bより長大な前後軸長さを有するトレーラー1であっても、軌道9上への移行が可能となる。
なお、この移動時、ボギー台車3は基盤45に対して鉛直軸線回りに回転自在に支持されているのでトレーラー1の向きが変化しても軌道9上を安定して走行する。
そして、最終的にトレーラー1の軸線が、軌道9の延びる方向へ一致すれば停止し、軌道こう上装置64のグリッパー64gを軌道に達するまで降ろす。これによってトレーラー1の前部はカプラーなどの連結装置25から解除できる高さに仮支持される。
そしてカプラーなどの連結装置25を解除し、図25に示すようにトレーラーヘッド2を前進させトレーラー1から切り離す。この時のトレーラー1は図26で示すように前部が軌道こう上装置64で支えられ、後部はボギー台車3で支えられる。
そして、図27に示すように前部昇降駆動装置のピストンシリンダ46fを伸張させリンクロッド42f(図4、図5)を下方向へ回動させる。前部ボギー台車3は基盤45fに吊り下げられた状態で下降しやがて軌道9に乗る。
トレーラー1の前部は予め軌道こう上装置64で支えられているので、リンクロッド42fを直立姿勢にさせるまで、それほど強大な力は不要となる。
なお、ボギー台車3の走行輪の位置が軌道9に対して左右方向にずれている場合は、トレーラー1の車体前部を軌道こう上装置64の三つのピストンシリンダ装置64a〜64cの伸縮動作を利用して左右方向の微移動調整を行うことができる。
前部ボギー台車3が図28に示すように踏み切り8の軌道9に載置されれば、軌道こう上装置64を引き込む。
従って、トレーラー1は、以後軌道9に沿って走行可能となる。
前後のボギー台車3、3は基盤45f、45aに対して鉛直軸周囲に回動自在に取り付けられているので、曲線軌道上であっても無理なく走行できる。
そして、駆動装置6を駆動することによって工事現場へ自走していき、駆動装置の動力源を利用して必要な工事を行うのである。
上記軌道作業用車両の実施の形態として、搭載される軌道整備用機器類を二種の異なる機器類とする場合を示したが、同一の軌道整備用機器類を車体前後に配置して搭載することとしてもよい。
例えば道床締固装置であるタイタンパーを車体の前後に二台搭載したり、軌道こう上装置を同様に車体の前後に二台搭載したりしても良い。或いは、搭載される軌道整備用機器類は一台だけでも良い。この場合、軌道整備用機器類が設けられていない側の車輪の脱線復旧には通常のジャッキ装置など従来の機器類が必要に応じて使用される。要は、前後の車輪のいずれかまたは双方に対応して軌道整備用機器類がそれぞれ配置されていれば良い。
また、車両の種類として、トレーラーの場合を示したが、これに限らず、図29に示すようにエンジンを搭載したトラック1aの車体を利用した軌道作業用車両でも実施できる。
この場合もトラック1aの車体には道路走行用のゴムタイヤ走行輪22、23と車体底部から昇降装置4f、4aによりレール方向へ昇降する鉄製走行輪34、35とを備え、このような車体1に軌道整備用機器類64、65が搭載される。
そして、脱線復旧に際しては前輪、後輪にそれぞれに対応した軌道整備用機器類64、65を用いて脱線復旧が行われる。
なお、搭載される機器類、およびそれらを用いた脱線復旧作業は、トレーラー1について説明したものと実質的に同じである。同一部分または該当する部分に同一符号を付すことで詳細な説明は省略する。
以上説明したように、この発明の軌道作業用車両は、工事中に脱線した場合その復旧を車体に搭載した軌道整備用機器類の機能を利用して行うので、ジャッキアップ機能を含む脱線復旧専用の機具装置類を車両の前後双方に搭載する必要がない。特に前後の車輪に対応して二台の軌道整備用機器類を搭載した場合は脱線復旧のための特別の機具装置類を前後双方とも省略することもできる。その結果、車両の積載容積をより有効に利用できる。
また、脱線復旧を、それぞれの軌道整備用機器類を用いて作業している状況に継続して行うこともできるので、作業を迅速に行える。
さらに脱線した車輪の近傍に作業員が近づく必要性を無くし或いは少なくすることができるので、作業を非常に安全に行えるなどの効果も得られる。
軌道作業用車両の一例としてのトレーラーの側面図である。 軌道作業用車両の一例としてのトレーラーの平面図である。 ボギー台車の平面図である。 ボギー台車の昇降装置の斜視図である。 ボギー台車の昇降装置の作動説明図である。 ボギー台車の他の昇降装置の斜視図である。 ボギー台車の他の昇降装置の作動説明図である。 軌道整備用機器類としての軌道こう上装置を説明するための概略正面図である。 軌道整備用機器類としての道床締固装置を説明するための概略正面図である。 軌道こう上装置による脱線復旧の初期工程を説明する概略正面図である。 軌道こう上装置による脱線復旧の初期工程を説明する概略側面図である。 軌道こう上装置による脱線復旧の中間工程を説明する概略正面図である。 軌道こう上装置による脱線復旧の中間工程を説明する概略側面図である。 軌道こう上装置による脱線復旧の最終工程を説明する概略正面図である。 軌道こう上装置による脱線復旧の最終工程を説明する概略側面図である。 道床締固装置による脱線復旧の初期工程を説明する概略正面図である。 道床締固装置による脱線復旧の初期工程を説明する概略側面図である。 道床締固装置による脱線復旧の中間工程を説明する概略正面図である。 道床締固装置による脱線復旧の中間工程を説明する概略側面図である。 道床締固装置による脱線復旧の最終工程を説明する概略正面図である。 道床締固装置による脱線復旧の最終工程を説明する概略側面図である。 軌道作業用トレーラーの道路から線路への移載方法の説明平面図である。 軌道作業用トレーラーの道路から線路への移載方法の説明側面図である。 軌道作業用トレーラーを道路から線路へ移載させた場合の軌跡説明図である。 軌道作業用トレーラーを踏み切りの線路上に位置させたときの説明側面図である。 軌道作業用トレーラーの前部を支持脚で支持した状態を示す説明平面図である。 軌道作業用トレーラーの前部ボギー台車の降下状態を示す説明側面図である。 軌道作業用トレーラーを線路上に移載した状態を示す説明側面図である。 軌道作業用車両の他の構成例を示す概略側面図である。
符号の説明
1 …軌道作業用車両(トレーラー)
2 …トレーラーヘッド
3 …ボギー台車
4f…前部昇降装置
4a…後部昇降装置
5 …支持脚
6 …動力源
8 …踏み切り
9 …軌道
10 …道路
11 …ゴムタイヤ輪
15 …トレーラーの軌道上での運転席
24 …フレーム
25 …連結装置
31 …ボギー台車のフレーム
32 …車軸
33 …車軸
34 …鉄製走行輪
35 …鉄製走行輪
36 …油圧モータなどの駆動装置
37 …油圧ディスクブレーキなどの制動装置
64 …軌道整備用機器としての軌道こう上装置
64a…ピストンシリンダ装置
64b…ピストンシリンダ装置
64c…ピストンシリンダ装置
64f…ベースフレーム
64d…ピストンシリンダ装置
64e…伸縮しないリンクロッド
64g…グリッパー
64s…スライダー
65 …軌道整備用機器としての道床締固装置(タイタンパー)
65a…振動片65a
65b…振動発生装置
65c…スライダー
65d…シリンダピストン装置
65e…シリンダピストン装置

Claims (7)

  1. 道路用走行輪で道路上を走行可能な車体の前後端部において、車体底部から軌道面へ向けて昇降する昇降装置と、
    該昇降装置のそれぞれの下部に設けられた軌道用走行輪とを備え、
    前記車体には軌道整備用機器類が搭載配置され、
    前記軌道整備用機器類は前記車体の一端を前記軌道から持ち上げ支持可能な駆動力、及び前記車体を前記軌道直上に位置するよう幅方向へ移動させる幅方向移動機能を備え
    前記車体に搭載される軌道整備用機器類が、軌道の直線または曲線状態の矯正を行う軌道こう上装置と道床を締め固める道床締固装置の少なくともいずれか一方である、軌道作業用車両。
  2. 前記車体がエンジンを備え、道路上および軌道上を自走可能とされている請求項1に記載の軌道作業用車両。
  3. 前記車体がトレーラーヘッドに牽引されて道路用走行輪で道路上を走行可能なトレーラーとされ、該車体の前後端部において、車体底面から地表面へ向けて昇降する昇降装置と、該昇降装置のそれぞれの下端に鉛直軸回りに回転自在に支持されたボギー台車とを備えてなる請求項1または2に記載の軌道作業用車両。
  4. 前記ボギー台車の車輪を駆動する動力装置と、該動力装置を操縦するための運転席とを備えた請求項に記載の軌道作業用車両。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の軌道作業用車両が脱線した時の復旧方法であって、前記車体に搭載される軌道整備用機器類の下端部を軌道方向へ下降させ、さらに降下力を付勢させることで前記車体の脱線車輪側の端部を軌道から上昇させ、次いで前記軌道整備用機器類の幅方向移動機能を利用して前記車体を前記軌道直上に位置するよう幅方向へ移動させ、次いで前記車体を下降させ前記脱線した軌道用走行輪を軌道上に載置する軌道作業用車両の脱線復旧方法。
  6. 前記車体に搭載される軌道整備用機器類が、軌道線路を持ち上げる先端部と、この先端部を軌道の幅方向へ移動させる駆動部とを有した、軌道こう上装置であり、前記先端部を軌道に当接し、前記先端部を降下付勢させることで前記車体の脱線車輪側の端部を軌道から上昇させ、次いで前記軌道こう上装置の幅方向移動機能を利用して前記車体を前記軌道直上に位置するよう幅方向へ移動させ、次いで前記車体を下降させ前記脱線した軌道用走行輪を軌道上に載置する請求項に記載の軌道作業用車両の脱線復旧方法。
  7. 前記車体に搭載される軌道整備用機器類が、道床締固装置とされ、前記道床締固装置の下端部を前記道床表面に下ろし、さらに降下付勢させることで前記車体の脱線車輪側の端部を軌道から上昇させ、次いで前記道床締固装置の幅方向移動機能を利用して前記車体を前記軌道直上に位置するよう幅方向へ移動させ、次いで前記車体を下降させ前記脱線した軌道用走行輪を軌道上に載置する請求項に記載の軌道作業用車両の脱線復旧方法。
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