JP4599738B2 - モータ及びこれを備えたディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はモータ及びこれを備えたディスク装置に関し、より詳細には耐摩耗性に優れ、焼き付きの生じにくい流体動圧軸受を有するモータ及びこれを備えたディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスク等の記録ディスクを回転駆動するディスク装置では、記録ディスクの高容量化に伴い高い振れ精度が要求され、また高速化に伴う音寿命の問題で、ボールベアリングから流体動圧軸受を使用する動きが高まっている。
【0003】
この流体動圧軸受は相対回転可能なシャフトとスリーブ及びこれらの間に作動流体として介在される潤滑油並びにモータの回転時に潤滑油に動圧を誘起する動圧溝とから成る。尚、動圧溝は一般的にスリーブ側に設けられることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
流体動圧軸受に使用するシャフトは、機械的強度、加工性、線材の入手のし易さ等からステンレス材、特にマルテンサイト系のスレンレス材が多く使用される。これに相対するスリーブ材には同じ理由からステンレス材が適しているが、スリーブにステンレス材を使用すると、同系組成の材料であるために接触・摺動時に凝着による焼き付きを生じ易い。そこでステンレス材に種々のコーティングを施したり、熱処理が施されているが、充分とは言えない。
【0005】
また、スリーブには加工の容易さから銅系の材料を使用することも多いが、銅系材料を使用した場合には摩耗が大きく、経時的に振れ精度が悪くなったり、摩耗粉により潤滑油粘度が上昇し電流値が大きくなる恐れがある。
【0006】
こうしたことから溝加工された銅系スリーブの表面にメッキを施すことも提案されているが、溝加工の際に生じる切削粉、バリ等が溝周辺に残留してメッキ表面にムラが生じたり、切削粉そのものがメッキされて突起が生じる。このようにして形成された突起は、硬度がステンレス材よりも高く、シャフトを傷つけたり正常な回転に異常を来したりする恐れがある。また異物や摩耗粉は、モータの回転時に動圧溝によるポンピングアクションで動圧発生部に集中することとなり、咬み込みによる焼き付きを起こしやすくなる。
【0007】
また、転造等の機械加工による溝形成で生じる切削粉、バリは粘りがあって洗浄では容易に除去できず、溝内部は研磨も技術的に困難で且つ摩耗粉を逆に発生させることとなる。尚、電解加工による溝形成は、銅系材料にはイオン化しにくいことから適さず、シャープな形状の溝を形成することは難しい。
【0008】
本発明はこのような従来の問題を鑑みてなされたものであり、優れた耐摩耗性を有するとともに、潤滑油中に金属粉等の異物が混入し動圧発生部に集中したとしても、この異物により引き起こされる焼き付きを防止でき、長期間にわたって優れた性能を維持することができる流体動圧軸受を有するモータ及びこれを備えたディスク装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のモータは、スリーブ部材と、該スリーブ部材に対して相対回転自在である軸部材と、該スリーブ部材と該軸部材との間に充填された潤滑油とから構成される流体動圧軸受を有するモータにおいて、前記スリーブ部材は、銅、アルミニウム、マグネシウム及びこれらを主成分とする合金からなる基材と、該基材表面に、この基材より高い硬度の金属層と、を有し、前記基材底面露出するように前記金属層に動圧溝が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
ここで使用される基材(金属素材)は、ステンレス材よりも硬度の低い、Hv180以下のものであれば良いが、加工性を含めた取り扱い易さ、コストの観点から、銅または銅合金が好ましい。
【0011】
また基材の表面に設ける金属層は、硬度と加工性の面からニッケルもしくはニッケルを主成分とする合金が好ましく、充分な軸受特性と耐摩耗性並びに耐焼き付き性を得るために、金属層の膜厚は3〜15μm、好ましくは5〜10μmの範囲に設定するのが良い。
【0012】
この金属層は種々の方法で設けることができるが、均一性、コストの点からメッキにより形成することが推奨される。この場合のメッキは、無電解メッキあるいは電解メッキのいずれでも可能である。
【0013】
さらに溝加工はメッキ層を完全に取り除き、底面に素材が露出するように行う必要があり、加工時に微細な切削粉、バリの発生しない電解加工によって行うのが好ましい。
【0014】
さらに潤滑油中に切削粉等が混入し、動圧発生部に集中した際に、異物の許容体積を増し局部的な堆積を防止するために、動圧溝を加工した際に、潤滑油の流動方向下流側の端部または最も高い動圧が発生する動圧溝の屈曲部を連通するように、金属層を設ける前の基材に予め周回溝を設けることが好ましい。この周回溝の幅は金属層の形成時に完全に塞がれない範囲で且つ軸受特性に影響しない範囲であれば良い。
【0015】
さらに本発明のディスク装置では、ハウジングと、このハウジングの内部に固定されるモータと、記録ディスクに情報の書き込み及び/又は読み出しを行う情報アクセス手段とを備えたディスク装置であって、前記記録ディスクを回転駆動するモータとして前記モータを用いることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について各図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1に、流体動圧軸受の一例を示す。図1に示すように、硬度Hv180以下である基材1上に基材1より硬度の高い金属層2を形成し、この金属層2に、基材1の表面が底面に露出するように動圧溝3を設けてスリーブを形成する。モータが回転すると、潤滑油は動圧溝3の流動方向下流側または屈曲部の方向に流動するため、潤滑油中に混入した金属粉等の異物が動圧発生部に集中して堆積する。対向するシャフトとの間の間隔が堆積した異物のために狭くなるあるいはシャフトとの間の間隙よりも大な異物が引っかかるとシャフトとスリーブとの接触や摺動が生じるが、そのような場合でも、動圧溝3の溝底面が軟らかいため異物が表面に埋め込まれるため焼き付きにまで到らない。一方、動圧溝3以外の基材表面には硬度の高い金属層2が形成されているため、長期間の使用によってもスリーブが摩耗することはない。尚、図1において、基材1の表面が露出する深さまで動圧溝3を形成しているが、さらに基材1にも動圧溝3を形成しても構わない。
【0018】
シャフトの材料としては、機械的強度、加工性、線材の入手のし易さ等からステンレス材が適している。また、スリーブの基材1として使用している硬度Hv180以下の金属材料としては、銅、アルミニウム、マグネシウム等並びにこれらを主成分とする合金が挙げられるが、加工性を含めた取扱易さやコストの観点から銅または銅合金が好ましい。銅を主成分とする合金としては、例えばZn、Ni、Pb、Sn、P、Be等の元素を1または2以上配合しているものを挙げることができる。
【0019】
また、スリーブの基材1の表面上に形成している硬度の高い金属層2の材料は特に限定されるものではないが、硬度と加工性の観点からニッケルまたはニッケルを主成分をする合金が好ましい。ニッケルを主成分とする合金にはFe、Nb、Cr、Co、P、B、W等のうち1または2以上の元素を配合している。
【0020】
この金属層2を形成する方法としては、メッキ法、物理蒸着法、CVD法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただ、無電解メッキ法はニッケルまたはニッケルを主成分とする合金からなる金属層を形成する場合に、均一な膜が形成可能であるため好ましい形成方法である。
【0021】
この金属層2の膜厚としては、3〜15μmの範囲が好ましい。金属層2の膜厚が3μm未満の場合、強力な力がかかると金属層が破れる等の不具合が生じる。他方15μmを越える場合、軸受剛性の低下や動圧溝3の底面に基材が露出するまでの加工時間が長くなる等加工性やコストの問題が生じる。膜厚のより好ましい下限値は5μmであり、上限値は10μmである。
【0022】
この金属層2の硬度をより高くするために、金属層2の形成後アニール処理を行っても良い。アニール処理の条件は金属層2の組成や膜厚等から適宜決定すればよい。尚、アニール処理は動圧溝3の加工前でもよいし、加工後でもよい。
【0023】
金属層2に動圧溝3を形成する方法としては、電解加工や切削加工、転造加工、プレス加工、レーザー加工等従来公知の加工方法を用いることができるが、特に限定されるものではない。但し、転造やプレス加工では加工による軸受部材の歪みやバリ等が生じ易く、レーザー加工ではパーティクルの問題があるため、電解加工が好ましい。電解加工は溝部分の金属材料を電解溶出させて加工するため、潤滑油中の異物の原因となる微細なバリ、むしれ、切り粉が発生しないことから特に好ましい加工方法である。
【0024】
動圧溝3の形状としては、ポンピングアクションによって潤滑油を流動させて軸受作用を奏させる形状であれば特に限定されるものではない。例えばヘリングボーン状溝やスパイラル状溝が挙げられる。また焼き付きを効果的に防止する観点から、後に詳述するとおり、動圧溝3の潤滑油の流動方向下流側端部または屈曲部を連通するように周回溝をさらに設けてもよい。
【0025】
図2に動圧溝及び周回溝の実施形態例を示す。図2(a)に示すように、ヘリングボーン状動圧溝31を形成した場合、潤滑油の流動方向下流側端部、すなわち「く」字状の溝の屈曲部Bを連通するように周回溝4を形成する。モータが矢印Xの方向に回転すると、潤滑油は逆方向に流動し動圧溝31に沿って周回溝4へ向かい、周回溝4で2つの流れが衝突して紙面において垂直方向へ流動する。従って、潤滑油中の異物は動圧溝31及び周回溝4に集積する。
【0026】
図2(b)に示すように、スパイラル状動圧溝32を形成した場合、右上がりの傾きのスパイラル状溝32の上端部に周回溝4を形成する。矢印X方向にモータが回転すると潤滑油は逆方向に流動するため、スパイラル状溝32に沿って潤滑油は右上がりに向かい、周回溝4の側壁に衝突して紙面において垂直方向に流動する。従って、潤滑油中の異物は図2(a)の場合と同様に動圧溝32及び周回溝4に集積する。
【0027】
図2(c)に示すように、スパイラル状動圧溝33を所定間隔で2つ形成した場合、矢印X方向にモータが回転すると潤滑油はスパイラル状溝33に沿って矢印Yの方向に向かい、周回溝4の中央部で2つの流れが衝突して紙面において垂直方向へ流動する。
【0028】
また、図2(d)にスラストプレートに形成したヘリングボーン状動圧溝34の中央屈曲部Bに周回溝4を形成した外観図を示す。
【0029】
このように動圧溝に周回溝を形成する場合、前述の金属層を基材表面に形成した後、動圧溝と同時に周回溝を形成する。あるいは周回溝を基材表面に直接加工した後、メッキ法により金属層を基材表面に形成し、その後に動圧溝を形成する。この場合、周回溝幅を金属層の膜厚より5〜10μm程度広くしておくと、各溝部分には金属層が形成されないため、溝を形成した基材に金属層をメッキするだけで、金属層にも周回溝が形成される。
【0030】
図3は、本発明のモータの一実施形態であって、ハードディスク駆動用のモータの概略断面図である。モータ7は、ブラケット71と、このブラケット71の中央開口部に一方の端部が外嵌固定されるシャフト72、このシャフト72に対して相対的に回転自在に保持されたロータ73とを備える。ブラケット71にはステータ711が固定され、ロータ73にはステータ711と対向した位置にロータマグネット731が設けられ、ステータ711とロータマグネット731との間で回転駆動力が発生する。
【0031】
シャフト72の上端及び下端には半径方向外方に突出する円盤状の上部スラストプレート721と下部スラストプレート722があり、これらのスラストプレート721,722間のシャフト72の外周面には気体介在部74が形成されている。
【0032】
一方、ロータ73は、その外周部に記録ディスクDが載置されるロータハブ732と、ロータ73の内周側に位置し、潤滑油75が保持される微小間隙を介してシャフト72に支持されるスリーブ734とを備えている。さらにスリーブ734には、上部及び下部スラストプレートの外側に蓋をする形で、上部カウンタプレート76a及び下部カウンタプレート76bが設けられている。
【0033】
ここで、シャフト72及び上・下部スラストプレート721,722が本発明における軸部材、スリーブ734が本発明のスリーブ部材に相当する。このスリーブ部材が、銅を主成分とする基材表面にニッケルを主体とするメッキ層を形成したものである。そして後述するように、スリーブ734の貫通孔77の内周面の上部・下部にはヘリングボーン状の動圧溝78が、また上部スラストプレート721の下面及び下部スラストプレート722の上面にはスパイラル状の動圧溝79が、電解加工によりそれぞれ形成されている。
【0034】
シャフト72の中央部に設けられた気体介在部74の上部に隣接するシャフト72の外周部から、上部スラストプレート721の下面、外周面及び上面該謬部に至る部分には、対向するスリーブ734の内周部貫通孔77の上部から上部カウンタプレート76aの下面に至る部分との間に微小間隙が形成され、潤滑油75が保持されている。そして上部スラストプレート721の下面及び下部スラストプレート722の上面には、ロータ73の回転に伴い潤滑油75中に動圧を発生するスパイラル状の動圧溝79が形成されている。動圧溝79は、モータの回転時に潤滑油75を矢印Aの方向に押圧し、ロータ部を軸線方向に保持する支持力を発生する作用を奏する。さらにスリーブ734の貫通孔77の内周面の上部・下部の潤滑油保持部には、ヘリングボーン状の動圧溝78が形成されている。動圧溝78は、モータの回転時に潤滑油75を矢印Bの方向に押圧し、ロータ部を半径方向に保持する支持力を発生する作用を奏する。
【0035】
これら動圧溝78,79により生じる微小間隙内の潤滑油75の動圧圧力分布は、上部スラストプレートの下面内周部P付近で最も高くなる。この結果、潤滑油75内に溶け込んでいた空気が気泡化すると、その気泡は前記内周部Pの外側に拡散排除され、下方の気体介在部74内の空隙部又は上方の上部カウンタプレート76aの下面空隙部に至る。そしてこれらの空隙部は、直接又は外気連通孔70により大気に開放されているので、ここから気泡は外気に解放され、気泡の膨張に起因する潤滑油漏れは防止される。
【0036】
更に前記潤滑油保持部の端部であるカウンタプレート76aの下面と上部スラストプレート721の上面との間には、軸方向に向かう程その間隙が徐々に広がるテーパーシール部が形成され、テーパーシール部の端部には撥油剤が塗布されている。同様に、前記潤滑油保持部の他端であるシャフト72の中央部の気体介在部74の上部にも、シャフト72の外周面とスリーブ734の内周面との間で、潤滑油保持部から軸方向下方に離れる程その間隙が徐々に広がるテーパシール部が形成され、テーパシール部の端部には撥油剤が塗布されている。これらの両端に形成されたテーパシール部により、潤滑油内部に生じる動圧力、大気圧、テーパシール部の表面張力がバランスした位置に潤滑油の気液界面が形成され保持される。テーパシール部に塗布された撥油剤は、潤滑油がシャフトやスリーブの金属表面を伝って拡散する、いわゆる潤滑油マイグレーションを防止する作用も有する。これらの潤滑油保持構造により、潤滑油漏れが無く且つ負荷支持力の高い流体軸受構造を実現している。
【0037】
同様の微小間隙、動圧溝、潤滑油保持部の構造が、シャフト72の中央部に設けられた気体介在部74の下部から下部スラストプレート722及び下部カウンタプレート76bに上下逆配置で形成されており、この下部動圧軸受によりロータ部は一層安定に支持される。
【0038】
図4に、本発明のディスク装置の一実施形態である概略説明図を示す。ハウジング81の内部には、情報を高密度に記憶する記録ディスク83を回転自在に支持したスピンドルモータ82と、記録ディスク83に対して情報の読み書きを行う情報アクセス手段87が配置されている。この情報アクセス手段87は、記録ディスク83上の情報を読み書きするヘッド86と、ヘッド86を支えるアーム85と、ヘッド86及びアーム85を記録ディスク83上の所要の位置に移動させるアクチュエータ部84から少なくとも構成されている。そしてスピンドルモータ82として前記のモータが用いられている。
【0039】
尚、記録ディスクに記憶できる情報密度は近年飛躍的に向上し、記録ディスクの設置環境として塵・埃等の極端に少ないクリーンな環境が必須となっている。従って、ハウジング81の内部を外気から遮断した高度にクリーンな空間とするためには、情報アクセス手段87及びスピンドルモータ82として、潤滑油のミスト等が外部に漏れない機構のものを使用するのが望ましい。
【0040】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。図5に下記の評価試験を行った実施例と比較例の概略断面図を示す。
【0041】
(実施例)
硬度Hv100の銅を主成分とする合金(BC6C)を基材としてスリーブを作製し、その表面に無電解メッキ法により膜厚5μmのニッケル層を形成した。その後、電解加工により基材が露出するように動圧溝を加工しサンプルとした。図5(a)にサンプルの概略断面図を示す。
【0042】
(比較例1)
スリーブの基材に硬度Hv250のステンレスを用いた他は実施例と同様に作製してサンプルとした。図5(b)にサンプルの概略断面図を示す。
【0043】
(比較例2)
動圧溝の深さが金属層の膜厚より浅い、動圧溝の底面に基材が露出していない他は実施例と同様に作製してサンプルとした。図5(c)にサンプルの概略断面図を示す。
【0044】
(比較例3)
硬度Hv100の銅を主成分とする合金(BC6C)を基材としてスリーブを作製し、その表面に直接切削加工により動圧溝を加工しサンプルとした。図5(d)にサンプルの概略断面図を示す。
【0045】
(評価測定方法)
前記作製したスリーブのサンプルとステンレス材のシャフトによりモータを作製した。さらに評価試験前に予めスリーブとシャフトとの間に充填する潤滑油中に粒径約1μmの粒子を1mg異物として混入させておく。このようなモータを各サンプル毎に10台づつ作製し、温度80℃の環境下で間欠運転(10秒間運転/10秒間停止)を積算回転数が30万回になるまで行い、途中で停止したモータの台数により評価を行った。評価結果は表1に示す。評価後にモータを分解して軸受部の状態を観察した。
【0046】
【表1】
Figure 0004599738
表1から明らかなように、実施例は30万回回転で10台中2台しか停止していないが、比較例1は動圧溝底面の硬度が高いために、異物を吸収できずに焼付きが生じている。比較例2は動圧溝底面の硬度が高い上、溝深さが浅いために十分な軸受剛性が得られず、多くのモータが停止している。比較例3は停止しているモータの数は少ないが、このモータを分解すると摩耗粉により潤滑油は黒くゲル化していることが確認できた。表面の硬度が低いため焼き付くことはないが、摩耗により駆動電流値が増加し停止している。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のモータは、優れた耐摩耗性を有し、潤滑油中に金属粉等の異物が混入し動圧発生部に集中したとしても、このような異物により引き起こされる焼き付きを防止することができ、長期間にわたって優れた性能を維持することができる。
【0048】
本発明のディスク装置では、ハウジング内部に固定され、記録媒体を回転部に装着したモータを備え、このモータとして前記のモータを用いるので、装置の長寿命化を測ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータに使用される流体動圧軸受の概略構成を示す部分拡大断面図である。
【図2】周回溝の一実施態様を示す概設図である。
【図3】本発明のモータの概略構成図である。
【図4】本発明のディスク装置の概略構成図である。
【図5】実施例・比較例で作製したサンプルの概略構成図である。
【符号の説明】
1 基材
2 金属層
3,31,32,33,34 動圧溝
4 周回溝
7 モータ
8 ディスク装置

Claims (7)

  1. スリーブ部材と、該スリーブ部材に対して相対回転自在である軸部材と、該スリーブ部材と該軸部材との間に充填された潤滑油とから構成される流体動圧軸受を有するモータにおいて、
    前記スリーブ部材は、銅、アルミニウム、マグネシウム及びこれらを主成分とする合金からなる基材と、表面に、この基材より高い硬度の金属層と、を有し、前記基材底面露出するように前記金属層に動圧溝が形成されていることを特徴とするモータ。
  2. 前記基材が銅又は銅を主成分とする合金である請求項1記載のモータ。
  3. 前記金属層がニッケル又はニッケルを主成分とする合金であり且つ層厚3〜15μmの範囲である請求項1又は2記載のモータ。
  4. 前記金属層がメッキにより形成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載のモータ。
  5. 前記動圧溝が電解加工により形成されたものである請求項1〜4のいずれかに記載のモータ。
  6. 前記動圧溝の潤滑油の流動方向下流側の端部または屈曲部を連通するように周回溝が形成される請求項1〜5のいずれかに記載のモータ。
  7. ハウジングと、該ハウジングの内に固定されて記録ディスクを回転駆動するモータと、前記記録ディスクに対して情報の書き込み及び/又は読み出しを行う情報アクセス手段とを備えたディスク駆動装置であって、
    前記モータとして請求項1〜6のいずれかに記載のモータを用いることを特徴とするディスク装置。
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