JP2006144864A - 流体軸受装置、スピンドルモータ、および流体軸受装置の製造方法 - Google Patents

流体軸受装置、スピンドルモータ、および流体軸受装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006144864A
JP2006144864A JP2004333809A JP2004333809A JP2006144864A JP 2006144864 A JP2006144864 A JP 2006144864A JP 2004333809 A JP2004333809 A JP 2004333809A JP 2004333809 A JP2004333809 A JP 2004333809A JP 2006144864 A JP2006144864 A JP 2006144864A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing device
shaft
hydrodynamic bearing
sleeve
based metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004333809A
Other languages
English (en)
Inventor
Takekatsu Yamamoto
武克 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004333809A priority Critical patent/JP2006144864A/ja
Priority to US11/261,469 priority patent/US7708465B2/en
Publication of JP2006144864A publication Critical patent/JP2006144864A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/10Construction relative to lubrication
    • F16C33/1025Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant
    • F16C33/106Details of distribution or circulation inside the bearings, e.g. details of the bearing surfaces to affect flow or pressure of the liquid
    • F16C33/107Grooves for generating pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C17/00Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
    • F16C17/04Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for axial load only
    • F16C17/045Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for axial load only with grooves in the bearing surface to generate hydrodynamic pressure, e.g. spiral groove thrust bearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C17/00Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
    • F16C17/10Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for both radial and axial load
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/10Construction relative to lubrication
    • F16C33/1025Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant
    • F16C33/103Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant retained in or near the bearing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S384/00Bearings
    • Y10S384/90Cooling or heating
    • Y10S384/907Bearing material or solid lubricant

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

【課題】 非磁性体であるオーステナイト組織を有する鉄系金属を用いて洗浄度を向上すると共に、低硬度による耐磨耗性の悪化問題を解決し、信頼性の高い流体軸受装置およびスピンドルモータを提供する。
【解決手段】 シャフト1をオーステナイト組織を有する鉄系金属で形成するとともに、シャフト1のスリーブ3と対向する面の少なくとも一部が、固体潤滑剤の粉体を噴射することにより固体潤滑剤が分散された表面処理層13、14、15を形成する。非磁性体であるオーステナイト組織を有する鉄系金属でシャフト1を作成しているので、洗浄度が向上する。さらに、軸受面に固体潤滑剤が分散された表面処理層13、14、15を有するので、耐磨耗性が向上し、優れた軸受信頼性が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は動圧軸受を使用した流体軸受装置、この流体軸受装置を備えたスピンドルモータ、および流体軸受装置の製造方法に関するものである。
ハードディスク、ポリゴンミラー、光ディスク装置などのスピンドルモータに用いられている軸受装置として、従来用いられていた玉軸受装置に代わって、玉軸受よりも回転精度が優れ、しかも静音性にも優れる流体軸受装置が多く用いられつつある。
このような流体軸受装置を使用するハードディスク等では、記録密度や長期信頼性の向上が進んできており、それに伴って部品に求められる洗浄度が格段に厳しくなってきている。しかしながら、現在一般的に使用される軸受部材であるマルテンサイト系ステンレスは磁性材料であるため、ダストが付着しやすくなっており、これ以上の洗浄度の向上が困難になってきている。そこで、非磁性体であるオーステナイト系ステンレスやオーステナイト系高強度鋼などのオーステナイト組織を有する鉄系金属を用いることによって、洗浄度の向上を図る検討がされている。
ところが、従来のマルテンサイト系ステンレスは焼き入れによってHRc(ロックウェル硬さ)56程度の硬度が得られるが、オーステナイト組織を有する鉄系金属は焼き入れが出来ないため、HRc10〜25程度の硬度であり、そのまま使用すると軸受面の磨耗が促進されることになる。軸受面が磨耗すると、回転異常や最悪の場合は軸受のロックが発生することとなり、流体軸受装置の信頼性が大幅に低下するため、オーステナイト系ステンレスをそのまま使用することが出来ない。
これらの問題に対処すべく、特許文献1に開示された流体軸受装置では、オーステナイト系ステンレス鋼からなるシャフトに対して窒化処理を施すことにより、表面硬度を向上させている。たとえば、オーステナイト系ステンレス鋼であるSUS303を切削加工にて所要形状にした後、塑性加工で動圧溝を形成し、その後、研磨にて仕上げ加工を行い、さらに(1)塩浴窒化、(2)イオン窒化、(3)ガス軟窒化等の窒化処理により表面効果処理を行ってシャフトを作製している。
また、特許文献2に開示されたすべり軸受装置では、軸受面にDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティングを形成することにより、優れた耐磨耗性を得ている。
さらに、特許文献3では母相をなす金属の粉体と固体潤滑剤の粉体とを混合した噴射粒体を噴射して、母相中に固体潤滑剤の分散された被膜を形成することにより、潤滑性を向上している。たとえば、HDD(ハードディスクドライブ)用スピンドルモータに使用される、耐熱性ステンレス鋼(SUS304)からなるつば付シャフトに対し、前記噴射粒体を噴射して潤滑性被膜を形成している。
特開2002−188638号公報 特開2002−357223号公報 特開2002−161371号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来構成の流体軸受装置では、窒化処理に伴う表面荒れが発生し、窒化処理後そのまま使用すると洗浄不良による混入(コンタミネーション)問題や、軸受面磨耗の促進が問題となっていた。また、窒化処理は真空装置が必要であるため、製造コストがアップしてしまう欠点もあった。
また、特許文献2に開示された従来構成のすべり軸受装置では、DLCの剥離強度が低い性質を有するため、瞬間的な高い応力が加わるとDLCが剥離し、このDLCを介して軸受面同士が接触して軸受がロックしてしまう問題があった。さらに、窒化処理と同様に真空装置が必要であるため、製造コストがアップしてしまう欠点もあった。
さらに、特許文献3に開示された従来構成の潤滑被膜は、母相をなす金属が軟質金属であるため、表面の磨耗が促進されやすく、特に軸受に充填される作動流体が液体である場合にはこの磨耗が顕著となるおそれがあった。また、母相をなす軟質金属の粉体と固体潤滑材の粉体とを混合して噴射するので、表面が形成される噴射の後半では、軟質金属層に固体潤滑材が噴射される形となり、表面粗さが粗くなる。この特許文献3に書かれているように、作動流体が気体である流体軸受ではマイクロディンプルが有効である場合があるが、作動流体が液体である流体軸受では洗浄不良による混入(コンタミネーション)問題や、軸受面磨耗の促進が問題となる。
本発明は上記課題や問題を解決するもので、非磁性体であるオーステナイト組織を有する鉄系金属を用いて洗浄度を向上すると共に、低硬度による耐磨耗性の悪化問題を解決し、信頼性の高い流体軸受装置、およびこの流体軸受装置を有するスピンドルモータ、および流体軸受装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題や問題を解決するために本発明の流体軸受装置は、シャフトと、前記シャフトに対して微小隙間を介して外周に配置されたスリーブとが備えられ、前記シャフトと前記スリーブとの対向面の少なくとも一方にラジアル動圧発生溝が形成され、前記シャフトと前記スリーブとの間に液体の作動流体が充填された流体軸受装置であって、前記シャフトがオーステナイト組織を有する鉄系金属で形成され、前記シャフトにおける前記スリーブと対向する面の少なくとも一部に、固体潤滑剤の表面処理層が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の流体軸受装置は、オーステナイト組織を有する鉄系金属は、HRc30以上の表面硬度を備えていることを特徴とする。
以上の発明によれば、非磁性体であるオーステナイト組織を有する鉄系金属でシャフトを作成しているので、洗浄度が向上する。さらに、軸受面に固体潤滑剤の表面処理層を有するので、耐磨耗性が向上し、優れた軸受信頼性が得られる。さらにHRc30以上の表面硬度のオーステナイト組織を有する鉄系金属に固体潤滑剤の粉体を噴射して表面処理層を得ることにより、マイクロディンプルが小さくなり、さらに洗浄度が向上し、軸受面の磨耗が低減する。
以下、本発明の実施の形態に係る流体軸受装置およびこの流体軸受装置を備えたスピンドルモータについて、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、このスピンドルモータの流体軸受装置は、シャフト1と、このシャフト1から半径方向外方に突出するスラストフランジ2と、シャフト1に対して微小隙間を介して外周に配置されたスリーブ3と、スラストフランジ2に対して微小隙間を介して対向する位置に配置されたスラストプレート4とを備えている。
スリーブ3は、スピンドルモータのベース5に固定され、中央部に挿通孔3aが形成されている。そして、この挿通孔3aにシャフト1が微小隙間あけた姿勢で挿入され、シャフト1とスリーブ3との間の微小隙間に、作動流体としての液体の潤滑油6を充填させている。また、シャフト1の奥端部にスラストフランジ2がねじや外嵌結合などにより一体的に固定されるように取り付けられ、スラストフランジ2の円形平面部に対向するようにスラストプレート4を配設させてスリーブ3に固定しており、スラストフランジ2とスラストプレート4との間の隙間にかけても液体の潤滑油6を充填させている。また、このシャフト1の外周もしくはスリーブ3の内周面に、螺旋状または魚骨状パターンなどのラジアル動圧発生溝7を、転造、エッチング、電解加工などにより構成している。この実施の形態では、スリーブ3の内周面における奥側寄り領域と開口部寄り領域との2箇所にそれぞれラジアル動圧発生溝7からなるラジアル軸受を設けている。
また、スラストフランジ2とスラストプレート4との対向面における少なくとも一方の面に螺旋状または魚骨状パターンなどのスラスト動圧発生溝8を形成してスラスト軸受を構成している。さらに、シャフト1の奥端部に隣接するスラストフランジ2の面とこの面に対向するスリーブ3の面とにおける少なくとも一方にもスラスト動圧発生溝8を形成してスラスト軸受を構成している。なお、図1においては、スラスト動圧発生溝8をスラストフランジ2に対向するスリーブ3の面とスラストプレート4の面とにそれぞれ形成している場合を示している。
シャフト1におけるスリーブ3の開口部から突出している突出側端部1aには、その外周に例えば磁気記録ディスクが固定される回転部材としてのハブ9が圧入状態で外嵌されている。この実施の形態では、ハブ9のベース寄り部分外周にロータマグネット10が取り付けられている。また、ベース5には、ロータマグネット10に対向するように、ステータコイル11が巻かれたステータコア12が取り付けられている。そして、このロータマグネット10とステータコア12とにより、シャフト1とスリーブ3との間に回転駆動力を与えるスピンドルモータの駆動部が構成されている。
このスピンドルモータの駆動部によりハブ9やシャフト1、スラストフランジ2が回転駆動されると、ラジアル方向はラジアル動圧発生溝7によって、スラスト方向はスラスト動圧発生溝8によって、それぞれの箇所の潤滑油6に動圧が発生し、これらの流体軸受(ラジアル軸受およびスラスト軸受)によりスリーブ3およびスラストプレート4に対してシャフト1とスラストフランジ2とが微小隙間を保った非接触状態で回転支持される。
ここで、シャフト1及びスラストフランジ2をオーステナイト系ステンレスであるSUS303を用いて形成している。なお、シャフトは直径3mm、長さ6mmであり、スラストフランジは直径4mm、厚さ0.5mmで作成している。このSUS303などのオーステナイト組織を有する鉄系金属は、冷間加工を行うことによって表面硬度が向上する特性を有しており、図2に示すような、冷間加工率と硬度の相関がある。この性質を利用して、HRcを10、20、30、40に制御したSUS303を作成し、固体潤滑剤の一種である二硫化モリブデンを噴射して、シャフト1の外周面およびスラストフランジ2の上下面に潤滑性被膜13、14、15を形成した。噴射条件は、噴射速度150〜200m/sec、二硫化モリブデンの粒径は50μm以下、噴射時間20秒である。なお、この潤滑性被膜は二硫化モリブデンがSUS303の表面に分散されて存在する表面処理層となっている。
二硫化モリブデンが噴射されてSUS303と衝突することにより、二硫化モリブデンとSUS303との表面付近で温度上昇が発生する。このとき二硫化モリブデンの元素がSUS303の表面に活性化吸着して拡散・浸透するために、上記潤滑性被膜13〜15が形成される。
この条件で作成されたシャフト1およびスラストフランジ2の、表面硬度と表面粗度の相関を図3に示す。なお、噴射前の表面粗度は0.5μm程度である。この図3から分かるように、表面硬度が大きくなるにつれて表面粗度が小さくなっているのが分かる。これは、表面硬度が大きいほど粒子の噴射によるエネルギーを小さな塑性変形によって吸収するので、表面の変形が抑えられるためである。このことにより、表面硬度によって表面粗さを制御できることが分かる。
また、同じ表面硬度のシャフトに特許文献3の実施例4の条件(噴射速度200m/sec、二硫化モリブデンの粒径は50μm以下、母層金属Snの粒径は45μm、噴射時間15秒)で噴射を行った結果を図4に示す。この図4から分かるように、表面硬度が変化しても表面粗さに変化はほとんど見られず、図3と比較すると表面荒さが大きいことが分かる。
次に、シャフト1およびフランジ2を、100mlのビーカーの中に約50mlのアセトンと共に入れ、超音波洗浄器を用いて洗浄を行った。超音波洗浄器は周波数40kHz、出力200W、槽内容量10リットルのものを用い、洗浄時間1分とした。この洗浄条件での残留粒子を調べるために、新規のアセトンを用い、洗浄時間10分で再度洗浄を行い、パーティクルカウンタを用いてアセトンに残留した粒子を測定した。この結果を図5に示す。この図5から分かるように、表面粗度1μmと表面粗度1.4μmとでは残留粒子が観測されなかったが、表面粗度2.8μmと表面粗度4μmとでは残留粒子が観測され、十分な洗浄が出来ていないことが分かる。このように、表面粗度によって洗浄度が違い、表面粗度2.8μm以上では洗浄度向上が困難であることが分かる。
さらに、これらの条件で作成されたシャフト1およびスラストフランジ2と、SUS303の処理なし、窒化及びDLCを施したもの、従来使用されていたマルテンサイト系ステンレスSUS420を用いて、流体軸受を作成し、軸受寿命試験を行った。寿命試験では加速試験を行うために、軸受は潤滑油を充填させず、軸受のラジアルクリアランスは片側4μm、スラストクリアランスは20μmで作成した。試験条件は、姿勢がシャフト水平、荷重30g、回転速度5400rpmである。この試験結果を図6に示す。この図6から分かるように、処理無しや表面粗度4μmではすぐに寿命に達し、表面粗度2.8およびDLC、窒化した物、SUS420は10秒程度の時間で寿命に達している。それに対して、表面粗度1μm、表面粗度1.4μmでは寿命が50秒以上あり、寿命が飛躍的に延びていることが分かる。
これら図2〜図6の結果より、冷間加工により表面硬度を30HRc以上にしたSUS303を用いてシャフトおよびスラストフランジを形成した後に、二硫化モリブデンの粉体を噴射し、潤滑性被膜13〜15からなる表面処理層を形成すると、洗浄性及び耐磨耗性に優れた信頼性の高い流体軸受装置を作成することが可能となる。
さらに、シャフト1及びスラストフランジ2を形成するときの仕上げに研磨加工を行うと、加工硬化によって表面硬度がさらに向上するので、二硫化モリブデンの粉体を噴射した時の表面粗度をさらに小さくすることができる。
また、本実施例では二硫化モリブデンの粉体を噴射したが、固体潤滑剤であれば良く、二硫化タングステンや黒鉛でも潤滑性被膜13〜15を形成することが可能である。
さらに、噴射した固体潤滑材を回収・再利用する場合はシャフト材の粉体も含まれることになるが、特に表面粗度や洗浄性・寿命に変化は見られず、問題なく再利用することができる。
なお、本実施例ではSUS303を用いたが、SUS303に限定されるものではなく、SUS304等のオーステナイト系ステンレスでもよく、さらに、図2に示すオーステナイト系高強度鋼(AKS8000:秋山精鋼製など)を用いれば、5%程度の低い冷間加工でも30HRcが得られるとともに、冷間加工率を30%以上にすれば50HRcを超える硬度が得られるので、さらに表面粗度を低下することができ、有効である。
また、本実施例では、スラスト軸受においてはスラストフランジに潤滑性被膜13〜15からなる表面処理層を形成したが、スリーブ3およびスラストプレート4をオーステナイト組織を有する鉄系金属で形成し、潤滑性被膜13〜15からなる表面処理層を形成しても良い。
さらに、本実施例はシャフト回転でインナーロータタイプの流体軸受スピンドルモータであったが、シャフト固定やアウターロータタイプ、スラスト軸受をスリーブ3とハブ9で形成したものなどのさまざまな軸受やモータ形状に適応することができる。
また、本発明の軸受装置やそれを用いたスピンドルモータは、HDDやポリゴンミラー、光ディスク装置等に用いることが出来る。
本発明は、ハードディスク装置やその他の装置のスピンドルモータなどに特に適した流体軸受装置に適用できるが、その他の機器にも適用可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る流体軸受装置を備えたスピンドルモータの断面図 各種材料の冷間加工率と表面硬度の相関図 表面硬度と表面粗度の相関図 表面硬度と表面粗度の相関図 表面粗度と残留粒子の相関図 表面粗度と軸受寿命の相関図
符号の説明
1 シャフト
2 スラストフランジ
3 スリーブ
4 スラストプレート
5 ベース
6 潤滑油
7 ラジアル動圧発生溝
8 スラスト動圧発生溝
9 ハブ
10 ロータマグネット
11 ステータコイル
12 ステータコア
13、14、15 潤滑性被膜(表面処理層)

Claims (10)

  1. シャフトと、前記シャフトに対して微小隙間を介して外周に配置されたスリーブとが備えられ、前記シャフトと前記スリーブとの対向面の少なくとも一方にラジアル動圧発生溝が形成され、前記シャフトと前記スリーブとの間に液体の作動流体が充填された流体軸受装置であって、前記シャフトがオーステナイト組織を有する鉄系金属で形成され、前記シャフトにおける前記スリーブと対向する面の少なくとも一部に、固体潤滑剤が分散された表面処理層が形成されていることを特徴とする流体軸受装置。
  2. 平面部を有する固定部材と、前記固定部材の平面部に対して微小隙間を介して対向して配置された平面部を有する回転部材とが備えられ、前記固定部材の前記平面部と前記回転部材の前記平面部の少なくとも一方にスラスト動圧発生溝が形成され、前記固定部材と前記回転部材との間に液体の作動流体が充填された流体軸受装置であって、前記固定部材と前記回転部材との少なくとも一方がオーステナイト組織を有する鉄系金属で形成され、オーステナイト組織を有する鉄系金属で形成された前記固定部材と前記回転部材との少なくとも一方の平面部の少なくとも一部に、固体潤滑剤が分散された表面処理層が形成されていることを特徴とする流体軸受装置。
  3. オーステナイト組織を有する鉄系金属は、HRc30以上の表面硬度を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の流体軸受装置。
  4. スリーブは、鉄系金属材料もしくは銅系金属材料からなることを特徴とする請求項1に記載の流体軸受装置。
  5. 固体潤滑剤は、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛のうちの一つであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の流体軸受装置。
  6. 請求項1に記載の流体軸受装置と、シャフトとスリーブとの間に回転駆動力を与える駆動部とが備えられていることを特徴とするスピンドルモータ。
  7. 請求項2に記載の流体軸受装置と、固定部材と回転部材との間に回転駆動力を与える駆動部とが備えられていることを特徴とするスピンドルモータ。
  8. 請求項1または2に記載の流体軸受装置の製造方法であって、表面処理層が、固体潤滑剤の粉体を噴射することにより形成されていることを特徴とする流体軸受装置の製造方法。
  9. オーステナイト組織を有する鉄系金属は、冷間加工率を5%以上としてHRc30以上の表面硬度を得ていることを特徴とする請求項8に記載の流体軸受装置の製造方法。
  10. 表面処理層は、HRc30以上の表面硬度を備えたオーステナイト組織を有する鉄系金属に対して、研磨加工を行った後に、固体潤滑剤の粉体を噴射することにより形成されていることを特徴とする請求項9記載の流体軸受装置の製造方法。
JP2004333809A 2004-11-18 2004-11-18 流体軸受装置、スピンドルモータ、および流体軸受装置の製造方法 Pending JP2006144864A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004333809A JP2006144864A (ja) 2004-11-18 2004-11-18 流体軸受装置、スピンドルモータ、および流体軸受装置の製造方法
US11/261,469 US7708465B2 (en) 2004-11-18 2005-10-31 Hydrodynamic bearing device, spindle motor, and method for manufacturing hydrodynamic bearing device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004333809A JP2006144864A (ja) 2004-11-18 2004-11-18 流体軸受装置、スピンドルモータ、および流体軸受装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006144864A true JP2006144864A (ja) 2006-06-08

Family

ID=36386363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004333809A Pending JP2006144864A (ja) 2004-11-18 2004-11-18 流体軸受装置、スピンドルモータ、および流体軸受装置の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7708465B2 (ja)
JP (1) JP2006144864A (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007333135A (ja) * 2006-06-16 2007-12-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体軸受式回転装置
JP2008202642A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体軸受装置、それを備えたスピンドルモータ、記録再生装置、及び軸受部品の製造方法
DE102010015335A1 (de) * 2010-04-17 2011-10-20 Minebea Co., Ltd. Fluiddynamisches Lagersystem und Spindelmotor mit einem solchen Lagersystem
DE102014008277A1 (de) 2013-08-29 2015-03-05 Minebea Co., Ltd. Fluiddynamisches Lager mit niedriger Bauhöhe
DE102014005108A1 (de) * 2014-04-08 2015-10-08 Minebea Co., Ltd. Fluiddynamisches Lagersystem
DE102015015162A1 (de) * 2015-11-25 2017-06-01 Minebea Co., Ltd. Fluiddynamisches Lager

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000297813A (ja) * 1999-04-15 2000-10-24 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 動圧軸受装置及びその製造方法
JP3357661B2 (ja) 2000-11-17 2002-12-16 株式会社不二機販 潤滑性被膜の形成方法
JP2002188638A (ja) 2000-12-21 2002-07-05 Nippon Densan Corp 動圧軸受及びそれを用いたスピンドルモータ
JP2002357223A (ja) 2001-06-04 2002-12-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd 動圧軸受装置及びそれを用いたモータ

Also Published As

Publication number Publication date
US20060104554A1 (en) 2006-05-18
US7708465B2 (en) 2010-05-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7284908B2 (en) Hydrodynamic bearing device and motor
US8366322B2 (en) Shaft member for fluid dynamic bearing device
EP1873412A1 (en) Rolling sliding member and rolling apparatus
KR20010051572A (ko) 유체동압 베어링, 유체동압 베어링 장치, 유체동압베어링의 제조방법 및 베어링 표면 가공방법
US20060008190A1 (en) Fluid dynamic bearing device
US7708465B2 (en) Hydrodynamic bearing device, spindle motor, and method for manufacturing hydrodynamic bearing device
JP2001193743A (ja) 転がり軸受
US6609829B2 (en) Hydrodynamic bearing for motor
JP2005256968A (ja) 流体軸受装置
JP2008169939A (ja) 真空ポンプ用転がり軸受およびこれを用いた真空ポンプ
JP2007327632A (ja) 転がり摺動部材及び転動装置
JP4513775B2 (ja) 圧延機ロールネック用転動装置
JP2007192320A (ja) 動圧軸受装置用軸部材
JP2012031969A (ja) 流体動圧軸受装置用のハブ一体軸及びその製造方法
JP4539861B2 (ja) タッチダウン軸受
JP2000297813A (ja) 動圧軸受装置及びその製造方法
JP4599738B2 (ja) モータ及びこれを備えたディスク装置
JP2007100870A (ja) 転動装置
JP2002238228A (ja) 流体軸受装置
JP2002188638A (ja) 動圧軸受及びそれを用いたスピンドルモータ
JP2007198400A (ja) 動圧軸受装置用軸部材
JP4000870B2 (ja) 転動部材及び転動装置
JP2002061638A (ja) 動圧型軸受装置の製造方法
JP2004084866A (ja) 軸受装置
JPH02256911A (ja) スピンドルユニット