JP4597540B2 - 顔料分散系、顔料分散系収容体、画像形成体、及び画像形成方法 - Google Patents

顔料分散系、顔料分散系収容体、画像形成体、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明の一つの態様は、顔料分散系、顔料分散系収容体、画像形成体、及び画像形成方法の少なくとも一つに関する。
従来、インクジェットプリンターに用いるインクジェット用インクとして、水溶性染料を水又は水及び水溶性有機溶剤からなる溶媒中に溶解させ、必要に応じて添加剤を添加して得られる染料系インク、並びに分散剤を用いて顔料を水又は水及び水溶性有機溶剤からなる分散媒(以下、水並びに水及び水溶性有機溶剤からなる、水を含む分散媒を水性分散媒と呼ぶことにする)に分散させることによって得られる顔料系インクが挙げられる。
ここで、顔料系インクを用いて被記録体上に文字や画像などを記録する場合を、染料系インクを用いて被記録体上に文字や画像を形成する場合と比較すると、顔料系インクは、一般に、染料系インクよりも高い耐水性及び耐光性を有する点で優れている。すなわち、顔料の水に対する溶解度は、一般に、水溶性インクの水に対する溶解度よりもはるかに低いため、被記録材上で乾燥した顔料系インクに水が付着しても、顔料が被記録体に付着した水にほとんど溶解せず、被記録体に記録された文字や画像のにじみは、ほとんど発生しない。また、顔料の光に対する反応性は、一般に、染料の光に対する反応性よりも低いため、被記録体上に記録された文字や画像に光が照射されても、被記録体に記録された文字や画像の色調の変化や濃度の低下が少ない。
顔料系インクとしては、例えば、スチレン−マレイン酸共重合体及びナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物のような親水性構造部分及び疎水性構造部分を共に有する重合体を含むインク(特開昭56−147863号公報(特許文献1参照。)などのような高分子化合物を分散剤として用いたインクが知られている。また、ポリエチレングリコールフェニルエーテル誘導体及びポリエチレングリコールフェニルエーテル誘導体の硫酸塩又はリン酸塩(例えば、特開平10−88050号公報(特許文献2及び特開平10−168367号公報(特許文献参照。)のような界面活性剤を分散剤として用いたインクも知られている。
このような顔料系インクは、一般に、顔料、分散剤、及び水性分散媒を含む混合物に、ボールミル及びサンドミルのような分散機を用いて分散処理を行ない、顔料を水性分散媒に十分に分散させた顔料分散系に必要に応じて各種の添加剤を添加することによって製造される。
特に、インクジェット用インクに使用する顔料系インクについては、顔料系インクを吐出するノズルの詰まりを防止するため、被記録体に鮮明な文字や画像を記録するため、文字や画像の二次色の再現性を維持するため、及び顔料系インクにおける画像の透明性を確保するために、顔料分散系に分散する顔料の粒子(顔料に分散剤が付着した粒子)の粒子径を、通常200nm以下、好ましくは150nm以下まで、微粒子化する必要がある。さらに、顔料系インクを工業的に安価に製造するためには、顔料の粒子を短時間で微粒子化する必要がある。さらに、顔料系インクを吐出するノズルの詰まりを防止するためには、顔料系インクにおいて、微粒子化された顔料の粒子の粒子径が、経時的に、及び/又は高温又は低温の環境下で、増加しないこともまた要求される。
しかしながら、特許文献1、2及び3に開示されるような従来の顔料系インクにおいては、顔料の粒子の平均粒径が大きく、また、顔料の粒子の平均粒径も経時的に増加してしまうという問題がある。このため、これらの顔料系インクをインクジェット用インクとして使用した場合には、顔料系インクを吐出するノズルの詰まりに関する頻度が高くなってしまう。また、これらの顔料系インクについては、顔料の粒子を短時間で微粒子化することが困難であった。
これに対して、顔料の粒子の平均粒径を減少させた顔料系インクとして、スルホン基及びカルボキシル基の両方を有するポリエチレングリコールフェニルエーテル誘導体が開示されている(特開2002−38072号公報(特許文献4参照。)。さらに、顔料の粒子を短時間で効率的に微粒子化することができ、顔料の粒子の平均粒径における経時的な増加が低減された顔料系インクとして、ポリエチレングリコールナフタレニルエーテル誘導体が開示されている(例えば、特開2001−192583号公報(特許文献5参照。)。
しかしながら、特許文献4及び5に開示されるような従来の顔料系インクにおいても、顔料の粒子の平均粒径は、十分に小さくはないという問題がある。
特開昭56−147863号公報 特開平10−88050号公報 特開平10−168367号公報 特開2002−38072号公報 特開2001−192583号公報
本発明の第一の目的は、顔料分散系を提供することである。
本発明の第二の目的は、顔料分散系収容体を提供することである。
本発明の第三の目的は、画像形成体を提供することである。
本発明の第四の目的は、画像形成方法を提供することである。
本発明の第一の態様は、顔料、分散剤、及び水を含む顔料分散系において、前記分散剤は、一般式(1)
A−O(CH CH O) −H
で表される化合物であり、Aは、置換若しくは無置換のキノリンの一価基又は置換若しくは無置換のイソキノリンの一価基であり、nは、10以上100以下の整数であると共に、前記顔料分散系は、一般式(3)


S−C−COOR

C−COOR
で表される化合物をさらに含み、R 及びR は、それぞれ、炭素数1以上20以下のアルキル基であり、M は、H、Li、Na、K、又はN であり、R 、R 、R 、及びR は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、及び3−ヒドロキシプロピル基からなる群から選択されることを特徴とする、顔料分散系である。
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様である顔料分散系が収容されていることを特徴とする、顔料分散系収容体である。
本発明の第三の態様は、本発明の第一の態様である顔料分散系を用いて受容体に画像が形成されていることを特徴とする、画像形成体である。
本発明の第四の態様は、本発明の第一の態様である顔料分散系を用いて受容体に画像を形成することを特徴とする、画像形成方法である。
本発明の第一の態様によれば、顔料分散系を提供することができる。
本発明の第二の態様によれば、顔料分散系収容体を提供することができる。
本発明の第三の態様によれば、画像形成体を提供することができる。
本発明の第四の態様によれば、画像形成方法を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態(実施形態)をより詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態による顔料分散系について説明する。本発明の実施形態による顔料分散系は、少なくとも、顔料、分散剤、及び水を含み、水を含む分散媒中で顔料の粒子を分散させるための分散剤は、一般式(1)
A−O(CHCHO)−H
で表される化合物である。
一般式(1)において、Aは、置換若しくは無置換のキノリンの一価基又は置換若しくは無置換のイソキノリンの一価基である。なお、キノリンは、式
Figure 0004597540
で表される化合物であり、イソキノリンは、式
Figure 0004597540
で表される化合物である。
Aにおいて、置換若しくは無置換のキノリンの一価基における遊離原子価の位置、又は置換若しくは無置換のイソキノリンの一価基における遊離原子価の位置は、置換若しくは無置換のキノリン、又は置換若しくは無置換のイソキノリンにおけるキノリン環又はイソキノリン環を構成する炭素原子の任意の位置が可能である。
Aにおいて、置換若しくは無置換のキノリンの一価基が、置換のキノリンの一価基である場合、又は置換若しくは無置換のイソキノリンの一価基が、置換のイソキノリンの一価基である場合には、置換のキノリンの一価基における置換基、又は置換のイソキノリンの一価基における置換基は、1個以上20個以下の炭素を含む直鎖又は分岐のアルキル基、1個以上20個以下の炭素を含むアリール基、1個以上20個以下の炭素を含むアラルキル基から選択される少なくとも一つの置換基である。
1個以上20個以下の炭素を含む直鎖又は分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分岐のペンチル基、直鎖又は分岐のヘキシル基、直鎖又は分岐のヘプチル基、直鎖又は分岐のオクチル基、直鎖又は分岐のノニル基、直鎖又は分岐のデシル基、直鎖又は分岐のウンデシル基、直鎖又は分岐のドデシル基、直鎖又は分岐のトリデシル基、直鎖又は分岐のテトラデシル基、直鎖又は分岐のペンタデシル基、直鎖又は分岐のヘキサデシル基、直鎖又は分岐のヘプタデシル基、直鎖又は分岐のオクタデシル基、直鎖又は分岐のノナデシル基、及び直鎖又は分岐のイコシル基が挙げられる。
1個以上20個以下の炭素を含むアリール基としては、例えば、フェニル基、1−又は2−ナフタレニル基、1−、2−、又は9−アントラセニル基、1−、2−、3−、4−、又は9−フェナントレニル基、1−、2−、又は5−ナフタセニル基、1−、2−、又は3−ピレニル基、及び1−、2−、3−、4−、5−、又は6−クリセニル基などが挙げられる。
1個以上20個以下の炭素を含むアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、γ−フェニルプロピル基、1−又は2−ナフタレニルメチル基、β−(1−又は2−ナフタレニル)エチル基、及びγ−(1−又は2−ナフタレニル)プロピル基などが挙げられる。
置換のキノリンの一価基又は置換のイソキノリンの一価基においては、キノリンの一価基又はイソキノリンの一価基における1個以上6個以下の水素原子が、上記の置換基で置換される。すなわち、置換のキノリンの一価基又は置換のイソキノリンの一価基における置換基の数は、1個以上6個以下である。置換のキノリンの一価基又は置換のイソキノリンの一価基における置換基の位置に関しては、置換のキノリンの一価基又は置換のイソキノリンの一価基における任意の位置の水素原子が置換される。置換のキノリンの一価基又は置換のイソキノリンの一価基における置換基の数が複数である場合には、これら複数の置換基は、同一の置換基であっても、異なる置換基であってもよい。
ここで、Aは、好ましくは、8−キノリニル基
Figure 0004597540
である。Aが、8−キノリニル基であるときには、本発明の実施形態による顔料分散系に使用される分散剤は、式
Figure 0004597540
で表される。このようにAが、8−キノリニル基であると、上記分散剤の原料である8−ヒドロキシキノリンを容易に入手することができるため、顔料分散系を安価に調製することができる。
一般式(1)において、nは、10以上100以下の整数であり、好ましくは20以上60以下の整数であり、最も好ましくは40である。nが10未満である場合には、顔料分散系において顔料の粒子の分散性が低下し、顔料の粒子が凝集して、顔料の粒子の平均粒径は大きくなる。一方、nが100を超える場合には、顔料分散系の粘度が増加する。その結果、顔料分散系を、インクジェット用インクとして使用する場合には、顔料分散系を吐出するノズルの詰まりを容易に引き起こす。また、顔料分散系において顔料の粒子の平均粒径が、容易に変動する傾向にある(顔料の粒子の平均粒径の安定性が低下する)。
Aが8−キノリニル基であり、nが40であると、本発明の実施形態による顔料分散系に使用される分散剤は、特に好ましく、
Figure 0004597540
で表される化合物である。すなわち、Aが8−キノリニル基であり、nが40であると、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径をさらに効果的に低減させることができる。
本発明の実施形態による顔料分散系における分散剤としては、上記一般式(1)で示される一種類の化合物を単独で使用してもよく、また、上記一般式(1)で示される複数の種類の化合物を組み合わせで使用してもよい。
本発明の実施形態による顔料分散系に使用される顔料は、特に限定されないが、例えば、顔料分散系に要求される色に応じて、以下のような無機顔料及び有機顔料を用いることができる。
黒色用の顔料(ブラック顔料)としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック等のようなカーボンブラック類、銅、鉄、及び酸化チタン等のような金属類、並びにオルト−ニトロアニリンブラック等のような有機顔料が挙げられる。
黄色用の顔料(イエロー顔料)としては、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー2、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー93、ピグメントイエロー95、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー114、ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー129、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー155、及びピグメントイエロー180等が挙げられる。
赤紫色用の顔料(マゼンタ顔料)としては、ピグメントレッド5、ピグメントレッド7、ピグメントレッド12、ピグメントレッド48(Ca)、ピグメントレッド48(Mg)、ピグメントレッド57(Ca)、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド112、ピグメントレッド122、ピグメントレッド123、ピグメントレッド168、ピグメントレッド184、ピグメントレッド202、及びピグメントバイオレット19等が挙げられる。
緑青色用の顔料(シアン顔料)としては、ピグメントブルー1、ピグメントブルー2、ピグメントブルー3、ピグメントブルー15、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー16、ピグメントブルー22、ピグメントブルー60、バットブルー4、及びバットブルー60等が挙げられる。
上記以外のカラー顔料としては、トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファーストイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサンバイオレット、ビクトリアピュアブルー、アルカリブルートナー、ファーストイエロー10G、ジスアゾエローAAMX、ジスアゾエローAAOT、ジスアゾエローAAOA、黄色酸化鉄、ジスアゾエローHR、オルトニトロアニリンオレンジ、ジニトロアニリンオレンジ、バルカンオレンジ、トルイジンレッド、塩素化パラレッド、ブリリアンファーストスカーレット、ナフトールレッド23、ピラゾロンレッド、バリウムレッド2B、カルシウムレッド2B、ストロンチウムレッド2B、マンガンレッド2B、バリウムリソームレッド、ピグメントスカーレッド3Bレーキ、レーキボルドー10B、アンソシン3Bレーキ、アンソシン5Bレーキ、ローダミン6Gレーキ、エオシンレーキ、べんがら、ファナトールレッドFGR、ローダミンBレーキ、メチルバイオレッドレーキ、ジオキサジンバイオレッド、ベーシックブルー5Bレーキ、ベーシックブルー6Gレーキ、ファストスカイブルー、アルカリブルーRトナー、ピーコックブルーレーキ、紺青、群青、レフレックスブルー2G、レフレックスブルーR、ブリリアントグリーンレーキ、ダイアモンドグリーンチオフラビンレーキ、フタロシアニングリーンG、グリーンゴールド、フタロシアニングリーンY、酸化鉄粉、さびこ、亜鉛華、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、アルミナ、アルミナホワイト、アルミニウム粉、ブロンズ粉、昼光蛍光顔料、パール顔料、ナフトールカーミンFB、ナフトールレッドM、パーマネントカーミンFB、ファーストイエローG、ジスアゾエローAAA、ジオキサンバイオレッド、アルカリブルーGトナー等が挙げられる。
また、上記顔料の表面を樹脂等で処理することで得られるグラフトカーボン等のような加工顔料も使用することができる。さらに、顔料分散系に要求される色に応じて、上記の顔料の複数種類を混合して使用することもできる。
上記顔料において、顔料分散系における顔料の粒子の分散性、紙及びフィルムなどのような顔料分散系の受容体における顔料分散系の色調の再現性、及び受容体における顔料分散系の耐光性を向上させるためには、ブラック顔料としてはカーボンブラックを使用し、イエロー顔料としてはピグメントイエロー74を使用し、マゼンタ顔料としてはピグメントレッド122及び/又はピグメントバイオレット19を使用し、シアン顔料としてはピグメントブルー15:3及びピグメントブルー15:4等のようなβ型フタロシアニン銅を使用することが好ましい。さらに、マゼンタ顔料として、ピグメントレッド122及びピグメントバイオレット19の表面を顔料誘導体等で表面処理すると、顔料分散系における顔料の粒子の分散性を向上させることができる。
ここで、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径は、好ましくは、10nm以上200nm以下である。顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が、10nm未満である場合には、顔料分散系における顔料の粒子が容易に分散されず、顔料分散系の調製に係るコストが高くなる。また、顔料分散系の保存性並びに紙及びフィルムなどのような顔料分散系の受容体における顔料分散系の耐光性が低下する傾向がある。顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が、200nmを超える場合には、顔料分散系をインクジェット用インクとして用いるとき、インクを吐出するノズルの目詰まりを引き起こし易く、また、このインクを用いて、紙及びフィルムなどのインクの受容体に形成された画像の色調の鮮明性も低下する傾向がある。
なお、本発明の実施形態において、顔料の粒子の平均粒径とは、具体的には、顔料分散系に分散する顔料の一次粒子及び一次粒子が凝集した二次粒子に、分散剤が付着することで形成された粒子の平均粒径を意味する。また、本発明の実施形態における顔料分散系において、顔料の粒子の平均粒径は、日機装(株)製マイクロトラックUPAによって測定される値である。
また、顔料分散系における顔料の濃度は、好ましくは、1重量%以上50重量%以下である。より詳しくは、本発明の実施形態による顔料分散系を、インクの原液(顔料分散液)として用いる場合には、顔料分散系における顔料の濃度は、5重量%以上50重量%以下であることが好ましい。このとき、顔料分散系における顔料の濃度が、5重量%未満である場合には、インクの原液としての顔料分散系における顔料の濃度が低すぎて、一定量の顔料を含む顔料分散系を調製するために多量の顔料分散系を必要とする。その結果、多量の顔料分散系を調製するために長い時間を必要とし、インクの原液としての顔料分散系の生産性が低下する。顔料分散系における顔料の濃度が、50重量を超える場合には、顔料分散系の粘度が高くなりすぎ、顔料分散系における顔料の粒子の分散が困難になる傾向がある。また、本発明の実施形態による顔料分散系を、インクジェット用インクとして用いる場合には、顔料分散系における顔料の濃度は、1重量%以上30重量%以下であることが好ましい。顔料分散系における顔料の濃度が、1重量%未満である場合には、紙及びフィルムなどの顔料分散系の受容体に形成される画像の濃度が低すぎ、印字などの受容体に形成された画像の鮮明性が低下する傾向がある。顔料分散系における顔料の濃度が、30重量%を超える場合には、インクジェット用インクとして顔料分散系の粘度が高くなり、インクを吐出するノズルの目詰まりを引き起こし易くなる。
さらに、顔料に対する一般式(1)で表される分散剤の含有量は、好ましくは、6.25重量%以上50重量%以下である。すなわち、すなわち、顔料分散系における顔料の含有量と顔料分散系における一般式(1)で表される分散剤の含有量との重量比は、好ましくは、1/15〜1/1の範囲にある。顔料に対する一般式(1)で表される分散剤の含有量が、6.25重量%未満である場合には、水などの分散媒において顔料の粒子を十分に分散させることが困難であり、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制する効果が低減される。顔料に対する一般式(1)で表される分散剤の含有量が、50重量%を超える場合には、顔料分散系の粘度が高くなりすぎる。その結果、本発明の実施形態による顔料分散系をインクジェット用インクとして使用する場合に、インクの粘度が高すぎるために、インクジェットプリンターからインクを吐出することが困難になり、インクの受容体に対する印字などの画像形成が困難になる傾向がある。
なお、本発明の実施形態による顔料分散系に含まれる水は、イオン交換水であることが望ましい。
本発明の実施形態による顔料分散系は、好ましくは、顔料、一般式(1)で表される分散剤、及び水に加えて一般式(2)
−(A−OH
で表される化合物(界面活性剤)をさらに含む。ここで、Rは、好ましくは、炭素数8以上14以下のアルキル基である。Rが、炭素数7以下又は15以上のアルキル基である場合には、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が容易に変動する傾向がある。また、Aは、好ましくは、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の少なくとも一方を含む二価基である。よって、Aとして、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、並びにオキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の組み合わせのいずれも好適に使用することができる。mは、好ましくは、3以上16以下の整数である。mが2以下又は17以上である場合には、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制する効果が低減される。
ここで、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(2)で表される化合物の含有量は、好ましくは、0.001重量%以上40重量%以下である。すなわち、一般式(1)で表される化合物の含有量と一般式(2)で表される化合物の含有量との重量比は、好ましくは、99.999/0.001〜60/40の範囲にある。一般式(1)で表される化合物に対する一般式(2)で表される化合物の含有量が、0.001重量%未満である場合には、一般式(2)で表される化合物を添加することによる顔料分散系における顔料の粒子の分散性を向上させる効果がほとんどないため、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制する程度が小さい。また、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(2)で表される化合物の含有量が、40重量%を超える場合にも、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制する程度が小さくなる。
本発明の実施形態による顔料分散系は、好ましくは、顔料、一般式(1)で表される分散剤、及び水に加えて一般式(3)


S−C−COOR

C−COOR
で表される化合物(界面活性剤)をさらに含む。ここで、R及びRは、それぞれ、好ましくは、炭素数1以上20以下のアルキル基である。R及び/又はRが、水素原子又は炭素数21以上のアルキル基である場合には、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が容易に変動する傾向がある。また、Mは、好ましくは、H、Li、Na、K、又はNである。さらに、R、R、R、及びRは、それぞれ、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、及び3−ヒドロキシプロピル基からなる群から選択される。
ここで、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(3)で表される化合物の含有量は、好ましくは、0.001重量%以上40重量%以下である。すなわち、一般式(1)で表される化合物の含有量と一般式(3)で表される化合物の含有量との重量比は、好ましくは、99.999/0.001〜60/40の範囲にある。一般式(1)で表される化合物に対する一般式(3)で表される化合物の含有量が、0.001重量%未満である場合には、一般式(3)で表される化合物を添加することによる顔料分散系における顔料の粒子の分散性を向上させる効果がほとんどないため、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制する程度が小さい。また、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(3)で表される化合物の含有量が、40重量%を超える場合にも、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制する程度が小さくなる。
本発明の実施形態による顔料分散系は、好ましくは、顔料、一般式(1)で表される分散剤、及び水に加えて一般式(4)
O−(A−CHCOOM
で表される化合物(界面活性剤)をさらに含む。ここで、Rは、好ましくは、炭素数1以上20以下のアルキル基である。Rが、水素原子又は炭素数21以上のアルキル基である場合には、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制する効果が低減される。また、Aは、好ましくは、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の少なくとも一方を含む二価基である。よって、Aとして、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、並びにオキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の組み合わせのいずれも好適に使用することができる。さらに、nは、好ましくは、1以上12以下の整数である。nが0又は13以上である場合には、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が容易に変動する傾向がある。加えて、Mは、好ましくは、H、Li、Na、K、又はN101112であり、R、R10、R11、及びR12は、それぞれ、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、及び3−ヒドロキシプロピル基からなる群から選択される。
ここで、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(4)で表される化合物の含有量は、好ましくは、0.001重量%以上40重量%以下である。すなわち、一般式(1)で表される化合物の含有量と一般式(4)で表される化合物の含有量との重量比は、好ましくは、99.999/0.001〜60/40の範囲にある。一般式(1)で表される化合物に対する一般式(4)で表される化合物の含有量が、0.001重量%未満である場合には、一般式(4)で表される化合物を添加することによる顔料分散系における顔料の粒子の分散性を向上させる効果がほとんどないため、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制する程度が小さい。また、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(4)で表される化合物の含有量が、40重量%を超える場合にも、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制する程度が小さくなる。
なお、本発明の実施形態による顔料分散系において、一般式(2)、(3)、及び(4)で表される化合物については、これらの化合物の二種類以上の組み合わせを使用してもよい。
本発明の実施形態による顔料分散系において、一般式(2)、(3)、及び/又は(4)で表される化合物を、一般式(1)で表される化合物と併用することによって、顔料分散系における顔料の粒子の分散性を向上させることができる。
本発明の実施形態による顔料分散系は、水溶性有機溶剤、界面活性剤、防腐剤、及び防かび剤からなる群から選択される少なくとも一つの添加剤をさらに含んでもよい。顔料分散系が、水溶性有機溶剤、界面活性剤、防腐剤、及び防かび剤からなる群から選択される少なくとも一つの添加剤をさらに含むことによって、必要な有機物を溶解させることが可能な顔料分散系、顔料の粒子を含む分散質の分散性をさらに高めた顔料分散系、並びに防腐及び防かび効果を備えた顔料分散系などの添加剤に起因する性質を備えた顔料分散系を提供することができる。
本発明の実施形態による顔料分散系に添加することができる添加剤としての水溶性有機溶剤に関しては、例えば、メタノール(メチルアルコール)、エタノール(エチルアルコール)、1−プロパノール(n−プロピルアルコール)、2−プロパノ−ル(イソプロピルアルコール)、1−ブタノール(n−ブチルアルコール)、2−ブタノール(sec−ブチルアルコール)、tert−ブチルアルコール、及びイソブチルアルコール等のような1個以上4個以下の炭素原子を含むアルコール類、エチレングリコール、1,2−プロパンジオールのようなプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、及び1,4−ブタンジオールのようなブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、及びヘキシレングリコール等のような2個以上6個以下の炭素原子を含むアルキレン基を有するアルキレングリコール類、グリセリン及び1,2,6−ヘキサントリオール等のようなトリオール類、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等のようなポリアルキレングリコール類、上記のアルコール類及び上記のアルキレングリコール類、トリオール類又はポリアルキレングリコールを脱水縮合して得られる、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、及びトリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等のような(モノエーテル誘導体及びジエーテル誘導体を含む)多価アルコールの低級アルキルエーテル類、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のようなエーテル類、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド等のようなアミド化合物、アセトン及びメチルエチルケトン等のようなケトン、ジアセトンアルコール等のようなケトンアルコール類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等のようなアルカノールアミン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンのようなピロリドン誘導体、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
上記の水溶性有機溶剤の中で、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルを用いることが好ましい。
なお、本発明の実施形態による顔料分散系に含まれる上記の添加剤の含有量は、好ましくは、顔料分散系の全量に対して、0重量%以上50重量%である。
また、本発明の実施形態による顔料分散系に添加することができる添加剤としての界面活性剤に関しては、例えば、イソプロピルアルコールのような、公知の非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤が挙げられる。
さらに、本発明の実施形態による顔料分散系に添加することができる添加剤としての防腐剤及び防かび剤に関しては、例えば、安息香酸ナトリウム、ソルビタン酸カリウム、チアベンダゾール、ベンズイミダゾール、サイアベンダゾール、チアゾスルファミド、及びピリジンチオールオキシドなどのような公知の防腐剤及び防かび剤が挙げられる。
本発明の実施形態による顔料分散系は、液体であり、例えば、一般のインク(記録液)及びインクの原液などに利用することができる。特に、本発明の実施形態による顔料分散系をインクジェット用インクとして好適に利用することができる。本発明の実施形態による顔料分散系をインクジェット用インクとして用いる場合には、本発明の実施形態による顔料分散系は、顔料、一般式(1)で表される分散剤、及び水に加えて、上記の添加剤の少なくとも一つを含むことが好ましい。
本発明の実施形態による顔料分散系は、顔料、一般式(1)で表される分散剤、水、及び必要に応じて添加剤の混合物を、サンドミル、パールミル、ダイノーミル、ボールミル、ロールミル、ナノマイザー、及びホモジナイザー等のような公知の分散機を用いて攪拌し、水を含む分散媒に顔料の粒子を分散させることによって得られる。また、本発明の実施形態による顔料分散系をインクジェット用インクとして得る場合には、顔料、一般式(1)で表される分散剤、水、及び必要に応じて添加剤の混合物を撹拌して混合し、得られた顔料分散系を、フィルターを通じて濾過する、又は遠心分離装置にかける等の方法によって、顔料分散系から粗大粒子を除去し、さらに必要に応じその顔料分散系を脱気することによって、インクジェット用インクを得ることができる。なお、本発明の実施形態による顔料分散系において一般式(2)、(3)、及び/又は(4)で表される化合物を、一般式(1)で表される分散剤と併用する場合には、顔料、一般式(1)で表される分散剤、水、及び必要に応じて添加剤の混合物を攪拌する際に添加することができる。しかしながら、本発明の実施形態による顔料分散系をインクジェット用インクとして得る場合には、顔料、一般式(1)で表される分散剤、水、及び必要に応じて添加剤の混合物を攪拌した後に、一般式(2)、(3)、及び/又は(4)で表される化合物を顔料分散系に添加してもよい。
本発明の実施形態によれば、顔料の粒子の平均粒径をより低減させた顔料分散系を提供することができる。また、本発明の実施形態による顔料分散系においては、顔料分散系を保存する場合にも、顔料の粒子の平均粒径における変動も低減させることができる。これにより、本発明の実施形態による顔料分散系をインクジェット用インクに用いる場合に、インクを吐出するノズルから安定してインクを吐出することができる。加えて、本発明の実施形態によれば、紙及びフィルムなどのような顔料分散系の受容体における耐光性及び色調の鮮明性に優れた顔料分散系を提供することができる。さらに、本発明の実施形態による顔料分散系は、短時間で効率的に製造することが可能である。
上記の顔料分散系は、顔料分散系収容体に収容される。すなわち、本発明の実施形態によれば、本発明の実施形態による顔料分散系が収容されている顔料分散系収容体を提供することができる。画像形成装置及び本発明の実施形態による顔料分散系を用いて、紙及びフィルムなどのような顔料分散系の受容体に印字などのような画像を形成する場合、顔料分散系収容体は、好ましくは、画像形成装置に着脱可能である。例えば、本発明の実施形態による顔料分散系を、プリンターのような画像形成装置用のインクとして使用する場合には、顔料分散系収容体は、画像形成装置に着脱可能なインクカートリッジである。顔料分散系収容体が、画像形成装置に着脱可能であると、本発明の実施形態による顔料分散系を画像形成装置に容易に設置及び交換することができる。
また、本発明の実施形態によれば、本発明の実施形態による顔料分散系を用いて顔料分散系の受容体に所望の画像を形成する画像形成方法、及び本発明の実施形態による顔料分散系を用いて顔料分散系の受容体に所望の画像が形成されている画像形成体を提供することができる。
上記の本発明の実施形態による画像形成方法は、好ましくは、画像形成装置から顔料分散系の受容体へ本発明の実施形態による顔料分散系を吐出させることを含む。すなわち、顔料分散系をインクジェット方式によって受容体へ吐出させて、受容体に、印字を含む所望の画像を形成する。画像形成装置から顔料分散系の受容体へ本発明の実施形態による顔料分散系を吐出させることによって受容体に画像を形成する場合には、様々な種類の受容体に所望の画像を形成することができる。
また、インクジェット方式を用いるための画像形成装置は、インクジェットプリンターである。画像形成装置が、インクジェットプリンターであると、単純な機構を用いて受容体に所望の画像を形成することができる。特に、インクジェットプリンターにおいては、紙などの受容体を送り出すための機構が単純であるため、受容体の送り出しに関するトラブルが少ない。
このようなインクジェットプリンターとしては、連続噴射型又はオンデマンド型のインクジェットプリンターが挙げられる。特に、オンデマンド型のインクジェットプリンターは、必要な時に必要な量のインクとしての顔料分散系を吐出することができる。このようなオンデマンド型のインクジェットプリンターとしては、ピエゾ方式、サーマルインクジェット方式、バブルジェット(登録商標)方式、及び静電方式などのプリンターが挙げられる。これらのインクジェットプリンターにおいて、ピエゾ方式又はサーマル方式のインクジェットプリンターを用いることが好ましい。画像形成装置としてピエゾ方式のインクジェットプリンターを用いると、インクジェットプリンターから吐出するインクとして、様々な種類の顔料分散系を使用することができ、画像形成装置から吐出される顔料分散系の量を複雑に制御することもできる。また、画像形成装置としてサーマル方式のインクジェットプリンターを用いると、インクとしての顔料分散系を吐出するノズルの数を容易に増加させることができ、その結果、受容体に画像を形成する速度を向上させることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、下記の実施例において、部数は重量部を表す。
(実施例1)
処方1
ピグメントレッド122 30部
(大日本インキ社製 FASTOGEN SUPER MAGENTA RG)
8−ヒドロキシキノリンのオキシエチレン40mol付加物 22.5部
(一般式(1)A−O(CHCHO)−Hで表され、Aが8−キノリニル基であり、nが40である化合物)
イオン交換水 147.5部
処方1に示す組成を有する混合物(A)及びテフロン(登録商標)被覆攪拌子を500mlのビーカーに入れ、混合物(A)を3時間攪拌した。次に、攪拌した処理済の混合物(A)に、ダイノーミル(株式会社シンマルエンタープライズ製 KDL−A型 0.3Lバッチ式ガラスコンテナーセットのもの)において0.3mmφのジルコニアボールを使用して、4時間分散処理を行い、顔料の粒子の平均粒径が14.3nm(日機装株式会社製マイクロトラックUPA150での測定値)である顔料分散液(A)が得られた。
(実施例2)
実施例1において、混合物(A)の組成を下記の処方2に示す組成に変更し、分散処理に係る時間を5時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、平均粒径17.1nmの顔料分散液(B)を得た。
処方2
ピグメントブルー15:3 30部
(東洋インキ製造株式会社製LIONOL BLUE FG−7351)
8−ヒドロキシキノリンのオキシエチレン50mol付加物 22.5部
(一般式(1)A−O(CHCHO)−Hで表され、Aが8−キノリニル基であり、nが50である化合物)
イオン交換水 147.5部
(実施例3)
実施例1において、混合物(A)の組成を下記の処方3に示す組成に変更し、分散処理に係る時間を2時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、平均粒径15.3nmの顔料分散液(C)を得た。
処方3
ピグメントイエロー74 30部
(大日精化工業株式会社製エローNo43)
8−ヒドロキシキノリンのオキシエチレン40mol付加物 22.5部
(一般式(1)A−O(CHCHO)−Hで表され、Aが8−キノリニル基であり、nが40である化合物)
イオン交換水 147.5部
(実施例4)
実施例1において、混合物(A)の組成を下記の処方4に示す組成に変更し、分散処理に係る時間を2時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、平均粒径17.3nmの顔料分散液(D)を得た。
処方4
ピグメントバイオレット19 30部
(大日精化工業株式会社製CFR−311)
8−ヒドロキシキノリンのオキシエチレン30mol付加物 22.5部
(一般式(1)A−O(CHCHO)−Hで表され、Aが8−キノリニル基であり、nが50である化合物)
イオン交換水 147.5部
(実施例5)
実施例1において、混合物(A)の組成を下記の処方5に示す組成に変更し、分散処理に係る時間を3.5時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、平均粒径14.1nmの顔料分散液(E)を得た。
処方5
ピグメントレッド122 30部
(大日本インキ社製 FASTOGEN SUPER MAGENTA RG)
8−ヒドロキシキノリンのオキシエチレン40mol付加物 22.5部
(一般式(1)A−O(CHCHO)−Hで表され、Aが8−キノリニル基であり、nが40である化合物)
ヘプタエチレングリコールモノ(5−トリデシル)エーテル 0.2部
(一般式(2)R−(A−OHで表され、Rが炭素数10の分岐アルキル基であり、Aがオキシエチレン単位であり、mが7である化合物)
イオン交換水 147.3部
(実施例6)
実施例1において、混合物(A)の組成を下記の処方6に示す組成に変更し、分散処理に係る時間を3.5時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、平均粒径14.4nmの顔料分散液(F)を得た。
処方6
ピグメントレッド122 30部
(大日本インキ社製 FASTOGEN SUPER MAGENTA RG)
8−ヒドロキシキノリンのオキシエチレン40mol付加物 22.5部
(一般式(1)A−O(CHCHO)−Hで表され、Aが8−キノリニル基であり、nが40である化合物)
ジオクチルスルホスクシナートNa 0.2部
(一般式(3)


S−C−COOR

C−COOR
で表され、MがNaであり、R及びRの両方が炭素数8の分岐アルキル基である化合物)
イオン交換水 147.3部
(実施例7)
実施例1において、混合物(A)の組成を下記の処方7に示す組成に変更し、分散処理に係る時間を3.5時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、平均粒径14.5nmの顔料分散液(G)を得た。
処方7
ピグメントレッド122 30部
(大日本インキ社製 FASTOGEN SUPER MAGENTA RG)
8−ヒドロキシキノリンのオキシエチレン40mol付加物 22.5部
(一般式(1)A−O(CHCHO)−Hで表され、Aが8−キノリニル基であり、nが40である化合物)
ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウム 0.2部
(一般式(4)RO−(A−CHCOOMで表され、Rが炭素数13の直鎖アルキル基であり、Aがオキシエチレン単位であり、nが3であり、MがNaである化合物)
イオン交換水 147.3部
(比較例1)
実施例1において、混合物(A)の組成を下記の処方8に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、平均粒径78.5nmの顔料分散液(H)を得た。
処方8
ピグメントレッド122 30部
(大日本インキ社製 FASTOGEN SUPER MAGENTA RG)
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル 22.5部
(第一工業製薬社製プライサークA2198)
イオン交換水 147.5部
得られた顔料分散液(A)〜(H)を用いて、下記に示すインク処方に従ってインクを調製し、それらのインクを、30分間攪拌した後、孔径0.8μmのメンブランフィルターで濾過し、真空脱気して、インクジェット用インク(a)〜(h)を得た。
インク処方
顔料分散液(A)〜(H)の一つ 40.00部
グリセリン 7.50部
ジエチレングリコール 22.50部
2−ピロリドン 3.00部
ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウム 0.45部
蒸留水 76.55部
得られた顔料分散液(A)〜(H)及びインクジェット用インク(a)〜(h)に関して、70℃で7日間の高温保存性試験を行い、これらの高温保存性試験の前後における顔料の粒子の平均粒径を測定した。
顔料分散液(A)〜(H)における顔料の粒子の平均粒径に関する測定結果を表1に示す。
Figure 0004597540
表1に示すように、顔料分散液(A)〜(G)における顔料の粒子の平均粒径は、高温保存性試験の前後のいずれにおいも、顔料分散液(H)における顔料の粒子の平均粒径よりも顕著に小さいことが確認できた。また、顔料分散液(A)〜(G)における顔料の粒子の平均粒径に関する高温保存性試験の前後における変動は、顔料分散液(H)における顔料の粒子の平均粒径に関する高温保存性試験の前後における変動よりも顕著に小さいことも確認できた。
インクジェット用インク(a)〜(h)における顔料の粒子の平均粒径に関する測定結果を表2に示す。
Figure 0004597540
表2に示すように、インクジェット用インク(a)〜(g)における顔料の粒子の平均粒径は、高温保存性試験の前後のいずれにおいも、インクジェット用インク(h)における顔料の粒子の平均粒径よりも顕著に小さいことが確認できた。また、インクジェット用インク(a)〜(g)における顔料の粒子の平均粒径に関する高温保存性試験の前後における変動は、インクジェット用インク(h)における顔料の粒子の平均粒径に関する高温保存性試験の前後における変動よりも顕著に小さいことも確認できた。
また、EPSON社製のピエゾ方式のインクジェットプリンターEM−930C及びHP社製のサーマル方式のインクジェットプリンターDesk Jet 880Cを用いて、紙に高温保存性試験後のインク(a)〜(h)で印字し、それぞれのプリンターに備えられたノズルから吐出されるインクによるノズルの目詰まりの程度(インクの吐出安定性)について評価した。
それぞれのプリンターのノズルにおけるインクジェット用インク(a)〜(h)の吐出安定性に関する評価結果も表2に示す。なお、表2において、○は、吐出安定性が高く、ノズルのヘッドにいてインクの目詰まりが無かったことを示し、×は、吐出安定性が低く、ノズルのヘッドにおいてインクの目詰まりが有ったことを示す。
表2に示すように、ピエゾ方式のインクジェットプリンター及びサーマル方式のインクジェットプリンターのいずれにおいても、インクジェット用インク(a)〜(g)の吐出安定性は高く、ノズルのヘッドにいてインクの目詰まりは見られなかった。一方、インクジェット用インク(h)は、いずれのプリンターにおいても、吐出安定性が低く、ノズルのヘッドにおいてインクの目詰まりが見られた。
以上、本発明の実施形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
[付記]
本発明の実施形態は、顔料分散系、顔料分散系収容体、画像形成体、及び画像形成方法に関する。
本発明の実施形態は、顔料の粒子の平均粒径をより低減させた顔料分散系、該顔料分散系が収容される顔料分散系収容体、前記顔料分散系を用いて形成される画像形成体、及び前記顔料分散系を用いて画像を形成する画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明の第一の実施形態は、顔料、分散剤、及び水を含む顔料分散系において、前記分散剤は、一般式(1)
A−O(CH CH O) −H
で表される化合物であり、Aは、置換若しくは無置換のキノリンの一価基又は置換若しくは無置換のイソキノリンの一価基であり、nは、10以上100以下の整数であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第一の実施形態によれば、前記分散剤は、一般式(1)
A−O(CH CH O) −H
で表される化合物であり、Aは、置換若しくは無置換のキノリンの一価基又は置換若しくは無置換のイソキノリンの一価基であり、nは、10以上100以下の整数であるので、顔料の粒子の平均粒径をより低減させた顔料分散系を提供することができる。
本発明の第二の実施形態は、本発明の第一の実施形態に係る顔料分散系において、Aは、8−キノリニル基であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第二の実施形態によれば、Aは、8−キノリニル基であるので、顔料の粒子の平均粒径をより低減させた顔料分散系を安価に提供することができる。
本発明の第三の実施形態は、本発明の第一の実施形態又は本発明の第二の実施形態に係る顔料分散系において、nは、40であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第三の実施形態によれば、nは、40であるので、顔料の粒子の平均粒径をより効果的に低減させた顔料分散系を提供することができる。
本発明の第四の実施形態は、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第三の実施形態のいずれか1つに係る顔料分散系において、一般式(2)
−(A −OH
で表される化合物をさらに含み、R は、炭素数8以上14以下のアルキル基であり、A は、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の少なくとも一方を含む二価基であり、mは、3以上16以下の整数であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第四の実施形態によれば、一般式(2)
−(A −OH
で表される化合物をさらに含み、R は、炭素数8以上14以下のアルキル基であり、A は、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の少なくとも一方を含む二価基であり、mは、3以上16以下の整数であるので、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制することができる。
本発明の第五の実施形態は、本発明の第四の実施形態に係る顔料分散系において、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(2)で表される化合物の含有量は、0.001重量%以上40重量%以下であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第五の実施形態によれば、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(2)で表される化合物の含有量は、0.001重量%以上40重量%以下であるので、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することをより効果的に抑制することができる。
本発明の第六の実施形態は、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第五の実施形態のいずれか1つに係る顔料分散系において、一般式(3)


S−C−COOR

C−COOR
で表される化合物をさらに含み、R 及びR は、それぞれ、炭素数1以上20以下のアルキル基であり、M は、H、Li、Na、K、又はN であり、R 、R 、R 、及びR は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、及び3−ヒドロキシプロピル基からなる群から選択されることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第六の実施形態によれば、一般式(3)


S−C−COOR

C−COOR
で表される化合物をさらに含み、R 及びR は、それぞれ、炭素数1以上20以下のアルキル基であり、M は、H、Li、Na、K、又はN であり、R 、R 、R 、及びR は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、及び3−ヒドロキシプロピル基からなる群から選択されるので、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制することができる。
本発明の第七の実施形態は、本発明の第六の実施形態に係る顔料分散系において、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(3)で表される化合物の含有量は、0.001重量%以上40重量%以下であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第七の実施形態によれば、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(3)で表される化合物の含有量は、0.001重量%以上40重量%以下であるので、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することをより効果的に抑制することができる。
本発明の第八の実施形態は、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第七の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系において、一般式(4)
O−(A −CH COOM
で表される化合物をさらに含み、R は、炭素数1以上20以下のアルキル基であり、A は、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の少なくとも一方を含む二価基であり、nは、1以上12以下の整数であり、M は、H、Li、Na、K、又はN 10 11 12 であり、R 、R 10 、R 11 、及びR 12 は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、及び3−ヒドロキシプロピル基からなる群から選択されることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第八の実施形態によれば、一般式(4)
O−(A −CH COOM
で表される化合物をさらに含み、R は、炭素数1以上20以下のアルキル基であり、A は、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の少なくとも一方を含む二価基であり、nは、1以上12以下の整数であり、M は、H、Li、Na、K、又はN 10 11 12 であり、R 、R 10 、R 11 、及びR 12 は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、及び3−ヒドロキシプロピル基からなる群から選択されるので、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制することができる。
本発明の第九の実施形態は、本発明の第八の実施形態に係る顔料分散系において、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(4)で表される化合物の含有量は、0.001重量%以上40重量%以下であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第九の実施形態によれば、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(4)で表される化合物の含有量は、0.001重量%以上40重量%以下であるので、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することをより効果的に抑制することができる。
本発明の第十の実施形態は、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第九の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系において、前記顔料は、ピグメントイエロー74であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第十の実施形態によれば、前記顔料は、ピグメントイエロー74であるので、顔料分散系の受容体における顔料分散系の黄色(イエロー)の色調の再現性を向上させることができる。
本発明の第十一の実施形態は、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第九の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系において、前記顔料は、ピグメントレッド122及び/又はピグメントバイオレット19であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第十一の実施形態によれば、前記顔料は、ピグメントレッド122及び/又はピグメントバイオレット19であるので、顔料分散系の受容体における顔料分散系の赤紫色(マゼンタ)の色調の再現性を向上させることができる。
本発明の第十二の実施形態は、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第九の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系において、前記顔料は、β型フタロシアニン銅であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第十二の実施形態によれば、前記顔料は、β型フタロシアニン銅であるので、顔料分散系の受容体における顔料分散系の緑青色(シアン)の色調の再現性を向上させることができる。
本発明の第十三の実施形態は、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第九の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系において、前記顔料は、カーボンブラックであることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第十三の実施形態によれば、前記顔料は、カーボンブラックであるので、顔料分散系の受容体における顔料分散系の黒色(ブラック)の色調の再現性を向上させることができる。
本発明の第十四の実施形態は、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第十三の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系において、水溶性有機溶剤、界面活性剤、防腐剤、及び防かび剤からなる群から選択される少なくとも一つの添加剤をさらに含むことを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第十四の実施形態によれば、水溶性有機溶剤、界面活性剤、防腐剤、及び防かび剤からなる群から選択される少なくとも一つの添加剤をさらに含むので、添加剤に起因する性質を備えた顔料分散系を提供することができる。
本発明の第十五の実施形態は、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第十四の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系において、前記顔料に対する前記分散剤の含有量は、6.25重量%以上50重量%以下であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第十五の実施形態によれば、前記顔料に対する前記分散剤の含有量は、6.25重量%以上50重量%以下であるので、顔料分散系における顔料の粒子の平均粒径が変動することを抑制する効果を向上させることができると共に顔料分散系の粘度が高くなり過ぎることを抑制することができる。
本発明の第十六の実施形態は、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第十五の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系において、前記顔料の粒子の平均粒径は、10nm以上200nm以下であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第十六の実施形態によれば、前記顔料の粒子の平均粒径は、10nm以上200nm以下であるので、受容体における顔料分散系の耐光性が低下することを抑制することができると共に受容体における顔料分散系の色調の鮮明性が低下することも抑制することができる。
本発明の第十七の実施形態は、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第十六の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系において、前記顔料の濃度は、1重量%以上50重量%以下であることを特徴とする顔料分散系である。
本発明の第十七の実施形態によれば、前記顔料の濃度は、1重量%以上50重量%以下であるので、顔料分散系を短時間で調製することができると共に顔料分散系の粘度が高くなりすぎることを抑制することができる。
本発明の第十八の実施形態は、顔料分散系収容体において、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第十七の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系が収容されていることを特徴とする顔料分散系収容体である。
本発明の第十八の実施形態によれば、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第十七の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系が収容されているので、顔料の粒子の平均粒径をより低減させた顔料分散系が収容される顔料分散系収容体を提供することができる。
本発明の第十九の実施形態は、本発明の第十八の実施形態に係る顔料分散系収容体において、画像形成装置に着脱可能であることを特徴とする顔料分散系収容体である。
本発明の第十九の実施形態によれば、画像形成装置に着脱可能であるので、顔料の粒子の平均粒径をより低減させた顔料分散系を画像形成装置に容易に設置及び交換することができる。
本発明の第二十の実施形態は、画像形成体において、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第十七の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系を用いて受容体に画像が形成されていることを特徴とする画像形成体である。
本発明の第二十の実施形態によれば、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第十七の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系を用いて受容体に画像が形成されているので、顔料の粒子の平均粒径をより低減させた顔料分散系を用いて形成される画像形成体を提供することができる。
本発明の第二十一の実施形態は、画像形成方法において、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第十七の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系を用いて受容体に画像を形成することを特徴とする画像形成方法である。
本発明の第二十一の実施形態によれば、本発明の第一の実施形態乃至本発明の第十七の実施形態のいずれか一つに係る顔料分散系を用いて受容体に画像を形成するので、顔料の粒子の平均粒径をより低減させた顔料分散系を用いて画像を形成する画像形成方法を提供することができる。
本発明の第二十二の実施形態は、本発明の第二十一の実施形態に係る画像形成方法において、画像形成装置から前記受容体へ前記顔料分散系を吐出させることを含むことを特徴とする画像形成方法である。
本発明の第二十二の実施形態によれば、画像形成装置から前記受容体へ前記顔料分散系を吐出させることを含むので、様々な種類の受容体に所望の画像を形成することができる。
本発明の第二十三の実施形態は、本発明の第二十二の実施形態に係る画像形成方法において、前記画像形成装置は、インクジェットプリンターであることを特徴とする画像形成方法である。
本発明の第二十三の実施形態によれば、前記画像形成装置は、インクジェットプリンターであるので、単純な機構を用いて受容体に所望の画像を形成することができる。
本発明の第二十四の実施形態は、本発明の第二十三の実施形態に係る画像形成方法において、前記インクジェットプリンターは、ピエゾ方式のインクジェットプリンターであることを特徴とする画像形成方法である。
本発明の第二十四の実施形態によれば、前記インクジェットプリンターは、ピエゾ方式のインクジェットプリンターであるので、画像形成装置から吐出される顔料分散系の量を複雑に制御することができる。
本発明の第二十五の実施形態は、本発明の第二十三の実施形態に係る画像形成方法において、前記インクジェットプリンターは、サーマル方式のインクジェットプリンターであることを特徴とする画像形成方法である。
本発明の第二十五の実施形態によれば、前記インクジェットプリンターは、サーマル方式のインクジェットプリンターであるので、画像形成装置から吐顔料分散系を高速で吐出することができる。
本発明の実施形態によれば、顔料の粒子の平均粒径をより低減させた顔料分散系、該顔料分散系が収容される顔料分散系収容体、前記顔料分散系を用いて形成される画像形成体、及び前記顔料分散系を用いて画像を形成する画像形成方法を提供することができる。
本発明の実施形態は、顔料の粒子の平均粒径をより低減させた顔料分散系、該顔料分散系が収容される顔料分散系収容体、前記顔料分散系を用いて形成される画像形成体、及び前記顔料分散系を用いて画像を形成する画像形成方法に適用することができる。

Claims (24)

  1. 顔料、分散剤、及び水を含む顔料分散系において、
    前記分散剤は、一般式(1)
    A−O(CH CH O) −H
    で表される化合物であり、
    Aは、置換若しくは無置換のキノリンの一価基又は置換若しくは無置換のイソキノリンの一価基であり、
    nは、10以上100以下の整数であると共に、
    前記顔料分散系は、
    一般式(3)


    S−C−COOR

    C−COOR
    で表される化合物をさらに含み、
    及びRは、それぞれ、炭素数1以上20以下のアルキル基であり、
    は、H、Li、Na、K、又はNであり、
    、R、R、及びRは、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、及び3−ヒドロキシプロピル基からなる群から選択される
    ことを特徴とする顔料分散系。
  2. 請求項1に記載の顔料分散系において、
    Aは、8−キノリニル基であることを特徴とする、顔料分散系。
  3. 請求項1又は2に記載の顔料分散系において、
    nは、40であることを特徴とする、顔料分散系。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の顔料分散系において、
    一般式(2)
    −(A −OH
    で表される化合物をさらに含み、
    は、炭素数8以上14以下のアルキル基であり、
    は、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の少なくとも一方を含む二価基であり、
    mは、3以上16以下の整数である
    ことを特徴とする、顔料分散系。
  5. 請求項4に記載の顔料分散系において、
    一般式(1)で表される化合物に対する一般式(2)で表される化合物の含有量は、0.001重量%以上40重量%以下であることを特徴とする、顔料分散系。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項に記載の顔料分散系において、
    一般式(1)で表される化合物に対する一般式(3)で表される化合物の含有量は、0.001重量%以上40重量%以下であることを特徴とする顔料分散系。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の顔料分散系において、
    一般式(4)
    O−(A−CHCOOM
    で表される化合物をさらに含み、
    は、炭素数1以上20以下のアルキル基であり、
    は、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位の少なくとも一方を含む二価基であり、
    nは、1以上12以下の整数であり、
    は、H、Li、Na、K、又はN101112であり、
    、R10、R11、及びR12は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、及び3−ヒドロキシプロピル基からなる群から選択される
    ことを特徴とする顔料分散系。
  8. 請求項7に記載の顔料分散系において、
    一般式(1)で表される化合物に対する一般式(4)で表される化合物の含有量は、0.001重量%以上40重量%以下であることを特徴とする顔料分散系。
  9. 請求項1から8までのいずれか一項に記載の顔料分散系において、
    前記顔料は、ピグメントイエロー74であることを特徴とする顔料分散系。
  10. 請求項1から8までのいずれか一項に記載の顔料分散系において、
    前記顔料は、ピグメントレッド122及び/又はピグメントバイオレット19であることを特徴とする顔料分散系。
  11. 請求項1から8までのいずれか一項に記載の顔料分散系において、
    前記顔料は、β型フタロシアニン銅であることを特徴とする顔料分散系。
  12. 請求項1から8までのいずれか一項に記載の顔料分散系において、
    前記顔料は、カーボンブラックであることを特徴とする顔料分散系。
  13. 請求項1から12までのいずれか一項に記載の顔料分散系において、
    水溶性有機溶剤、界面活性剤、防腐剤、及び防かび剤からなる群から選択される少なくとも一つの添加剤をさらに含むことを特徴とする顔料分散系。
  14. 請求項1から13までのいずれか一項に記載の顔料分散系において、
    前記顔料に対する前記分散剤の含有量は、6.25重量%以上50重量%以下であることを特徴とする顔料分散系。
  15. 請求項1から14までのいずれか一項に記載の顔料分散系において、
    前記顔料の粒子の平均粒径は、10nm以上200nm以下であることを特徴とする顔料分散系。
  16. 請求項1から15までのいずれか一項に記載の顔料分散系において、
    前記顔料の濃度は、1重量%以上50重量%以下であることを特徴とする顔料分散系。
  17. 請求項1から16までのいずれか記載の顔料分散系が収容されていることを特徴とする顔料分散系収容体。
  18. 請求項17に記載の顔料分散系収容体において、
    画像形成装置に着脱可能であることを特徴とする顔料分散系収容体。
  19. 請求項1から16までのいずれか記載の顔料分散系を用いて受容体に画像が形成されていることを特徴とする画像形成体。
  20. 請求項1から16までのいずれか記載の顔料分散系を用いて受容体に画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  21. 請求項20に記載の画像形成方法において、
    画像形成装置から前記受容体へ前記顔料分散系を吐出させることを含むことを特徴とする画像形成方法。
  22. 請求項21に記載の画像形成方法において、
    前記画像形成装置は、インクジェットプリンターであることを特徴とする画像形成方法。
  23. 請求項22に記載の画像形成方法において、
    前記インクジェットプリンターは、ピエゾ方式のインクジェットプリンターであることを特徴とする画像形成方法。
  24. 請求項22に記載の画像形成方法において、
    前記インクジェットプリンターは、サーマル方式のインクジェットプリンターであることを特徴とする画像形成方法。
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