JP4593503B2 - 偶高調波ミクサおよびそのバンドパスフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、偶高調波ミクサに関するものであり、特に、無線通信システムやレーダシステムの送受信装置等に適用可能な偶高調波ミクサおよびそのバンドパスフィルタに関するものである。
無線通信システムやレーダシステムの送受信装置等に適用可能な分波回路および偶高調波ミクサを開示した文献として、下記に示す特許文献1,2などが存在する。
例えば、特許文献1では、2つのダイオードを互いに逆極性で並列接続してなるアンチパラレルダイオードペアと、局部発振波の周波数では短絡状態になり且つ信号波の周波数では開放状態になる、集中定数のインダクタ、キャパシタの組合せにより構成された第1の分波回路と、局部発振波の周波数では開放状態になり且つ信号波の周波数では短絡状態になる、集中定数のインダクタ、キャパシタの組合せにより構成された第2の分波回路とを備えるように構成した偶高調波ミクサの各種構成例が開示されている。この偶高調波ミクサでは、スタブを使用せずに集中定数素子を用いて分波回路を構成しているので、低周波帯において、装置サイズが増大することを抑制している。
また、特許文献2では、従来アンチパラレルダイオードペアの一方をDC(低周波)的に接地し、他方からのみIF信号を取り出していた偶高調波ミクサ構成に対し、双方を高域通過型のフィルタによってIF信号の短絡を除去し、アンチパラレルダイオードペアの双方の接続端に、IF信号の通過を許可する一方で、RF信号およびLO信号の通過を阻止するRF/LO阻止回路を接続し、それぞれのRF/LO阻止回路から逆相関係のIF信号を引き出すようにした偶高調波ミクサの構成例が開示されている。この偶高調波ミクサでは、上記第1、第2の分波回路の各出力を平衡信号として用いることが可能であり、IF信号を平衡信号に変換する特別なバランを設ける必要がなくなるので、送受信装置等が大型化するのを抑制している。
特開平08−242123号公報 特開2000−252753号公報
ところで、高度な情報通信を支える技術として、低温同時焼成セラミック多層基板(Low Temperature Co−fired Ceramics:以下「LTCC」と略記)が実用化されている。このLTCCは、一般のセラミック基板材料に比べて低温で焼結可能なセラミック基板材料であり、焼結温度の低下により、電極や回路パターンに使用する金属との共焼結が可能となり、基板の内部に種々の機能部を構成(内蔵)することができる。つまり、LTCCを用いれば3次元回路の形成が容易となり、回路モジュールの小型化および製造コストの削減を実現することができる。このため、このような特徴を有するLTCCは、近時、市場拡大するマイクロ波回路およびミリ波回路の各用途への適用が大いに期待されている。
一方、上記特許文献1,2などを実現する技術は、半導体などの基板上に半導体デバイス、受動回路素子、伝送線路などを一体化して構成するMMIC技術を基本とするものであり、LTCCやHTCC(高温焼成基板)、ビルドアップ(Build−UP)基板などの多層基板を念頭に置いたものではない。
実際のところ、マイクロ波回路やミリ波回路で使用する周波数は100GHz近傍まで達しており、このような高周波帯に適用される各機能構成部には、数μm〜十数μmオーダーの製造精度が要求される。したがって、上記LTCCなどの多層基板を、マイクロ波回路やミリ波回路の領域に適用するには種々の困難性が伴う。また、上記LTCCなどの多層基板で用いられる厚膜印刷には製造限界があり、マイクロ波帯やミリ波帯で動作し得る高精度なパターンの実現が困難である。
他方、厚膜印刷の製造精度の急速な進展を望むことができない状況下にある一方で、製造コストの削減は市場からのニーズであり、マイクロ波回路やミリ波回路に対する多層積層基板の適用は、今後の低コスト化のトレンドとして不可避である。したがって、従来とは違う発想、すなわち製造精度に大きく依存することなく、かつ、LTCCなどの多層基板を用いてマイクロ波回路やミリ波回路を実現するための回路構成技術が切望されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、LTCCなどの多層基板を用いて構成される偶高調波ミクサおよびそのバンドパスフィルタを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる偶高調波ミクサは、極性が相互に異なる2個のダイオードが並列に接続されたアンチ・パラレル・ダイオード・ペアと、前記アンチ・パラレル・ダイオード・ペアの一端に接続され、RF信号の通過を可能とする一方で、LO信号およびIF信号の通過を阻止し、前記アンチ・パラレル・ダイオード・ペアとの接続端においてLO信号およびIF信号が短絡となるハイパスフィルタと、前記アンチ・パラレル・ダイオード・ペアの他端に接続され、LO信号を入力するバンドパスフィルタと、前記アンチ・パラレル・ダイオード・ペアの他端に並列接続され、LO信号の通過を阻止し、かつ、LO信号とRF信号とに基づいて生成されるIF信号を出力するローパスフィルタと、を備えた偶高調波ミクサにおいて、前記バンドパスフィルタは、多層基板を構成する所定の層間に一方の信号導体と他方の信号導体とを多層基板積層方向上下間に対向させるように配置した積層インター・ディジタル結合器と、前記積層インター・ディジタル結合器の下層に配置され、かつ、前記積層インター・ディジタル結合器と電気的に結合する接地導体抜き部を有し、前記アンチ・パラレル・ダイオード・ペアの他端から前記積層インター・ディジタル結合器を介して入力するRF信号に対して共振する誘電体共振器と、を備えたことを特徴とする。
本発明では、多層基板を構成する所定の層間に一方の地導体部と他方の地導体部とを多層基板積層方向上下間に対向させるように配置した積層インター・ディジタル結合器や、アンチ・パラレル・ダイオード・ペアの一方の出力端から積層インター・ディジタル結合器を介して入力されるRF信号の周波数帯に共振する誘電体共振器などを備えることとしているが、これらの構成部は、LTCCなどの多層基板を用いて容易に構成することができる。したがって、LTCCなどの多層基板の使用を可能とする本発明によれば、高価なGaAs基板では半導体部分のみを構成すればよいこととなり(パーシャル化、ディスクリート化)、基材コストの大幅な削減が可能となるという効果が得られる。
まず、本発明にかかる実施の形態を説明する前に、本発明で実現する回路構成の特徴について説明する。
偶高調波ミクサを構成する場合、従来の平面回路では、LOポート側でショートスタブ以外にLO(=fo)信号通過、RF(=2*fo)信号短絡を可能とするフィルタ回路を構成することが実現困難であり、RFポート側からIF信号を取り出さざるを得なかった。一方、本願発明者らは、超高周波帯のRF信号インターフェースに必須となる導波管変換器がカットオフ特性(DC〜LO信号周波数帯まで短絡される)を有することに着想し、この特性をそのままIF接地とLO短絡に利用することで、RFポート側で敢えて複雑なフィルタ回路を採用せず、RF周波数に比べて周波数的に設計制約を受けにくいLOポート側にIF阻止回路をも含めた機能フィルタ回路を採用することにより、製造的にも、回路性能的にも無駄の少ないフィルタ回路を多層回路にて構成することとした。
このように、本発明は、上記のような難解な機能フィルタ回路を多層回路にて製造制約を受けない寸法で実現するとともに、当該機能フィルタ回路を用いて偶高調波ミクサを構成したことに特徴があり、以下に、本発明にかかる機能フィルタ回路としてのバンドパスフィルタおよび偶高調波ミクサの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態にかかる偶高調波ミクサの原理構成を示すブロック図である。同図に示す偶高調波ミクサは、ダイオード11,12を互いに逆極性で並列接続してなるアンチ・パラレル・ダイオード・ペア(以下「APDP」と略記)10を備えている。また、APDP10の一方(左端)側の接続端15には、RFポート20を備えるHPF部17が接続され、APDPの他方(右端)側の接続端16には、LOポート21を備えるBPF部18およびIFポート22を備えるLPF部19のそれぞれが接続されている。
なお、図1に示すように、APDP10はチップとして半導体基板上に構成される一方で、HPF部17、BPF部18、LPF部19を含む他の構成部は、LTCCを用いた多層基板(以下「LTCC基板」という)の上部や内部に効果的に形成されて配置される。
つぎに、図1に示した偶高調波ミクサを構成する各構成部の機能について説明する。APDP10では、接続端16から入力された局部発振波信号(以下「LO信号」という)と、接続端15から入力された高周波信号(以下「RF信号」という)とに基づき、両者の信号がミキシングされて両者の周波数和または周波数差の成分を表す信号(以下「IF信号」という)が生成される。
いま、RF信号の基本周波数、LO信号の基本周波数およびIF信号の各周波数をfRF、fLOおよびfIFで表せば、これらの周波数間には次式の関係が成り立つ。
RF=|fIF±2・fLO| …(1)
式(1)に示されるように、偶高調波ミクサでは、通常のミクサの半分の周波数のLO信号で動作させることができるので、マイクロ波やミリ波など高周波動作に適している。また、その他にも、APDPによりLO信号の偶数次の高調波抑圧が可能なため、送信機に適用した場合に低スプリアスとなり、低価格化の効果も期待できるといった特徴を有している。このような理由から、引例文献を初めとする大半の公開文献では、偶高調波ミクサはマイクロ波、とりわけミリ波での送受信機に適用される例が多い。
なお、本発明にかかる偶高調波ミクサは、特に、下記式(2)に示されるように、RF信号の基本波成分とLO信号の偶数次高調波成分うちの2倍波成分との周波数差成分をIF信号として抽出することを主眼としている。
IF=|fRF−2・fLO| …(2)
したがって、以下では、特に断らない限り、RF信号の基本波成分とLO信号の2倍高調波成分との周波数差成分をIF信号として抽出する動作を基本として説明する。
BPF部18は、LOポート21から入力されるLO信号をAPDP10に供給する。また、BPF部18は、RFポート20側から入力されるRF信号がAPDP10にて励振されるように、接続端16においてRF信号周波数帯で短絡となるように機能する。さらに、APDP10を介してLOポート21へ入力される可能性のあるRF信号成分を阻止するとともに、APDP10にて生成されたIF信号成分の入力を阻止する。なお、ここで用いる阻止(これ以後の説明でも同じ)という意味は、該当成分の侵入を完全に遮断するといった厳密な意味での阻止である必要はなく、目的とする回路の動作に影響を与えない、あるいは実用的なレベル以下に抑制するといった趣旨で用いるものである。
LPF部19は、APDP10の出力をIFポート22からIF信号として取り出すとともに、接続端16を通じて入力される可能性のあるLO信号成分を阻止する。具体的にLPF部19は、LPF部19に向かうBPF部18との分岐端24において、LO信号周波数帯で開放となるように機能する。なお、BPF部18にはRF信号成分を短絡させる機能部が構成されるので、接続端16はRF信号的に短絡点となる。したがって、RF信号のLPF部19への侵入は、LPF部19の機能ではなく、回路構成的に阻止される。
HPF部17は、RFポート20から入力されるRF信号をAPDP10に供給する。また、HPF部17は、LOポート21側から入力されるLO信号がAPDP10にて励振されるように、接続端15においてLO信号周波数帯で短絡となるように、さらにAPDP10にて生成されたIF信号がAPDP10の反対側から取り出せるように、基準電位としてDC/低周波的に接地されるように機能する。さらに、APDP10を介してRFポート20へ入力される可能性のあるLO信号成分を阻止するとともに、APDP10にて生成されたIF信号成分の入力を阻止する。
つぎに、図1に示した偶高調波ミクサの動作について図1、図2−1および図2−2の各図面を参照して説明する。なお、図2−1は、RFポート側から見たRF信号成分に対する等価回路を示す図であり、図2−2、LOポート側から見たLO信号成分に対する等価回路を示す図である。
まず、図1において、BPF部18には、RF信号成分の短絡となる機能部(詳細は後述)が設けられる。したがって、接続端15からAPDP10側を見たRF信号成分に対する等価回路は、接続端16が接地された図2−1のようになる。その結果、RFポート20から印加されるRF信号は、APDP10にて電圧励振される。なお、接続端15において、APDP10側とHPF部17側とのインピーダンス整合が確保されていれば、入力されたRF信号はAPDP10にて最大励振される。
一方、上記とは逆に、HPF部17には、LO信号成分の短絡点となる機能部(詳細は後述)が設けられる。したがって、接続端16からAPDP10側を見たLO信号成分に対する等価回路は、接続端15が接地された図2−2のようになる。その結果、LOポート21から印加されるLO信号は、APDP10にて電圧励振される。また、RF信号のときと同様に、接続端16において、APDP10側とBPF部18側とのインピーダンス整合が確保されていれば、入力されたLO信号はAPDP10にて最大励振される。なお、LPF部19には、LO信号成分の通過を阻止する機能部(詳細は後述)が設けられるので、LO信号成分のIFポート22への漏洩(回り込み)は抑止される。
また、RF信号とLO信号とがAPDP10に入力されると、上記(1)式に示されるIF信号が生成される。また、HPF部17には、IF信号成分の短絡点となる機能部(詳細は後述)が設けられることにより、その等価回路は図2−2のようになるので、LO信号のときと同様に、接続端16にIF信号電圧として励振される。また、BPF部18には、IF信号成分の通過を阻止する機能部(詳細は後述)が設けられるので、IF信号は、LPF部19を介してIFポート22から取り出すことができる。
つぎに、上述のHPF部17、BPF部18およびLPF部19の各機能を具現する好適な実施の形態について図1、図3−1〜図3−5の各図面を適宜参照して説明する。ここで、図3−1は、図1に示した偶高調波ミクサの機能を具現する一実施形態にかかる平面図であり、図3−2は、図3−1における矢視X−X線断面図であり、図3−3は、図3−1からAPDP10が載置されていない場合の平面図であり、図3−4は、多層基板70の内層に配置された内層線路導体部62の周辺部を示す要部平面図であり、図3−5は、多層基板70の内層に形成された地導体抜き部67の周辺部を示す要部平面図である。
これらの各図面において、多層基板70は、誘電体基板71,72,73および74の各基板が積層された積層構造を有している。この多層基板70は、上述したLTCCに相当するものである。また、図1に示したHPF部17、BPF部18およびLPF部19の各機能部は、この多層基板70の上部および内部を利用して形成される。なお、HPF部17、BPF部18およびLPF部19の各機能部は、以下に説明するRF信号分波回路42、LO信号分波回路43およびIF出力回路44にそれぞれ対応する。また、これら各平面図には導体パターンの一例が示されているが、パターン形状はこれに限られたものではない。
まず、APDP10は、その半導体素子部分および接続・実装用の信号、GNDなどのランドパターンなど、最小限の回路のみが構成された半導体基板であり、多層基板70を構成する誘電体基板71の上部に配置される。APDP10の一方側の端子は、たとえば、BGAボール、Auバンプなどの接続部45を介して、誘電体基板71上に形成されたマイクロストリップ線路(以下「MSL」と表記)50に接続され、他方側の端子は、接続部46を介して、誘電体基板71と誘電体基板72との間に設けられたビア81に接続される。なお、このビア81は、誘電体基板72上に形成された内層線路導体部62に接続される。また、上記では特別記述していないが、各接続部45,46はその接続手段に応じて、マイクロストリップ線路50やビア81上に、接続用のパッド、ランドなどが設けられてもよい。
(LO信号分波回路の構成および機能)
つぎに、LO信号分波回路43の構成および機能について説明する。APDP10の接続部46側において、誘電体基板71の上部には信号導体パターンを構成する線路導体部61が形成されている。また、誘電体基板71の下部には誘電体基板72との間の内層で信号導体パターンを構成する内層線路導体部62が形成されている。この線路導体部61は、多層基板積層方向下方に位置する内層線路導体部62との間でインター・ディジタル構造にて対向配置されている。なお、これらの線路導体部間は、相互にオーバーラップする部分(上下方向に見て重なる部分)の長さがLO信号実効波長の略1/4に設定(λg/4@LO)されており、両者は積層インター・ディジタル結合器(以下「積層ID結合器」という)60を構成する。この積層ID結合器60は、表層と内層とをλg/4の長さで対向させることにより当該周波数帯における結合(カップリング)の度合いを強める働きがあり、当該周波数帯付近の信号のみを選択的に効率よく伝送するように結合させることが可能となる。当該周波数の2倍であるRF信号周波数帯や、APDP10によって生成される(RF信号の基本波成分とLO信号の偶数次高調波成分うちの2倍波成分との周波数差成分である)IF信号周波数帯などの、LO信号周波数から離反した周波数帯の信号は阻止されることになる。
また、積層ID結合器60の多層基板積層方向下方において、誘電体基板73上に形成された地導体部64と誘電体基板74上に形成された地導体部66との間、および、この地導体部66と誘電体基板73上に形成された地導体部65との間が、それぞれビア82で接続される。このビア82は、誘電体基板73の地導体抜き部67の周囲を取り囲むように、例えば直方形状にRF信号実効波長の略1/4以下の間隔(λg/4@RF)で配置される。また、複数のビア82にて形成される直方形状部の各辺の長さは、RF信号実効波長の略1/2に設定(λg/2@RF)される。なお、ビア82が配置される形状は直方形状に限定されるものではなく、例えば直径がRF信号実効波長の略1/2となるような円形状に配列してもよい。
このように構成された結果、周囲のビア82、ビア82に接続される地導体部66および地導体抜き部67に囲まれた部分が、RF帯における誘電体共振器68を構成する。地導体抜き部67の抜き寸法は上記の複数のビア82にて形成される直方形状部の各辺の長さとほぼ同等、(すなわちRF信号実効波長の略1/2)となっており、RF信号周波数の周波数帯域において、電気的な結合開口として動作し、内層線路導体62と誘電体共振器68を結合させる。この誘電体共振器68は、内層線路導体62を通じてRF信号が入力された場合に、当該周波数帯での基本モードの共振が発生することにより、RF信号を短絡することができる。なお、RF信号の効率の良い励振を得るために、上記のRF信号の短絡はAPDP10の接続部46において実現する必要があるが、地導体抜き部67および、誘電体共振器68の寸法は、内層線路導体62および接続ビア81の電気長も含めて上記を満たすように、選ぶことはいうまでもない。
また、積層ID結合器60を通過するLO信号に対しては、誘電体共振器68はカットオフ寸法となっており(LO信号周波数において、共振が発生するための最小寸法としては、LO信号実効波長の略1/2以上が必要。)、後述のように単なる離間したGNDとして作用するため、積層ID結合器68のLO信号周波数帯の伝送特性に対して、共振などによる悪影響は及ぼさない。すなわち、積層ID結合器60と誘電体共振器68とが、LO信号分波回路43を形成することになる。なお、図3−2において、内層線路導体62は、LO信号分波回路43のLOポートに伝導的に接続される線路導体部61および地導体部65のいずれにも伝導的に接続されていない(DC,低周波的にAPDP10とLOポートはアイソレートされている)ので、LO信号分波回路43にはIF阻止の機能が併せて具備されていることになり、APDP10によって図2−2に示すミキシング出力としてIF信号が得られる。
なお、積層ID結合器60の内層線路導体部62の直下に、地導体抜き部67を設けたことにより、内層線路導体部62の結合に影響を及ぼす下方側の導体部が地導体部66となり、地導体抜き部67がない場合(すなわち、直下が地導体部64、65である場合)に比べて、その距離が離間する。その結果、積層ID結合器60を構成する線路導体部61と内層線路導体部62との間の電気的な結合が強められる。つまり、誘電体共振器68の上部の導体部を除去することが、積層ID結合器60の結合を増大させる効果を奏する。
(RF信号分波回路の構成および機能)
つぎに、RF信号分波回路42の構成および機能について説明する。APDP10の接続部45側において、MSL50の先端に接続され、かつ基板積層方向下部に、変成器52および変成器53が接続されている。これらの構成のうち、変成器52は、マイクロストリップ線路(以下「MSL」と表記)50の先端が接続された接地導体51と、多層基板71から73の各接地導体とを接続するビア(ビア群)84と、MSL50の接地導体部64と多層基板73の上下の接地導体を接続するビア(ビア群)85と、各多層基板上の接地導体の抜き部とにより構成した基板積層方向にRF信号を伝送する誘電体導波管である。
変成器53は、誘電体基板74上に設けられ、且つ、これらのビア84,85にそれぞれ接続される地導体部81,82と、これらの地導体部81,82にそれぞれ接続されるビア86,87により構成した基板積層方向にRF信号を伝送する誘電体導波管である。これらの変成器52,53は、標準導波管90とMSL50とを接続するインピーダンス変換器として動作し、この結果、RF信号分波回路42として、標準導波管90から入力されるRF信号を効率よくMSL50に伝送する。なお、ビア84〜87は、ビア82,83などと同様にRF信号実効波長の略1/4以下の間隔(λg/4@RF)の間隔で配置される。
上記のRF信号分波回路42は、その各構成回路(誘電体導波管)寸法がRF信号周波数に対して最適化されており、略1/2の周波数帯であるLO信号に対しては、カットオフ特性を示す。したがって、APDP10側からMSL50を伝送するLO信号は全反射となり、ビア84を介した接地導体部64付近のいずれかの位置で短絡される。この短絡点から、APDP10の接続部45との間の長さはLO信号実効波長の略1/2に設定(λg/2@LO)される。したがって、定在波的にλg/2@LOだけ離れたAPDP10の接続部45においても、同様にLO信号は短絡されることになり、RF信号分波回路42は、APDP10の接続部45でのLO短絡を実現する。また、MSL50、すなわち信号線路が接地導体パターン51に伝導的に接続された当該構成により、DC,低周波帯の信号も接地されることになり、LO短絡機能と同時にIF短絡機能も確保される。
(IF出力回路の構成および機能)
最後に、IF出力回路44の構成および機能について説明する。図3−1において、APDP10の接続部46には、LO信号実効波長の略1/4の長さ(λg/4@LO)に設定された伝送線路57が接続されるとともに、この伝送線路57の先端には、例えば伝送線路57との接続部において短絡となるような実効長を有する(図示の四分円の場合であれば、λg/8〜λg/6程度の電気長を持つ)ラジアルスタブ58が接続されている。なお、このラジアルスタブ58は、伝送線路57とラジアルスタブ58の接続点におけるLO信号周波数帯の短絡特性を広帯域化するために採用しているものであり、他のものを用いてもよいことは勿論である。また、伝送線路57やラジアルスタブ58は、誘電体基板71と誘電体基板72の間の内層に配置してもよく、IF信号の入出力インターフェース要求により、スルーホールを介して表層の伝送線路(出力線路)と接続する構成としてもよい。
ここで、上述のように、ラジアルスタブ58により、伝送線路57とラジアルスタブ58との接続部において短絡となり、かつ、接続部46に接続される伝送線路57の長さがLO信号実効波長の略1/4に設定されているので、接続部46では、LO信号に対しては開放となる。すなわち、LO信号に対して、接続部46からIF出力回路44は見えない(=何も接続されていない)のと等価となる。したがって、このIF出力回路44は、上述したLO阻止機能を有することになる。また、本構成では、LO信号分波回路43により接続部46において同時にRF信号も短絡されるので、IF出力回路44に対するRF信号の入力は、特別な構成部をIF出力回路44の内部に設けることなく自動的に阻止される。
つぎに、図3−1〜図3−5のように構成した偶高調波ミクサのRF信号分波回路42、LO信号分波回路43のシミュレーション結果について図4−1〜図5−3の各図面を参照して説明する。なお、図4−1は、APDP10側から見たRF信号分波回路42の通過・反射特性のシミュレーション結果の一例を示す図であり、図4−2は、APDP10側からRF信号分波回路42を見たときの接続部45における規格化インピーダンスのシミュレーション結果の一例を示す図であり、図4−3は、APDP10側からRF信号分波回路42を見たときの接続部45における反射位相のシミュレーション結果の一例を示す図である。同様に、図5−1は、APDP10側から見たLO信号分波回路43の通過・反射特性のシミュレーション結果の一例を示す図であり、図5−2は、APDP10側からLO信号分波回路43を見たときの接続部46における規格化インピーダンスのシミュレーション結果の一例を示す図であり、図5−3は、APDP10側からLO信号分波回路43を見たときの接続部46における反射位相のシミュレーション結果の一例を示す図である。
図4−1では、記号「○」で示される曲線がRF信号分波回路42の通過特性を示し、記号「×」で示される曲線がAPDP10側からRF信号分波回路42を見た反射特性を示している。同図に示す特性から、RF信号の周波数帯(fRF≒2・fLO)近傍における良好な通過特性と、LO信号の周波数帯(fLO)近傍における十分な減衰特性(通過特性の最大値から40dB以上の減衰量)が得られていることが理解できる。
図4−2では、記号「○」で示される曲線が接続部15においてAPDP10側からHPF部17を見た規格化インピーダンスの実数部(抵抗成分)を示し、記号「×」で示される曲線が規格化インピーダンスの虚数部(リアクタンス成分)を示している。同図によれば、LO信号の周波数帯(fLO)近傍において、規格化インピーダンスの実数部が十分に小さく(略0)なっており、虚数部が負から正に反転しているため、接続部15においてLO信号は短絡となっていることが理解できる。
図4−3では、接続部15においてAPDP10側からHPF部17を見た反射位相を記号「×」で示している。同図によれば、LO信号の周波数帯(fLO)近傍において、その反射位相が負から正に反転しているため、図4−2と同様に接続部15においてLO信号は短絡となっていることが理解できる。
また、図5−1では、記号「○」で示される曲線がBPF部18の通過特性を示し、記号「×」で示される曲線がAPDP10側からBPF部18を見た反射特性を示している。同図に示す特性から、LO信号の周波数帯(fLO)近傍における良好な通過特性と、RF信号の周波数帯(fRF≒2・fLO)近傍における十分な減衰特性(通過特性の最大値から30dB以上の減衰量)が得られていることが理解できる。
図5−2では、記号「○」で示される曲線が接続部16においてAPDP10側からBPF部18を見た規格化インピーダンスの実数部(抵抗線分)を示し、記号「×」で示される曲線が規格化インピーダンスの虚数部(リアクタンス線分)を示している。同図によれば、RF信号の周波数帯(fRF≒2・fLO)近傍において、規格化インピーダンスの実数部が十分に小さく(略0)なっており、虚数部が負から正に反転しているため、接続部16においてRF信号は短絡となっていることが理解できる。
図5−3では、接続部16においてAPDP10側からBPF部18を見た反射位相を記号「×」で示している。同図によれば、RF信号の周波数帯(fRF≒2・fLO)近傍において、その反射位相が負から正に反転しているため、図5−2と同様に接続部16においてRF信号は短絡となっているということが理解できる。
なお、図3−1では、APDP10の接続部45におけるLO短絡を実現するため、MSL50の信号導体に直接接続された誘電体導波管(変成器52,53)の全反射特性を利用し、このMSL-導波管変換器で形成されるLO短絡点から、APDP10の接続部45との間の長さをLO信号実効波長の略1/2に設定(λg/2@LO)するように構成していたが、例えば、図6に示すように、LO信号実効波長の略1/4の長さを有するオープンスタブ92を接続部45に設けるようにしてもよい。なお、この場合には、このオープンスタブ92にて接続部45におけるLO短絡が実現されるので、接続部45からMSL-導波管変換器までの距離を任意に設定することができ、図3−1におけるマイクロストリップ線路50のλg/2@LO相当(すなわち、RF周波数で1波長分)の長さを減らし、伝送損失を低減することもできる。
なお、上記の動作説明では、RFポート20およびLOポート21からそれぞれRF信号およびLO信号を入力し、APDP10にてダウンコンバートされたミクサ信号をIFポート22から取り出す受信ミクサとしての動作を中心に説明してきたが、IFポート22を入力回路として使用してIF信号を入力し、かつ、LOポート21からLO信号を入力し、APDP10にてアップコンバートされたミクサ信号をRFポート20から出力するように送信ミクサとして動作させてもよい。
以上説明したように、この実施の形態によれば、従来GaAs基板上に構成していた平面分波回路を、主に半導体チップの電磁シールド/気密を目的に使用していたLTCCに、多層分波回路として(積層インター・ディジタル結合器や、誘電体共振器、導波管−MSL変換器などを)一体化構成するようにしているので、高価なGaAs基材や、回路製造コストを抜本的に削減することができる。
また、この実施の形態では、RF短絡、LO短絡、IF短絡、IF阻止などの所望の機能を、HPF部、BPF部およびLPF部に効果的に形成しているので、一般的な従来の偶高調波ミクサでは必要とされていたオープンスタブ、ショートスタブなど大型の並列回路が不要となり、回路規模の削減が可能となる。
なお、従来の偶高調波ミクサでは、IF信号を出力するIF出力回路は、図2−2に示すようにAPDPをDC的に接地するポートと反対側のポートから取り出す必要があるため、DC/低周波的に短絡するショートスタブが使用されないRFポート側に接続される構成が一般的であるが、この実施の形態では、IF出力回路をLO信号分波回路が接続される側のAPDPの出力端に接続するように構成している。上記の構成は、RFポート側にDC的に短絡(接地)される導波管−MSL変換器を使用しており、LOポート側にショートスタブを構成していないため、必然的にLOポート側からIF信号を取り出す必要があったためであるが、その真の理由は、LTCCの製造制約に対して、より厳しくない回路構成とするためである。仮に、RFポート側からIF信号を取り出すためには、RF信号を通過させ、IF信号を接地以外の手段で阻止する回路が必要となる。従来のMMIC技術では、MIMキャパシタを使用する例が多いが、無論現在のLTCC技術では、高周波帯のバイパスコンデンサの実現は厳しい。例えば、この実施の形態においてLOポート側に使用した積層インター・ディジタル結合器などをRFポート側に使用しようとすると、LTCCの製造精度の影響を受けることになる。すなわち、高周波回路に要求される製造精度は、一般的に波長の長さに比例するため、積層インター・ディジタル結合器をLOポート側に構成する(IF出力回路の接続端をLO信号分波回路側とする)ことにより、所望性能を得るため必要となる製造精度が、RFポート側に構成する場合よりも1/2の精度に軽減することができ、製造コストおよび製造時間の短縮化が可能となる。
また、上記回路構成により、RFポート側に従来必要だったDC/低周波カット回路が不要なため、送受信用どちらに用いる場合でも、ミクサ性能として最も重要となるRF信号の通過損失を低減できる。
また、この実施の形態では、積層ID結合器やマイクロストリップ−導波管変換器、およびIF出力回路として、多層誘電体基板の表層に形成されたマイクロストリップ線路で構成した場合を一例として説明したが、各回路が図3−1〜図3−5に示すように、表層伝送線路にて構成されている必要はなく、多層基板の内部に形成した伝送線路を用いてもよい。また、LTCC以外の多層基板として、HTCC(高温焼成基板)、ビルドアップ(Build−UP)基板を用いてもよい。
以上のように、本発明にかかる偶高調波ミクサおよび分波回路は、無線通信システムやレーダシステムの送受信装置等に有用であり、これらの装置のコスト削減に好適である。
本発明の実施の形態にかかる偶高調波ミクサの原理構成を示すブロック図である。 RFポート側から見たRF信号成分に対する等価回路を示す図である。 LOポート側から見たLO信号成分に対する等価回路を示す図である。 図1に示した偶高調波ミクサの機能を具現する一実施形態にかかる平面図である。 図3−1における矢視X−X線断面図である。 図3−1からAPDPが載置されていない場合の平面図である。 多層基板の内層に配置された内層地導体部の周辺部を示す要部平面図である。 多層基板の内層に形成された地導体抜き部の周辺部を示す要部平面図である。 RFポートにおける通過・反射特性のシミュレーション結果の一例を示す図である。 RFポートにおける規格化インピーダンスのシミュレーション結果の一例を示す図である。 RFポートにおける反射位相のシミュレーション結果の一例を示す図である。 LOポートにおける通過・反射特性のシミュレーション結果の一例を示す図である。 LOポートにおける規格化インピーダンスのシミュレーション結果の一例を示す図である。 LOポートにおける反射位相のシミュレーション結果の一例を示す図である。 偶高調波ミクサの機能を具現する他の実施態様を示す平面図である。
符号の説明
11,12 ダイオード
15,16 接続端
17 HPF部
18 BPF部
19 LPF部
20 RFポート
21 LOポート
22 IFポート
24 分岐端
42 RF信号分波回路
43 LO信号分波回路
44 IF出力回路
45,46 接続部
50 MSL(マイクロストリップ線路)
51 接地導体(接地導体パターン)
52,53 変成器
57 伝送線路
58 ラジアルスタブ
60 積層ID結合器
61,62 線路導体部(信号導体)
64 地導体部(接地導体部)
65,66,81,82 地導体部
67 地導体抜き部
68 誘電体共振器
70 多層基板
71,73 誘電体基板(多層基板)
72,74 誘電体基板
83,84,85,86,87 ビア
90 標準導波管
92 オープンスタブ

Claims (10)

  1. 極性が相互に異なる2個のダイオードが並列に接続されたアンチ・パラレル・ダイオード・ペアと、
    前記アンチ・パラレル・ダイオード・ペアの一端に接続され、RF信号の通過を可能とする一方で、LO信号およびIF信号の通過を阻止し、前記アンチ・パラレル・ダイオード・ペアとの接続端においてLO信号およびIF信号が短絡となるハイパスフィルタと、
    前記アンチ・パラレル・ダイオード・ペアの他端に接続され、LO信号を入力するバンドパスフィルタと、
    前記アンチ・パラレル・ダイオード・ペアの他端に並列接続され、LO信号の通過を阻止し、かつ、LO信号とRF信号とに基づいて生成されるIF信号を出力するローパスフィルタと、
    を備えた偶高調波ミクサにおいて、
    前記バンドパスフィルタは、
    多層基板を構成する所定の層間に一方の信号導体と他方の信号導体とを多層基板積層方向上下間に対向させるように配置した積層インター・ディジタル結合器と、
    前記積層インター・ディジタル結合器の下層に配置され、かつ、前記積層インター・ディジタル結合器と電気的に結合する接地導体抜き部を有し、前記アンチ・パラレル・ダイオード・ペアの他端から前記積層インター・ディジタル結合器を介して入力するRF信号に対して共振する誘電体共振器と、
    を備えたことを特徴とする偶高調波ミクサ。
  2. 前記ハイパスフィルタは、
    前記アンチ・パラレル・ダイオード・ペアとの一端に接続される平面伝送線路と、
    RF信号を入出力する導波管と、
    前記導波管を構成する導体の一部が伝導的に前記平面伝送線路の信号導体に接続され、RF信号に対してのみ選択的に前記導波管と前記平面伝送線路との伝送線路変換を行い、かつ、LO信号およびIF信号の通過を阻止する平面伝送線路/導波管変換器と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の偶高調波ミクサ。
  3. 前記ハイパスフィルタは、
    前記アンチ・パラレル・ダイオード・ペアとの接続端に並列接続され、かつ、LO信号実効波長の1/4の長さを有する先端開放スタブを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の偶高調波ミクサ。
  4. 前記積層インター・ディジタル結合器を構成する上層信号導体と下層信号導体との多層基板積層方向において相互に重なる部分の長さが、LO信号実効波長の1/4に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の偶高調波ミクサ。
  5. 前記誘電体共振器の共振長が、RF信号実効波長の1/2に設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の偶高調波ミクサ。
  6. 前記積層インター・ディジタル結合器の下層に配置された前記接地導体抜き部の長さが、RF信号実効波長の1/2に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の偶高調波ミクサ。
  7. 前記誘電体共振器を形成する多層基板積層方向の電気壁が複数のビアで構成されるとともに、該複数のビアがRF信号実効波長の1/4以下の間隔で配置されていることを特徴とする請求項5に記載の偶高調波ミクサ。
  8. 基準周波数を有する第1の信号、該第1の信号の2倍の周波数を有する第2の信号およびDC近傍の低周波信号の各信号から該第1の信号を濾波するバンドパスフィルタにおいて、
    多層基板を構成する所定の層間に一方の信号導体と他方の信号導体とを多層基板積層方向上下間に対向させるように配置して前記第1の信号に対する結合が得られるように構成された積層インター・ディジタル結合器と、
    前記積層インター・ディジタル結合器の下層に配置され、かつ、前記積層インター・ディジタル結合器と電気的に結合する接地導体抜き部を有し、前記積層インター・ディジタル結合器を介して入力される前記第2の信号に共振する誘電体共振器と、
    を備えたことを特徴とするバンドパスフィルタ。
  9. 前記積層インター・ディジタル結合器を構成する上層信号導体と下層信号導体との多層基板積層方向において相互に重なる部分の長さが、前記第1の信号の実効波長の1/4に設定されていることを特徴とする請求項8に記載のバンドパスフィルタ。
  10. 前記誘電体共振器の共振長が、前記第2の信号の実効波長の1/2に設定されていることを特徴とする請求項8または9に記載のバンドパスフィルタ。
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