JP4593144B2 - 微粒子化条件の決定方法、決定装置、及び微粒子の製造方法、製造装置 - Google Patents

微粒子化条件の決定方法、決定装置、及び微粒子の製造方法、製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機化合物などの物質を微粒子化する際の微粒子化条件の決定方法、決定装置、及びそれを用いた微粒子の製造方法、製造装置に関するものである。
物質の微粒子化は、極端な表面積の増大をもたらす。このため、物質を微粒子化することにより、物質固有の性質が出現しやすくなるという利点がある。また、難溶性・不溶性の物質である場合、その微粒子化により微粒子を水などの溶媒中に擬似的に可溶化した状態(微粒子が溶媒中に懸濁している状態であるが、光散乱が少ないために擬似的に可溶化しているように見える状態)にすることもできる。
このような微粒子化方法としては、従来、特許文献1(特開2001−113159号公報)に開示されている方法がある。ここでは、レーザ光を照射することにより有機顔料や芳香族縮合多環化合物の微粒子を生成する方法が開示されている。また、レーザ光照射による有機化合物の微粒子化については、非特許文献1〜3にも記載がある。
特開2001−113159号公報 Y.Tamaki et al., "Tailoring nanoparticles of aromatic and dye molecules by excimer laser irradiation", Applied Surface Science Vol. 168, p.85-88 (2000) Y.Tamaki et al., "Nanoparticle Formation of Vanadyl Phthalocyanine by Laser Ablation of Its Crystalline Powder in a Poor Solvent", J. Phys. Chem. A 2002, 106, p.2135-2139 (2002) B.Li et al., "Enhancement of organic nanoparticle preparation by laser ablation in aqueous solution using surfactants", Applied Surface Science Vol. 210, p.171-176 (2003)
上述した微粒子化の技術を用いれば、原料物質の新しい調製方法を提供できる可能性があり、幅広い分野での応用が期待される。例えば、素材分野において微粒子を基盤とする新規材料を開発したり、また、創薬分野においては、微粒子化により難溶性または不溶性の創薬候補物質のADME試験(吸収・分布・代謝・***試験)などを実施できる可能性がある。
しかしながら、微粒子化対象となる物質と溶媒とが混合された被処理液に対して光破砕による微粒子化処理を行う方法では、レーザ光照射による実際の微粒子化の有無を判断することが難しい。このため、被処理液に対するレーザ光の照射条件が好適に設定されているかどうかを簡単に判断することができないという問題がある。
例えば、ある照射条件でレーザ光を照射して微粒子化処理を行った場合、その際に被処理液内で実際に生じている微粒子化の有無は、微粒子化に伴う溶媒の着色度合、あるいは電子顕微鏡像(SEM)による粒子サイズの計測結果によって判断が可能である。しかしながら、これらのいずれの方法でも、微粒子化処理がある程度行われた後でなければ微粒子化の有無を判断することができない。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、レーザ光照射による微粒子化の有無を判断して、被処理液に対するレーザ光の照射条件を好適に制御することが可能な微粒子化条件の決定方法、決定装置、及びそれを用いた微粒子の製造方法、製造装置を提供することを目的とする。
本願発明者は、上記したレーザ光の照射条件、及びレーザ光照射による微粒子化の有無に関し、多種多様の物質について調査を行った。その結果、微粒子化対象となる物質毎に最適なレーザ光の照射条件が大きく異なっていることを見出した。このことは、各物質に対して迅速な微粒子化処理を実現する上で、処理を実行する際に、何らかの方法でレーザ光の照射条件を最適化する必要性があることを示している。
さらに、本願発明者は、上記知見に基づいて、レーザ光の照射条件を最適化するための方法について検討を行った。その結果、物質の原料粒子にレーザ光を照射して行われる微粒子化処理において、微粒子化が可能な照射条件では発光を伴うことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明による微粒子化条件の決定方法は、(1)微粒子化対象の物質を溶媒中に含む被処理液に対して、所定波長のレーザ光を照射して溶媒中にある物質を微粒子化するとともに、微粒子化が可能な照射条件において発生する微粒子化に伴う発光を測定する発光測定ステップと、(2)発光測定ステップでの発光の測定結果から求められた、被処理液での微粒子化状況を反映している発光特性に基づいて、被処理液に対するレーザ光の照射条件を決定する条件決定ステップとを備え、発光測定ステップにおいて測定される発光は、微粒子化が可能な照射条件における、物質の原料粒子から溶媒の液中に微粒子が放出される際の溶媒のキャビテーションによる発光であることを特徴とする。
また、本発明による微粒子化条件の決定装置は、(a)微粒子化対象の物質を溶媒中に含む被処理液を収容する処理チャンバと、(b)処理チャンバ内に収容された被処理液に対して、溶媒中にある物質を微粒子化するための所定波長のレーザ光を照射した際に生じる、微粒子化が可能な照射条件において発生する微粒子化に伴う発光を測定する発光測定手段と、(c)発光測定手段による発光の測定結果から求められた、被処理液での微粒子化状況を反映している発光特性に基づいて、被処理液に対するレーザ光の照射条件を決定する条件決定手段とを備え、発光測定手段において測定される発光は、微粒子化が可能な照射条件における、物質の原料粒子から溶媒の液中に微粒子が放出される際の溶媒のキャビテーションによる発光であることを特徴とする。
上記した微粒子化条件の決定方法及び装置によれば、微粒子化対象となる物質を含む被処理液に対してレーザ光を照射した際に、被処理液において微粒子化に伴って生じる発光を測定し、その発光特性を参照してレーザ光の照射条件を決定している。このように、微粒子化処理を実行する際に発光測定を行うことにより、レーザ光照射による微粒子化の有無や処理速度などの微粒子化状況を処理の実行中に判断することができる。そして、被処理液での微粒子化状況を反映している発光特性に基づいてレーザ光の照射条件を決定することにより、処理速度が速くなるように照射条件を最適化するなど、被処理液に対するレーザ光の照射条件を迅速かつ確実に制御することが可能となる。特に、発光測定を利用する方法では、微粒子化状況の判断及びレーザ光の照射条件の決定を容易に実行することができる。
ここで、微粒子化条件の決定方法は、条件決定ステップにおいて、発光特性として発光強度についての特性を求めることが好ましい。同様に、決定装置は、条件決定手段が、発光特性として発光強度についての特性を求めることが好ましい。
この場合の具体的な照射条件の決定方法としては、条件決定ステップにおいて、発光特性として発光強度とレーザ光照射時間との関係を求め、求められた関係から照射条件としてのレーザ光照射時間を決定する方法を用いることができる。
また、発光測定ステップにおいて、レーザ光の波長を変えて複数回の発光の測定を行うとともに、条件決定ステップにおいて、発光特性として発光強度とレーザ光波長との関係を求め、求められた関係から照射条件としてのレーザ光波長を決定する方法を用いることができる。
また、発光測定ステップにおいて、レーザ光の強度を変えて複数回の発光の測定を行うとともに、条件決定ステップにおいて、発光特性として発光強度とレーザ光強度との関係を求め、求められた関係から照射条件としてのレーザ光強度を決定する方法を用いることができる。
あるいは、発光測定ステップにおいて、レーザ光のパルス波形を変えて複数回の発光の測定を行うとともに、条件決定ステップにおいて、発光特性として発光強度とレーザ光波形との関係を求め、求められた関係から照射条件としてのレーザ光波形を決定する方法を用いても良い。この場合のレーザ光波形についての条件としては、例えば、レーザ光のパルス波形の立上り時間、立下り時間、パルス幅などの波形条件がある。
また、微粒子化条件の決定方法は、条件決定ステップにおいて、発光特性として発光タイミングについての特性を求めることが好ましい。同様に、決定装置は、条件決定手段が、発光特性として発光タイミングについての特性を求めることが好ましい。
この場合の具体的な照射条件の決定方法としては、条件決定ステップにおいて、発光特性としてレーザ光の照射タイミングに対する発光の開始タイミングを求め、求められた開始タイミングから微粒子化に必要なレーザ光のパルス幅の下限値を算出し、その下限値を参照して照射条件としてのレーザ光パルス幅を決定する方法を用いることができる。
また、条件決定ステップにおいて、発光特性としてレーザ光の照射タイミングに対する発光の終了タイミングを求め、求められた終了タイミングから微粒子化に必要なレーザ光のパルス幅の上限値を算出し、その上限値を参照して照射条件としてのレーザ光パルス幅を決定する方法を用いることができる。
なお、一般には、測定された発光特性に基づいて決定されるレーザ光の照射条件としては、レーザ光照射時間、レーザ光波長、レーザ光強度、及びレーザ光波形の少なくとも1つを決定することが好ましい。あるいは、これら以外の照射条件を決定しても良い。
また、微粒子化条件の決定方法は、発光測定ステップにおいて、発光スペクトルの測定を行うとともに、条件決定ステップにおいて、発光スペクトルを参照して微粒子化に伴う発光と、微粒子自身の発光とを分離することが好ましい。同様に、決定装置は、発光測定手段が、発光スペクトルの測定を行うとともに、条件決定手段が、発光スペクトルを参照して微粒子化に伴う発光と、微粒子自身の発光とを分離することが好ましい。このような構成によれば、発光特性に基づくレーザ光の照射条件の決定を好適に行うことができる。
また、決定装置は、被処理液に対して照射されるレーザ光についての測定を行う照射光測定手段を備えることとしても良い。これにより、レーザ光の測定結果と、発光の測定結果とを参照して、発光特性を好適に求めることができる。
本発明による微粒子の製造方法は、被処理液の溶媒中の物質を光破砕して、その微粒子を製造する製造方法であって、上記した微粒子化条件の決定方法を含み、物質及び溶媒が混合された被処理液を準備する準備ステップと、条件決定ステップにおいて決定された照射条件に基づいて、被処理液に対してレーザ光を照射することによって、溶媒中にある物質を微粒子化するレーザ光照射ステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明による微粒子の製造装置は、被処理液の溶媒中の物質を光破砕して、その微粒子を製造する製造装置であって、上記した微粒子化条件の決定装置と、被処理液に対して、溶媒中にある物質を微粒子化するためのレーザ光を照射するレーザ光源と、条件決定手段によって決定された照射条件に基づいて、レーザ光源によるレーザ光の照射条件を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
上記した微粒子の製造方法及び装置によれば、被処理液での微粒子化状況を反映している発光特性に基づいて決定されたレーザ光の照射条件を参照して微粒子化処理を実行している。これにより、被処理液に含まれる微粒子化対象の物質に対して、レーザ光照射による微粒子化処理を好適に実行することが可能となる。
本発明によれば、微粒子化処理を実行する際に発光測定を行って、被処理液での微粒子化状況を反映している発光特性に基づいてレーザ光の照射条件を決定することにより、被処理液に対するレーザ光の照射条件を迅速かつ確実に制御することが可能となる。
以下、図面とともに本発明による微粒子化条件の決定方法、決定装置、及び微粒子の製造方法、製造装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、本発明による微粒子化条件の決定装置、及びそれを用いた微粒子の製造装置の一実施形態を概略的に示す構成図である。本微粒子の製造装置1Aは、被処理液の溶媒中にある物質を光破砕して、その微粒子を製造する装置である。被処理液2は、液相の水などの溶媒4と、溶媒4中に含まれる微粒子化対象の物質の原料粒子5とから構成されている。
微粒子の製造装置1Aは、溶媒4中の物質の原料粒子5に対して光破砕による微粒子化処理を行うための微粒子化条件を決定する決定装置10と、所定波長のレーザ光を供給するレーザ光源20と、微粒子化処理を制御するための制御装置25とを備える。
まず、微粒子化条件の決定装置10の構成について説明する。図1に示すように、決定装置10は、被処理液2を収容するための処理チャンバ3を備えている。処理チャンバ3は、例えば、微粒子化処理のためのレーザ光や後述する被処理液2からの発光などが透過する石英などの材質で形成されている。なお、この処理チャンバ3及び被処理液2に対して、必要に応じて、被処理液2を攪拌して溶媒4中で原料粒子5を分散させるマグネットスティック及びマグネットスターラ、処理チャンバ3を所定温度に保持する恒温装置などを設置しても良い。
本決定装置10による微粒子化条件の決定方法では、まず、微粒子化対象の物質の原料粒子5を溶媒4中に含む被処理液2に対して、光破砕に用いる所定波長のレーザ光を照射して溶媒4中にある物質を微粒子化する。同時に、微粒子化に伴って被処理液2で生じる発光を測定する。そして、この発光の測定結果から求められた発光特性に基づいて、被処理液2に対するレーザ光の照射条件を決定する。このような微粒子化条件の決定方法は、上記したように、本願発明者が見出したレーザ光照射による微粒子化処理に伴う発光現象に基づくものである。
図1に示す構成では、レーザ光照射が行われる被処理液2が収容される処理チャンバ3に対して所定位置に、発光測定装置11が設置されている。この発光測定装置11は、処理チャンバ3からの光を測定し、特に、被処理液2に対して光破砕用のレーザ光を照射した際に生じる微粒子化に伴う発光を測定するためのものである。
処理チャンバ3と発光測定装置11との間には、光分岐手段としてハーフミラー13が配置されている。また、ハーフミラー13によって分岐された処理チャンバ3からの光が入射する位置に、被処理液2に対して照射された光をモニタするための照射光測定装置12が設置されている。この照射光測定装置12は、被処理液2に照射された光破砕用のレーザ光のうちで被処理液2または処理チャンバ3で反射、散乱された光成分を検出することで、被処理液2に照射されているレーザ光をモニタする。
発光測定装置11からの測定信号、及び照射光測定装置12からの測定信号は、解析装置15へと入力されている。この解析装置15は、発光測定装置11による発光の測定結果から求められた発光特性に基づいて、被処理液2に対するレーザ光の照射条件を決定する条件決定手段である。
具体的には、解析装置15は、発光測定装置11からの測定信号により、被処理液2からの発光についての情報を取得する。また、解析装置15は、照射光測定装置12からの測定信号により、被処理液2に照射されているレーザ光についての情報を取得する。そして、これらの情報が示す測定結果から、微粒子化に伴って被処理液2で生じている発光の発光特性を求める。ここで求められる発光特性は、レーザ光照射による微粒子化の有無や処理速度などの被処理液2における微粒子化状況を反映している。解析装置15は、この発光特性を参照し、所望の処理速度などの処理条件を考慮して、被処理液2に対するレーザ光の照射条件を決定する。
次に、上記構成の微粒子化条件の決定装置10を有する微粒子の製造装置1Aの構成について説明する。
本製造装置1Aは、決定装置10に加えて、処理チャンバ3内に収容された被処理液2に対して所定波長の光破砕用のレーザ光を照射する高出力レーザ光源20を備えている。このレーザ光源20は、被処理液2の溶媒4中にある物質の原料粒子5を微粒子化するために好適な波長のレーザ光を供給する。
レーザ光源20としては、レーザ光に設定すべき波長があらかじめ分かっている場合には、波長固定レーザ光源を用いることができる。あるいは、レーザ光源20として、波長可変レーザ光源を用いても良い。この場合、物質の吸光特性などに基づいて、適切な波長のレーザ光を適宜に設定して照射することができる。また、必要に応じて、レーザ光源20に対して減衰フィルタや光減衰器などの光強度調整手段を設けても良い。
特に、図1に示したように決定装置10において光破砕用のレーザ光の照射条件を決定する構成では、レーザ光強度の調整が容易なレーザ光源を用いることが好ましく、また、レーザ光波長の調整が必要な場合には、波長可変レーザ光源を用いることが好ましい。あるいは、互いにレーザ光波長が異なる複数の波長固定レーザ光源からなるレーザ光源群を用いても良い。このような構成は、決定装置10においてレーザ光の好適な照射条件を求める上でも、微粒子化のレーザ光強度依存性やレーザ光波長依存性を求めることができる点で有用である。
レーザ光源20、及び決定装置10の解析装置15は、コンピュータなどからなる制御装置25に接続されている。この制御装置25は、上記した決定装置10を含む製造装置1Aの各部の動作を制御することにより、微粒子の製造を制御する。特に、本実施形態においては、制御装置25は、条件決定手段である解析装置15によって決定された好適なレーザ光の照射条件に基づいて、レーザ光源20によって実際に被処理液2に照射されるレーザ光の照射条件を制御する。制御装置25によって制御される具体的なレーザ光の照射条件については、レーザ光源20の構成によるが、例えば照射するレーザ光強度、レーザ光波長などの条件が制御される。
また、制御装置25には、表示装置26が接続されている。制御装置25は、決定装置10による微粒子化条件の決定に必要な画面、あるいは製造装置1Aにおける微粒子化処理に関する画面等を表示装置26に表示する。
次に、図1に示した微粒子の製造装置1Aを用いた本発明による微粒子化条件の決定方法、及び微粒子の製造方法について説明する。
まず、溶媒である水4と、微粒子化対象となる物質の原料粒子5とを混合して、被処理液2を調整し、処理チャンバ3内に被処理液2を導入する(準備ステップ)。このとき、原料粒子5は、溶解物質、または非溶解物質の状態で溶媒4中に含まれた状態となる。次に、制御装置25によってレーザ光源20が制御され、所定波長を有する光破砕用のレーザ光がレーザ光源20から被処理液2へと照射される。このレーザ光照射により、処理チャンバ3内の被処理液2において溶媒4中にある原料粒子5が微粒子化される(レーザ光照射ステップ)。
一方、発光測定装置11により、レーザ光照射による微粒子化に伴う被処理液2からの発光が測定される(発光測定ステップ)。また、照射光測定装置12により、被処理液2に照射されているレーザ光がモニタされる。解析装置15は、発光測定装置11による発光の測定結果から発光特性を求め、その発光特性に基づいてレーザ光の好適な照射条件を決定する(条件決定ステップ)。そして、制御装置25は、解析装置15によって決定された照射条件に基づいて、レーザ光源20による被処理液2へのレーザ光の照射条件を制御する。これにより、被処理液2において、溶媒4中にある物質の原料粒子5に対して、所望の条件で微粒子化処理が実行される(レーザ光照射ステップ)。
本実施形態による微粒子化条件の決定方法及び決定装置、微粒子の製造方法及び製造装置の効果について説明する。
図1に示した微粒子化条件の決定装置及び決定方法によれば、微粒子化対象となる物質の原料粒子5を含む被処理液2に対してレーザ光を照射した際に、被処理液2において微粒子化に伴って生じる発光を測定し、その発光特性を参照してレーザ光の照射条件を決定している。このように、微粒子化処理を実行する際に発光測定装置11を用いて発光測定を行うことにより、レーザ光照射による微粒子化の有無や処理速度などの微粒子化状況を処理の実行中に判断することができる。
そして、被処理液2での微粒子化状況を反映している発光特性に基づいて解析装置15においてレーザ光の照射条件を決定することにより、処理速度が速くなるように照射条件を最適化するなど、レーザ光源20による被処理液2に対するレーザ光の照射条件を迅速かつ確実に制御することが可能となる。特に、発光測定装置11による発光測定を利用する上記方法では、微粒子化状況の判断及びレーザ光の照射条件の決定を容易かつリアルタイムに実行することができる。
また、このような微粒子化条件の決定装置10及び決定方法を利用した微粒子の製造装置1A及び製造方法によれば、被処理液2での微粒子化状況を反映している発光特性に基づいて決定されたレーザ光の照射条件を参照して微粒子化処理を実行することにより、被処理液2に含まれる微粒子化対象の物質の原料粒子5に対して、レーザ光照射による微粒子化処理を好適に実行することが可能となる。なお、微粒子化に伴って生じる発光現象については、具体的には後述する。
ここで、解析装置15において求められてレーザ光の照射条件の決定に用いられる発光特性については、具体的には、発光強度についての特性を求めることが好ましい。あるいは、発光タイミングについての特性を求めることが好ましい。また、発光強度の時間変化による発光の時間波形を求めても良い。これらの発光特性を参照することにより、被処理液2における微粒子化状況を好適に評価することができる。
この場合、発光測定装置11については、解析装置15で微粒子化状況の評価に用いられる発光特性に応じて、必要な発光パラメータを測定可能なものを選択して用いることが好ましい。発光測定装置11で測定される発光パラメータとしては、例えば、発光強度、発光タイミング、発光の時間変化による時間波形などが挙げられる。
また、発光特性として、発光波長についての特性を求める場合には、発光測定装置11として発光波長の測定が可能なものを用いることが好ましい。このような構成としては、波長フィルタを設置して特定波長帯域の発光成分のみを測定する構成がある。あるいは、発光測定装置11として、発光スペクトルを測定可能なものを用いることとしても良い。これにより、微粒子化に伴う発光について様々な特性評価が可能となる。
また、発光測定装置11において発光スペクトルを測定する構成では、解析装置15において、測定された発光スペクトルを参照して、微粒子化に伴う発光と、微粒子自身の発光とを分離することが可能である。これにより、微粒子化に伴う発光現象を選択的に測定して、微粒子化状況をより正確に評価することができる。例えば、微粒子化対象となる原料粒子5の物質が元来発光するものであれば、あらかじめ微粒子化に伴う発光が生じていない状態で発光スペクトルを求めておき、この発光スペクトルを用いて微粒子化に伴う発光を選択的に分離することが好ましい。
このような場合の発光測定装置11の具体的な構成としては、例えば、発光強度や発光タイミング等の測定に用いられる光検出器と、発光スペクトルの測定に用いられるマルチ検出器を利用したスペクトルアナライザとを組合せた構成を用いることができる。また、これ以外の構成を用いても良い。
また、レーザ光源20から被処理液2へと照射されるレーザ光をモニタするための照射光測定装置12については、照射されるレーザ光の波長に対して一定の感度があり、レーザ光の照射タイミング、及びレーザ光の時間変化による時間波形を測定可能な光検出器を用いることが好ましい。
また、条件決定手段である解析装置15において決定されるレーザ光の照射条件としては、レーザ光照射時間、レーザ光波長、レーザ光強度、及びレーザ光波形の少なくとも1つを決定することが好ましい。また、これ以外のパラメータによって照射条件を制御することも可能である。
なお、レーザ光照射による微粒子化対象となる原料粒子5の物質については、様々な物質を対象として良い。そのような物質として、有機化合物が挙げられる。有機化合物としては、例えば、有機顔料、芳香族縮合多環化合物、薬物(薬剤、医薬品関連物質)などが挙げられる。薬物の場合、レーザ光の照射条件を好適に設定して微粒子化を効率良く行うことにより、レーザ光照射による薬物での光化学反応が充分に防止される。このため、薬物の薬効を失うことなくその微粒子を製造することができる。また、光化学反応については、被処理液2に照射されるレーザ光の波長を好適に選択(例えば、光化学反応による光劣化を避けることが可能な赤外域の波長、あるいは900nm以上の波長に選択)することにより、光化学反応の発生をさらに抑制することが可能である。
詳述すると、薬物として用いられる有機化合物では、分子構造の中に比較的弱い化学結合を含むことが多いが、このような有機化合物に紫外光などの光を照射すると、微粒子を部分的に生成することはできるものの、同時に、一部で電子励起状態を経由して有機化合物の光化学反応が生じて不純物が生成されてしまう場合がある。特に、有機化合物が体内に投与される薬物(医薬品)の場合、そのような不純物は副作用の原因となり、生体に悪影響を与えるおそれもあるため、このような事態は極力避けなければならない。これに対して、微粒子化処理を効率良く行って、光化学反応の発生を抑制することが可能な上記した製造方法で有機化合物の微粒子を製造することにより、不純物の生成を充分に抑制することが可能となる。
また、上記のように、薬効を失うことなく保持しつつ薬物の微粒子化を実現することにより、微粒子化前の形態では評価できなかった物理化学的研究、スクリーニングなどの候補化合物の探索、決定や、ADME試験、動物での前臨床試験における一般毒性、一般薬理、薬効薬理、生化学的研究、及び臨床試験などができるようになる。また、上記した製造方法により、極めて多種類の生体に投与可能な薬物を得ることができる。このため、薬物の選択の幅を飛躍的に拡大することができる。また、薬物の微粒子化により薬物の表面積が増大し、生体組織への吸収性が向上するため、少量で有効な薬物微粒子を得ることができる。このような微粒子化処理は、薬物以外の有機化合物に対しても有効である。
微粒子化の対象となる有機化合物の具体例としては、例えば、薬物である酪酸クロベタゾンやカルバマゼピン等の難溶性、あるいは不溶性薬物がある。また、上記した微粒子化条件の決定方法及び装置、微粒子の製造方法及び装置は、上記医薬品物質以外にも、医薬品候補物質(天然物、化合物ライブラリー等)、あるいは医薬部外品、化粧品等にも適用可能である。
また、薬物などの有機化合物の溶媒としては、上記したように水を用いることが好ましく、若干のアルコール類、糖類、塩類が入っていても良い。あるいは、水以外の溶媒を用いても良い。そのような溶媒としては、1価アルコールであるエチルアルコール、2価アルコールであるグリコール類(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、3価アルコールであるグリセロールなどがある。また、植物油であるダイズ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ラッカセイ油なども溶媒として用いることができる。これらの溶媒は、注射剤として使用する場合に、非水性注射剤の有機溶媒として好適に用いることができる。
被処理液2における微粒子化状況の評価に用いられる発光特性、及びレーザ光の照射条件の決定について、さらに具体的に説明する。なお、以下においては、発光特性の測定、及びそれによるレーザ光の照射条件の決定に着目して説明するが、一般には、このような測定・決定動作は、微粒子化処理の前段階として行っても良く、あるいは、微粒子化処理とともに行っても良い。
まず、発光特性として発光強度とレーザ光波長との関係を用いる方法を説明する。図2は、発光強度とレーザ光波長との関係を示すグラフである。この場合、測定したいレーザ光の波長範囲を限定し、その波長範囲において微粒子化に伴う発光が得られるレーザ光強度を設定する。次に、制御装置25により光強度を固定したまま、レーザ光波長のみを変化させてレーザ光源20から被処理液2へのレーザ光照射を行う。そして、波長に対する発光強度の変化を発光測定装置11及び解析装置15によって測定し、図2のグラフに例示したような測定結果を発光特性として取得する。このような発光特性を参照することにより、被処理液2に対するレーザ光の照射条件としてのレーザ光波長を好適に決定することができる。
次に、発光特性として発光強度とレーザ光強度との関係を用いる方法を説明する。図3は、発光強度とレーザ光強度との関係を示すグラフである。この場合、測定したいレーザ光波長を設定する。次に、制御装置25により波長を固定したまま、レーザ光強度のみを変化させてレーザ光源20から被処理液2へのレーザ光照射を行う。そして、光強度に対する発光強度の変化を発光測定装置11及び解析装置15によって測定し、図3のグラフに例示したような測定結果を発光特性として取得する。このような発光特性を参照することにより、被処理液2に対するレーザ光の照射条件としてのレーザ光強度を好適に決定することができる。
次に、発光特性として発光強度とレーザ光波形との関係を用いる方法を説明する。この場合、測定したいレーザ光波長及び光強度を設定する。次に、制御装置25により波長及び光強度を固定したまま、パルスレーザ光のパルス波形のみを変化させてレーザ光源20から被処理液2へのレーザ光照射を行う。そして、光波形に対する発光強度の変化を発光測定装置11及び解析装置15によって測定し、測定結果を発光特性として取得する。このような発光特性を参照することにより、被処理液2に対するレーザ光の照射条件としてのレーザ光波形を好適に決定することができる。
このような場合、レーザ光波形についての条件としては、具体的には例えば、レーザ光のパルス波形の立上り時間、立下り時間、パルス幅などの波形条件がある。また、このような波形条件に関して発光特性の測定、レーザ光の照射条件の制御等を行う場合には、レーザ光源20として、レーザ光波形が可変なレーザ光源を用いる必要がある。なお、上記した各方法では、発光測定装置11による発光測定については、レーザ光の波長、強度、パルス波形を変えて、複数回の発光の測定を行う必要がある。
次に、発光特性として発光強度とレーザ光照射時間との関係を用いる方法を説明する。図4は、発光強度とレーザ光照射時間との関係を示すグラフである。この場合、測定したいレーザ光波長及び光強度を設定する。次に、制御装置25により波長及び光強度を固定したまま、レーザ光源20から被処理液2へのレーザ光照射を行う。そして、発光強度のレーザ光照射時間による時間変化を発光測定装置11及び解析装置15によって測定し、図4のグラフに例示したような測定結果を発光特性として取得する。
本願発明者による検討結果によれば、上記したように、微粒子化が可能な照射条件では光破砕による微粒子化に伴って発光が生じる。また、微粒子化処理が進行するにしたがって発光強度が減少し、微粒子化がほとんど進行しない程度に微粒子化が完了したサンプルでは発光が生じないことがわかった。したがって、図4に示したような発光強度の時間変化を発光特性として参照することにより、その発光がなくなるまでの時間Tによって、被処理液2に対するレーザ光の照射条件としてのレーザ光照射時間を好適に決定することができる。
ここで、レーザ光照射時間Tの具体的な決定方法としては、例えば、発光強度に対して閾値を設定しておき、発光強度が変化して閾値以下となるまでの時間によってレーザ光照射時間Tを決定する方法がある。あるいは、発光強度の時間による変化率に対して閾値を設定しておき、発光強度の変化率が閾値以下となるまでの時間によってレーザ光照射時間Tを決定する方法がある。また、これら以外の方法を用いても良い。
次に、発光特性として発光タイミングを用いる方法を説明する。
発光タイミングを参照してレーザ光の照射条件を決定する方法としては、発光特性としてレーザ光の照射タイミングに対する発光の開始タイミングを参照する方法がある。この開始タイミングは、レーザ光照射に対する発光の遅延時間に対応する。この場合、求められた開始タイミングから微粒子化に必要なレーザ光のパルス幅の下限値を算出し、その下限値を参照して照射条件としてのレーザ光パルス幅を決定することが好ましい。
また、発光特性としてレーザ光の照射タイミングに対する発光の終了タイミングを参照する方法がある。この終了タイミングは、レーザ光照射に対する発光の継続時間に対応する。この場合、求められた終了タイミングから微粒子化に必要なレーザ光のパルス幅の上限値を算出し、その上限値を参照して照射条件としてのレーザ光パルス幅を決定することが好ましい。
発光タイミングを用いたレーザ光の照射条件の決定方法について、その具体例を説明する。図5は、レーザ光強度及び発光強度の時間変化を示すグラフである。ここでは、パルス幅が広いパルスレーザ光を照射して微粒子化処理を行い、このときの照射されたレーザ光と発光とのタイミングを発光測定装置11、照射光測定装置12、及び解析装置15によって測定、解析する。
図5に示した例では、レーザ光の照射タイミングに対して、時間tだけ遅延した開始タイミングで発光が始まり、時間tの終了タイミングで発光が終っている。これは、レーザ光照射に対して、時間t〜tの間で微粒子が生成されていることを示している。このとき、発光の開始タイミングtを下限値、終了タイミングtを上限値とし、レーザ光のパルス幅wをt<w≦tの範囲内で設定することが好ましい。これにより、レーザ光照射による微粒子化処理を効率的に実行することができる。なお、このレーザ光のパルス幅については、上限値tよりもある程度広いパルス幅に設定しても良い。
次に、具体的なデータにより本発明の内容をより具体的に説明する。
まず、様々な物質を微粒子化対象としたときの発光スペクトル及び発光の時間波形について説明する。ここでは、微粒子化対象となる物質として、グラファイト、カーボンナノチューブ、Si、VOPc(バナジルフタロシアニン:顔料)、酪酸クロベタゾン(医薬品)、カルバマゼピン(医薬品)、イブプロフェン(医薬品)、硝酸エコナゾール(医薬品)をサンプルに選んだ。そして、溶媒4である水中に1mg/mlの濃度で各サンプルの懸濁液(被処理液)を作製し、処理チャンバ3である石英角セル(10mm×10mm×40mm)に3mlの被処理液2を入れて、光破砕のためのレーザ光照射を行った。
レーザ光源20としては、YAGパルスレーザを使用した。光照射条件は波長1064nm、繰り返し周波数10Hz、FWHM4.85ns、1パルスあたりのエネルギーは300mJ/pulseである。また、各サンプルで発光現象を生じさせるための照射レーザ光強度の調整は、レンズを用いてスポット径を可変することによって行った。また、発光の観測には、高速応答型の光検出器(THORLABS社製のDET210:応答速度1ns以下)、高速応答型のオシロスコープ(Agilent infiniium:2.25GHz,8GSa/s)、及びマルチチャンネル型の分光器(浜松ホトニクス社製、PMA11)を使用した。
まず、上記サンプルについて、微粒子化に伴って生じる発光スペクトルを調査した。図6(a)〜(d)は、得られた発光強度の波長依存性を示すグラフである。各グラフにおいて、横軸は発光波長(nm)を示し、縦軸は発光強度(A.U.)を示している。また、図6(a)のグラフA1はVOPc、A2はSi、(b)のグラフB1はグラファイト、B2はカーボンナノチューブ、(c)のグラフC1はカルバマゼピン、(d)のグラフD1は酪酸クロベタゾン、D2はイブプロフェン、D3は硝酸エコナゾールの発光スペクトルをそれぞれ示している。
また、発光現象が観測できる照射レーザ光強度はサンプルによって異なる。このため、この例では、図6(a)のVOPc及びSi粒子は光照射強度450mJ/cm・pulse、(b)のグラファイト及びカーボンナノチューブは光照射強度200mJ/cm・pulse、(c)のカルバマゼピン及び(d)の酪酸クロベタゾン・イブプロフェン・硝酸エコナゾールは3000mJ/cm・pulseの条件でスペクトル解析を行った。
これらの図6のグラフからわかるように、いずれのサンプルからも、ほぼ同様の傾向を持つ発光スペクトルが得られた。この結果から、発光現象はサンプルの物性に由来したものではなく、溶媒(この場合は水)に起因したものと考えられる。このような発光現象が何に起因しているのかについては、レーザ光が照射された際に原料粒子の表面から高速の微粒子が水中に放出されるため、溶媒のキャビテーションによって発光しているということが考えられる。すなわち、原料粒子から高速で溶媒の液中に微粒子が放出される際に発光が観測され、その発光特性は微粒子生成のモニタリングに有用であると考えられる。この場合、例えば、微粒子化対象の物質に対して必要なレーザ光の照射条件の最適化を行うことを考えると、発光強度が強くなる照射条件を求めれば、効率の良い微粒子化処理を実現することができる。
図7(a)〜(f)は、照射されるレーザ光及び微粒子化に伴う発光の時間的なタイミング、及び時間波形を示すグラフである。各グラフにおいて、点線がレーザ光、実線が微粒子化に伴う発光を示している。また、横軸は時間(5ns/div)を示し、縦軸は発光強度に対応する検出信号強度を示している。また、図7(a)はグラファイト、(b)はカーボンナノチューブ、(c)はVOPc、(d)はカルバマゼピン、(e)はイブプロフェン、(f)は酪酸クロベタゾンの発光の時間波形をそれぞれ示している。
これらの図7のグラフによれば、(a)のグラファイト、(b)のカーボンナノチューブ、(c)のVOPcでは、照射レーザ光の立上りで、遅れることなく発光が生じている。すなわち、これらのサンプルでは、この照射条件において、ほぼ照射と同期して原料粒子表面から微粒子が水中に飛び出していると推測される。一方、医薬品である(d)〜(f)のサンプルでは、上記サンプルとは異なり、照射レーザ光に対して1ns程度の遅れを持って発光が生じている。すなわち、この照射条件では、医薬品の微粒子化には最低でも1ns以上のパルス幅が必要と考えられる。
以上のように、レーザ光と発光とのタイミングを比較することにより、微粒子化に必要な下限値のレーザ光パルス幅を求めることができる。また、逆に、レーザ光パルス幅が長く、微粒子化にともなう発光の方がレーザ光より時間幅が短くなるケースでは、発光が伴わない部分のパルスレーザ光は微粒子化に寄与していないと推測される。この場合、微粒子化に必要なパルス幅の上限値も求めることができる。
次に、発光強度とレーザ光強度との関係について説明する。ここでは、VOPcをサンプルとして、照射されるレーザ光強度と、レーザ光照射により微粒子化に伴って生じる発光強度との関係を求めた。光照射条件は波長1064nm、繰り返し周波数10Hz、FWHM4.85ns、1パルスあたりのエネルギーは300mJ/pulseである。また、照射レーザ光強度の調整は、レンズを用いてスポット径を可変することによって行った。被処理液は、VOPcの原料粒子を1mg/mlの濃度で水中に懸濁し、3mlを石英角セルに入れて微粒子化処理を行った。
図8は、得られた発光強度とレーザ光強度との関係を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸はレーザ光強度(mJ/cm・pulse)を示し、縦軸は発光強度(発光の最大値に対応する信号強度、mV)を示している。このVOPcの場合、発光現象は300mJ/cm・pulse程度の照射レーザ光強度から観測され、光強度を高めるほど発光強度が大きくなる傾向が得られた。すなわち、VOPcの微粒子化においては、300mJ/cm・pulse以上のレーザ光照射強度で照射条件を設定することにより、微粒子化処理を好適に実行することができることがわかる。
なお、レーザ光波長についても、同様に発光強度とレーザ光波長との関係により、好適な照射条件を設定することが可能である。例えば、発光強度とレーザ光波長との関係において、発光強度が最大となる波長を求めることにより、微粒子化処理に最適なレーザ光波長を決定することができる。また、発光が得られる波長範囲を求めることにより、微粒子化で選択できる波長幅が得られる。
次に、発光特性とレーザ光照射時間との関係について説明する。ここでは、VOPcをサンプルとして、レーザ光照射時間と、発光強度(発光の最大値)との関係を求めた。光照射条件は、波長1064nm、繰り返し周波数10Hz、FWHM4.85ns、スポットサイズ3.5mmφ、照射レーザ光強度は600mJ/cm・pulseである。被処理液は、VOPcの原料粒子を1mg/mlの濃度で水中に懸濁し、3mlを石英角セルに入れて微粒子化処理を行った。
この実験では、生成微粒子の凝集を防止する目的で界面活性剤(Igapal CA-630:分子量602)を0.29mmol/lの濃度で添加した。レーザ光照射時間は、処理前(0分)、0.5分、3分、6分、9分とし、各照射時間での発光強度、及びDMS(粒度分布測定装置:島津製作所製SALD7000)によるサンプルの粒子径分布を併せて求めた。
図9は、各照射時間における被処理液でのVOPcの粒子径分布を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は粒子径(μm)を示し、縦軸は相対粒子量を示している。このグラフより、処理前のVOPcの原料粒子は、およそ15〜70μmの粒子径範囲に分布している。これに対して、レーザ光照射による微粒子化の処理時間を延ばしていくと、6分と9分後には差がほとんどなく、粒子径200nm付近で微粒子化されたVOPcが得られることがわかる。
図10は、発光強度とレーザ光照射時間との関係を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸はレーザ光照射時間(分)を示し、縦軸は発光強度(mV)を示している。このグラフでは、発光強度はレーザ光の照射直後が最も大きく、微粒子化が進行するにしたがって徐々に減少している。そして、照射6分後には発光強度が初期の10分の1程度に小さくなり、照射9分後には発光が観測できなくなった。
この結果は、図9のグラフに示した微粒子化状況と対応している。すなわち、9分後には溶媒中でキャビテーションを生じさせるような高速微粒子の生成がなくなったと推測される。以上のように、微粒子化に伴う発光現象をモニタリングすることにより、微粒子化の進行状況や微粒子化の完了状況を見極めるための情報を得ることができる。また、このような発光特性の情報に基づいてレーザ光の照射条件を決定することにより、微粒子化処理を好適に制御することができる。
本発明による微粒子化条件の決定方法、決定装置、及び微粒子の製造方法、製造装置は、上記した実施形態及び実施例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、光破砕用のレーザ光のモニタについては、レーザ光源20からの信号、あるいは制御装置25からレーザ光源20へと送出される制御信号等を参照して、レーザ光強度やレーザ光の照射タイミングなどの照射条件をモニタする構成とすることも可能である。この場合、図1に示した照射光測定装置12は不要である。
また、解析装置15及び制御装置25については、別々のコンピュータによって構成しても良く、あるいは、解析機能及び制御機能を併せ持つ単一のコンピュータによって構成しても良い。また、発光特性の表示等に用いられる表示装置26については、不要であれば設けなくても良い。また、照射するレーザ光波長が発光スペクトル帯と重なる場合、微粒子化状況のモニタを優先する必要があれば、発光スペクトル帯外でレーザ光波長を設定することとしても良い。
本発明は、レーザ光照射による微粒子化の有無を判断して、被処理液に対するレーザ光の照射条件を好適に制御することが可能な微粒子化条件の決定方法、決定装置、及びそれを用いた微粒子の製造方法、製造装置として利用可能である。
微粒子化条件の決定装置、及びそれを用いた微粒子の製造装置の一実施形態を概略的に示す構成図である。 発光強度とレーザ光波長との関係を示すグラフである。 発光強度とレーザ光強度との関係を示すグラフである。 発光強度とレーザ光照射時間との関係を示すグラフである。 レーザ光強度及び発光強度の時間変化を示すグラフである。 発光強度の波長依存性を示すグラフである。 レーザ光及び発光の時間波形を示すグラフである。 発光強度とレーザ光強度との関係を示すグラフである。 VOPcの粒子径分布を示すグラフである。 発光強度とレーザ光照射時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
1A…微粒子の製造装置、2…被処理液、3…処理チャンバ、4…溶媒、5…原料粒子(物質)、10…微粒子化条件の決定装置、11…発光測定装置、12…照射光測定装置、13…ハーフミラー、15…解析装置、20…レーザ光源、25…制御装置、26…表示装置。

Claims (16)

  1. 微粒子化対象の物質を溶媒中に含む被処理液に対して、所定波長のレーザ光を照射して前記溶媒中にある前記物質を微粒子化するとともに、微粒子化が可能な照射条件において発生する微粒子化に伴う発光を測定する発光測定ステップと、
    前記発光測定ステップでの前記発光の測定結果から求められた、前記被処理液での微粒子化状況を反映している発光特性に基づいて、前記被処理液に対する前記レーザ光の照射条件を決定する条件決定ステップと
    を備え
    前記発光測定ステップにおいて測定される前記発光は、前記微粒子化が可能な照射条件における、前記物質の原料粒子から前記溶媒の液中に微粒子が放出される際の前記溶媒のキャビテーションによる発光であることを特徴とする微粒子化条件の決定方法。
  2. 前記条件決定ステップにおいて、前記発光特性として発光強度についての特性を求めることを特徴とする請求項1記載の決定方法。
  3. 前記条件決定ステップにおいて、前記発光特性として前記発光強度とレーザ光照射時間との関係を求め、求められた関係から前記照射条件としてのレーザ光照射時間を決定することを特徴とする請求項2記載の決定方法。
  4. 前記発光測定ステップにおいて、前記レーザ光の波長を変えて複数回の発光の測定を行うとともに、
    前記条件決定ステップにおいて、前記発光特性として前記発光強度とレーザ光波長との関係を求め、求められた関係から前記照射条件としてのレーザ光波長を決定することを特徴とする請求項2記載の決定方法。
  5. 前記発光測定ステップにおいて、前記レーザ光の強度を変えて複数回の発光の測定を行うとともに、
    前記条件決定ステップにおいて、前記発光特性として前記発光強度とレーザ光強度との関係を求め、求められた関係から前記照射条件としてのレーザ光強度を決定することを特徴とする請求項2記載の決定方法。
  6. 前記発光測定ステップにおいて、前記レーザ光のパルス波形を変えて複数回の発光の測定を行うとともに、
    前記条件決定ステップにおいて、前記発光特性として前記発光強度とレーザ光波形との関係を求め、求められた関係から前記照射条件としてのレーザ光波形を決定することを特徴とする請求項2記載の決定方法。
  7. 前記条件決定ステップにおいて、前記発光特性として発光タイミングについての特性を求めることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の決定方法。
  8. 前記条件決定ステップにおいて、前記発光特性として前記レーザ光の照射タイミングに対する発光の開始タイミングを求め、求められた開始タイミングから微粒子化に必要な前記レーザ光のパルス幅の下限値を算出し、その下限値を参照して前記照射条件としてのレーザ光パルス幅を決定することを特徴とする請求項7記載の決定方法。
  9. 前記条件決定ステップにおいて、前記発光特性として前記レーザ光の照射タイミングに対する発光の終了タイミングを求め、求められた終了タイミングから微粒子化に必要な前記レーザ光のパルス幅の上限値を算出し、その上限値を参照して前記照射条件としてのレーザ光パルス幅を決定することを特徴とする請求項7記載の決定方法。
  10. 被処理液の溶媒中の物質を光破砕して、その微粒子を製造する製造方法であって、
    請求項1〜のいずれか一項記載の微粒子化条件の決定方法を含み、
    前記物質及び前記溶媒が混合された前記被処理液を準備する準備ステップと、
    前記条件決定ステップにおいて決定された前記照射条件に基づいて、前記被処理液に対して前記レーザ光を照射することによって、前記溶媒中にある前記物質を微粒子化するレーザ光照射ステップと
    を備えることを特徴とする微粒子の製造方法。
  11. 微粒子化対象の物質を溶媒中に含む被処理液を収容する処理チャンバと、
    前記処理チャンバ内に収容された前記被処理液に対して、前記溶媒中にある前記物質を微粒子化するための所定波長のレーザ光を照射した際に生じる、微粒子化が可能な照射条件において発生する微粒子化に伴う発光を測定する発光測定手段と、
    前記発光測定手段による前記発光の測定結果から求められた、前記被処理液での微粒子化状況を反映している発光特性に基づいて、前記被処理液に対する前記レーザ光の照射条件を決定する条件決定手段と
    を備え
    前記発光測定手段において測定される前記発光は、前記微粒子化が可能な照射条件における、前記物質の原料粒子から前記溶媒の液中に微粒子が放出される際の前記溶媒のキャビテーションによる発光であることを特徴とする微粒子化条件の決定装置。
  12. 前記条件決定手段は、前記発光特性として発光強度についての特性を求めることを特徴とする請求項11記載の決定装置。
  13. 前記条件決定手段は、前記発光特性として発光タイミングについての特性を求めることを特徴とする請求項11または12記載の決定装置。
  14. 前記条件決定手段は、前記照射条件として、レーザ光照射時間、レーザ光波長、レーザ光強度、及びレーザ光波形の少なくとも1つを決定することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項記載の決定装置。
  15. 前記被処理液に対して照射される前記レーザ光についての測定を行う照射光測定手段を備えることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項記載の決定装置。
  16. 被処理液の溶媒中の物質を光破砕して、その微粒子を製造する製造装置であって、
    請求項11〜15のいずれか一項記載の微粒子化条件の決定装置と、
    前記被処理液に対して、前記溶媒中にある前記物質を微粒子化するための前記レーザ光を照射するレーザ光源と、
    前記条件決定手段によって決定された前記照射条件に基づいて、前記レーザ光源による前記レーザ光の照射条件を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする微粒子の製造装置。
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