JP4592437B2 - 防振クランプの製造方法 - Google Patents

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本発明は、配管を保持するための防振クランプの製造方法に関する。
従来より、配管を保持するための防振クランプとして、例えば、特許文献1に開示されるように、配管を保持する部分を弾性体で構成したものが知られている。この特許文献1に開示される防振クランプは、樹脂材料からなるクランプ本体に配設された略円筒状の弾性体の内周面上に、軸方向に長い複数の突出部が形成されたものであり、前記弾性体によって配管が保護されるとともに、前記突出部によって配管の滑りが防止されて該配管の保持力が高められるようになっている。
一方、前記弾性体の内周面上に設けられる突出部の突出長さを長くして、配管に生じる振動を吸収するようにしたものも知られている。例えば、特許文献2に開示されているものでは、樹脂材料からなる略円筒状の外枠の内周側に、略円筒状の弾性体が同心状に配設されていて、該弾性体の内周面には、径方向内方に突出し且つ軸方向に長い横断面視で略台形状の突出部が形成されている。これにより、前記弾性体によって配管を保持する場合、前記突出部の内方側先端の面が該配管の外周面に当接して該配管を支持するため、配管の振動は前記突出部の高さ方向の弾性変形によって吸収される。
特開2002−195457号公報 特開2003−106479号公報
しかしながら、前記特許文献1、2に開示される防振クランプでは、いずれも、弾性体とそれを固定する部材とが異なる材料によって構成されるため、それぞれ、別に形成する必要があり、製造コストのかかるものとなっていた。また、前記特許文献2に開示される防振クランプのように、弾性体の内周面上に横断面視で略台形状の突出部を形成することで、該配管の振動を或る程度、吸収できるものの、弾性体からなる前記突出部にも高さ方向の剛性があるため、該突出部はあまり弾性変形を生じず、配管の振動を十分に吸収できる構造にはなっていなかった。
本発明は、かかる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、配管を挿通孔に挿通させて保持する保持部を備えた防振クランプにおいて、該挿通孔の内周面に形成される突出部の構成に工夫を凝らし、配管の振動を効果的に低減できる安価な防振クランプを提供することにある。
求項の発明は、配管を保持するための保持部を備え、一体に形成された弾性体からなり、前記保持部には前記配管の挿通される挿通孔が形成されていて、前記挿通孔の周面には、半径方向内方に向かって突出する複数の突出部が、前記配管を遊嵌状態で保持するように略全周に亘って形成された防振クランプの製造方法に関するものであり、具体的には、複数の配管をそれぞれ挿通孔に保持する複数の保持部を備えた防振クランプの製造方法を対象とする。
そして、外周面上の少なくとも2箇所に、それぞれ周方向の所定範囲に亘って外方に向かい突出する複数の突出部が形成されたリング部材を、弾性体によって形成し、前記リング部材を、その外周面が内周側に位置するように裏返すとともに、前記突出部の形成部位に囲まれて前記挿通孔が形成されるように、前記突出部の非形成部位同士を重ね合わせるものとする。
この方法により、リング部材の外周面上の少なくとも2箇所に複数の突出部を設けた後、該リング部材をその外周面が内周側に位置するように裏返して、前記突出部の形成部位に囲まれて挿通孔が形成されるように、前記突出部の非形成部位同士を重ね合わせることで、挿通孔の周面に複数の突出部が形成された防振クランプが得られる。しかも、そのようにリング部材の外周面上に突出部を形成することで、該突出部の形成が容易になるとともに、該突出部の断面形状を横断面視で細く且つ長い形状にすることができ、これにより、配管の振動をより効果的に吸収することが可能になる。
すなわち、配管を遊嵌状態で保持できるような複数の突出部を挿通孔の内周面に一体成形しようとすると、挿通孔内では突出部同士の間隔が比較的狭くなるので、成形時に発生するバリ等の影響によって、配管を遊嵌状態で保持する突出部の機能を確保できなくなる可能性がある。そのため、上述のように、複数の突出部の間隔が比較的広くなるように、予めリング部材の外周面に突出部を一体成形し、成形後に該リング部材を裏返すことで、挿通孔内方に向かって延びる突出部を、その機能を損なうことなく形成することができる。つまり、突出部が形成されたリング部材を弾性体で一体に形成することができ、これにより、配管の振動を効果的に吸収できる防振クランプを低コストで得ることができる。
なお、前記所定範囲は、リング部材を裏返した場合に保持部の挿通孔を形成するような範囲を意味する。
上述の方法において、リング部材における突出部の非形成部位の外周面上に外方に突出する突起部を設けるとともに、該リング部材をその外周面が内周側に位置するように裏返した状態で前記突起部に対向する別の非形成部位に貫通穴を設け、前記リング部材を裏返した後に、前記非形成部位同士が一体になるように前記突起部を貫通穴に係合させるようにしてもよい(請求項の発明)。こうすれば、リング部材をその外周面が内周側に位置するように裏返した場合でも、突起部と貫通穴との係合によって突出部の非形成部位を確実且つ容易に一体化することができ、これにより、突出部の形成部位によって挿通孔を確実且つ容易に形成することができる。しかも、このように前記非形成部位を一体化させることで、挿通孔の内周を径方向内方に付勢することができ、配管の保持力を向上することができる。
請求項の発明は、防振クランプが全体としてリング状に成形されていて、上述のようにリング部材を裏返す方法では防振クランプを形成できない場合の防振クランプの製造方法である。すなわち、複数の配管をそれぞれ挿通孔に保持する複数の保持部を備えたリング状の防振クランプの製造方法を対象とする。
そして、内周面に複数の凹部が設けられ、且つ該各凹部にそれぞれ複数の突出部が形成された第1リング部材を弾性体によって形成し、前記第1リング部材の内径よりも大きい外径を有するとともに、外周面に前記第1リング部材の各凹部に対応するように複数の凹部が設けられ、且つ該各凹部にそれぞれ複数の突出部が形成された第2リング部材を弾性体によって形成し、前記第1及び第2リング部材の対応する凹部同士がそれぞれ組み合わされて、前記複数の挿通孔が形成されるように、前記第1リング部材の内側に前記第2リング部材を嵌合させるものとする。
この方法により、防振クランプをリング状に形成した場合でも、第1リング部材の内側に、該第1リング部材の内径よりも外径の大きい第2リング部材を嵌め込むことで、該第1リング部材の内周面に設けられた凹部と第2リング部材の外周面に設けられた凹部とによって配管を保持するための挿通孔が形成されるため、弾性体からなる防振クランプを比較的、容易に得ることができる。
また、成形時のバリ等の影響によって、配管を遊嵌状態で保持できるような突出部を挿通孔の周面に全周に亘って設けることが困難な場合でも、その挿通孔を形成する2つの凹部にそれぞれ複数の突出部を設けるようにすることで、型による成形が容易になり、配管を遊嵌状態で保持できる挿通孔を容易に形成することができる。
さらに、弾性体からなる2つのリング部材を嵌合させることで、両者の間に形成される挿通孔の周面は径方向内方に付勢されるため、配管の保持力を向上することができる。
以上より、本発明に係る製造方法で製造される防振クランプによれば、配管が挿通孔内で遊嵌状態で保持されるように該挿通孔の周面上に突出部を形成することによって、配管の振動を効果的に吸収できるとともに、防振クランプを弾性体で一体に形成することによって製作コストを低減できる。特に、前記突出部を隣り合う別の突出部と重なるように挿通孔の周方向一側に傾けて形成し、その側面で配管を支持することで、該突出部は挿通孔の径方向に変形し易くなり、これにより、配管の振動をより効果的に低減することができる。さらに、前記挿通孔を複数、設ける場合には、それらの挿通孔のうち少なくとも2つの軸線を非平行にすることで、配管の保持力を向上することができる。
また、リング部材をその外周面が内周側に位置するように裏返して上述のような構成の防振クランプを形成することで、挿通孔の周面に、配管の振動を吸収しやすい、細くて長い突出部を容易且つ確実に形成することができる。また、リング部材を裏返すだけで上述のような構成の防振クランプが得られるため、製造コストを低減することができる。
そして、このような防振クランプの製造方法において、リング部材を裏返した際に突出部の非形成部位同士が一体となるように、各非形成部位にそれぞれ突起部及び貫通穴を設けて該突起部を貫通穴に係合させることで、前記形成部位同士を確実且つ容易に一体化させることができ、しかも配管の保持力を向上することができる。
さらに、防振クランプが略リング状に形成されている場合には、弾性体からなる2つのリング部材の嵌め合いによって防振クランプを構成するとともに、該2つのリング部材にそれぞれ凹部を設けて、それらの凹部によって挿通孔を形成することで、弾性体からなる防振クランプを比較的、容易に製造できるとともに、前記凹部の内周面に複数の突出部を設けることで、配管を遊嵌状態で保持できる挿通孔を容易に形成でき、該配管の振動を効果的に吸収することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意味するものではない。
(実施形態1)
<全体構成>
図1は、本発明の実施形態1に係る配管クランプ1(防振クランプ)の概略構成を示す。この配管クランプ1は、例えば合成ゴムなどの弾性材料によって一体成形されたもので、2本の配管を保持できるように2つの挿通孔2a,2aが形成されている。すなわち、前記配管クランプ1は、挿通孔2a,2aがそれぞれ形成される配管保持部2,2(保持部)と、それらの配管保持部2,2を連結する連結部3とによって構成され、詳しくは後述するが、略リング状の部材1aの外周面が内周側に位置するように該部材1aを裏返して、その一部を重ね合わせることで、該重ね合わせた部分が前記連結部3に、その両端部が前記配管保持部2,2になるように形成される。
前記配管保持部2,2は、連結部3の両端部に略円筒状に形成されたもので、その内部が配管の配置される挿通孔2a,2aとなっている。この挿通孔2a,2aは、図2に示すように、その一方の開口端部同士の間隔が他方の開口端部同士の間隔よりも狭くなるように、すなわち互いの軸線が非平行になって上面視で略ハの字状になるように形成されている。このように、挿通孔2a,2aを略ハの字に形成することで、該挿通孔2a,2a内に配置される配管に対して、該配管の軸方向に前記配管クランプ1が移動するのを防止することができる。つまり、前記配管クランプ1の配管の保持力を向上することができる。
前記挿通孔2a,2aの周面上には、それぞれ、全周に亘って内方に突出し且つ軸方向に長い複数の突出部2b,2b,…が設けられている。この突出部2b,2b,…は、厚みよりも突出長さの方が大きく、しかも、隣り合う突出部2bと重なるように前記各挿通孔2aの周方向一側に傾くように形成されている。これにより、図5に示すように前記挿通孔2a,2a内に配管7,7が位置している場合には、前記突出部2b,2b,…の側面が配管7,7の外周面に当接して、該配管7,7を支持することになるため、前記突出部2b,2b,…は径方向外方に弾性変形を生じやすくなる。このように配管7,7が挿通孔2a,2a内で保持されつつ、軸直角方向への移動が或る程度、許容された状態を遊嵌状態という。
このように、前記挿通孔2a,2aの周方向一側に倒れるように形成された突出部2b,2b,…の側面によって配管7,7を支持することで、該配管7,7が振動した場合でも、その動きを前記突出部2b,2b,…の径方向外方への弾性変形によって十分に吸収することができ、配管7,7の振動を効果的に低減することができる。
なお、前記図1では、突出部2b,2bの延びる方向が、左右の配管保持部2,2で同じになっているが、これに限らず、異なる方向に延びるように形成してもよい。
前記連結部3には、配管クランプ1を構成するリング部材1a(詳しくは後述する)の一部を一体化するための係合部4が設けられている。この係合部4は、図3及び図4に示すように、裏返す前の状態(図3)の前記リング部材1aの外周面から径方向外方に向かって延びる突起部5と、該リング部材1aの外周面が内周側に位置するように該リング部材1aを裏返した状態(図4)で前記突起部5に対向するような位置に形成される貫通穴6とからなる。前記突起部5は、先端側に傘状の膨出部5aが形成されており、この膨出部5aが前記貫通穴6を挿通し、その下端で裏返された後のリング部材1aの外周面と係合することで、該リング部材1aの一部が一体化されることになる。
なお、前記配管クランプ1を他の部材に固定する場合には、前記突起部5を他の部材に係合させるようにすればよい。この場合には、前記突起部5が、裏返された後のリング部材1aの外周面に係合した状態で、該外周面から外方に大きく突出するように該突起部5を形成して、その部分を前記他の部材に係合させるようにすればよい。
<製造方法>
以下で、前記配管クランプ1の製造方法について説明する。この配管クランプ1は、略リング状に形成された部材(リング部材)1aをその外周面が内周側に位置するように裏返して、係合部4の突起部5を貫通穴6に係合させることで得られる。
詳しくは、まず、図3に示すように、リング部材1aを合成ゴムなどの弾性材料によって一体成形する。すなわち、リング部材1aが、内方に向かって湾曲する一対の内方湾曲部1b,1b(突出部の形成部位)と、外方に向かって湾曲する一対の外方湾曲部1c,1c(突出部の非形成部位)とを有するように、すなわち正面視で略瓢箪形状になるように形成するとともに、前記内方湾曲部1b,1bの外周面上に、それぞれ、軸方向に長い複数の突出部2b,2b,…を一体形成する。この突出部2b,2b,…は、前記リング部材1aの外周の所定範囲に亘って所定間隔で、該リング部材1aの外周面に対して所定の傾きを有するように形成される。なお、前記所定範囲は、リング部材1aを裏返した状態で貫通孔2bを構成できるような範囲であり、前記所定の傾きは、リング部材1aを裏返して、突出部2b,2b,…が貫通孔2bの内周側に位置するようになった場合に、配管7を柔らかく保持し、振動を効果的に吸収できるような傾きに設定される。
上述のように、前記リング部材1aを略瓢箪形状に形成する、すなわち内方に湾曲する内方湾曲部1b,1bを設けることで、後述するように前記リング部材1aをその外周面が内周側に位置するように裏返した場合に、前記内方湾曲部1b,1bが配管クランプ1の挿通孔2a,2aを確実に構成するようになる。
また、前記リング部材1aには、前記内方湾曲部1b,1bの間の外周面上、すなわち外方に湾曲した外方湾曲部1cの外周面上に、略傘状の膨出部5aを有する突起部5が該リング部材1aと一体形成され、該突起部5の設けられた外方湾曲部1cに対向するもう一方の外方湾曲部1cに、貫通穴6が形成されている。
そして、上述のように形成したリング部材1aを、その外周面が内周側に位置するように裏返して、図4に示すような状態にする。この状態で、裏返されて外方に湾曲するようになった前記内方湾曲部1b,1bの内側にそれぞれ配管7,7を配置する。この際、前記外方湾曲部1c,1cに設けられた突起部5及び貫通穴6は、対向する位置に位置付けられるため、該突起部5を貫通穴6に係合させることで、前記外方湾曲部1c,1cは重ね合わされて一体となり、図5に示すように前記配管7,7を保持した状態となる。
これにより、前記一体となった外方湾曲部1c,1cが、配管保持部2,2を連結する連結部3となり、前記内方湾曲部1b,1bが挿通孔2a,2aの形成された配管保持部2,2を構成することになる。そして、該内方湾曲部1b,1bにそれぞれ形成された複数の突出部2b,2b,…は、挿通孔2a,2aの周面から内方に向かって突出し、該周面に対して所定の傾きを有することになる。上述のように、リング部材1aを裏返して防振クランプ1を形成することで、挿通孔2a,2aのそれぞれの周面に形成される複数の突出部2b,2b,…同士の間隔を比較的、広げることができるため、成形時に生じるバリによって突出部2b,2b,…同士が一体になるなどして該突出部2の機能が阻害されるのを確実に防止することができる。
以上より、本実施形態では、配管保持部2,2の挿通孔2a,2aの周面上に内方に突出する複数の突出部2b,2b,…を形成し、これらの突出部2b,2b,…を隣り合う突出部2b,2bと重なるような位置関係にすることで、配管7,7の外周面は前記各突出部2bの側面で支持されるため、挿通孔2aの径方向外方に大きく変形可能な該各突出部2bの弾性変形によって、配管7,7の振動を効果的に吸収することができる。
しかも、リング部材1aの外周面に複数の突出部2b,2b,…を形成し、該リング部材1aをその外周面が内周側に位置するように裏返すことによって、上述のような配管クランプ1を形成するようにしたので、前記突出部2b,2b,…を、成形時に発生するバリ等の影響を受けることなく正常に機能させつつ、配管クランプ1の一体成形が可能になり、該配管クランプ1の製造コストを低減することができる。
(実施形態2)
図6に示すように、実施形態2に係る配管クランプ11は、全体として略くの字状に形成されたもので、3本の配管を保持できるように3つの挿通孔2a,2a,2aが設けられている。すなわち、上述の実施形態1とは、配管を3本、保持できるように配管保持部を3つ設けた点が異なるだけなので、同一の部分には同一の符号を付し、実施形態1と異なる部分についてのみ以下で詳しく説明する。
すなわち、前記図6に示すように、配管クランプ11は、挿通孔2a,2a,2aの設けられた3つの配管保持部12,12,12が、連結部13,13で連結されて一体形成されたもので、前記実施形態1と同様、挿通孔2a,2a,2aの周面には、それぞれ、複数の突出部2b,2b,…が設けられている。そして、前記連結部13,13には、それぞれ、前記実施形態1と同様の構成を有する係合部4,4が設けられている。
前記配管クランプ11の製造方法は、上述の実施形態1に係る配管クランプ1の製造方法とは、最初に成形するリング部材11aの形状が異なるだけで、該リング部材11aをその外周面が内周側に位置するように裏返し、該リング部材11aの一部を重ね合わせて前記連結部13,13を構成するという点では同じであるため、以下では、主に前記リング部材11aの形状について説明する。
前記リング部材11aは、合成ゴムなどの弾性材料によって一体成形されたもので、図7に示すように、内方に向かって湾曲する内方湾曲部11b,11b,11b,11bと、外方に向かって膨出する外方膨出部11c,11c,11c,11cとが、交互に位置するように且つ内方湾曲部11b同士及び外方膨出部11c同士が対向するように形成されている。そして、前記内方湾曲部11b,11b,…の外周面上には、前記実施形態1と同様、それぞれ、軸方向に長い複数の突出部2b,2b,…が一体形成されていて、この突出部2b,2b,…は、所定間隔で該リング部材11aの外周面に対して所定の傾きを有するように形成されている。
また、前記外方膨出部11c,11c,…のうち、対向する該外方膨出部11c,11cには、一方に略傘形状の突起部5が、他方に貫通穴6が、それぞれ形成されている。
上述のような構成のリング部材11aを、その外周面が内周側に位置するように裏返すことで、前記内方湾曲部11b,11b,…によって挿通孔2a,2a,2aの形成された配管保持部12,12,12が構成されるとともに、前記外方膨出部11c,11c,…によって連結部13,13,13が構成されるようになっている。そして、前記内方湾曲部11b,11b,…によって構成される挿通孔2a,2a,2a内にそれぞれ配管7,7,7を配置した状態で、前記外方膨出部11c,11c,…に設けられた前記突起部5を貫通穴6に挿通させて、係合させることで、該外方膨出部11c,11c,…が一体になり、図8に示すように配管7,7,7を保持した状態となる。
なお、図6にも示すように、前記内方湾曲部11b,11b,…のうち、2つの内方湾曲部11b,11bがそれぞれ配管保持部12,12を構成するとともに、残りの2つの内方湾曲部11b,11bが組み合わされて1つの配管保持部12を構成するようになっている。
以上より、本実施形態では、3本の配管7,7,7を保持するための配管クランプ11を弾性材料によって一体成形することができ、製造コストの低減を図ることができる。しかも、この配管クランプ11では、図8に示すように、挿通孔2a,2a,2aの周面上に周方向一側に倒れるように設けられた複数の突出部2b,2b,…によって配管7,7,7が遊嵌状態で保持されるため、該配管7,7,7の振動をそれぞれ効果的に吸収することができる。
また、前記実施形態1と同様、リング部材11aを裏返すことで防振クランプ11が形成されるため、挿通孔2a,2a,2aの周面に設けられる複数の突出部2b,2b,…は、成形時のバリ等の影響を受けることなく、確実に配管7,7,…を遊嵌状態で保持することができる。
なお、この実施形態でも、前記実施形態1と同様、前記配管クランプ11を他の部材に固定する場合には、前記突起部5,5を他の部材に係合させるようにすればよい。また、前記実施形態1と同様、前記挿通孔2a,2a,2aのうち、少なくとも2つの挿通孔2a,2aの軸線が非平行になるように該挿通孔2a,2aを形成することで、配管の保持力を向上することができる。
(実施形態3)
図9に示すように、実施形態3に係る配管クランプ21は、全体として略リング状に形成されたもので、5本の配管7,7,…を保持できるように5つの挿通孔2a,2a,…が設けられている。すなわち、前記配管クランプ21は、挿通孔2a,2a,…がそれぞれ形成された5つの配管保持部22,22,…を、5つの連結部23,23,…によってリング状に連結したものである。そのため、前記配管クランプ21は、上述の実施形態1、2のように、リング部材を裏返して製造するのではなく、図10に示すように、2つのリング部材24,25を組合わせることによって組み立てられる。なお、前記挿通孔2a,2a,…及び連結部23,23,…の等構成は、上述の実施形態1、2と同様であるため、同じ部分には同一の符号を付し、異なる部分についてのみ以下で詳しく説明する。
前記配管クランプ21は、図10に示すように、外側リング部材24(第1リング部材)と、該外側リング部材24の内径よりも大きい外径を有し、該外側リング部材24の内側に同心状に嵌め込まれる内側リング部材25(第2リング部材)とからなるもので、これらのリング部材24,25はそれぞれ合成ゴムなどの弾性材料によって一体成形されている。
前記外側リング部材24の内周側には、略半円状の凹部24a,24a,…が周方向に亘って5箇所設けられていて、該各凹部24aの内周面には、内方に向かって延びる複数の突出部2b,2b,…が形成されている。そして、前記外側リング部材24における凹部24a,24a,…同士の間には、それぞれ、係合部4を構成する貫通穴6,6,…が形成されている。
一方、前記内側リング部材25の外周側にも、略半円状の凹部25a,25a,…が周方向に亘って5箇所設けられていて、該各凹部25aの内周面には、外方に向かって延びる複数の突出部2b,2b,…が形成されている。そして、前記内側リング部材25の外周面における凹部25a,25a,…同士の間には、それぞれ、係合部4を構成する突起部5,5,…が形成されている。
以上のような構成を有する前記内側リング部材25を外側リング部材24の内側に嵌め込むことで、該内側リング部材25の凹部25a,25a,…と、外側リング部材24の凹部24a,24a,…とによって挿通孔2a,2a,…が構成される。この際、該各挿通孔2a内に配管7が位置するように、前記内側リング部材25を外側リング部材24に嵌め込み、該内側リング部材25の外周面に設けられた突起部5,5,…を外側リング部材24に設けられた貫通穴6,6,…に係合させることで、図11に示すように、前記配管クランプ21は5本の配管7,7,…を保持した状態となる。
なお、前記配管クランプ21は、複数の配管7,7,…を束ねるためだけに用いるようにしてもよいし、略リング状の配管クランプ21の内側に他の部材を嵌合させて、該他の部材に固定するようにしてもよい。
以上より、本実施形態によれば、保持する配管7,7,…の本数が多くなっても配管クランプ21全体を弾性材料によって成形することができ、しかも、該配管クランプ21は、2つのリング部材24,25を嵌め合わせることによって形成されるため、製造コストを従来のものに比べて低減することができる。さらに、前記配管クランプ21に設けられた挿通孔2a,2a,…の周面に、それぞれ内方に突出する複数の突出部2b,2b,…を設けることで、挿通孔2aの周面に全周に亘って複数の突出部2b,2b,…を形成する場合に比べて、バリ等の発生が少なく成形も容易になるため、確実に配管7,7,…を遊嵌状態で保持する挿通孔2a,2a,…を容易に形成することができる。そして、上述の実施形態1、2と同様、前記突出部2b,2b,…によって配管7,7,…は遊嵌状態で保持されるため、該配管7,7,…の振動をそれぞれ効果的に吸収することができる。
また、前記防振クランプ21は、2つのリング24,25の嵌め合いによって形成されるため、それぞれの弾性復元力によって2つのリング24,25はより確実に一体化するとともに、該リング24,25の凹部24a,25aによって形成される挿通孔2aに対して径方向内方への付勢力を与えることができるため、該挿通孔2a内での配管7の保持力をより向上することができる。さらに、前記実施形態1と同様、前記挿通孔2a,2a,…のうち、少なくとも2つの挿通孔2a,2aの軸線が非平行になるように該挿通孔2a,2aを形成すれば、配管の保持力をさらに向上することができる。
(その他の実施形態)
本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記各実施形態では、挿通孔2a,2a,…の周面に全周に亘って突出部2b,2b,…を設けるようにしているが、この限りではなく、配管7の所定方向の支持剛性のみが小さくなるように、部分的に前記突出部2bを設けないようにしてもよい。
また、前記各実施形態では、複数本の配管7,7,…を保持できるように、複数の挿通孔2a,2a,…を設けるようにしているが、この限りではなく、挿通孔2aは1つでもよい。なお、このように挿通孔2aを1つだけ設ける場合には、連結部を設けることなく、1つの配管保持部に他の部材との接続部を設けるようにするのが好ましい。
さらに、前記実施形態3では、配管クランプ21は5本の配管7,7,…を保持するように構成されているが、この限りではなく、例えば、4つの挿通孔2a,2a,…を設けて4本の配管7,7,…を保持するようにしてもよいし、6本以上の配管7,7,…を保持するようにしてもよい。なお、4本以上の配管7,7,…を保持する場合にも、前記実施形態1、2のように、配管保持部を連結部によって直列に連結した構成を有する配管クランプを用いるようにしてもよい。
本発明の実施形態1に係る配管クランプの全体構成を示す斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 一体成形したリング部材の全体構成を示す斜視図である。 リング部材の外周面が内周側に位置するように該リング部材を裏返した状態を示す斜視図である。 配管クランプが配管を保持した状態を示す斜視図である。 実施形態2に係る配管クランプの全体構成を示す斜視図である。 一体成形したリング部材の全体構成を示す斜視図である。 配管クランプが配管を保持した状態を示す斜視図である。 実施形態3に係る配管クランプの全体構成を示す斜視図である。 配管クランプを構成する外側リング部材及び内側リング部材の全体構成を示す斜視図である。 配管クランプが配管を保持した状態を示す斜視図である。
1、11、21 配管クランプ(防振クランプ)
1a、11a リング部材
1b、11b 内方湾曲部(突出部の形成部位)
1c 外方湾曲部(突出部の非形成部位)
2、12、22 配管保持部(保持部)
2a 挿通孔
2b 突出部
3、13、23 連結部
4 係合部
5 突起部
6 貫通穴
7 配管
11c 外方膨出部(突出部の非形成部位)
24 外側リング部材(第1リング部材)
24a 凹部
25 内側リング部材(第2リング部材)
25a 凹部

Claims (3)

  1. 複数の配管をそれぞれ挿通孔に保持する複数の保持部を備えた防振クランプの製造方法であって、
    外周面上の少なくとも2箇所に、それぞれ周方向の所定範囲に亘って外方に向かい突出する複数の突出部が形成されたリング部材を、弾性体によって形成し、
    前記リング部材を、その外周面が内周側に位置するように裏返すとともに、前記突出部の形成部位に囲まれて前記挿通孔が形成されるように、前記突出部の非形成部位同士を重ね合わせることを特徴とする防振クランプの製造方法。
  2. 請求項において、
    リング部材における突出部の非形成部位の外周面上に外方に突出する突起部を設けるとともに、該リング部材をその外周面が内周側に位置するように裏返した状態で前記突起部に対向する別の非形成部位に貫通穴を設け、
    前記リング部材を裏返した後に、前記非形成部位同士が一体になるように前記突起部を貫通穴に係合させることを特徴とする防振クランプの製造方法。
  3. 複数の配管をそれぞれ挿通孔に保持する複数の保持部を備えたリング状の防振クランプの製造方法であって、
    内周面に複数の凹部が設けられ、且つ該各凹部にそれぞれ複数の突出部が形成された第1リング部材を弾性体によって形成し、
    前記第1リング部材の内径よりも大きい外径を有するとともに、外周面に前記第1リング部材の各凹部に対応するように複数の凹部が設けられ、且つ該各凹部にそれぞれ複数の突出部が形成された第2リング部材を弾性体によって形成し、
    前記第1及び第2リング部材の対応する凹部同士がそれぞれ組み合わされて、前記複数の挿通孔が形成されるように、前記第1リング部材の内側に前記第2リング部材を嵌合させることを特徴とする防振クランプの製造方法。
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