JP4591824B2 - サセプタ - Google Patents

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この発明はサセプタ、詳しくは半導体ウェーハの裏面からのオートドープ現象を低減するために、厚さ方向に貫通して複数の貫通孔が形成されたサセプタの改良に関する。
近年、MOSデバイス用のシリコン基板として、表面側と裏面側とのドーパント濃度が異なるエピタキシャルウェーハが開発されている。これは、ドーパントが高濃度に添加された低抵抗率のシリコンウェーハの表面に、このウェーハのドーパント濃度より低濃度のドーパントが添加されたエピタキシャル膜を成膜したものである。エピタキシャルウェーハは、MOSデバイスのゲート酸化膜の歩留りが高まるとともに、寄生容量の低減、ソフトエラー(メモリの誤動作)の防止、高ゲッタリング能力などの優れた特性を有している。
エピタキシャル膜を成膜する装置としては、例えば枚葉式のエピタキシャル成長装置が知られている。これはコンパクトな反応室を有しており、ハロゲンランプによる輻射加熱方式を採用している。枚葉式の場合、均熱条件、ガス流れ分布の設計が容易であり、エピタキシャル膜の均一性を高めることが可能である。したがって、大口径のシリコンウェーハの処理用として好適な装置である。
近年、エピタキシャルウェーハへの品質要求として、エピタキシャル膜面内の比抵抗分布の均一化が強く求められている。しかしながら、エピタキシャル成長時には、高温にてエピタキシャル成長処理が実施されるため、エピタキシャル成長処理中にウェーハ内のドーパントがウェーハ裏面から外方拡散し、その拡散したドーパントが、ウェーハ表面側に回り込んでエピタキシャル膜内に取り込まれる現象が起きる。いわゆるオートドープ現象が発生している。このため、形成されたエピタキシャル膜面内において、ドーパント濃度のバラツキを生じる。特に、オートドーピングの影響が起こりやすいエピタキシャル膜の外周縁部の抵抗率が低下して、エピタキシャル膜面内の抵抗率分布が均一化しない問題が生じていた。
とりわけ、シリコンウェーハのドーパント濃度より低濃度のエピタキシャル成長を行う場合には、エピタキシャル膜中のドーパント濃度がウェーハ外周部において上昇する現象が見られる。その結果、エピタキシャル膜のドーパント濃度がスペック外となる領域が発生し、ウェーハの生産歩留まりの低下や特性低下を招くおそれがある。
これを解消する従来技術として、例えば特許文献1のサセプタが知られている。すなわち、サセプタの表側に形成され、貫通孔は、サセプターザグリ内の外周領域、シリコンウェーハを載置するポケットの底壁の最外周部に、貫通孔を形成したものである。これを使用して、エピタキシャル成長処理する方法が知られている。
しかしながら、貫通孔と対向するウェーハの部分では、エピタキシャル膜の微小な膜厚変化(***)が生じている。これにより、エピタキシャル膜の膜厚分布の均一性が低下し、エピタキシャル膜表面のフラットネス特性の劣化を招いていた。従来は、この程度の微小な変動は問題視されなかったが、デバイスの微細化に伴い、このような若干の変動がウェーハの生産歩留まり、デバイス歩留まりに影響を及ぼしてきた。この現象は、シリコンウェーハのうち、熱伝導の関係で貫通孔との対向部分が、他の部分に比べて局部的に高温化し、エピタキシャル膜の成長速度が大きくなるためと推察される。
そこで、この問題を解消する従来技術として、例えば貫通孔を縮径化する方法を採用した特許文献2のサセプタが知られている。貫通孔を小さくすると(内径2mm以下が好ましい)、反応室の下側から貫通孔を通して、直接、加熱されるウェーハの部分の面積が小さくなる。その効果により、エピタキシャル膜の面内がより均一に加熱されることで、エピタキシャル膜成長速度のエピタキシャル膜面内での部分的なバラつきが抑制される。その結果、エピタキシャル膜の膜厚分布の均一性が向上し、エピタキシャル膜表面のナノトポロジーが改善される(図8のグラフ)。ナノトポロジーとは、nmレベルの面粗さ(変化量の絶対値)である。
特開平10−223545号公報 特開2003−229370号公報
前述の通り、貫通孔の縮径化により貫通孔に対向するウェーハ部分の膜厚分布の均一性が高まり、かつウェーハ表裏面のナノトポロジーも改善されることがわかった。しかしながら、特許文献2における貫通孔の径小化には、径小孔の場合、孔内でのSiC膜の非成膜という問題が存在する。すなわち、ウェーハへの汚染の問題が懸念されている。そのため、特許文献2では、直径0.7mmの貫通孔により実現されるレベル以上のエピタキシャルウェーハ表面におけるナノトポロジーの改善は望めない。
また、特許文献1および特許文献2には、エピタキシャルウェーハの表面におけるナノトポロジーの改善については開示されているものの、エピタキシャルウェーハの裏面のナノトポロジーについては、何ら改善方法が記載されてない。今日、高集積デバイスに供されるウェーハには、デバイス活性領域にあたる表面側のみならず裏面側の面粗さについても、ナノレベルの品質コントロールが要求されてきた。しかしながら、従来はそこまでの厳格な要求が無かったことも有り、特許文献1および特許文献2では、それに対応できなかった。
貫通孔の径小化は、このようにウェーハ表面のナノレベルの改善(表面粗さの低減)には有効であるものの、貫通孔と対向したエピタキシャルウェーハの相対領域における不純物の濃度を高めてしまう。その結果、エピタキシャルウェーハの電気特性(例えばライフタイム)が低下していた。このように不純物の濃度が高まるのは、貫通孔が微細化されたことで、サセプタに対する貫通孔の形成後に行われるワイプ材などを用いた孔部分の洗浄と、続く塩素系の高純度化処理ガス中での高純度化処理(約2000℃)とを施しても、貫通孔に残った不純物を十分に除去することができないためである。
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、サセプタの貫通孔の開口部分を拡径構造(開口部の面積が拡大した構造)とすれば、エピタキシャルウェーハの表面のさらなるナノトポロジーの改善と、エピタキシャルウェーハの裏面ナノトポロジーの改善とが図れ、しかも貫通孔の小径化に伴うエピタキシャルウェーハのライフタイム特性の劣化も同時に改善することができることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、オートドープ現象を防ぐことができ、かつエピタキシャルウェーハの表裏面のナノトポロジーと、貫通孔の小径化に伴うエピタキシャルウェーハのライフタイムの劣化とを同時に改善することができるサセプタを提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、反応室に収納され、半導体ウェーハが表面に載置されるとともに、厚さ方向に貫通して複数の貫通孔が形成されたサセプタにおいて、各貫通孔の形成部の表面側および裏面側のうち、少なくとも表面側には、対応する貫通孔の他の部分より開口面積が大きい拡大開口部が、前記他の部分と連通状態で設けられ、前記貫通孔の他の部分と拡大開口部とは、その全長にわたって、長さ方向に直交する断面形状がそれぞれ円形で、前記貫通孔の他の部分の直径は0.7〜1.5mmで、前記拡大開口部の直径は、対応する他の部分の直径の1.1〜3倍であるサセプタである。
請求項1に記載の発明によれば、サセプタには、厚さ方向に貫通した貫通孔が複数形成されている。そのため、エピタキシャル成長中、半導体ウェーハの裏面から外方拡散したドーパントは、ウェーハ表面側に回り込むことなく、貫通孔を通して反応室の下側空間に排出される。その結果、オートドープ現象によりエピタキシャル膜内に取り込まれるドーパントを抑制することができる。
しかも、各貫通孔の形成部の表面側および裏面側のうち、少なくとも表面側に拡大開口部を有するので、半導体ウェーハの各貫通孔と対向する部分の高温化が抑制される。その結果、エピタキシャルウェーハの表面のナノトポロジーだけでなく、裏面のナノトポロジーも改善される。
さらに、貫通孔に拡大開口部が存在することで、貫通孔を径小化しても、サセプタ作製工程の貫通孔の孔あけ加工後に行われる貫通孔の洗浄が比較的容易になる。しかも、続くサセプタの高純度処理工程では、塩素系の高純度化処理ガスを十分に孔中に回り込ませることができる。これにより、径小な貫通孔に残った不純物を良好に除去することができる。その結果、エピタキシャル成長中、貫通孔と対向した半導体ウェーハの裏面部分における貫通孔内の不純物による汚染を低減することができる。よって、貫通孔の径小化に伴うエピタキシャルウェーハのライフタイム特性の劣化を防止することができる。
半導体ウェーハの各貫通孔と対向する部分の高温化が抑制される明確な理由は不明である。おそらく、各貫通孔の少なくとも表面側の端部の開口面積が拡大しているので、反応室の下方に存在する熱源から、各貫通孔を通して半導体ウェーハの裏面に対して放射された熱の輻射量が低減したものと考えられる。
一方、ライフタイムが改善されたメカニズムについては、このように各貫通孔の端部の開口面積が拡大しているので、サセプタの作製時、サセプタを高純度化する塩素系の熱処理ガスが貫通孔に流れ込み易くなり、貫通孔の内壁が高純度化されたことと、SiC成膜時少なくとも片側が拡大開口したことにより、SiC成膜状態が向上したためと考えられる。
半導体ウェーハとしては、シリコンウェーハ、ゲルマニウムウェーハまたはSiCウェーハなどを採用することができる。
サセプタの素材は限定されない。例えば、炭素基材の表面にSiC被膜をコーティングしたものを使用する。サセプタの形状は円板状である。
サセプタは、単なる平板形状でもよいし、半導体ウェーハを収納するポケットが形成されたものでもよい。
貫通孔はサセプタの全域に形成してもよいし、サセプタの一部(例えば外周部)でもよい。
拡大開口部は、貫通孔の表面側だけに形成してもよいし、貫通孔の裏面側だけに形成してもよい。また、貫通孔の表面側と裏面側との両方に形成してもよい。
また、貫通孔の他の部分の直径を0.7〜1.5mmとし、また拡大開口部の直径を、対応する他の部分の直径の1.1(0.77mm)〜3倍(4.5mm)とすることで、エピタキシャルウェーハの表裏面のナノトポロジーを、より改善することができる。
貫通孔の他の部分と拡大開口部とは、長さ方向に直交する断面形状がそれぞれ円形であればよい。例えば、各全長にわたって断面積が一定となった円形でもよい。また、それらの長さ方向の一部または全部が、外方に向かって徐々に拡径化したラッパ形状でもよい。さらには、それらの長さ方向の一部に、任意の大きさの拡径部およびまたは縮径部が存在してもよい。
貫通孔の他の部分の直径が0.7mm未満では、現在のSiC成膜技術によればサセプタの貫通孔に十分なSiCを成膜・形成することは困難である。また、1.5mmを超えると、拡大開口部の有無に拘らず、エピタキシャルウェーハの表裏面のナノトポロジーの改善は図れない。
拡大開口部の直径が他の部分の直径の1.1倍未満では、拡径構造による効果が小さく、エピタキシャルウェーハの表裏面のナノトポロジーは僅かしか改善されない。また、3倍を超えるとエピタキシャルウェーハの表裏面のナノトポロジーの改善効果が低下する。
拡大開口部の直径の、他の部分の直径に対するより好ましい倍率は1.5〜2.0倍である。この範囲であれば、ナノトポロジ−とライフタイム特性の最良組み合わせというさらに好適な効果が得られる。
請求項1に記載のサセプタによれば、各貫通孔の形成部の表面側および裏面側のうち、少なくとも表面側に拡大開口部が存在するので、半導体ウェーハの各貫通孔と対向する部分の高温化が抑制される。これにより、オートドープ現象を防止することができ、しかもエピタキシャルウェーハの表裏面のナノトポロジーも改善することができる。さらに、貫通孔の径小化に伴うエピタキシャルウェーハのライフタイム特性の劣化も同時に改善することができる。
また、貫通孔の他の部分の直径を0.7〜1.5mmとし、拡大開口部の直径を、対応する他の部分の直径の1.1〜3倍としたことで、表裏面のナノトポロジーの改善という効果が得られる。
以下、この発明の実施例1に係るサセプタを説明する。
図1において、10はこの発明の実施例1に係るサセプタが組み込まれたエピタキシャル成長装置で、このエピタキシャル成長装置10は、凹面を有する円形の上側ドーム3と同じく円形の下側ドーム4とを有している。上側ドーム3および下側ドーム4は、石英などの透明な素材で形成されている。そして、上側ドーム3と下側ドーム4とを上下に対向して配設し、これらの両端は円環状のドーム取付体5の上下面にそれぞれ固定される。これにより、密閉された平面視して略円形の反応室2が形成される。
反応室2の上方および下方には、反応室2内を加熱するハロゲンランプ6が円周方向に略均等間隔で離間して複数個それぞれ設けられている。ドーム取付体5の所定位置には、反応室2にガスを、シリコンウェーハWの表面と平行(水平)に流入するガス供給口12が設けられる。また、ドーム取付体5の対向位置(ガス供給口と約180°離間した位置)には、反応室2内のガスをこの外部へ排出するガス排出口13が設けられている。これらのガス供給口12およびガス排出口13は、上下に離間して2つずつ設けられている。これは、シリコンウェーハWの表面側およびサセプタ裏面側にガス流れを形成するためである。シリコンウェーハWは、直径200mm、厚さ740μm、表面の面方位(100)、比抵抗15mΩcmのp型の片面鏡面シリコン単結晶ウェーハである。シリコンウェーハWの裏面には、シリコン酸化膜は形成されていない。
反応室2の高さ方向の中間部には、シリコンウェーハWを載置するサセプタ20が設けられている。反応室2は、サセプタ20を仕切りとして、上側空間と下側空間とに区画されている。サセプタ20は、反応室2内の高温に耐え得るように炭素基材の表面にSiC被膜をコーティングしたものが採用されている。これにより、炭素部材からなるサセプタ母材からの炭素汚染など、使用するサセプタ母材に起因した汚染を防ぐことができる。サセプタ20は所定厚さの円板状である。
また、サセプタ20の表面側には、シリコンウェーハWを載置する所定広さの円形の凹部であるポケット部24が設けられている。すなわち、サセプタ20の半径は載置するシリコンウェーハWのそれより大きい。ポケット部24の深さは、略シリコンウェーハWの厚さとほぼ同じ程度である。
サセプタ20のポケット部24の外周部の全域には、サセプタ20の厚さ方向に貫通した貫通孔30が一定ピッチで多数形成されている。各貫通孔30の表面側には、対応する貫通孔30の他の部分30aより開口面積が大きい拡大開口部(トレンチ部)30bが、前記他の部分30aと連通状態で設けられている。
各貫通孔30の長さは、ポケット部24の底壁の厚さと同程度の約2mmである。各貫通孔30における拡大開口部30bと他の部分30aとは、その全長にわたり、長さ方向に直交する断面形状がそれぞれ一定の直胴孔である。他の部分30aの直径d1は1mm(開口面積0.785mm)である。また、拡大開口部30bの直径d2は3mm(開口面積7.065mm)で、対応する他の部分30aの直径d1の3倍にあたる。拡大開口部30bの深さ(サセプタ20の厚さ)は0.3mmである。直胴孔の拡大開口部30bに代えて、例えばサセプタ20の表面に向かって徐々に拡径化したラッパ形状の拡大開口部30cを採用してもよい(図5)。また、各貫通孔30の形成部の表面側だけでなく、その裏面側にも拡大開口部30dを形成したものを採用してもよい(図7)。エピタキシャル成長中、シリコンウェーハWの裏面から外方拡散されるドーパントは、拡大開口部30bを含む各貫通孔30を通過して、反応室2の下側空間に排出される。反応室2の下側空間への反応ガスの排出力を高めるため、反応室2の下側空間は上側空間よりも負圧化されている。
サセプタ20の外周には、反応ガスをシリコンウェーハWと接触する直前に加熱する環状のプリヒートリング60が、その全周にわたり若干の隙間をあけて配置されている。プリヒートリング60は、その外周側がドーム取付体5の内周側に固着されている。プリヒートリング60は、炭化珪素を塗布した黒鉛材料からなる。プリヒートリング60は、透光性を有した上側ドーム3および下側ドーム4を通して、各ハロゲンランプ6から照射された光で加熱される。
サセプタ20は、その一部が裏面に当接するサセプタ支持部材18によって支持されている。サセプタ支持部材18は石英製で、中心部の支持材18dと、周方向に120°間隔をあけて放射状に形成された3本の支持材18a〜18cとを有している。サセプタ支持部材18の下部には、図示しない回転モータの出力軸と固定された軸部7が連結され、これにより、サセプタ20はサセプタ支持部材18とともに回転自在に設けられる。
サセプタ20には、エピ成膜後にシリコンウェーハWを下方から持ち上げるリフトピン9が3本設けられている。各リフトピン9は、サセプタ20およびサセプタ支持部材18に貫通した孔に挿通されて保持されている。
そして、上記軸部7の外周には、リフトアーム支持材25が軸部7と一体に配設されている。リフトアーム支持材25の上端部には、各リフトピン9を持ち上げる3本のリフトアーム11が、各リフトピン9に対応して設けられている。リフトアーム11、リフトアーム支持材25およびリフトピン9の各構造と各機能とは、従来のエピタキシャル成長装置のそれと、おのおの同じである。
これにより、シリコンウェーハWは、反応室2内でサセプタ20に載置されて回転しながら供給されたガスと反応して、その表面に所定厚さのエピタキシャル膜が成膜される。成膜後は、リフトアーム支持材25によりリフトアーム11を持ち上げ、サセプタ20の孔に挿入保持された各リフトピン9を所定高さだけ持ち上げる。これにより、サセプタ20のポケット部24からシリコンウェーハWが持ち上げられ、図示してない移載機構によりシリコンウェーハWが反応室2から排出される。
次に、実施例1のサセプタが組み込まれたエピタキシャル成長装置10により、シリコンウェーハWの表面にエピタキシャル膜を成膜する方法について説明する。
まず、シリコンウェーハWを準備する。次いで、このシリコンウェーハWを、その主面を上方にして反応室2内のサセプタ20のポケット部24に載置する。これは図示しない移載機構による。その後、反応室2を密閉する。それから、サセプタ支持部材18の軸部7を所定速度で回転させ、サセプタ20に載置されたシリコンウェーハWを回転させる。
次いで、まず反応室2内にシリコンウェーハWの表面と平行に水素ガスを供給し、ハロゲンランプ6で所定温度に加熱する。これにより、シリコンウェーハWに対して1130℃、20秒間の水素ベークを行う。その後、シリコンソースガスであるSiHClおよびボロンドーパントガスであるBが水素ガスで希釈された混合ガスを上側に、水素ガスを下側に各ガス供給口12から反応室2の上側空間と下側空間とにそれぞれ供給する。このときの流量は、10リットル/min〜100リットル/minである。同時に、反応室2内で反応などに使用された上記ガスをガス排出口13から排出する。
次に、反応室2の上方および下方に設けられたハロゲンランプ6により、反応室2内で熱を輻射させて反応室2内の温度を1100℃に保持する。これにより、厚さ約6μm、比抵抗10Ω・cmのP型のエピタキシャル膜が、均一にシリコンウェーハWの表面に成長する。このとき、シリコンウェーハWを保持するサセプタ20は、サセプタ支持部材18を介して、下方のハロゲンランプ6により均一にその輻射熱を受ける。
また、サセプタ20のポケット24の外周部には、多数の貫通孔30が形成されている。そのため、エピタキシャル成長中、シリコンウェーハWの裏面から外方拡散したドーパントは、ウェーハ表面側に回り込むことなく、各貫通孔30を通して反応室2の下側空間に排出される。その結果、オートドープ現象によりエピタキシャル膜内に取り込まれるドーパントを抑制することができる。これにより、エピタキシャル膜面内におけるドーパント濃度のバラツキが低減し、エピタキシャル膜の外周縁部の抵抗率が、エピタキシャル膜の中央部の抵抗率と略同じになり、エピタキシャル膜面内の抵抗率分布の均一化が高まる。
さらに、各貫通孔30の形成部の表面側には、拡大開口部30bがそれぞれ連通されている。これにより、シリコンウェーハWのうち、各貫通孔30と対向する部分の高温化が抑制される。そのため、エピタキシャルウェーハ表面のナノトポロジーだけでなく、エピタキシャルウェーハの裏面のナノトポロジーも改善される。
しかも、このように微細な貫通孔30に拡大開口部30bを設けたことで、例えばサセプタ20の作製時、孔あけ加工後の洗浄工程における貫通孔30からの不純物の除去効果を高めることができる。その結果、エピタキシャル成長中、貫通孔30と対向したシリコンウェーハWの裏面部分が不純物により汚染されるのを防止し、貫通孔30に対向するエピタキシャルウェーハのライフタイム特性劣化も同時に改善することができる。
シリコンウェーハWのうち、各貫通孔30と対向する部分の高温化が抑制された理由は明らかではない。おそらくは、反応室2の下方に存在するハロゲンランプ6から、各貫通孔30を通してシリコンウェーハWの裏面に対して放射された熱の輻射量が低減したものと考えられる。
一方、ライフタイムが改善された理由については、貫通孔30の端部に拡大開口部30bが連通されていることで、サセプタ20の作製時、例えばワイプ材などを使用して孔あけ加工後に行われる貫通孔30の洗浄が比較的容易になったことが挙げられる。さらには、続くサセプタ20の高純度処理工程で、サセプタ20を高純度化させる塩素系の高純度化処理ガスが拡大開口部30bを通して貫通孔30に流れ込み易くなり、それにより貫通孔30の内壁が高純度化されたことなどが考えられる。
ここで、図2を参照して、実施例1のサセプタ20(図2a)と、従来の直胴孔30Aを有したサセプタ20A(図2b)とを用い、シリコンウェーハWの表面にエピタキシャル膜をそれぞれ成膜した際において、ウェーハの裏面の粗さを比較した試験の結果を報告する。
実施例1のサセプタ20では、エピタキシャルウェーハの裏面の粗さ(凹凸)は、数nm程度であった。これに対して、従来のサセプタ20Aでは10数nmとナノトポロジーは劣化していた。
次に、図3のグラフを参照して、貫通孔の他の部分の直径に対して、拡大開口部の直径の倍率を変化させたとき、エピタキシャルウェーハの表裏面のナノトポロジーを比較した試験結果を示す。エピタキシャルウェーハ表面は、エピタキシャル膜面である。
貫通孔の表面側と他の部分との直径とが同じになる1.0倍の直胴孔(従来)の場合に比べて、1.1〜3倍のものは、エピタキシャルウェーハの表裏面の何れも、ナノトポロジーが改善された。特に、ウェーハの裏面ではその効果が高かった。なお、4.0倍では、エピタキシャルウェーハ表裏面のナノトポロジーの改善効果は低下した。
図4は、エピタキシャルウェーハのサセプタの孔無し部と対向する部分のライフタイム特性を基準値1.0としたとき、エピタキシャルウェーハのうち、従来の直胴の貫通孔と対向した部分のライフタイム特性と、この発明の拡大開口部(トレンチ部)を有する貫通孔と対向した部分のライフタイム特性とを比較した試験の結果を報告する。
直胴の貫通孔には、直径0.7mm(水準A)、直径1.5mm(水準B)という口径が異なる2種類について試験した。また、この発明の貫通孔の場合には、前記倍率が1.1倍のものと、3.0倍のものとを試験した。1.1倍の貫通孔は、水準Aの直胴部分(他の部分)をベースとしている。また、3.0倍の貫通孔は水準Bの直胴部分をベースとしている。
図4のグラフから明らかなように、エピタキシャルウェーハのうち、直胴孔(従来)と対向する部分のライフタイム特性に比べて、この発明の貫通孔と対向する部分のライフタイム特性の方が、前記基準値1.0に近かった。
ここで、ラッパ形状の拡大開口部30cを有する貫通孔30が形成されたサセプタ20(図5)を使用し、貫通孔の他の部分の直径に対して、拡大開口部の直径の倍率を変化させたとき、エピタキシャルウェーハ表裏面のナノトポロジーを比較した試験を示す(図6のグラフ)。
図3のグラフでの試験結果同様に、1.0倍の従来の直胴孔の場合に比べて、1.1〜3倍のものは、エピタキシャルウェーハの表裏面の何れも、ナノトポロジーは改善された。特に、ウェーハ裏面ではその効果が高かった。なお、4.0倍では、エピタキシャルウェーハ表裏面のナノトポロジーの改善効果は低下した。
この発明の実施例1に係るサセプタが組み込まれたエピタキシャル成長装置の反応室を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係るサセプタの使用状態の要部拡大断面図、および、そのサセプタを使用したエピタキシャル成長後のウェーハ裏面の粗さを示すグラフである。 従来手段に係るサセプタの使用状態の要部拡大断面図、および、そのサセプタを使用したエピタキシャル成長後のウェーハ裏面の粗さを示すグラフである。 貫通孔の他の部分の直径を基準とした拡大開口部の直径の倍率と、エピタキシャルウェーハの表裏面の各粗さの変化量の絶対値との関係を示すグラフである。 エピタキシャルウェーハにおけるサセプタの孔無し部、従来の直胴孔、この発明の貫通孔とそれぞれ対向した部分と、ライフタイム特性との関係を示すグラフである。 この発明の他の実施形態に係るサセプタの要部拡大断面図である。 貫通孔の他の部分の直径に対する拡大開口部の直径の倍率と、エピタキシャルウェーハの表裏面の各粗さの変化量の絶対値との関係を示すグラフである。 この発明の別の実施形態に係るサセプタの要部拡大断面図である。 貫通孔の孔径と、エピタキシャルウェーハの表裏面の各粗さの変化量の絶対値との関係を示すグラフである。
2 反応室、
20 サセプタ、
30 貫通孔、
30a 他の部分、
30b,30c 拡大開口部、
W シリコンウェーハ(半導体ウェーハ)。

Claims (1)

  1. 反応室に収納され、半導体ウェーハが表面に載置されるとともに、厚さ方向に貫通して複数の貫通孔が形成されたサセプタにおいて、
    各貫通孔の形成部の表面側および裏面側のうち、少なくとも表面側には、対応する貫通孔の他の部分より開口面積が大きい拡大開口部が、前記他の部分と連通状態で設けられ
    前記貫通孔の他の部分と拡大開口部とは、その全長にわたって、長さ方向に直交する断面形状がそれぞれ円形で、
    前記貫通孔の他の部分の直径は0.7〜1.5mmで、
    前記拡大開口部の直径は、対応する他の部分の直径の1.1〜3倍であるサセプタ。
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