JP4590975B2 - 動画像変換装置、動画像復元装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

動画像変換装置、動画像復元装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Description

本発明は、動画像変換装置、動画像復元装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。特に、動画像の圧縮および伸張処理を実行する構成において、人間の視覚特性を利用した適切な圧縮、伸張を行なうことにより、効率的なデータ量の削減を実現し、画質劣化を最小限に抑え、高品質な画像復元を実現可能とした動画像変換装置、動画像復元装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
動画像データは、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVDなどの記憶媒体への保存、あるいはネットワークを介した配信などにおいて、データ量を削減するためのデータ変換、すなわち圧縮処理が行なわれる。特に、近年、動画像データの高品質化、例えばHD(High Difinition)データなど、データ品質の改善が進んでおり、このデータの高品質化に伴ってデータ量が急激に増大している。このような状況において、動画像データの圧縮、復元処理における圧縮効率の改善や、復元データの品質劣化防止に関する技術について多くの検討、研究がなされている。
動画像のデータ量の圧縮方法としては、MPEGなどのインターフレーム符号化とイントラフレーム符号化を組み合わせた動画像符号化が代表的である。ところで、MPEGによる動画像符号化の符号化効率を向上するために、動画像に対して前処理を行う手法が数多く提案されている。
例えば、特許文献1は、順次走査方式の動画像の画素を半数に間引くことにより飛び越し走査方式の動画像へと変換した後に圧縮することで、画質の劣化を抑えつつ符号化効率の向上を可能とした構成を開示している。また、特許文献2は、前処理としてローパスフィルタを画像に適用することで、符号化後のブロック歪みの発生を抑制した構成を開示している。
しかし、これらの従来技術に開示されたデータ圧縮方法においては、以下のような問題がある。
(1)特許文献1(特開2000−32470)に開示された方式では、前処理終了時点でデータ量を半分にすることが可能で最終的な符号化効率の大幅な向上が期待できるが、動画の局所的な特性、すなわち、動きのある領域と無い領域の特徴を利用せずに一様な間引きを行っているため、画像全体に対して均一な劣化を生じさせてしまう。
(2)特許文献2(特開2001−352546)の方式は、特に低ビットレートで符号化した場合に発生するブロック歪みの抑制を意図したものであり、高ビットレートの符号化時にこの手法を適用することで符号化効率の向上や画質の劣化の抑制が可能であるとは限らない。
特開2000−32470号公報 特開2001−352546号公報
上述のように、いくつかの従来技術において、画像の劣化を抑えつつ符号化効率の向上を図る構成が開示されているが、これまでに開示されている圧縮方法では、圧縮画像データを復元し、再生した場合の画質劣化を十分に抑えるには至っていない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、人間の視覚特性を利用した適切な圧縮、伸張を行なうことにより、効率的なデータ量の削減を実現し、画質劣化を最小限に抑え、高品質な画像復元を実現可能とした動画像変換装置、動画像復元装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、
動画像データのデータ変換処理を実行する動画像変換装置であり、
動画像データを構成するフレーム毎にブロック分割処理を実行するブロック分割部と、
前記ブロック分割部において分割された各ブロックにおける被写体移動量を検出する移動量検出部と、
前記ブロック分割部の分割したブロックデータと、前記移動量検出部の検出した移動量情報とを入力し、ブロックデータの間引き処理を実行するブロック処理部とを有し、
前記ブロック処理部は、
間引き処理対象のブロックが、前記移動量検出部の検出した移動量と、処理態様決定するために予め規定した第1閾値、第2閾値と比較し、
検出した前記移動量が第1閾値以上である場合は移動量が大、
検出した前記移動量が第1閾値未満であり第2閾値以上である場合は移動量が中、
検出した前記移動量が第2閾値未満である場合は移動量が小、
であると判定し、前記移動量が大、中、小のいずれの分類に属するかに応じて実行する間引き態様を変更し、
前記移動量が大である場合は、空間間引き処理、
前記移動量が小である場合は、時間方向間引き処理、
前記移動量が中である場合は、空間間引き処理と時間方向間引き処理を実行し、
前記移動量が中である場合の時間方向間引き処理において、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なう構成であり、
前記ブロック処理部は、
時間方向間引き処理の実行においては、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なう構成であり、
予め規定した超解像効果発生条件を規定した式、すなわち、速度vピクセル/フレームで動く対象物をmピクセルで空間方向に間引いた場合の超解像効果発生条件を規定した下記式、
Figure 0004590975
ただしtは時間、Tはフレーム間隔、
上記式(式a),(式b)で示す超解像効果発生条件を満足する間引き態様を前記移動量情報に基づいて決定し、決定した間引き態様に一致するように間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なう構成であることを特徴とする動画像変換装置にある。
さらに、本発明の動画像変換装置の一実施態様において、前記ブロック処理部は、前記移動量が第1閾値未満の前記移動量が中または小の場合に実行する時間方向間引き処理の実行において、前記超解像効果発生条件を満足する移動量と間引き態様との対応関係に従って設定した間引き態様変更点となる移動量閾値であり、前記第1閾値未満の閾値である第3閾値と前記移動量情報との比較を実行し、前記移動量情報が前記第3閾値以上である場合は、時間軸に連続する間引き対象フレームを、前記移動量情報が前記第3閾値未満である場合に比較して少なく設定し、前記移動量情報が前記第3閾値未満である場合は、時間軸に連続する間引き対象フレームを、前記移動量情報が前記第3閾値以上である場合に比較して多く設定した時間軸方向の間引き処理を実行する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動画像変換装置の一実施態様において、前記ブロック処理部は、圧縮率1/2の時間方向間引き処理を連続4フレームを処理単位として実行する構成である場合、前記移動量情報が前記第3閾値以上である場合は、1番目のフレームと3番目のフレームを残し、2番目と4番目のフレームを間引く時間軸方向の間引き処理を実行し、前記移動量情報が前記第3閾値未満である場合は、1番目のフレームと4番目のフレームを残し、2番目と3番目のフレームを間引く時間軸方向の間引き処理を実行する構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の第2の側面は、
時間方向の間引き処理データを含む動画像変換データの復元処理を実行する動画像復元装置であり、
時間方向の間引き処理のなされた動画像変換データをブロック単位で入力し、時間軸方向の異なるフレームに対応する複数ブロックの画素値を補間処理によって算出し、複数フレームの復元ブロックを生成するブロック補間部を有し、
前記ブロック補間部は、
時間間引きされなかったフレームの入力ブロックを、より時間的に近い時間間引きフレームにコピーして復元ブロックを生成し、入力ブロック対応の移動量情報に従って、フレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成であり、
復元対象となる入力ブロックは、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理がなされたブロックであり、超解像効果発生条件を規定した式、すなわち、速度vピクセル/フレームで動く対象物をmピクセルで空間方向に間引いた場合の超解像効果発生条件を規定した下記式、
Figure 0004590975
ただしtは時間、Tはフレーム間隔、
上記式(式a),(式b)で示す超解像効果発生条件を満足するように前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理がなされたブロックであり、
前記ブロック補間部は、
前記移動量情報に基づく間引き処理によって間引かれたフレームを復元するように、復元対象として入力されたブロックの時間方向の間引き処理の態様に応じて、フレーム間での復元ブロックの移動方向を、より時間的に近いフレーム間移動となるように選択して、動画像データ復元を行なう構成であることを特徴とする動画像復元装置にある。
さらに、本発明の動画像復元装置の一実施態様において、前記ブロック補間部は、移動を伴う補間が実行されたブロックについてフィルタ処理による帯域制限処理を実行する構成を有することを特徴とする。
さらに、本発明の動画像復元装置の一実施態様において、前記動画像復元装置は、復元対象ブロックの移動量に基づいて、該ブロックが時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを判定し、前記ブロック補間部は、前記判定に基づいて選択された時間方向の間引きがなされたブロックについて、移動量情報に従ってフレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動画像復元装置の一実施態様において、前記動画像復元装置は、時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを示すフラグに基づいて、復元対象ブロックが時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを判定し、前記ブロック補間部は、前記判定に基づいて選択された時間方向の間引きがなされたブロックについて、移動量情報に従ってフレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成であることを特徴とする>
さらに、本発明の動画像復元装置の一実施態様において、前記動画像復元装置は、移動量検出部を有し、該移動量検出部の検出した移動量に従って、該ブロックが時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを判定し、前記ブロック補間部は、前記判定に基づいて選択された時間方向の間引きがなされたブロックについて、前記移動量に従ってフレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の動画像復元装置の一実施態様において、前記移動量検出部は、異なるフレームの対応ブロックに基づく動きベクトルを検出する処理を実行し、前記ブロック補間部は、前記動きベクトルに基づいて、フレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成であることを特徴とする。
さらに、本発明の第3の側面は、
動画像データのデータ変換処理を実行する動画像変換方法であり、
動画像データを構成するフレーム毎にブロック分割処理を実行するブロック分割ステップと、
前記ブロック分割ステップにおいて分割された各ブロックにおける被写体移動量を検出する移動量検出ステップと、
前記ブロック分割ステップにおいて分割したブロックデータと、前記移動量検出ステップにおいて検出した移動量情報とを入力し、ブロックデータの間引き処理を実行するブロック処理ステップとを有し、
前記ブロック処理ステップは、
間引き処理対象のブロックが、前記移動量検出ステップにおいて検出した移動量と、処理態様決定するために予め規定した第1閾値、第2閾値と比較し、
検出した前記移動量が第1閾値以上である場合は移動量が大、
検出した前記移動量が第1閾値未満であり第2閾値以上である場合は移動量が中、
検出した前記移動量が第2閾値未満である場合は移動量が小、
であると判定し、前記移動量が大、中、小のいずれの分類に属するかに応じて実行する間引き態様を変更し、
前記移動量が大である場合は、空間間引き処理、
前記移動量が小である場合は、時間方向間引き処理、
前記移動量が中である場合は、空間間引き処理と時間方向間引き処理を実行し、
前記移動量が中である場合の時間方向間引き処理において、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理を行ない、
時間方向間引き処理の実行においては、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更した間引き処理として、
予め規定した超解像効果発生条件を規定した式、すなわち、速度vピクセル/フレームで動く対象物をmピクセルで空間方向に間引いた場合の超解像効果発生条件を規定した下記式、
Figure 0004590975
ただしtは時間、Tはフレーム間隔、
上記式(式a),(式b)で示す超解像効果発生条件を満足する間引き態様を前記移動量情報に基づいて決定し、決定した間引き態様に一致するように間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なうことを特徴とする動画像変換方法にある。
さらに、本発明の動画像変換方法の一実施態様において、前記ブロック処理ステップは、前記移動量が第1閾値未満の前記移動量が中または小の場合に実行する時間方向間引き処理の実行において、前記超解像効果発生条件を満足する移動量と間引き態様との対応関係に従って設定した間引き態様変更点となる移動量閾値であり、前記第1閾値未満の閾値である第3閾値と前記移動量情報との比較を実行し、前記移動量情報が前記第3閾値以上である場合は、時間軸に連続する間引き対象フレームを、前記移動量情報が前記第3閾値未満である場合に比較して少なく設定し、前記移動量情報が前記第3閾値未満である場合は、時間軸に連続する間引き対象フレームを、前記移動量情報が前記第3閾値値以上である場合に比較して多く設定した時間軸方向の間引き処理を実行することを特徴とする。
さらに、本発明の動画像変換方法の一実施態様において、前記ブロック処理ステップは、圧縮率1/2の時間方向間引き処理を連続4フレームを処理単位として実行する場合、前記移動量情報が前記第3閾値以上である場合は、1番目のフレームと3番目のフレームを残し、2番目と4番目のフレームを間引く時間軸方向の間引き処理を実行し、前記移動量情報が前記第3閾値未満である場合は、1番目のフレームと4番目のフレームを残し、2番目と3番目のフレームを間引く時間軸方向の間引き処理を実行することを特徴とする。
さらに、本発明の第4の側面は、
時間方向の間引き処理データを含む動画像変換データの復元処理を実行する動画像復元方法であり、
時間方向の間引き処理のなされた動画像変換データをブロック単位で入力し、時間軸方向の異なるフレームに対応する複数ブロックの画素値を補間処理によって算出し、複数フレームの復元ブロックを生成するブロック補間ステップを有し、
前記ブロック補間ステップは、
時間間引きされなかったフレームの入力ブロックを、より時間的に近い時間間引きフレームにコピーして復元ブロックを生成し、入力ブロック対応の移動量情報に従って、フレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なうステップであり、
復元対象となる入力ブロックは、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理がなされたブロックであり、超解像効果発生条件を規定した式、すなわち、速度vピクセル/フレームで動く対象物をmピクセルで空間方向に間引いた場合の超解像効果発生条件を規定した下記式、
Figure 0004590975
ただしtは時間、Tはフレーム間隔、
上記式(式a),(式b)で示す超解像効果発生条件を満足するように前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理がなされたブロックであり、
前記ブロック補間ステップは、
前記移動量情報に基づく間引き処理によって間引かれたフレームを復元するように、復元対象として入力されたブロックの時間方向の間引き処理の態様に応じて、フレーム間での復元ブロックの移動方向を、より時間的に近いフレーム間移動となるように選択して、動画像データ復元を行なうステップであることを特徴とする動画像復元方法にある。
さらに、本発明の動画像復元方法の一実施態様において、前記ブロック補間ステップは、移動を伴う補間が実行されたブロックについてフィルタ処理による帯域制限処理を実行するステップを有することを特徴とする。
さらに、本発明の動画像復元方法の一実施態様において、前記動画像復元方法は、さらに、復元対象ブロックの移動量に基づいて、該ブロックが時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを判定するステップを有し、前記ブロック補間ステップは、前記判定に基づいて選択された時間方向の間引きがなされたブロックについて、移動量情報に従ってフレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なうことを特徴とする。
さらに、本発明の動画像復元方法の一実施態様において、前記動画像復元方法は、さらに、時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを示すフラグに基づいて、復元対象ブロックが時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを判定するステップを有し、前記ブロック補間ステップは、前記判定に基づいて選択された時間方向の間引きがなされたブロックについて、移動量情報に従ってフレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なうことを特徴とする。
さらに、本発明の動画像復元方法の一実施態様において、前記動画像復元方法は、さらに、移動量検出ステップを有し、該移動量検出ステップにおいて検出した移動量に従って、該ブロックが時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを判定し、前記ブロック補間ステップは、前記判定に基づいて選択された時間方向の間引きがなされたブロックについて、前記移動量に従ってフレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なうことを特徴とする。
さらに、本発明の動画像復元方法の一実施態様において、前記移動量検出ステップは、異なるフレームの対応ブロックに基づく動きベクトルを検出する処理を実行するステップであり、前記ブロック補間ステップは、前記動きベクトルに基づいて、フレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なうことを特徴とする。
さらに、本発明の第5の側面は、
動画像変換装置において、動画像データのデータ変換処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、前記データ変換処理は、
ブロック分割部に、動画像データを構成するフレーム毎にブロック分割処理を実行させるブロック分割ステップと、
移動量検出部に、前記ブロック分割ステップにおいて分割された各ブロックにおける被写体移動量を検出させる移動量検出ステップと、
ブロック処理部に、前記ブロック分割ステップにおいて分割したブロックデータと、前記移動量検出ステップにおいて検出した移動量情報とを入力し、ブロックデータの間引き処理を実行させるブロック処理ステップとを前記動画像変換装置に実行させ、
前記ブロック処理ステップにおいては、
間引き処理対象のブロックが、前記移動量検出ステップにおいて検出した移動量と、処理態様決定するために予め規定した第1閾値、第2閾値と比較させ、
検出した前記移動量が第1閾値以上である場合は移動量が大、
検出した前記移動量が第1閾値未満であり第2閾値以上である場合は移動量が中、
検出した前記移動量が第2閾値未満である場合は移動量が小、
であると判定し、前記移動量が大、中、小のいずれの分類に属するかに応じて実行する間引き態様を変更させ、
前記移動量が大である場合は、空間間引き処理、
前記移動量が小である場合は、時間方向間引き処理、
前記移動量が中である場合は、空間間引き処理と時間方向間引き処理を実行させ、
前記移動量が中である場合の時間方向間引き処理において、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なわせ、
時間方向間引き処理の実行においては、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更した間引き処理として、
予め規定した超解像効果発生条件を規定した式、すなわち、速度vピクセル/フレームで動く対象物をmピクセルで空間方向に間引いた場合の超解像効果発生条件を規定した下記式、
Figure 0004590975
ただしtは時間、Tはフレーム間隔、
上記式(式a),(式b)で示す超解像効果発生条件を満足する間引き態様を前記移動量情報に基づいて決定し、決定した間引き態様に一致するように間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なわせることを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
さらに、本発明の第6の側面は、
動画像復元装置において、時間方向の間引き処理データを含む動画像変換データの復元処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、前記動画像データの復元処理は、
ブロック補間部に、時間方向の間引き処理のなされた動画像変換データをブロック単位で入力し、時間軸方向の異なるフレームに対応する複数ブロックの画素値を補間処理によって算出し、複数フレームの復元ブロックを生成させるブロック補間ステップを前記動画像復元装置に実行させ、
前記ブロック補間ステップにおいては、
時間間引きされなかったフレームの入力ブロックを、より時間的に近い時間間引きフレームにコピーして復元ブロックを生成し、入力ブロック対応の移動量情報に従って、フレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なわせ、
復元対象となる入力ブロックは、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理がなされたブロックであり、超解像効果発生条件を規定した式、すなわち、速度vピクセル/フレームで動く対象物をmピクセルで空間方向に間引いた場合の超解像効果発生条件を規定した下記式、
Figure 0004590975
ただしtは時間、Tはフレーム間隔、
上記式(式a),(式b)で示す超解像効果発生条件を満足するように前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理がなされたブロックであり、
前記ブロック補間ステップにおいては、
前記移動量情報に基づく間引き処理によって間引かれたフレームを復元するように、復元対象として入力されたブロックの時間方向の間引き処理の態様に応じて、フレーム間での復元ブロックの移動方向を、より時間的に近いフレーム間移動となるように選択して、動画像データ復元を行なわせることを特徴とするコンピュータ・プログラムにある。
なお、本発明のコンピュータ・プログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体、例えば、CDやFD、MOなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの通信媒体によって提供可能なコンピュータ・プログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、コンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づく、より詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
本発明の動画像変換装置および方法によれば、移動量に応じて、時間方向間引きの態様を変更することで超解像効果を持つデータを生成することが可能となり、データ量は削減されているにもかかわらず、復号化時の画像劣化を抑制した高品質なデータを生成することができる。
本発明の動画像変換装置および方法によれば、動画像データを構成するフレーム毎にブロック分割を行い、各ブロックにおける被写体移動量を検出し、移動量に基づいて決定した態様の空間間引き処理または時間方向間引き処理の少なくともいずれかの間引き処理を実行する構成とし、時間方向間引き処理の実行においては、移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なう構成としたので、移動量に応じた最適な時間方向間引き、すなわち超解像効果を持つデータを生成が可能となり、データ量は削減されているにもかかわらず、復号化時の画像劣化を抑制した高品質なデータを生成することができる。
さらに、本発明の動画像復元装置および方法によれば、時間方向の間引き処理のなされた動画像変換データをブロック単位で入力し、時間軸方向の異なるフレームに対応する複数ブロックの画素値を補間処理によって算出し、複数フレームの復元ブロックを生成するブロック補間部において、補間処理対象のブロック対応の移動量情報を入力し、該移動量情報に従ってフレーム間で復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成としたので、超解像効果を持つ復元データの生成が可能となり、画像劣化を抑制した高品質な復号データを生成することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の動画像変換装置、動画像復元装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラムの構成について説明する。なお、説明は、以下の項目に従って行なう。
(1)超解像効果を利用した動画像変換装置の基本構成
(2)本発明に従った動画像圧縮処理を実行する装置および方法
(3)本発明に従った動画像伸張処理を実行する装置および方法
[(1)超解像効果を利用した動画像変換装置の基本構成]
まず、本発明のベースとなる超解像効果を利用した動画像圧縮を実行する動画像変換装置の基本構成について説明する。なお、この基本構成は、本出願人が先に出願した特願2003−412501号に詳細を記載しているものであり、画像を小領域(ブロック)に分割し、各領域の移動速度に応じて画素数の間引きや、フレームレートの間引きを適応的に行うことでデータ量の圧縮を実現した構成である。
図1に特願2003−412501号に記載した動画像変換装置10の構成例を示す。この動画像変換装置10は、超解像効果を利用した動画像変換処理を行うことにより、データ量の削減による画質劣化を観測者が知覚しないようにデータ量の削減を行うことができる構成としたものである。
なお、超解像効果とは、観測者が、空間方向に離散的にサンプリングされた移動被写体を追従視する際に、表示画素数以上の解像度を知覚するという視覚的効果である。これは、人間は、ある時間内に呈示された複数の画像が加算されたものを知覚するという視覚特性を持つためである。この特性は、ブロックの法則として知られる視覚の時間的積分機能に起因しており、例えば、"視覚情報ハンドブック,日本視覚学会編,pp.219−220"などに記載されている。ブロックの法則が成り立つ積分時間は、背景光の強度などの呈示条件によって変化するが、およそ25ms乃至100msであるという報告がある。
図1に示す動画像変換装置10は、時間的積分機能によって引き起こされる超解像効果を利用した動画像変換処理を行うことにより、画質劣化を観測者が知覚しないようにデータを削減する圧縮を行う構成としたものである。図1の動画像変換装置10の構成について説明する。
ブロック分割部11は、入力された動画像の各フレームを、所定画素の区分領域としてのブロックに分割し移動量検出部12に供給する。移動量検出部12は、ブロック分割部11から供給された各ブロックについての移動量を検出し、ブロックとその移動量を、ブロック処理部13に送信する。ブロック処理部13は、移動量検出部12から供給されたブロックに対して、その移動量に応じた動画像変換処理、すなわち圧縮処理を施し、データ量を削減する。ブロック処理部13は、その処理の結果得られた、データ量が削減されたブロックについてのデータを、出力部14に供給する。出力部14は、ブロック処理部13から供給された、データ量が削減されたブロックについてのデータを、ストリームデータとしてまとめて出力する。
次に、図2を参照して、各部の詳細について説明する。ブロック分割部11の画像蓄積部21には、動画像変換装置10に供給された動画像のフレームが入力される。画像蓄積部21は、入力されたフレームを蓄積する。画像蓄積部21は、蓄積したフレームの数がN枚(Nは正の整数)になる度に、そのN枚のフレームを、ブロック分割部22に供給するとともに、N枚のフレームの中のM番目に記憶したフレーム(以下、M番目のフレームと称する)を、移動量検出部12(移動量検出部31)に供給する。例えば、N=4とする。
ブロック分割部22は、画像蓄積部21から供給されたN枚のフレーム(連続するN枚のフレーム)のそれぞれを、ある大きさ(例えば8×8、16×16)のブロックに分割し、移動量検出部12(ブロック分配部32)に出力する。ブロック分割部22はまた、N枚のフレームの中の、画像蓄積部21でP番目に記憶されたフレーム(以下、P番目のフレームと称する)の各ブロックを移動量検出部12(移動量検出部31)に供給する。P番目のフレームは、M番目のフレームと異なるフレームである。
次に、移動量検出部12について説明する。移動量検出部12の移動量検出部31は、ブロック分割部11のブロック分割部22から供給されたP番目のフレームの各ブロックの動きベクトルを、画像蓄積部21から供給されたM番目のフレームを参照して例えばフレーム間のブロックマッチング処理を実行して検出し、検出した動きベクトルをブロック分配部32に供給する。動きベクトルは、フレーム間の水平方向(X軸方向)および垂直方向(Y軸方向)の移動量を表している。なお、移動量検出部31は、移動量検出の精度を向上させるために画像を拡大し、拡大画像を適用した移動量検出を行なう構成としてもよい。
移動量検出部12のブロック分配部32には、ブロック分割部22から、N個単位でブロック(N枚のフレームのそれぞれの同一位置にある合計N個のブロック)が供給され、移動量検出部31から、そのN個のブロックの中のP番目のフレームのブロックの移動量が供給される。ブロック分配部32は、供給されたN個のブロックと移動量を、ブロック処理部13の、その移動量に対応する処理を行うブロック処理部51乃至53の中のいずかに供給する。
具体的にはブロック分配部32は、移動量検出部31から供給された、1フレーム間の水平方向(X軸方向)または垂直方向(Y軸方向)の移動量が2ピクセル(画素)以上である場合、ブロック分割部22から供給されたN個のブロックと移動量検出部31から供給された移動量を、ブロック処理部51に出力する。また、1フレーム間の水平方向と垂直方向の移動量がともに2ピクセル未満で、かつ1ピクセル以上の場合、ブロック分配部32は、N個のブロックと移動量を、ブロック処理部53に出力する。移動量がそのほかの場合には、ブロック分配部32は、N個のブロックと移動量をブロック処理部52に供給する。
すなわちブロック分配部32は、移動量検出部21から供給された移動量に基づき、最適なフレームレートおよび空間解像度を決定し、そのフレームレートおよび空間解像度にしたがって画像データを変換する処理を行うブロック処理部51〜53に、ブロック画像を分配する。
次に、ブロック処理部13の詳細を説明する。ブロック処理部13は、上述したように3個のブロック処理部51乃至53で構成されている。ブロック処理部51は、移動量検出部12のブロック分配部32から供給された、連続するN(例えばN=4)枚のフレームのそれぞれの同一位置にある合計N個のブロック(水平方向または垂直方向の移動量が2ピクセル以上である場合のN個のブロック)に対して、画素数を、同様にブロック分配部32から供給された移動量に応じて間引く処理(空間方向間引き処理)を行う。
具体的には、1フレーム間の水平方向の移動量が2ピクセル(画素)以上である場合、ブロック処理部51は、処理対象のブロックが図3(a)に示すように4×4ピクセルで構成されているとき、水平方向の4画素のうち1つの画素値のみを選択して代表値とする。図3(b)の例では、P00乃至P30の4画素のうちP10のみを代表値(標本点)として有効にする。その他の画素値は無効とする。同様に、P01乃至P31の4画素に対してはP11を代表値(標本点)とし、P02乃至P32の4画素に対してはP12を代表値(標本点)とし、P03乃至P33の4画素に対してはP13を代表値(標本点)とする。
1フレーム間の垂直方向の移動量が2ピクセル以上である場合、ブロック処理部51は、ブロックが図3(a)に示すように4×4ピクセルで構成されているとき、垂直方向の4画素のうち1つの画素値を標本点として有効とする。図3(c)の例では、P00乃至P03の4画素のうちP01のみを標本点として有効にする。その他の画素値は無効とする。同様に、P10乃至P13の4画素に対してはP11を標本点とし、P20乃至P23の4画素に対してはP21を標本点とし、P30乃至P33の4画素に対してはP31を標本点とする。
ブロック処理部51は、このような空間方向間引き処理を、供給された連続するN(例えばN=4)枚のフレームのそれぞれの同一位置にある合計N=4個のブロックに対してそれぞれ施すので、各ブロックのデータ量が1/4に削減され、4個のブロック全体のデータ量が1/4に削減される。ブロック処理部51は、データ量が1/4に削減された4個のブロックについてのデータを、出力部14に供給する。
次に、図2に示すブロック処理部52の実行する処理について説明する。図2に示すブロック処理部52は、移動量検出部12のブロック分配部32から供給された連続するN枚のフレームのそれぞれの同一位置ある合計Nブロック(水平方向と垂直方向の移動量がともに1ピクセル未満である場合のN個のブロック)に対して、フレーム数を間引く処理(時間方向間引き処理)を行う。
具体的にはブロック処理部52は、図4に示すように、連続する4枚のフレームF1乃至F4のそれぞれの同一位置ある4個のブロックBiを、その中の1つのブロック(この例の場合、フレームF1のブロックBi)にするフレーム数の間引き(4フレーム間のフレーム数の間引き)を行う。ブロック処理部52は、このような時間方向間引き処理により、データ量が1/4に削減された4個のブロックについてのデータ(1個のブロック)を、出力部14に供給する。選択された1つのブロックの画素データが4フレームに対応する標本点データとなる。
ブロック処理部53は、移動量検出部12のブロック分配部32から供給された、連続するN枚のフレームのそれぞれの同一位置にある合計N個のブロック(水平方向と垂直方向の移動量が1ピクセル以上で、2ピクセル未満である場合のN個のブロック)に対して、画素数の間引き処理(空間方向間引き処理)とフレーム数の間引き処理(時間方向間引き処理)をそれぞれ行う。
ブロック処理部53は、ブロック処理部51における間引き処理とは異なり、図5に示すように、1フレーム間の水平方向の移動量が1ピクセル以上で、2ピクセル未満である場合、ブロック処理部53は、処理対象のブロックが図5(a)に示すように4×4ピクセルで構成されているとき、水平方向の4画素のうち2つの画素値のみを選択して代表値とする。図5(b)の例では、P00乃至P30の4画素のうちP00とP20のみを代表値(標本点)として有効にする。その他の画素値は無効とする。同様に、P01乃至P31の4画素に対してはP01とP21のみを代表値(標本点)とし、P02乃至P32の4画素に対してはP02とP22のみ代表値(標本点)とし、P03乃至P33の4画素に対してはP03とP23のみ代表値(標本点)とする。
1フレーム間の垂直方向の移動量が1ピクセル以上で、2ピクセル未満である場合、ブロック処理部53は、処理対象ブロックが図5(a)に示すように4×4ピクセルで構成されているとき、垂直方向の4画素のうち2つの画素値を有効とする。図5(c)の例では、P00乃至P03の4画素のうちP00およびP02を代表値(標本点)として有効にする。その他の画素値は無効とする。同様に、P10乃至P13の4画素に対してはP10およびP12を代表値(標本点)とし、P20乃至P23の4画素に対してはP20およびP22を代表値(標本点)とし、P30乃至P33の4画素に対してはP30およびP32を代表値(標本点)とする。
さらにブロック処理部53は、フレーム数の間引き処理を行う。具体的にはブロック処理部53は、連続する4枚のフレームF1乃至F4のそれぞれの同一位置ある4個のブロックに対して、その中の2つのブロックを有効にするフレーム数の間引き処理を実行する。フレーム数の間引き処理においては、ブロック処理部53は、ブロック処理部52における間引き処理と異なり、図6に示すように、連続する4枚のフレームF1乃至F4のぞれぞれの同一位置にある合計4個のブロックBiを、その中のいずれか2つ(図の例では、フレームF1、F3の2個のブロック)にするフレーム数の間引き(2フレーム間のフレーム数の間引き)を行う。選択された2つのブロックの画素データが4フレームに対応する標本点データとなる。この場合、図5を参照して説明した空間方向の間引きにおいて、すでに1ブロックに8つの標本点選択が実行済みであり、2ブロックから総計16の標本点が選択され、これらが4フレームに対応する標本点データとして設定されることになる。
ブロック処理部53は、図5を参照して説明したデータ量を1/2とする空間方向間引き処理と、図6を参照して説明したデータ量を1/2とする時間方向間引き処理を、供給された4個のブロックに対して施すので、結果として4個のブロックのデータ量が(1/2)×(1/2)=1/4に削減される。ブロック処理部53は、データ量が1/4に削減された4個のブロックについてのデータを、出力部14に供給する。
出力部14は、ブロック処理部13のブロック処理部51乃至53のそれぞれから供給された、データ量が削減されたN個のブロックについてのデータからストリームデータを生成する。
本出願人は、先に出願済みの特願2003−412501において、上述した動画像変換装置を提案した、この動画像変換装置は、人間の視覚特性を鑑みて、動画像の微小領域毎に移動速度情報に応じて最適なフレームレートと空間解像度を決定してデータ量の圧縮を行う構成であり、人間の視覚系における時間積分機能を利用し、動被写体を目で追いかけるときに生じる超解像効果に基づいて、移動量に応じて移動方向に空間的な間引き処理を行うことでデータ量の削減を行う構成である。
[(2)本発明に従った動画像圧縮処理を実行する装置および方法]
上述の動画像変換装置におけるデータ圧縮方法において、時間方向間引きを行なうと、以下のような問題が発生する場合がある。
(1)時間方向に間引かれたブロックと間引かれなかったブロックの互いの動きが不自然になる。
(2)時間方向に間引かれたブロックがある程度の高周波成分を持っていると、フリッカー状のノイズが発生する。
以下では、上記問題点を解決したデータ圧縮を実現する本発明に従った動画像圧縮処理を実行する装置および方法について説明する。
本実施形態における動画像変換装置の概略構成について説明する。図7は、本発明の一実施形態としての動画像変換装置の構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態の動画像変換装置は、処理対象となる動画像データを入力し、ブロック分割手段100において、動画像を構成するフレーム毎に所定領域のブロックに分割し、ブロックデータをn個存在する動画像圧縮手段102〜104へ出力する。ブロック合成手段105は、ブロックに分割され動画像圧縮手段によって処理された各ブロックの圧縮データをフレーム単位で合成してフレーム単位の圧縮動画像データとして符号化器106へ出力する。符号化器106は、MPEG圧縮等の動画の圧縮を行うことのできる既存の符号化器であり、圧縮フレームデータに対してさらにMPEG等のデータ圧縮を実行し、ネットワークへの出力、あるいは記憶媒体への格納等のために出力する。
本実施形態におけるブロック分割手段100および動画像圧縮手段102〜104の構成について図8以下を参照して説明する。図8は本実施形態におけるブロック分割手段100および動画像圧縮手段102〜104の構成を示すブロック図である。
処理対象となる動画像は、ブロック分割手段100内の画像蓄積部200において、Nフレーム分蓄積される。なお、本実施例ではN=4である。蓄積されたフレームはブロック分割部201においてある大きさのブロック、例えば8pixel×8pixelや16pixel×16pixel等のブロックに分解され、ブロック分配部203に送られる。また、この時の分割されたフレームのブロックサイズは移動量検出部202へ送られる。
移動量検出部202は、画像蓄積部200に蓄積されたフレームの内M番目とM+1番目のフレームを取得し、ブロック分割部201からのフレームが分割されたブロックのサイズに合わせたブロック単位で、既存の手法、例えばブロックマッチング手法等を用いてフレームの各々のブロックに関する動きベクトルを検出する。なお、本実施例ではM=2である。
さらに、検出された移動量を復号化に使用するため、移動量検出部202の検出した移動量情報は、出力207にて符号化器106に出力し、符号化器106において符号化される動画像と共に符号化する。なお、本実施例では、移動量検出部202は、Nフレーム中の連続する2フレームを用いたブロックマッチングによって移動量を算出する構成としたが、移動量検出部202の実行する移動量検出処理は、その他の方法を適用してもよい。さらに、2フレームに基づく移動量検出構成ではなく、Nフレーム中の全フレームという選択も含むどのようなフレームの組み合わせに基づいて移動量を算出しても良い。
ブロック分配部203は、各ブロックに対して異なる圧縮処理を行うブロック処理部2−4〜206へブロックを振り分ける処理を実行する。ブロック分配部203の入力は移動量検出部202から出力される各々のブロックの移動量と、ブロック分割部201から出力されるブロックに分割されたNフレーム分の画像データである。
ブロック分配部203は入力されたNフレーム分のブロックを、各ブロックの移動量に従い、ブロック処理部204〜206のいずれかに出力する。さらに、ブロック分配条件を復号化に使用する場合には、ブロック分配条件を、例えばブロック分配フラグとして設定した出力209を符号化器106に出力し符号化される動画像と共に符号化する。
ブロック分配部203は、ブロックの分配条件として移動量検出部202の検出した移動量情報を適用する。本実施例では、1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が2ピクセルを超えた場合にはブロック処理部a204、1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が2ピクセル未満、かつ1ピクセル以上の場合にはブロック処理部c206へ出力し、そのほかの場合にはブロック処理部b205へ出力する。
なお、ブロック分配部203における出力先決定のための上記条件はあくまでも本実施例のための一例であり、他の条件を適用してもよい。ブロック処理部208内の各々のブロック処理部204〜206は、ブロック分配部203から処理対象となるブロックデータと対応する移動量情報を受け取り、データ圧縮処理としての間引き処理を実行する。
ブロック処理部a204は入力されたブロックの画素数を、処理対象ブロックデータと同時に入力された対応する移動量に応じて空間間引き処理を実行する。本実施例では、水平方向の移動量が2ピクセル以上であるときにはブロック内の画素を1x4ピクセル単位の集合に分け、各集合の画素値を各集合に含まれる4つの画素の内いずれかの値にすることで画素数の間引きを実現している。また、垂直方向の移動量が2ピクセル以上であるときにはブロック内の画素を4x1ピクセル単位の集合に分け、各集合の画素値を各集合に含まれる4つの画素の内いずれかの値にする。これらの処理は、先に図3を参照して説明した処理と同様の処理である。さらに垂直・水平方向の移動量がともに2ピクセル以上であるときには、ブロック内の画素を2x2ピクセル単位の集合に分け、各集合の画素値を各集合に含まれる4つの画素の内いずれかの値にする。
本来、4画素の値を全て同一にすることは著しい画質の劣化を招くが、ブロック処理部a204は、1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が2ピクセルを超えたブロックについてのみ、これらの空間間引きを行なう構成であり、前述のブロックの法則として知られる視覚の時間的積分機能に起因して、超解像効果がもたらされ、観測者が、空間方向に離散的にサンプリングされた移動被写体を追従視する際に、表示画素数以上の解像度を知覚するという視覚的効果が発生し、観測者は、ほとんど画質の劣化を感ずることがない。すなわち、ブロックが十分な高速で移動しており、かつ動画像のフレームレートが十分大きければ、画質の劣化を人間が知覚することはできない。
ブロック処理部b205は入力されたブロックのフレーム数の間引き処理、すなわち時間方向の間引き処理を実行する。入力されるブロックはNフレーム画像中の同一位置ブロックN個である。本実施例では、あるブロックの水平方向、垂直方向の移動量がともに1ピクセル未満であった場合、入力された4個のブロックの全画素値を4個のブロックのうちいずれかのブロックの値にする。この処理は、先に図4を参照して説明した処理に相当する。
ブロック処理部c206は入力されたブロックの画素数とフレーム数の間引きを実行する。すなわち空間間引き処理と、時間方向の間引き処理との両者を実行する。基本的な動作はブロック処理部a204の空間間引き処理と、ブロック処理部b205の時間方向間引き処理とを組み合わせた処理を実行する。
ブロック処理部c206は、画素数の間引き量とフレーム数の間引き量が、ブロック処理部a204の空間間引き処理と、ブロック処理部b205の時間方向間引き処理とは異なる。まず空間間引きとしての画素数の間引き量に関しては、ブロック処理部a204のように4ピクセル単位で行うのではなく2ピクセル単位で行われる。つまりブロック処理部a204においては1x4、4x1、2x2の3通りの間引き方法が存在したが、ブロック処理部c206の実行する空間間引き処理は、1x2および2x1の2通りのみが存在する。すなわち、水平方向の移動量が1〜2ピクセルである場合、ブロック内の画素を1x2ピクセル単位の集合に分け、各集合の画素値を各集合に含まれる2つの画素の内いずれかの値にすることで画素数の間引きを実現している。また、垂直方向の移動量が1〜2ピクセルであるときにはブロック内の画素を2x1ピクセル単位の集合に分け、各集合の画素値を各集合に含まれる2つの画素の内いずれかの値にする。この処理は、先に、図5を参照して説明した処理に相当する。
また、ブロック処理部c206は、時間方向の間引き処理、すなわち、フレーム数の間引きも実行するが、ブロック処理部b205のように4フレーム単位で行うのではなく2フレーム単位で行うということに違いがある。この処理は、先に図6を参照して説明した処理に相当する。
さらに、本実施例のブロック処理部c206は、時間方向の間引き処理、すなわち、フレーム数の間引き処理の態様を、ブロックの移動量により異ならせて実行する。図9に本実施形態におけるブロック処理部c206の構成のブロック図を示す。
図9を参照してブロック処理部c206の処理について説明する。ブロック処理部c206に入力されたブロックはブロック蓄積部301にNフレーム分蓄積される。ここで蓄積されるブロックは、画像蓄積部200(図8参照)に蓄積されるフレーム数と等しいことが望ましい。
ブロック蓄積部301に蓄積されたブロックは、ブロック処理部c(1)305において空間間引き処理、すなわち、画素数の間引き処理が行われる。ここで行われる空間間引き処理が前述の1x2および2x1の2通りの空間間引きである。すなわち、水平方向の移動量が1〜2ピクセルである場合、ブロック内の画素を1x2ピクセル単位の集合に分け、各集合の画素値を各集合に含まれる2つの画素の内いずれかの値にすることで画素数の間引きを実現している。また、垂直方向の移動量が1〜2ピクセルであるときにはブロック内の画素を2x1ピクセル単位の集合に分け、各集合の画素値を各集合に含まれる2つの画素の内いずれかの値にする。この処理は、先に、図5を参照して説明した処理に相当する。
空間間引き処理が行われたブロックは、Nフレーム分をまとめてブロック分配部302へ出力され、ブロック分配部302はブロック移動量にしたがってNフレーム分のブロックをブロック処理部c(2)303またはブロック処理部c(3)304へ出力する。
ブロック分配部302における分配条件として、本実施例では1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が1.25ピクセル未満であればブロック処理部c(2)303、1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が1.25ピクセル以上であればブロック処理部c(3)304へ出力する。
ブロック処理部c206には1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が2ピクセル未満、かつ1ピクセル以上のブロックのみが分配されているため、最終的には、
1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が、
1ピクセル以上1.25ピクセル未満であればブロック処理部c(2)303、
1.25ピクセル以上2ピクセル未満であればブロック処理部c(3)304、
へ、それぞれのブロックが出力され、それぞれのブロック処理部において異なる態様で、時間方向間引き処理が実行される。
ブロック処理部c(2)303と、ブロック処理部c(3)304で実行する具体的な時間方向間引き処理について、図10、図11を参照して説明する。
まず、図10を参照して、ブロック処理部c(2)303の実行する時間方向間引き処理について説明する。ブロック処理部c(2)303は、1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が、1ピクセル以上1.25ピクセル未満のブロックに対する時間方向間引き処理を実行する。
ブロック処理部c(2)303への入力は連続する4フレームの同一位置から得られる4つのブロック321〜324である。ブロック321〜324は、ブロック321が1番目のフレーム、ブロック322が2番目のフレーム、ブロック323が3番目のフレーム、ブロック324が4番目のフレームから得られたものであり、ブロック321〜324の順に時系列に並んでいる。
ブロック処理部c(2)303に入力されたブロック321〜324は、既に、ブロック処理部c(1)305(図9参照)において、空間間引き処理が施されている。図10には、ブロック321〜324に横方向2×1での空間間引き結果として各ブロックに代表画素(標本点)として残された画素326〜329を示す。図10に示すとおり、空間間引きの結果、各ブロックの表画素(標本点)として残された画素326〜329はそれぞれ同じ値となっている。
ブロック処理部c(2)303はこの入力ブロック321〜324を時間方向へ1/2に間引く処理を行う。ブロック処理部c(2)303は、1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が、1ピクセル以上1.25ピクセル未満のブロックに対する時間方向間引き処理を実行する。本実施例では、ブロック処理部c(2)303において、1番目のフレームと4番目のフレームを残し、2番目と3番目のフレームを間引くことで時間方向の間引き処理を実行する。時間方向間引き処理結果がブロック331〜334である。
図10に示すように、時間軸方向に間引かれた結果、ブロック331と334が残され、ブロック332と333が間引かれる。この空間間引きによって、4フレーム分のブロックには、代表画素(標本点)336,337のみが残り、時間方向の間引きによって、データ量が1/2に削減される。この空間間引きによって、データ量が1/2に削減される。このブロックは、ブロック処理部c(1)305(図9参照)において、データを1/2とする空間間引き処理が施されているので、結果としてデータ量は1/4となる。
次に、ブロック処理部c(3)304の実行する時間方向間引き処理について説明する。ブロック処理部c(3)304は、1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が、1.25ピクセル以上2ピクセル未満のブロックに対する時間方向間引き処理を実行する。
ブロック処理部c(3)304への入力は、図11に示す連続する4フレームの同一位置から得られる4つのブロック351〜354である。またブロック351〜354は、ブロック351〜354の順に時系列に並んでいる。
ブロック処理部c(3)304に入力されたブロック351〜354は、既に、ブロック処理部c(1)305(図9参照)において、空間間引き処理が施されている。図11には、ブロック351〜354に横方向2×1での空間間引き結果として各ブロックに代表画素(標本点)として残された画素356〜359を示す。図11に示すとおり、空間間引きの結果、各ブロックの表画素(標本点)として残された画素356〜359はそれぞれ同じ値となっている。
ブロック処理部c(3)304はこの入力ブロック351〜354を時間方向へ1/2に間引く処理を行う。本実施例では、ブロック処理部c(3)304において、1番目のフレームと3番目のフレームを残し、2番目と4番目のフレームを間引くことで時間方向の間引き処理を実行する。時間方向間引き処理結果がブロック361〜364である。
図11に示すように、時間軸方向に間引かれた結果、ブロック361と363が残され、ブロック362と364が間引かれる。この空間間引きによって、4フレーム分のブロックには、代表画素(標本点)366,367のみが残り、時間方向の間引きによって、データ量が1/2に削減される。このブロックは、ブロック処理部c(1)305(図9参照)において、データを1/2とする空間間引き処理が施されているので、結果としてデータ量は1/4となる。
このように、ブロック処理部は、例えば、圧縮率1/2の時間方向間引き処理を連続4フレームを処理単位として実行する構成である場合、移動量が大きい場合は、1番目のフレームと3番目のフレームを残し、2番目と4番目のフレームを間引く時間軸方向の間引き処理を実行し、移動量が小さい場合は、1番目のフレームと4番目のフレームを残し、2番目と3番目のフレームを間引く時間軸方向の間引き処理を実行する。より、一般的に説明すると、ブロック処理部は、時間方向間引き処理の実行において、移動量が大きい場合は、時間軸に連続する間引き対象フレームを少なく設定し、移動量が小さい場合は、時間軸に連続する間引き対象フレームを多く設定した時間軸方向の間引き処理を実行する。
次に、図12に示すフローチャートに従って、ブロック処理部c206の処理について説明する。ブロック処理部c206は、ステップS101において、入力ブロックをNフレーム分蓄積する。ここで蓄積されるブロックは、画像蓄積部200(図8参照)に蓄積されるフレーム数と等しいことが望ましい。蓄積されたブロックは、ステップS102において画素数の間引き処理が行われる。ここで行われる空間間引き処理が前述の1x2および2x1の2通りの空間間引きであり、データ量が1/2に削減される。
空間間引き処理が行われたブロックは、ステップS103において、ブロックの移動速度に基づく時間間引き処理態様の振り分けが実行される。この分配条件として、本実施例では1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が、
1ピクセル以上1.25ピクセル未満であればブロック処理部c(2)303、
1.25ピクセル以上2ピクセル未満であればブロック処理部c(3)304、
として振り分けられ、それぞれのブロック処理部において異なる態様で、時間方向間引き処理が実行される。
ステップS104では、ブロック処理部c(2)303において、1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が1ピクセル以上1.25ピクセル未満のブロックに対して、図10を参照して説明した時間方向間引き処理、すなわち、連続する4フレーム中、第1および第4フレームの画素データを残し、第2および第3フレームの画素データを削除する態様の時間方向間引き処理が実行される。
また、ステップS105では、ブロック処理部c(3)304において、1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方が1.25ピクセル以上2ピクセル未満のブロックに対して、図11を参照して説明した時間方向間引き処理、すなわち、連続する4フレーム中、第1および第3フレームの画素データを残し、第2および第4フレームの画素データを削除する態様の時間方向間引き処理が実行される。
このように、本発明の動画像変換装置においては、1フレーム間の水平または垂直方向の移動量のうち値の大きい方について、
(a)移動量2ピクセル以上のブロック:データ量を1/4とする空間間引き処理(図3参照)、
(b1)移動量1.25ピクセル以上2ピクセル未満のブロック:データ量を1/2とする空間間引き処理(図5参照)と、データ量を1/2とする時間方向間引き処理であり連続する4フレーム中、第1および第3フレームの画素データを残し、第2および第4フレームの画素データを削除する態様の時間方向間引き処理(図11参照)、
(b2)移動量1ピクセル以上1.25ピクセル未満のブロック:データ量を1/2とする空間間引き処理(図5参照)と、データ量を1/2とする時間方向間引き処理であり連続する4フレーム中、第1および第4フレームの画素データを残し、第2および第3フレームの画素データを削除する態様の時間方向間引き処理(図10参照)、
(c)移動量1ピクセル未満のブロック:データ量を1/4とする時間方向間引き処理(図4参照)、
上記4種類の異なる態様での間引き処理を行なうことになる。
先に説明した「(1)超解像効果を利用した動画像変換装置の基本構成」における処理態様と異なる点は、空間方向間引きと、時間方向間引きを組み合わせて実行するブロック処理部c206(図8参照)での処理であり、このブロック処理部c206において、移動量に応じて異なる態様の時間方向間引き(図10、図11参照)を行なう点である。このように時間方向の間引き態様をブロックの移動量に応じて異なる態様で実行することにより、先に説明した「(1)超解像効果を利用した動画像変換装置の基本構成」における問題点、すなわち、
(1)時間方向に間引かれたブロックと間引かれなかったブロックの互いの動きが不自然になる。
(2)時間方向に間引かれたブロックがある程度の高周波成分を持っていると、フリッカー状のノイズが発生する。
という問題点が解決され、高品質な符号化データの生成が可能となる。
ブロック処理部c206において、ブロックの移動量に応じて異なる態様の時間方向間引き(図10、図11参照)を行なうことで、高品質な符号化データの生成が可能となる理由について説明する。なお、ここで、高品質な符号化データとは、前述のブロックの法則として知られる視覚の時間的積分機能に起因する超解像効果が発揮されるデータである。超解像効果が発揮されるデータであれば、観測者が、空間方向に離散的にサンプリングされた移動被写体を追従視する際に、画質の劣化を感ずることがない。ブロック処理部c206において、ブロックの移動量に応じて異なる態様の時間方向間引き(図10、図11参照)を行なうことで、超解像効果が発揮されるデータを生成することが可能となる。
空間方向に間引いた際に発生する高調波は、他のフレームにおいて発生する高調波により互いに打ち消されることで超解像効果は現れる。この時の条件は、速度v pixel/frameで動く対象物をm pixelで空間方向に間引いた場合に、下式(式1)を満足する場合である、
Figure 0004590975
上記(式1)の条件を満足すれば、空間方向にm pixelの間引きを行っても、超解像効果により高調波が打ち消され、人間は劣化を知覚できないことが知られている。ここで、視覚の時間特性には積分機能が存在するので、その積分期間内に折り返し成分を打ち消しあう、(式1)式を満足する複数組のフレームが存在すれば、打ち消しあう組み合わせのフレームだけを残し、他のフレームを削除することにより時間軸方向にフレームを間引くことが可能となる。
しかしながら、時間軸方向に間引くフレームを固定してしまうと、式(式1)を満足する打ち消しあうフレームの組み合わせは、ブロックの移動速度に依存して変化するので、ブロックの移動速度によっては高調波を打ち消すことができず、フリッカー状のノイズ等の主観的な画像劣化を生じる結果となる。
そこで、実施例に示すように、ブロックの移動速度に合わせて間引くフレームを変えることにより、式(式1)を満足する組み合わせのフレームを選択して間引くようにする。その結果、フリッカー状のノイズ等の主観的な画像劣化を抑制することが可能となる。以上のようにして本実施例の動画像処理装置による前処理を施され復号化された動画像は、符号化時に施された圧縮処理によりデータ量は削減されているにもかかわらず、復号化時の画像劣化を抑制することができる。
さらに、図13〜図16を参照して、本発明の間引き態様によって超解像効果の得られる理由について説明する。
速度v pixel/frameで動く対象物をm pixelで空間方向に間引いた場合に、超解像効果の得られる条件は、前述の式(式1)を満足する場合である。前述の式(式1)を、オイラーの公式で展開すると、以下の式(式2)が得られる。
Figure 0004590975
上記式(式2a),(式2b)を満足すれば、m pixelで空間方向に間引いた場合に、超解像効果が得られ、人間は、画像の劣化を知覚できないことが示されている。図13に、時間間引きをしない条件における空間間引き量:m=2ピクセル、移動量:v=1〜2ピクセル/フレームの超解像条件の変化を示す。ここで、視覚の時間特性により積分されるフレーム数を8とした。
図13において、実線が上記式(式2a)に対応し、点線が上記式(式2b)に対応する。基本的には、式2a,式2bとも=0となることが理想的な条件であるが、−1〜+1の範囲では人間は、ほとんど画像の劣化を感ずることなく、超解像効果にほぼ等しい効果を得ることが可能である。
図13において、実線および点線のグラフが−1〜+1の範囲にあるのは、移動量:v=1〜1.6ピクセル/フレームの移動量がある場合である。移動量:v=1.6〜2ピクセル/フレームでは、実線および点線のグラフが−1〜+1からはずれ、超解像効果が得られない。
図14は、連続する8フレーム:t=0〜8T中、
t=0,2T,4T,6Tのフレームを残し、
t=T,3T,5T,7Tのフレームを削除する、
という態様で時間方向間引きを実行した場合のグラフであり、空間間引き量:m=2ピクセル、移動量:v=1〜2ピクセル/フレームの超解像条件の変化を示す。実線が上記式(式2a)に対応し、点線が上記式(式2b)に対応する。この間引き態様は、先に図11を参照して説明した時間方向間引きの態様に相当する。
図14から、実線および点線のグラフが−1〜+1の範囲にあるのは、移動量:v=1.2〜1.8ピクセル/フレームの移動量がある場合である。移動量:v=1.0や、v=2.0ピクセル/フレーム付近では、実線および点線のグラフが−1〜+1からはずれ、超解像効果が得られない。
図15は、連続する8フレーム:t=0〜8T中、
t=0,3T,4T,7Tのフレームを残し、
t=T,2T,5T,8Tのフレームを削除する、
という態様で時間方向間引きを実行した場合のグラフであり、空間間引き量:m=2ピクセル、移動量:v=1〜2ピクセル/フレームの超解像条件の変化を示す。実線が上記式(式2a)に対応し、点線が上記式(式2b)に対応する。この間引き態様は、先に図10を参照して説明した時間方向間引きの態様に相当する。
図15から、実線および点線のグラフが−1〜+1の範囲にあるのは、移動量:v=1〜1.15ピクセル/フレームの移動量がある場合と、移動量:v=1.6〜1.8ピクセル/フレームの移動量がある場合である。
図14、図15から理解されるように、時間方向の間引き態様によって、超解像効果の得られる移動量の範囲が異なっている。従って、計測され移動量に応じて最適な時間方向間引きを実行することで、超解像効果を持つデータを生成することができるということになる。図16は、移動量:v=1.25ピクセルの前後で、時間方向の間引き態様を変更した処理を行った場合のグラフであり、空間間引き量:m=2ピクセル、移動量:v=1〜2ピクセル/フレームの超解像条件の変化を示す。実線が上記式(式2a)に対応し、点線が上記式(式2b)に対応する。
図16に示すグラフは、
移動量:v=1.0〜1.25では、4フレームt=0〜3T中の0,3Tを残し、T,2Tを間引く時間方向間引き処理(図10に相当)
移動量:v=1.25〜2.0では、4フレームt=0〜3T中の0,2Tを残し、T,3Tを間引く時間方向間引き処理(図11に相当)
を実行した場合のグラフである。
このグラフでは、v=1.0〜1.8ピクセル/フレームの範囲において、実線および点線のグラフが−1〜+1の範囲にあり、この範囲において超解像効果が得られることが示される。
このように、移動量に応じて、時間方向間引きの態様を変更することで超解像効果を持つデータを生成することが可能となり、データ量は削減されているにもかかわらず、復号化時の画像劣化を抑制した高品質なデータを生成することができる。
[(3)本発明に従った動画像伸張処理を実行する装置および方法]
次に、本発明に従った動画像伸張処理を実行する装置および方法について説明する。まず、以下において説明する動画像伸張を実行する動画像復元装置において、復元対象となる圧縮された動画像データについて説明する。
以下において説明する動画像復元装置の復元対象データは、上述したブロック毎の移動量に基づいて異なる間引き処理、すなわち空間間引き、時間間引きを実行したデータである。すなわち、先に説明した「(1)超解像効果を利用した動画像変換装置の基本構成」や、[(2)本発明に従った動画像圧縮処理を実行する装置および方法]に従って、ブロックの移動量に応じた空間間引き、時間方向間引き処理を実行した圧縮符号化データの復号、伸張処理を実行する。
すなわち、ブロック分割した動画像フレームデータにおいて、フレーム間の移動量が大である場合は、空間間引き処理を実行し、フレーム間の移動量が小である場合は、時間間引き処理を実行し、その中間である場合は、空間間引きと時間間引きを実行するという動画像の微小領域毎に移動速度情報に応じて最適なフレームレートと空間解像度を決定してデータ量の圧縮を行ったデータの復号、伸張処理を実行する。
以下において説明する動画像復元装置は、人間の視覚系における時間積分機能を利用し、動被写体を目で追いかけるときに生じる超解像効果に基づいて、移動量に応じて移動方向に空間的な間引き処理を行ったデータの復号、伸張処理を実行する。
まず、図17を参照して、復元処理対象となるデータの生成処理、すなわち間引き処理データについて説明する。図17に示すのは、先に[(2)本発明に従った動画像圧縮処理を実行する装置および方法]の欄において、図8を参照して説明した動画像変換装置に対応する構成であり、ブロック分割手段100、ブロック処理部208、ブロック合成手段105、符号化器106の構成は、図7、図8を参照して説明したと同様の処理を実行する構成であるので詳しい説明は省略する。
すなわち、ブロック分割した動画像フレームデータにおいて、フレーム間の移動量が大(例えば2ピクセル/フレーム以上)である場合は、ブロック処理部a204において空間間引き処理を実行し、フレーム間の移動量が小(例えば1ピクセル/フレーム未満)である場合は、ブロック処理部b205において時間間引き処理を実行し、その中間(例えば1〜2ピクセル/フレーム)である場合は、ブロック処理部c206において空間間引きと時間間引きを実行する。
各移動量に応じて異なる態様で間引き処理がなされた後、パック処理部371〜373においてパック処理がなされ、その後ブロック合成手段105においてブロック合成がなされる。ブロック合成手段105は異なる間引き処理が行われたブロックをNフレーム分の画像に合成する処理を行う。合成された画像はブロック毎に異なる圧縮処理としての間引き処理が行われた画像フレームデータとなり、その画像は符号化器106に送り符号化される。
ブロック合成手段105の役割は、ブロック処理部204〜206によって処理されたブロックを符号化器106により符号化可能な動画像として合成することにある。本実施例では、処理されたブロックを元のフレームに再構成し240fpsの動画像として符号化を行う。また、別の実施例では、符号化器において符号化可能なフレームレートが240fpsでない場合、本実施例では入力動画像のフレームレートを240fpsとし、ブロック合成手段105において符号化器106において符号化可能な60fps動画像に合成する。ただし、これらのフレームレート値は本実施例のための一例に過ぎず、実際はどのようなフレームレートであっても良い。
パック処理部a371、パック処理部b372、パック処理部c373はそれぞれ異なる動作をおこなう。まず第1のパック処理部a371の処理について図18を用いて説明する。パック処理部a371の入力はブロック処理部a204の出力である。ブロック処理部a204の出力は画素の空間間引き処理を施された連続する4フレームそれぞれから得られた4つのブロックである。すなわち、図3を参照して説明した態様での空間間引きが実行された4つのブロックである。
これらのブロックは図18においてブロック375〜378として表記している。これらのブロックの内部の1x4画素、例えば図18における画素380〜383では、ブロック処理部a204による空間間引きがなされ、全て同じ値に変換されている。具体的には、ブロック375の1x4画素の画素値は全てp1であり、他のブロック376〜378に関しても同様である。第1のパック処理部a371は、これら4つの画素値p1〜p4によって一つの1x4画素の領域を構成することでフレーム数を1/4にする処理を行なう。
すなわち、図18におけるブロック379はパック処理部a371の出力であり、ある1x4画素からなる画素領域384の画素値はp1からp4によって構成される。以上はブロック処理装置が水平方向の間引き処理、つまり、1x4画素に対する間引き処理を行った場合であり、4x1画素、2x2画素の場合においても同様のパック処理がパック処理部a371によって行われる。なお、図18に示す例においては画素値p1〜p4を左から順に並べることで画素領域384を構成したが、画素値を並べる順序については、様々な手法が適用できる。パックアルゴリズムと、復号、画素値補間処理において実行するアンパック処理のアルゴリズムが整合していればよい。
次に、第2のパック処理部b372の処理について説明する。パック処理部b372への入力はパック処理部a371と同様に連続する4フレームから得られる4つのブロックであるが、パック処理部a371と異なり、これらのブロックは、時間方向の間引きがなされたフレーム対応のブロック(図4参照)であり、選択された代表画素値は、フレーム共通であり、完全に同一な画素値を持つブロックとなる。従って、4つのブロックのうち適当な1つのブロックをパック処理部b372の出力とするパック処理を実行する。
続いて、第3のパック処理部c373の処理について、図19を参照して説明する。パック処理部c373への入力は他のパック処理装置と同様に連続する4フレームから得られる4つのブロックである。これらは、空間間引きと時間間引きの施されたブロックである。図19に示すように、これらのブロックのうち1番目と2番目のフレームから得られるブロック、すなわち、ブロック385とブロック386は同一の画素値(P1)391,392をもつ。また3番目と4番目のフレームから得られるブロック、すなわち、ブロック387とブロック388も同一の画素値(P3)393,394をもつ。
パック処理部c373は、2番目のフレーム対応のブロック386と、3番目のフレームから得られるブロック387の2つのブロックを用いて、パック処理を実行する。図18を参照して説明したパック処理部a371は、4画素単位での処理を実行したが、パック処理部c373は、2画素単位の処理となる。すなわち、図19の画素391〜394に示すように、隣接する2画素が同じ値となっており、これらの画素を画素395のように並べて出力ブロック389を構成することでフレームレートを1/4にすることができる。なお、図19では1x2画素単位での間引き処理について示したが、2x1画素単位で処理を行う場合も同様である。さらに、図19の出力ブロック389の画素395は、ではp2を左にp3を右に配置する設定としたが、画素値を並べる順序については、様々な手法が適用できる。パックアルゴリズムと、復号、画素値補間処理において実行するアンパック処理のアルゴリズムが整合していればよい。
次に、図20以下を参照して動画像伸張処理を実行する動画像復元装置の構成および処理について説明する。図20は、動画像復元装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態の動画像復元装置は、先に説明した「(1)超解像効果を利用した動画像変換装置の基本構成」や、[(2)本発明に従った動画像圧縮処理を実行する装置および方法]に従って、ブロックの移動量に応じた空間間引き、時間方向間引き処理を実行した圧縮符号化データの復号、伸張処理を実行する装置である。図20に示す動画像復元装置は、符号化された動画像データを入力して、復号化器400にて復号する。復号化器400における復号処理は、例えばMPEG符号化データの復号処理である。ブロック移動量取得手段402は、復号化器400より復号化されたブロック移動量を動きベクトルとして取得し、取得された動きベクトルをブロック移動量として時間間引きブロック判定手段403および空間間引きブロック判定手段404へ送る。
時間間引きブロック判定手段403は、ブロック移動量取得手段402より送られてきたブロック移動量からフレーム内の各ブロックが時間方向に間引かれているか否か、また、間引かれている場合はどのフレームが間引かれているかを判定し、その判定結果とブロック移動量をブロック補間手段401へ送る。
空間間引きブロック判定手段404は、ブロック移動量取得手段402より送られてきたブロック移動量からフレーム内の各ブロックが空間方向に間引かれているか否か、また、間引かれている場合はどのくらい間引かれているかを判定し、その判定結果とブロック移動量をブロック補間手段401へ送る。
ブロック補間手段401は、復号化器400から送られてきた復号された動画像内の時間軸方向に間引かれているブロックを、時間間引きブロック判定手段403および空間間引きブロック判定手段404から送られてきた判定結果より判断し、時間軸方向に間引かれていると判定されたフレーム内ブロックに対して、他の間引かれていないフレーム内ブロックから補間を行う。
また、動画像復元装置の別の構成を図21に示す。図21に示す動画像復元装置は、ブロック間引き情報取得手段411を有する点が、図20に示す構成と異なる点である。図21に示す動画像復元装置においては、符号化された動画像データを入力して、復号化器400にて復号する。この復号処理は、例えばMPEG符号化データの復号処理である。ブロック移動量取得手段402は、復号化器400より送られてくる復号された動画像から動きベクトルを検出し、検出された動きベクトルをブロック移動量としてブロック補間手段401へ送る。ブロック間引き情報取得手段411は、復号化器400より復号化されたブロック間引き情報を取得し、時間間引きブロック判定手段403および空間間引きブロック判定手段404へ送る。
時間間引きブロック判定手段403は、ブロック間引き情報取得手段411より送られてきたブロック間引き情報から、フレーム内の各ブロックが時間方向に間引かれているか否か、また、間引かれている場合はどのフレームが間引かれているかを判定し、その判定結果とブロック移動量をブロック補間手段401へ送る。
空間間引きブロック判定手段404は、ブロック間引き情報取得手段411より送られてきたブロック間引き情報から、フレーム内の各ブロックが空間方向に間引かれているか否か、また、間引かれている場合はどのくらい間引かれているかを判定し、その判定結果とブロック移動量をブロック補間手段401へ送る。
ブロック補間手段401は、復号化器400から送られてきた復号された動画像内の時間軸方向に間引かれているブロックを、時間間引きブロック判定手段403および空間間引きブロック判定手段404から送られてきた判定結果より判断し、時間軸方向に間引かれていると判定されたフレーム内ブロックに対して、他の間引かれていないフレーム内ブロックから補間を行う。
続いて、図22以下を参照して、ブロック補間手段401の構成および処理について説明する。図22はブロック補間手段401の構成、および周辺部構成を示すブロック図である。
復号化器400は、図17を参照して説明した動画像変換装置において符号化された動画像データの復号を実行する。例えばMPEG復号処理を実行する。この復号の結果として得られるデータは、先に図18、図19等を参照して説明したパック処理された間引きデータである。
復号化器400は、本実施例の一つである、240fpsの動画像として符号化された動画像が入力された場合は、符号化データを復号し、動画像変換装置における間引き処理時の動画像と同じフレームレートの動画像として出力する。また別の実施例では入力動画像のフレームレートを240fpsとし、符号化時のフレームレートを60fpsとしたため60fpsの動画像に復号化した後240fpsの動画像として出力する。ただし、これらのフレームレート値は本実施例のための一例に過ぎず、実際はどのようなフレームレートであっても良い。
図23は復号化器400の構成を示すブロック図である。以下、本実施例における復号化器の動作について述べる。図17に示した動画像変換装置における符号化器106において符号化された動画像は、図23に示す動画像復号化部521において復号される。同時に、図17に示した動画像変換装置における移動量検出部202において出力された移動量を示すフラグ207を符号化したブロック移動量情報、または、ブロック分配条件フラグが存在する場合は、図23に示す復号化器400のフラグ復号化部522において復号化される。
復号化された動画像は、フレーム毎にブロック分割部523においてある大きさ(8pixel×8pixelや16pixel×16pixel等)に分解されアンパック処理部a524、アンパック処理部b525、アンパック処理部c526に送られる。この時、分割されたブロックは、復号化されたブロック移動量、またはブロック分配条件フラグによりアンパック処理部a524〜c526に分配される。
例えば、ブロック分割部523は、ブロック分配条件フラグを用いて各ブロックをアンパック処理部a524〜c526に分配する。フラグの値が時間方向間引き無しであればアンパック処理部a524へ、時間方向1/2間引きであればアンパック処理部c526へ、時間方向1/4間引きであればアンパック処理部b525へ分配する。
また、ブロック移動量を用いた分配を行なう場合は、分配条件は、図17に示した動画像変換装置におけるブロック処理部204〜206における間引き条件と一致させなければならない。本実施例では、ブロックの水平方向、垂直方向の移動量がともに2ピクセル以上であった場合は、空間間引きのみが実行されたブロックであると判定し、空間間引き対応のアンパック処理を実行するアンパック処理部a524へブロックを出力し、水平方向、垂直方向の移動量がともに1ピクセル未満であった場合には、時間方向の間引きのみが実行されたブロックであると判定し、時間間引き対応のアンパック処理を実行するアンパック処理部b525へブロックを出力し、水平方向、垂直方向の移動量のいずれかが2ピクセル未満、1ピクセル以上であった場合には、空間間引きと時間間引きの双方が実効されたブロックであると判定し、これらの間引き対応のアンパック処理を実行するアンパック処理部c526へブロックを出力する。
アンパック処理部a524〜c526は、それぞれ、図17に示した動画像変換装置におけるパック処理部a371〜c373に対応しており、パック処理部a371〜c373によってパック処理されたブロックをアンパックして元に戻す動作を行う。
まず、図17に示した動画像変換装置におけるパック処理部a371に対応する、アンパック処理部a524の処理について図18を参照して説明する。アンパック処理部a524の入力は、ブロック分割部523から出力されたブロック、すなわち、図17に示した動画像変換装置におけるパック処理部a371において4フレームから得られた4つのブロックを1つにパックしたブロックである。パックされたブロックは図18において示すブロック379である。
このブロックの内部の1×4画素、例えば図18におけるブロック379の画素384は、図17に示した動画像変換装置におけるパック処理部a371においてパックされた4フレーム分の画素p1〜p4である。アンパック処理部a524はこの4つの画素p1〜p4を4フレーム分のブロックに拡張することでフレーム数を4倍にする。
すなわち、図18におけるブロック379がアンパック処理部a524の入力であり、アンパック処理部a524はブロック379を4フレーム分に拡張してブロック375〜378の4つのブロックを構成し出力する。以上はブロック処理装置が水平方向の間引き処理、つまり、1x4画素に対する間引き処理が行われた場合であり、4x1画素、2x2画素の間引き処理が行われたブロックにおいても同様のアンパック処理がアンパック処理部a524によって行われる。
なお、アンパック処理部a524が想定するパックされたブロックの画素p1〜p4の順序は、図17に示した動画像変換装置におけるパック処理部a371において処理した際の画素順と一致させる個とが必要である。
次に、図17に示した動画像変換装置における第2のパック処理部b372に対応するアンパック処理を実行するアンパック処理部b525の処理について説明する。図17に示した動画像変換装置における第2のパック処理部b372では、時間方向間引きによって構成される4フレームから得られた4つのブロックのうち適当な1つを出力しているため、アンパック処理部b525では得られた1つのブロックを4つのブロックに単純コピーを行い、4フレーム分に拡張することによってフレーム数を4倍にする。
続いて、図17に示した動画像変換装置における第3のパック処理部c373のパック処理に対応するアンパック処理を実行するアンパック処理部c526の処理について図19を参照して説明する。アンパック処理部c526の入力は、ブロック分割部523から出力されたブロックであり、空間間引きおよび時間間引きの双方を間引き処理として実行したブロックに対応する。図17に示した動画像変換装置における第3のパック処理部c373において4フレームから得られた4つのブロックを1つにパックしたブロックである。パックされたブロックは図19において示すブロック389である。
このブロックの内部の1×2画素、例えば図19において示すブロック389の画素495は、図17に示した動画像変換装置における第3のパック処理部c373においてパックされた4フレーム分の画素p1〜p2である。アンパック処理部c526はこの2つの画素p1〜p2を4フレーム分のブロックに拡張することでフレーム数を2倍にする。
すなわち、図19におけるブロック389がアンパック処理部c526の入力であり、アンパック処理部c526はブロック389を4フレーム分に拡張してブロック385〜388の4つのブロックを構成し出力する。なお、図では1x2画素単位での間引き処理について示したが、2x1画素単位で処理を行う場合も同様である。ただし、アンパック処理部c526が想定するパックされたブロックが素p1〜p2の各フレームへのコピー先と順序は、図17に示した動画像変換装置における第3のパック処理部c373において処理した際の画素位置と画素順に一致させなければならない。
以上、説明したように、アンパック処理部a524〜c526においてアンパック処理が実行され、フレームレートを4倍に変換された動画像は、ブロック合成部527に入力されて各フレーム毎に合成され、図17に示した動画像変換装置に入力された動画像と同じフレームレートの動画像として出力される。
図22における復号化器400において復号された動画像は、ブロック補間手段401内の画像蓄積部500において、Lフレーム分蓄積される。なお、後述される移動量検出部508において、蓄積されたフレームからブロック移動量を検出する場合は、移動量検出に必要な分のフレームを蓄積する必要があり、本実施例ではL=5である。また、移動量として復号化器で復号された移動量を用いる場合は、符号化時に用いた画像蓄積部200、すなわち、図17に示した動画像変換装置の画像蓄積部200と同じフレーム数を蓄積することが望ましく、本実施例ではL=4である。
図22に示すブロック補間手段401内の画像蓄積部500に蓄積されたフレームはブロック分割部501においてある大きさ(8pixel×8pixelや16pixel×16pixel等)に分解されブロック分配部502に送られる。なお、この処理ブロックは、図17に示した動画像変換装置における符号化時に用いたブロック分割部201で分割されたブロックサイズと同じでなければならない。
画像蓄積部500に蓄積されたフレームとブロック分割部501において分割されたブロックのサイズは、ブロック移動量取得手段402に送られる。ブロック移動量取得手段402は、移動量検出部508において、復号化器400より復号済みのブロック移動量を動きベクトルとして検出して、出力407として動きベクトルをブロック移動量として時間間引きブロック判定手段403へ送る。
時間間引きブロック判定手段403では、入力されたブロック移動量から時間方向に間引かれているブロックを判定し、各ブロックの時間方向の間引き量と入力されたブロック移動量をブロック分配部502へ出力する。この判定は、図17に示した動画像変換装置におけるブロック分配部203の分配条件のうち、ブロック処理部a204〜c206のいずれかにおいて実行される間引き条件と一致させなければならない。そのため本実施例では、ブロック移動量取得手段402から得られたブロック移動量が、ブロックの水平方向、垂直方向の移動量がともに1ピクセル未満であった場合に時間方向1/4に間引き、水平方向、垂直方向の移動量のいずれかが2ピクセル未満、1ピクセル以上であった場合に時間方向1/2間引きが実行されたものと判定する。
なお、図21に示した構成を持つ動画像復元装置では、復号化器400において入力データに含まれる時間軸間引きブロック判定フラグを復号し、ブロック間引き情報取得手段411に出力する。ブロック間引き情報取得手段411はブロック移動量取得手段402と時間間引きブロック判定手段403に、取得したフラグを出力する。ブロック移動量取得手段402は時間軸間引きブロック判定フラグからブロック移動量を求める。
図21に示した構成を持つ動画像復元装置では、フラグとして時間方向間引き無し、時間方向1/2間引き、時間方向1/4間引き、の3つのフラグと、上下左右のいずれかの値であるブロック移動方向フラグ使用し、この判定フラグとブロック移動方向フラグと符号化時に用いたブロック分配部203(図17参照)の分配条件からブロックの移動量を取得する。ブロックの移動量はブロック分配部203の分配条件と対応させ、時間方向1/2間引きであれば移動量を1ピクセル移動方向を移動方向フラグの方向とし、時間方向1/4間引きであれば移動量を0ピクセルとした。
また、別の構成例としては、図22に示すブロック移動量取得手段402内の移動量検出部508において、画像蓄積部500に蓄積されたフレームの内R番目とS番目の時間軸方向に間引かれていないフレームを取得し、ブロック分割部501からのフレームが分割されたブロックのサイズに合わせたブロック単位で、既存の手法、例えばブロックマッチング手法等を用いてフレームの各々のブロックに関する動きベクトルを検出する構成としてもよい。本構成例では時間軸に間引かれているか否かの判定に、復号化器400より出力507として出力された復号済みの時間軸間引きブロック判定フラグを使用し、時間方向間引き無しの時はR=2、S=3、時間方向1/2間引きの時はR=1、S=3、時間方向1/4間引きの時はR=1、S=5、とする設定とした。この値は、符号化側で時間軸方向に間引かれていないフレームの値と同じでなければならない。
図22における時間間引きブロック判定手段403では、復号化器400より出力407として出力された復号済みの時間軸間引きブロック判定フラグ、または、ブロック間引き情報取得手段411から出力された時間軸間引きブロック判定フラグを入力し、そのフラグに基づいて各ブロックの時間方向の間引き量をブロック分配部502へ出力する。本実施例では、フラグとして時間方向間引き無し、時間方向1/2間引き、時間方向1/4間引き、の3つのフラグを使用した。
ブロック分配部502では、入力されたNフレーム分のブロックを時間間引きブロック判定手段403より得られた時間方向の間引き量を元に間引き処理のなされたブロックデータをブロック補間部504〜505のいずれかに出力し、さらに、時間間引きブロック判定手段403より得られた時間方向の間引き量とブロック移動量をも一緒に出力する。また時間方向の間引きがないブロックに関しては、ブロック補間処理を行わないで出力503としてブロック合成部506へ出力する。
本実施例では、ブロック移動量取得手段402の検出したブロック移動量が、ブロックの水平方向、垂直方向の移動量がともに1ピクセル未満であった場合にブロック補間部b505、水平方向、垂直方向の移動量のいずれかが2ピクセル未満、1ピクセル以上であった場合にブロック補間部a504への出力を行った。つまり、時間方向に1/4に間引かれているブロックに関してはブロック補間部b505へ、時間方向に1/2に間引かれているブロックに関してはブロック補間部a504への出力を行い、それぞれのブロック補間部において、間引き態様に応じた補間処理を行なう。
ブロック合成部506は異なる補間処理が行われた、もしくは行われなかったブロックをNフレーム分の画像に合成する処理を行う。合成された画像はブロック毎に異なる補間処理が行われた、復号された動画像となる。
続いて本実施例における、ブロック補間部a504、ブロック補間部b505の実行するブロック補間処理について説明する。図24はブロック補間部b505、図25は、ブロック補間部a504の構成を示すブロック図である。
まず、図24に示すブロック補間部b505の構成、処理について説明する。復号化されたブロックはブロック蓄積部541においてNフレーム分蓄積される。ブロック蓄積部541において蓄積されたブロックは、ブロック移動処理部542において、ブロック移動量に従って移動される。ブロック移動処理部542は、時間方向に間引かれたブロックをブロック蓄積部541から取得し、ブロック分配部502(図22参照)から出力された時間方向の間引き量とブロック移動量を元に、ブロック移動方向にフレーム上で移動させる。
図26にブロック移動処理部542におけるブロック移動処理の具体例を示す。図26において、P番目のフレームを801、時間方向に次のP+1番目のフレームを802と示し、ブロック803は時間間引きされなかったブロック、ブロック804はアンパック処理部b525、アンパック処理部c526によってブロック803をコピーしたブロックを示す。
ブロック移動処理部542は、この様なコピーされたブロックを、ブロック分配部502(図22参照)から取得したブロック移動量分だけフレーム上で移動させる。図26では右方向にQピクセル/フレームの移動方向を取得したとしてブロックをQピクセル右方向へ移動し、移動したブロックがブロック806である。移動の際に生じる隙間809は、ブロックがコピーされた際の画素を残してもよいし、周囲の画素から補間してもよい。
この処理により、時間間引きされたブロックが符号化前のブロックと同じ位置となり、もとの画像が復元できると期待される。
ブロック合成部543はブロック移動処理が行われたブロックと行われていないブロックをNフレーム分の画像に合成する処理を行う。合成されたNフレーム分のブロックは、ブロック移動処理部542により移動を伴う補間が実行されたブロックについてのみ、帯域制限部544において時間方向にフィルタ処理がなされた後、復号された動画像となる。
帯域制限部544においては主にローパスフィルタが用いられるが、本実施例においてはローパスフィルタの特別な場合であるブラー処理、すなわちぼかし処理を行った。本実施例では、ブロック補間部c505(図22参照)に入力されるブロックの移動量は、水平方向、垂直方向の移動量がともに1ピクセル未満のブロックであるため、Nフレームにわたるブロックの移動量が小さい。そのため、ピクセル単位に移動処理を行った場合は移動処理が行われないブロックが生じるため、動きの不自然さをより改善させるためにブラー処理を行った。画像をぼかすブラー処理による副作用の影響は、移動量が小さいため無視できるとした。
本実施例におけるブラー処理は、下式(式3)に従って、入力画素値から出力画素値算出する処理として実行される。
Figure 0004590975
上記式において、in()はブロック合成部543から出力された帯域制限部544の入力画素、out()は出力画素、fはフレーム番号x,yはフレーム内画素座標値、modは剰余演算子である。
続いて図25を参照して、ブロック補間部a504について説明する。処理の流れはブロック補間部b505とほぼ同一であるので、異なる点についてのみ説明を行う。ブロック補間部a504においては、ブロック補間部b505と異なり、ブロック移動装置602において、二種類のブロック移動処理部607、608を、ブロック移動選択部606がブロック移動量にしたがって選択して、ブロック移動処理を行う。これは時間方向1/2間引きが行われているブロックの間引かれているフレームがブロック移動速度に依存して変えられている場合があるからである。
たとえば、先に説明した[(2)本発明に従った動画像圧縮処理を実行する装置および方法]において、図10、図11を参照して説明したように、時間方向の間引きを行なう動画像変換装置において、例えば、圧縮率1/2の時間方向間引き処理を連続4フレームを処理単位として実行する場合、移動量が大きい場合は、1番目のフレームと3番目のフレームを残し、2番目と4番目のフレームを間引く時間軸方向の間引き処理を実行し、移動量が小さい場合は、1番目のフレームと4番目のフレームを残し、2番目と3番目のフレームを間引く時間軸方向の間引き処理を実行する場合に対応するものである。
このように、P〜P+3フレームの4つのフレーム中において、ブロック移動量が1ピクセル/フレーム以上1.25ピクセル/フレーム未満であればP+1、P+2フレームのブロックを間引き、1.25ピクセル/フレーム以上2ピクセル/フレーム未満であればP+1、P+3フレームのブロックを間引くような構成に対応する復元処理を行なうため、復元ブロックの移動方向を間引き処理に対応するように変更可能としたものである。
ここで、与えられるブロック移動量はフレームが時間軸方向に増加する方向のブロック移動量として与えられるが、P+2フレームのブロックが間引かれている場合、P+2フレームは、より時間的に近いP+3フレームのブロックから補間するほうが望ましい。そこで、P+1、P+2フレームのブロックが間引かれているとき、P+2フレームは逆方向ブロック移動処理部608を使用し、ブロック移動量を逆方向にしてP+3フレームから補間するようにする。
残りのブロックはブロック補間部b505と同様に、順方向ブロック移動処理部607を用いて、一つ前のフレームのブロックからブロック移動量を用いて補間を行う。続いて、時間間引きされなかったブロックと、時間間引きされブロック移動により補間されたブロックは、画像蓄積部604においてフレームに合成された後Nフレーム分蓄積される。
画像蓄積部604に一旦蓄積された画像は、ブロック境界補間部605によってブロック移動により生じた隙間に補間処理を行う。隙間補間処理は、図26を参照して説明したブロック移動処理部のブロック移動処理により生じた隙間809を、時間方向間引き量から時間方向に間引かれているブロックを検出し、さらに隙間をブロック移動量から算出することによって求め、その隙間809を周囲の画素から補間したピクセルで埋める。本実施例ではこの補間処理としては周囲画素からの線形補間を行う。
この処理により、動きの不自然さをより改善する目的で行う時間方向の帯域制限によってボケてしまうブロック、つまり、ある程度ブロック移動速度が速いブロックに対して、帯域制限を行うことなく自然なブロック補間を行うことができる。
以上のブロック補間処理において、本実施例では、時間方向1/4間引きの時に帯域制限装置付きのブロック補間部b505において補間処理を行い、時間方向1/2間引きの時に帯域制限装置無しのブロック補間部a504において補間処理を行ったが、これらの分配方法は一例に過ぎない。つまり、両者とも帯域制限部付きのブロック補間部b505において補間処理を行ってもかまわないし、両者とも帯域制限部無しのブロック補間部a504において補間処理を行ってもかまわない。また、時間方向1/4間引きの時に帯域制限部無しのブロック補間部a504において補間処理を行い、時間方向1/2間引きの時に帯域制限部付きのブロック補間部b505において補間処理を行ってもよい。
以上のように、本実施例の動画像復元装置および方法によれば、時間方向の間引き処理のなされた動画像変換データをブロック単位で入力し、時間軸方向の異なるフレームに対応する複数ブロックの画素値を補間処理によって算出し、複数フレームの復元ブロックを生成するブロック補間部において、補間処理対象のブロック対応の移動量情報を入力し、該移動量情報に従ってフレーム間で復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成としたので、超解像効果を持つ復元データの生成が可能となり、画像劣化を抑制した高品質な復号データを生成することができる。
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
以上、説明したように、本発明の動画像変換装置および方法によれば、移動量に応じて、時間方向間引きの態様を変更することで超解像効果を持つデータを生成することが可能となり、データ量は削減されているにもかかわらず、復号化時の画像劣化を抑制した高品質なデータを生成することができる。
本発明の動画像変換装置および方法によれば、動画像データを構成するフレーム毎にブロック分割を行い、各ブロックにおける被写体移動量を検出し、移動量に基づいて決定した態様の空間間引き処理または時間方向間引き処理の少なくともいずれかの間引き処理を実行する構成とし、時間方向間引き処理の実行においては、移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なう構成としたので、移動量に応じた最適な時間方向間引き、すなわち超解像効果を持つデータを生成が可能となり、データ量は削減されているにもかかわらず、復号化時の画像劣化を抑制した高品質なデータを生成することができる。
さらに、本発明の動画像復元装置および方法によれば、時間方向の間引き処理のなされた動画像変換データをブロック単位で入力し、時間軸方向の異なるフレームに対応する複数ブロックの画素値を補間処理によって算出し、複数フレームの復元ブロックを生成するブロック補間部において、補間処理対象のブロック対応の移動量情報を入力し、該移動量情報に従ってフレーム間で復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成としたので、超解像効果を持つ復元データの生成が可能となり、画像劣化を抑制した高品質な復号データを生成することができる。
超解像効果を利用したデータ変換を実行する動画像変換装置の基本構成を示す図である。 超解像効果を利用したデータ変換を実行する動画像変換装置の基本構成の詳細を示す図である。 動画像変換装置におけるブロック処理部の処理について説明する図である。 動画像変換装置におけるブロック処理部の処理について説明する図である。 動画像変換装置におけるブロック処理部の処理について説明する図である。 動画像変換装置におけるブロック処理部の処理について説明する図である。 本発明の動画像変換装置の構成を示す図である。 本発明の動画像変換装置におけるブロック分割手段と、ブロック処理部の構成を示す図である。 本発明の動画像変換装置における空間間引きおよび時間間引きを実行するブロック処理部の構成を示す図である。 本発明の動画像変換装置における空間間引きおよび時間間引きを実行するブロック処理部の時間間引き処理の具体例について説明する図である。 本発明の動画像変換装置における空間間引きおよび時間間引きを実行するブロック処理部の時間間引き処理の具体例について説明する図である。 本発明の動画像変換装置における空間間引きおよび時間間引きを実行するブロック処理部の処理手順を説明するフロー図である。 本発明の動画像変換装置における空間間引きおよび時間間引きを実行するブロック処理部において移動量に応じて時間間引き処理態様を変更することによって、超解像効果がもたらされる理由を説明する図である。 本発明の動画像変換装置における空間間引きおよび時間間引きを実行するブロック処理部において移動量に応じて時間間引き処理態様を変更することによって、超解像効果がもたらされる理由を説明する図である。 本発明の動画像変換装置における空間間引きおよび時間間引きを実行するブロック処理部において移動量に応じて時間間引き処理態様を変更することによって、超解像効果がもたらされる理由を説明する図である。 本発明の動画像変換装置における空間間引きおよび時間間引きを実行するブロック処理部において移動量に応じて時間間引き処理態様を変更することによって、超解像効果がもたらされる理由を説明する図である。 本発明の動画像復元装置が復元を実行する符号化データを生成する動画像変換装置の構成を示す図である。 図17に示す動画像変換装置のパック処理部の処理の具体例について説明する図である。 図17に示す動画像変換装置のパック処理部の処理の具体例について説明する図である。 本発明の動画像復元装置の構成(構成例1)を示す図である。 本発明の動画像復元装置の構成(構成例2)を示す図である。 本発明の動画像復元装置のブロック補間手段および周辺構成を示す図である。 本発明の動画像復元装置の復号化器の構成を示す図である。 本発明の動画像復元装置のブロック補間部bの構成を示す図である。 本発明の動画像復元装置のブロック補間部aの構成を示す図である。 本発明の動画像復元装置のブロック補間部の実行する補間処理について説明する図である。
符号の説明
10 画像変換装置
11 ブロック分割部
12 移動量検出部
13 ブロック処理部
14 出力部
21 画像蓄積部
22 ブロック分割部
31 移動量検出部
32 ブロック分配部
51〜53 ブロック処理部
100 ブロック分割手段
102〜104 動画像圧縮手段
105 ブロック合成手段
106 符号化器
200 画像蓄積部
201 ブロック分割部
202 移動量検出部
203 ブロック分配部
204〜206 ブロック処理部
207 出力(移動量情報)
208 ブロック処理部
209 出力(ブロック分配フラグ)
301 ブロック蓄積部
302 ブロック分配部
303〜305 ブロック処理部
321〜324 ブロック
326〜329 画素
331〜334 ブロック
336,337 画素
351〜354 ブロック
356〜359 画素
361〜364 ブロック
366,367 画素
371〜373 パック処理部
375〜379 ブロック
380〜384 画素
385〜389 ブロック
391〜395 画素
400 復号化器
401 ブロック補間手段
402 ブロック移動量取得手段
403 時間間引きブロック判定手段
404 空間間引きブロック判定手段
411 ブロック間引き情報取得手段
500 画像蓄積部
501 ブロック分割部
502 ブロック分配部
503 出力
504,505 ブロック補間部
506 ブロック合成部
507 時間軸間引きブロック判定フラグ
508 移動量検出部
521 動画像復号化部
522 フラグ復号化部
523 ブロック分割部
524〜526 アンパック処理部
527 ブロック合成部
541 ブロック蓄積部
542 ブロック移動処理部
543 ブロック合成部
544 帯域制限部
601 ブロック蓄積部
602 ブロック移動処理部
603 ブロック合成部
604 画像蓄積部
605 ブロック境界補間部
606 ブロック移動選択部
607 順方向ブロック移動処理部
608 逆方向ブロック移動処理部
801,802 フレーム
803,804 ブロック
805,806 ブロック
807,808 フレーム
809 隙間

Claims (20)

  1. 動画像データのデータ変換処理を実行する動画像変換装置であり、
    動画像データを構成するフレーム毎にブロック分割処理を実行するブロック分割部と、
    前記ブロック分割部において分割された各ブロックにおける被写体移動量を検出する移動量検出部と、
    前記ブロック分割部の分割したブロックデータと、前記移動量検出部の検出した移動量情報とを入力し、ブロックデータの間引き処理を実行するブロック処理部とを有し、
    前記ブロック処理部は、
    間引き処理対象のブロックが、前記移動量検出部の検出した移動量と、処理態様決定するために予め規定した第1閾値、第2閾値と比較し、
    検出した前記移動量が第1閾値以上である場合は移動量が大、
    検出した前記移動量が第1閾値未満であり第2閾値以上である場合は移動量が中、
    検出した前記移動量が第2閾値未満である場合は移動量が小、
    であると判定し、前記移動量が大、中、小のいずれの分類に属するかに応じて実行する間引き態様を変更し、
    前記移動量が大である場合は、空間間引き処理、
    前記移動量が小である場合は、時間方向間引き処理、
    前記移動量が中である場合は、空間間引き処理と時間方向間引き処理を実行し、
    前記移動量が中である場合の時間方向間引き処理において、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なう構成であり、
    前記ブロック処理部は、
    時間方向間引き処理の実行においては、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なう構成であり、
    予め規定した超解像効果発生条件を規定した式、すなわち、速度vピクセル/フレームで動く対象物をmピクセルで空間方向に間引いた場合の超解像効果発生条件を規定した下記式、
    Figure 0004590975
    ただしtは時間、Tはフレーム間隔、
    上記式(式a),(式b)で示す超解像効果発生条件を満足する間引き態様を前記移動量情報に基づいて決定し、決定した間引き態様に一致するように間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なう構成であることを特徴とする動画像変換装置。
  2. 前記ブロック処理部は、
    前記移動量が第1閾値未満の前記移動量が中または小の場合に実行する時間方向間引き処理の実行において、
    前記超解像効果発生条件を満足する移動量と間引き態様との対応関係に従って設定した間引き態様変更点となる移動量閾値であり、前記第1閾値未満の閾値である第3閾値と前記移動量情報との比較を実行し、
    前記移動量情報が前記第3閾値以上である場合は、時間軸に連続する間引き対象フレームを、前記移動量情報が前記第3閾値未満である場合に比較して少なく設定し、
    前記移動量情報が前記第3閾値未満である場合は、時間軸に連続する間引き対象フレームを、前記移動量情報が前記第3閾値以上である場合に比較して多く設定した時間軸方向の間引き処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載の動画像変換装置。
  3. 前記ブロック処理部は、
    圧縮率1/2の時間方向間引き処理を連続4フレームを処理単位として実行する構成である場合、
    前記移動量情報が前記第3閾値以上である場合は、1番目のフレームと3番目のフレームを残し、2番目と4番目のフレームを間引く時間軸方向の間引き処理を実行し、
    前記移動量情報が前記第3閾値未満である場合は、1番目のフレームと4番目のフレームを残し、2番目と3番目のフレームを間引く時間軸方向の間引き処理を実行する構成であることを特徴とする請求項2に記載の動画像変換装置。
  4. 時間方向の間引き処理データを含む動画像変換データの復元処理を実行する動画像復元装置であり、
    時間方向の間引き処理のなされた動画像変換データをブロック単位で入力し、時間軸方向の異なるフレームに対応する複数ブロックの画素値を補間処理によって算出し、複数フレームの復元ブロックを生成するブロック補間部を有し、
    前記ブロック補間部は、
    時間間引きされなかったフレームの入力ブロックを、より時間的に近い時間間引きフレームにコピーして復元ブロックを生成し、入力ブロック対応の移動量情報に従って、フレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成であり、
    復元対象となる入力ブロックは、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理がなされたブロックであり、超解像効果発生条件を規定した式、すなわち、速度vピクセル/フレームで動く対象物をmピクセルで空間方向に間引いた場合の超解像効果発生条件を規定した下記式、
    Figure 0004590975
    ただしtは時間、Tはフレーム間隔、
    上記式(式a),(式b)で示す超解像効果発生条件を満足するように前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理がなされたブロックであり、
    前記ブロック補間部は、
    前記移動量情報に基づく間引き処理によって間引かれたフレームを復元するように、復元対象として入力されたブロックの時間方向の間引き処理の態様に応じて、フレーム間での復元ブロックの移動方向を、より時間的に近いフレーム間移動となるように選択して、動画像データ復元を行なう構成であることを特徴とする動画像復元装置。
  5. 前記ブロック補間部は、
    移動を伴う補間が実行されたブロックについてフィルタ処理による帯域制限処理を実行する構成を有することを特徴とする請求項4に記載の動画像復元装置。
  6. 前記動画像復元装置は、
    復元対象ブロックの移動量に基づいて、該ブロックが時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを判定し、
    前記ブロック補間部は、
    前記判定に基づいて選択された時間方向の間引きがなされたブロックについて、移動量情報に従ってフレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成であることを特徴とする請求項4に記載の動画像復元装置。
  7. 前記動画像復元装置は、
    時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを示すフラグに基づいて、復元対象ブロックが時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを判定し、
    前記ブロック補間部は、
    前記判定に基づいて選択された時間方向の間引きがなされたブロックについて、移動量情報に従ってフレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成であることを特徴とする請求項4に記載の動画像復元装置。
  8. 前記動画像復元装置は、
    移動量検出部を有し、該移動量検出部の検出した移動量に従って、該ブロックが時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを判定し、
    前記ブロック補間部は、
    前記判定に基づいて選択された時間方向の間引きがなされたブロックについて、前記移動量に従ってフレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成であることを特徴とする請求項4に記載の動画像復元装置。
  9. 前記移動量検出部は、
    異なるフレームの対応ブロックに基づく動きベクトルを検出する処理を実行し、
    前記ブロック補間部は、
    前記動きベクトルに基づいて、フレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なう構成であることを特徴とする請求項8に記載の動画像復元装置。
  10. 動画像データのデータ変換処理を実行する動画像変換方法であり、
    動画像データを構成するフレーム毎にブロック分割処理を実行するブロック分割ステップと、
    前記ブロック分割ステップにおいて分割された各ブロックにおける被写体移動量を検出する移動量検出ステップと、
    前記ブロック分割ステップにおいて分割したブロックデータと、前記移動量検出ステップにおいて検出した移動量情報とを入力し、ブロックデータの間引き処理を実行するブロック処理ステップとを有し、
    前記ブロック処理ステップは、
    間引き処理対象のブロックが、前記移動量検出ステップにおいて検出した移動量と、処理態様決定するために予め規定した第1閾値、第2閾値と比較し、
    検出した前記移動量が第1閾値以上である場合は移動量が大、
    検出した前記移動量が第1閾値未満であり第2閾値以上である場合は移動量が中、
    検出した前記移動量が第2閾値未満である場合は移動量が小、
    であると判定し、前記移動量が大、中、小のいずれの分類に属するかに応じて実行する間引き態様を変更し、
    前記移動量が大である場合は、空間間引き処理、
    前記移動量が小である場合は、時間方向間引き処理、
    前記移動量が中である場合は、空間間引き処理と時間方向間引き処理を実行し、
    前記移動量が中である場合の時間方向間引き処理において、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理を行ない、
    時間方向間引き処理の実行においては、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更した間引き処理として、
    予め規定した超解像効果発生条件を規定した式、すなわち、速度vピクセル/フレームで動く対象物をmピクセルで空間方向に間引いた場合の超解像効果発生条件を規定した下記式、
    Figure 0004590975
    ただしtは時間、Tはフレーム間隔、
    上記式(式a),(式b)で示す超解像効果発生条件を満足する間引き態様を前記移動量情報に基づいて決定し、決定した間引き態様に一致するように間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なうことを特徴とする動画像変換方法。
  11. 前記ブロック処理ステップは、
    前記移動量が第1閾値未満の前記移動量が中または小の場合に実行する時間方向間引き処理の実行において、
    前記超解像効果発生条件を満足する移動量と間引き態様との対応関係に従って設定した間引き態様変更点となる移動量閾値であり、前記第1閾値未満の閾値である第3閾値と前記移動量情報との比較を実行し、
    前記移動量情報が前記第3閾値以上である場合は、時間軸に連続する間引き対象フレームを、前記移動量情報が前記第3閾値未満である場合に比較して少なく設定し、
    前記移動量情報が前記第3閾値未満である場合は、時間軸に連続する間引き対象フレームを、前記移動量情報が前記第3閾値値以上である場合に比較して多く設定した時間軸方向の間引き処理を実行することを特徴とする請求項10に記載の動画像変換方法。
  12. 前記ブロック処理ステップは、
    圧縮率1/2の時間方向間引き処理を連続4フレームを処理単位として実行する場合、
    前記移動量情報が前記第3閾値以上である場合は、1番目のフレームと3番目のフレームを残し、2番目と4番目のフレームを間引く時間軸方向の間引き処理を実行し、
    前記移動量情報が前記第3閾値未満である場合は、1番目のフレームと4番目のフレームを残し、2番目と3番目のフレームを間引く時間軸方向の間引き処理を実行することを特徴とする請求項11に記載の動画像変換方法。
  13. 時間方向の間引き処理データを含む動画像変換データの復元処理を実行する動画像復元方法であり、
    時間方向の間引き処理のなされた動画像変換データをブロック単位で入力し、時間軸方向の異なるフレームに対応する複数ブロックの画素値を補間処理によって算出し、複数フレームの復元ブロックを生成するブロック補間ステップを有し、
    前記ブロック補間ステップは、
    時間間引きされなかったフレームの入力ブロックを、より時間的に近い時間間引きフレームにコピーして復元ブロックを生成し、入力ブロック対応の移動量情報に従って、フレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なうステップであり、
    復元対象となる入力ブロックは、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理がなされたブロックであり、超解像効果発生条件を規定した式、すなわち、速度vピクセル/フレームで動く対象物をmピクセルで空間方向に間引いた場合の超解像効果発生条件を規定した下記式、
    Figure 0004590975
    ただしtは時間、Tはフレーム間隔、
    上記式(式a),(式b)で示す超解像効果発生条件を満足するように前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理がなされたブロックであり、
    前記ブロック補間ステップは、
    前記移動量情報に基づく間引き処理によって間引かれたフレームを復元するように、復元対象として入力されたブロックの時間方向の間引き処理の態様に応じて、フレーム間での復元ブロックの移動方向を、より時間的に近いフレーム間移動となるように選択して、動画像データ復元を行なうステップであることを特徴とする動画像復元方法。
  14. 前記ブロック補間ステップは、
    移動を伴う補間が実行されたブロックについてフィルタ処理による帯域制限処理を実行するステップを有することを特徴とする請求項13に記載の動画像復元方法。
  15. 前記動画像復元方法は、さらに、
    復元対象ブロックの移動量に基づいて、該ブロックが時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを判定するステップを有し、
    前記ブロック補間ステップは、
    前記判定に基づいて選択された時間方向の間引きがなされたブロックについて、移動量情報に従ってフレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なうことを特徴とする請求項13に記載の動画像復元方法。
  16. 前記動画像復元方法は、さらに、
    時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを示すフラグに基づいて、復元対象ブロックが時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを判定するステップを有し、
    前記ブロック補間ステップは、
    前記判定に基づいて選択された時間方向の間引きがなされたブロックについて、移動量情報に従ってフレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なうことを特徴とする請求項13に記載の動画像復元方法。
  17. 前記動画像復元方法は、さらに、
    移動量検出ステップを有し、該移動量検出ステップにおいて検出した移動量に従って、該ブロックが時間方向の間引きがなされたデータであるか否かを判定し、
    前記ブロック補間ステップは、
    前記判定に基づいて選択された時間方向の間引きがなされたブロックについて、前記移動量に従ってフレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なうことを特徴とする請求項13に記載の動画像復元方法。
  18. 前記移動量検出ステップは、
    異なるフレームの対応ブロックに基づく動きベクトルを検出する処理を実行するステップであり、
    前記ブロック補間ステップは、
    前記動きベクトルに基づいて、フレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なうことを特徴とする請求項17に記載の動画像復元方法。
  19. 動画像変換装置において、動画像データのデータ変換処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、前記データ変換処理は、
    ブロック分割部に、動画像データを構成するフレーム毎にブロック分割処理を実行させるブロック分割ステップと、
    移動量検出部に、前記ブロック分割ステップにおいて分割された各ブロックにおける被写体移動量を検出させる移動量検出ステップと、
    ブロック処理部に、前記ブロック分割ステップにおいて分割したブロックデータと、前記移動量検出ステップにおいて検出した移動量情報とを入力し、ブロックデータの間引き処理を実行させるブロック処理ステップとを前記動画像変換装置に実行させ、
    前記ブロック処理ステップにおいては、
    間引き処理対象のブロックが、前記移動量検出ステップにおいて検出した移動量と、処理態様決定するために予め規定した第1閾値、第2閾値と比較させ、
    検出した前記移動量が第1閾値以上である場合は移動量が大、
    検出した前記移動量が第1閾値未満であり第2閾値以上である場合は移動量が中、
    検出した前記移動量が第2閾値未満である場合は移動量が小、
    であると判定し、前記移動量が大、中、小のいずれの分類に属するかに応じて実行する間引き態様を変更させ、
    前記移動量が大である場合は、空間間引き処理、
    前記移動量が小である場合は、時間方向間引き処理、
    前記移動量が中である場合は、空間間引き処理と時間方向間引き処理を実行させ、
    前記移動量が中である場合の時間方向間引き処理において、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なわせ、
    時間方向間引き処理の実行においては、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更した間引き処理として、
    予め規定した超解像効果発生条件を規定した式、すなわち、速度vピクセル/フレームで動く対象物をmピクセルで空間方向に間引いた場合の超解像効果発生条件を規定した下記式、
    Figure 0004590975
    ただしtは時間、Tはフレーム間隔、
    上記式(式a),(式b)で示す超解像効果発生条件を満足する間引き態様を前記移動量情報に基づいて決定し、決定した間引き態様に一致するように間引き対象フレームを変更して間引き処理を行なわせることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  20. 動画像復元装置において、時間方向の間引き処理データを含む動画像変換データの復元処理を実行させるコンピュータ・プログラムであり、前記動画像データの復元処理は、
    ブロック補間部に、時間方向の間引き処理のなされた動画像変換データをブロック単位で入力し、時間軸方向の異なるフレームに対応する複数ブロックの画素値を補間処理によって算出し、複数フレームの復元ブロックを生成させるブロック補間ステップを前記動画像復元装置に実行させ、
    前記ブロック補間ステップにおいては、
    時間間引きされなかったフレームの入力ブロックを、より時間的に近い時間間引きフレームにコピーして復元ブロックを生成し、入力ブロック対応の移動量情報に従って、フレーム間で前記移動量分だけ復元ブロックを移動させて、動画像データ復元を行なわせ、
    復元対象となる入力ブロックは、前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理がなされたブロックであり、超解像効果発生条件を規定した式、すなわち、速度vピクセル/フレームで動く対象物をmピクセルで空間方向に間引いた場合の超解像効果発生条件を規定した下記式、
    Figure 0004590975
    ただしtは時間、Tはフレーム間隔、
    上記式(式a),(式b)で示す超解像効果発生条件を満足するように前記移動量情報に基づいて間引き対象フレームを変更して間引き処理がなされたブロックであり、
    前記ブロック補間ステップにおいては、
    前記移動量情報に基づく間引き処理によって間引かれたフレームを復元するように、復元対象として入力されたブロックの時間方向の間引き処理の態様に応じて、フレーム間での復元ブロックの移動方向を、より時間的に近いフレーム間移動となるように選択して、動画像データ復元を行なわせることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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