JP4590042B2 - 電池とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池とその製造方法に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯用無線電話、携帯用パソコン、携帯用ビデオカメラ等の電子機器が開発され、各種電子機器が携帯可能な程度に小型化されている。それに伴って、内蔵される電池としても、高エネルギー密度を有し、且つ軽量なものが採用されている。そのような要求を満たす典型的な電池は、特にリチウム金属やリチウム合金等の活物質、又はリチウムイオンをホスト物質(ここでホスト物質とは、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる物質をいう。)である炭素に吸蔵させたリチウムインターカレーション化合物を負極材料とし、LiClO4、LiPF6等のリチウム塩を溶解した非プロトン性の有機溶媒を電解液とする非水電解質二次電池である。
【0003】
この非水電解質二次電池は、上記の負極材料をその支持体である負極集電体に保持してなる負極板と、リチウムコバルト複合酸化物のようにリチウムイオンと可逆的に電気化学反応をする正極活物質をその支持体である正極集電体に保持してなる正極板と、電解液を保持するとともに負極板と正極板との間に介在して両極の短絡を防止するセパレータとを備えており、これらは、金属・樹脂ラミネートフィルムからなる電池ケース内に気密性を保つように収納される。
【0004】
この非水電解質二次電池も含めて、密封された電池ケースとこの中に収納される正・負極及び電解液とを備えた電池は、従来より、以下のようにして製造されている。まず、リード端子が接続された正・負極及びその間に介在するセパレータを、電池ケースとなるラミネートフィルムでリード端子のみ露出するように包む。そして、ラミネートフィルムの周縁を接着する。ただし、一部開口部を設けておく。次に、開口部より電解液を正極と負極との間に注入する。続いて、真空ポンプで電池ケース内の空気を開口部より除去した後、開口部を接着することによって密封する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の電池の製造方法では、電解液を注入する際に電解液が正・負極に当たって跳ね返り、また電極間の空気を除去する際に電解液中の気泡が破裂する。そのため、電解液の飛沫が電池ケースの内面に付着しやすい。よって、その後で開口部を封じると、接着しようとする部分に電解液が付着したまま封じてしまい、その結果、封じられているとはいうものの、気密性が悪くなる。気密性が悪いと外部より空気が侵入し、また著しく悪い場合には電解液が外部に流出することもある。
【0006】
特に、上述した非水電解質二次電池においては、気密性が悪いと、空気中に含まれている水分によって電気分解反応が電池内で起こり、電池の容量が低下する。また、電解液にLiPF6等のリチウム塩が含まれている場合、これと水とが反応してHF等のガスが発生することがある。このようなガスが発生すると、それに伴って電解液が外部に押し出されることがあり、さらに、金属・樹脂ラミネートフィルムの樹脂を透過し、金属が腐食する。
【0007】
これらの問題を解決するための手段として、電解液の注入及び空気の除去をゆっくりと注意深くすることも考えられる。これにより、電解液の飛沫が電池ケース内面に付着するのを極力抑えることは可能である。しかし、時間がかかるため、生産性が落ちてしまうという欠点がある。
【0008】
それ故、本発明の目的は、気密性の良い電池、並びにそのような電池を効率的に製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、発電要素と、内部に発電要素及び電解液を収納する電池ケースとを備えた電池において、前記発電要素の端部に絶縁性及び液透過性をもつ防泡体が配置されたことを特徴とする。また、前記電池ケースが開口部を有し、前記防泡体が前記電池ケース開口部と前記発電要素との間に配置されたことを特徴とする。また、防泡体が、発電要素の集電リードが引き出された面とは反対側の面に配置されたことを特徴とする。また、前記防泡体が固着手段を用いて前記発電要素に固着されていることを特徴とし、さらに、防泡体がポリオレフィンからなるネット、不織布又はフェルト発泡体であることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、電池ケースが袋状でかつ気密構造を有し、長円形巻回型発電要素がその巻回中心軸が袋状単電池ケースの開口面に垂直方向であるように収納されていることを特徴とし、さらに、袋状単電池ケースの材質が金属ラミネート樹脂フィルムであることを特徴とする。
【0011】
さらに本発明の製造方法は、開口部を有し内部に発電要素が収納された電池ケースの前記開口部から電解液を注入した後、前記開口部を封じる電池の製造方法において、絶縁性及び液透過性をもつ防泡体を電池ケース内かつ前記開口部と発電要素との間に配置し、前記防泡体を介して電解液を注入することを特徴とし、また、前記防泡体が前記発電要素の集電リードが引き出された面とは反対側の面に配置されたことを特徴とし、また、前記防泡体が固着手段を用いて前記発電要素に固着されていることを特徴とし、さらに前記電池ケースの材質が金属ラミネート樹脂フィルムであることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、長円形巻回型発電要素を使用し、電解液がリチウム塩を含む有機溶媒である非水電解質二次電池に適用した場合について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の製造方法により製造された電池を示す平面図である。図1において、1は非水電解質二次電池、2は電池ケース、3はリード端子、4は発電要素、5は防泡体である。この非水電解質二次電池1では、正極板、負極板及びセパレータからなる発電要素4が、電解液とともに金属ラミネート樹脂フィルムを熱溶着してなる電池ケース2に収納されている。発電要素4には、リード端子3が接続されており、また絶縁性及び液透過性をもつ防泡体5が設置されている。
【0014】
電池ケース2のX−X断面を図2に示す。図2に詳細な断面を示したように、表面保護層21と金属バリア層22と熱溶着層23の三層構造の金属ラミネート樹脂フィルムからなっている。また図2に示したように、リード端子3は金属導体31に接着層32を接着し、その外側に電解液バリア層33を設けたものである。
【0015】
本発明になる電池1は、図3に示すような方法で製造される。図3において、記号2〜5は図1と同じものを示し、6は電池ケース2の開口部である。
【0016】
まず、発電要素4をリード端子3が下向きになるように固定し(a)、反対側の上端に端部全体を覆うように防泡体5を設置して接着剤で固定した(b)。次に、これらを電池ケース2となる金属ラミネート樹脂フィルムでリード端子3のみ露出するように包み、金属ラミネート樹脂フィルムの周縁を熱溶着により封じた(c)。ただし、防泡体5側には開口部6を設けておいた。続いて、電解液を開口部6より防泡体5の上に注いだ(d)。すると、電解液は防泡体5に吸収された後、正極板と負極板との間にあるセパレータにしみ込む。そして、真空ポンプにより電池ケース2内の空気を除去した(e)。最後に、開口部6を熱溶着により封じて、電池を得た(f)。
【0017】
本発明に使用する発電要素の形状としては、断面が長円形巻回型に限られるものではなく、断面が円形巻回型や非円形巻回型、あるいは平板型極板をセパレータを介して積層するスタック型や、シート状極板を折りたたんでセパレータを介して積層する型など、あらゆる形状の発電要素を使用することができる。
【0018】
長円形巻回型発電要素の場合には、シート状の正極板と負極板が、セパレータを介して巻回中心軸の周囲に巻回されている。したがって、長円形巻回型発電要素は、巻回中心軸に平行な二つの側壁部分と、巻回中心軸に垂直でリードが取り出されている平面と、巻回中心軸に垂直でリードが取り出されていない平面をもつ。
【0019】
また、発電要素の形状が平板型極板をセパレータを介して積層するスタック型や、シート状極板を折りたたんでセパレータを介して積層する型の場合、発電要素の外形は概略直方体となり、この直方体の一面からリード端子が取り出されている。
【0020】
本発明においては、防泡体が、発電要素の集電リードが引き出された面とは反対側の面に固着されていることを特徴とする。ここで、「発電要素の集電リードが引き出された面とは反対側の面」とは、長円形巻回型発電要素の場合には、巻回中心軸に垂直でリードが取り出されていない平面を意味し、平板型極板をセパレータを介して積層する、外形が概略直方体の発電要素の場合には、リードが取り出されている平面に対向するリードが取り出されていない平面を意味する。
【0021】
また本発明においては、気密構造を有する袋状単電池ケースを使用することができ、袋状単電池ケースの材質としては金属ラミネート樹脂フィルムを使用することが好ましい。
【0022】
本発明において、長円形巻回型発電要素を袋状単電池ケースに収納する場合には、長円形巻回型発電要素はその巻回中心軸が袋状単電池ケースの開口面に垂直方向であることが好ましい。なお、垂直方向とは、完全な垂直のみを意味するのではなく、おおむね垂直な方向も意味する。
【0023】
防泡体としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンからなるネット、不織布、フェルト又は発泡体がある。粘着剤としては、従来粘着テープに用いられているものが好ましく、シリコン系、ゴム系、アクリル系の粘着剤がある。電池ケースとしては、例えば、少なくとも一層の金属を用いたラミネートフィルムからなる電池ケースがある。このとき、開口部を封じる手段として、熱溶着がある。
【0024】
本発明になる非水電解質二次電池のに使用する電解液溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテート等の極性溶媒、もしくはこれらの混合物を使用してもよい。
【0025】
また、有機溶媒に溶解するリチウム塩としては、LiPF 6 、LiClO 4 、LiBF 4 、LiAsF 6 、LiCF 3 CO 2 、LiCF 3 SO 3 、LiN(SO 2 CF 3 ) 2 、LiN(SO 2 CF 2 CF 3 ) 2 、LiN(COCF 3 ) 2 およびLiN(COCF 2 CF 3 ) 2 などの塩もしくはこれらの混合物でもよい。
【0026】
また、本発明になる非水電解質二次電池の隔離体としては、絶縁性のポリエチレン微多孔膜に電解液を含浸したものや、高分子固体電解質、高分子固体電解質に電解液を含有させたゲル状電解質等も使用できる。また、絶縁性の微多孔膜と高分子固体電解質等を組み合わせて使用してもよい。さらに、高分子固体電解質として有孔性高分子固体電解質膜を使用する場合、高分子中に含有させる電解液と、細孔中に含有させる電解液とが異なっていてもよい。
【0027】
さらに、正極材料たるリチウムを吸蔵放出可能な化合物としては、無機化合物としては、組成式Li x MO 2 、またはLi y M 2 O 4 (ただしMは遷移金属、0≦x≦1、0≦y≦2)で表される、複合酸化物、トンネル状の空孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物を用いることができる。その具体例としては、LiCoO 2 、LiNiO 2 、LiMn 2 O 4 、Li 2 Mn 2 O 4 、MnO 2 、FeO 2 、V 2 O 5 、V 6 O 13 、TiO 2 、TiS 2 等が挙げられる。また、有機化合物としては、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等が挙げられる。さらに、無機化合物、有機化合物を問わず、上記各種活物質を混合して用いてもよい。
【0028】
さらに、負極材料たる化合物としては、Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd等とリチウムとの合金、LiFe 2 O 3 、WO 2 、MoO 2 等の遷移金属酸化物、グラファイト、カーボン等の炭素質材料、Li 5 (Li 3 N)等の窒化リチウム、もしくは金属リチウム箔、又はこれらの混合物を用いてもよい。
【0029】
【実施例】
本発明の実施例を図面とともに説明する。
【0030】
本実施例の製造方法により製造された電池の平面図を図1に示す。
【0031】
正極板は、集電体に活物質としてリチウムコバルト複合酸化物が保持されたものである。集電体は、厚さ20μmのアルミニウム箔である。正極板は、結着剤であるポリフッ化ビニリデン8部と導電剤であるアセチレンブラック5部とを活物質87部とともに混合し、適宜N−メチルピロリドンを加えてペースト状に調製した後、その集電体材料の両面に塗布、乾燥することによって製作された。
【0032】
負極板の集電体は、厚さ14μmの銅箔を用いた。負極板は、その集電体の両面に、ホスト物質としてのグラファイト(黒鉛)92部と結着剤としてのポリフッ化ビニリデン8部とを混合し、適宜N−メチルピロリドンを加えてペースト状に調製したものを塗布、乾燥することによって製作された。
【0033】
セパレータは、ポリエチレン微多孔膜である。また、電解液は、LiPF6を1mol/l含むエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=1:1(体積比)の混合液である。
【0034】
それぞれの寸法は正極板が厚さ180μm、幅49mmで、セパレータが厚さ25μm、幅53mmで、負極板が厚さ170μm、幅51mmとなっており、順に重ね合わせてポリエチレンの長方形状の巻芯を中心として、その周囲に長円渦状に巻いて柱状にしたものが発電要素となる。
【0035】
電池ケース2は、図2に断面図として詳細に示すように最外層に表面保護用の12μmのPET層21を有し、その下にバリア層として9μmのアルミニウム箔22をウレタン系接着剤で接着している。さらに、その下に熱溶着層として100μmの酸変性ポリエチレン層23を有するラミネートフィルムからなっている。ここで、熱溶着層である酸変性ポリエチレン層には軟化点が100℃のものを用いた。
【0036】
また、リード端子3は、図2のように50〜100μmの銅、アルミ、ニッケルなどの金属導体31に金属との接着層となる50μmの酸変性PE層32を接着し、その外側に電解液バリア層として70μmのエバール樹脂(クラレ製のエチレンビニルアルコール共重合樹脂)層33を設けたものである。これらを図のように重ねて接着すると良好な気密性が得られる。リード端子3は、電極群4の内部で電極板と接続しており、電極群4の巻軸方向の端部より突出している。なお、正極リード端子材料にアルミニウム、負極リード端子材料にニッケルを用いた。
【0037】
防泡体5は、ポリプロピレンからなる長繊維不織布(旭化成製)であり、その厚みは0.23mmで、引裂強力は縦方向・横方向ともに0.40kgで、目付けは22g/m2である。防泡体5は、電極群4のリード端子3と反対側の端部に当該端部全体を覆うように接着剤で固定されている。防泡体5は電極群4の端部に当てられるだけでも良いが、この電池1のように固定されると、万一電池ケース2が完全に封じられていなかったとしても、電解液が外部に流出するのを防ぐことができる。また、この電池1では、リード端子3と防泡体5とは互いに電極群4を間にして異なる側に設けられているが、同じ側に設けられても良い。
【0038】
この電池1は、図3に示すような方法にて製造された。
【0039】
まず、電極群4をリード端子3が下向きになるように固定し(a)、反対側の上端に端部全体を覆うように防泡体5を設置して接着剤で固定した(b)。次に、これらを電池ケース2となるラミネートフィルムでリード端子3のみ露出するように包み、ラミネートフィルムの周縁を熱溶着により封じた(c)。ただし、防泡体5側には開口部6を設けておいた。続いて、電解液を開口部6より防泡体5の上に注いだ(d)。すると、電解液は防泡体5に吸収された後、正極板と負極板との間にあるセパレータにしみ込む。そして、真空ポンプにより電池ケース2内の空気を除去した(e)。最後に、開口部6を熱溶着により封じて、設計容量500mAhである電池1を得た(f)。
【0040】
本実施例では、電解液を注入する際に防泡体5を介して注入するので、電解液が電極群4に当たって跳ね返ることがなく、そのため電池ケース2内面の開口部6付近に付着することがない。また、空気を除去する際に電解液中で気泡が破裂しても、電極群4の上端が防泡体5で覆われているので、飛沫が電極群4の外に散ることがない。さらに、電解液を注入する前に集電リード側が封止されているので、本実施例によって製造された電池1は気密性に優れている。
【0041】
本実施例の製造方法による電池1を以下の試験に供した。
【0042】
まず、本実施例による電池1を10セル準備し、また比較例として、防泡体5を用いることなく集電リード側から電解液を注入した以外は本実施例と同一条件で製造された電池も10セル準備した。次に、各電池を500mAで定電流充電後、4.10Vで定電圧充電し(合計3時間充電)、500mAの定電流で2.75Vまで放電したときの電池の容量(試験前容量)を測定した。そして、60℃、90%RHの条件下で30日保存した後、再び同じ条件で放電し容量(残存容量)を測定した。さらに、各電池を上記と同じ条件で再充電・再放電した後、容量(回復容量)を測定した。また、ラミネートフィルムのアルミニウムが腐蝕していないかどうか、電解液が外部に流出していないかどうかを観察した。
【0043】
結果を表1に示す。表中、*印はアルミニウムの腐蝕が認められた電池であることを示し、**印はアルミニウムの腐蝕に加えて電解液の流出も認められた電池でることを示す。また、残存容量及び回復容量の値は、試験前容量に対する百分率(%)で表示している。
【0044】
【表1】
【0045】
表1に見られるように、本実施例の電池1よりも比較例の方が残存容量及び回復容量で低い値を示す傾向があった。これは、比較例の電池では外部より侵入した空気中の水分によって電気分解反応が起こったためと思われる。また、比較例では、全ての電池についてアルミニウムの腐蝕が認められ、そのうち8個の電池については集電リード部分から、電解液の流出も認められたが、これらについても外部より侵入した空気に起因していると言える。
【0046】
それに対して、本実施例の電池1では、電解液の流出もアルミニウムの腐蝕も認められなかった。以上より、本実施例によって製造された電池1は、従来の電池より気密性に優れていることが明らかとなった。
【0047】
【発明の効果】
本発明によると、気密性の良い電池を効率的に製造することができる。
【0048】
本発明の製造方法では、絶縁性及び液透過性をもつ防泡体を設置し、これを介して電解液を注入する。そのため、電解液は、防泡体に一度吸収されてから、発電要素の間隙に注入される。よって、電解液が正・負極などの発電要素に直接当たることがないので、跳ね返ることがない。また、空気を除去する際に、電解液中で気泡が破裂して飛沫が生じても、防泡体が蓋として機能し、飛散するのを抑える。さらに、集電リードが引き出された面とは反対側に固着し注液することにより、リードへ電解液が付着することも防止できる。したがって、本発明の製造方法によると、電池ケース内面の接着する部分に電解液の飛沫が付着することがなく、よって気密性の良い電池を得ることができる。
【0049】
また、本発明によって製造された電池では、電解液がリチウム塩を含む非水電解液であっても、電池容量の低下、電解液の流出、及び金属の腐食を招くことはない。さらに、本発明の製造方法では、電解液の注入及び空気の除去の際にゆっくりと注意深くする必要もないので、効率よく製造することができる。また、集電リードが引き出された面とは反対側の発電要素に予め防泡体を固着させることにより、工程でのハンドリングや、電解液注入時のリードへの電解液の付着、空気の除去時の位置ずれを起こさないので、不良率を低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造された電池の平面図。
【図2】図1のX−X断面図。
【図3】本発明の製造方法を説明する図。
【符号の説明】
1 電池
2 電池ケース
3 リード端子
4 発電要素
5 防泡体
6 開口部
21 表面保護層
22 金属バリア層
23 熱溶着層
31 金属導体
32 接着層
33 バリア層
Claims (9)
- 発電要素と、内部に発電要素及び電解液を収納する電池ケースとを備えた電池において、
前記発電要素の端部に絶縁性及び液透過性をもつ防泡体が配置されたことを特徴とする電池。 - 前記電池ケースが開口部を有し、前記防泡体が前記電池ケース開口部と前記発電要素との間に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の電池。
- 前記防泡体が発電要素の集電リードが引き出された面とは反対側の面に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の電池。
- 前記防泡体が固着手段を用いて前記発電要素に固着されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電池。
- 前記電池ケースの材質が金属ラミネート樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電池。
- 開口部を有し内部に発電要素が収納された電池ケースの前記開口部から電解液を注入した後、前記開口部を封じる電池の製造方法において、
絶縁性及び液透過性をもつ防泡体を電池ケース内かつ前記開口部と発電要素との間に配置し、前記防泡体を介して電解液を注入することを特徴とする電池の製造方法。 - 前記防泡体が前記発電要素の集電リードが引き出された面とは反対側の面に配置されたことを特徴とする請求項6に記載の電池の製造方法。
- 前記防泡体が固着手段を用いて前記発電要素に固着されていることを特徴とする請求項6または7に記載の電池の製造方法。
- 前記電池ケースの材質が金属ラミネート樹脂フィルムであることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の電池の製造方法。
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