JP4588947B2 - コプレーナライン型の高周波発振器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コプレーナライン(以下、CPW)からなる平面共振回路を用いたマイクロ波やミリ波帯のCPW型の高周波発振器(以下、高周波発振器とする)を産業上の技術分野とし、特に2端子型又は3端子型とした2端子対の負性抵抗体を用いた高周波発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
(発明の背景)マイクロ波・ミリ波帯の高周波発振器は高速・高周波装置の心臓部として、性能的にもコスト的にも重要な位置付けにある。このようなものの一つに、マイクロストリップライン(MSLとする)型の平面共振回路(MSL共振回路とする)を用いたものがある。
【0003】
(従来技術の一例)第17図はこの種の一従来例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)はA−A断面図である。
高周波発振器は、MSL共振回路1と、2端子対の負性抵抗体(発振素子)としての例えばガンダイオード2とからなる。MSL共振回路1は、誘電体等からなる基板3の一主面に円形状の回路導体1Aを形成し、他主面に接地導体4を設けてなる。ガンダイオード2は、MSL共振回路1の一端外周(左端)から延出した整合線路5に一端側を接続し、他端側を図示しないビアホールによって接地導体4に接続する。そして、MSLからなる出力線6をMSL共振回路1の他端外周(右端)に接続するとともに、出力線6には容量性の整合線路5を設けてなる。
【0004】
このようなものでは、ガンダイオード2はMSL共振回路1の共振周波数領域で負性抵抗を示す。そして、MSL共振回路1に電力を供給することから、共振状態を維持即ち発振する。発振周波数は、概ね、回路導体1Aの大きさ及び基板3の誘電率によって決定されるMSL共振回路1の共振周波数に依存する。なお、ガンダイオード2のような個別素子(ディスクリート素子)は比較的低価格であるので、特にミリ波帯等での発振素子として大いに期待される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の高周波発振器では、ガンダイオード2等の負性抵抗体はインピーダンスが比較的小さく、これに対してMSL共振回路1はインピーダンスが高いため、例えば整合線路5による両者のインピーダンス整合が一般に困難となる。また、ガンダイオード2の高周波接地のためには基板3にビアホール工程が必要であり、特に高周波になる程、ビアホールのリアクタンス(寄生成分)に起因する特性劣化例えば回路損失に伴う発振出力(電力)の低下が発生する。そして、生産性の向上を阻害する問題があった。
【0006】
このことから、例えばMSL共振回路1の高次モード(TM21)を利用し、第18図に示したように幾何学的な対称点である同電位点に複数のガンダイオード2を接続して発振出力を合成したものがある。しかし、この場合においても、ビアホールによる回路損失に起因して電力の合成効率が悪い。
【0007】
(発明の目的)本発明は、インピーダンスの整合を含めた各種の回路設計及び高出力化を容易にして生産性を高める高周波発振器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(着目点)本発明では、上述した従来技術の問題が基板の一主面に回路導体(信号線)を他主面に接地導体を有するMSL共振回路に起因することから、信号線と接地導体を同一主面に有するCPW型の平面共振回路(CPW共振回路とする)に着目した。
【0009】
(解決手段)本発明は、中央の信号線と前記信号線を取り囲む接地導体とを有する有限長としたコプレーナラインからなる基板の一主面に形成された共振回路と、前記コプレーナラインと一端側で電磁結合して前記基板の他主面に形成された出力線としてのマイクロストリップラインと、第1端子を外表面の中央部に有して前記第1端子とは極性の異なる第2及び第3端子を前記外表面の両端部に有する3端子型の負性抵抗体とを備え、前記負性抵抗体の第1端子は前記コプレーナラインの中央の信号線に接続し、前記負性抵抗体の第2端子は前記コプレーナラインの信号線に沿った両側のうちの一側の接地導体に接続し、前記負性抵抗体の第3端子は前記コプレーナラインの信号線に沿った両側のうちの他側の接地導体に接続した構成とする。
また、中央の信号線と前記信号線を取り囲む接地導体とを有する有限長としたコプレーナラインからなる基板の一主面に形成された共振回路と、前記コプレーナラインと一端側で電磁結合して前記基板の他主面に形成された出力線としてのマイクロストリップラインと、互いに極性の異なる第1端子と第2端子を外表面の両端部に有する2端子型とした2個の負性抵抗体とを備え、前記2個の負性抵抗体うちの一方の負性抵抗体の前記第1端子を前記コプレーナラインの中央の信号線に接続し、前記一方の負性抵抗体の前記第2端子を前記コプレーナラインの信号線に沿った両側のうちの一側の接地導体に接続し、前記2個の負性抵抗体のうちのもう一方の負性抵抗体の前記第1端子を前記コプレーナラインの中央の信号線に接続し、前記もう一方の負性抵抗体の前記第2端子を前記コプレーナラインの信号線に沿った両側のうちの他側の接地導体に接続した構成とする。
【0010】
【作用】
本発明では、CPW共振回路を適用して3端子型又は2端子型とした2端子対の負性抵抗体を接続するので、負性抵抗体の高周波接地が同一主面上で行える。したがって、MSL共振回路のように高周波接地用のビアホールを必要としないので、回路損失(寄生成分)を少なくした実装を容易にし、高周波での優れた発振特性を得られる。また、CPW共振回路7はCPWに沿って定在波が生じて各点でのインピーダンスを異にするので、整合線路(回路)を要することなく、負性抵抗体の接続位置を決めるのみでインピーダンス整合を容易にする。以下本発明に基づく各実施例を説明する。
【0011】
【第1実施例、請求項1、2】
第1図は本発明の第1実施例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図、同図(c)は同B−B断面図である。
高周波発振器は、概ねCPW共振回路7と、2端子対の負性抵抗体としてのガンダイオード2からなる。CPW共振回路7は基板3の一主面に形成され、発振周波数の約1/2波長(λ/2)とした有限長の信号線7Aと、両側及び上下の接地導体4からなる。なお、CPWはλ/2としたが、この整数倍であればよい。すなわち、CPW共振回路7は両端高周波開放としたCPWの伝送線路からなる。ガンダイオード2は、ここでは例えばカソード電極を挟む2つのアノード電極を有する構造で、外表面の中央部に一方の端子を両端部に他方の端子を有する計3つの端子を有する2端子対とする(請求項1)。
【0012】
そして、CPW共振回路7の中央領域ここでは中心線上において、ガンダイオード2における中央部の一方の端子をCPWの信号線7Aに、両端部の他方の端子を両側の接地導体4にバンプ8を用いたフリップチップ実装によって接続する。基板3の一主面にはCPWの一端側で電磁結合したMSLが、CPWの延長方向に出力線6として形成される。
【0013】
このような構成であれば、CPW共振回路7は信号線と両側の接地導体4との間で生ずる電界及びこれによる磁界によって高周波がCPWを伝播し、ここでは両端開放したことにより中央部を最小として両端部を最大とした電圧分布の定在波による共振モードとなる。但し、電流はこれとは逆の分布となる。そして、ここでは、CPW共振回路7に2端子対としたガンダイオード2の中央部の一方の端子を信号線7Aに、両端部の他方の端子を両側の接地導体4に接続する。したがって、CPW共振回路7には共振周波数領域での電力が供給されて発振する。そして、電磁結合した出力線6(MSL)により、発振出力を得る。
【0014】
そして、ガンダイオード2をCPW共振回路7の中央領域に接続するので、インピーダンス整合を容易にする。すなわち、共振モードの電流が最大(電圧が最小)となる個所に低インピーダンスのガンダイオード2を接続するので、格別の整合回路(線路)を設けることなく、インピーダンス整合を容易にする。また、CPW共振回路7の信号線と接地導体4が同一面にあるので、ガンダイオード2を容易に実装できる。そして、基板3にはビアホールを要しないので、回路損失を少なくして発振出力を大きくできる。
【0015】
また、基板3表面には出力線6であるMSLを電磁結合させている。この構造であるために、ガンダイオード2の装荷ポイントは、CPW共振モードに整合する点を選べばよく、また、ガンダイオードへの直流バイアス(電源電圧)の供給ポイントは、例えばCPWの幅方向の中心線上となる共振モードの電圧ゼロ点を選べば高周波発振への影響は回避できる。供給ポイントには、図示しない給電線を接続して電源電圧を印加する。
【0016】
なお、上記例では、中央部に一方の端子を両端部に他方の端子を有するガンダイオード2を適用して説明したが、一端部に一方の端子を他端部に他方の端子を有する場合はこれを一組(2個)用意し、第2図に示したように接続すればよい(請求項2)。すなわち、各ガンダイオード2の一方の端子を信号線7Aに接続し、他方の端子を両側の接地導体4に接続すれはよい。但し、ガンダイオード2の個数を少なくできるので、上記例の方が実装が容易である。
【0017】
また、出力線6は直線状としてCPWの延出方向としたが、第3図に示したようにCPWの電流分布の大きい中央領域にループ状の出力線6としてのMSLを形成して磁界結合によって出力を取り出すこともできる(第3図)。
【0018】
また、CPW共振回路7はCPWを両端高周波開放としたが、第4図に示したように例えば両端側にコンデンサ9を設けて両端高周波短絡としてもよい。この場合は、中央部で最大として両端側で最小とした電圧分布の共振モードとなる。但し、電流の分布は逆である。したがって、電流分布が最大領域のCPWの一端側にガンダイオード2を配置し、前述したループ状のMSLを出力線6として磁界結合によって出力を得る。
【0019】
また、コンデンサ9に代え、第5図に示したようにCPWの両端側で一部が重畳したλ/2のMSLを他主面に設けて両端高周波短絡端としてもよい。この場合、出力線6は同様にループ状としたMSLとすればよい。あるいは、ループ状とした出力線(MSL)6を共振系からはずれて形成し、疎結合としてもよい(第6図)。
【0020】
また、第7図に示したように、コンデンサ9及びλ/2のMSL10に代え、CPW共振回路7の両端側にガンダイオードを直接に接続して両端高周波短絡端としてもよい。この場合も、ループ状とした出力線(MSL)6によって出力を得られる。
【0021】
さらに、CPW共振回路7の一端側を開放とし、他端側を高周波短絡として形成することもできる。この場合、例えば第8図に示したように、CPW共振回路7の一端側にガンダイオード2を設けて、一端側を高周波短絡端とし、他端を高周波開放端とすればよい。また、前述したCPW共振回路7の両側にダイオードを配置した場合でも、CPWの一端側にコンデンサ9やλ/2のMSL10を設けることによって形成できる(未図示)。但し、CPW共振回路7の線路長は概ねλ/4の奇数倍となる。これらの場合、電流分布が最大となる高周波短絡端側にループ状の出力線6を設けることによって出力を得る。これらの場合でも、上記例と作用効果は基本的に同じである。
【0022】
【第2実施例】
第9図は本発明の第2実施例を説明する高周波発振器の平面図である。なお、これ以降の各実施例では、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
前第1実施例では負性抵抗体としてのガンダイオード2をCPW共振回路7の中央領域の一箇所に配置したが、第2実施例では2箇所に配置して電力合成する例である。すなわち、第2実施例では中央部に一方の端子を両端部に他方の端子を有する計3つの端子を有する2端子対のガンダイオード2(2個)を、例えば両端高周波開放としたCPW共振回路7の中央領域の2箇所に中心線に対して対称に並設する。そして、一端側に直線状の出力線6を設ける。
【0023】
このような構成であれば、CPW共振回路7の2箇所にて共振周波数での電力が各ガンダイオード2から供給されるので、それぞれからの発振出力が合成されて倍加する。この場合、前述したようにビアホールを要しないので、電力合成の損失も少なく効率的な電力合成が可能になる。また、この場合でも、CPW共振回路7の中央領域はインピーダンスが比較的小さいので、ガンダイオード2とのインピーダンス整合を容易にする。また、中央領域の整合しやすい個所を選択すればよい。
【0024】
なお、上記例では両端高周波開放としたが、両端高周波短絡又は一端を高周波開放として他端を高周波短絡として構成できる。ちなみに、第10図はコンデンサ9による両端高周波短絡とした例である。なお、前述した第7図の両端側にガンダイオードを配置した場合でも電力合成ができる。
【0025】
また、一端を高周波開放として他端を高周波短絡とする場合は、例えば第11図に示したように、CPW共振回路7の一端側の延長方向と横断方向にガンダイオード2を配置すればよい。この場合、CPWの線路長は例えばλ/4で他端側は電圧分布が最大となることから、電流分布が最小となる一端側にガンダイオードを配置して電力合成とする。
【0026】
【第3実施例】
第12図は本発明の第3実施例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
第3実施例は高周波発振器を可変リアクタンスを用いた周波数可変型とする例である。すなわち、第3実施例では、例えばCPW共振器はCPWを両端高周波開放とし、ガンダイオード2を2個並設して電力合成とし、線状の出力線6(MSL)を一端側に設ける。そして、基板3の一主面にガンダイオード2を取り囲みCPW共振回路7と電磁結合したループ状のMSL11を形成し、CPWの両側で2個の可変リアクタンス素子としての電圧可変容量ダイオード12をループ状のMSL11に接続する。そして、各電圧可変容量素子に図示しない供給線を接続して制御電圧を印加する。
【0027】
このような構成であれば、制御電圧による電圧可変容量ダイオードの容量変化がCPW共振器7の電磁場に影響を与えてCPWの実質的な電気長を異ならせる。したがって、これに伴い発振周波数も変化するので、簡易な構成で周波数可変型とすることができる。
【0028】
上記例ではCPWを両端高周波開放としたが、両端高周波短絡であったとしても構成できる。すなわち、例えば第13図に示したように高周波短絡端とするコンデンサ9と接地導体4との間に電圧可変容量ダイオード12を接続して、制御電圧を印加すればよい。この場合、電圧可変容量ダイオード12はCPWの一端側のみでもよい。
【0029】
【第4実施例】
第14図は本発明の第4実施例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
第4実施例は、発振周波数f0に対して1/n(nは整数)の信号(f0/n)で発振同期をとる、所謂、サブ・ハーモニック注入同期発振器の構成例である。この例では、比較的低周波数であるサブ・ハーモニック注入同期信号f0/nはCPW共振器7の設けられた基板3の同一面(一主面)にCPW13を形成し、これに接続した注入線14によってCPW共振回路7のCPWに注入する。注入線14はCPW(信号線7A)の幅方向の中点に接続して対称性を維持する。なお、注入線14は同期信号の周波数が低いので、これによる寄生成分の影響は小さい。
【0030】
この場合、共振モードへの影響が少ない低インピーダンスポイントで幅方向の中心線上に注入することが可能であり、位相雑音特性と周波数安定化を図ることができる。さらに、注入同期信号を周波数シンセサイザーからとすれば、これに基づいて高周波での周波数シンセサイザーの実現も可能である。なお、注入同期信号は前述のように周波数が低くて影響が小さいので、電磁結合やビアホールを介して結合したMSLで注入してもよい。
【0031】
【第5実施例】
第15図は本発明の第5実施例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
第5実施例は、前述したCPW共振回路7にガンダイオード2を設けた発振回路系を2系統用いることによって、基本発振周波数f0の2倍の発振周波数2f0を効率よく得る2相Push-Push発振の例である。すなわち、ここでは、いずれもガンダイオード2を設けた第1と第2のCPW共振回路7(ab)からなる発振回路系をCPW(信号線)の延長方向に配置し、各出力線を共通接続した第1MSL(第1出力線)6aにより電磁結合する。そして、基本発振周波数f0にとって概ね4分の1波長である先端開放MSLを中点から一側面に向かって突出し、同中点から2倍の発振周波数2f0を得るMSLからなる第2出力線6bを他側面の端部に延出する。
【0032】
このような構成であれば、第1と第2の発振回路系の出力は、互いに逆相で合成されるので基本周波数f0は相殺されて、基本周波数f0の2倍の発振周波数2f0が得られる。したがって、極めて簡易な回路構成で2相Push-Push発振を構成できる。
【0033】
【実施例6】
第16図は本発明の第6実施例を説明する高周波発振器の平面図である。
前第5実施例では2相Push-Push発振の例を示したが、第6実施例は基本発振周波数f0の4倍の発振周波数出力4f0を発振させる4相Push-Push発振の例である。すなわち、第6実施例は、前述した第5実施例のCPWの延長方向に配置した2個の発振回路系を並列に配置する。そして、各第1出力線6aを横断した第2出力線6bを共通接続して第3出力線6cとし、基本発振周波数f0にとって8分の1波長である先端開放MSLが第3出力線6の中点から突出した4倍波4f0の第4出力線6dを接続する。但し、第1出力線の中点間となる第3出力線6cは基本発振周波数f0に対してλ/4とする。
【0034】
このような構成であれば、第2出力線6cは2倍波の2分の1波長共振回路として動作するので、Push-Push原理に基づいて4f0の発振出力が得られる。このように、極めて簡易な回路構成で4倍の周波数の高周波発振も実現できるので、特にミリ波やサブミリ波帯の発振源として有効である。勿論、これをさらにPush-Push化すれば基本周波数に対して8倍以上の発振周波数を得られる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、所謂、両平面回路技術によって、基板の両面に形成したコプレーナラインとマイクロストリップラインの伝送特性と線路構造を活用して、従来技術の課題である高周波帯発振器の簡易化、高出力化、高周波化さらに高品質特性を実現するものである。この回路構造によって、以下のような効用を実現することが出来る。
(1)コプレ−ナラインを用いているために、発振ダイオードあるいは負性抵抗IC?をバンプ実装や表面実装によって高精度にかつ効率よく製造できる。従って、特にミリ波等の超高周波帯発振器としても有効である。
(2)回路構造上、多素子発振も容易であり電力合成による高出力化、および低位相雑音化にも優れている。
(3)発振周波数の可変制御や2倍波・4倍波出力等のPush-Push発振も容易に実現可能である。
【0036】
要するに、本発明は、中央の信号線と前記信号線を取り囲む接地導体とを有する有限長としたコプレーナラインからなる基板の一主面に形成された共振回路と、前記コプレーナラインと一端側で電磁結合して前記基板の他主面に形成された出力線としてのマイクロストリップラインと、第1端子を外表面の中央部に有して前記第1端子とは極性の異なる第2及び第3端子を前記外表面の両端部に有する3端子型の負性抵抗体とを備え、前記負性抵抗体の第1端子は前記コプレーナラインの中央の信号線に接続し、前記負性抵抗体の第2端子は前記コプレーナラインの信号線に沿った両側のうちの一側の接地導体に接続し、前記負性抵抗体の第3端子は前記コプレーナラインの信号線に沿った両側のうちの他側の接地導体に接続した構成とする。
また、中央の信号線と前記信号線を取り囲む接地導体とを有する有限長としたコプレーナラインからなる基板の一主面に形成された共振回路と、前記コプレーナラインと一端側で電磁結合して前記基板の他主面に形成された出力線としてのマイクロストリップラインと、互いに極性の異なる第1端子と第2端子を外表面の両端部に有する2端子型とした2個の負性抵抗体とを備え、前記2個の負性抵抗体うちの一方の負性抵抗体の前記第1端子を前記コプレーナラインの中央の信号線に接続し、前記一方の負性抵抗体の前記第2端子を前記コプレーナラインの信号線に沿った両側のうちの一側の接地導体に接続し、前記2個の負性抵抗体のうちのもう一方の負性抵抗体の前記第1端子を前記コプレーナラインの中央の信号線に接続し、前記もう一方の負性抵抗体の前記第2端子を前記コプレーナラインの信号線に沿った両側のうちの他側の接地導体に接続した構成とする。したがって、インピーダンスの整合を含めた各種の回路設計及び高出力化を容易にして生産性を高める高周波発振器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図、同図(c)は同B−B断面図である。
【図2】 本発明の第1実施例の他の例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図、同図(c)は同B−B断面図である。
【図3】 本発明の第1実施例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図、同図(c)は同B−B断面図である。
【図4】 本発明の第1実施例の他の例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図、同図(c)は同B−B断面図である。
【図5】 本発明の第1実施例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図、同図(c)は同B−B断面図である。
【図6】 本発明の第1実施例の他の例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図、同図(c)は同B−B断面図である。
【図7】 本発明の第1実施例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図である。
【図8】 本発明の第1実施例の他の例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図である。
【図9】 本発明の第2実施例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図、同図(c)は同B−B断面図である。
【図10】 本発明の第2実施例の他の例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図、同図(c)は同B−B断面図である。
【図11】 本発明の第2実施例の他の例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図、同図(c)は同B−B断面図である。
【図12】 本発明の第3実施例の他の例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図である。
【図13】 本発明の第3実施例の他の例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図である。
【図14】 本発明の第4実施例の他の例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図である。
【図15】 本発明の第5実施例の他の例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図である。
【図16】 本発明の第6実施例の他の例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図である。
【図17】 従来例を説明する高周波発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図である。
【図18】 従来例を説明する高周波発振器の平面図である。
【符号の説明】
1 MSL共振回路、2 ガンダイオード、3 基板、4 接地導体、5 整合線路、6 出力線、7 CPW共振回路、8 バンプ、9 コンデンサ、10、11 MSL、12 電圧可変容量ダイオード、13 CPW.
Claims (2)
- 中央の信号線と前記信号線を取り囲む接地導体とを有する有限長としたコプレーナラインからなる基板の一主面に形成された共振回路と、前記コプレーナラインと一端側で電磁結合して前記基板の他主面に形成された出力線としてのマイクロストリップラインと、第1端子を外表面の中央部に有して前記第1端子とは極性の異なる第2及び第3端子を前記外表面の両端部に有する3端子型の負性抵抗体とを備え、前記負性抵抗体の第1端子は前記コプレーナラインの中央の信号線に接続し、前記負性抵抗体の第2端子は前記コプレーナラインの信号線に沿った両側のうちの一側の接地導体に接続し、前記負性抵抗体の第3端子は前記コプレーナラインの信号線に沿った両側のうちの他側の接地導体に接続したことを特徴とするコプレーナライン型の高周波発振器。
- 中央の信号線と前記信号線を取り囲む接地導体とを有する有限長としたコプレーナラインからなる基板の一主面に形成された共振回路と、前記コプレーナラインと一端側で電磁結合して前記基板の他主面に形成された出力線としてのマイクロストリップラインと、互いに極性の異なる第1端子と第2端子を外表面の両端部に有する2端子型とした2個の負性抵抗体とを備え、前記2個の負性抵抗体うちの一方の負性抵抗体の前記第1端子を前記コプレーナラインの中央の信号線に接続し、前記一方の負性抵抗体の前記第2端子を前記コプレーナラインの信号線に沿った両側のうちの一側の接地導体に接続し、前記2個の負性抵抗体のうちのもう一方の負性抵抗体の前記第1端子を前記コプレーナラインの中央の信号線に接続し、前記もう一方の負性抵抗体の前記第2端子を前記コプレーナラインの信号線に沿った両側のうちの他側の接地導体に接続したことを特徴とするコプレーナライン型の高周波発振器
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