JP4588786B2 - クロック分周回路 - Google Patents
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Description
本発明は、数GHzから数十GHzの高周波領域で、ロックレンジが広く、位相保証されたクロックを生成するクロック分周回路に関する。
近年、コンピュータや通信分野において、処理される情報量が増大している。この増大傾向にある情報量に対応するため、LSI(Large Scale Integrated circuit)の演算速度が高速化し、LSI間のデータ伝送速度も上昇している。
このような通信・情報処理関連装置の高速化や高性能化によって、高ビットレートの信号を送受信する伝送回路や、高い処理能力を要する演算回路が求められている。その結果、高速動作を実現するアナログ回路やデジタル回路で使用するクロックに求められるタイミング条件は、益々、厳しくなってきた。
一般的なクロック分周回路として、フリップフロップ(FF)回路が知られている。FF回路によるクロック分周回路は、入力クロックが変位した時に、これに同期した分周クロックを出力するようになっている。一般に、FFによる分周回路は広帯域な特性を有し、数GHz未満の比較的低周波数の分野で多く利用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、数GHzから数十GHzの高周波領域では、分周回路の出力クロックをその入力クロックに同期させるインジェクションロック技術を用いたクロック分周回路が知られている。例えば、非特許文献1では、インジェクションロック技術を用いたクロック分周回路は、コイル(L)とコンデンサ(C)とからなるLC発振器で構成されている。入力クロックとは無関係にLとCの値によって決まる発振周波数のクロック(自走発振クロック)を出力するので、インジェクションロック技術を用いて、入力クロックに同期した分周クロックを出力するようになっている。このようなクロック分周回路は、狭帯域な特性ではあるが、数GHzや数十GHzといった高周波領域での利用が期待されている。
一般に、インジェクションロックを技術を利用した分周回路は、FF回路で構成された分周回路に比べ、低消費電力で、出力位相ノイズも小さい。低消費電力である理由は、LC発振器の消費電力がLC発振器の抵抗成分の損失電力に依存し、この損失電力がFF回路での充放電電力よりも小さいためである。出力位相ノイズが小さい理由は、狭帯域な特性を有するためである。
ところが、数GHz未満の比較的低周波の用途では、必要とされるクロック周波数も数GHz未満となり、インジェクションロック技術を用いると、LC発振器のLやCの値を大きくする必要があり、サイズやコストなど様々な問題が生じる。このため、インジェクションロック技術を利用した分周回路は、低周波領域ではあまり利用されていなかった。
しかし、近年の処理能力の高速化によって、数GHzや数十GHzといった高周波が利用されるようになり、高精度なクロックの生成および伝送を実現する技術として、インジェクションロック技術が注目されるようになってきた。
特開平05−347554号公報
A. Mazzanti, P. Uggetti and F. Svelto, "Analysis and Design of Injection-Locked LC Dividers for Quadrature Generation" IEEE J.Solid-State Circuits, vol.39, pp.1425-1432, September 2004
このような通信・情報処理関連装置の高速化や高性能化によって、高ビットレートの信号を送受信する伝送回路や、高い処理能力を要する演算回路が求められている。その結果、高速動作を実現するアナログ回路やデジタル回路で使用するクロックに求められるタイミング条件は、益々、厳しくなってきた。
一般的なクロック分周回路として、フリップフロップ(FF)回路が知られている。FF回路によるクロック分周回路は、入力クロックが変位した時に、これに同期した分周クロックを出力するようになっている。一般に、FFによる分周回路は広帯域な特性を有し、数GHz未満の比較的低周波数の分野で多く利用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、数GHzから数十GHzの高周波領域では、分周回路の出力クロックをその入力クロックに同期させるインジェクションロック技術を用いたクロック分周回路が知られている。例えば、非特許文献1では、インジェクションロック技術を用いたクロック分周回路は、コイル(L)とコンデンサ(C)とからなるLC発振器で構成されている。入力クロックとは無関係にLとCの値によって決まる発振周波数のクロック(自走発振クロック)を出力するので、インジェクションロック技術を用いて、入力クロックに同期した分周クロックを出力するようになっている。このようなクロック分周回路は、狭帯域な特性ではあるが、数GHzや数十GHzといった高周波領域での利用が期待されている。
一般に、インジェクションロックを技術を利用した分周回路は、FF回路で構成された分周回路に比べ、低消費電力で、出力位相ノイズも小さい。低消費電力である理由は、LC発振器の消費電力がLC発振器の抵抗成分の損失電力に依存し、この損失電力がFF回路での充放電電力よりも小さいためである。出力位相ノイズが小さい理由は、狭帯域な特性を有するためである。
ところが、数GHz未満の比較的低周波の用途では、必要とされるクロック周波数も数GHz未満となり、インジェクションロック技術を用いると、LC発振器のLやCの値を大きくする必要があり、サイズやコストなど様々な問題が生じる。このため、インジェクションロック技術を利用した分周回路は、低周波領域ではあまり利用されていなかった。
しかし、近年の処理能力の高速化によって、数GHzや数十GHzといった高周波が利用されるようになり、高精度なクロックの生成および伝送を実現する技術として、インジェクションロック技術が注目されるようになってきた。
近年の高速化や高性能化に伴って、クロックに要求されるタイミング制約は厳しくなっている。特に、LSIの大規模化に伴い、高速で高精度なクロックをチップ内の各所に分配しなければならない。ところが、従来の一般的なFF回路で構成された分周回路は、消費電力や出力位相ノイズの低減などが難しい。
一方、インジェクションロック技術を用いた分周回路は、低消費電力で出力位相ノイズが小さいので注目されているが、逆に、狭帯域であるため、周波数範囲の広い入力クロックに対して、十分に追従できないという課題がある。分周回路の出力クロックが、その入力クロックに同期する入力クロックの周波数範囲をロックレンジと呼ぶが、インジェクションロック技術を利用した分周回路は、ロックレンジが狭い。
例えば、PLLが出力するクロックを分周する場合、PLLの出力クロックの周波数範囲をカバーできないという問題が生じる。
このように、低消費電力で出力位相ノイズが小さいインジェクションロック技術を利用するためには、ロックレンジの拡大が実用化への大きな課題となる。
また、非特許文献1に示されているインジェクションロック技術を利用した分周回路の場合、4相出力クロックの位相関係は、内部の初期状態に依存して安定せず、4相出力クロックの位相関係を保証することが難しいという課題もある。
上記課題に鑑み、本発明の目的は、数GHzや数十GHzなどの高周波領域で、高精度なクロックを生成でき、ロックレンジが広く、出力クロックの位相関係の保証も可能なクロック分周回路を提供することである。
一方、インジェクションロック技術を用いた分周回路は、低消費電力で出力位相ノイズが小さいので注目されているが、逆に、狭帯域であるため、周波数範囲の広い入力クロックに対して、十分に追従できないという課題がある。分周回路の出力クロックが、その入力クロックに同期する入力クロックの周波数範囲をロックレンジと呼ぶが、インジェクションロック技術を利用した分周回路は、ロックレンジが狭い。
例えば、PLLが出力するクロックを分周する場合、PLLの出力クロックの周波数範囲をカバーできないという問題が生じる。
このように、低消費電力で出力位相ノイズが小さいインジェクションロック技術を利用するためには、ロックレンジの拡大が実用化への大きな課題となる。
また、非特許文献1に示されているインジェクションロック技術を利用した分周回路の場合、4相出力クロックの位相関係は、内部の初期状態に依存して安定せず、4相出力クロックの位相関係を保証することが難しいという課題もある。
上記課題に鑑み、本発明の目的は、数GHzや数十GHzなどの高周波領域で、高精度なクロックを生成でき、ロックレンジが広く、出力クロックの位相関係の保証も可能なクロック分周回路を提供することである。
本発明の一形態では、第1の分周回路と第2の分周回路とを設ける。これら2つの分周回路は、外部からインジェクションされる2相の外部クロック(第1の外部クロックおよび第2の外部クロック)を分周して、4相のクロックを出力する。第1の分周回路は、第1のミキサと、第1の加算回路と、第1の位相回路とで構成されている。第1のミキサは、外部からインジェクションされる第1の外部クロックと分周回路内の第1の位相回路からフィードバックされる第1の内部フィードバック信号とを乗算する。第1の加算回路は、第1のミキサの出力信号と第2の分周回路から第2の結合回路を介して入力される第1の外部入力信号とを加算する。第1の位相回路は、第1の加算回路の出力信号の位相をシフトして第1の出力信号を出力すると共に、第1の分周回路内で第1の内部フィードバック信号として第1のミキサにフィードバックされる。第2の分周回路は、第2のミキサと、第2の加算回路と、第2の位相回路とで構成されている。各部の信号の流れは、第1の分周回路と同様であるが、第2のミキサに入力される第2の外部クロックは、第1の外部クロックと位相が異なる。第2のミキサは、第2の外部クロックと分周回路内の第2の位相回路からフィードバックされる第2の内部フィードバック信号とを乗算する。第2の加算回路は、第2のミキサの出力信号と第1の分周回路から第1の結合回路を介して入力される第2の外部入力信号とを加算する。第2の位相回路は、第2の加算回路の出力信号の位相をシフトして第2の出力信号を出力すると共に、第2の分周回路内で第2の内部フィードバック信号として第2のミキサにフィードバックされる。
ここで、第1の分周回路と第2の分周回路とは、第1の結合回路と第2の結合回路とでループ状に接続される。つまり、第1の結合回路は、第1の分周回路の第1の出力信号を入力して、第2の結合回路に第2の外部入力信号を出力し、第2の結合回路は、第2の分周回路の第2の出力信号を入力して、第1の結合回路に第1の外部入力信号を出力する。第1および第2の結合回路によって、第1および第2の分周回路が出力するクロック位相がループ状に各分周回路にフィードバックされることになり、出力される4相クロックの位相関係を保証することができる。また、結合回路が無い場合に比べて、ループ利得が大きくなり、ロックレンジが広くなる。
本発明の一形態における好ましい例では、第1の結合回路と第2の結合回路とをそれぞれ所定の利得を有するトランスコンダクタンスアンプで構成する。ループ状に接続された第1の分周回路と第2の分周回路は、トランスコンダクタンスアンプの利得によってループ利得が大きくなり、ロックレンジが広くなる。さらに、利得調整部を設けて、トランスコンダクタンスアンプの利得を調整することで、ループ利得を可変でき、用途に適したロックレンジに調整することができる。
ここで、第1の分周回路と第2の分周回路とは、第1の結合回路と第2の結合回路とでループ状に接続される。つまり、第1の結合回路は、第1の分周回路の第1の出力信号を入力して、第2の結合回路に第2の外部入力信号を出力し、第2の結合回路は、第2の分周回路の第2の出力信号を入力して、第1の結合回路に第1の外部入力信号を出力する。第1および第2の結合回路によって、第1および第2の分周回路が出力するクロック位相がループ状に各分周回路にフィードバックされることになり、出力される4相クロックの位相関係を保証することができる。また、結合回路が無い場合に比べて、ループ利得が大きくなり、ロックレンジが広くなる。
本発明の一形態における好ましい例では、第1の結合回路と第2の結合回路とをそれぞれ所定の利得を有するトランスコンダクタンスアンプで構成する。ループ状に接続された第1の分周回路と第2の分周回路は、トランスコンダクタンスアンプの利得によってループ利得が大きくなり、ロックレンジが広くなる。さらに、利得調整部を設けて、トランスコンダクタンスアンプの利得を調整することで、ループ利得を可変でき、用途に適したロックレンジに調整することができる。
本発明に係るクロック分周回路は、数GHzや数十GHzなどの高周波領域で、高精度なクロックを生成できる。特に、ロックレンジが広く、出力クロックの位相関係の保証も可能である。
以下、本発明に係るクロック分周回路のいくつかの実施形態を説明する前に、各実施形態に共通の技術について説明する。
図1は、各実施形態に係るクロック分周回路101のブロック図である。クロック分周回路101は、第1の分周回路102と第2の分周回路103の2個の分周回路を有する。
第1の分周回路102および第2の分周回路103は、トランスコンダクダンスgm114を有する第1の結合回路104およびトランスコンダクダンスgm115と反転部116とを有する第2の結合回路105によって、互いにループ状に接続されている。尚、トランスコンダクダンスgm114および115は、ある利得を持って、電圧を電流に変換するアンプである。
第1の分周回路102および第2の分周回路103には、外部からインジェクションされる2倍のωの周波数の2相の外部クロックφinjおよびφinjXが入力され、2分周されたクロックφI:(VICOS(ωt−θ))とクロックφQ:(VQCOS(ωt−θ±π/2))および、それぞれを反転した補信号のクロックφIXとφQXの4相のクロックを生成する。尚、補信号のクロックφIXとφQXとは、クロックφIとφQを反転させたもので、ここでは図示していない。また、図1は、シングルエンド表記で記載しているため反転部116によって−1倍して、位相を180度シフトし、クロックφQを補信号のクロックφIXに、補信号のクロックφQXをクロックφIに、それぞれ接続する。これに関しては、第1の実施形態で詳しく説明する。
また、第1の分周回路102および第2の分周回路103は、それぞれミキサ(Mixer)108および109,加算回路110および111,位相回路112および113で構成される。
次に、第1の分周回路102の動作について説明する。第1の分周回路102に入力される外部クロックφinjは、VinjCOS(2ωt)で表される電圧振幅がVinjで周波数が2ωのクロックである。ここで、外部クロックφinjは、第1の外部クロックに相当する。
ミキサ108は、外部クロックφinjと位相回路112が出力する第1の内部フィードバック信号のクロックVICOS(ωt−θ)とを乗算し、ImixCOS(ωt+θ)で表される電流振幅がImixで周波数がωのクロックを加算回路110に出力する。尚、θは外部クロックφinjに対する位相差である。
加算回路110は、ミキサ108の出力クロックImixCOS(ωt+θ)と、第2の結合回路105が出力する第1の外部入力信号(電流振幅がIgmで周波数がωのIgmCOS(ωt−θ±π/2)の信号)とを電流加算した電流ITを、位相回路112に出力する。
位相回路112は、入力電流ITを位相シフトしたクロックVICOS(ωt+θ)をミキサ108にフィードバックする(第1の内部フィードバック信号)と共に、第1の結合回路104に出力する(第1の出力信号)。
ここで、位相回路112の入力電流ITは、(式1)で与えられる。
IT = VI √(βVinjgmSIN(2θ) + (βVinj)2/4 + gm 2 ) …(式1)
(式1)において、βはミキサ108の入力電圧と出力電流の変換係数を表し、その単位はA/V2である。
また、この時のループ利得は(式2)で与えられ、発振してロックする条件は、ループ利得が1より大きくなければならないので、(式3)で与えられる。
ループ利得 =(IT / VI)* |H(ω)|
=√(βVinjgmSIN(2θ)+(βVinj)2/4+gm 2)*|H(ω)| …(式2)
(IT/ VI) * |H(ω)| > 1 …(式3)
一方、第2の分周回路103に入力される外部クロックφinjXは-VinjCOS(2ωt)で、上記で説明した第1の分周回路102と同様に動作する。ここで、外部クロックφinjXは、第2の外部クロックに相当する。つまり、外部クロックφinjXは、第2の分周回路103のミキサ109で、位相回路113が出力する第2の内部フィードバック信号のVQCOS(ωt−θ±π/2)と乗算され、IQmixCOS(ωt+θ±π/2)が出力される。
ミキサ109が出力するIQmixCOS(ωt+θ±π/2)は、第1の結合回路104が出力する第2の外部入力信号と加算回路111で電流加算され、位相回路113に出力される。
位相回路113は、入力電流を位相シフトしたクロックVQCOS(ωt−θ±π/2)をミキサ109にフィードバックする(第2の内部フィードバック信号)と共に、第2の結合回路105に出力する(第2の出力信号)。
ここで、本実施形態の特徴が分かり易いように、結合回路が無い場合のクロック分周回路と比較して説明する。図8のクロック分周回路は、第1の分周回路702と第2の分周回路703とを有する。第1の分周回路702は、インジェクションロック技術を用いて、外部クロックφinjに同期した2分周の2相クロックφIおよびφIXを出力し、第2の分周回路703も、同様に、外部クロックφinjXに同期した2分周の2相クロックφQおよびφQXを出力する。
第1の分周回路702は、コイルL81およびL82,抵抗R81,容量C81およびC82,トランジスタTr81からTr83によって、LC発振器をベースとしたVCO(電圧制御発振器)を構成している。尚、Vccは電源、GNDは接地を示している。
また、第2の分周回路703は、第1の分周回路702と同じ回路構成で、コイルL91およびL92,抵抗R91,容量C91およびC92,トランジスタTr91からTr93で構成されている。
外部から入力される2倍のωの周波数の2相の外部クロックφinjおよびφinjXは、それぞれ第1の分周回路702と第2の分周回路703のトランジスタTr83およびトランジスタTr93に入力される。トランジスタTr83およびトランジスタTr93は、外部クロックφinjおよびφinjXに応じて、出力を変化させ、トランジスタTr81と82とで構成されるクロスカップル回路およびトランジスタTr91と92とで構成されるクロスカップル回路の分周周期を制御する。
一方、コイルL81およびL82,容量C81およびC82からなるLCタンク回路と、コイルL91およびL92,容量C91およびC92からなるLCタンク回路とは、コイルと容量成分によって決まる外部とは無関係の共振周波数(自走発振周波数)ω0で発振するが、トランジスタTr81からTr93によって2分周された周波数ωにロックしたクロックが出力される。ところが、第1の分周回路702と第2の分周回路703とは独立しているため、以下のような問題を生じる。
つまり、図1の第1の結合回路104および第2の結合回路105が無い場合は、(式1)において、gm=0となる。従って、(式1)の平方根内の第1項と第3項とが0となり、結合回路がある場合に比べて、ITが小さくなる。ITが小さくなると、ループ利得も小さくなり、結果として、ロックレンジが狭くなってしまう。
尚、この時のループ利得は(式4)で与えられる。
ループ利得 =(βVinj /2)* |H(ω)| …(式4)
また、結合回路が無い場合は、外部から入力される2倍のωの周波数の2相のクロックは、第1の分周回路102と第2の分周回路103とに入力されるが、gm=0なので、第1の分周回路102と第2の分周回路103とは独立して分周動作を行うことになる。つまり、第1の分周回路102と第2の分周回路103とが生成するクロックφIとφQの位相差(φI−φQ)は、分周回路を構成する回路部品の初期状態によって、+π/2または-π/2のいずれかに決まることにより、一定しない。
これに対して、図1の本発明では、第1の結合回路104および第2の結合回路105によって、第1の分周回路102と第2の分周回路103とが互いにループ状に結合されているので、gm>0となる。従って、第1の分周回路102と第2の分周回路103とが生成するクロックφIとφQの位相差(φI−φQ)は、分周回路を構成する回路部品の初期状態に関係なく、必ず、次のように決まる。
位相差(φQ−φI)= -π/2 (ω>ω0) …(式5)
位相差(φQ−φI)= +π/2 (ω<ω0) …(式6)
ここで、ω0は位相回路112および113の共振角周波数である。
図2は、位相回路112および113で構成される位相回路の伝達関数H(ω)の特性を示している。伝達関数H(ω)は、ω>ω0のとき、位相回路による位相シフトφの符号は負になる。一方、ω<ω0のとき、位相シフトφの符号は正になるので、(式5)と(式6)の関係が成立する。
次に、クロック分周回路101の各部の電圧と電流の位相関係について説明する。図3は、外部クロックφinjおよびφinjXの成分Vinjの大きさによって、VIとImixの位相差が変化する様子を示している。
図3(a)において、VIがVinjに対して-θの位相である場合、ミキサ108の出力ImixはVinjに対して+θの位相になる。つまり、VI成分とImix成分との位相差は2倍のθになる。また、第2の結合回路105を介して第2の分周回路103からフィードバックされるクロック成分Igmは、VQを反転させているので、VQとπだけ位相がずれている。一方、VIに対して、VQは直交しているのでπ/2の位相差があり、Igmはy軸に対して-θの位相になる。
加算回路110で、Imix成分とIgm成分とが電流加算されるので、2つのベクトルは合成されて、IT成分が得られる。IT成分は、位相回路112でφだけ位相シフトしてVI成分を出力するので、IT成分とVI成分との位相差はφとなる。
図3(b)は、外部クロックφinjおよびφinjXのインジェクションクロック成分Vinjが小さい場合の各部の電圧成分と電流成分の位相関係を示している。Vinjが小さい場合、VIとImixの位相差が小さくなり、小さくなるに連れて位相差は0に近づく。つまり、図3(a)のθが小さくなって、Imix成分とIgm成分との位相差が大きくなり、加算回路110の出力のIT成分が小さくなる。(式2)において、IT成分が小さくなると、ループ利得も小さくなり、その結果、ロックレンジが狭くなる。
この場合、VIとImixとの位相差が小さくなって、ω≒ω0と見なせるので、図2の特性において、位相回路112および113による位相シフトφも小さくなる。従って、第2の結合回路105の出力電流Igmとミキサ108の出力電流Imixとの位相差は、図3(b)に示すように、ほぼπ/2となる。
ここで、第2の結合回路105の出力電流Igmは、位相回路112のリアクタンス成分を変化させるような働きがある。つまり、ω>ω0のときは、位相回路112の共振周波数ω0を大きくする方向に、ω<ω0のときは、位相回路112の共振周波数ω0を小さくする方向に、それぞれ動作する。
図3(c)は、外部クロックφinjおよびφinjXのインジェクションクロック成分Vinjが大きい場合の各部の電圧成分と電流成分の位相関係を示している。Vinjが大きい場合、VIとImixの位相差が大きくなる。つまり、図3(a)のθが大きくなって、Imix成分とIgm成分との位相差が小さくなり、加算回路110の出力のIT成分が大きくなる。(式2)において、IT成分が大きくなると、ループ利得も大きくなり、その結果、ロックレンジが広くなる。
この場合、VIとImixとの位相差が大きくなって、ωとω0との差も大きくなる。図2の特性において、ω>ω0のとき、位相シフトφは-π/2に近くなり、ω<ω0のとき、位相シフトφは+π/2に近くなる。従って、第2の結合回路105の出力電流Igmとミキサ108の出力電流Imixとの位相差は、図3(c)に示すように、ほぼ0となり、IT成分は最大となる。つまり、Vinjが大きい場合、ロックレンジは広くなる。
このように、本発明に係るクロック分周回路は、第1の結合回路104および第2の結合回路105によって、第1の分周回路102と第2の分周回路103とが互いにループ状に結合されているので、結合回路が無い場合に比べて、ループ利得が大きくなり、ロックレンジを拡大することができる。また、第1の分周回路102と第2の分周回路103とが生成するクロックφIとφQの位相差は、分周回路を構成する回路部品の初期状態に関係なく決まるので、常に、位相保証された4相クロックを生成することができる。
次に、図1の本発明に係るクロック分周回路のブロック図の具体的な回路構成について説明する。
(第1の実施形態)
図4(a)は、図1に示したクロック分周回路の回路図を示している。第1の実施形態は、図1のミキサ108および109として、LC発振器によるVCOを利用したものである。
第1の分周回路102は、トランジスタTr11からTr15と、コイルL11と、可変容量C11およびC12とで構成される。同様に、第2の分周回路103は、トランジスタTr21からTr25と、コイルL21と、可変容量C21およびC22とで構成される。また、これらの分周回路に電流を供給する電流源CS1がTr15およびTr25に接続されている。Vccは電源、GNDは接地を示す。
先ず、第1の分周回路102の動作について説明する。
外部クロックφinjは、Tr15のゲートに入り、外部クロックφinjの変化に応じて、接続点PIおよびPIXの電位を変化させ、外部クロックφinjの角周波数2ωを1/2の角周波数ωに分周する。
Tr11からTr14,L11,C11およびC12とでLC発振器を構成し、外部クロックφinjが入力されない状態では、L11,C11およびC12で決まる共振角周波数ω0で発振する。ここで、接続点PIおよびPIXが図1の加算回路110に相当し、L11,C11およびC12のLCタンク回路が図1の位相回路112に相当する。また、Tr11からTr15およびLC発振器からなるVCOが、図1のミキサ108に相当する。
第2の分周回路103も、外部クロックφinjXの位相が異なるだけで、第1の分周回路102と同じ構成なので同様に動作する。つまり、接続点PQおよびPQXが図1の加算回路111に相当し、L21,C21およびC22のLCタンク回路が図1の位相回路113に相当する。また、Tr21からTr25、およびLC発振器からなるVCOが、図1のミキサ109に相当する。
ここで、共振角周波数ω0と、外部クロックφinjおよびφinjXの角周波数2ωを分周した角周波数ωとの大小関係によって、(式5)および(式6)で説明したように、第1の分周回路102と第2の分周回路103とで生成するクロックφIとφQの位相差(φI−φQ)が決定され、第1の分周回路102からは、4相のクロックのI側のクロックφIおよびφIXが出力され、第2の分周回路103からは、4相のクロックのQ側のクロックφQおよびφQXが出力される。
次に、第1の結合回路104および第2の結合回路105の回路構成について説明する。
図4(b)は、第1の結合回路104を構成するトランスコンダクタンスアンプ401の回路例を示している。尚、第2の結合回路105を構成するトランスコンダクタンスアンプ402も同様の回路で構成できる。
このトランスコンダクタンスアンプ401は、差動インバータのnMOSソースノードに電流源CS2を接続した回路である。Tr31とTr32はインバータを構成し、入力inから入ってくる信号を反転させて出力outxに出す。同様に、Tr33とTr34もインバータを構成し、入力inxから入ってくる信号を反転させて出力outに出す。
従って、図4(a)において、第1の分周回路102の出力クロックφIは、第1の結合回路104のトランスコンダクタンスアンプ401の入力inに入り、反転した出力outxの信号は、第2の分周回路103の接続点PQに入力される。第1の分周回路102の出力クロックφIXは、第1の結合回路104の入力inxに入り、反転した出力outの信号は、第2の分周回路103の接続点PQXに入力される。
同様に、第2の分周回路103の出力クロックφQは、第2の結合回路105のトランスコンダクタンスアンプ402の入力inに入り、反転した出力outxの信号は、第1の分周回路102の接続点PIXに入力される。第2の分周回路103の出力クロックφQXは、第2の結合回路105の入力inxに入り、反転した出力outの信号は、第1の分周回路102の接続点PIに入力される。
つまり、第1の分周回路102から第2の分周回路103に接続する第1の結合回路104のトランスコンダクタンスアンプ401によって、クロックφIをφQに、クロックφIの補信号のクロックφIXをφQの補信号のクロックφQXに、それぞれ出力する。また、第2の分周回路103から第1の分周回路102に接続する第2の結合回路105のトランスコンダクタンスアンプ402によって、クロックφQをクロックφIXに、クロックφQXをクロックφIに、それぞれ出力する。ここで、図1は、シングルエンド表記で記載しているため反転部116によって−1倍して、位相を180度シフトし、上記のように、クロックφQを補信号のクロックφIXに、補信号のクロックφQXをクロックφIに、それぞれ接続することを示している。つまり、図4(a)のトランスコンダクタンスアンプ402は相補信号の表記なので、図1のトランスコンダクダンスgm115と反転部116とをまとめて実現している。
ここで、本実施形態の効果について説明する。図6(a)は、第1の実施形態のクロック分周回路(gm≠0)と、結合回路を持たない場合のクロック分周回路(gm=0)とのシミュレーション結果を示すグラフである。横軸は、外部クロックφinjのエネルギー(Injection Power)を示し、縦軸は、ロックする周波数の上限と下限を示す。ロックする周波数の上限と下限の幅がロックレンジで、Injection Powerが大きい程、入力振幅が大きくなり、ロックレンジは広くなる。第1の分周回路102と第2の分周回路103との結合がない状態(gm=0)に比べ、結合がある状態(gm≠0)の方が、1GHz程度、ロックレンジが広くなっているのが分かる。
このように、第1の実施形態では、第1の分周回路102および第2の分周回路103において、ミキサ108および109をLC発振器をベースとしたVCOで構成することによって、簡易的な回路で、ロックレンジが広いクロック分周回路を実現することができる。
さらに、生成するクロックφIとφQの位相差は、第1の分周回路102と第2の分周回路103とを構成する回路部品の初期状態に関係なく、(式5)および(式6)で示したωとω0との大小関係によって決まるので、常に位相保証された安定した4相クロックを生成することができる。
(第2の実施形態)
図5は、図1に示したクロック分周回路の回路図を示している。第1の実施形態では、ミキサ108および109としてLC発振器をベースとしたVCOで構成したが、第2の実施形態は、ミキサ108および109として、アナログの掛け算回路を用いている。
第1の分周回路102は、トランジスタTr41からTr48と、コイルL41と、可変容量C41およびC42、電流源CS41とで構成される。
同様に、第2の分周回路103は、トランジスタTr51からTr58と、コイルL51と、可変容量C51およびC52、電流源CS51とで構成される。尚、Vccは電源、GNDは接地を示す。
ここで、第1の分周回路102のTr43からTr48は、アナログの掛け算器を構成する。このアナログ掛け算器は、Tr45とTr48のゲートに入力する相補クロックφIおよびφIXと、Tr43とTr47のゲートに入力する外部クロックφinjXおよびTr44とTr46のゲートに入力する外部クロックφinjとを、掛け算する回路で、ギルバートセル型として知られているものである。同様に、第2の分周回路103のTr53からTr58もアナログの掛け算器を構成する。
L41,C41,C42のLCタンク回路とTr41およびTr42とでLC発振器を構成し、アナログ掛け算器が無い状態では、L41,C41およびC42で決まる共振角周波数ω0で発振する。ここで、接続点JIおよびJIXが図1の加算回路110に相当し、LCタンク回路が図1の位相回路112に相当する。また、Tr43からTr48のアナログ掛け算器は図1のミキサ108に相当する。同様に、第2の分周回路103において、L51,C51,C52のLCタンク回路とTr51からTr52とでLC発振器を構成する。
第1の分周回路102では、外部クロックφinjおよびφinjXと、内部フィードバックされた出力クロックφIおよびφIX(第1の内部フィードバック信号)とがアナログ掛け算器で掛け算され、和と差の周波数のクロックが生成される。アナログ掛け算器の出力は、LCタンク回路に入り、高調波成分はフィルタリングされて、共振角周波数ω0と、アナログ掛け算器の出力の角周波数成分ωとの大小関係によって、図2で決まる位相分だけシフトされ、クロックφIおよびφIXを出力する。
同様に、第2の分周回路103では、外部クロックφinjおよびφinjXと、内部フィードバックされた出力クロックφQおよびφQX(第2の内部フィードバック信号)と掛け算され、LCタンク回路で位相シフトされて、クロックφQおよびφQXを出力する。
ここで、共振角周波数ω0と、外部クロックφinjおよびφinjXの角周波数2ωを分周した角周波数ωとの大小関係によって、(式5)および(式6)で説明したように、第1の分周回路102と第2の分周回路103とで生成するクロックφIとφQの位相差(φI−φQ)が決定される。
また、第1の結合回路104および第2の結合回路105の回路構成は、第1の実施形態で説明した図4(b)と同様に構成できる。
つまり、第1の分周回路102から第2の分周回路103に接続する第1の結合回路104では、トランスコンダクダンスアンプ401によって、クロックφIをφQに、クロックφIの補クロックφIXをφQの補クロックφQXに、それぞれ出力する。また、第2の分周回路103から第1の分周回路102に接続する第2の結合回路105では、トランスコンダクダンスアンプ402によって、クロックφQをφIの補クロックφIXに、クロックφQの補クロックφQXをφIに、それぞれ出力する。
このように、第1の実施形態と同様に、トランスコンダクダンスアンプ401による第1の結合回路104と、トランスコンダクダンスアンプ402による第2の結合回路105によって、第1の分周回路102と第2の分周回路103とが互いにループ状に結合されるので、ループ利得が大きくなり、ロックレンジを拡大することができる。
ここで、本実施形態の効果について説明する。図6(b)は、第2の実施形態のクロック分周回路(gm≠0)と、結合回路を持たない場合(gm=0)とのシミュレーション結果を示すグラフである。尚、図6(a)と同様に、Injection Powerが大きい程、ロックレンジが広くなっているが、第1の実施形態に比べて、ロックする周波数の上限と下限の幅が広く、約2倍のロックレンジが得られている。
以上、第2の実施形態では、第1の分周回路102および第2の分周回路103において、ミキサ108および109をアナログ掛け算器で構成することによって、より広いロックレンジのクロック分周回路を実現できる。
さらに、生成するクロックφIとφQの位相差(φI−φQ)は、第1の分周回路102と第2の分周回路103とを構成する回路部品の初期状態に関係なく、ωとω0との大小関係によって決まるので、常に位相保証された安定した4相クロックの生成が可能なクロック分周回路を実現できる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について用いて説明する。図7は、クロック分周回路のトランスコンダクタンスアンプ401bを示し、第1の実施形態および第2の実施形態におけるトランスコンダクタンスアンプ401の利得を外部から可変できるようにしたものである。
図7(a)は、トランスコンダクタンスアンプ401bの回路図、図7(b)は利得制御信号発生部の回路図である。尚、図4(b)のトランスコンダクタンスアンプ401と同じ符号のものは同じものを示す。また、第2の結合回路105のトランスコンダクタンスアンプ402もトランスコンダクタンスアンプ401bと同様に構成でき、第1の結合回路104と第2の結合回路105の両方をトランスコンダクタンスアンプ401bのように構成してもよいし、いずれか一方だけでも構わない。
Tr61から64とTr71から74はpMOSトランジスタ、Tr65から68とTr75から78はnMOSトランジスタである。
直列に接続されたTr61とTr63およびTr62とTr64は、それぞれTr31に並列に接続されている。従って、制御信号sw_p0がローレベルになるとTr62がオンし、sw_p1がローレベルになるとTr61がオンする。Tr62とTr61のいずれかがオンすると、Tr31だけがオンした場合に比べて、入力inの信号に対して、出力outxの信号は2倍に大きくなる。つまり、利得が大きくなって、ロックレンジは広くなる。
Tr62とTr61の両方がオンすると、Tr31だけがオンした場合に比べて、入力inの信号に対して、出力outxの信号は3倍に大きくなる。つまり、利得がさらに大きくなって、ロックレンジはより広くなる。
同様に、直列に接続されたTr71とTr73およびTr72とTr74は、それぞれTr33に並列に接続されている。従って、制御信号sw_p0がローレベルになるとTr72がオンし、sw_p1がローレベルになるとTr71がオンする。Tr62とTr61と同様に、Tr72とTr71のオン状態によって、利得を制御でき、ロックレンジを可変できる。
nMOSトランジスタTr65から68の場合は、制御信号sw_n0とsw_n1によって制御される。つまり、直列に接続されたTr65とTr67およびTr66とTr68は、それぞれTr32に並列に接続されている。従って、制御信号sw_n0がハイレベルになるとTr68がオンし、sw_n1がハイレベルになるとTr67がオンする。Tr62とTr61と同様に、制御信号の論理は反転しているが、Tr67とTr68のオン状態によって、利得を制御でき、ロックレンジを可変できる。
同様に、直列に接続されたTr75とTr77およびTr76とTr78は、それぞれTr34に並列に接続されている。従って、制御信号sw_n0がハイレベルになるとTr78がオンし、sw_n1がハイレベルになるとTr77がオンする。Tr67とTr68と同様に、Tr77とTr78のオン状態によって、利得を制御でき、ロックレンジを可変できる。
ここで、制御信号sw_p0,sw_p1,sw_n0,sw_n1は、利得制御信号発生部601のように構成できる。クロック分周回路の上位回路(図示せず)側からの設定信号をsw0とsw1との2ビットとした場合、sw0とsw1が共にローレベル(”0”)の時、インバータ602および604によって反転され、制御信号sw_p0はハイレベル,sw_p1もハイレベルとなる。逆に、バッファ603および605はそのままの論理で出力するので、sw_n0はローレベル,sw_n1もローレベルとなる。この結果、Tr61および62,Tr67および68,Tr71および72,Tr77および78,は全て逆バイアスされてオフ状態になり、結合回路401bは、Tr31からTr34だけで駆動されることになる。つまり、出力outおよびoutxに流れる電流は小さく、利得は一番低い状態になるので、(式2)より、ロックレンジは狭くなる。
次に、sw0とsw1のいずれか一方がハイレベル(”1”)の時、例えば、sw0がハイレベル(”1”)の時、上記と同様に、制御信号sw_p0はローレベル,sw_p1はハイレベル,sw_n0はハイレベル,sw_n1はローレベルとなり、Tr62,Tr68,Tr72,Tr78がオン状態になり、Tr31からTr34に並列に1つの回路が駆動されることになる。つまり、利得は、Tr31からTr34だけの場合に比べて少し高くなり、ロックレンジは広くなる。sw1だけがハイレベル(”1”)の場合も同じである。
次に、sw0とsw1が共にハイレベル(”1”)の時、上記と同様に、制御信号sw_p0はローレベル,sw_p1もローレベル,sw_n0はハイレベル,sw_n1もハイレベルとなり、Tr61および62,Tr67および68,Tr71および72,Tr77および78,は全てオン状態になり、Tr31からTr34に並列に2つの回路が駆動されることになる。つまり、利得は、Tr31からTr34だけの場合に比べてさらに高くなり、ロックレンジはより広くなる。
このように、sw0とsw1の論理の組み合わせによって、結合回路の利得を3段階に調整することができ、アプリケーションに応じて、ロックレンジを可変することが可能となる。
一般に、ループ利得が大きくなれば、ロックレンジは広くなるが、消費電力も大きくなる。逆に、ループ利得が小さくなれば、消費電力は少なくなるが、ロックレンジが狭くなる。従って、結合回路のコンダクタンスを外部から制御できるようにすれば、用途に合わせて、ループ利得を可変できるので、消費電力を抑えながら必要なロックレンジを確保することができる。
尚、本実施形態では、トランスコンダクタンスアンプの利得を3段階で構成したが、同様の回路を増減することで、3段階以外でも実現可能である。さらに、他の回路構成であっても、第1の結合回路または第2の結合回路、もしくは両方の結合回路の利得を制御できる回路を用いれば、本実施形態と同じように、クロック分周回路のロックレンジを可変できる。
以上、各実施形態において説明してきたように、本発明に係るクロック分周回路は、第1の分周回路と第2の分周回路とを結合回路によってループ状に接続することで、ループ利得を高くでき、ロックレンジを広げることができる。
この結果、低消費電力で位相ノイズが少ないという利点がありながら、ロックレンジが狭いという欠点を持っていたインジェクションロック技術の課題を克服し、数GHzから数十GHzの高周波領域において、ロックレンジの広い高精度なクロック分周回路を実現できる。
また、本実施形態のクロック分周回路は、第1の分周回路と第2の分周回路とが互いにリンクして、出力する4相クロックの位相関係を保証することができる。
さらに、第1の結合回路または第2の結合回路、もしくは両方の結合回路の利得を制御することで、アプリケーションに応じて、ロックレンジを可変できる。
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
図1は、各実施形態に係るクロック分周回路101のブロック図である。クロック分周回路101は、第1の分周回路102と第2の分周回路103の2個の分周回路を有する。
第1の分周回路102および第2の分周回路103は、トランスコンダクダンスgm114を有する第1の結合回路104およびトランスコンダクダンスgm115と反転部116とを有する第2の結合回路105によって、互いにループ状に接続されている。尚、トランスコンダクダンスgm114および115は、ある利得を持って、電圧を電流に変換するアンプである。
第1の分周回路102および第2の分周回路103には、外部からインジェクションされる2倍のωの周波数の2相の外部クロックφinjおよびφinjXが入力され、2分周されたクロックφI:(VICOS(ωt−θ))とクロックφQ:(VQCOS(ωt−θ±π/2))および、それぞれを反転した補信号のクロックφIXとφQXの4相のクロックを生成する。尚、補信号のクロックφIXとφQXとは、クロックφIとφQを反転させたもので、ここでは図示していない。また、図1は、シングルエンド表記で記載しているため反転部116によって−1倍して、位相を180度シフトし、クロックφQを補信号のクロックφIXに、補信号のクロックφQXをクロックφIに、それぞれ接続する。これに関しては、第1の実施形態で詳しく説明する。
また、第1の分周回路102および第2の分周回路103は、それぞれミキサ(Mixer)108および109,加算回路110および111,位相回路112および113で構成される。
次に、第1の分周回路102の動作について説明する。第1の分周回路102に入力される外部クロックφinjは、VinjCOS(2ωt)で表される電圧振幅がVinjで周波数が2ωのクロックである。ここで、外部クロックφinjは、第1の外部クロックに相当する。
ミキサ108は、外部クロックφinjと位相回路112が出力する第1の内部フィードバック信号のクロックVICOS(ωt−θ)とを乗算し、ImixCOS(ωt+θ)で表される電流振幅がImixで周波数がωのクロックを加算回路110に出力する。尚、θは外部クロックφinjに対する位相差である。
加算回路110は、ミキサ108の出力クロックImixCOS(ωt+θ)と、第2の結合回路105が出力する第1の外部入力信号(電流振幅がIgmで周波数がωのIgmCOS(ωt−θ±π/2)の信号)とを電流加算した電流ITを、位相回路112に出力する。
位相回路112は、入力電流ITを位相シフトしたクロックVICOS(ωt+θ)をミキサ108にフィードバックする(第1の内部フィードバック信号)と共に、第1の結合回路104に出力する(第1の出力信号)。
ここで、位相回路112の入力電流ITは、(式1)で与えられる。
IT = VI √(βVinjgmSIN(2θ) + (βVinj)2/4 + gm 2 ) …(式1)
(式1)において、βはミキサ108の入力電圧と出力電流の変換係数を表し、その単位はA/V2である。
また、この時のループ利得は(式2)で与えられ、発振してロックする条件は、ループ利得が1より大きくなければならないので、(式3)で与えられる。
ループ利得 =(IT / VI)* |H(ω)|
=√(βVinjgmSIN(2θ)+(βVinj)2/4+gm 2)*|H(ω)| …(式2)
(IT/ VI) * |H(ω)| > 1 …(式3)
一方、第2の分周回路103に入力される外部クロックφinjXは-VinjCOS(2ωt)で、上記で説明した第1の分周回路102と同様に動作する。ここで、外部クロックφinjXは、第2の外部クロックに相当する。つまり、外部クロックφinjXは、第2の分周回路103のミキサ109で、位相回路113が出力する第2の内部フィードバック信号のVQCOS(ωt−θ±π/2)と乗算され、IQmixCOS(ωt+θ±π/2)が出力される。
ミキサ109が出力するIQmixCOS(ωt+θ±π/2)は、第1の結合回路104が出力する第2の外部入力信号と加算回路111で電流加算され、位相回路113に出力される。
位相回路113は、入力電流を位相シフトしたクロックVQCOS(ωt−θ±π/2)をミキサ109にフィードバックする(第2の内部フィードバック信号)と共に、第2の結合回路105に出力する(第2の出力信号)。
ここで、本実施形態の特徴が分かり易いように、結合回路が無い場合のクロック分周回路と比較して説明する。図8のクロック分周回路は、第1の分周回路702と第2の分周回路703とを有する。第1の分周回路702は、インジェクションロック技術を用いて、外部クロックφinjに同期した2分周の2相クロックφIおよびφIXを出力し、第2の分周回路703も、同様に、外部クロックφinjXに同期した2分周の2相クロックφQおよびφQXを出力する。
第1の分周回路702は、コイルL81およびL82,抵抗R81,容量C81およびC82,トランジスタTr81からTr83によって、LC発振器をベースとしたVCO(電圧制御発振器)を構成している。尚、Vccは電源、GNDは接地を示している。
また、第2の分周回路703は、第1の分周回路702と同じ回路構成で、コイルL91およびL92,抵抗R91,容量C91およびC92,トランジスタTr91からTr93で構成されている。
外部から入力される2倍のωの周波数の2相の外部クロックφinjおよびφinjXは、それぞれ第1の分周回路702と第2の分周回路703のトランジスタTr83およびトランジスタTr93に入力される。トランジスタTr83およびトランジスタTr93は、外部クロックφinjおよびφinjXに応じて、出力を変化させ、トランジスタTr81と82とで構成されるクロスカップル回路およびトランジスタTr91と92とで構成されるクロスカップル回路の分周周期を制御する。
一方、コイルL81およびL82,容量C81およびC82からなるLCタンク回路と、コイルL91およびL92,容量C91およびC92からなるLCタンク回路とは、コイルと容量成分によって決まる外部とは無関係の共振周波数(自走発振周波数)ω0で発振するが、トランジスタTr81からTr93によって2分周された周波数ωにロックしたクロックが出力される。ところが、第1の分周回路702と第2の分周回路703とは独立しているため、以下のような問題を生じる。
つまり、図1の第1の結合回路104および第2の結合回路105が無い場合は、(式1)において、gm=0となる。従って、(式1)の平方根内の第1項と第3項とが0となり、結合回路がある場合に比べて、ITが小さくなる。ITが小さくなると、ループ利得も小さくなり、結果として、ロックレンジが狭くなってしまう。
尚、この時のループ利得は(式4)で与えられる。
ループ利得 =(βVinj /2)* |H(ω)| …(式4)
また、結合回路が無い場合は、外部から入力される2倍のωの周波数の2相のクロックは、第1の分周回路102と第2の分周回路103とに入力されるが、gm=0なので、第1の分周回路102と第2の分周回路103とは独立して分周動作を行うことになる。つまり、第1の分周回路102と第2の分周回路103とが生成するクロックφIとφQの位相差(φI−φQ)は、分周回路を構成する回路部品の初期状態によって、+π/2または-π/2のいずれかに決まることにより、一定しない。
これに対して、図1の本発明では、第1の結合回路104および第2の結合回路105によって、第1の分周回路102と第2の分周回路103とが互いにループ状に結合されているので、gm>0となる。従って、第1の分周回路102と第2の分周回路103とが生成するクロックφIとφQの位相差(φI−φQ)は、分周回路を構成する回路部品の初期状態に関係なく、必ず、次のように決まる。
位相差(φQ−φI)= -π/2 (ω>ω0) …(式5)
位相差(φQ−φI)= +π/2 (ω<ω0) …(式6)
ここで、ω0は位相回路112および113の共振角周波数である。
図2は、位相回路112および113で構成される位相回路の伝達関数H(ω)の特性を示している。伝達関数H(ω)は、ω>ω0のとき、位相回路による位相シフトφの符号は負になる。一方、ω<ω0のとき、位相シフトφの符号は正になるので、(式5)と(式6)の関係が成立する。
次に、クロック分周回路101の各部の電圧と電流の位相関係について説明する。図3は、外部クロックφinjおよびφinjXの成分Vinjの大きさによって、VIとImixの位相差が変化する様子を示している。
図3(a)において、VIがVinjに対して-θの位相である場合、ミキサ108の出力ImixはVinjに対して+θの位相になる。つまり、VI成分とImix成分との位相差は2倍のθになる。また、第2の結合回路105を介して第2の分周回路103からフィードバックされるクロック成分Igmは、VQを反転させているので、VQとπだけ位相がずれている。一方、VIに対して、VQは直交しているのでπ/2の位相差があり、Igmはy軸に対して-θの位相になる。
加算回路110で、Imix成分とIgm成分とが電流加算されるので、2つのベクトルは合成されて、IT成分が得られる。IT成分は、位相回路112でφだけ位相シフトしてVI成分を出力するので、IT成分とVI成分との位相差はφとなる。
図3(b)は、外部クロックφinjおよびφinjXのインジェクションクロック成分Vinjが小さい場合の各部の電圧成分と電流成分の位相関係を示している。Vinjが小さい場合、VIとImixの位相差が小さくなり、小さくなるに連れて位相差は0に近づく。つまり、図3(a)のθが小さくなって、Imix成分とIgm成分との位相差が大きくなり、加算回路110の出力のIT成分が小さくなる。(式2)において、IT成分が小さくなると、ループ利得も小さくなり、その結果、ロックレンジが狭くなる。
この場合、VIとImixとの位相差が小さくなって、ω≒ω0と見なせるので、図2の特性において、位相回路112および113による位相シフトφも小さくなる。従って、第2の結合回路105の出力電流Igmとミキサ108の出力電流Imixとの位相差は、図3(b)に示すように、ほぼπ/2となる。
ここで、第2の結合回路105の出力電流Igmは、位相回路112のリアクタンス成分を変化させるような働きがある。つまり、ω>ω0のときは、位相回路112の共振周波数ω0を大きくする方向に、ω<ω0のときは、位相回路112の共振周波数ω0を小さくする方向に、それぞれ動作する。
図3(c)は、外部クロックφinjおよびφinjXのインジェクションクロック成分Vinjが大きい場合の各部の電圧成分と電流成分の位相関係を示している。Vinjが大きい場合、VIとImixの位相差が大きくなる。つまり、図3(a)のθが大きくなって、Imix成分とIgm成分との位相差が小さくなり、加算回路110の出力のIT成分が大きくなる。(式2)において、IT成分が大きくなると、ループ利得も大きくなり、その結果、ロックレンジが広くなる。
この場合、VIとImixとの位相差が大きくなって、ωとω0との差も大きくなる。図2の特性において、ω>ω0のとき、位相シフトφは-π/2に近くなり、ω<ω0のとき、位相シフトφは+π/2に近くなる。従って、第2の結合回路105の出力電流Igmとミキサ108の出力電流Imixとの位相差は、図3(c)に示すように、ほぼ0となり、IT成分は最大となる。つまり、Vinjが大きい場合、ロックレンジは広くなる。
このように、本発明に係るクロック分周回路は、第1の結合回路104および第2の結合回路105によって、第1の分周回路102と第2の分周回路103とが互いにループ状に結合されているので、結合回路が無い場合に比べて、ループ利得が大きくなり、ロックレンジを拡大することができる。また、第1の分周回路102と第2の分周回路103とが生成するクロックφIとφQの位相差は、分周回路を構成する回路部品の初期状態に関係なく決まるので、常に、位相保証された4相クロックを生成することができる。
次に、図1の本発明に係るクロック分周回路のブロック図の具体的な回路構成について説明する。
(第1の実施形態)
図4(a)は、図1に示したクロック分周回路の回路図を示している。第1の実施形態は、図1のミキサ108および109として、LC発振器によるVCOを利用したものである。
第1の分周回路102は、トランジスタTr11からTr15と、コイルL11と、可変容量C11およびC12とで構成される。同様に、第2の分周回路103は、トランジスタTr21からTr25と、コイルL21と、可変容量C21およびC22とで構成される。また、これらの分周回路に電流を供給する電流源CS1がTr15およびTr25に接続されている。Vccは電源、GNDは接地を示す。
先ず、第1の分周回路102の動作について説明する。
外部クロックφinjは、Tr15のゲートに入り、外部クロックφinjの変化に応じて、接続点PIおよびPIXの電位を変化させ、外部クロックφinjの角周波数2ωを1/2の角周波数ωに分周する。
Tr11からTr14,L11,C11およびC12とでLC発振器を構成し、外部クロックφinjが入力されない状態では、L11,C11およびC12で決まる共振角周波数ω0で発振する。ここで、接続点PIおよびPIXが図1の加算回路110に相当し、L11,C11およびC12のLCタンク回路が図1の位相回路112に相当する。また、Tr11からTr15およびLC発振器からなるVCOが、図1のミキサ108に相当する。
第2の分周回路103も、外部クロックφinjXの位相が異なるだけで、第1の分周回路102と同じ構成なので同様に動作する。つまり、接続点PQおよびPQXが図1の加算回路111に相当し、L21,C21およびC22のLCタンク回路が図1の位相回路113に相当する。また、Tr21からTr25、およびLC発振器からなるVCOが、図1のミキサ109に相当する。
ここで、共振角周波数ω0と、外部クロックφinjおよびφinjXの角周波数2ωを分周した角周波数ωとの大小関係によって、(式5)および(式6)で説明したように、第1の分周回路102と第2の分周回路103とで生成するクロックφIとφQの位相差(φI−φQ)が決定され、第1の分周回路102からは、4相のクロックのI側のクロックφIおよびφIXが出力され、第2の分周回路103からは、4相のクロックのQ側のクロックφQおよびφQXが出力される。
次に、第1の結合回路104および第2の結合回路105の回路構成について説明する。
図4(b)は、第1の結合回路104を構成するトランスコンダクタンスアンプ401の回路例を示している。尚、第2の結合回路105を構成するトランスコンダクタンスアンプ402も同様の回路で構成できる。
このトランスコンダクタンスアンプ401は、差動インバータのnMOSソースノードに電流源CS2を接続した回路である。Tr31とTr32はインバータを構成し、入力inから入ってくる信号を反転させて出力outxに出す。同様に、Tr33とTr34もインバータを構成し、入力inxから入ってくる信号を反転させて出力outに出す。
従って、図4(a)において、第1の分周回路102の出力クロックφIは、第1の結合回路104のトランスコンダクタンスアンプ401の入力inに入り、反転した出力outxの信号は、第2の分周回路103の接続点PQに入力される。第1の分周回路102の出力クロックφIXは、第1の結合回路104の入力inxに入り、反転した出力outの信号は、第2の分周回路103の接続点PQXに入力される。
同様に、第2の分周回路103の出力クロックφQは、第2の結合回路105のトランスコンダクタンスアンプ402の入力inに入り、反転した出力outxの信号は、第1の分周回路102の接続点PIXに入力される。第2の分周回路103の出力クロックφQXは、第2の結合回路105の入力inxに入り、反転した出力outの信号は、第1の分周回路102の接続点PIに入力される。
つまり、第1の分周回路102から第2の分周回路103に接続する第1の結合回路104のトランスコンダクタンスアンプ401によって、クロックφIをφQに、クロックφIの補信号のクロックφIXをφQの補信号のクロックφQXに、それぞれ出力する。また、第2の分周回路103から第1の分周回路102に接続する第2の結合回路105のトランスコンダクタンスアンプ402によって、クロックφQをクロックφIXに、クロックφQXをクロックφIに、それぞれ出力する。ここで、図1は、シングルエンド表記で記載しているため反転部116によって−1倍して、位相を180度シフトし、上記のように、クロックφQを補信号のクロックφIXに、補信号のクロックφQXをクロックφIに、それぞれ接続することを示している。つまり、図4(a)のトランスコンダクタンスアンプ402は相補信号の表記なので、図1のトランスコンダクダンスgm115と反転部116とをまとめて実現している。
ここで、本実施形態の効果について説明する。図6(a)は、第1の実施形態のクロック分周回路(gm≠0)と、結合回路を持たない場合のクロック分周回路(gm=0)とのシミュレーション結果を示すグラフである。横軸は、外部クロックφinjのエネルギー(Injection Power)を示し、縦軸は、ロックする周波数の上限と下限を示す。ロックする周波数の上限と下限の幅がロックレンジで、Injection Powerが大きい程、入力振幅が大きくなり、ロックレンジは広くなる。第1の分周回路102と第2の分周回路103との結合がない状態(gm=0)に比べ、結合がある状態(gm≠0)の方が、1GHz程度、ロックレンジが広くなっているのが分かる。
このように、第1の実施形態では、第1の分周回路102および第2の分周回路103において、ミキサ108および109をLC発振器をベースとしたVCOで構成することによって、簡易的な回路で、ロックレンジが広いクロック分周回路を実現することができる。
さらに、生成するクロックφIとφQの位相差は、第1の分周回路102と第2の分周回路103とを構成する回路部品の初期状態に関係なく、(式5)および(式6)で示したωとω0との大小関係によって決まるので、常に位相保証された安定した4相クロックを生成することができる。
(第2の実施形態)
図5は、図1に示したクロック分周回路の回路図を示している。第1の実施形態では、ミキサ108および109としてLC発振器をベースとしたVCOで構成したが、第2の実施形態は、ミキサ108および109として、アナログの掛け算回路を用いている。
第1の分周回路102は、トランジスタTr41からTr48と、コイルL41と、可変容量C41およびC42、電流源CS41とで構成される。
同様に、第2の分周回路103は、トランジスタTr51からTr58と、コイルL51と、可変容量C51およびC52、電流源CS51とで構成される。尚、Vccは電源、GNDは接地を示す。
ここで、第1の分周回路102のTr43からTr48は、アナログの掛け算器を構成する。このアナログ掛け算器は、Tr45とTr48のゲートに入力する相補クロックφIおよびφIXと、Tr43とTr47のゲートに入力する外部クロックφinjXおよびTr44とTr46のゲートに入力する外部クロックφinjとを、掛け算する回路で、ギルバートセル型として知られているものである。同様に、第2の分周回路103のTr53からTr58もアナログの掛け算器を構成する。
L41,C41,C42のLCタンク回路とTr41およびTr42とでLC発振器を構成し、アナログ掛け算器が無い状態では、L41,C41およびC42で決まる共振角周波数ω0で発振する。ここで、接続点JIおよびJIXが図1の加算回路110に相当し、LCタンク回路が図1の位相回路112に相当する。また、Tr43からTr48のアナログ掛け算器は図1のミキサ108に相当する。同様に、第2の分周回路103において、L51,C51,C52のLCタンク回路とTr51からTr52とでLC発振器を構成する。
第1の分周回路102では、外部クロックφinjおよびφinjXと、内部フィードバックされた出力クロックφIおよびφIX(第1の内部フィードバック信号)とがアナログ掛け算器で掛け算され、和と差の周波数のクロックが生成される。アナログ掛け算器の出力は、LCタンク回路に入り、高調波成分はフィルタリングされて、共振角周波数ω0と、アナログ掛け算器の出力の角周波数成分ωとの大小関係によって、図2で決まる位相分だけシフトされ、クロックφIおよびφIXを出力する。
同様に、第2の分周回路103では、外部クロックφinjおよびφinjXと、内部フィードバックされた出力クロックφQおよびφQX(第2の内部フィードバック信号)と掛け算され、LCタンク回路で位相シフトされて、クロックφQおよびφQXを出力する。
ここで、共振角周波数ω0と、外部クロックφinjおよびφinjXの角周波数2ωを分周した角周波数ωとの大小関係によって、(式5)および(式6)で説明したように、第1の分周回路102と第2の分周回路103とで生成するクロックφIとφQの位相差(φI−φQ)が決定される。
また、第1の結合回路104および第2の結合回路105の回路構成は、第1の実施形態で説明した図4(b)と同様に構成できる。
つまり、第1の分周回路102から第2の分周回路103に接続する第1の結合回路104では、トランスコンダクダンスアンプ401によって、クロックφIをφQに、クロックφIの補クロックφIXをφQの補クロックφQXに、それぞれ出力する。また、第2の分周回路103から第1の分周回路102に接続する第2の結合回路105では、トランスコンダクダンスアンプ402によって、クロックφQをφIの補クロックφIXに、クロックφQの補クロックφQXをφIに、それぞれ出力する。
このように、第1の実施形態と同様に、トランスコンダクダンスアンプ401による第1の結合回路104と、トランスコンダクダンスアンプ402による第2の結合回路105によって、第1の分周回路102と第2の分周回路103とが互いにループ状に結合されるので、ループ利得が大きくなり、ロックレンジを拡大することができる。
ここで、本実施形態の効果について説明する。図6(b)は、第2の実施形態のクロック分周回路(gm≠0)と、結合回路を持たない場合(gm=0)とのシミュレーション結果を示すグラフである。尚、図6(a)と同様に、Injection Powerが大きい程、ロックレンジが広くなっているが、第1の実施形態に比べて、ロックする周波数の上限と下限の幅が広く、約2倍のロックレンジが得られている。
以上、第2の実施形態では、第1の分周回路102および第2の分周回路103において、ミキサ108および109をアナログ掛け算器で構成することによって、より広いロックレンジのクロック分周回路を実現できる。
さらに、生成するクロックφIとφQの位相差(φI−φQ)は、第1の分周回路102と第2の分周回路103とを構成する回路部品の初期状態に関係なく、ωとω0との大小関係によって決まるので、常に位相保証された安定した4相クロックの生成が可能なクロック分周回路を実現できる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について用いて説明する。図7は、クロック分周回路のトランスコンダクタンスアンプ401bを示し、第1の実施形態および第2の実施形態におけるトランスコンダクタンスアンプ401の利得を外部から可変できるようにしたものである。
図7(a)は、トランスコンダクタンスアンプ401bの回路図、図7(b)は利得制御信号発生部の回路図である。尚、図4(b)のトランスコンダクタンスアンプ401と同じ符号のものは同じものを示す。また、第2の結合回路105のトランスコンダクタンスアンプ402もトランスコンダクタンスアンプ401bと同様に構成でき、第1の結合回路104と第2の結合回路105の両方をトランスコンダクタンスアンプ401bのように構成してもよいし、いずれか一方だけでも構わない。
Tr61から64とTr71から74はpMOSトランジスタ、Tr65から68とTr75から78はnMOSトランジスタである。
直列に接続されたTr61とTr63およびTr62とTr64は、それぞれTr31に並列に接続されている。従って、制御信号sw_p0がローレベルになるとTr62がオンし、sw_p1がローレベルになるとTr61がオンする。Tr62とTr61のいずれかがオンすると、Tr31だけがオンした場合に比べて、入力inの信号に対して、出力outxの信号は2倍に大きくなる。つまり、利得が大きくなって、ロックレンジは広くなる。
Tr62とTr61の両方がオンすると、Tr31だけがオンした場合に比べて、入力inの信号に対して、出力outxの信号は3倍に大きくなる。つまり、利得がさらに大きくなって、ロックレンジはより広くなる。
同様に、直列に接続されたTr71とTr73およびTr72とTr74は、それぞれTr33に並列に接続されている。従って、制御信号sw_p0がローレベルになるとTr72がオンし、sw_p1がローレベルになるとTr71がオンする。Tr62とTr61と同様に、Tr72とTr71のオン状態によって、利得を制御でき、ロックレンジを可変できる。
nMOSトランジスタTr65から68の場合は、制御信号sw_n0とsw_n1によって制御される。つまり、直列に接続されたTr65とTr67およびTr66とTr68は、それぞれTr32に並列に接続されている。従って、制御信号sw_n0がハイレベルになるとTr68がオンし、sw_n1がハイレベルになるとTr67がオンする。Tr62とTr61と同様に、制御信号の論理は反転しているが、Tr67とTr68のオン状態によって、利得を制御でき、ロックレンジを可変できる。
同様に、直列に接続されたTr75とTr77およびTr76とTr78は、それぞれTr34に並列に接続されている。従って、制御信号sw_n0がハイレベルになるとTr78がオンし、sw_n1がハイレベルになるとTr77がオンする。Tr67とTr68と同様に、Tr77とTr78のオン状態によって、利得を制御でき、ロックレンジを可変できる。
ここで、制御信号sw_p0,sw_p1,sw_n0,sw_n1は、利得制御信号発生部601のように構成できる。クロック分周回路の上位回路(図示せず)側からの設定信号をsw0とsw1との2ビットとした場合、sw0とsw1が共にローレベル(”0”)の時、インバータ602および604によって反転され、制御信号sw_p0はハイレベル,sw_p1もハイレベルとなる。逆に、バッファ603および605はそのままの論理で出力するので、sw_n0はローレベル,sw_n1もローレベルとなる。この結果、Tr61および62,Tr67および68,Tr71および72,Tr77および78,は全て逆バイアスされてオフ状態になり、結合回路401bは、Tr31からTr34だけで駆動されることになる。つまり、出力outおよびoutxに流れる電流は小さく、利得は一番低い状態になるので、(式2)より、ロックレンジは狭くなる。
次に、sw0とsw1のいずれか一方がハイレベル(”1”)の時、例えば、sw0がハイレベル(”1”)の時、上記と同様に、制御信号sw_p0はローレベル,sw_p1はハイレベル,sw_n0はハイレベル,sw_n1はローレベルとなり、Tr62,Tr68,Tr72,Tr78がオン状態になり、Tr31からTr34に並列に1つの回路が駆動されることになる。つまり、利得は、Tr31からTr34だけの場合に比べて少し高くなり、ロックレンジは広くなる。sw1だけがハイレベル(”1”)の場合も同じである。
次に、sw0とsw1が共にハイレベル(”1”)の時、上記と同様に、制御信号sw_p0はローレベル,sw_p1もローレベル,sw_n0はハイレベル,sw_n1もハイレベルとなり、Tr61および62,Tr67および68,Tr71および72,Tr77および78,は全てオン状態になり、Tr31からTr34に並列に2つの回路が駆動されることになる。つまり、利得は、Tr31からTr34だけの場合に比べてさらに高くなり、ロックレンジはより広くなる。
このように、sw0とsw1の論理の組み合わせによって、結合回路の利得を3段階に調整することができ、アプリケーションに応じて、ロックレンジを可変することが可能となる。
一般に、ループ利得が大きくなれば、ロックレンジは広くなるが、消費電力も大きくなる。逆に、ループ利得が小さくなれば、消費電力は少なくなるが、ロックレンジが狭くなる。従って、結合回路のコンダクタンスを外部から制御できるようにすれば、用途に合わせて、ループ利得を可変できるので、消費電力を抑えながら必要なロックレンジを確保することができる。
尚、本実施形態では、トランスコンダクタンスアンプの利得を3段階で構成したが、同様の回路を増減することで、3段階以外でも実現可能である。さらに、他の回路構成であっても、第1の結合回路または第2の結合回路、もしくは両方の結合回路の利得を制御できる回路を用いれば、本実施形態と同じように、クロック分周回路のロックレンジを可変できる。
以上、各実施形態において説明してきたように、本発明に係るクロック分周回路は、第1の分周回路と第2の分周回路とを結合回路によってループ状に接続することで、ループ利得を高くでき、ロックレンジを広げることができる。
この結果、低消費電力で位相ノイズが少ないという利点がありながら、ロックレンジが狭いという欠点を持っていたインジェクションロック技術の課題を克服し、数GHzから数十GHzの高周波領域において、ロックレンジの広い高精度なクロック分周回路を実現できる。
また、本実施形態のクロック分周回路は、第1の分周回路と第2の分周回路とが互いにリンクして、出力する4相クロックの位相関係を保証することができる。
さらに、第1の結合回路または第2の結合回路、もしくは両方の結合回路の利得を制御することで、アプリケーションに応じて、ロックレンジを可変できる。
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
本発明は、高速クロックを必要とするアナログ回路やデジタル回路で使用されるクロック分周回路に適用できる。
Claims (7)
- 第1の外部クロックと第1の内部フィードバック信号とを乗算する第1のミキサと、前記第1のミキサの出力と第1の外部入力信号とを加算する第1の加算回路と、前記第1の加算回路の出力を位相シフトして第1の出力信号および前記第1の内部フィードバック信号を出力する第1の位相回路とを有する第1の分周回路と、
第2の外部クロックと第2の内部フィードバック信号とを乗算する第2のミキサと、前記第2のミキサの出力と第2の外部入力信号とを加算する第2の加算回路と、前記第2の加算回路の出力を位相シフトして第2の出力信号および前記第2の内部フィードバック信号を出力する第2の位相回路とを有する第2の分周回路と、
前記第1の分周回路の第1の出力信号を入力して、前記第2の外部入力信号を出力する第1の結合回路と、
前記第2の分周回路の第2の出力信号を入力して、前記第1の外部入力信号を出力する第2の結合回路と
を有することを特徴とするクロック分周回路。 - 請求項1記載のクロック分周回路において、
前記第1の結合回路を第1のトランスコンダクタンスアンプで、前記第2の結合回路を第2のトランスコンダクタンスアンプで、それぞれ構成したことを特徴とするクロック分周回路。 - 請求項1記載のクロック分周回路において、
前記ミキサをLC発振回路からなるVCOで構成したことを特徴とするクロック分周回路。 - 請求項1記載のクロック分周回路において、
前記ミキサをアナログ掛け算回路で構成したことを特徴とするクロック分周回路。 - 請求項2記載のクロック分周回路において、
前記第1のトランスコンダクタンスアンプの利得を調整する利得調整部を設けたことを特徴とするクロック分周回路。 - 請求項2記載のクロック分周回路において、
前記第2のトランスコンダクタンスアンプの利得を調整する利得調整部を設けたことを特徴とするクロック分周回路。 - 請求項2記載のクロック分周回路において、
前記第1のトランスコンダクタンスアンプの利得を調整する第1の利得調整部と、
前記第2のトランスコンダクタンスアンプの利得を調整する第2の利得調整部と
を設けたことを特徴とするクロック分周回路。
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