JP4588637B2 - 共役分子、電界発光素子、及び電子機器 - Google Patents

共役分子、電界発光素子、及び電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP4588637B2
JP4588637B2 JP2005510975A JP2005510975A JP4588637B2 JP 4588637 B2 JP4588637 B2 JP 4588637B2 JP 2005510975 A JP2005510975 A JP 2005510975A JP 2005510975 A JP2005510975 A JP 2005510975A JP 4588637 B2 JP4588637 B2 JP 4588637B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
chemical formula
formula
light emitting
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005510975A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2005002288A1 (ja
Inventor
亮二 野村
哲史 瀬尾
寛子 山崎
貴子 高須
英子 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Publication of JPWO2005002288A1 publication Critical patent/JPWO2005002288A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4588637B2 publication Critical patent/JP4588637B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/14Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of the electroluminescent material, or by the simultaneous addition of the electroluminescent material in or onto the light source
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D333/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom
    • C07D333/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
    • C07D333/04Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings not substituted on the ring sulphur atom
    • C07D333/26Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings not substituted on the ring sulphur atom with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D333/30Hetero atoms other than halogen
    • C07D333/32Oxygen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/06Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing organic luminescent materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2211/00Chemical nature of organic luminescent or tenebrescent compounds
    • C09K2211/10Non-macromolecular compounds
    • C09K2211/1018Heterocyclic compounds
    • C09K2211/1025Heterocyclic compounds characterised by ligands
    • C09K2211/1088Heterocyclic compounds characterised by ligands containing oxygen as the only heteroatom
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2211/00Chemical nature of organic luminescent or tenebrescent compounds
    • C09K2211/10Non-macromolecular compounds
    • C09K2211/1018Heterocyclic compounds
    • C09K2211/1025Heterocyclic compounds characterised by ligands
    • C09K2211/1092Heterocyclic compounds characterised by ligands containing sulfur as the only heteroatom
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10S428/917Electroluminescent

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)

Description

本発明は、陽極と陰極との間にエレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と記す。)と呼ばれる現象により発光する薄膜を挟んだ構造からなる素子(以下、「電界発光素子」と記す。)を基板上に備えた表示装置に係る技術分野に属する。
映像表示用ディスプレイは、近代生活には欠かせない発光素子の一つであり、いわゆるテレビモニターに始まり、近年急速に発展した液晶ディスプレイや、今後の発展が期待されている有機ELディスプレイなど、用途に合わせて様々な形態をとる。なかでも有機ELディスプレイは、次世代のフラットパネルディスプレイ素子として最も注目されている。
有機ELディスプレイを構成する電界発光素子の発光機構は、電極間に発光体組成物から構成される発光層を設置して電流を流すことにより、陰極から注入された電子および陽極から注入された正孔が発光層の発光中心で再結合して分子励起子を形成し、その分子励起子が基底状態に戻る際に放出する光子を利用するものである。従って、有機薄膜などから成る発光層に効率よく正孔と電子を注入することが効率の良い発光素子を作製するための必要条件の一つである。
典型的な電界発光素子の動作条件では、元来電気抵抗の高い有機薄膜に100mA/cm前後の電流が注入されている。このような高密度の電流注入を実現するためには、陽極からの正孔注入障壁と陰極からの電子注入障壁を可能な限り小さくする必要がある。すなわち、陰極としては仕事関数の小さな金属を用い、陽極としては逆に仕事関数の大きい電極を選ばなければならない。陰極に関しては、さまざまな金属、あるいは合金を選択することによって、仕事関数を事実上任意に制御することが可能である。これに対し、一般的な電界発光素子では、陽極には透明性が求められるため、透明な導電性酸化物に限られるのが現状であり、安定性や透明度、抵抗率などを考慮すると、現時点ではインジウム−錫酸化物(以下、「ITO」と記す)に代表される幾つかの酸化物導電膜を選ばざるを得ない。ITO膜の仕事関数は成膜時の履歴や表面処理によってある程度変化させることができるが、このような手法には限界がある。これが正孔注入障壁を低減させることを阻害している。
ITO陽極からの正孔注入障壁を低減させる一つの手法として、ITO膜上にバッファ層を挿入することが知られている。バッファ層のイオン化ポテンシャルを最適化することによって、正孔注入障壁を下げることができる。このようなバッファ層を正孔注入層と言う。正孔注入層として機能するものとしては、大まかに分類すると金属酸化物、低分子有機化合物、および高分子系化合物とに分けられる。金属酸化物の例としては、酸化バナジウムや酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなどが知られている(非特許文献1、2)。低分子有機化合物の例としては、m−MTDATAに代表されるスターバースト型アミン(非特許文献3)や金属フタロシアニン(特許文献1、非特許文献4)などが挙げられる。一方高分子系化合物材料としては、ポリアニリン(非特許文献5)やポリチオフェン誘導体(非特許文献6)などの共役高分子が知られている。前記した材料を正孔注入層として用いることにより、正孔注入障壁が低減し、効率よく正孔が注入され、その結果、電界発光素子の効率や寿命が向上し、駆動電圧も低下させることができる。
S. Tokito, et al., J. Phys. D 1996,29,2750−2753 黒坂剛孝ら、信学技報、1998,98,63−68 Y. Shirota, et al., Appl. Phys. Lett. 1994,65,807−809 S. A. VanSlyke, et al., U.S. Patent,No.4,720,432 S. A. VanSlyke, et al.,Appl. Phys. Lett. 1996,69,2160−2162 Y. Yang, et al., Appl. Phys. Lett. 1994,64,1245−1247 S. A. Carter, et al., Appl. Phys. Lett. 1997,70,2067−2069
これらの中で頻繁に利用されているものは、スターバースト型アミンや金属フタロシアニンに代表される低分子化合物と、ポリアニリンなどの高分子材料である(例えば特許文献5、6参照)。特に、銅フタロシアニンは最も頻繁に利用される正孔注入材料の一つである。これは容易に入手可能であり、化学的・熱的に安定であるからである。しかしながら、金属フタロシアニン類は溶解性が極めて低く、化学的な修飾が困難な化合物である。また、これらの材料は正孔注入材料として優れた特性を示すものの、多くの場合着色しており、このため素子の発光面自身が着色するという欠点を有する。従って、可視部に吸収の無い、あるいは吸収強度の小さな正孔注入材料を用いた電界発光素子が望まれている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、可視部に吸収の無い、あるいは吸収強度の小さな新規材料を提供し、これを電界発光素子へ応用することによって、正孔注入性に優れた電界発光素子を提供することを目的とする。
本発明は、下記(1)から(7)の各構成を有する。
(1)一般式[化5]で示される共役分子が含まれている電界発光素子。
Figure 0004588637
(式中、XならびにZは同一、あるいは異なっていても良く、硫黄原子、酸素原子、あるいはアルキル基もしくはアリーレン基を持つ窒素原子ならびに珪素原子を示し、Yはアリーレン基を示し、RからRはそれぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、チオアルコキシ基、あるいはアルコキシ基を示す。)
(2)一般式[化6]で示される共役分子が含まれている電界発光素子。
Figure 0004588637
(式中、Yはアリーレン基を示し、RからRはそれぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、チオアルコキシ基、あるいはアルコキシ基を示す。)
(3)一般式[化7]で示される共役分子が含まれている電界発光素子。
Figure 0004588637
(式中、Yはアリーレン基を示し、RからRはそれぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、チオアルコキシ基、あるいはアルコキシ基を示す。)
(4)一般式[化8]で示される共役分子が含まれている電界発光素子。
Figure 0004588637
(式中、Yはアリーレン基を示し、RからRはそれぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、チオアルコキシ基、あるいはアルコキシ基を示し、RとRはアルキル基、あるいはアリール基を示す。)
(5)上記一般式[化5]で示される共役分子。
Figure 0004588637
(式中、XならびにZは同一、あるいは異なっていても良く、酸素原子、硫黄原子、あるいはアルキル基もしくはアリーレン基を有する珪素原子、ならびに窒素原子を示し、Yはアリーレン基を示し、炭素数6から20の炭化水素芳香環からなる二価の基、もしくは酸素、窒素、硫黄、及び珪素の中から選ばれる少なくとも一種を含む炭素数4から30の二価の複素芳香環式基を示し、RからRはそれぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、チオアルコキシ基、あるいはアルコキシ基を示し、RとRは、炭化水素芳香環基、または酸素、窒素、硫黄、及び珪素の中から選ばれる少なくとも一種を含む複素芳香環式基、アルキル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、チオアルコキシ基、またはシリル基を示す。)
(6)上記一般式[化5]で示され、25℃、1気圧におけるクロロホルムへの溶解度が1wt%以上20wt%以下であることを特徴とする共役分子である。
(7)上記一般式[化5]で示される共役分子が含まれている電界発光素子を用いたことを特徴とする電子機器である。
上記一般式[化5]から[化8]で表される化合物は、元来イオン化ポテンシャルの低い電子過剰型芳香環であるチオフェン、フラン、ピロール基二つをフェニレン環などの共役分子に導入したものである。このように設計された分子は低いイオン化ポテンシャルを持つことが期待される。特にRからRがアルコキシ基などの電子供与性置換基の場合、さらに小さなイオン化ポテンシャルを持つ分子を提供することができる。従って、優れた正孔注入性、あるいは正孔輸送性を示すことが期待される。また、RとRは水素原子以外の置換基が導入されると、一般式[化5]で表される化合物が容易に酸化重合してしまうことを防ぐことができ、さらに、本化合物に溶解性を付与することができる。このような分子設計に基づき本発明では、上記一般式[化5]から[化8]に示す化合物を電界発光素子に用いることを提唱する。
本発明者らは、これら一連の新規化合物を合成し、詳細に検討した結果、可視領域における吸収強度が小さく、かつイオン化ポテンシャルが小さいことを見出した。また、RとRは水素原子以外の置換基が導入されることにより、溶解性が高く、可視領域における吸収強度が非常に小さく、かつイオン化ポテンシャルが小さい化合物を得られることを見出した。さらにこれらの化合物を電界発光素子に応用した結果、実施例に示すように、優れた正孔注入特性を有する電界発光素子が作製可能であることを見出した。
本発明で提唱する新規有機材料は可視部における吸収が小さく、また、酸化還元電位が小さいことが特徴である。すなわち、正孔注入性に優れた材料であるといえる。また、RとRに水素以外の置換基を導入した化合物については、溶解性も高く、これを反映して結晶性が小さい。したがって、膜質の良い蒸着膜を形成することができる。これらの材料を電界発光素子に応用することにより、正孔注入性に優れた電界発光素子を作製することができる。また、結晶性が低いことに起因して、信頼性すなわち寿命の長い素子が作製できることが期待される。
本発明の実施形態について、以下に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明を実施するに適した化合物の構造を示す。一般式[化5]で示される化合物において、XならびにZは同一、あるいは異なっていても良く、硫黄原子、酸素原子、もしくはアルキル基あるいはアリール基を有する窒素原子、あるいは珪素原子である。ここで窒素、あるいは珪素原子上のアルキル基とは、炭素数1から4までの脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基など)、あるいは炭素数4から6までの脂環式炭化水素基(シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など)を指す。窒素、あるいは珪素原子上のアリール基とは、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基などの芳香族基であり、これらの芳香族基は水素原子が炭化水素基やアルコキシ基などによって置換されていても良い。
一般式[化5]から[化8]で示される化合物において、Yは芳香族置換基を示す。より具体的にはフェニレン基、ナフチレン基、アントラニレン基、ピレニレン基などの芳香族基であり、これらの芳香族基は水素原子が炭化水素基やアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基などによって置換されていても良い。また、Yはヘテロ芳香族基であっても良い。具体的には、ピリジル基、インドリル基、カルバゾリル基、チエニル基、フリル基、などが挙げられる。
一般式[化5]から[化8]で示される化合物において、R、R、R、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、あるいはハロゲン原子を示す。ここでアルキル基とは、炭素数1から6までの脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基など)、あるいは炭素数4から6までの脂環式炭化水素基(シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など)を指す。アリール基とは、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基などの芳香族基であり、これらの芳香族基は水素原子が炭化水素基やアルコキシ基などによって置換されていても良い。または、ヘテロ芳香族基であっても良い。具体的には、ピリジル基、インドリル基、カルバゾリル基、チエニル基、フリル基、などが挙げられる。ジアルキルアミノ基とは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基などを示す。ジアリールアミノ基とは、ジフェニルアミノ基やジナフチルアミノ基などの置換基を示し、これらの置換基中の芳香環はアルキル基やアルコキシ基などによって置換されていても良い。R、R、R、Rで示される置換基は、電子供与性置換基であることがより好ましく、例えばメトキシ基やエトキシ基、ヘキシルオキシ基などのアルコキシ基や、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などのアミノ基、炭素数6以下のチオアルコキシ基などを導入することによって分子のイオン化ポテンシャルをさらに低下させることができる。また、RとRの置換位置、あるいはRとRの位置でベンゼン環などのアリール基と縮合してもよい。さらに好ましくは、RとR,あるいはRとRは酸素原子などのヘテロ原子を介して該当するチオフェン環、フラン環、あるいはピロール環と結合し、かつ環構造を形成するのが良い。これは実施例で示すように、環構造を形成することにより、分子のバンドギャップが小さくなり、このため、化合物の酸化電位、すなわちイオン化ポテンシャルが減少するためである。これにより、正孔注入性が向上する。
一般式[化5]から[化8]で示される化合物において、RとRは水素原子、炭素数1から6までの直鎖、あるいは分岐構造を持つアルキル基、フェニル基やアントリル基、ナフチル基、ピリジル基、チエニル基などの芳香族置換基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、あるいはハロゲン原子を示す。これらの置換基はカルボニル基、カルボキシル基を介して該当する芳香環と結合していても良い。また、アルキル基、ならびに芳香族置換基は珪素原子を介して該当するチオフェン環、フラン環、あるいはピロール環と結合されても良い。RとRとして好ましくは水素以外の電子供与性置換基であり、たとえばアルコキシ基やアミノ基、チオアルコキシ基を導入することによって分子のイオン化ポテンシャルをさらに低下させることができる。また、水素原子以外の置換基を導入することで、該当するヘテロ芳香環の酸化重合を抑制することができる。
一般式[化8]で示される化合物において、RとRは水素原子、アルキル基、あるいはアリール基を指す。ここでアルキル基とは、炭素数1から4までの脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基など)、あるいは炭素数4から6までの脂環式炭化水素基(シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など)を指す。アリール基とは、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基などの芳香族基であり、これらの芳香族基は水素原子が炭化水素基やアルコキシ基などによって置換されていても良い。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記一般式[化5]から[化8]で示される化合物を用いた電界発光素子の基本構造を、図1を用いて説明する。なお、本発明の実施で示す素子構造は、陰極と陽極間に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を設けたものであるが、本発明はこれに限定するものではなく、種々の電界発光素子構造、例えば、陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロッキング層/電子輸送層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロッキング層/電子輸送層/電子注入層/陰極等の構造でも構わない。これらの電界発光素子において、正孔注入層、正孔輸送層、または発光層に前記化合物を用いることができる。
図1において、電界発光素子を支持する基板11は、ガラス、石英、透明プラスチックなどからなるものを用いることができる。陽極12は、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。なお、陽極材料の具体例としては、ITO、酸化インジウムに2〜20[%]の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(indium zinc oxide)の他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(TiN)等を用いることができる。
正孔注入層13は、本発明で提唱する材料、すなわち一般式[化5]から[化8]に示す材料を用いることとする。正孔輸送層14は、公知の材料を用いることができる。典型的な例としては、芳香族アミン系化合物であり、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(以下、α−NPDと示す)や、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(以下、TDATAと示す)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(以下、MTDATAと示す)などのスターバースト型芳香族アミン化合物が挙げられる。15は発光層であり、既知のものでも良く、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alqと示す)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Almqと示す)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[η]−キノリナト)ベリリウム(以下、BeBqと示す)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(4−ヒドロキシ−ビフェニリル)−アルミニウム(以下、BAlqと示す)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(以下、Zn(BOX)と示す)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(以下、Zn(BTZ)と示す)などの金属錯体の他、各種蛍光色素が有効である。なお、実施例で示すように、本発明で提唱する化合物、すなわち一般式[化5]から[化8]に示す材料は、実施例に示すように、発光性も有しており、発光層15で使用することもできる。電子輸送層16は、公知材料を使用することが可能である。具体的には、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体(以下、Alqと記す)に代表されるような、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体やその混合配位子錯体などが好ましい。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(以下、PBDと示す)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(以下、OXD−7と示す)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(以下、TAZと示す)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(以下、p−EtTAZと示す)などのトリアゾール誘導体、バソフェナントロリン(以下、BPhenと示す)、バソキュプロイン(以下、BCPと示す)などのフェナントロリン誘導体を用いることができる。
図1で示した素子においては、これらの各機能層の上に陰極17が形成される。陰極としては仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などがよい。具体的には、1族または2族の典型元素、すなわちLiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li)や化合物(LiF、CsF、CaF)の他、希土類金属を含む遷移金属を用いて形成することができるが、Al、Ag、ITO等の金属(合金を含む)との積層により形成することもできる。
なお、上述した陽極材料及び陰極材料は、蒸着法、スパッタリング法等によって形成される。膜厚は、10〜500nmとするのが好ましい。
図1に示した電界発光素子の電極間に通電することにより、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔が再結合し、発光に至る。
(実施の形態3)
本実施の形態では、あらかじめTFTが搭載された基板上に作製する電界発光素子について図2を用いて説明する。
図2(A)に示す画素構成において、101はデータ信号線、102はゲート信号線、103は電源線、104はスイッチング用のTFT(スイッチングTFTという。以下、同じ)、105は電荷保持用のコンデンサ、106は発光素子に電流を供給するための駆動用TFT(駆動TFTという。以下、同じ)、107は駆動TFTのドレインに接続された画素電極であり、画素電極107は発光素子の陽極として機能する。また、112は対向電極であり、対向電極112は発光素子の陰極として機能する。
このときのA−A’における切断面に相当する図面を図2(B)に示す。図2(B)において、110は基板であり、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板その他の透光性基板を用いることができる。基板110の上には半導体プロセスを用いて駆動TFT106が形成される。また、駆動TFT106に接続されるように形成された画素電極107の端部及び少なくとも駆動TFT及びスイッチングTFTを覆い隠すように、格子状にパターン化された絶縁体108が設けられる。
これら画素電極107の上には、一般式[化5]から[化8]で示される化合物を用いて正孔注入層111a〜111cが形成され、その後発光層をはじめとする機能層114a〜114cが積層される。その後、陰極として機能する対向電極112及びパッシベーション膜113が設けられる。機能層114a〜114cは、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層、電子阻止層、その他のキャリアの再結合に寄与する有機化合物もしくは無機化合物またはこれらの積層体を指す。これらの各層には、実施の形態2で挙げたような一連の化合物を用いることができる。
また、対向電極112としては、周期表の1族もしくは2族に属する元素を含むアルミニウム膜もしくは銀薄膜等を用いることができるが、本実施の形態の場合、発光層を含む機能層114a〜114cから発した光を透過する必要があるため、膜厚を50nm以下にすることが望ましい。また、パッシベーション膜113としては、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、ダイヤモンドライクカーボン膜その他の水分や酸素に高いブロッキング性を示す絶縁膜を用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、あらかじめTFTが搭載された基板上に作製する電界発光素子の一例を、図3を用いて説明する。
図3(A)に示す画素構成において、201はデータ信号線、202はゲート信号線、203は電源線、204はスイッチングTFT、205は電荷保持用のコンデンサ、206は駆動TFT、207は駆動TFTのドレイン電極、208は駆動TFTのドレイン電極に接続された画素電極であり、画素電極208は発光素子の陽極として機能する。この画素電極208は、発光層から発した光が透過しうるように、可視光に対して透明な導電膜を用いることが好ましく、ITO(酸化インジウムと酸化スズの化合物)や酸化インジウムと酸化亜鉛の化合物といった酸化物導電膜を用いることが好ましい。また、212は、対向電極であり、対向電極212は発光素子の陰極として機能する。
A−A’における切断面に相当する図面を図3(B)に示す。図3(B)において、210は基板であり、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板その他の透光性基板を用いることができる。基板210の上には半導体プロセスを用いて駆動TFT206が形成される。また、駆動TFT206に接続されるように形成された画素電極208の端部及び少なくとも駆動TFT及びスイッチングTFTを覆い隠すように、格子状にパターン化された絶縁体209が設けられる。
これら画素電極208の上には一般式[化5]から[化8]で示される化合物を用いて正孔注入層211a〜211cが形成される。その後発光層をはじめとする機能層214a〜214cが積層される。機能層214a〜214cは、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリア阻止層、発光層その他のキャリアの再結合に寄与する有機化合物もしくは無機化合物またはこれらの積層体を指す。この機能層214a〜214cの積層構造及び材料は、公知の材料を用いても良い。
また、対向電極212としては、周期表の1族もしくは2族に属する元素を含むアルミニウム膜もしくは銀薄膜等を用いることができる。また、パッシベーション膜213としては、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、ダイヤモンドライクカーボン膜その他の水分や酸素に高いブロッキング性を示す絶縁膜を用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明で提唱する材料、すなわち一般式[化5]から[化8]に示す材料を用いる電界発光素子において、蛍光材料(以下、ドーパントともいう)をドープすることによって白色の発光を得るために使用する素子の基本構造を示す。なおこの素子構造は、実施の形態2および3で示したような、あらかじめTFTが搭載された基板上に適用することも可能である。
図4(A)において、301は基板であり、ガラスに限らず石英やプラスチック基板を用いることもできる。301の上に透明導電性膜であるITOからなる陽極302が形成される。その後、一般式[化5]から[化8]で示される青色発光化合物を蒸着によって成膜するが、その際、前記青色発光化合物311から放出される蛍光を吸収して緑色に発光するドーパント(緑)312と、同様に前記青色発光化合物311から放出される蛍光を吸収して赤色に発光するドーパント(赤)313を共蒸着する。ドーパントとしては既存の材料を用いることができ、具体的にはキナクリドン、ジアルキルキナクリドン、ルブレン、ペリレン、DPT、DCMなどの他、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウムや2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン−白金錯体等の三重項発光可能な有機金属化合物などが挙げられる。これにより、ドーパント(312、313)がドープされた発光層がITO上に形成される。
この後に、陰極320をスパッタ法や蒸着法によって形成する。なお、図4(A)で示した構造は、白色電界発光素子の最も基礎的な構造の一つである。従って、発光層以外に正孔注入層や正孔輸送層、電子輸送層、あるいは電子注入層を導入することも可能である。
図4で示した発光素子では、青色発光化合物311から発光される青色光のみならず、ドーパント(312、313)が青色光を吸収して再発光する緑色と赤色の発光が観測される。この三原色を同時に発光させることによって、白色の発光を得ることができる。
その他にも、図4(B)、図4(C)に示す様な素子構造とすることによって白色の発光を得ることができる。
すなわち、図4(B)に示す構造は、基板上に前記青色発光化合物311から放出される蛍光を吸収して緑色に発光する蛍光材料からなる色変換層(緑)332と、同様に前記青色発光化合物311から放出される蛍光を吸収して赤色に発光する蛍光材料からなる色変換層(赤)333をパターニングして、その上に絶縁膜321を形成し、さらに陽極302をパターニングした後、前記青色発光化合物311を形成し、その上に陰極320を形成することにより得られる。なお、この場合、陽極302は透光性を有し、陰極320は遮光性を有するため、基板301側から白色発光が得られる。
また、図4(C)に示す構造は、基板上に陽極302をパターニングした後、前記青色発光化合物311を形成し、その上に陰極320が形成される。一方、対向基板330上には、前記青色発光化合物311から放出される蛍光を吸収して緑色に発光する蛍光材料からなる色変換層(緑)332と、同様に前記青色発光化合物311から放出される蛍光を吸収して赤色に発光する蛍光材料からなる色変換層(赤)333がパターニングされており、この対向基板330と基板301とを貼り合わせることにより得られる。なお、この場合、陽極302は遮光性を有し、陰極320は透光性を有するため、対向基板330側から白色発光が得られる。
本実施の形態に示す白色発光を呈する電界発光素子は、照明器具等に用いることができ、これらの照明器具も、本発明に含むものとする。
(実施の形態6)
本発明を実施して得た発光素子を表示部に組み込むことによって電子機器を作製することができる。電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの電子機器の具体例を図5に示す。
図5(A)はテレビであり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明は表示部2003に適用することができる。なお、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用のテレビが含まれる。
図5(B)はデジタルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部2103、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本発明は、表示部2102に適用することができる。
図5(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明は、表示部2203に適用することができる。
図5(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明は、表示部2302に適用することができる。
図5(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示するが、本発明は表示部A、B2403、2404に適用することができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。
図5(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体2501、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明は、表示部2502に適用することができる。
図5(G)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609、接眼部2610等を含む。本発明は、表示部2602に適用することができる。
図5(H)は携帯電話であり、本体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。本発明は、表示部2703に適用することができる。なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電流を抑えることができる。
以上の様に、本発明を実施して得た発光装置は、あらゆる電子機器の表示部として用いても良い。
本実施例では、一般式[化5]から[化8]で示される化合物の代表として、下式[化9]で示される1,4−ジ(3,4−エチレンジオキシ−2−チエニル)ベンゼンを発光材料として用いて電界発光素子を作製した。作製した素子構造は以下のとおりである。ITO基板上に銅フタロシアニン(以下、「CuPc」と記す。)を正孔注入層として成膜し、その上に正孔輸送材料であるNPBを成膜した。さらに、[化9]で示される化合物を発光層として成膜した。この後、電子輸送材料であるBCP、電子注入材料であるCaF、ならびにアルミニウム陰極を形成した。いずれの膜も蒸着法によって形成した。正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の膜厚は各々、20nm、30nm、20nm、30nm、2nmであった。
Figure 0004588637
作製した素子の電圧−輝度曲線を図6に示す。5V付近から発光が開始し、最高輝度約1000cd/mが達成された。この時の色度座標はx=0.15、y=0.14であり、純度の高い青色の発光が確認された。
本実施例では、一般式[化5]から[化8]で示される化合物の代表として、上述した化合物[化9]である1,4−ジ(3,4−エチレンジオキシ−2−チエニル)ベンゼンを正孔注入材料として用いて電界発光素子を作製した。作製した素子構造は以下のとおりである。ITO基板上に[化9]を成膜し、その上に正孔輸送材料であるNPBを成膜した。さらにAlqを発光材料かつ電子輸送材料として成膜し、この後、CaF、ならびにアルミニウム陰極を形成した。いずれの膜も蒸着法によって形成した。正孔注入層、正孔輸送層、発光層(電子輸送層を兼ねる)、電子注入層の膜厚は各々、20nm、30nm、50nm、2.5nmであった。
作製した素子の電圧−輝度曲線を図7(A)に示す。3.5Vから発光が開始し、9Vにおいて約10000cd/mが達成された。式[化9]で示される化合物の代わりにCuPcを正孔注入材料として用いた場合の電圧−輝度曲線を図7(B)に示す。[化9]を用いた時と殆ど代わらない特性を示している。すなわち、式[化9]で示される化合物の正孔注入特性はCuPcのそれに匹敵すると言える。これは式[化9]で示される化合物のイオン化ポテンシャルが小さいことに起因するものと思われる。
本実施例では、一般式[化5]から[化8]で示される化合物の代表として、下式[化10]で示される4,4’−ジ(3,4−エチレンジオキシ−2−チエニル)ビフェニルを正孔注入材料として用いて電界発光素子を作製した。作製した素子構造は以下のとおりである。ITO基板上に式[化10]で表される化合物を成膜し、その上に正孔輸送材料であるNPBを成膜した。さらにAlqを発光材料かつ電子輸送材料として成膜し、この後、CaF、ならびにアルミニウム陰極を形成した。いずれの膜も蒸着法によって形成した。正孔注入層、正孔輸送層、発光層(電子輸送層を兼ねる)、電子注入層の膜厚は各々、20nm、30nm、50nm、2nmであった。
Figure 0004588637
本素子の初期特性の内、電圧−輝度曲線を図8(A)に示す。3V付近から発光が開始し、9Vにおいて約10000cd/mが達成された。式[化10]で表される化合物の代わりにCuPcを正孔注入材料として用いた場合の電圧−輝度曲線を図8(B)に示す。[化10]を用いた時と殆ど代わらない特性を示している。すなわち、[化10]の正孔注入特性はCuPcのそれに匹敵すると言える。
実施例1から3で示したように、化合物[化9]ならびに[化10]は電界発光素子のための材料として、特に正孔注入材料として優れた特性を示す。これらの結果が示すように、本発明で提唱する化合物、すなわち一般式[化5]から[化8]で表される化合物においては、RとR、およびRとRで環構造を形成しているがことが好ましい。これは環構造を形成することで分子全体の有効共役長が拡張するからである。これを以下の実施例で示す。
図9は1,4−ジ(3,4−エチレンジオキシ−2−チエニル)ベンゼン([化9])とその類縁体である、1,4−ビス(3,4−ジヘキシルオキシ−2−チエニル)ベンゼンの紫外−可視吸収スペクトルである。1,4−ビス(3,4−ジヘキシルオキシ−2−チエニル)ベンゼンの構造を[化11]に示す。図9(A)に示すように前者の吸収極大は380nmに見られるのに対し、図9(B)に示すように後者のそれは300nmに観測され、環構造を有する[化9]がより拡張された共役系を有していることが分かる。なお、図9(A)で示すように、[化9]の可視光領域における吸収強度は非常に小さく、これは従来の正孔注入材料と比べて著しく異なる点である。
Figure 0004588637
さらにサイクリックボルタンメトリーの測定結果からも、[化9]が、より拡張された共役系を有していることが示される。サイクリックボルタンメトリーの測定は、アセトニトリルを溶媒として用い、過塩素酸テトラブチルアンモニウムを支持電解質として用いて行った。作用電極、ならびに対極は白金である。また、参照電極は銀/塩化銀を用いた。[化9]の酸化電位は1.20V(vs.Ag/Ag)であるのに対し、[化11]の酸化電位は1.68Vであり、後者がより酸化しにくくなっていることが分かる。従って、一般式[化5]から[化8]で表される一連の化合物において、RとR、およびRとRで環構造を形成していることが好ましく、このことは本実施例の結果からも支持される。
本実施例では、一般式[化5]から[化8]で示される化合物の代表として、下式[化12]で示される1,4−ジ(3,4−エチレンジオキシ−5−トリメチルシリル−2−チエニル)ベンゼンの合成について述べる。合成スキームを図10に示す。3,4−エチレンジオキシチオフェン(図10中の化合物A、10.30g、72.5mmol)の乾燥THF溶液(100mL)に1.56Nのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(48mL,74.9mmol)を−78℃にて滴下した。滴下終了後、−78℃にて1時間攪拌した。この溶液にクロロトリメチルシラン(8.93g、82.3mmol)を滴下し、この後反応溶液を室温まで徐々に昇温した。3時間攪拌した後、反応混合物を減圧下において濃縮し、この後ヘキサンで抽出した。ヘキサン層は硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過した。ろ液を濃縮し、残渣を減圧蒸留(200Pa,94−100℃)することにより、図10中(B)で示される化合物、2−トリメチルシリル−3,4−エチレンジオキシチオフェンを得た。収率84%。H NMR(300MHz、CDCl)δ 0.286(s、9H)、4.16(s、2H)、4.17(s、2H)、6.54(s、1H):13C NMR(75MHz、CDCl)δ −0.74、 64.42、 64.51、 104.68、 111.28、 142.63、 147.25。
Figure 0004588637
図10中(B)で示される化合物、2−トリメチルシリル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(18.6g、86.0mmol)の乾燥THF溶液(150mL)に、−78℃において1.56Nのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(55mL,86.0mmol)を滴下した。滴下終了後、−78℃にて1時間、0℃において30分攪拌した。この溶液を塩化亜鉛(11.69g、85.8mmol)の乾燥THF懸濁液(100mL)に室温にて滴下した。その後1時間攪拌して図10中(C)で表される化合物を系中で得た。この後、1,4−ジブロモベンゼン(6.759g、28.7mmol)とテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(0)(1.28g、1.11mmol)を加え、さらに10時間加熱還流した。反応混合物を水約1Lへ投入し、沈殿物をろ過した。ろ過物を乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液、ヘキサン/酢酸エチル 10/1から2/1)によって精製し、更にヘキサン/酢酸エチル(5/1)によって再結晶することにより、図10中(D)で表される化合物、すなわち下式[化12]で表される化合物、1,4−ジ(3,4−エチレンジオキシ−5−トリメチルシリル−2−チエニル)ベンゼンを得た。収率43%。H NMR(300MHz、CDCl)δ 0.311(s、18H)、4.27(s、4H)、4.29(s、4H)、7.69(s、4H)。
合成した上式[化12]で表される化合物の紫外―可視吸収スペクトルを図11に示す。図11に示すように、可視光領域における吸収は極めて小さく、これに起因して素子の着色を大幅に低減できることが可能である。
本実施例では、一般式[化5]から[化8]で表される化合物において、RとRに水素以外の置換基を導入する効果について述べる。RとRが水素原子の場合、溶解性が極めて低い。例えば、実施例1で示した、式[化9]で表される化合物は、25℃において、クロロホルムに対する溶解度は1wt%にも満たない。これに対し、RとRがトリメチルシリル基の場合、25℃におけるクロロホルムへの溶解度は15.4wt%である。このように、RとRに置換基を導入することによって、溶解性を著しく向上させることができる。
さらに式[化9]で表される化合物は、低い溶解性に示唆されるように結晶性が高く、膜質の良い蒸着膜を得ることができない。したがって、式[化9]で表される化合物を発光層として用いる場合、均一な面発光を得ることが困難である。これに対し式[化12]で表される化合物は、高い溶解性を反映して膜質の良い蒸着膜を与えた。
本実施例では、上式[化12]で示される1,4−ジ(3,4−エチレンジオキシ−5−トリメチルシリル−2−チエニル)ベンゼンを正孔注入層に用いた素子の作製、ならびに素子の初期特性について述べる。作製した素子構造は以下のとおりである。ITO基板上に式[化12]で示される化合物を成膜し、その上に正孔輸送材料であるNPBを成膜した。さらにAlqを発光材料かつ電子輸送材料として成膜し、この後、CaF、ならびにアルミニウム陰極を形成した。いずれの膜も蒸着法によって形成した。正孔注入層、正孔輸送層、発光層(電子輸送層を兼ねる)、電子注入層の膜厚は各々、20nm、30nm、50nm、2nmであった。なお、対照実験として、式[化12]で表される化合物の代わりに銅フタロシアニン(以下、「CuPc」と記す)を用いた素子も作製した。
作製した素子は3.6Vより発光を開始し、この電位はCuPcを用いた素子の発光開始電圧(3.6V)と同一である。このことは、式[化12]で示される新規化合物の正孔注入特性はCuPcのそれとほぼ同一であることを意味する。
本実施例では、一般式[化5]から[化8]で示される化合物の代表として、下式[化13]で示される4,4’−ビス(5−フェニル−3,4−エチレンジオキシ−2−チエニル)ビフェニル(以下、DPEBPと呼ぶ)の合成について述べる。
Figure 0004588637
まず、中間体である下式[化14](以下、中間体aと呼ぶ)の合成について述べる。2,3−ジヒドロチエノ−[3,4−b]−1,4−ジオキシン22.41gに乾燥THF250mlを加え、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.58Mヘキサン溶液)100mlを滴下し、1時間撹拌した。得られた混合物を室温にて塩化亜鉛25.84gに加え、室温にてさらに1時間撹拌した。これに、ブロモベンゼン18.3mlとテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム1.83gを添加し、加熱還流下5時間撹拌した。室温に冷却した溶液に酢酸エチル、1M塩酸、水を加え、有機層を分取した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製した。NMRデータを以下に示す。H NMR(CDCl、δ)7.72ppm(d、2H)、7.36ppm(t、2H)、7.21ppm(t、1H)、6.29ppm(s、1H)、4.29ppm(m、4H)。
Figure 0004588637
次に、上記で得られた中間体a10.36gにTHF100mlを加え、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.58Mヘキサン溶液)33.1mlを滴下し、1時間撹拌した。得られた混合物を室温にて塩化亜鉛7.77gに加え、室温にてさらに1時間撹拌した。これに、4,4’−ジヨードビフェニル8.77gとテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム549mgを添加し、加熱還流下5時間撹拌した。これをろ過して得られた固体をエタノールにて洗浄した。クロロホルムにて再結晶を行い、本発明の有機化合物DPEBPを得た(黄色粉末)。NMRデータを以下に示す。H NMR(CDCl、δ)7.77ppm(m、12H)、7.44ppm(t、4H)、7.28ppm(t、2H)、4.45ppm(s、8H)。
本実施例では、一般式[化5]から[化8]で示される化合物の代表として、下式[化15]で示される1,4−ビス(5−フェニル−3,4−エチレンジオキシ−2−チエニル)ベンゼン(以下、DPEBZと呼ぶ)の合成について述べる。
Figure 0004588637
実施例8で得られた中間体a6.07gにTHF100mlを加え、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.58Mヘキサン溶液)19.4mlを滴下し、1時間撹拌した。得られた混合物を室温にて塩化亜鉛4.50gに加え、室温にてさらに1時間撹拌した。これに、1,4−ジヨードベンゼン4.12gとテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム321mgを添加し、加熱還流下5時間撹拌した。これをろ過して得られた固体をエタノールにて洗浄した。クロロホルムにて再結晶を行い、本発明の有機化合物DPEBZを得た(橙色粉末)。NMRデータを以下に示す。H NMR(CDCl、δ)7.77ppm(m、8H)、7.38ppm(t、4H)、7.23ppm(t、2H)、4.38ppm(s、8H)。
本実施例では、一般式[化5]から[化8]で示される化合物の代表として、下式[化16]で示される4、4’−ビス[5−(4−tert−ブチルフェニル)−3,4−エチレンジオキシ−2−チエニル)ビフェニル(以下、DtBuPEBPと呼ぶ)の合成について述べる。
Figure 0004588637
まず、中間体である下式[化17](以下、中間体bと呼ぶ)の合成について述べる。まず、2,3−ジヒドロチエノ−[3,4−b]−1,4−ジオキシン10.57gにTHF100mlを加え、−78℃に冷却した。LDA(2.0M)37.2mlを滴下し、1時間撹拌した。塩化亜鉛12.14gを添加し、室温にてさらに1時間撹拌した。これに、1−ブロモ−4−tert−ブチルベンゼン14.3mlとテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム859mgを添加し、加熱還流下8時間撹拌した。室温に冷却した溶液に酢酸エチル、水を加え、有機層を分取した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を濃縮した。その後カラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製した。NMRデータを以下に示す。H NMR(CDCl、δ)7.67ppm(d、2H)、7.45ppm(d、2H)、6.32ppm(s、1H)、1.40ppm(s、9H)。
Figure 0004588637
次に、上記で得られた中間体b2.56gにTHF50mlを加え、−78℃に冷却した。LDA(2.0M)5.12mlを滴下し、1時間撹拌した。塩化亜鉛1.53gを添加し、室温にてさらに1時間撹拌した。これに、4,4’−ジヨードビフェニル1.71gとテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム107mgを添加し、加熱還流下6時間撹拌した。室温に冷却した溶液に酢酸エチル、1M塩酸、水を加え、有機層を分取した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を濃縮した。クロロホルムにて再結晶を行い、本発明の有機化合物DtBuPEBPを得た。NMRデータを以下に示す。H NMR(CDCl、δ)7.80ppm(d、4H)、7.66ppm(m、8H)、7.41ppm(d、4H)、4.36ppm(s、8H)、1.32ppm(s、9H)。
本実施例では、一般式[化5]から[化8]で示される化合物の代表として、上述した化合物[化13]であるDPEBPを発光材料として用いて電界発光素子を作製した。作製した素子構造は以下のとおりである。ITOが成膜されたガラス基板上にホール注入材料である銅フタロシアニン、ホール輸送材料であるNPBを順次真空蒸着法によって成膜した。膜厚はそれぞれ、20nm、40nmである。この積層膜の上に2−t−ブチルー9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセンとDPEBPを40nmの膜厚で共蒸着して発光層を形成した。さらに電子輸送材料であるAlqを20nm積層した。この上に電子注入材料であるCaFを成膜し、さらにAl電極を成膜した。発光層における2−t−ブチルー9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセンとDPEBPの比は100対1である。
この素子に通電することによって、色度座標がx=0.15、y=0.16である、純度の高い青色の発光が得られた。発光開始電圧は4Vであり、10V印加することで10000cd/mの輝度が得られた。効率は3.9cd/Aであり、青色発光素子として良好な値を示した。
図1は、本発明を実施して作製しうる電界発光素子の構造図である。 図2は、本発明を実施して作製しうる発光装置の図である。 図3は、本発明を実施して作製しうる発光装置の図である。 図4は、本発明を実施して得られる白色発光装置の基本構造の図である。 図5は、本発明を実施して得られる発光装置を備えた電子機器の一例を示す図である。 図6は、本発明を実施して得られる発光装置の電圧−輝度曲線である。 図7は、本発明を実施して得られる発光装置の電圧−輝度曲線である。 図8は、本発明を実施して得られる発光装置の電圧−輝度曲線である。 図9は、本発明を実施する際に用いる有機材料の紫外−可視スペクトルである。 図10は、本発明で提唱する新規化合物の代表例の合成スキームである。 図11は、本発明で提唱する新規化合物の代表例の紫外―可視吸収スペクトル(塩化メチレン中、2.55×10−5M)である。

Claims (9)

  1. 下記一般式[化2]で示される共役分子。
    Figure 0004588637
    (式中、Yは1,4−フェニレン基又は4,4’−ビフェニレン基を示し、R 乃至R はアルコキシ基を示し、R 、R はそれぞれ独立に、アリール基、アルキル基、シアノ基、ジアルキルアミノ基、チオアルコキシ基、またはアルコキシ基を示す。)
  2. 下記式[化11]で示される共役分子。
    Figure 0004588637
  3. 下記式[化12]で示される共役分子。
    Figure 0004588637
  4. 下記式[化13]で示される共役分子。
    Figure 0004588637
  5. 下記式[化15]で示される共役分子。
    Figure 0004588637
  6. 下記式[化16]で示される共役分子。
    Figure 0004588637
  7. 請求項1乃至6のいずれか一において、25℃、1気圧におけるクロロホルムへの溶解度が1wt%以上20wt%以下であることを特徴とする共役分子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一に記載の共役分子を正孔注入層、正孔輸送層、または発光層に用いることを特徴とする電界発光素子。
  9. 請求項8に記載の電界発光素子を有することを特徴とする電子機器。
JP2005510975A 2003-03-14 2004-03-10 共役分子、電界発光素子、及び電子機器 Expired - Fee Related JP4588637B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003070806 2003-03-14
JP2003070780 2003-03-14
JP2003070806 2003-03-14
JP2003070780 2003-03-14
PCT/JP2004/003101 WO2005002288A1 (ja) 2003-03-14 2004-03-10 共役分子及びそれを用いた電界発光素子、並びに電界発光素子を用いた電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005002288A1 JPWO2005002288A1 (ja) 2006-08-10
JP4588637B2 true JP4588637B2 (ja) 2010-12-01

Family

ID=33518553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005510975A Expired - Fee Related JP4588637B2 (ja) 2003-03-14 2004-03-10 共役分子、電界発光素子、及び電子機器

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7192535B2 (ja)
EP (1) EP1605733A4 (ja)
JP (1) JP4588637B2 (ja)
WO (1) WO2005002288A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100543003B1 (ko) * 2003-09-15 2006-01-20 삼성에스디아이 주식회사 풀칼라 유기 전계 발광 소자 및 그의 제조 방법
KR20050050487A (ko) * 2003-11-25 2005-05-31 삼성에스디아이 주식회사 풀칼라 유기 전계 발광 소자
KR100659530B1 (ko) * 2003-11-26 2006-12-19 삼성에스디아이 주식회사 풀칼라 유기전계발광소자
JP2005243549A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Sony Corp 表示素子および表示装置並びに撮像装置
WO2006059665A1 (en) * 2004-11-30 2006-06-08 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting element and electronic device using the same
JP2008112904A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
KR100858824B1 (ko) * 2007-05-31 2008-09-17 삼성에스디아이 주식회사 유기 발광 소자 및 이의 제조 방법
EP2214222A4 (en) * 2007-11-13 2013-01-02 Japan Adv Inst Science & Tech ORGANIC ELECTROLUMINESCENT ELEMENT
JP5278686B2 (ja) * 2008-09-29 2013-09-04 凸版印刷株式会社 有機elディスプレイパネルおよびその製造方法
EP2350042B1 (en) * 2008-10-17 2015-07-29 Cpl Bcx Pharma Ab Novel thiophene compounds for use in theraphy
TWI396687B (zh) * 2009-03-23 2013-05-21 Eternal Chemical Co Ltd 噻吩衍生物及其應用

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1092576A (ja) * 1989-04-20 1998-04-10 Cambridge Display Technol Ltd 電界発光素子およびその製造方法
JP2000098919A (ja) * 1998-07-24 2000-04-07 Seiko Epson Corp 表示装置
WO2001057140A1 (en) * 2000-02-04 2001-08-09 Massachusetts Institute Of Technology Insulated nanoscopic pathways, compositions and devices of the same
US6291621B1 (en) * 1999-02-23 2001-09-18 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force Bithienylnaphthalene-based monomers and polymers
US6359149B1 (en) * 1999-02-23 2002-03-19 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force Bithienylnaphthalene- and bis(3,4-ethylenedioxythienyl)naphthalene-based monomers and polymers

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4720432A (en) 1987-02-11 1988-01-19 Eastman Kodak Company Electroluminescent device with organic luminescent medium
US6320200B1 (en) * 1992-06-01 2001-11-20 Yale University Sub-nanoscale electronic devices and processes
US6878801B2 (en) * 1999-03-11 2005-04-12 Japan Science And Technology Optically active polythiophenes
US6890715B1 (en) * 1999-08-18 2005-05-10 The California Institute Of Technology Sensors of conducting and insulating composites
US6359150B1 (en) * 1999-08-31 2002-03-19 Kyocera Corporation Photochromic compound and optical function device using the same
DE10002424A1 (de) * 2000-01-20 2001-07-26 Siemens Ag Di(het)arylaminothiophen-Derivate
KR100843819B1 (ko) * 2000-03-29 2008-07-03 이데미쓰 고산 가부시키가이샤 안트라센 유도체 및 이를 사용한 유기 전기발광 소자
US6414164B1 (en) * 2000-07-12 2002-07-02 International Business Machines Corporation Synthesis of soluble derivatives of sexithiophene and their use as the semiconducting channels in thin-film filed-effect transistors
WO2002008215A1 (en) * 2000-07-24 2002-01-31 University Of Washington Hyperpolarizable organic chromophores
WO2002014305A2 (en) * 2000-08-17 2002-02-21 Lumera Corporation Design and synthesis of advanced nlo materials for electro-optic applications
JP4025920B2 (ja) * 2001-03-05 2007-12-26 入江  正浩 フォトクロミック材料
ATE409714T1 (de) * 2001-07-25 2008-10-15 Merck Patent Gmbh Mono-, oligo and poly-3-(1,1- difluoroalkyl)thiophene und ihre verwendung als ladungstransportmaterial
JP3963693B2 (ja) * 2001-10-15 2007-08-22 富士通株式会社 導電性有機化合物及び電子素子
WO2003101955A2 (en) * 2002-03-20 2003-12-11 Massachusetts Institute Of Technology Molecular actuators, and methods of use thereof
DE10257539A1 (de) * 2002-12-10 2004-07-01 H.C. Starck Gmbh Verfahren zur Herstellung von 2,2'-Di(3,4-ethylendioxythiophen)en
EP1611207B1 (en) * 2003-04-10 2016-02-03 Basf Se Fluorescent diketopyrrolopyrroles
DE10357571A1 (de) * 2003-12-10 2005-07-28 H.C. Starck Gmbh Multifunktionelle 3,4-Alkylendioxythiophen-Derivate und diese enthaltende elektrisch leitfähige Polymere

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1092576A (ja) * 1989-04-20 1998-04-10 Cambridge Display Technol Ltd 電界発光素子およびその製造方法
JP2000098919A (ja) * 1998-07-24 2000-04-07 Seiko Epson Corp 表示装置
US6291621B1 (en) * 1999-02-23 2001-09-18 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force Bithienylnaphthalene-based monomers and polymers
US6359149B1 (en) * 1999-02-23 2002-03-19 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force Bithienylnaphthalene- and bis(3,4-ethylenedioxythienyl)naphthalene-based monomers and polymers
WO2001057140A1 (en) * 2000-02-04 2001-08-09 Massachusetts Institute Of Technology Insulated nanoscopic pathways, compositions and devices of the same

Also Published As

Publication number Publication date
US7192535B2 (en) 2007-03-20
WO2005002288A1 (ja) 2005-01-06
US20040258954A1 (en) 2004-12-23
EP1605733A4 (en) 2009-08-05
EP1605733A1 (en) 2005-12-14
JPWO2005002288A1 (ja) 2006-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3816969B2 (ja) 有機el素子
JP4770033B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP4623223B2 (ja) 有機el素子
JP3712760B2 (ja) 有機el素子
JP3508984B2 (ja) 有機化合物及び該有機化合物を用いた発光素子
JP3838816B2 (ja) 有機el素子用化合物および有機el素子
JP4286898B2 (ja) 有機el素子
JP3965063B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP4364130B2 (ja) 有機el素子
JP5773638B2 (ja) 縮合多環化合物及びこれを用いた有機発光素子
KR101215866B1 (ko) 발광 소자 및 그를 사용하는 전자 장치
CN102245545B (zh) 有机化合物
JP4401665B2 (ja) 電界発光素子
JP4588637B2 (ja) 共役分子、電界発光素子、及び電子機器
JP2003026616A (ja) 有機el素子用化合物、有機el素子
JP3642606B2 (ja) 有機el素子
JP3871396B2 (ja) 有機el素子
JP3970495B2 (ja) 有機el素子
JPH10219242A (ja) 有機el素子用化合物および有機el素子
JP3999781B2 (ja) 有機el素子
JP4190542B2 (ja) フェニルアントラセン誘導体
JP4267670B2 (ja) 有機el素子の製造方法
JP4200152B2 (ja) 有機el素子
JP4109292B2 (ja) 有機el素子用化合物
JP5171734B2 (ja) 電界発光素子および発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070307

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100907

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4588637

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees