JP4587475B2 - キャップによりリシール可能な缶容器を使用した無菌充填法 - Google Patents

キャップによりリシール可能な缶容器を使用した無菌充填法 Download PDF

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本発明は、略無菌雰囲気内で殺菌済みの容器に殺菌済みの内容物を充填・密封する無菌充填法に関し、特に、キャップによりリシール(再密閉)可能な缶容器を使用して、略無菌雰囲気内で、缶底側が開放された缶体の内外面を殺菌してから、殺菌済みの缶体の缶底側から殺菌済みの内容物を充填し、缶底側を殺菌済みの底蓋により密封するような無菌充填法に関する。
ネジ付きキャップによるリシール(再密閉)が可能であるボトル型缶のような金属製の缶容器については、資源のリサイクル率や、遮光性や、耐気体透過性や、急速冷却性などの点で優れていることから、近年、各種の飲料を内容物とする飲料缶の市場において数多く使用されているが、そのような金属製の缶容器において、既存の缶詰製造設備により内容物の充填・密封を行うことができるように、口頸部にキャップが装着されて缶底側が開放された缶体に対して、缶体を倒立させた状態で、缶底側から内容物を充填した後、底蓋を巻締め固着して缶底側を密封する、ということが下記の特許文献1により従来公知となっている。
特開平2002−128193号公報
ところで、キャップによりリシール(再密閉)可能な缶容器では、上記のように缶底側から内容物を充填する場合に、口頸部にキャップが装着されて缶底側が開放された状態の缶体に対して、キャップの側が下となるように缶体を倒立させた状態で、その缶底側から内容物を充填しているが、そのような内容物の充填を無菌充填法(略無菌雰囲気内で殺菌済みの容器に殺菌済みの内容物を充填・密封する方法)によって行う場合に、略無菌雰囲気内で、殺菌済みの内容物を充填するよりも前に、殺菌剤の噴霧と熱風での乾燥により予め缶体の内外面を殺菌しておくことが必要とされている。
これに対して、キャップによりリシール可能な従来の缶容器では、内容物を充填・密封する前の状態において、缶底側が開放された缶体の口頸部側の開口端を密封するために、缶体の口頸部には既にキャップが装着されており、また、キャップが装着された口頸部の開口端での密封性を充分に確保するために、キャップの天板部の内面(裏面)側に設けられた密封用の樹脂製ライナーを、口頸部の開口端に形成されたカール部を包み込むように密着させている。
具体的には、例えば、図7に示すように、キャップ3には、その天板部31の内面側に、内側環状部38aと中央部38bと外側環状部38cとを有する樹脂製ライナー38を設けて、口頸部21のカール部21aを、樹脂製ライナー38の中央部38bで押さえつつ内側環状部38aと外側環状部38cとで挟んでいる。なお、炭酸ガスを含む発泡性の液体を内容物とするような場合には、ガス抜き孔となるように、キャップ3のスカート部32の上部に、円周方向に沿って複数のスリット33が形成されており、缶を開封するために最初にキャップを開栓方向に緩めた際に、缶内のガス圧を先ずスリット33を通して外部に開放するようにしている。
そのようなキャップ3が装着されている缶容器では、缶体の内外面を殺菌剤の噴霧と熱風での乾燥とにより殺菌する際に、缶体の内面側では、キャップ3の樹脂製ライナー38と口頸部21の内面側との間(カール部21aの内側部分とライナー38の内側環状部38aとの間)に殺菌剤や熱風を侵入させ難く、この部分の殺菌が不充分になる虞があり、一方、缶体の外面側では、キャップ3で被われた口頸部21の外面側を充分に殺菌することができない。なお、キャップ3にスリット33が形成されている場合には、このスリット33を通して殺菌剤や熱風を口頸部の外面側に供給できるものの、その場合でも、狭いスリット33を通して殺菌剤や熱風を供給することから、口頸部21の外面側で、殺菌が不充分になったり、殺菌剤が残留したりするような虞がある。
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、キャップによりリシール可能な缶容器を使用した無菌充填法について、缶体の内外面を殺菌剤の噴霧と熱風での乾燥とにより殺菌する際に、キャップが装着される口頸部の内外面を容易に問題なく殺菌できるようにすることを課題とするものである。
本発明は、上記のような課題を解決するために、キャップによりリシール可能な缶容器を使用して、略無菌雰囲気内で、缶底側が上となる倒立状態の缶体に対して、開放された缶底側から内容物を充填するような無菌充填法において、口頸部側と缶底側とが開放された缶体を、引き剥がし可能なシール蓋により口頸部の開口端を密封した状態として、略無菌雰囲気内で、缶体の内外面に殺菌剤を噴霧し、この殺菌剤を熱風で乾燥除去して、缶体の内外面を殺菌してから、殺菌済みの缶体の缶底側から殺菌済みの内容物を充填し、内容物が充填された缶体の缶底側を殺菌済みの底蓋により密封した後で、内容物が充填・密封された缶体の口頸部に対して、シール蓋の上からキャップを装着するようにしたことを特徴とするものである。
上記のような本発明のキャップによりリシール可能な缶容器を使用した無菌充填法によれば、缶底側が開放された缶体の内外面を、殺菌剤の噴霧と熱風での乾燥によって殺菌する際に、キャップに邪魔されることなく、口頸部の内外面を容易かつ充分に殺菌することができる。また、缶体の内部に内容物を充填する際には、キャップを口頸部に装着していないにも拘らず、口頸部側での密封性をシール蓋により充分に確保できることで、広く開放された缶底側から内容物を効率良く充填することができる。
また、缶を開封するまではシール蓋により口頸部が密封されているため、開封時に缶を不用意に傾斜させた状態でキャップを開栓しても、内容物の液体が口頸部から零れ出るようなことはない。また、缶を開封した後でリシール(再密閉)する場合にだけ、キャップの密封性や耐内容物性が問題となることから、シール蓋を設けずに最初からキャップにより口頸部を密封するような場合と比べて、密封性や耐内容物性の基準を緩めることができて、キャップの選択肢を広げることができる。
さらに、内容物を充填・密封した状態で、万が一にも缶内に雑菌が混入した場合には、雑菌により発生する炭酸ガスで缶内圧が異常に高くなることがある。これに対して、内容物が充填・密封された缶を、キャップを装着する前に適当な期間(例えば、2,3日)ストックしておくことで、その間に雑菌による炭酸ガスが発生した場合には、シール蓋の部分が急速に膨出することから、変位センサー等によりシール蓋の膨らみを検出することで、雑菌が混入した不良缶を容易に知ることができ、この不良缶を迅速に除去することで製品の品質管理を向上させることができる。
キャップによりリシール可能な缶容器を使用した無菌充填法について、缶体の内外面を殺菌剤の噴霧と熱風での乾燥とにより殺菌する際に、キャップが装着される口頸部の内外面を容易に問題なく殺菌できるようにするという目的を、最良の形態として以下の実施例に具体的に示すように、口頸部側と缶底側とが開放された缶体を、引き剥がし可能なシール蓋により口頸部の開口端を密封した状態として、略無菌雰囲気内で、缶体の内外面に殺菌剤を噴霧し、この殺菌剤を熱風で乾燥除去して、缶体の内外面を殺菌してから、殺菌済みの缶体の缶底側から殺菌済みの内容物を充填し、内容物が充填された缶体の缶底側を殺菌済みの底蓋により密封した後で、内容物が充填・密封された缶体の口頸部に対して、シール蓋の上からキャップを装着するということで実現した。
本実施例の方法で使用される缶容器は、図1に示すように、口頸部と胴部の径の差が小さく比較的小さな肩部を有する広口リシール缶(変形的なボトル型缶の一種である缶容器)であって、缶容器1では、口頸部21と肩部22と胴部23とを備えた缶体(缶本体)2に対して、その口頸部21に、金属製で別部品のキャップ3が、周知のキャップ装着装置(キャッパー)によりロールオン成形されることで、螺合によるリシール(再密閉)が可能なように装着されており、また、その胴部23の下端に、金属製で別部品の底蓋4が、周知の缶蓋巻締装置(シーマー)により一体的に巻締め固着されている。
そのような缶容器を使用した無菌充填法について、本実施例の方法では、口頸部側と缶底側とが開放された缶体(キャップや底蓋を除いた缶本体)に対して、その口頸部側の開口端を引き剥がし可能なシール蓋により密封してから、缶底側が上となり口頸部側が下となるように缶体を倒立させた状態で、開放された缶底側から内容物を充填し、缶底側を底蓋の巻締め固着(二重巻き締め)により密封して、そのように内容物を充填・密封した後で、缶体の口頸部に対してシール蓋の上からキャップを装着している。
すなわち、内容物が充填・密封される前の缶体では、図2に示すように、缶体2の口頸部21には、その上端の開口端に外巻きのカール部21aが形成され、その下方に、上方に向かって縮径された傾斜部21bが形成され、その下方の周壁にネジ部21cが形成され、ネジ部21cの下方に環状のビード部21dが形成されている。また、缶体2の胴部23の下端は、ネック・フランジ加工が施されてフランジ部24に形成されているものの、底蓋は未だ巻締め固着されておらず、缶底側は広く開放されたままとなっている。
そして、キャップは未だ装着されていない缶体には、図2および図3に示すように、口頸部21の先端部分(カール部21aの上端面と外側面)に、シール蓋5がヒートシール等により引き剥がし可能に接着されていて、このシール蓋5によって口頸部21の開口端は密封されている。なお、口頸部21からシール蓋5の引き剥がす際に摘み部分となるように、シール蓋5の周縁の一部分には引き剥がし用のタブ5aが形成されている。
缶容器の缶体(缶本体)については、例えば、厚さ12μm程度のポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムが少なくとも缶内面側となる面にラミネートされた0.3mm程の薄い鋼板を円筒形に溶接し、この溶接部の少なくとも内面側をポリエチレンテレフタレート等の樹脂で補修塗装したような溶接缶胴から製造される缶体や、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムが少なくとも缶内面側となる面にラミネートされた薄い金属板を絞り・しごき加工等によりコップ状に成形してから、その缶底側を口頸部を成形したようなシームレス缶体など、適宜の缶体が使用される。
また、缶体の口頸部の先端部分に引き剥がし可能に接着されるシール蓋については、アルミ箔の単層フィルム、或いは、例えば、アルミ箔やエチレンビニルアルコール共重合体樹脂のような酸素を透過しない材料をポリプロピレンのようなオレフィン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂でサンドイッチしたような積層フィルム等からなるもので、接着剤を介して缶体の口頸部に接着されるものであって、口頸部の先端部分に弛みなく扁平に接着されるものである。
シール蓋を接着するための接着剤については、感熱性接着剤や感圧性接着剤が使用でき、その厚さは最大で200μm程である。感熱性接着剤としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂,ポリビニールエーテル系樹脂,塩素化ポリプロピレン系樹脂,グラフト変性ポリプロピレン樹脂等が使用でき、また、感圧性接着剤としては、アクリルゴム系樹脂,ポリイソブチレン系樹脂,ポリクロロプレン系樹脂等が使用できる。
なお、感熱性接着剤を使用する場合には、ヒートシール法での樹脂の溶着による強い接着力により高度な密封性を得ることができる。一方、感圧性接着剤を使用する場合には、感熱性接着剤を使用してヒートシール法により接着する場合と比べて、キャップを装着する際の圧力によりシール蓋を接着させることで製造速度を速くすることができ、また、缶を開封する際には、小さな力でシール蓋を引き剥がすことができて、開封操作を容易に行なうことができる。
ところで、図2に示すように、口頸部21にキャップが装着されず、口頸部21の開口端がシール蓋5により密封されている缶体2に対して、無菌充填法により内容物を充填・密封する場合に、本実施例の方法では、先ず、缶体搬入工程において、予めリンサーにより缶体の内外面を洗浄して乾燥させてから、缶体を倒立させた状態として、略無菌雰囲気(クリーンブース)内に搬入している。
そして、図4に示すように、略無菌雰囲気内において、粉塵除去工程(A),内面殺菌工程(B),内面乾燥工程(C),シール蓋冷却工程(D),外面殺菌工程(E),外面乾燥工程(F),シール蓋冷却工程(G),内容物充填工程(H),窒素ガス充填工程(I),底蓋巻締め工程(J)の各工程を経てから、略無菌雰囲気内から搬出して、缶体を正立させた状態で、外面洗浄工程(K),乾燥工程(L)の各工程を経た後で、キャップ装着工程(図示せず)で、缶体の口頸部にシール蓋の上からキャップを装着することにより、図1に示すように、キャップ3が装着された缶入り製品としている。
上記の各工程について、具体的には、シール蓋5で密封されて倒立状態で略無菌雰囲気内に搬入された缶体2に対して、粉塵除去工程(A)では、フィルターを通して無菌状態にした無菌空気を、缶体の内側ヘ吹き付けることで、缶体の内側の粉塵を除去している。なお、粉塵を含む無菌空気は、直ちに略無菌雰囲気外に吸引されて排出される。また、内面殺菌工程(B)では、濃度約35%の過酸化水素水を、約100〜120℃に加温して、缶体の内面側に向けて噴霧している。そして、内面乾燥工程(C)では、約100〜140℃に加熱した無菌空気を缶体の内面側に向けて吹き付けることで、前の工程で缶体の内面側に万遍なく付着させた過酸化水素水を蒸散させて除去している。
そのように内面側が殺菌された缶体について、外面殺菌工程(E)では、濃度約35%の過酸化水素水を、約100〜120℃に加温して、缶体の外面側に向けて噴霧している。そして、外面乾燥工程(F)では、約100〜140℃に加熱した無菌空気を缶体の外面側に向けて吹き付けることで、前の工程で缶体の外面側に万遍なく付着させた過酸化水素水を蒸散させて除去している。
なお、本実施例の方法では、シール蓋を接地させない状態で缶体を搬送(例えば、缶体の口頸部と胴部の間の肩部をリテーナーやホルダーで支えて缶体を搬送)しながら、内面乾燥工程(C)の直後や外面乾燥工程(F)の直後に、シール蓋冷却工程(D)やシール蓋冷却工程(G)を設けて、シール蓋に向けて常温の無菌空気を吹き付けることで、シール蓋が軟化するのを防止している。それらのシール蓋冷却工程については必須のものではないが、加熱された過酸化水素水や加熱された無菌空気によりシール蓋が軟化されることから、常温(低温)の無菌空気の吹き付け等による冷却でシール蓋が軟化するのを防止することが望ましい。
また、内面殺菌工程(及び内面乾燥工程)と外面殺菌工程(及び外面乾燥工程)について、本実施例の方法では、内面側の工程を外面側の工程よりも先に実施しており、そうすることで、缶体の内面側に付着した過酸化水素水は、内面側の工程と外面側の工程との二度にわたって加熱されることから、過酸化水素水が缶体の内面側に残留するような虞はなくなる。一方、外面側の工程を内面側の工程よりも先に実施した場合には、外面側の工程が終わってから内面側の工程に移行する間に、外面側の細菌が内面側に移ったとしても、最終的には内面側の細菌が完全に殺菌されるため、外面側の工程を内面側の工程よりも先に実施するようにしても良い。
また、本実施例の方法では、缶体を倒立させた状態で、缶体の内外面を順次に殺菌・乾燥しているが、缶体を倒立させないで、例えば、缶体を正立させた状態で、シール蓋の上面をサクションカップで吸引して缶体を吊り下げ、この状態で、缶体の内外面を同時に殺菌・乾燥してから、コンベア上に缶体を降ろして、シール蓋の外面側を殺菌・乾燥するというような他の方法を用いても良い。
殺菌剤(過酸化水素水)の噴霧と熱風(無菌空気)での乾燥により内外面が殺菌された缶体に対して、内容物充填工程(H)では、シール蓋とは反対側の缶底側を上にして缶体を倒立させた状態で、開放された缶底側から内容物を充填しており、内容物が充填された缶体は、窒素ガス充填工程(I)で、缶体のヘッドスペースに窒素ガスを充填してから、直ちに、底蓋巻締め工程(J)で、缶体の缶底側の開口端であるフランジ部に殺菌済みの底蓋を周知のシーマー(缶蓋巻締装置)により二重巻締めして缶体を密封している。
なお、本実施例の方法では、窒素ガス充填工程(I)で缶体のヘッドスペースの空気を窒素ガスに置換しているが、この窒素ガス充填工程(I)については必須のものではなく、例えば、内容物がコーヒーや紅茶や緑茶等のような抽出飲料の場合、抽出後の飲料がまだ暖かい状態、又は、瞬間加熱殺菌を施して飲料が温まった状態で、殺菌済みの缶体に飲料を充填してから、直ちに殺菌済みの底蓋で缶体を密封することで、ヘッドスペース内の空気を飲料の蒸気で置換するようにしても良い。
内容物が充填・密封された缶体は、略無菌雰囲気内から搬出されて、必要に応じて、外面洗浄工程(K)で、水道水により缶体の外面側を洗浄し、乾燥工程(L)で、缶体の外面側に付着した水を熱風乾燥又は自然乾燥により乾燥させてから、キャップ装着工程(図示せず)において、周知のキャッパー(キャップ装着装置)により、缶体の口頸部に対してシール蓋の上からキャップが装着されることとなる。なお。缶体の口頸部に対してシール蓋の上からキャップが装着された状態について、図5および図6は、その具体的な各例を示すものである。
上記のような各工程による本実施例の無菌充填法によれば、内面殺菌工程(及び内面乾燥工程)と外面殺菌工程(及び外面乾燥工程)において、缶底側が開放された缶体の内外面を殺菌する際に、キャップに邪魔されることなく、缶体の口頸部の内外面に対して、殺菌剤の噴霧と熱風での乾燥を容易かつ充分に行うことができて、缶体の内外面を確実に殺菌することができる。また、内容物充填工程において内容物を充填する際には、キャップを口頸部に装着していないにも拘らず、口頸部側での密封性をシール蓋により充分に確保できることで、広く開放された缶底側から内容物を効率良く充填することができる。
また、缶を開封する際に、特に、本実施例の方法で使用している広口リシール缶のように缶体の口頸部の開口端の径が比較的大きい缶容器では、シール蓋のない従来のものでは、開封時に缶を少しでも傾けた状態でキャップを不用意に開栓すると、缶内の内容物が傾いた口頸部の開口端から零れてしまうような虞があるが、本実施例の方法によれば、開封時には口頸部の開口端がシール蓋により密閉されているため、開封時に缶を傾けた状態でキャップを開栓しても、缶内の内容物が口頸部から零れてしまうような虞は全くない。
また、シール蓋を引き剥がして缶を開封した後では、キャップにより缶をリシール(再密閉)することとなるが、このキャップによる密封性や耐内容物性については、リシール(再密閉)のために使用する時点での密封性や耐内容物性だけを考慮すれば良く、製品の保管時や流通・販売時での密封性や耐内容物性までも考慮する必要はない(この時点での密封性や耐内容物性はシール蓋によって充分に保証される)ことから、例えば、図5に示すように、キャップ3に密封用のライナー38を設ける場合には、安価な材料のライナーを適宜に選択して使用することができ、また、場合によっては、図6に示すように、密封用のライナーを省略しても良い等、密封性や耐内容物性の基準を緩めることでキャップの選択肢を広げることができる。
なお、略無菌雰囲気内で、内面殺菌工程(及び内面乾燥工程)や外面殺菌工程(及び外面乾燥工程)により、缶体の内外面を完全に殺菌したとしても、例えば、殺菌済みの内容物中に雑菌が残存している可能性もあることから、内容物が充填・密封された缶内に雑菌が絶対に混入しないとはいえない。そして、万が一にも缶内に雑菌が混入した場合には、雑菌により発生する炭酸ガスによって缶内圧が高くなる。これに対して、本発明の方法では、内容物が充填・密封された缶を、キャップを装着する前に、適当な期間(例えば、2、3日)だけストックしておけば、内部で雑菌による炭酸ガスが発生して缶内圧が高くなった缶では、シール蓋の部分が直ちに膨出することから、変位センサー等によりシール蓋の膨らみを検出することで、雑菌が混入した不良缶を容易に検出することができて、その結果、缶内の雑菌による不良缶を迅速に除去して製品の品質管理を向上させることができる。
以上、本発明のキャップによりリシール可能な缶容器を使用した無菌充填法の一実施例について説明したが、本発明の方法は、上記のような実施例にのみ限定されるものではなく、適宜に変更可能なものであることはいうまでもない。
すなわち、例えば、対象となる缶容器については、実施例に示したような口頸部と胴部の径の差が小さく比較的小さな肩部を有する広口リシール缶に限らず、口頸部と胴部の径の差が大きく比較的大きな肩部を有する一般的な形状のボトル型缶であっても良いものであり、缶体に装着されるキャップについても、実施例に示したような金属製のキャップ(図1に示した金属製のキャップでは、天板部の外縁から垂下するスカート部の上部に、ガス抜き孔となるスリットが形成され、また、スカート部の下部が切り離し可能なピルファープルーフリングとなっている)に限らず、樹脂製のキャップであっても良いし、ピルファープルーフ機能がなくスリットもないようなキャップであっても良い。
特に、本発明の方法に使用する缶容器では、キャップ自体にピルファープルーフ機能がなくても、口頸部の開口端を引き剥がし可能なシール蓋により密封していることから、このシール蓋の引き剥がしの有無によりピルファープルーフ機能を果たすことができる。また、キャップを装着していない状態で口頸部の内外面を殺菌していることから、殺菌剤や熱風を通すためのスリットをキャップに設けるような必要性もない。その結果、キャップの構造を単純なものとしたり、ピルファープルーフ機能を省略したりすることで、キャップの軽量化を図ることができて、キャップに要するコストを軽減することができる。
本発明の方法に使用される缶容器の一例である広口リシール缶を示す側面図。 図1に示した缶容器で内容物を充填・密封する前の缶体の状態を示す側面図。 図2に示した缶体の口頸部の一部を拡大して示す部分拡大断面図。 本発明の方法の一実施例に係る無菌充填法の各工程を示す側面説明図。 本発明の方法により缶体の口頸部にキャップが装着された状態の一例について、口頸部とキャップの一部を拡大して示す部分拡大断面図。 本発明の方法により缶体の口頸部にキャップが装着された状態の他の例について、口頸部とキャップの一部を拡大して示す部分拡大断面図。 従来の方法により缶体の口頸部にキャップが装着された状態の一例について、口頸部とキャップの一部を拡大して示す部分拡大断面図。
符号の説明
1 缶容器
2 缶体(缶本体)
3 キャップ
4 底蓋
5 シール蓋
21 口頸部

Claims (1)

  1. キャップによりリシール可能な缶容器を使用して、略無菌雰囲気内で、缶底側が上となる倒立状態の缶体に対して、開放された缶底側から内容物を充填するような無菌充填法において、口頸部側と缶底側とが開放された缶体を、引き剥がし可能なシール蓋により口頸部の開口端を密封した状態として、略無菌雰囲気内で、缶体の内外面に殺菌剤を噴霧し、この殺菌剤を熱風で乾燥除去して、缶体の内外面を殺菌してから、殺菌済みの缶体の缶底側から殺菌済みの内容物を充填し、内容物が充填された缶体の缶底側を殺菌済みの底蓋により密封した後で、内容物が充填・密封された缶体の口頸部に対して、シール蓋の上からキャップを装着するようにしたことを特徴とするキャップによりリシール可能な缶容器を使用した無菌充填法。
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