JP4587428B2 - 脱気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を脱気及び/あるいは脱泡する液体の処理装置及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体に溶解している溶存ガス濃度を減少させる方法としては、例えば、充填塔やスプレー塔内を減圧するいわゆる真空脱気、加熱脱気、超音波脱気、酸素・窒素以外のガスをバブリングする方法、遠心分離を利用する方法、加圧する方法、消泡剤などを添加する方法等が知られている。その中でも、気体が透過し液体は透過しない膜の一方に液体を通し他の側を減圧する膜式真空脱気法が、装置が小型であること、取扱が容易であること、高度の脱気が可能であるなどの特徴を持っており、化学品、食品、医療、半導体等種々の分野で分析、洗浄、製造に使用される液体の脱気及び/あるいは脱泡に広く利用されている。
【0003】
真空脱気の減圧に用いる真空ポンプとして、油回転式真空ポンプ、水封式真空ポンプ、ルーツブロワ式真空ポンプ、ダイアフラム式真空ポンプ、スクロール式真空ポンプなどが知られている。特開平06−273897号公報ではダイアフラム式真空ポンプが、特開平09−45615号公報では水封式真空ポンプが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
脱気が必要な分野として溶剤系の洗浄剤があるが、IPA(イソプロピルアルコール)などの引火性液体に従来の技術を適用する場合、駆動源が電気である真空ポンプの接点のショートにより引火爆発する危険性があった。その対策として、引火性ガスの雰囲気中でも使用可能な防爆構造の真空ポンプを用いる方法が考えられるが、ポンプが大容量モーターを搭載した大型のものとなり、脱気装置全体の重量、形状が大きくなり、扱い難く、場所を取り、且つ多大な施工、並びにメンテナンスコストが必要であった。
【0005】
また、脱気装置の脱気用配管を工場内の別な場所にある真空ポンプまで接続して脱気装置を減圧する方法もあるが、真空ポンプまでの配管長が長く複雑化してコストがかかる。さらに、配管抵抗の増大による吸引能力の低下を回避するために、配管径を大きくして配管抵抗を減らしたり、排気速度の大きな真空ポンプを選定したりする必要があり、設備が大型化して多大なコストが必要であった。さらには、配管のリーク等による排気能力の低減が発生する場合もあり、多大な配管のメンテテナンスコストが必要であった。
【0006】
また、油回転式真空ポンプを用いる場合、排気中にオイルミストが発生するのでオイルミストトラップが必要となる。また、洗浄剤との反応による油劣化及び、水分吸引による油の乳化の問題があり、真空ポンプとは別に油水分離器を設けなければならず、その設置や維持管理に多大なコストがかかるという問題がある。
【0007】
また、水封式真空ポンプを用いる場合、他のポンプに比べて真空能力が低く、さらには水温管理が必要という問題がある。また、水蒸気、水以外の有害ガスまたは液体を吸引する場合、封水にそれらが溶解してそのままでは封水を排水できないので封水の密閉循環を行う必要がある。更にその封水を排水する場合、封水に溶解した成分の分離装置が必要となり、その設置や維持管理に多大なコストがかかるという問題があった。
【0008】
また、膜式真空脱気により脱気する場合には、液体の飽和蒸気圧力よりも低い圧力で減圧した場合には、液体の気化が促進され液体の蒸気が系外に大量に排出されることもあり、減圧するポンプへ流入し易くなる。真空ポンプの材質に鉄やアルミニウムあるいはNBR(ニトリルブタジエンゴム)などを使用した場合、ポンプ内部が吸引された溶剤や水と接触することで腐食を起こして、真空ポンプが故障を起こす問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、引火性ガス雰囲気中でも使用が可能であり、且つ、腐食性ガス雰囲気中でも腐食を起こさず、低メンテナンスコストの脱気装置を供給することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、膜及び気体駆動の真空ポンプを用いて液体を処理する脱気装置において、前記脱気装置が、前記膜及び前記真空ポンプを収納し、かつ貫通口を有するケーシングと、前記真空ポンプから排気される駆動用気体を該ケーシング内部に一旦排気した後、前記貫通口を通して該ケーシング外部に排気するような構成とを有することを特徴とする脱気装置、である。
【0011】
前記真空ポンプの前記被処理液体と接する部材が4弗化樹脂、弗素ゴム、ステンレス鋼、の少なくとも一つの素材からなるか、若しくは4弗化樹脂コーティング、Niメッキ、カチオン塗装、の少なくとも一つの表面処理がなされていると、耐久性に優れ好ましい。
前記真空ポンプが往復式もしくは回転式であると、効率的に減圧処理を行うことができ好ましい。
前記膜が非多孔質膜の両側を多孔質の支持層で挟み込んだ三層中空糸膜からなると、効率的な脱気が可能となり好ましい。
前記膜及び前記真空ポンプを収納し、かつ貫通口を有するケーシングを設け、前記真空ポンプから排気される駆動用空気を前記ケーシング内部に一旦排気し、前記貫通口を通して前記ケーシング外部に排気するように構成すると、溶剤の脱気を行った際に、装置に溶剤の侵入が起こらないため好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面をもとに本発明の脱気装置について説明する。
図1は、本発明の脱気装置の一例を示したフロー図であり、図2および図3は本発明で用いられる脱気膜の一態様を示した断面図である。
図1において、液体は脱気装置1の液体導入口6から導入され、脱気膜2で脱気されて液体導出口7から導出される。
【0013】
ここで、図1に示す減圧手段とは、膜の液相側の圧力以下に膜の気相側の圧力を減圧させることができるものであればよいが、電気火花を発生させる電気的な接点のない流体駆動の真空ポンプを用いることが必要であり、本発明の脱気装置を用いることで、引火性雰囲気中で脱気することが可能となる。
【0014】
本発明でいう流体駆動の真空ポンプとは、減圧するための原動力として流体を用いるものを言い、ピストン、ダイアフラム、スクリュー等を、液体や気体の力で移動や回転させるものを言う。
もちろん、これらに類するもので減圧可能な方式であれば使用することができ、例えば、水流アスピレーター、ベンチュリー管等液体や気体の流れを利用した減圧手段等を挙げる事が出来る。
【0015】
流体駆動の真空ポンプの作動方式は特に限定されるものではないが、往復式または回転式が好ましく用いられる。ここで、往復式とは、往復運動させることで減圧する方式であり、例えばピストン方式やダイアフラム方式が該当する。また回転式とは、回転運動により減圧する方式であり、例えばスクロール方式、スクリュー方式が該当する。
【0016】
駆動用流体としては、気体が好ましく、水等の液体の場合と比べて、タンクに液体を予め用意しておく必要がなく、また排液用配管を設置して排液を行う必要もない。更には、気体の中でも空気は普遍に存在し、取り扱い性に優れているので特に好ましく、コンプレッサ等を用いて大気中から容易に供給可能であり、且つ大気中に直接排気することができる。したがって、本発明の脱気装置では、空気駆動の真空ポンプを用いることが好ましい。
【0017】
ポンプの種類としては、ピストン式真空ポンプ、ダイアフラム式真空ポンプ、スクロール式真空ポンプ、スクリュー式真空ポンプなどのいわゆるドライ型の真空ポンプを使用することが好ましく、油回転式真空ポンプを用いる場合のオイルミスト対策、ポンプ油の劣化や乳化の対策、あるいは水封式真空ポンプを用いる場合の、封水の温度管理、封水の水質管理などの問題がなくなり、メンテナンスコストを低減できる。
【0018】
本発明に使用する膜の形態は必ずしも限定はされず、平膜、中空糸膜、チューブラー膜等を用いることもできるが、単位体積当たりの膜面積を大きくでき、装置のコンパクト化が容易な中空糸膜の形態がより好ましい。
本発明で利用される中空糸膜は、内径が50〜500μm、膜厚が10〜150μmである中空糸膜を用いることが好ましい。内径がこの範囲より小さいと、中空糸膜内部に液体を通液する場合、圧力損失が大きくなりすぎ、大きいと脱泡、脱気の効率が低下する。また、膜厚がこの範囲より薄いと機械的強度が低くなり、圧力の変動によって中空糸膜が振動して中空糸膜の損傷を招きやすくなり、厚くなるとガス透過性が低下するので脱気、脱泡の効率が低下する。
【0019】
中空糸膜の構造は、非多孔質層の両面に多孔質層が配された三層構造を有する複合中空糸膜がさらに好ましい。このような複合中空糸膜を用いると、液体が直接非多孔質層に接触し難いため非多孔質層が液体で侵され難く、効率よく液体の脱気、脱泡を行うことができる。
複合中空糸膜としては、非多孔質層の厚みが0.3〜3μmであり、多孔質層の厚みがそれぞれ5〜100μmである複合中空糸膜を用いると、機械的強度が高く、かつ脱気、脱泡を行う際の気体の透過量を向上させることができる。
【0020】
この様な複合中空糸膜の非多孔質層を構成するポリマーとしては、ポリジメチルシロキサン、シリコンとポリカーボネートの共重合体等のシリコンゴム系ポリマー、ポリ(4−メチルペンテン−1)、低密度ポリエチレンなどのポリオレフィン系ポリマー、パーフルオロアルキル系ポリマー等のフッ素含有ポリマー、エチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリフェニレンオキサイド、ポリ(4−ビニルピリジン)、ウレタン系ポリマーが挙げられ、これらのポリマー素材の共重合体あるいはブレンドポリマー等も用いることができる。
【0021】
特に、この中でも、効率良く液体の脱気、脱泡の処理が行える非多孔質層の素材として、ウレタン系ポリマーや、スチレン系熱可塑性エラストマーとポリオレフィンから構成される素材が好ましい。特に、スチレン系熱可塑性エラストマーとポリオレフィンの組み合わせは薬品に対する耐久性に優れ、薬品に接触しても素材が損なわれたり、性能が低下したりしにくい点で好ましい。
【0022】
スチレン系熱可塑性エラストマーの具体的な素材としては、スチレンとブタジエンの共重合体、スチレンとエチレン−ブチレンの共重合体、スチレンとイソプレンの共重合体、スチレンとエチレン−プロピレンの共重合体等が挙げられる。これらのポリマーやエラストマーは単独で用いても構わないし、複数の素材を組み合わせて用いても構わない。
【0023】
複合中空糸膜の多孔質層を構成するポリマー素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(3−メチルブテン−1)、ポリ(4−メチルペンテン−1)等のポリオレフィン系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン等のポリマーを用いることができる。
非多孔質層を構成するポリマー素材と、多孔質層を構成するポリマー素材との組み合わせについては特に限定されず、異種のポリマーはもちろん、同種のポリマーであっても構わない。
【0024】
中空糸膜を使用する場合、中空糸膜の中空部に液体を通し、中空糸膜の外側を減圧する方式でもいいし、中空糸膜の外側に液体を通し、中空部を減圧する方式でも、どちらとも採用できる。図2は中空糸膜内部に液体を通す時の中空糸膜モジュールの一例であり、中空糸膜3の両端の開口状態を保持したまま、固定部材4で液体が流れる側と減圧される側とが液密に封止されている。
図3は中空糸膜の外部に液体を通すときの中空糸膜モジュールの一例であり、容器5(ケース)に液体導入口6と液体導出口7を設けた他は図2の構成と同様である。ただし、減圧口8は必ずしも両端に存在する必要はなく、片方のみから減圧することも可能であり、その際には減圧しない側の中空糸端部は閉じていることが好ましい。
【0025】
使用する液体の蒸気が膜を透過する性質を有する場合には、減圧度の下限はその液体の蒸気圧程度であることが好ましい。液体の蒸気圧よりも低い減圧度になった場合には、液体の蒸気が膜を透過して、真空ポンプへ導かれ易くなり、真空ポンプの性能低下を引き起こすことがある。このため図1には図示されていないが、中空糸膜モジュール2と真空ポンプ9との間にトラップを設けることが好ましい。通常の状態においても、脱気モジュール2から真空ポンプ側へ極く少量の液体が滲み出すことがあり、また、真空用配管内で結露が生じることもあるが、トラップを設けることは真空ポンプ9の内部へ液体が流入することを防ぐことが可能となるため好ましい方法である。
【0026】
溶剤のような腐食性ある液体を脱気処理する場合、鉄やアルミニウムあるいはNBR(ニトリルブタジエンゴム)といった素材でできた真空ポンプを用いると、ポンプの内部が腐食を起こし故障の原因となるので、真空ポンプ9の脱気液と接する部材に、4弗化樹脂、弗素ゴム、ステンレス鋼の少なくとも一つからなる部材を使用するか、あるいは、真空ポンプの脱気液と接する部材の表面へ4弗化樹脂のコーティング、Niメッキ、カチオン塗装の少なくとも一つの表面処理を施すことが好ましい。また、これに限定されず、脱気される液体の腐食性等の性質に応じた材料の選定を行うことが好ましい。
【0027】
また液体の送液手段に関しては図示していないが、送液手段の配置や方法に特に限定されるものではないが、例えば、脱気装置とは別に設置してある液体タンクおよび送液ポンプから送られてくる非処理液体を脱気装置の液体導入口6へ導入し、脱気装置で脱気された脱気液を液体導出口7から超音波洗浄槽などの供給先へ配管を介して供給する方法がある。また、液体タンクと脱気装置の間で循環ポンプにより液体の循環を行わせる方法がある。
【0028】
また、本発明の脱気装置では、中空糸膜モジュール2と真空ポンプ9の間に仕切弁11とリーク弁12を介設することが好ましい。脱気運転を行う場合、仕切弁11を開き、リーク弁12を閉じることで、中空糸膜モジュール2と真空ポンプ9が連通し、中空糸膜モジュール内部の減圧が行われる。ここで、仕切弁11およびリーク弁12は、手動式または空気駆動式であることが好ましく、電動式の駆動弁を用いる場合の引火爆発の危険性がない。また、弁の種類は、特に限定はされないが、例えば、ボール弁、ダイアフラム弁、ニードル弁を用いることができる。
本発明の脱気装置では、真空ポンプの起動前に、リーク弁12を開くことで、大気を導入して真空ポンプの吸引側を大気圧とすることが好ましく、真空ポンプの吸引側が負圧状態から起動を行う場合に比べて起動動力を軽減でき、少動力の小型真空ポンプを選定することが可能となる。また、リーク弁12の前段にフイルタ13を設けることが好ましく、中空糸膜モジュールあるいは真空ポンプの内部へ粉塵が流入することによるそれらの損傷を未然に防ぐことができる。
【0029】
本発明の脱気装置1は、膜2及び真空ポンプ9を収納し、貫通口17を有するケーシング18を設け、駆動用空気入口14から真空ポンプ9へ供給され駆動用空気出口15から排気される空気を、ケーシング18内部に一旦排気し、貫通口17を通してケーシング18外部に排気するように構成することが好ましい。このような構成により、溶剤などの蒸気の雰囲気中に脱気装置1を設置し運転した場合に、装置内部へ溶剤蒸気が流入することを防止することを可能とし、装置内部が溶剤などの蒸気と接触回数を大幅に低減できることから、装置内部の各種構成部材の寿命を伸長させ、メンテナンス等も低減させることが可能となる。
また、同様の理由から、真空ポンプで吸引して排出されるガスまたはガスと液体の混合物は、配管を用い脱気ガス排出口16から直接装置外へ排出することが好ましい。
また、前記貫通口17を空気駆動式真空ポンプより排出された駆動用空気による内圧の解放用貫通口として用いることは、脱気装置の構造を簡易化させる面で好ましい。さらに貫通口17は、真空ポンプ等の発熱による内部蓄熱を放出させる効果も有している。
【0030】
以下、実施例を基に本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
図1のフロー図に示す構成に基づき脱気装置を製作した。真空ポンプは、空気駆動のダイアフラム式を用い、電気部品は一切用いなかった。また、ステンレス製のケーシングを用い、これに貫通口を設けるとともに、を空気駆動真空ポンプの駆動部からケーシング内部に一旦排気し、貫通口からケーシング外部に排気する構成とした。さらに、真空ポンプから排出されるガスまたはガスと液体の混合物を、脱気ガス排出口を設けて脱気ガス排出口から直接ケーシング外へ排出されるようにした。
中空糸膜モジュールには、内径200μm、外径254μm(膜厚27μm)の三層構造中空糸膜(三菱レイヨン製、MHF200TL)を用い、その中空糸膜の両端部の開口を保持したまま両端を固定し、膜面積0.64m2の中空糸膜モジュールを製作して使用した。
【0031】
製作した脱気装置を屋内に設置し、エタノール88%の水溶液を48時間連続で脱気処理を行った。このとき液体の流量は300ml/minであり、脱気前の溶存酸素濃度と脱気後の溶存酸素濃度から溶存酸素除去率を測定した。また、装置近傍におけるエタノールの蒸気濃度を、ガステック社製のガステックGV−100Sおよびエタノール用検知管を用いて10分間隔で測定した。液体の温度は25℃であった。
【0032】
その結果、溶存酸素除去率は常に80%以上であり、安定した運転が可能であることを確認できた。
また、検知管を貫通口から装置内部へ挿入して測定した装置内部のエタノール蒸気濃度は、運転開始から終了まで常に0%を示した。一方、脱気ガス排出口で測定したエタノール蒸気濃度は、真空ポンプの排気中に含まれるエタノールの蒸気により平均で約5%であった。
運転終了後の観察では、装置内部にエタノールや水による濡れは認められず、構成部材が腐食している様子も認められなかった。
以上、空気駆動の真空ポンプの駆動部から排気される空気を用いて装置内部をパージし常に新しい空気で満たすことにより、装置内部の腐食性ガスとの接触を防いで運転を行えることを確認できた。
【0033】
<実施例2>
ケーシングを設けないこと以外は、実施例1と同様にして脱気処理を行った。
その結果、溶存酸素除去率は常に80%以上であり、安定した運転が可能であることを確認できた。
なお、真空ポンプ近辺でのエタノール蒸気濃度は、真空ポンプの排気中に含まれるエタノールの蒸気が拡散することにより除々に増加し、10時間後に4.4%を示し、真空ポンプの脱気ガス排出口でのエタノール蒸気濃度は、約5%を示したものの、空気駆動の真空ポンプであるため、引火爆発の懸念はなかった。
また、運転終了後の観察では、装置内部にエタノールや水による濡れが認められ、構成部材の一部に濡れを原因とする腐食が観察された。
以上、構成部材の腐食を除けば、エア駆動の真空ポンプを用いることで引火性ガスの雰囲気中でも安定して運転を行えることを確認できた。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の脱気装置は、流体駆動の真空ポンプを用いているので、引火性ガス雰囲気中で装置を使用することが可能となる。
また、空気駆動の真空ポンプの駆動部から排気される空気を用いてケーシング内部をパージし常に新しい空気で満たすことにより、腐食性ガスとの接触回数を大幅に低減することが可能となり、装置の腐食や故障等が起こり難く、メンテナンスコストを低減できる。
また、装置を小型化できるので、供給先の装置近傍に設置して配管施工コストおよびメンテナンスコストを大幅に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱気装置の一例を示したフロー図である。
【図2】本発明で用いられる中空糸膜モジュールの一態様を示した断面図である。
【図3】本発明で用いられる中空糸膜モジュールの一態様を示した断面図である。
【符号の説明】
1 脱気装置
2 中空糸膜モジュール
3 中空糸膜
4 固定部材
5 容器
6 液体導入口
7 液体導出口
8 減圧口
9 真空ポンプ
10 圧力計
11 仕切弁
12 リーク弁
13 フィルタ
14 駆動用空気入口
15 駆動用空気出口
16 脱気ガス排出口
17 貫通口
18 ケーシング
Claims (6)
- 膜及び気体駆動の真空ポンプを用いて液体を処理する脱気装置において、前記脱気装置が、前記膜及び前記真空ポンプを収納し、かつ貫通口を有するケーシングと、前記真空ポンプから排気される駆動用気体を該ケーシング内部に一旦排気した後、前記貫通口を通して該ケーシング外部に排気するような構成とを有することを特徴とする脱気装置。
- 前記真空ポンプの前記処理される液体と接する部材が、4弗化樹脂、弗素ゴム、ステンレス鋼、の少なくとも一つの素材からなることを特徴とする請求項1記載の脱気装置。
- 前記真空ポンプの前記処理される液体と接する部材の表面が、4弗化樹脂コーティング、Niメッキ、カチオン塗装、の少なくとも一つの表面処理がなされていることを特徴とする請求項1記載の脱気装置。
- 前記真空ポンプが往復式もしくは回転式である請求項1〜3ずれかに記載の脱気装置。
- 前記膜が、中空糸膜である請求項1〜4いずれかに記載の脱気装置。
- 前記中空糸膜が、非多孔質膜の両側を多孔質の支持層で挟み込んだ三層中空糸膜からなることを特徴とする請求項5に記載の脱気装置。
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