JP4587256B2 - 整流子、整流子の製造方法及び燃料ポンプ - Google Patents

整流子、整流子の製造方法及び燃料ポンプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、整流子、整流子の製造方法及び燃料ポンプに関する。
【0002】
【従来技術】
円盤面状の整流面を有する円盤型整流子は、たとえば燃料ポンプ一体型モ−タなどに装備されている。近年、この燃料ポンプ一体型モ−タにおいて、燃料に含まれる硫黄不純物への対策として、この円盤型整流子を、放射方向に延在する複数のスリットにより分割されて全体として略円盤形状の整流面を有する複数の整流子片(主としてカ−ボン焼成物)と、各整流子片に個別に接合される複数の金属片と、整流子片の整流面を露出させつつ整流子片−金属片の各対を支持する樹脂製のボス部とで構成して、回転軸に嵌着することが行われている。
【0003】
上記した整流子片と金属片との接合に関して、金属片が整流子片の反整流面側に接合する反整流面接合構造と、金属片が整流子片の径外側の外側面に接合する外側面接合構造とが知られている。
【0004】
しかし、反整流面接合方式では、単に機械的に密着させるだけでは、金属片のスプリングバックなどにより整流子片の反整流面側の端面と金属片の平坦面との接合性が悪く、接合にはこれら軸方向に強く押し付けつつ両者をはんだやその他の溶融接合技術により接合する必要があり、カ−ボン整流子片と金属片との溶融接合の例も提案されてきた(特開平5−30170)が、その後の工程で金属片の端子部にフュージング加工しにてコイル導線を接合する際に熱が発生することを考えると、溶融接合ではせっかく接合した半田等がその熱で溶けてしまい、歩留まりが低下するという問題があり、大量生産に適するものと言えなかった。
【0005】
この問題に対して、特開平10−4653号公報は、反整流面接合構造の円盤型整流子において、整流子片の反整流面側の端面に軸方向に突部を設け、この突部に金属片の孔を嵌着し、金属片の孔の周囲を変形によりかしめて両者の軸方向相対変位を防止して、上記溶融接合なしに整流子片と金属片との良好な電気的接触を図っている。また、この公報には、突部と孔とを係合一体化する構成の例として、孔に対して突部を圧入する構成も記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した公報の整流子片−金属片接続方式では、先端に複数の切り込み突起をもつ円筒状のかしめ具を金属片の孔の周囲に押し込み、これにより整流子片の突部周囲の金属片を切り込んで金属片の孔近傍部分を孔側へ塑性変形させ、これにより実質的に孔を縮径して金属片の突部と金属片の孔周囲との接触強化を行うという作業を行い、金属片が軸方向反整流子片側へ変位するのを防止している。
【0007】
このため、以下の問題を生じた。
【0008】
まず、上記切り込みかしめの深さ、又は、切り込みにより突部側へ倒れて突部に密着する切り込み片の厚さや倒れ量を一定に制御することが容易ではない。
【0009】
また、かしめ具の軸心位置と金属片の穴の中心とを高精度に位置合わせする必要があり、もし両者がずれると、複数の切り込み片の一部は薄くなり、それと180度反対位置では切り込み片は厚くなり、その結果、突部と孔との間の隙間が電気的又は機械的な接触の確保しにくい状態となる。
【0010】
同様に、金属片の孔及び整流子片の突部の寸法精度、形成位置精度、挿入時の相対位置精度を、特に径方向において高く確保する必要があった。これらの精度が劣ると、孔と突部との接触面の一部が接触不良となり、両者の接触部の電気抵抗が増加したり、もろい突部に損傷が生じたりする。
【0011】
また、単に圧入する構成では、係合一体化することができるだけであり、突部と孔との位置ばらつきがあると、孔の内周面と突部との間に隙間が生じ、導通や固定の品質が確保できないという問題がある。突部が複数設けられた整流子片では互いの突部の位置ばらつき、孔の位置ばらつきが生じやすいため、上記問題は特に重要である。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、構造及び製造工程の複雑化を抑止し、整流子片の損傷を防ぎつつ、整流子片と金属片との良好な電気的、機械的接触を実現可能な整流子、整流子の製造方法及び燃料ポンプを提供することを、その目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の整流子の製造方法は、互いに所定ギャップを隔てつつ軸心周囲に放射状に配置されて全体として略円盤形状の整流面を有するとともにカーボン焼成物を含む複数の整流子片、各前記整流子片の主として反整流面側の表面に接して前記整流面を露出させつつ前記各整流子片を支持し保護する樹脂製のボス部、及び、各前記整流子片の反整流面側の表面に接合される整流子片接続部、及び、前記整流子片接続部の径外側の端部から前記ボス部の前記主部の外周面に沿って延在して巻線が接合される端子部をそれぞれ有する複数の金属片を備え、前記整流子片は、前記整流面を有する基板部、及び、前記基板部の反整流面側の表面から突出する突部を有し、各前記金属片の前記整流子片接続部は、前記突部が挿入される孔をそれぞれ有する整流子の製造方法において、前記孔への前記突部の挿入後にて前記孔に接する予定の領域である前記突部の予定接触領域の全面を前記挿入前にて前記孔より径大に形成し、前記挿入に際して、前記金属片の前記孔に面する部位が前記突部の外周面をシェービングし、前記突部の基端部の外周面に面して前記基端部と前記金属片との間に、前記整流子片の突部の削り粉を収容するポケットを形成することを特徴としている。なお、本明細書でいうシェービングとは、突部を削りながら挿入することを意味するものとする。
【0014】
すなわち、本構成によれば、突部の径(特に、挿入完了後、孔の内周面に接する予定接触領域の径)を、その全面にわたって、孔の径よりも大きく形成する。
【0015】
このようにすると、突部の余分な部分は、整流子片が主としてカ−ボン焼成物からなるため上記挿入時に金属片の孔の周縁部により容易に削られ、その結果として、従来のように上記かしめ作業を行わない場合でも、孔と突部とがその予定接触領域において良好に密着することができる。
【0016】
これは、突部を孔にシェービングしつつ挿入(圧入)する際に、金属片の孔の周縁部が突部の余分な部分を削るとともに残った突部の外周面を径内側へ圧縮し、突部のこの外周面と孔の内周面とがその反力で密着することができるためである。
【0017】
なお、この予定接触領域は、孔の内周面すべてに設定してもよく、又は孔の内周面の所定部分に設定してもよい。
【0018】
また、本構成によれば、突部の全周において突部が金属片から受ける上記反力(略求心方向)は略一定となり、突部の一部に挿入時の応力が集中して突部にクラックなどの機械的損傷が生じるのを防止することができる。
【0019】
更に、上記した従来技術のようなかしめ工具を用いた加工を必要としないので、かつ、挿入と突部の削りとを同一工程で行うので、製造工程の簡素化を実現することができ、かしめによる突部の損傷も防止することができる。
そして、挿入時に孔が突部の側面部(周面部)を削ることにより生じた削り粉をこのポケットに収容することができるので、削り粉が整流子片の基板部と金属片との間に介在して、整流子片の基板部と金属片(の整流子片接続部)との電気的接触が低下することを抑止することができる。
【0020】
請求項2記載の整流子の製造方法は、互いに所定ギャップを隔てつつ軸心周囲に放射状に配置されて全体として略円盤形状の整流面を有するとともにカーボン焼成物を含む複数の整流子片、各前記整流子片の主として反整流面側の表面に接して前記整流面を露出させつつ前記各整流子片を支持し保護する樹脂製のボス部、及び、各前記整流子片の反整流面側の表面に接合される整流子片接続部、及び、前記整流子片接続部の径外側の端部から前記ボス部の前記主部の外周面に沿って延在して巻線が接合される端子部をそれぞれ有する複数の金属片、を備え、前記整流子片は、前記整流面を有する基板部、及び、前記基板部の反整流面側の表面から突出する突部を有し、各前記金属片の前記整流子片接続部は、前記突部が挿入される孔をそれぞれ有する整流子の製造方法において、前記挿入前に、前記各整流子片を一体に形成して整流子片一体物とし、かつ、前記各金属片を一体に形成して金属片一体物とし、前記各整流子片一体物における前記各突部の径及び径方向突部中心位置の製造公差と、前記各金属片一体物における前記各孔の径及び径方向孔中心位置の製造公差と、前記整流子片一体物と金属片一体物との間の径方向位置合わせ公差との合計からなる前記突部の外周面と前記孔の内周面との間の径方向位置ばらつきの総和よりも、前記突部の予定接触領域を前記挿入前にて前記孔より径大に形成し、前記孔への前記突部の挿入後にて前記孔に接する予定の領域である前記突部の予定接触領域の全面を前記挿入前にて前記孔より径大に形成し、前記挿入に際して、前記金属片の前記孔に面する部位が前記突部の外周面をシェービングすることを特徴としている。
【0021】
本構成によれば、挿入前の突部と孔との径方向位置の製造公差や、孔や突部の径の製造公差を大きくすることができるため、孔と突部との接触抵抗の増大を招くことなく製造工程を格段に容易とすることができる。また、挿入時に孔が突部の側面部(周面部)を削ることにより生じた削り粉をこのポケットに収容することができるので、削り粉が整流子片の基板部と金属片との間に介在して、整流子片の基板部と金属片(の整流子片接続部)との電気的接触が低下することを抑止することができる。
【0022】
請求項3記載の整流子の製造方法によれば、孔の直径の3%以上とする数値範囲の選択により、突部と金属片(孔)との接触性を向上して電気抵抗値の低減、機械的強度の向上を実現できることが、本発明者らの実験から見いだされた。
【0023】
請求項4記載の整流子の製造方法によれば、プレスによる打ち抜き加工により孔に形成された「だれ面」の大きさを、更にシェービング加工することにより容易に前記突部外周面のシェービングに適した所望量にすることができる。
【0024】
請求項5記載の整流子によれば、孔の内周面に接触する突部の外周面が、孔の内周面で形成されたカーボン焼成物の削り面となっているので、突部の外周面は削られた反力で孔の内周面に良好に密着して接触する。これにより、良好な電気的、機械的接触をもつ整流子を実現することができる。また、挿入時に孔が突部の側面部(周面部)を削ることにより生じた削り粉をこのポケットに収容することができるので、削り粉が整流子片の基板部と金属片との間に介在して、整流子片の基板部と金属片(の整流子片接続部)との電気的接触が低下することを抑止することができる。
【0025】
ところで、この削り面とは、突部が孔に挿入されることにより、突部を形成する粒子が剥落した表面形状を言い、これに対して、圧入では、突部を形成する粒子は全体的に押しつぶされ、ここでいう削り面と異なる。
【0026】
請求項6の記載によれば、軸方向に延在する前記孔の内周面と、径方向に延在する前記整流子片の前記反整流面に対向する前記金属片の実質的な平坦面との交差領域からなる前記周縁角部は、丸みを有する面取り部又はプレス垂れ部を有し、前記面取り量又はプレス垂れ量は、前記内周面と前記平坦面との交差点から前記内周面方向及び径方向へ0.2mm以下の領域に有ることを特徴としている。
【0027】
更に、本発明者は、孔を囲む金属片の整流子片側の平坦面部分である周縁角部の丸みが少ないほど、シェービング時における突部の亀裂、破損が低減できることを実験により見いだした。更に、本発明者は、上記丸みが0とした内周面と平坦面との理想的な交差点から内周面方向及び径方向へ0.2mm以下に上記丸みを抑止すれば、突部の亀裂、破損が低減できることを実験により見いだした。
【0028】
請求項7の記載よれば、シェービングによる締結において、電気抵抗値を所望の値とすることができる。
【0029】
請求項8の記載によれば、より容易に所望の電気抵抗値を得ることができる。
【0031】
請求項の記載によれば、金属平板から金属片をプレス加工による形成する際、孔の周縁部に生じる垂れ、もしくはプレスによって加工される面取り部に隣接するギャップが上記ポケットを構成するので、ポケット形成のために整流子片成形用金型又は金属片加工用金型に複雑な形状加工を施す必要がなく、製造コストを低減することができる。
【0032】
請求項10の記載によれば、孔と突部とが位置ずれしたとしても、孔の内周面と突部との間に形成される隙間を低減して密着する部分の軸方向距離を増大することができるので、電気的、機械的接続を良好かつ容易に確保することができる。
【0033】
請求項11の記載によれば、突部の型抜き、突部の孔への挿入が容易となる。
【0034】
請求項12の記載によれば、孔と突部との接触面積を増大できるとともに、シェービング挿入の際に孔が突部に与える圧縮力も増大することができ、両者の接触電気抵抗を一層低減することができる。
【0035】
また、上記凹部が、挿入時に孔が突部の側面部(周面部)を削ることにより生じた削り粉を収容する上記ポケットを構成するので、削り粉が整流子片の基板部と金属片との間に介在して、整流子片の基板部と金属片(の整流子片接続部)との電気的接触が低下することを抑止することができる。
【0036】
請求項13の記載によれば、硫黄分を不純物として含有する燃料を昇圧する直流電動機一体型燃料ポンプの整流子の耐久性を向上することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な態様を以下の実施例により説明する。もちろん、本発明の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0038】
【実施例1】
この実施例の整流子を図1を参照して説明する。
【0039】
(全体構造)
この整流子は、整流子片1、金属片2、ボス部3からなり、燃料ポンプと一体のモ−タに装備される。
【0040】
整流子片1は、複数個設けられ、各整流子片1は、互いに周方向に所定ギャップを隔てつつ軸心周囲に放射状に配置されるとともに焼結して形成されており、全体として輪板面状をなす整流面10を有している。整流子片1は、カ−ボン粉からなる表面部11と、表面部11の反整流面側に設けられて金属粉(たとえば銅粉)とカ−ボン粉との混合粉からなる裏側部12と、裏側部12から軸方向反整流面側へ突設されて金属粉(たとえば銅粉)とカ−ボン粉との混合粉からなる突部13とからなる。この金属粉により、突部13の固有抵抗は3000μΩ・cm以下となっている。
【0041】
金属片2は、複数個設けられ、裏側部12の反整流面側の表面に個別に接合される整流子片接続部21、及び、整流子片接続部21の径外側の端部から後述するボス部3の外周面に沿って軸方向へ延在する軸方向延在部22、軸方向延在部22の反整流面側の端部から径外側及び整流子片1側へ突出して図示しない電機子コイルの先端がフユ−ジング加工により接続される端子部23を有している。
【0042】
ボス部3は、樹脂により厚肉輪盤形状に形成されており、径方向中央部にシャフト孔30を有している。また、ボス部3は、金属片2の整流子片接続部21の表面のうち、整流子片1と接合しない部分を被覆している。更に、ボス部3は、各整流子片1の整流面及び周方向の側面を除いて各整流子片1の表面を被覆している。
【0043】
金属片2の整流子片接続部21は孔4を有しており、整流子片1の突部13が孔4に嵌入され、突部13の外周面132のうちこの突部の軸方向における大部分を占める削り面132aが孔4の内周面41に密着している。同時に、整流子片接続部21の図1中、上面は整流子片1の裏側部12の反整流面側の表面に密着し、また、裏側部12内に入れた金属粉とも相まって両者間に良好な電気的接触を確保している。なお、整流子片1と金属片2とを熱的に接合することも可能である。
【0044】
(製造方法)
まず、各整流子片1を一体化した形状にカ−ボン焼結により作製された正確には略輪板形状の円盤と、各金属片2を所定形状の接続部により一体化した形状にプレス加工により作製された金属板とを準備する(図2参照)。
【0045】
突部13の径は孔4の径よりも所定寸法Lだけ大きく作製されている。また、突部13の頂面14の周縁部は面取りされており、頂面14の径は孔4より径小とされている。これについては後述するが、孔4への突部13の嵌入を容易化するためである。更に、突部14と孔4との位置ずれに対しても、電気的・機械的な接続を良好に維持するためである。更に、整流子片1の裏側部12は、突部13の基端部に接しつつそれを囲んでリング状の凹部15を有している。この凹部15は本発明でいう削り粉収容用のポケットをなす。
【0046】
図22を参照して更に詳細に説明する。
【0047】
この実施例では、整流子片1の突部13の頂面14と外周面(側面)140とが交わる周縁角部130は全周にわたってなだらかに面取りされ、周縁角部テーパ面130が形成されている。
【0048】
突部13の周縁角部テーパ面130が面取りされていることにより、圧入開始時に、突部13の頂面14はすべて孔4内に入り、孔4の周縁角部210は突部13の周縁角部テーパ面130に斜めに当接することになる。このようにすれば、孔4の周縁角部210から突部13の周縁角部テーパ面130に径方向圧縮力を付与するのに有利となる。
【0049】
したがって、両部材の製造公差や圧入時の相対位置合わせ誤差(径方向)の合計を所定許容値以下に調整した場合に、この突部13の周縁角部テーパ面130が常に孔4の周縁角部210に当接し、かつ、好適なシェービング締結代が確保できるように、シェービング締結代、周縁角部テーパ面130の内径、外径が設定される。
【0050】
これにより、両部材の製造公差や圧入時の相対位置合わせ誤差(径方向)の合計が所定許容値以下であれば、好適な結合をなすことができる。
【0051】
また、周縁角部テーパ面130は、なだらかなテーパ面で面取りされているので、整流子片接続部21と突部13との間の位置ずれに対して、孔4内に突部13が挿入される体積をより大きくすることができる。すなわち、位置ずれが大きくても、孔4と突部13との間に隙間が生じるのを防げ、これによる電気的・機械的接続の低下を容易に防止することができる。
【0052】
また、図22において、突部13の外周面140は先細テーパ面となっている。すなわち、突部13は、切頭円錐形状に形成されている。これにより、焼結後における型からの突部13の抜き出しが容易となる。
【0053】
次に、この円盤の反整流面側の端面から突出する突部13を各金属片2の整流子片接続部21の孔4に圧入する。突部13はカーボン粉を主成分とする焼結体であるためもろく、その結果、突部13のうち孔4に入り切らなかった部分は、この圧入時に整流子片接続部21の孔4の周縁部により削がれて突部13から剥離し、整流子片接続部21に押されて又は重力により凹部15にほとんど収容される。
【0054】
この状態を図3に示す。
【0055】
整流子片接続部21の反整流子片側端面212から突部13の頭部131が突出している。頭部131は周縁角部テーパ面130のうち、孔4の周縁角部210で削られずに残った部分と頂面14とで形成されている。
【0056】
特に、この実施例においては、頭部131が反整流子片側端面212から突出することにより、孔4の内周面4と突部13の外周面132とが突部13の軸方向長すべてにわたって良好に密着している。
【0057】
これは、テーパ面130がなだらかであることが寄与しており、テーパ面130が急峻である場合には、孔14と突部13とが位置ずれすれば、内周面41と突部13との間に隙間ができ、軸方向の密着長さが減少してしまう。
【0058】
圧入が完了すると、金属片2の整流子片接続部21の図1中、上面は裏側部12の図1中、下面に密接し、かつ、突部13の外周面が孔4の内周面に上記圧入時に突部13に作用する圧縮力の反力により強く密接する。
【0059】
次に、この一体物を金型にセットし、樹脂インサ−ト成形又は樹脂モ−ルド成形により、ボス部3を成形する。これにより、金属片2の整流子片接続部21はボス部3中に埋設され、金属片2の軸方向延在部23は、ボス部3の外側面に密着して軸方向に延在する。
【0060】
次に、回転円盤刃により上記円盤を整流面10側から所定深さまで放射方向にカットして複数のスリットを形成し、上記円盤を所定個数の整流子片1に分断し、同時に各金属片2を繋ぐ上記接続部もカットして各金属片2を分断する。
【0061】
最後に、フユ−ジング加工により、金属片2の端子部23に銅線を接合する。
【0062】
上記したこの実施例の整流子及びその製造方法によれば、
構造及び製造工程を複雑化することなく、かつ、整流子片の損傷確率を増大することなく、反整流面接合構造の円盤型整流子における整流子片と金属片との良好な電気的接触を実現することができる。
【0063】
この実施例の整流子の他の特徴を以下に説明する。
【0064】
まず、突部13の径(特に、挿入完了後、孔4の内周面に接する予定接触領域の径)を、その全面にわたって孔4の径よりも大きく形成している。なお、ここでいう予定接触領域とは、孔4により削られた後、孔4の内周面に径方向に対面する突部13の外周面の領域をいうものとする。
【0065】
このようにすると、突部13の余分な部分は、整流子片が主としてカ−ボン焼成物からなるもろい特性をもつために金属片の孔の周縁部により容易に削られ、その結果として、突部13は孔4に良好に密着することができる。これは、突部13を孔4に挿入(圧入)する際に、孔4の周縁部が突部13の余分な部分を削るとともに残った突部13の外周面を径内側へ圧縮するため、突部13の外周面132のうち密着面132aと孔4の内周面とがその反力で良好に密着するからである。なお、この外周面132は、本発明で言う削り面であり、密着面132aも削り面である。すなわち、突部を形成する粒子が剥落した面になっている。
【0066】
次に、上記挿入時に、突部13が孔4から受ける機械的力は突部13の全周において略一定となり、突部13の一部に挿入時の応力が集中することがないので、突部13への機械的損傷の発生を抑止することもできる。
【0067】
次に、この実施例では、上記円盤すなわち各整流子片一体物における各突部13の径及び位置の製造公差と、上記金属板すなわち各金属片一体物における各孔4の径及び位置の製造公差と、これら整流子片一体物と金属片一体物との間の径方向位置合わせ公差との合計からなる突部13の外周面と孔4の内周面との間の圧入直前時の径方向位置ばらつきの総和よりも、突部13の予定接触領域における突部13と孔4との径方向寸法差を大きく設定している。これにより、上記製造公差や位置合わせ公差(製造上、あらかじめ見込んだ位置合わせ誤差マージン)を大きく設定しても、突部13と孔4とは予定接触領域の全面においてすべて密着することができ、製造工程を簡素としつつ上記効果を確保することができる。
【0068】
次に、この実施例では、分断前の金属片一体物をプレス加工により金属平板を厚さ方向一方側から他方側へ打ち抜いて作製しているが、この時、金属片2の整流子片接続部21の孔4の他方側の周縁部は打ち抜き方向に押し曲げられ、いわゆるバリとなる。このため、整流子片接続部21の孔4の周縁部の一方側は孔4へ向けて落ち込む連れ曲がり部(いわゆるだれ部あるい垂れ部)となる。この実施例では、突部13をこの連れ曲がり部側から孔4に挿入する。このようにすると、割れなしに挿入する作業の能率を向上することができ、更にこの連れ曲がり部が凹んでいる分だけ、上記ポケットすなわち凹部15の削り粉収容量を増大することができる。なお、予定削り粉量が少ない場合には、凹部15を省略し、上記整流子片接続部21の上記連れ曲がり部と、整流子片1の基板部12との間のスペースをポケットとしてもよい。また、このポケットを整流子片1側ではなく、金属片2の孔4の周縁部に設けてもよい。
【0069】
孔4は、通常打ち抜きでは厚みの1割程度のだれ(垂れともいう)が生じるので、だれ量が大きいとシェービング圧入時に突部にクラックが生じる。これを防ぐためには、打ち抜き後に更に金属片2をシーエビング穴加工することにより、だれ量を容易に突部の外周面のシェービングに適した所望量とするとすることができる。この実施例では、金属片の板厚を1mmとしており、更に打ち抜き後にシェービング穴加工している。なお、ここでいうシェービング穴加工とは、穴内周のだれ面の一部を削りとり、軸方向の大小量を小さくすることを言う。
【0070】
【実施例2】
本発明の他の実施例を図4〜図8を参照して説明する。ただし、整流子片1及び金属片2は重要部分以外を示している。
【0071】
この実施例では、整流子片1の突部13の外周面は周方向所定ピッチでそれぞれ軸方向に延在する8個の条溝部が形成され、周方向に隣接する任意の2つ条溝部の間にはそれぞれ軸方向に延在する突条部が形成されている。突部13の中心線から上記条溝部の溝底面までの径は、金属片2の孔4の径よりも小さく形成され、突部13の中心線から上記突条部の頂面までの径は、金属片2の孔4の径よりも大きく形成されている。これにより、突部13を孔4に挿入する際に、突部13の上記突条部の頂面近傍部分が削られて両者が緊密に接触する(図8参照)。また、金属片2の孔4の内周面と突部13の上記条溝部との間にはスペース(ポケット)が形成され、削られたカーボン粉を収容する。
【0072】
【実施例3】
本発明の他の実施例を図9〜図13を参照して説明する。ただし、整流子片1及び金属片2は重要部分以外を示している。
【0073】
この実施例では、実施例2と逆に、金属片2の孔4の内周面は周方向所定ピッチでそれぞれ軸方向に延在する8個の条溝部が形成され、周方向に隣接する任意の2つ条溝部の間にはそれぞれ軸方向に延在する突条部が形成されている。孔4の中心線から上記条溝部の溝底面までの径は、突部13の径よりも大きく形成され、孔4の中心線から上記突条部の頂面までの径は、突部13の径よりも小さく形成されている。これにより、突部13を孔4に挿入する際に、孔4に面する金属片2の上記突条部は突部13の外周面を削って両者が緊密に接触する(図13参照)。また、金属片2の孔4の上記条溝部と突部13の外周面との間にはスペース(ポケット)が形成され、削られたカーボン粉を収容する。
【0074】
【実施例4】
本発明の他の実施例を図14を参照して説明する。ただし、整流子片1及び金属片2は重要部分以外を示している。
【0075】
この実施例では、金属片2の整流子片接続部21が、孔40の内周面に軸方向に延在する8個の突条部(小突起)41と、隣接する突条部41,41の間に形成される8個の凹部42を有する点が、実施例1の孔4と異なっている。この実施例では、孔40に圧入される突部13はその全周にわたって突条部(小突起)41及び凹部42の表面に接触している。このようにすれば、突部13と孔40との接触面積を更に稼ぐことができ、両者の接触抵抗を一層低下することができる。なお、金属片2の整流子片接続部21に設ける孔4、40は、多数設けてもよくかつ形状自由である。
【0076】
【実施例5】
他の実施例を図15を参照して以下に説明する。
【0077】
孔4から突部13を引き抜くのに要する引抜力(締結力)とシェービング締結代との関係(引抜力・シェービング締結代特性)を図15に示し、図16にシェービング締結代とシェービング(削り)代及び弾性代との関係を示す。
【0078】
シェービング締結代とは、シェービング(削り)代及び弾性代の合計を言い、シェービング代とは、孔4の内径より所定値以上大きく作製された径を有する突部13を金属片2のの孔4に圧入する際に孔4に入りきれずに削ぎ落とされる突部13の外周部を言い、弾性代とは、圧入された突部13が径方向弾性圧縮される際の径方向縮み量を言う。
【0079】
この突部13の径方向縮み量(弾性代)は、突部13を孔4から引き抜くのに要する引抜力に相関関係をもつ筈である。すなわち、生じる引き抜き時の摩擦力(引抜力)は、接触面積と摩擦係数と圧縮力との積に略比例する筈であり、引抜力は圧縮力に略比例するため、引抜力により突部13と金属片2との機械的結合の強弱を判定することができる。
【0080】
図15からわかるように、シェービング締結代と引抜力(ひいては圧縮力、更にひいては弾性代)とは、シェービング締結代の増加とともに、それに比例して増大するが、ある値(図15ではシェービング締結代が孔径の3%で引抜力はピーク値となり、その後はシェービング締結代を増加しても引抜力は増加することはなく僅かに減少する。
【0081】
上記実験により、シェービング締結代を孔径の3%以上とすることで引抜力のピーク値が得られ、突部13と孔4との良好な機械的結合と低い電気抵抗値とが実現できることがわかった。
【0082】
図17に、図15、図16と同一の実験条件における突部13と金属片2との電気抵抗値とシェービング締結代との関係を示す。図17から、電気抵抗値は、まさしく弾性代の逆数に相似する特性を有することがわかる。したがって、あらかじめこの電気抵抗値とシェービング締結代との関係を示す電気抵抗値・シェービング締結代特性を実験で求めておき、電気抵抗値が所望値以下になる範囲にシェービング締結代を設定することにより、低電気抵抗値と良好な結合を実現することができる。
【0083】
また、図16から、実験によりあらかじめ弾性代とシェービング代又は前記シェービング締結代との関係を示す弾性代・シェービング代特性又は弾性代・シェービング締結代特性を求めておき、この特性上において弾性代が所望値以上になるようにシェービング締結代を決定しても低電気抵抗値と良好な結合を実現することができる。
【0084】
なお、金属片2の整流子片接続部21に複数の孔4を設け、整流子片1に複数の突部13を設けることが好適であるが、このような形状の複雑化は種々の製造公差のばらつきにより、突部13が孔4に対して径方向に位置ずれして初期のシェービング締結代が得られない場合がある。
【0085】
なお、孔径ばらつき、突部径ばらつき、孔の芯ずれ、突部の芯ずれ及び孔の直径の3%の総和がシェービング締結代以下であることが望ましい。
【0086】
(変形態様)
なお、カ−ボン焼成物からなるカーボン円盤に複数の突部13を設け、金属円盤に複数の孔4を設け、各突部13を各孔4に個別に圧入し、カーボン円盤及び金属円を放射状に所定個数に切断して、カーボン円盤から整流子片1を、金属円から金属片2を形成することが行われる。したがって、この場合には、カーボン円盤の各突部13と金属円盤の各孔4との製造公差及び位置合わせ誤差の合計を加味してもなおシェービング締結代が好適値となるように、シェービング締結代の設定値が決定される。この場合、分割後の各整流子片1は一個乃至複数の突部13をもち、分割後の各金属片2がそれぞれ一個乃至複数の孔4をもつことができる。各部材の製造公差の合計及び圧入時の相対位置合わせ誤差の合計が所定の許容最大値以下であれば、各突部13の全周にわたって好適なシェービング締結代が得られるようにシェービング締結代、及び、製造公差(部材寸法ばらつき)の合計及び圧入時の相対位置合わせ誤差の合計の許容値を、設定すれば、低い電気抵抗値と良好な機械的結合とを実現することができる。
【0087】
【実施例6】
他の実施例を図18を参照して以下に説明する。
【0088】
突部13の圧入時における上記シェービングは、孔4を囲む整流子片接続部21の周縁角部210の形状に関係する。なお、この周縁角部は当然、整流子片接続部21の整流子片1側の孔4の開口端に存在する。すなわち、この周縁角部210の凹みが小さく、シャープであれば、シェービングが良好となり、シェービング時における突部13のクラックの発生はない。
【0089】
図15〜図17の実験と同一条件にて、孔4の周縁角部210を、図18に示すように、整流子片接続部21の内周面400、平坦面401に対してそれぞれ45度の角度で平面面取りした場合の周縁角部210の大きさ(凹み量)と、圧入時の突部13の破損状況との関係を調べた。その結果を図19に示す。図19から、A=Bを0.2mm未満とすれば、突部13の破損なしにシェービング・圧入を実施できることがわかる。なお、A=B=0.2mmである場合、シェービング締結代にかかわらず割れが発生するため、少なくとも寸法A、Bのいずれかは0.2mm未満とする必要がある。
【0090】
この周縁角部210は、図20に示すように孔4をプレス加工により打ち抜く場合のプレス垂れ部2100で形成されてもよく、内周面400をプレス成形後のシェービング穴加工により面取りを所望の値で形成してもよい。
【0091】
【実施例7】
上記説明した整流子を適用した車両用の直流電動機一体型燃料ポンプの全体構成を図23に示し、その整流子部分の拡大図を図24に示す。
【0092】
ケーシング500には直流モータ501が内蔵されており、直流モータ501は、ステータ5011、電機子5012、回転軸5013、整流子5014、ブラシ5015を有している。5016、5017は軸受けである。
【0093】
回転軸5013の一端部は、ポンプ600と直流モータ501とを軸方向に隔てる隔壁5001を貫通してポンプ600側に突出しており、この回転軸5013の一端部にポンプ600の回転翼601が設けられている。602は燃料吐出口であり、燃料吸入口は図示省略している。整流子5014は、電機子5012に隣接して回転軸5013の他端部に固定され、ブラシ5015が整流子5014に摺接している。
【0094】
この種の車両用の直流電動機一体型燃料ポンプの構成及び動作自体は周知であるので、更なる詳細説明は省略する。
【0095】
この実施例によれば、硫黄分を不純物として含有する燃料を昇圧する車両用直流電動機一体型燃料ポンプの整流子の耐久性、特に整流子片1の突部13の耐久性を向上し、ポンプ寿命を向上することができる。
【0096】
(変形態様)
実施例では、突部13に選択的に銅粉などの金属粉を混入することにより、電流が集中する突部13の抵抗損失を一層低減している。他に、低抵抗カーボン層により、突部13の比抵抗を3000μΩ・cm以下としてもよい。
【0097】
(変形態様)
上記実施例では、金属円盤の孔4に、カーボン円盤の突部13を圧入した後、これら金属円盤・カーボン円盤一体物を放射切断したが、圧入前に両者の一方又は両方をあらかじめ放射切断することも可能である。
【0098】
(変形態様)
上記実施例では、整流子は円盤面状の整流面を有していたが、整流面を円筒面状に形成してもよい。
【0099】
なお、上記説明した部材の製造公差(寸法許容ばらつき)としては、孔4間のピッチずれ、孔4の径ばらつき、突部13のピッチずれ、突部13の半径ばらつきがある。
【0100】
(変形態様)
上記実施例では、垂れ面が有する板厚方向の端部に形成されているが、図25、図26に示すように、孔4aの開口部に位置して整流子片接続部21aに大径の円盤状凹部を形成し、この円盤状凹部に接する孔4aの境界部分に、垂れ面を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の整流子の軸方向半断面図である。
【図2】実施例1の整流子の圧入前の位置合わせ状態を示す模式断面図である。
【図3】実施例1の整流子の圧入後の状態を示す模式断面図である。
【図4】実施例2の金属片の平面図である。
【図5】実施例2の厚さ方向断面図である。
【図6】実施例2の整流子片の平面図である。
【図7】実施例2の整流子片の厚さ方向断面図である。
【図8】実施例2の整流子片と金属片との嵌合状態を示す断面図である。
【図9】実施例3の金属片の平面図である。
【図10】実施例3の厚さ方向断面図である。
【図11】実施例3の整流子片の平面図である。
【図12】実施例3の整流子片の厚さ方向断面図である。
【図13】実施例3の整流子片と金属片との嵌合状態を示す断面図である。
【図14】実施例4の整流子片と金属片との嵌合状態を示す断面図である。
【図15】引抜力・シェービング締結代特性を示す特性図である。
【図16】シェービング代及び弾性代とシェービング締結代との関係を示す特性図である。
【図17】電気抵抗値とシェービング締結代との関係を示す特性図である。
【図18】金属片の周縁角部の面取り状態を示す軸方向部分断面図である。
【図19】図18の周縁角部による各シェービング締結代値における突部13の破損状況を示す図である。
【図20】図18の周縁角部をプレス垂れ部で形成した例を示す軸方向部分断面図である。
【図21】図18の周縁角部をシェービング加工で形成した例を示す軸方向部分断面図である。
【図22】周縁角部が面取りされた突部を示す軸方向断面図である。
【図23】燃料ポンプの全体構成図である。
【図24】図23の整流子近傍の拡大図である。
【図25】周縁角部をプレス垂れ部で形成した変形態様を示す軸方向部分断面図である。
【図26】周縁角部をシェービングで形成した変形態様を示す軸方向部分断面図である。
【符号の説明】
1 整流子片
2 金属片
3 ボス部
4 孔
13 突部
15 ポケット
21 整流子片接続部

Claims (13)

  1. 互いに所定ギャップを隔てつつ軸心周囲に放射状に配置されて全体として略円盤形状の整流面を有するとともにカーボン焼成物を含む複数の整流子片、
    各前記整流子片の主として反整流面側の表面に接して前記整流面を露出させつつ前記各整流子片を支持し保護する樹脂製のボス部、及び、各前記整流子片の反整流面側の表面に接合される整流子片接続部、及び、
    前記整流子片接続部の径外側の端部から前記ボス部の前記主部の外周面に沿って延在して巻線が接合される端子部をそれぞれ有する複数の金属片、
    を備え、
    前記整流子片は、前記整流面を有する基板部、及び、前記基板部の反整流面側の表面から突出する突部を有し、
    各前記金属片の前記整流子片接続部は、前記突部が挿入される孔をそれぞれ有する整流子の製造方法において、
    前記孔への前記突部の挿入後にて前記孔に接する予定の領域である前記突部の予定接触領域の全面を前記挿入前にて前記孔より径大に形成し、
    前記挿入に際して、前記金属片の前記孔に面する部位が前記突部の外周面をシェービングし、
    前記突部の基端部の外周面に面して前記基端部と前記金属片との間に、前記整流子片の突部の削り粉を収容するポケットを形成することを特徴とする整流子の製造方法。
  2. 互いに所定ギャップを隔てつつ軸心周囲に放射状に配置されて全体として略円盤形状の整流面を有するとともにカーボン焼成物を含む複数の整流子片、
    各前記整流子片の主として反整流面側の表面に接して前記整流面を露出させつつ前記各整流子片を支持し保護する樹脂製のボス部、及び、各前記整流子片の反整流面側の表面に接合される整流子片接続部、及び、
    前記整流子片接続部の径外側の端部から前記ボス部の前記主部の外周面に沿って延在して巻線が接合される端子部をそれぞれ有する複数の金属片、
    を備え、
    前記整流子片は、前記整流面を有する基板部、及び、前記基板部の反整流面側の表面から突出する突部を有し、
    各前記金属片の前記整流子片接続部は、前記突部が挿入される孔をそれぞれ有する整流子の製造方法において、
    前記挿入前に、前記各整流子片を一体に形成して整流子片一体物とし、かつ、前記各金属片を一体に形成して金属片一体物とし、
    前記各整流子片一体物における前記各突部の径及び径方向突部中心位置の製造公差と、前記各金属片一体物における前記各孔の径及び径方向孔中心位置の製造公差と、前記整流子片一体物と金属片一体物との間の径方向位置合わせ公差との合計からなる前記突部の外周面と前記孔の内周面との間の径方向位置ばらつきの総和よりも、前記突部の予定接触領域を前記挿入前にて前記孔より径大に形成し、
    前記孔への前記突部の挿入後にて前記孔に接する予定の領域である前記突部の予定接触領域の全面を前記挿入前にて前記孔より径大に形成し、
    前記挿入に際して、前記金属片の前記孔に面する部位が前記突部の外周面をシェービングすることを特徴とする整流子の製造方法。
  3. 互いに所定ギャップを隔てつつ軸心周囲に放射状に配置されて全体として略円盤形状の整流面を有するとともにカーボン焼成物を含む複数の整流子片、
    各前記整流子片の主として反整流面側の表面に接して前記整流面を露出させつつ前記各整流子片を支持し保護する樹脂製のボス部、及び、各前記整流子片の反整流面側の表面に接合される整流子片接続部、及び、
    前記整流子片接続部の径外側の端部から前記ボス部の前記主部の外周面に沿って延在して巻線が接合される端子部をそれぞれ有する複数の金属片、
    を備え、
    前記整流子片は、前記整流面を有する基板部、及び、前記基板部の反整流面側の表面から突出する突部を有し、
    各前記金属片の前記整流子片接続部は、前記突部が挿入される孔をそれぞれ有する整流子の製造方法において、
    前記孔への前記突部の挿入後にて前記孔に接する予定の領域である前記突部の予定接触領域の全面を前記挿入前にて前記孔より径大に形成し、
    前記孔の内周面に接する前記突部の外周面を前記挿入時に全周にわたって前記金属片によりシェービングするとともに、径方向に弾性圧縮された前記突部の径方向の弾性圧縮量である弾性代と、前記シェービングによる前記突部の径方向減少量として規定される前記シェービング代との合計であるシェービング締結代を、前記孔の直径の3%以上とすることを特徴とする整流子の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の整流子の製造方法において、
    前記金属片の孔をプレスにて打ち抜き形成し、その後、前記孔の内周面をシェービング加工することを特徴とする整流子の製造方法
  5. 互いに所定ギャップを隔てつつ軸心周囲に放射状に配置されて全体として略円盤形状の整流面を有するとともにカーボン焼成物を含む複数の整流子片、
    各前記整流子片の主として反整流面側の表面に接して前記整流面を露出させつつ前記各整流子片を支持し保護する樹脂製のボス部、及び、
    各前記整流子片の反整流面側の表面に接合される整流子片接続部、及び、前記整流子片接続部の径外側の端部から前記ボス部の前記主部の外周面に沿って延在して巻線が接合される端子部をそれぞれ有する複数の金属片、
    を備え、
    前記整流子片は、前記整流面を有する基板部、及び、前記基板部の反整流面側の表面から突出する突部を有し、
    各前記金属片の前記整流子片接続部は、前記突部が挿入される孔をそれぞれ有する整流子において、
    前記孔への内周面に接触する前記突部の外周面は、前記カーボン焼成物の削り面で形成され
    前記突部の基端部の外周面に面して前記基端部と前記金属片との間に、前記整流子片の突部の削り粉を収容するポケットを有することを特徴とする整流子。
  6. 請求項5記載の整流子において、
    前記削り面を形成して軸方向に延在する前記孔の内周面の挿入側周縁角部は、面取り部又はプレス垂れ部を有し、
    前記面取り量又はプレス垂れ量は、前記内周面と、径方向に延在する前記整流子片の前記反整流面に対向する前記金属片の実質的な平坦面との交差点から前記内周面方向及び径方向に0.2mm以下の領域に有ることを特徴とする整流子。
  7. 請求項5記載の整流子において、
    前記突部は、3000μΩ・cm以下の固有抵抗を有することを特徴とする整流子。
  8. 請求項5記載の整流子において、
    前記突部は、金属粉を含むことを特徴とする整流子。
  9. 請求項6記載の整流子において、
    前記金属片は、厚さ方向一方側から他方側にプレス打ち抜きで形成された孔を有するプレス成形品からなり、
    前記整流子片の突部は、前記金属片の一方側が前記突部の基端部に対面していることを特徴とする整流子。
  10. 請求項5記載の整流子において、
    前記突部の頂面と外周面とが交わる周縁角部は、なだらかに面取りされていることを特徴とする整流子。
  11. 請求項5記載の整流子において、
    前記突部の前記外周面は、先細テーパ面からなることを特徴とする整流子。
  12. 互いに所定ギャップを隔てつつ軸心周囲に放射状に配置されて全体として略円盤形状の整流面を有するとともにカーボン焼成物を含む複数の整流子片、
    各前記整流子片の主として反整流面側の表面に接して前記整流面を露出させつつ前記各整流子片を支持し保護する樹脂製のボス部、及び、
    各前記整流子片の反整流面側の表面に接合される整流子片接続部、及び、前記整流子片接続部の径外側の端部から前記ボス部の前記主部の外周面に沿って延在して巻線が接合される端子部をそれぞれ有する複数の金属片、
    を備え、
    前記整流子片は、前記整流面を有する基板部、及び、前記基板部の反整流面側の表面から突出する突部を有し、
    各前記金属片の前記整流子片接続部は、前記突部が挿入される孔をそれぞれ有する整流子において、
    前記金属片の前記孔は、周方向所定ピッチで形成された複数の小突起と、周方向に隣接する2つの前記小突起の間に形成される凹部とを有し、
    前記凹部と前記整流子片の外周面との間に所定の径方向隙間をもち、前記整流子片の突部の削り粉を収容するポケットを有することを特徴とする整流子。
  13. 請求項5乃至12のいずれか記載の整流子を有することを特徴とする燃料ポンプ。
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