JP4586975B2 - 留置針構造 - Google Patents
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Description
第一の手段は、金属針と、輸液または透析のラインとを接続するためのチューブと、患者皮膚への固定を補助するための可撓性材料によって形成された翼とを備えた翼状針を用いる手段である。この翼状針は、輸液注入または透析の最中に、穿刺されて血管の中にある金属針が腕の動きで血管を傷つけたり、血管を破いたりする事故が生じたりする問題がある。このため、患者を長時間拘束する場合や治療中に体を動かすことの多い幼児には不向きである。
患者の血管を捉えた内針およびその内針に連続する留置針の後端開口部からの血液の垂れを生じさせないように輸液または透析ラインが確保するという操作が必要であること、および抜き取った金属針を廃棄処理する必要があるが、患者への負担が小さいことから、第二の手段が採用される割合は高まりつつある。
すなわち、内針(8)の基端部に、気体は透過するが液体を透過させないフィルタ部材(栓体6)を設置し、穿刺後の留置針内に血液が満ちるのを待たずに、輸液をプライミング(留置針内が満たされる状態)することができる。したがって、留置針ライン形成の時間を短縮できるとともに、その作業に集中しやすいので、細菌に汚染されたり留置針が血管からずれたり外れたりする事故の発生確率を低めることに寄与する。また、フィルタ部材(6)の存在により、留置針の後端における開口部からの血液の垂れを生じさせないという構造上の特徴もある。
しかし、血管を捕捉した後の金属針を安全にその場で処理するための金属針の収納構造を備えることで、留置針は大きくなる傾向にある。
請求項2に記載の発明の目的は、更に、輸液とは無関係な部位の切り離し作業が容易な留置針構造を提供することにある。
請求項3から請求項6に記載の発明の目的は、更に、液漏れの確率を低めることで安全性を高める留置針構造を提供することにある。
請求項1記載の発明は、 患者の血管と輸液とを連通させる外針(11)を備えた留置針本体(10)と、血管を捕捉するために外針(11)の内側に位置する金属製極細パイプ状の内針(31)を備えた内針体(30)と、血管捕捉後の内針体(30)を収納するために留置針本体(10)に対して装着される筒状の内針収納体(40,50)と、その内針収納体(40,50)に内針体(30)を収納するための操作を行うための操作体(20)とを備えて構成される留置針の構造に係る。
すなわち、操作体(20)は、留置針本体(10)に接続されるとともに留置針本体(10)から切り離し可能であり、 内針収納体(40,50)は、操作体(20)による操作によって内針体(30)を収納した場合には留置針本体(10)および操作体(20)から切り離されるように接続しており、 操作体(20)は、内針収納体(40,50)が内針体(30)を収納した場合には留置針本体(10)から切り離し可能であるように接続して形成する。
内針(31)は、その全体を金属製極細パイプ状の内針としてもよいが、必要最低限の部位だけ金属製極細パイプ状の内針(31)とするとともにそれ以外の部位を単なる金属線にて形成してもよい。
本請求項に係る留置針構造の操作者は、まず、外針(11)の内側に内針(31)を位置させた留置針本体(10)および内針体(30)を用いて、患者の血管を捕捉する。このとき、操作体(20)は留置針本体(10)に接続されており、内針収納体(40,50)は留置針本体(10)および操作体(20)に接続されている。
操作者が内針(31)を患者の皮膚に穿刺し、外針(11)が患者の血管を捕捉できた場合には、操作体(20)を用いて内針収納体(40,50)に内針体(30)を収納するための操作を行う。内針収納体(40,50)による内針体(30)の収納が完了すると、留置針本体(10)および操作体(20)から切り離される。それによって操作者は、患者の血液が付着した内針(31)に触れるおそれから解放される。
内針収納体(40,50)が内針体(30)を収納した場合には、操作体(20)を留置針本体(10)から切り離すことができる。それによって、最低限必要な留置針本体(10)のみを身につけていればよい。すなわち、操作体(20)という輸液とは無関係な機器を患者の身体から離すことができ、患者の負担が軽減される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の留置針構造を限定したものである。
すなわち、留置針本体(10)には、輸液と外針(11)とを連通させるためのパイプ状の流路(14)を備え、 操作体(20)には、流路(14)を巻き込んで係合可能な略U字形状の流路係合部(24)を備えたことを特徴とする。
流路係合部(24)を略U字形状とすることにより、流路(14)を把持することで留置針本体(10)と操作体(20)とを簡単に接続するとともに、必要に応じて留置針本体(10)と操作体(20)とを簡単に分離することもできる。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の留置針構造を限定したものである。
すなわち、留置針本体(10)には内針(31)を貫通させることができる自己閉塞性に優れた材質のシール材(16)を備え、 流路(14)は、外針(11)の反対側をそのシール材(16)にて密閉させることにより形成したことを特徴とする。
シール材(16)の存在により、貫通させていた内針(31)を引き抜いた後でも患者の血液や輸液が漏れるおそれは極めて小さい。
また、シール材(16)が外針(11)に近づいて位置しているために、留置針本体(10)におけるデッドスペースが極めて小さくなり、血液の滞留や輸液の無駄を抑制できる。
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の留置針構造を限定したものである。
すなわち、前記シール材(16)は、円盤状の周囲部(16b)と、その周囲部(16b)の中央から立設させた平板状の内針貫通部(16a)とを備えた形状をなし、 そのシール材(16)における外針(11)とは反対側において周囲部(16b)を支持するシール材支持リング(17)を備えて形成したことを特徴とする。
内針貫通部(16a)は、周囲部(16b)よりも肉厚に形成しているため、内針(31)を引き抜いた後に輸液または透析ラインとして確保されている流路(14)の内圧が上昇した場合には、内針貫通部(16a)が肉厚の薄い周囲部(16b)へめり込むように変形する。したがって、内針(31)を引き抜いた後の貫通孔は、シール材(16)の自己閉塞機能とあいまって、密閉性を高めることとなる。このため、シール材(16)の経年劣化(自己閉塞機能の衰え)への懸念も軽減させることができる。
周囲部(16b)は内針貫通部(16a)よりも肉薄であるが、シール材支持リング(17)によって支持されているので、血圧の上昇や内針(31)の引き抜き動作などに対して安定して固定されていることとなる。
請求項5記載の発明は、請求項3請求項4のいずれかに記載のに記載の留置針構造を限定したものである。
すなわち、シール材(16)の周囲部(16b)は、直径3mm〜8mmの円盤状をなし、内針貫通部(16a)の肉厚を0.5〜3.0mmとした留置針構造に係る。
直径について、3mm〜8mmとしたのは、留置針構造の本路(13)の内径サイズとして適切な範囲を限定したものである。内針貫通部(16a)の肉厚について、その肉厚を0.5〜3.0mmとしたのは、患者の血液または輸液による圧力によって閉塞することと、内針(21)を貫通させる組立時に組み立てやすいこととのバランスから割り出されたものである。閉塞には薄いほどよいが、組立には厚いほうが組み立てやすい。その二つの要求の折衷範囲として経験的、実験的に割り出されたサイズである。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の留置針構造を限定したものである。
すなわち、外針は、先端に向かって外径を小さく絞った尖端部を備えるとともに、血液を捕捉したことが視認できる光透過性を備えた材質にて形成し、内針の長手方向の中間部分において長手方向のパイプ内へ連通する第二開口(21b)と備えた留置針構造に係る。
外針(11)の尖端部(11c)は、先端に向かって外径を小さく絞った形状をなし、穿刺の際の患者への負担を軽減できる。
また、内針(21)が患者の血管を捕捉した後に内針(21)の中へ流れ込む血液は、第二開口(21b)から溢れて外針(11)と内針(21)との隙間へ流れ出ることに加え、外針(11)が光透過性を備えているので、外針(11)と内針(21)との隙間の体積を少なくするので、血管を捕捉したことがいち早く視認できる。
請求項2に記載の発明によれば、加えて、輸液とは無関係な部位の切り離し作業が容易な留置針構造を提供することができた。
請求項3から請求項6に記載の発明によれば、加えて、液漏れの確率を低めることで安全性を高める留置針構造を提供することができた。
以下、各図を参照して詳細に説明していく。
図2(B)に示すのは、留置針本体(10)および操作体(20)であり、図2(C)に示すのは、内針体(30)、内針収納筒(40)および操作筒(50)である。すなわち、血管捕捉後には、留置針本体(10)および操作体(20)と、内針体(30)、内針収納筒(40)および操作筒(50)とに分離できる。なお、図3に示すが、留置針本体(10)および操作体(20)は、更にそれぞれを分離できる。
図3に示すように、留置針本体(10)は、極細のチューブ状の外針(11)と、輸液の通り道となる流路(14)と、その流路(14)と外針(11)とを連通させる根本部(12)と、その根本部(12)内で外針(11)を固定する外針押さえ部材(13)と、流路(14)に連通して輸液を送出する輸液チューブ(15)と、根本部(12)の反外針(11)側に固定され、流路(14)への連通を確保しつつ内針体(30)への輸液流入を塞ぐシール部材(16)と、そのシール部材(16)を根本部(12)内で支持するシール支持リング(17)とを備えている。また、操作体(20)の突起係合部(22)と係合される固定用突起(12a)と、操作体(20)に係合される際に操作体(20)に当接する操作部側端部(18)とを備えている。
なお、外針押さえ部材(13)の中央には貫通孔が設けてあり、その貫通孔は内針(31)が貫通するものの内針(31)が存在していても流路(14)と連通できる。したがって、後に詳述するが、本実施形態の留置針構造を患者の血管へ穿刺し、外針(11)の尖端が血管内に位置すれば、内針(31)を収納しなくても患者の血液が流路(14)へ流れ込むこととなる。
操作体(20)は、操作筒(50)に対する操作を行うための部材であり、その操作によって、内針(31)の尖端および外針(11)の尖端の相対的な位置関係の調整や、内針(31)の二重筒への収納などを行う。
その操作体(20)は、筒状に形成された筒状部(21)と、その筒状部(21)における留置針本体(10)側に支点を持つカンティレバー構造の操作レバー部(23)と、その操作レバー部(23)から操作体(20)の内側に向かって突出するとともに操作レバー部(23)の軸方向に連続して配置された第一突起(23b)および第二突起(23c)と、その第一突起(23b)および第二突起(23c)に合わせて配置された第一開口(21a)および第二開口(21b)と、留置針本体(10)の固定用突起(12a)と係合される突起係合部(22)と、流路(14)の外周部分と係合する流路係合部(24)とを備えている。
操作レバー部(23)は、操作をするための所定の指に触れる指当て部(23a)と、その指当て部(23a)に触れた指を筒状部(21)側へ操作レバー部(23)を押し下げることで、第一当接部(53)および第二当接部(54)の係合状態を変化させる第一突起(23b)および第二突起(23c)とを備えている。すなわち、操作レバー部(23)は、第一開口(21a)および第二開口(21b)から突出した第一突起(23b)および第二突起(23c)とを操作筒(50)の第一当接部(53)および第二当接部(54)を押圧することで、外針(11)の尖端と内針(31)の先端(31b)との相対位置を調整可能としている。
最初に、内針体(30)について、図5(B)に基づいて説明する。
図5(B)に示すように、内針体(30)は、外針(11)の内側に位置する金属製極細パイプ状の内針(31)と、その内針(31)における内針(31)の尖端(31a)とは反対側である根本部分を支持固定する内針固定部(33)と、その内針固定部(33)を包み込んで固定する血液採取筒(32)とを備えている。この血液採取筒(32)は、内針(31)の尖端(31a)が血管内に位置した場合に血液が流れ込み、流れ込んだ血液を保持するための筒体である。内針(31)が血液を捕捉したことが視認できるように、光透過性を備えた材質を採用する。
血液採取筒(32)における内針(31)とは反対側は、輸液などの液体は通過させず空気などの気体のみを通過可能なフィルタ(32a)を有する尾栓(34)にて閉塞されている。また、後述する内針収納筒(40)を突出させるためのコイルスプリングである内針収納用スプリング(47)の端部を支持するスプリング支持部(35)を備えている。
図5(A)には、前述した操作体(20)によって操作することによって、内針体(30)を収納するとともに操作体(20)からは切り離された二重筒を示している。操作体(20)と一体となっている様子は、図1(B)等に示すとおりである。
二重筒は、操作筒(50)と、その操作筒(50)に内装されるとともに内針体(30)の収納時には操作筒(50)から突出する内針収納筒(40)とからなる。内針収納筒(40)は、内針収納筒(40)および操作筒(50)に固定された内針収納用スプリング(47)によって操作筒(50)から突出するものである。
内針収納筒(40)は、操作筒(50)とは反対側に向かって先細りするテーパ状に形成されたテーパ部(41a)を有する収納筒本体(41)と、その収納筒本体(41)が操作筒(50)から突出した場合に操作筒(50)との連結および突出状態を保つための操作筒側端部(45)と、留置針本体(10)のシール材(16)に当接するシール当接端部(42)と、そのシール当接端部(42)に設けた内針(31)の突出可能な内針用尖端孔(43)と、テーパ部(41a)および内針用尖端孔(43)の間に位置して収納筒本体(41)の周面から張り出した先端フランジ部(44)と、内針収納用スプリング(47)と連結されるスプリング固定部(46)とを備える。
操作筒(50)は、筒状の操作筒本体(51)と、内針収納筒(40)の操作筒側端部(45)に当接する収納筒側端部(52)と、操作体(20)を結合するための操作体固定部(55)と、その操作体固定部(55)の周面において操作体(20)の第一突起(23b)に押圧される位置に断面凸状に形成された第一当接部(53)と、操作体(20)の第二突起(23c)に押圧される位置に断面凸状に形成された第二当接部(54)とを備える。
操作筒(50)もまた、内針(31)が血液を捕捉したことが視認できるように、光透過性を備えた材質を採用する。
操作筒本体(51)における収納筒側端部(52)とは反対側の端部は、内針体(30)の端部に固定された尾栓(34)が填め込まれることによって封じられている。
前述の操作筒側端部(45)は、収納筒側端部(52)の開口部分よりも若干大きく形成されており、弾性変形させることによって操作筒(50)内部に収納可能となっている。内針収納筒(40)は、血管捕捉の操作前には内針収納用スプリング(47)の弾発力に抗して操作筒(50)内部に収納されている。血管捕捉が確認された後には内針(31)の役目が終わるので、操作筒(20)の操作レバー部(23)などの操作によって内針収納用スプリング(47)が伸び、収納筒本体(41)が操作筒(50)から突出し、内針(31)の尖端(31a)までを収納する。
このとき、収納筒側端部(52)の開口部分から突出した操作筒側端部(45)は、収納筒側端部(52)から解放されるので常態に戻り、収納筒側端部(52)の開口直径よりも大きくなる。そのため、外力を加えて操作筒側端部(45)を再び弾性変形させない限り、内針(31)の尖端(31a)が露出することはない。
図6に示すように、シール材(16)は、円盤状の周囲部(16b)と、その周囲部(16b)の中央から立設させた平板状の内針貫通部(16a)とを備え、周囲部(16b)は、留置針本体(10)のシール支持リング(17)に支持されている。内針収納筒(40)側に輸液や患者の血液などが漏れないように、自己閉塞機能によって閉塞することができる材質を選定している。
内針貫通部(16a)は、周囲部(16b)よりも肉厚に形成しているため、内針(31)を引き抜いた後に輸液または透析ラインとして確保されている流路(14)の内圧が上昇した場合には、内針貫通部(16a)が肉厚の薄い周囲部(16b)へめり込むように変形する。したがって、内針(31)を引き抜いた後の貫通孔は、シール材(16)の自己閉塞機能とあいまって、密閉性を高めることとなる。このため、シール材(16)の経年劣化(自己閉塞機能の衰え)への懸念も軽減させることができる。
なお、シール材(16)の材質としては、現在最も適していると考えられている合成イソプレンゴムのほか、シリコンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴムなどがある。硬度がJIS−A:20〜55の範囲である熱可塑性エラストマーであれば、同様の機能と効果が期待できる。
図4を用いて、操作レバー(23)と周辺の構造について詳述する。図4(A)は、患者の血管を捕捉する際に患者の皮膚へ穿刺する状態を示しており、図4(B)は、患者の血管の捕捉が終了した際(正確には血管の捕捉が終了したと操作者が思った際)に操作レバー(23)を操作した後の状態を示している。換言すれば、図4(A)は、本実施形態に係る留置針構造が保管されている状態や、使用直前の状態を示しており、図4(B)は、操作レバー(23)を一回押圧した後の状態を示した図である。
このとき、内針(31)の尖端(31a)は外針(11)の尖端から少々突出している。この突出部分の長さは、内針(31)が患者の血管を捕捉した場合に血管を貫通しないような適切な長さである。
操作レバー(23)を一瞬押し下げた後にその操作を止めると、第一突起(23b)が第一当接部(53)を押圧し、第二突起(23c)が第二当接部(54)を押圧し、各当接部(53,54)が各開口(21a,21b)と係合されない状態となる。しかし、内針収納用スプリング(47)の弾発力が生じているので、操作体(20)と操作筒(50)とは相対的に移動し、図4(B)の状態となる。すなわち、カンティレバー状の操作レバー(23)は、押し下げた状態をすぐに止めればすぐに元に戻り、その結果、第一当接部(53)および第二当接部(54)も変形の弾発力によって元に戻ろうとする。しかし、内針収納用スプリング(47)の弾発力とのかね合いで、第一当接部(53)の凸部(53a)が第一開口(21a)、第二当接部(54)の凸部(54a)が第二開口(21b)へ突出するように戻ることができず、第二当接部(54)の凸部(54a)が第一開口(21a)から突出した状態で操作体(20)と操作筒(50)とが係合状態となる。なお、この状態においては、内針(31)の尖端(31a)は、外針(11)の尖端から僅か後方に位置することとなる。
図4(B)の状態から、操作レバー(23)を更に一回押し、第二当接部(54)の凸部(54a)と第一開口(21a)との係合状態が解除され、内針収納用スプリング(47)の弾発力を遮る構造はない。そのため、留置針本体(10)は、内針収納筒(40)および操作筒(50)とは分離された状態となり、内針(31)は内針収納筒(40)および操作筒(50)の内部へ隔離される。すなわち、患者の血液が付着した内針(31)に操作者や、この内針収納筒(40)および操作筒(50)の処分に携わる者に触れることがない。この状態は、図2(B)および図2(C)に示している。
図4(B)に示した状態から図4(A)に示した状態へ戻すことができるという点が、本実施形態の第一の特徴である。すなわち、外針(11)の尖端が血管内に位置させる操作をやり直すことができる。
まず、操作者が内針収納筒(40)および操作筒(50)に対して、内針収納用スプリング(47)の弾発力よりも強い外力を与えることによって、内針収納用スプリング(47)を縮装させられるようにしながら、操作レバー(23)を押し下げる。すると、第二当接部(54)の凸部(54a)と第一開口(21a)との係合状態が解除され、第一当接部(53)の凸部(53a)が第一開口(21a)、第二当接部(54)の凸部(54a)が第二開口(21b)へ突出するように戻ることとなる。すなわち、図4(A)に示した状態へ戻ることとなる。この状態であれば内針(31)の尖端(31a)が外針(11)から突出した状態なので、再び患者の血管へ穿刺するという操作が可能となる。
やり直したら、操作体(20)を操作し、第二係合状態に変化させる。そこで、再度血管の捕捉を確認し、捕捉できていたら終了するが、できていなかったら、三たび図4(A)に示した状態へ戻す。
図2に示すように、外針(11)の尖端が血管内に位置したと操作者が確信し、留置針本体(10)および操作体(20)は、内針収納筒(40)および操作筒(50)と分離したとする。内針収納筒(40)および操作筒(50)から分離された留置針本体(10)および操作体(20)が、更に、留置針本体(10)と操作体(20)とに分離できるという点が、本実施形態の第二の特徴である。
すなわち、留置針本体(10)の固定用突起(12a)と係合している操作体(20)の突起係合部(22)、流路(14)を巻き込んで係合している流路係合部(24)、これらの係合を同時に外す。すると、操作体(20)は留置針本体(10)から分離され、患者とつながっているのは留置針本体(10)のみとなる。
11 外針 11a 尖端
12 根本部 12a 固定用突起
13 外針押さえ部材 14 流路
15 輸液チューブ 16 シール材
16a 内針貫通部 16b 周囲部
17 シール支持リング 18 操作部側端部
20 操作体 21 筒状部
21a 第一開口 21b 第二開口
22 突起係合部 23 操作レバー部
23a 指当て部 23b 第一突起
23c 第二突起 24 流路係合部
25 操作体側端部
30 内針体
31 内針 31a 尖端
32 血液採取筒 32a フィルタ
33 内針固定部 34 尾栓
35 スプリング支持部
40 内針収納筒
41 収納筒本体 41a テーパ部
42 シール当接端部 43 内針用先端孔
44 先端フランジ部 45 操作筒側端部
46 スプリング固定部 47 内針収納用スプリング
50 操作筒 51 操作筒本体
52 収納筒側端部
53 第一当接部 53a 凸部
54 第二当接部 54a 凸部
55 操作体固定部
Claims (6)
- 患者の血管と輸液とを連通させる外針を備えた留置針本体と、血管を捕捉するために外針の内側に位置する金属製極細パイプ状の内針を備えた内針体と、血管捕捉後の内針体を収納するために留置針本体に対して装着される筒状の内針収納体と、その内針収納体に内針体を収納するための操作を行うための操作体とを備えて構成される留置針の構造であって、
操作体は、留置針本体に接続されるとともに留置針本体から切り離し可能であり、
内針収納体は、操作体による操作によって内針体を収納した場合には留置針本体および操作体から切り離されるように接続しており、
操作体は、内針収納体が内針体を収納した場合には留置針本体から切り離し可能であるように接続して形成したことを特徴とする留置針構造。 - 留置針本体には、輸液と外針とを連通させるためのパイプ状の流路を備え、
操作体には、流路を巻き込んで係合可能な略U字形状の流路係合部を備えたことを特徴とする請求項1記載の留置針構造。 - 留置針本体には内針を貫通させることができる自己閉塞性に優れた材質のシール材を備え、
流路は、外針の反対側をそのシール材にて密閉させることにより形成したことを特徴とする請求項2記載の留置針構造。 - 前記シール材は、円盤状の周囲部と、その周囲部の中央から立設させた平板状の内針貫通部とを備えた形状をなし、
そのシール材における外針とは反対側において周囲部を支持するシール材支持リングを備えて形成した請求項3記載の留置針構造。 - シール材の周囲部は、直径3mm〜8mmの円盤状をなし、内針貫通部の肉厚を0.5〜3.0mmとした請求項3または請求項4のいずれかに記載の留置針構造。
- 外針は、先端に向かって外径を小さく絞った尖端部を備えるとともに、血液を捕捉したことが視認できる光透過性を備えた材質にて形成し、
内針の長手方向の中間部分において長手方向のパイプ内へ連通する第二開口と備えた請求項1から請求項5のいずれかに記載の留置針構造。
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