JP4585131B2 - 製鋼スラグの処理方法、ならびに土中埋設用材料の製造方法および港湾土木用材料の製造方法 - Google Patents

製鋼スラグの処理方法、ならびに土中埋設用材料の製造方法および港湾土木用材料の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鋼工程で不可避的に発生する、例えば溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグさらには二次精錬スラグといった、フッ素を含む製鋼スラグからのフッ素の溶出を抑制して製鋼スラグを安定化する製鋼スラグの処理方法、ならびに土中埋設用材料の製造方法および港湾土木用材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製鋼工程では、溶銑および溶鋼からリン、硫黄、珪素等の不純物を除去するために、製鋼スラグを用いる。製鋼スラグには、スラグの融点を下げて流動性を向上させ、スラグと溶鋼との反応性を高めるために、螢石(CaF)が添加されることが一般的である。
【0003】
例えば1997年の1年間において、わが国の製鋼スラグの排出総量は約1000万トンにも達し、そのうちの約570万トンが土木工事および埋め立てに用いられた。製鋼スラグがフッ素を含有している場合には、スラグが水と接触するとフッ素が溶出する。近時、環境問題への関心の高まりに伴い、このようなスラグからのフッ素溶出量を低減することが検討されている。
【0004】
このような製鋼スラグからのフッ素溶出量低減方法として、水渡らは、先に材料とプロセス(1999年、12巻、147〜149頁)において、カルシウムアルミネートを含む二次精錬スラグ、または、カルシウムアルミネートの合成化合物を製鋼スラグに添加混合し、フッ素を含む製鋼スラグの安定化処理を行う方法を提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した水渡らの提案した方法では、いずれの場合もカルシウムアルミネートの水和反応が完了した後にはフッ素の固定化効果を期待することはできず、スラグからフッ素溶出量を低減する効果の持続性が低いという問題がある。また、二次精錬の内容によっては、二次精錬スラグがカルシウムアルミネートを含有せず、鉄鋼スラグの安定化処理に用いることができない場合もある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、フッ素溶出量を長期間にわたって安定かつ確実に低減することができる製鋼スラグの処理方法を提供すること、および、製鋼スラグを原料としてフッ素溶出量が少ない土中埋設材料または港湾土木用材料を製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1発明は、フッ素を含有する製鋼スラグに、セメントおよびセメント原料の少なくとも一方からなるセメント物質、および硫酸根を含む粉末を添加混合し、さらに、水和遅延剤を、前記硫酸根を含む粉末の10重量%以下添加混合した後、水の存在下で反応させて製鋼スラグからのフッ素溶出を抑制し、製鋼スラグを安定化することを特徴とする製鋼スラグの処理を提供する。このような処理により、硫酸根を含む物質から溶出した硫酸イオンがセメント物質と反応して生成されるエトリンガイトやモノサルフェートやCaO−SiO−HO−SO系化合物中にフッ素を固定して、製鋼スラグからのフッ素溶出量を低減することができる。
【0009】
上記第1発明において、製鋼スラグに、上記セメント物質および硫酸根を含む粉末を添加混合した後に、野積み状態として製鋼スラグ中に含有される水分や、散水や降雨によって加わる水分によって常温で反応を進行させてもよいが、加温したり、蒸気養生したりすることによって確実にフッ素を固定化することができる。蒸気養生する場合には、蒸気は温度の上昇手段だけでなく、水和反応を行わせるための反応物質としても機能する。さらに、この反応をオートクレーブ中で進行させると100℃以上に加温しながら加圧できるため、一層確実にフッ素の固定を行うことができる。
【0010】
発明は、フッ素を含有する製鋼スラグに、セメントおよびセメント原料の少なくとも一方からなるセメント物質および水和遅延剤を添加混合して製鋼スラグからのフッ素溶出を抑制し、製鋼スラグを安定化することを特徴とする製鋼スラグの処理方法を提供する。このような処理により、セメント物質に含まれるカルシウムアルミネート、カルシウムシリケート、カルシウムアルミニウムシリケートが水和する際にフッ素を固定するので、フッ素溶出量を低減することができ、かつ、水和遅延剤によりこれらカルシウムアルミネート等の水和反応を徐々に進行させ、これらカルシウムアルミネート等のうちフッ素の固定化に寄与していないものの水和反応を抑制するので、効率よくフッ素を固定することができ、かつ、フッ素溶出量低減効果を長時間持続させることができる。
【0011】
発明は、フッ素を含有する製鋼スラグに、カルシウムアルミネートを含有する粉末および水和遅延剤を添加混合して製鋼スラグからのフッ素溶出を抑制し、製鋼スラグを安定化することを特徴とする製鋼スラグの処理方法を提供する。このような処理によっても、水和遅延剤により、フッ素の固定化に寄与していないカルシウムアルミネートの水和反応が抑制され、効率的にフッ素を固定することができ、フッ素溶出量低減効果を長時間持続させることができる。
【0013】
発明は、フッ素を含有する製鋼スラグに、第1発明から第発明のいずれかの処理を施し、土中埋設用材料とすることを特徴とする土中埋設用材料の製造方法を提供する。
【0014】
発明は、フッ素を含有する製鋼スラグに、第1発明から第発明のいずれかの処理を施し、港湾土木用材料とすることを特徴とする港湾土木用材料の製造方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態においては、フッ素を含有する製鋼スラグに、セメントおよびセメント原料の少なくとも一方からなるセメント物質、および硫酸根を含む粉末を添加することにより、製鋼スラグに含まれるフッ素の水中への溶出を低減する。
【0016】
この実施形態におけるセメント物質は、製品セメントでもセメント原料(セメントクリンカー)でもよく、また両者の混合物であってもよい。また、両者の中間的な材料であってもよい。ここで、セメントとしては、例えばポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中よう熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント、膨張セメント、油井セメント、地熱井セメント等が例示され、これらのうちの1種または2種以上の組合せであることが挙げられる。また、セメント原料としては、上記セメントのクリンカーが例示され、これらのうち1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。また、硫酸根を含む粉末としては、石膏、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、および硫酸鉄等の粉末が例示され、これらのうち1種または2種以上の組み合わせを用いることができる。
【0017】
以下、製鋼スラグにセメント物質のみを添加した場合と、製鋼スラグにセメント物質とともに硫酸根を含む粉末を添加した場合とのフッ素溶出量を比較した実験結果について述べる。まず、セメント物質としてポルトランドセメントのみを製鋼スラグに添加し、平成3年環境庁告示46号に従ってフッ素の溶出試験を行った場合、スラグ100重量部に対して2重量部の添加でもフッ素溶出量低減効果は得られ、添加量が多いほどフッ素溶出量低減効果は増大した。セメント物質の添加量を40重量部まで増加させると、製鋼スラグからのフッ素溶出量を0.8mg/L以下まで低減することができた。
【0018】
これに対して、ポルトランドセメントと共に硫酸根を含む粉末として石膏を製鋼スラグに添加し、平成3年環境庁告示46号に従ってフッ素の溶出試験を行った場合、製鋼スラグ重量に対してポルトランドセメントを20重量部、石膏を3重量部添加することによって、ポルトランドセメントのみを40重量部添加した場合と同等に、フッ素溶出量を0.8mg/L以下まで低減することができた。
【0019】
この実験結果からわかるように、セメント物質とともに硫酸根を含む粉末を添加することによって、より少ない量のセメント物質により効果的にフッ素溶出量を低減することができる。セメント物質の添加量の上昇は、スラグ処理の高コスト化を招き、また処理後のスラグ量が増大してハンドリング性を悪化させるが、セメント物質とともに硫酸根を含む粉末を添加することによりセメント物質添加量を低く抑えることができるので、スラグ処理を低コスト化することができ、処理後のスラグ量を低減することができる。
【0020】
本実施形態におけるフッ素溶出量低減のメカニズムは、以下のように説明される。水の存在下において、製鋼スラグからはCa2+イオンが溶出し、セメント物質に含まれるカルシウムアルミネート、カルシウムアルミニウムフェライト等からカルシウムイオン(Ca2+イオン)およびアルミニウムイオン(pH値が5.1以上でAlO 2−イオン)が溶出する。これらのイオンが硫酸根を含む化合物から溶出した硫酸イオン(SO 2−イオン)と反応することにより、エトリンガイトおよびモノサルフェートを生成し、この生成反応の過程で一部の硫酸イオンがスラグから溶出したフッ素イオン(Fイオン)と置換され、エトリンガイトおよびモノサルフェート中にフッ素が固定されるものである。
エトリンガイト生成に伴うフッ素の固定化機構は(1)式で表される。
【0021】
【化1】
Figure 0004585131
【0022】
また、エトリンガイトと共に生成するモノサルフェート中へのフッ素の固定化機構は(2)式および(2)’式で表される。
【0023】
【化2】
Figure 0004585131
【0024】
また、水の存在下において、セメント物質に含まれるカルシウムシリケート、カルシウムアルミニウムシリケート等からカルシウムイオン(Ca2+イオン)およびシリコンイオン(pH値が10以上でHSiO イオン、12以上でSiO 2−)が溶出する。これらのイオンが硫酸根を含む化合物から溶出した硫酸イオン(SO 2−イオン)と反応することにより、Ca10(SiO(SO(OH)やCa[(Si,S)O(OH)等のCaO−SiO−HO−SO系化合物を生成し、この生成反応の過程でスラグから溶出したフッ素イオン(Fイオン)が水酸基(OHイオン)サイトに組み込まれて固定されるものである。
【0025】
例えば、水共存下でフッ素イオンおよび硫酸イオンと反応してCa10(SiO(SO[(OH)1−yが生成する反応は(3)式で表される。
【0026】
【化3】
Figure 0004585131
【0027】
また、カルシウムイオンおよびシリコンイオンがフッ素イオンおよび硫酸イオンと反応してCa[(Si,S)O(OH,F)が生成する。
【0028】
これらのCaO−SiO−HO−SO−F系化合物の生成によるフッ素イオンの固定化のほかに、硫酸イオンが関与しない反応によってCa(SiO(OH,F)およびCaSi(OH)等のCaO−SiO−HO−F系化合物およびゲル状CaO−SiO−HO−F系非晶質化合物、CaAlSiO(OH,F)等のCaO−Al−SiO−HO−F系化合物が生成し、フッ素が固定化される。
【0029】
これらの反応は、製鋼スラグに、セメント物質および硫酸根を含む粉末を添加混合した後に、野積み状態としておくと、製鋼スラグ中に含まれる水分や、散水や降雨により供給される水分によって、常温でも進行する。さらに、加温したり、蒸気養生したりすることによって、これらの反応は促進され、フッ素の固定をより確実に行うことができる。蒸気養生する場合には、蒸気は温度の上昇手段だけでなく、水和反応を行わせるための反応物質としても機能する。さらに、これらの反応をオートクレーブ中で行うと100℃以上に加温しながら加圧できるため、一層確実にフッ素を固定化することができる。
【0030】
このように、フッ素溶出量低減効果は、セメント物質からエトリンガイトやモノサルフェートやCaO−SiO−HO−SO系化合物が生成する際に生じるものであり、これらを生成する反応が完了したセメント物質や、これらの反応に必要とされる量に満たない硫酸イオン量では、フッ素の固定化反応は十分進行しない。
【0031】
製品のセメントは粉体で、そのブレーン比表面積は2500〜5000cm/gであり、水の存在下でセメントから溶出したカルシウムイオン、アルミニウムイオン、シリコンイオンが硫酸イオンと接触することにより、簡単に、エトリンガイト生成反応、モノサルフェート生成反応、CaO−SiO−HO−SO系化合物の生成反応が進行する。これらの製品セメントと同じ程度の比表面積としたセメント原料を用いた場合にも、製品セメントと同様にエトリンガイト生成反応、モノサルフェート生成反応、CaO−SiO−HO−SO系化合物の生成反応が進行する。これらのことから、ブレーン比表面積が2500〜5000cm/gのセメントまたはセメント原料の少なくとも一方からなるセメント物質は、硫酸根を含む化合物と共に製鋼スラグに添加混合された場合に、速やかにエトリンガイト生成反応、モノサルフェート生成反応、CaO−SiO−HO−SO系化合物の生成反応が進行し、即効性のフッ素溶出量低減効果を得ることができる。なお、ここでいうブレーン比表面積とは、JIS R 5201に規定された比表面積試験法に準拠してブレーン空気透過装置により測定した比表面積の値をいう。
【0032】
一方、粗いセメント原料を用いる場合、エトリンガイト生成反応、モノサルフェート生成反応、CaO−SiO−HO−SO系化合物の生成反応がゆっくり進むことになるため、長期間これらの生成反応が持続する。したがって、製鋼スラグに添加混合したセメント物質のエトリンガイト生成反応、モノサルフェート生成反応、CaO−SiO−HO−SO系化合物の生成反応を遅らせて、フッ素溶出量低減効果を長期間持続させたい場合には、粒度の粗いセメント物質を添加する。
【0033】
ただし、セメント物質の粒度が5mmを超えるとエトリンガイト生成量、モノサルフェート生成量、CaO−SiO−HO−SO系化合物の生成量が少なくてフッ素溶出量低減効果が小さくなり、0.05mm未満ではフッ素溶出量低減効果の持続時間が短い。したがって、フッ素溶出量低減効果を長期間持続させるためには、セメント物質の粒度が0.05〜5mmであることが好ましい。セメント物質の粒度を0.15〜0.5mmとすると溶出量の経時変化が少なく、一層好ましい。
【0034】
硫酸根を含む粉末としては、例えば、ブレーン比表面積が4500cm/g以下の粒度のものを用いることができる。硫酸根を含む粉末の粒度はフッ素溶出量低減効果に影響を及ぼし、例えば、通常の製品石膏の粉末度であるブレーン比表面積1500〜4500cm/gの石膏は即効性のフッ素溶出量低減効果を奏し、粒度が0.15〜5mmの石膏は持続性のフッ素溶出量低減効果を奏する。しかし、硫酸根を含む粉末からの硫酸イオンの溶出速度は溶出液中の硫酸イオン濃度に大きく影響を受けるため、硫酸根を含む粉末の粒度は上記に制限されるものではない。
【0035】
セメント物質、および硫酸根を含む粉末の添加量は、コストおよび処理後のハンドリング性の観点から、製鋼スラグ100重量部に対して、セメント物質を30重量部以下、硫酸根を含む粉末を10重量部以下とすることが好ましい。一方、フッ素溶出量を有効に低減する観点からは、製鋼スラグ100重量部に対して、セメント物質を5重量部以上、硫酸根を含む粉末を1重量部以上とすることが好ましい。
【0036】
本実施形態において、セメント物質等を製鋼スラグに添加する方法としては、冷却したスラグに添加する方法と、製鋼工程で得られる溶融状態のスラグに添加する方法とが考えられ、いずれの場合もフッ素溶出量低減効果を得ることができる。しかし、溶融状態で添加混合した場合には、セメント物質とスラグとを混合する過程でスラグ中にセメント物質が平均的に溶解し、また、溶解しないで残ったセメント物質の粒子が平均的に分散することから、均一性が高い。このため、溶融状態で添加混合した方が、フッ素溶出量の低減効果はより長時間持続するので好ましい。
【0037】
また、冷却したスラグにセメント物質等を添加する場合には、さらに水和遅延剤を添加することによっても、フッ素溶出量低減効果をより長期間持続させることができるので、さらに水和遅延剤を添加することが好ましい。水和遅延剤としては、オキシカルボン酸塩、アルキルアミノリン酸塩、グルコン酸塩、しょ糖等が例示され、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。水和遅延剤の添加量は、スラグの種類、セメント物質および硫酸根を含む粉末の種類、水和遅延剤の種類によっても異なるが、硫酸根を含む粉末の10重量%以下とすることが好ましい。
【0038】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態においては、フッ素を含有する製鋼スラグに、石膏、およびアルミニウム系イオンを溶出する物質を添加することにより、製鋼スラグに含まれるフッ素の水中への溶出を低減する。
【0039】
ここでいうアルミニウム系イオンを溶出する物質とは、水と接触することにより、アルミニウムイオンやアルミン酸イオン等のアルミニウム系イオンを溶出する鉱物や化合物であり、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミン酸ソーダ等が例示され、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0040】
本実施形態におけるフッ素溶出量低減のメカニズムは、水の存在下において、製鋼スラグからはCa2+イオン、アルミニウム系イオンを溶出する物質からはpH値が5.1以上でAlO 2−イオンが溶出し、石膏からはCa2+イオンとSO 2−イオンが溶出する。これらの溶出イオンが石膏と反応してエトリンガイドおよびモノサルフェートを生成する際に、エトリンガイドおよびモノサルフェートの生成に寄与する硫酸基の一部がフッ素と置換または取り込まれることにより、エトリンガイドおよびモノサルフェート中にフッ素が固定化され、溶出液中のフッ素が低減するものである。エトリンガイドおよびモノサルフェートが生成する際にフッ素が固定される機構は、それぞれ、前記(1)式および(2)式で表される。
【0041】
例えば、石膏添加量を製鋼スラグ重量の10%とし、溶出液中のアルミニウムイオン濃度が300ppmとなるようにアルミニウム系イオンを溶出する物質を添加すると、フッ素溶出量を0.6mg/lまで低減することができる。このように本実施形態では、第一の実施形態におけるセメント物質よりも少量の石膏を添加することで、より高いフッ素溶出量低減効果を得ることができる。
【0042】
これらの反応は、製鋼スラグに、石膏およびアルミニウム系イオンを溶出する物質を添加混合した後に、野積み状態としておくと、製鋼スラグ中に含まれる水分や、散水や降雨により供給される水分によって、常温でも進行する。さらに、加温したり、蒸気養生したりすることによって、これらの反応は促進され、フッ素の固定をより確実に行うことができる。蒸気養生する場合には、蒸気は温度の上昇手段だけでなく、水和反応を行わせるための反応物質としても機能する。さらに、これらの反応をオートクレーブ中で行うと100℃以上に加温しながら加圧できるため、一層確実にフッ素を固定化することができる。
【0043】
石膏、およびアルミニウム系イオンを溶出する物質の添加量は、コストと処理後のハンドリング性の観点から、製鋼スラグ100重量部に対して、石膏は30重量部以下、アルミニウム系イオンを溶出する物質は10重量部以下とすることが好ましい。一方、フッ素溶出量を効果的に低減する観点からは、製鋼スラグ100重量部に対して、石膏の添加量は10重量部以上、アルミニウム系イオンを溶出する物質の添加量は1重量部以上とすることが好ましい。
【0044】
前記第1の実施の形態における場合と同様に、石膏の粒度はフッ素溶出量低減効果に影響を及ぼし、通常の製品石膏の粉末度であるブレーン比表面積1500〜4500cm/gの石膏は即効性のフッ素溶出量低減効果を奏し、粒度が0.15〜5mmの石膏は持続性のフッ素溶出量低減効果を奏する。しかし、前述したように、硫酸根を含む化合物からの硫酸イオンの溶出速度は溶出液中の硫酸イオン濃度に大きく影響を受けるため、硫酸根を含む化合物の粒度は、特に制限されるものではない。
【0045】
また、本実施形態においても、前記第1の実施形態と同様に、フッ素溶出量の低減効果をより長時間持続させるためには、溶融状態のスラグに石膏、およびアルミニウム系イオンを溶出する物質を添加することにより、スラグを安定化処理することが好ましい。ただし、この際に用いるアルミニウム系イオンを溶出する物質としては、結晶水を含まない硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ等が例示され、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0046】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態においては、フッ素を含有する製鋼スラグに、セメント物質および水和遅延剤を添加することにより、製鋼スラグに含まれるフッ素の水中への溶出を低減する。
【0047】
本実施形態は、セメント物質中に含まれるカルシウムアルミネート、カルシウムシリケートおよびカルシウムアルミニウムシリケートの水和反応を、水和遅延剤を添加することにより徐々に進行させ、これらが水和物になる際のフッ素イオンの取り込みを効率よく行わしめるものである。
【0048】
例えば、セメント物質中に含まれる3CaO・Al粉末が水共存下でフッ素イオンと反応してCaAl(OH)12−xが生成する場合、3CaO・Al粉末からカルシウムおよびアルミニウムが溶出してイオンとなる(4)式に示す反応と、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンがフッ素イオンと反応してCaAl(OH)12−xが生成する(5)式に示す反応が進行する。
【0049】
【化4】
Figure 0004585131
【0050】
あるいは、3CaO・Al粉末が直接フッ素イオンおよび水と反応してCaAl(OH)12−xが生成する(6)式に示す反応が進行する。
【0051】
【化5】
Figure 0004585131
【0052】
さらには、セメント物質中に含まれる3CaO・SiO粉末や2CaO・SiO粉末や2CaO・Al・SiO粉末が水共存下でフッ素イオンと反応して、例えばCa(SiO(OH,F)およびCaSi(OH)が生成する場合、まず3CaO・SiO粉末からカルシウムおよびシリコンが溶出してイオンとなる(7)式に示す反応と、2CaO・SiO粉末からカルシウムおよびシリコンが溶出してイオンとなる(8)式に示す反応と、2CaO・Al・SiO粉末からカルシウムおよびアルミニウムおよびシリコンが溶出してイオンとなる(9)式に示す反応が進行する。
【0053】
【化6】
Figure 0004585131
【0054】
その後に、カルシウムイオンおよびシリコンイオンがフッ素イオンと反応して、Ca(SiO(OH,F)が生成する(10)式に示す反応およびCaSi(OH,F)が生成する(11)式に示す反応が進行する。
【0055】
【化7】
Figure 0004585131
【0056】
また、カルシウムイオンおよびシリコンイオンおよびアルミニウムイオンがフッ素イオンと反応して、例えばCaAlSiO(OH,F)が生成する(12)式に示す反応が進行する。
【0057】
【化8】
Figure 0004585131
【0058】
水和遅延剤の添加により、(5)式、(6)式、および(10)〜(12)式に示した反応以外の、フッ素が関与しない水和反応は徐々に進行することとなり、結果的に(5)式、(6)式、および(10)〜(12)式に示すフッ素イオンの取り込みが効率よく起こることになる。
【0059】
セメント物質および水和遅延剤としては、前記第一の実施形態において説明したセメント物質および水和遅延剤を用いることができる。本実施形態におけるセメント物質の添加量は、製鋼スラグ100重量部に対して5〜30重量部とすることが好ましい。また、水和遅延剤の添加量は、スラグの種類、セメント物質の種類、水和遅延剤の種類によっても異なるが、セメント物質の重量に対して10%以下とすればよい。
【0060】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
本実施形態においては、フッ素を含有する製鋼スラグに、カルシウムアルミネートを含む粉末とともに水和遅延剤を添加することにより、製鋼スラグに含まれるフッ素の水中への溶出を低減する。
【0061】
本実施形態における反応機構は、前記第3の実施形態における反応機構と同様であり、水和遅延剤の添加により、(5)式および(6)式以外のフッ素が関与しない水和反応が徐々に進行することになり、結果的に(5)式あるいは(6)式で表されるフッ素イオンの取り込みが効率よく起こることになることで、説明される。
【0062】
カルシウムアルミネートを含む粉末としては、合成されたカルシウムアルミネート化合物、天然に産するアルミネート鉱物、カルシウムアルミネートを含む二次精錬スラグの1種または2種以上に由来する粉末を用いることができる。本発明では、「カルシウムアルミネート」とは、例えばCaO・Al、5CaO・3Al、12CaO・7Al、9CaO・5Al、2CaO・Al、3CaO・Al、3CaO・2Al・MgO、4CaO・Al・Fe、およびこれらの水和物等のうち1種または2種以上の混合物を意味する。
【0063】
本実施形態では、カルシウムアルミネートを含む粉末の平均粒径が2mmを超えると、水存在下において、これらの粉末と水との反応界面積が少なくなることにより、粉末からのCaイオンとAlイオンの供給が遅くなる。例えば3CaO・Al粉末の場合には(4)式の溶解反応が進行しにくくなり、結果的に(5)式の反応が進行しにくくなる。また、溶出液中のフッ素イオンとの反応界面積が小さくなることにより(6)式の反応が進行しにくくなるため、カルシウムアルミネートを含む粉末の平均粒径は2mm以下であることが望ましく、0.2mm以下であれば一層望ましい。一方、カルシウムアルミネートを含む粉末の平均粒径が0.02mm未満であると、取り扱いが面倒になるため0.02mm以上であることが望ましい。
【0064】
また、カルシウムアルミネートを含む粉末の量が多いほどフッ素の固定化効果は大きいが、処理コストを低減させるためには、製鋼スラグ100重量部に対して前記カルシウムアルミネートを含む粉末を20〜80重量部添加し、さらにカルシウムアルミネートを含む粉末の10重量%以下の水和遅延剤を添加することが好ましい。
【0065】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
本実施形態においては、溶融状態のフッ素を含有する製鋼スラグに、セメントおよびセメント原料の少なくとも一方からなるセメント物質を添加することにより、製鋼スラグに含まれるフッ素の水中への溶出を低減する。
【0066】
前述したように鉄鋼スラグにセメント物質のみを添加混合する処理では、セメント物質を多量に必要とし、このためコストが高く、処理後のハンドリング性が悪くなるおそれがあるが、溶融状態の鉄鋼スラグにセメント物質のみを添加混合した場合には、セメント物質を均一に分散させることによりセメント物質の必要量を低減することができ、これらの問題を改善することができる。
【0067】
この場合に用いるセメント物質としては、前記第1の実施形態において説明したセメント物質を用いることができ、その添加量は、セメント物質100重量部に対して、5〜30重量部とすることが好ましい。
【0068】
上記第1〜5の実施形態のいずれかの処理を施した製鋼スラグは、水と接触した場合に溶出するフッ素が低減されているので、環境を汚染することなく、土中埋設用材料または港湾土木用材料として利用することができる。
【0069】
なお、本発明における製鋼スラグとしては、製鋼工程で発生する溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ、および二次精錬スラグ等が例示され、これらのうち少なくとも1種を用いることができる。
【0070】
【実施例】
[実施例1]
溶銑予備処理脱リンスラグ(粒度:30mm以下、スラグ保有水分:6%)に、表1に示す量の普通ポルトランドセメント(粒度0.05〜0.15mm)および石膏(ブレーン比表面積4500cm/g)を添加混合する処理を施し、処理後のスラグを2mm以下に粉砕し、平成3年環境庁告示第46号によるフッ素溶出試験を行い、フッ素溶出量を測定した。結果を表1に併せて示す。
【0071】
【表1】
Figure 0004585131
【0072】
表1より、溶銑予備処理脱リンスラグにポルトランドセメントおよび石膏を添加混合した場合には、ポルトランドセメントのみを添加した場合よりも効果的にフッ素溶出量を低減することができることがわかる。例えば、製鋼スラグからのフッ素溶出量を0.8mg/L以下まで低減するためには、セメント物質のみを添加した場合には製鋼スラグ100重量部に対して40重量部のポルトランドセメントが必要であったのに対し、セメント物質とともに石膏を製鋼スラグに添加した場合には製鋼スラグ100重量部に対してポルトランドセメントを20重量部および石膏3重量部添加することで達成可能である。また、製鋼スラグ100重量部に対してポルトランドセメントを15重量部および石膏を5重量部添加した場合にも、製鋼スラグからのフッ素溶出量は0.8mg/L以下まで低減することができ、同じセメント添加量で石膏添加量をさらに10重量部まで増加させた場合にはフッ素溶出量を0.56mg/Lまで低減することができた。
【0073】
[実施例2]
溶銑予備処理脱リンスラグ(粒度:30mm以下、スラグ保有水分:6%)100重量部に対して、普通ポルトランドセメント(粒度0.05〜0.15mm)20重量部および石膏(ブレーン比表面積4500cm/g)3重量部を添加混合し、さらに適量の水を加えて混練し、養生なし、25℃で1週間養生、80℃の恒温室で48時間養生、120℃のオートクレーブ内で6時間養生のそれぞれの条件で処理を施し、処理後のスラグを2mm以下に粉砕し、平成3年環境庁告示第46号によるフッ素溶出試験を行い、フッ素溶出量を測定した。結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
Figure 0004585131
【0075】
表2に示すように、養生なしの場合のフッ素溶出量は0.7mg/Lであったが、25℃で1週間養生するとフッ素溶出量は0.55mg/Lまで低下した。また、温度を高くするとより短い養生期間で溶出量を低減することができた。
【0076】
[実施例3]
溶銑予備処理脱リンスラグ100重量部に対して、0.05〜0.15mm、0.15〜0.5mm、0.5〜1.0mm、1.0〜2.0mmおよび2.0〜5.0mmの粒度に調整したポルトランドセメントまたはセメントクリンカー15重量部、および石膏(ブレーン比表面積4500cm/g)10重量部を添加混合する処理を行い、処理後のスラグを採取して平成3年環境庁告示46号に従って、6時間振とうする試験を行い、フッ素溶出量を測定した。スラグの処理に用いたポルトランドセメントまたはセメントクリンカーの粒度と、フッ素溶出量との関係を図1に示す。
【0077】
図1より、いずれの粒度のセメント物質を添加した場合も、スラグからのフッ素溶出量は大きく低減しており、特にポルトランドセメントまたはセメントクリンカーの粒度が1.0mm以下の場合には、フッ素溶出量を0.8mg/L以下まで低減することができることがわかる。
【0078】
スラグの処理にポルトランドセメントを用いた場合の溶出試験について、さらに24時間まで振とうを行った場合のフッ素溶出量を測定した。この場合におけるスラグの処理に用いたポルトランドセメントの粒度と、フッ素溶出量との関係を図2に示す。図2に示すように、ポルトランドセメントの粒度が5.0mm以下の場合にフッ素溶出量を0.8mg/L以下まで低減することができている。これは、長時間の振とうでは、粗大なセメント粒子からカルシウム、アルミニウム、シリコンが徐々に溶出するため、フッ素イオンが徐々にエトリンガイトやモノサルフェートやCaO−SiO−HO−SO系化合物中に取り込まれるためである。図2より、セメント物質によるフッ素の固定化効果は長期にわたって持続することがわかる。
【0079】
[実施例4]
溶銑予備処理脱リンスラグ100重量部に、0.05〜0.15mmの粒度のポルトランドセメントまたはセメントクリンカー15重量部を添加し、さらにブレーン比表面積1500cm/g、3000cm/g、4500cm/gおよび5500cm/gのいずれかの粒度に調整した石膏10重量部を添加して混合する処理を行った。処理後のスラグを採取し、平成3年環境庁告示46号に従って、6時間振とうする試験を行い、フッ素溶出量を検出した。スラグの処理に用いた石膏の粒度と、得られたフッ素溶出量との関係を図3に示す。
【0080】
図3より、いずれの粒度の石膏を添加した場合も、フッ素溶出量を0.8mg/L以下まで低減させることができており、このことからフッ素溶出量は石膏粒度には大きく影響を受けないことがわかる。
【0081】
[実施例5]
転炉スラグ100重量部に、セメント物質として0.05〜0.15mmの粒度のポルトランドセメント15重量部、硫酸根を含む粉末としてブレーン比表面積が4500cm/gの石膏10重量部を添加混合する処理、および、さらに水和遅延剤としてオキシカルボン酸塩0.2または1.0重量部を添加して混合する処理を行った。なお、オキシカルボン酸塩は、あらかじめ水20部に溶解したものを用いた。それぞれの処理後のスラグを採取し、平成3年環境庁告示46号に従って、6時間振とうする試験を行い、フッ素溶出量を検出した。また、24時間および72時間振とうする試験も行い、同じくフッ素溶出量を測定した。それぞれの場合における振とう時間とフッ素溶出量との関係を図4に示す。図4より、水和遅延剤を添加しなかった場合には振とう時間とともにフッ素溶出量が上昇するが、水和遅延剤を添加した場合にはフッ素溶出量の上昇を抑制することができることがわかる。
【0082】
[実施例6]
転炉スラグ、電気炉スラグまたは二次精錬スラグに、表3に示す量の石膏(ブレーン比表面積1500cm/g)、および硫酸アルミニウム(ブレーン比表面積1500cm/g)を添加混合する処理を行なった。処理後のスラグについて、平成3年環境庁告示46号に従ってフッ素溶出試験を行い、フッ素溶出量を測定した。その結果を表3に併せて示す。
【0083】
【表3】
Figure 0004585131
【0084】
表3より、製鋼スラグ100重量部に対して、石膏を5〜30重量部、アルミニウム系イオンを溶出する物質を1〜15重量部添加することにより、フッ素溶出量を0.6mg/L以下まで低減させることができることがわかる。
【0085】
[実施例7]
転炉スラグ100重量部に対して、石膏(ブレーン比表面積1500cm/g)10重量部、および硫酸アルミニウム(ブレーン比表面積1500cm/g)5重量部を添加混合し、さらに適量の水を加えて混練し、養生なし、25℃で1週間養生、80℃の恒温室で48時間養生、120℃のオートクレーブ内で6時間養生のそれぞれの条件で処理を施し、処理後のスラグを2mm以下に粉砕し、平成3年環境庁告示第46号によるフッ素溶出試験を行い、フッ素溶出量を測定した。結果を表4に示す。
【0086】
【表4】
Figure 0004585131
【0087】
表4に示すように、養生なしの場合のフッ素溶出量は0.48mg/Lであったが、25℃で1週間養生するとフッ素溶出量は0.33mg/Lまで低下した。また、温度を高くするとより短い養生期間で溶出量を低減することができた。
【0088】
[実施例8]
溶銑予備処理脱リンスラグ100重量部に、粒度0.05〜0.15mmのポルトランドセメント40重量部と、表5に示す量の水和遅延剤(オキシカルボン酸塩)を添加し、混合する処理を行なった。なお、水和遅延剤はあらかじめ水20部に溶解したものを用いた。処理後のスラグについて、平成3年環境庁告示46号によるフッ素溶出試験(6時間振とう)を行い、フッ素溶出量を測定した結果と、72時間振とうした後のフッ素溶出量の測定結果とを表5に併せて示す。
【0089】
【表5】
Figure 0004585131
【0090】
表5に示すように、水和遅延剤を添加することにより、ポルトランドセメントのみで処理した場合よりもフッ素溶出量低減効果が長期持続することがわかる。また、水和遅延剤の効果は4重量部で飽和していることから、ポルトランドセメント40重量部に対して水和遅延剤は4重量部で十分であることがわかる。
【0091】
[実施例9]
溶銑予備処理脱リンスラグ100重量部に、粒度0.1mm以下の3CaO・Al合成化合物または粒度0.1mm以下の二次精錬スラグを30重量部、表6に示す量の水和遅延剤(オキシカルボン酸塩系)を添加し、平成3年環境庁告示46号で規定された溶出試験(6時間振とう)を行った。また、72時間振とうする試験も行った。それぞれの試験後のフッ素溶出量の測定結果を表6に示す。
【0092】
【表6】
Figure 0004585131
【0093】
表6より、3CaO・Al合成化合物のみまたは二次精錬スラグのみで処理した場合よりも、水和遅延剤を添加することによりフッ素溶出量低減効果が長期持続することがわかる。また、水和遅延剤の効果は3重量部で飽和していることから、3CaO・Al合成化合物または二次精錬スラグ30重量部に対して水和遅延剤は3重量部で十分であることがわかる。
【0094】
[実施例10]
溶銑鍋中で溶融している溶銑予備脱リンスラグ100重量部に、表7に示す量のセメントを添加し、機械的撹拌する処理を行った後に、スラグヤードに排滓し、凝固させた。また、凝固後の溶銑予備脱リンスラグ100重量部に、表7に示す量のセメントを添加混合する処理を行なった。それぞれの処理後のスラグを採取し、平成3年環境庁告示46号で規定された溶出試験を行った後、フッ素溶出量を測定した。結果を表7に併せて示す。
【0095】
【表7】
Figure 0004585131
【0096】
表7より、溶融状態のスラグにポルトランドセメントを添加混合した場合の方が、フッ素溶出量は低くなっており、また、フッ素溶出量の低減効果がより長時間持続することがわかる。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、セメントン物質、石膏、硫酸根を含む粉末、アルミニウム系イオンを溶出する物質等、水和遅延剤等から選ばれる所定の組み合わせからなり、安価かつ成分組成の安定した処理剤を用いて製鋼スラグに含まれるフッ素を安定化することにより、フッ素の溶出量を長期間にわたって確実に低減させることができる。特に、石膏にアルミニウム系イオンを溶出する物質を加えた処理剤を用いる場合には、極めて少量の処理剤の添加によりフッ素溶出量を0.8mg/l以下に低減することが可能である。また、本発明によれば、セメント物質、または、二次精錬スラグやカルシウムアルミネートの合成化合物等のカルシウムアルミネートを含む粉末とともに水和遅延剤を処理剤として用いることによって、カルシウムアルミネートの水和反応を遅らせて、フッ素溶出量低減効果を長時間持続させることができる。さらに本発明によれば、製鋼スラグにこれらの処理を施してフッ素を安定化して、道路材、土木材料、土中埋設用材料、港湾土木用材料等とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3におけるセメント物質の粒度と6時間振とうした後のフッ素溶出量との関係を示すグラフ。
【図2】実施例3におけるセメント物質の粒度と24時間振とうした後のフッ素溶出量との関係を示すグラフ。
【図3】実施例4における石膏の粒度とフッ素溶出量との関係を示すグラフ。
【図4】実施例5における振とう時間とフッ素溶出量との関係を示すグラフ。

Claims (16)

  1. フッ素を含有する製鋼スラグに、セメントおよびセメント原料の少なくとも一方からなるセメント物質、および硫酸根を含む粉末を添加混合し、さらに、水和遅延剤を、前記硫酸根を含む粉末の10重量%以下添加混合した後、水の存在下で反応させて製鋼スラグからのフッ素溶出を抑制し、製鋼スラグを安定化することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
  2. 前記反応を水の存在下で加温して行うか、または、蒸気養生下で行うことを特徴とする請求項1に記載の製鋼スラグの処理方法。
  3. 前記反応を水の存在下でオートクレーブを用い、100℃以上に加温、加圧して行うことを特徴とする請求項1に記載の製鋼スラグの処理方法。
  4. 前記セメント物質の粒度は0.05〜5mmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製鋼スラグの処理方法。
  5. 前記製鋼スラグ100重量部に対して、前記セメント物質を5〜30重量部とし、前記硫酸根を含有する粉末を1〜10重量部とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の製鋼スラグの処理方法。
  6. 前記硫酸根を含む粉末のブレーン比表面積は4500cm/g以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の製鋼スラグの処理方法。
  7. 前記製鋼スラグは溶融状態であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の製鋼スラグの処理方法。
  8. フッ素を含有する製鋼スラグに、セメントおよびセメント原料の少なくとも一方からなるセメント物質および水和遅延剤を添加混合して製鋼スラグからのフッ素溶出を抑制し、製鋼スラグを安定化することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
  9. 前記セメント物質を前記製鋼スラグ100重量部に対して5〜30重量部とし、前記水和遅延剤を前記セメント物質の10重量%以下とすることを特徴とする請求項に記載の製鋼スラグの処理方法。
  10. フッ素を含有する製鋼スラグに、カルシウムアルミネートを含有する粉末および水和遅延剤を添加混合して製鋼スラグからのフッ素溶出を抑制し、製鋼スラグを安定化することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
  11. 前記カルシウムアルミネートを含有する粉末は、合成品、天然鉱物、および二次精錬スラグのうちの1種または2種以上であることを特徴とする請求項10に記載の製鋼スラグの処理方法。
  12. 前記カルシウムアルミネートを含有する粉末の粒度は2mm以下であることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の製鋼スラグの処理方法。
  13. 前記製鋼スラグ100重量部に対して前記カルシウムアルミネートを含有する粉末を20〜80重量部とし、前記水和遅延剤を前記カルシウムアルミネートを含有する粉末の10重量%以下とすることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の製鋼スラグの処理方法。
  14. 前記製鋼スラグは、製鋼工程で発生する溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ、および二次精錬スラグのうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の製鋼スラグの処理方法。
  15. フッ素を含有する製鋼スラグに、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の処理を施し、土中埋設用材料とすることを特徴とする土中埋設用材料の製造方法。
  16. フッ素を含有する製鋼スラグに、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の処理を施し、港湾土木用材料とすることを特徴とする港湾土木用材料の製造方法。
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