JP4582905B2 - 酸化繊維シート、圧縮酸化繊維シート、それらの製造方法、及び炭素繊維シートの製造方法 - Google Patents

酸化繊維シート、圧縮酸化繊維シート、それらの製造方法、及び炭素繊維シートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアクリロニトリル(PAN)系酸化繊維シート、それを圧縮処理した圧縮酸化繊維シート、これらの製造方法、及び炭素繊維シートの製造方法に関する。本発明の炭素繊維シートは、嵩密度が高く、従って薄く形成でき、厚さ方向の導電性および賦形性に優れ、アース接地材料、電池電極材等の通電材料として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
通電性を有し、耐腐食性に優れた特性を有するシート状の炭素材料をアース接地材料や電池電極材用に用いる応用開発が進められている。このような用途の炭素材料に要求される特性として、厚さ方向の電気抵抗値が小さいことがある。
【0003】
また、特に電池電極材として用いられる場合、電池が小型化、軽量化できるように、炭素材料自体の厚さが薄くなると共に高嵩密度化される必要がある。更にこの事は、炭素材料の厚さ方向の電気抵抗値の減少にも関係しており、これも炭素材料に要求される重要な特性の一つである。
【0004】
従来、このような用途を有する炭素材料として、炭素成形体、炭素繊維織物、炭素繊維不織布等が知られている。
【0005】
シート状で高嵩密度の炭素成形体としては、炭素繊維チョップを抄造した後、フェノール樹脂等でバインディングし、シート化し、更にこのものを炭素化することにより得られる炭素繊維強化炭素製シート(C/Cペーパー)が知られている(特許第2584497号公報、特開平8−180879号公報)。このシートは、金型を用いたプレス成形によって成形されるため、厚さ精度と表面平滑性に優れている反面、柔軟性が乏しく、ローラー等の曲げを必要とする工程を通すことが出来ない。このため、長いシートを使用する様な用途には不向きである。
【0006】
さらに、前記シートは柔軟性に乏しいため巻物状に出来ず、その保管時には適当な寸法に裁断せざるを得ず、やはり連続的に使用する用途には不向きである。また、脆性が高いことから、運搬や加工の際に生じる衝撃等により、容易に破損が起きる。さらに、製造コストが高く、通電材料として大量に用いられる場合は、高価なものになる問題がある。
【0007】
柔軟性を持ったシート状炭素材料としては、炭素繊維織物が知られている。織物には、フィラメント織物(特開平4−281037号公報、特開平7−118988号公報)と、紡績糸織物(特開平10−280246号公報)とがある。これらは、巻物状にできる程度に柔らかく、保管や連続的に用いる用途において取扱い性が良いことが、その特徴の一つとして挙げられる。
【0008】
フィラメント織物は種々のフィラメント数の炭素繊維束を用いて織物形態にされたものである。このフィラメント織物は、炭素繊維軸方向の大部分が織物面方向と平行であるため、織物面方向の電気抵抗値は低いが、厚さ方向の電気抵抗値は高い問題がある。
【0009】
一方、紡績糸織物としては、PAN系酸化繊維紡績糸を織物状に加工し、これを焼成することにより炭素繊維紡績糸織物としたものが知られている。この様な炭素繊維紡績糸織物は、一般的に炭素繊維フィラメント織物に比べ柔軟である。また、紡績糸には撚りがかかっているため、織物の両表面に電極を接触させて通電材料として用いた場合、両電極に接触する単繊維の数が炭素繊維フィラメント織物よりも多く、結果として厚さ方向の電気抵抗値の低い材料を得ることが期待できる。また、製造コスト的にも、前記C/Cペーパーに比べて安価である。
【0010】
しかしながら、これまでの炭素繊維紡績糸織物は一般的に嵩密度が低く、更に厚さ方向の電気抵抗値も前記C/Cペーパーよりも低いものの、導電性が要請される用途に対しては依然として電気抵抗値は高いものと言える。
【0011】
また、紡績糸織物として、PAN系炭素繊維を所定の長さに切断し、これを製織した炭素繊維織物が提案されている(特開平10−280246号公報)。しかし、この方法による場合は高嵩密度のものは得られず、また圧縮加工すると微粉砕化してしまう難点がある。
【0012】
炭素繊維織物と同等に柔軟で取扱い性の良い炭素材料として、炭素繊維不織布が挙げられる。このものは、打抜き加工時の形状をC/Cペーパーや炭素繊維織物に比べて保持しやすく、更にそれらに比べて製造工程が複雑でなく、安価なものを得やすいという利点がある。また、柱状流処理(ウオータージェット)により作製された不織布や、ニードルパンチによって作製されたフェルトは、繊維軸方向が厚さ方向を向いた繊維がC/Cペーパーに比べて多く、結果としてC/Cペーパーよりも厚さ方向の電気抵抗値が小さくなることが期待される。
【0013】
しかしながら、従来の炭素繊維不織布は一般的に嵩密度が低く、厚さ方向の電気抵抗値が高いものであった。
【0014】
クリンプのかかった炭素繊維からなる炭素繊維紡績糸織物や炭素繊維不織布等の炭素繊維シートにおいて高嵩密度のものを得る場合、炭素繊維の脆性が高いため、炭素繊維シートに圧力処理を施す等の加工は困難である。従って、高嵩密度の炭素繊維シートを得るためには、その前駆体である酸化繊維シートに加工を施すことにより高嵩密度化し、そのものを焼成する必要がある。しかしながら、これまでの酸化繊維シートは嵩密度の低いものであった。例えば、特開平9−119052号公報には、酸化繊維でウェブを形成し、これをウオータージェット処理する酸化繊維不織布の製造方法が記載されている。しかし、この方法で得られる不織布は高嵩密度のものが得られていない。
【0015】
特表平9−511802号公報には、熱可塑性ポリマー組成物の内部コア領域及びそれを取囲む熱硬化性炭素質材料の外部被覆領域を含む二領域安定繊維を用いて織物やフェルトを製造する技術が記載されている。この二領域安定繊維は外部被覆領域が完全に炭化した繊維で、比重も比較的低く、1.20〜1.32である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題を解決するために、本発明者等は酸化繊維紡績糸や酸化繊維シートの仕様を検討し、さらに酸化繊維シートに樹脂処理や圧力処理を施すことを検討した。その結果、従来よりも高嵩密度で、適度な柔軟性があり、厚さ方向の電気抵抗値の低い炭素繊維シートを製造できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0017】
従って、本発明の目的とするところは、アース接地材料や電池電極材等の通電材料の用途に好適であって、高嵩密度で、適度な柔軟性があり、厚さ方向の電気抵抗値が小さく、賦形性に優れた炭素繊維シートを製造することのできる酸化繊維シート、前記酸化繊維シートを圧縮処理した圧縮酸化繊維シート、それらの製造方法、及び炭素繊維シートの製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決する本発明は、以下に記載するものである。
【0019】
〔1〕 繊維密度1.36〜1.44g/cm3、結節強度0.5〜1.8g/dtex、結節伸度5%以上、コア率33〜70%のポリアクリロニトリル系酸化繊維からなることを特徴とする酸化繊維シート。
【0020】
〔2〕 繊維密度1.36〜1.44g/cm3、結節強度0.5〜1.8g/dtex、結節伸度5%以上、コア率33〜70%のポリアクリロニトリル系酸化繊維からなり、嵩密度が0.31〜0.59g/cm3であることを特徴とする酸化繊維シート。
【0021】
〔3〕 繊維密度1.36〜1.44g/cm3、結節強度0.5〜1.8g/dtex、結節伸度5%以上、コア率33〜70%のポリアクリロニトリル系酸化繊維からなるシートを150〜300℃の温度で10〜100MPaの圧力で厚さ方向に圧縮処理する事を特徴とする、嵩密度が0.31〜0.59g/cm3の酸化繊維シートの製造方法。
【0022】
〔4〕 繊維密度1.36〜1.44g/cm3、結節強度0.5〜1.8g/dtex、結節伸度5%以上、コア率33〜70%のポリアクリロニトリル系酸化繊維からなるシートに0.2〜10.0質量%の樹脂を付着させ、次いで150〜300℃の温度で10〜100MPaの圧力で厚さ方向に圧縮処理する事を特徴とする、嵩密度が0.31〜0.59g/cm3の酸化繊維シートの製造方法。
【0023】
〔5〕 繊維密度1.36〜1.44g/cm3、結節強度0.5〜1.8g/dtex、結節伸度5%以上、コア率33〜70%のポリアクリロニトリル系酸化繊維からなるシートを150〜300℃の温度で10〜100MPaの圧力で厚さ方向に圧縮処理をして酸化繊維シートを得、その後酸化繊維シートを不活性ガス雰囲気下で熱処理することを特徴とする、炭素繊維のX線結晶子サイズが1.3〜3.5nmの炭素繊維シートの製造方法。
【0024】
〔6〕 繊維密度1.36〜1.44g/cm3、結節強度0.5〜1.8g/dtex、結節伸度5%以上、コア率33〜70%のポリアクリロニトリル系酸化繊維からなるシートに0.3〜5.0質量%の樹脂を付着させ、次いで150〜300℃の温度で10〜100MPaの圧力で厚さ方向に圧縮処理をして酸化繊維シートを得、その後酸化繊維シートを不活性ガス雰囲気下で熱処理することを特徴とする、炭素繊維のX線結晶子サイズが1.3〜3.5nmの炭素繊維シートの製造方法。
【0025】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0026】
【発明の実施の形態】
(プリカーサー)
本発明の酸化繊維シート等の製造原料になるプリカーサーは、PAN系繊維である。PAN系繊維は、アクリロニトリルモノマー単位を90〜98質量%、コモノマー単位を2〜10質量%含有するものが好ましい。コモノマーとしては、アクリル酸メチルエステル、アクリルアミド、イタコン酸等のビニルモノマーが例示できる。
【0027】
プリカーサーの繊度は、0.6〜3.3dtexが好ましく、特に0.7〜3.0dtexが好ましい。繊度が0.6dtex未満の場合は、耐炎化処理時に蓄熱切断が生じやすい。また繊度が3.3dtexを超える場合は、耐炎化処理に長時間を要し、酸化繊維の強度が劣化する。
【0028】
(酸化繊維の製造)
本発明においては、上記プリカーサーを耐炎化処理してPAN系酸化繊維を製造するものである。
【0029】
耐炎化処理は、空気中で初期酸化温度220〜250℃で10分間酸化処理後、昇温速度0.2〜0.9℃/分で、最高温度250〜280℃まで加熱し、この温度で5〜30分間保持する条件が好ましい。
【0030】
上記プリカーサーの耐炎化処理により、以下に示す性状のPAN系酸化繊維を製造するものである。
【0031】
繊度
酸化繊維の繊度は0.8〜4.4dtexが好ましく、より好ましくは1.0〜3.3dtexである。繊度が0.8dtex未満の場合、単繊維の糸強力が低く、紡績加工時に糸切れを生じ、また繊維の収束(分散性の低下)を生じ、加工性が低下する。繊度が4.4dtexを超える場合、耐炎化処理時に後述するコア率が規定値を超えて増大しやすい。更に、後述する炭素繊維シート化する際の炭素化処理時に微粉末が多量に発生するので好ましくない。繊度は製造原料のプリカーサーの繊度、耐炎化処理時のリラックス条件等により調節できる。
【0032】
繊維密度
酸化繊維の密度は、1.36〜1.44g/cm3が好ましく、1.37〜1.43g/cm3がより好ましい。繊維密度が1.36g/cm3未満の場合、後述する圧縮酸化繊維シートの焼成時に炭素繊維微粉末が発生し易く、また得られる炭素繊維シートの強度も低下する。繊維密度が1.44g/cm3を超える場合、酸化繊維の単繊維強度及び伸度が低下し、酸化繊維を用いて酸化繊維シートを製造する際の加工性が低下する。
【0033】
クリンプ率
酸化繊維のクリンプ率は8〜16%が好ましい。クリンプ率がこの範囲外にある場合、酸化繊維シートを製造する際の繊維の分散性、目付、厚さ等の特性むらが生じやすい。
【0034】
クリンプ数
酸化繊維のクリンプ数は2.4〜5.5ヶ/cmが好ましい。クリンプ数が2.4ヶ/cm未満の場合、シート状に加工することが困難になる。またクリンプ数が5.5ヶ/cmを超える場合、単繊維強度が低下し、クリンプ加工時に繊維切れが生じやすい。
【0035】
乾強度
酸化繊維の乾強度は0.9g/dtex以上が好ましい。0.9g/dtex未満の場合、酸化繊維シートの製造時の加工性が低下する。
【0036】
乾伸度
乾伸度は8%以上が好ましい。乾伸度が8%未満の場合は、酸化繊維シートの製造時の加工性が低下する。
【0037】
結節強度
酸化繊維の結節強度は0.5〜1.8g/dtexが好ましい。結節強度が0.5g/dtex未満の場合、酸化繊維シートの製造時の加工性が低下し、更に得られる酸化繊維シート及び炭素繊維シートの強度が低下する。また結節強度が1.8g/dtexを超えるものは、その製造自体が困難である。
【0038】
結節伸度
酸化繊維の結節伸度は5〜15%が好ましい。結節伸度が5%未満の場合、酸化繊維シートの製造時の加工性が低下し、更に得られる酸化繊維シート及び炭素繊維シートの強度が低下する。また結節伸度が15%を超えるものは、その製造自体が困難である。
【0039】
燐含有量
酸化繊維中の燐の含有量は30〜400ppmが好ましく、50〜350ppmがより好ましい。燐含有量が30ppm未満の場合、圧縮酸化繊維シートの炭素化処理時に繊維強度が低下し、炭素繊維微粉末が発生する。また、燐含有量が400ppmを超える場合は、プリカーサーの耐炎化処理時に、プリカーサー同士の膠着が起り、このため酸化繊維の繊維性能が低下し、酸化繊維シートを製造する際の加工性が低下する。更に、酸化繊維のコア率が増加し、コア率を70%以下に制御することが困難になる。
【0040】
燐の含有量はプリカーサーを製造する際に添加する燐系紡糸オイル量、又は酸化繊維を製造する際に添加する燐系オイルにより調整できる。
【0041】
コア率
酸化繊維のコア率は33〜70%が好ましく、より好ましくは35〜65%である。なお、コア率の算出方法は後述する。
【0042】
コア率が33%未満の場合は、乾強度、乾伸度、結節強度、結節伸度が低下する。また、後述する酸化繊維シートの圧縮処理効果が低減する。コア率が70%を超える場合は、乾強度、乾伸度、結節強度、結節伸度が増加し、酸化繊維シートの圧縮処理効果が増大するが、炭素化処理時に繊維強度が低下し、炭素繊維の微粉末が多量に発生する。
【0043】
コア率の調節は、プリカーサーの耐炎化処理時の初期酸化温度、昇温速度、及び燐の添加量の調節により行う。初期酸化温度及び昇温速度の増加に伴いコア率が増加する。
【0044】
(酸化繊維シートの製造)
本発明においては、上記PAN系酸化繊維を用いて酸化繊維シートを製造するものである。
【0045】
シートの種類としては、不織布シート、フェルトシート、紡績糸織物シート等が例示できる。
【0046】
シートの厚さは0.3〜20.0mmが好ましい。シートの厚さが0.3mm未満の場合、圧縮効果が発揮できず、高嵩密度のものが得られない。また、シートの厚さが20.0mmを超える場合、厚さ方向の電気抵抗値が高くなる。
【0047】
シートの嵩密度は0.07〜0.25g/cm3が好ましく、0.08〜0.23g/cm3がより好ましい。嵩密度が0.07g/cm3未満の場合は、目標とする炭素繊維シートの嵩密度が得られない。また0.25g/cm3を超える場合は炭素繊維シートの強度低下や、目標とする柔軟性が得られない。
【0048】
シートの製造方法としては、それ自体当業者に公知の酸化繊維シ−トの製造方法を適宜採用できる。
【0049】
(圧縮酸化繊維シートの製造)
本発明においては、次いで上記酸化繊維シートに必要により樹脂を付着させる。樹脂処理を施した後、又は樹脂処理を施すことなく、厚さ方向に圧縮処理を施し、これにより圧縮酸化繊維シートを得る。
【0050】
樹脂処理を施すことで、樹脂処理を施さない場合に比べて圧縮効果がより効果的となるため、より薄くて高嵩密度の酸化繊維シートを得ることができる。また、一般的に、圧縮処理を施した酸化繊維シートは炭素化時に厚さ方向に膨張するが、樹脂処理を施すことにより、この膨張を抑制することができる。結果として、これらの効果によって、より薄くて嵩密度の高い炭素繊維シートを得ることができる。
【0051】
上記酸化繊維シートに樹脂を付着させる樹脂処理方法としては、所定濃度の樹脂浴に酸化繊維シートを浸漬させた後乾燥させることにより、樹脂を0.2〜10.0質量%、より好ましくは0.3〜8.0質量%付着させる方法が例示できる。樹脂浴の濃度としては、0.1〜5.0質量%が例示できる。樹脂付着量が0.2質量%未満の場合は、樹脂の添加効果が無い。10.0質量%を超える場合は、次工程の焼成時に硬くなり、柔軟性が失われ、微粉末が発生する。
【0052】
樹脂は、圧力処理時に酸化繊維同士を接着する能力を持つものであり、例えばポリビニルアルコール(PVA)、酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、カルボキシメチルセルローズ(CMC)等のセルロース系誘導体が挙げられる。これらのうち、圧力処理時の粘性が高く、接着能力が高いPVA、CMC、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸エステルが特に好ましい。
【0053】
次いで、このようにして樹脂処理をした酸化繊維シートに、厚さ方向に圧縮処理を施す。
【0054】
圧縮処理を施す方法としては、ホットプレスやカレンダーローラー等を用いて圧縮する方法が例示できる。
【0055】
圧縮処理温度は、150〜300℃が好ましく、より好ましくは170〜250℃である。圧縮処理温度が150℃未満の場合、圧縮処理が不十分で、圧縮効果が低く、高嵩密度の圧縮酸化繊維シートを得ることが出来ない。また、280℃を超える場合、得られる圧縮酸化繊維シートの強度低下が起きる。
【0056】
圧縮処理圧力は、10〜100MPaが好ましく、より好ましくは15〜90MPaである。圧縮処理圧力が10MPa未満の場合は圧縮効果が低く、高嵩密度の圧縮酸化繊維シートを得ることが出来ない。また、圧縮処理圧力が100MPaを超える場合、圧縮効果が高すぎるため単繊維の損傷が生じ、得られる圧縮酸化繊維シートの強度低下が起きる。その結果、次の炭素化工程において、連続炭素化処理が困難になる。
【0057】
このようにして製造した圧縮酸化繊維シートの嵩密度は0.31〜0.59g/cm3が好ましく、特に0.32〜0.57g/cm3が好ましい。嵩密度が0.31g/cm3未満の場合、得られる炭素繊維シートの通電性が低下する。また、嵩密度が0.59g/cm3を超える場合、得られる圧縮酸化繊維シートは硬くなり、適度の柔軟性がないので炭素化処理加工が困難になる。
【0058】
酸化繊維シートの圧縮処理時間は、上記条件において好ましくは3分間以内、より好ましくは0.1秒〜1分間である。3分間よりも長時間圧縮処理を行っても、厚さ低減効果はそれほど変わらず、かえって繊維の損傷が激しくなる。
(炭素繊維シートの製造)
本発明においては、次いで上記方法で製造した圧縮酸化繊維シートを、圧縮圧力を加えることなく、又は加えながら焼成し、PAN系炭素繊維シートを得るものである。
【0059】
焼成は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気下、1300〜2500℃で行う。なお、昇温速度は200℃/分以下が好ましく、170℃/分以下がより好ましい。昇温速度が200℃/分を超える場合、X線結晶子サイズの成長速度は向上するが、繊維強度が低下し、炭素繊維の微粉末が多量に発生し易くなる。
【0060】
最高温度での滞留時間は30分間以内が好ましく、特に0.5〜20分程度が望ましい。
【0061】
炭素繊維シート
このようにして製造した炭素繊維シートの厚さは0.15〜10.0mm、炭素繊維シートの嵩密度は0.19〜0.45g/cm3で、より好ましくは0.21〜0.43g/cm3である。
【0062】
X 線結晶子サイズ
炭素繊維シートを構成する炭素繊維のX線結晶子サイズは1.3〜3.5nmである。結晶子サイズが1.3nm未満の場合、前記厚さ0.15〜10.0mmの範囲にある炭素繊維シートの厚さ方向の電気抵抗値が増加する。厚さ方向の抵抗値は6.0mΩ以下が好ましく、より好ましくは4.5mΩ以下である。また、結晶子サイズが3.5nmを超える場合、炭素単繊維の導電率は高くなり、厚さ方向の電気抵抗値は低下する。しかし、柔軟性が低下し、脆化が進んで単繊維強度が低下し、シート自体の強度も低下する。このため、加工工程等の後工程を連続して行うような場合は、後工程の加工時に微粉末の発生を生ずる。
【0063】
X線結晶子サイズの調整は熱処理温度、昇温速度を調節する事により行う。
【0064】
厚さ方向の通電特性
厚さ方向の通電特性は、前述のようにX線結晶子サイズ、嵩蜜度、およびシートの厚さ方向の繊維配列度により調整される
厚さ方向電気抵抗値は、通電材料として用いる場合は、6.0mΩ以下が好ましい。厚さ方向電気抵抗値が6.0mΩより大きいと、通電材料として用いる上で抵抗値が高くなりすぎ、発熱し、炭素材料の脆化が起こる場合がある。
【0065】
コア率
焼成処理を経ることにより、炭素繊維シートのコア率は0%になっている。
【0066】
なお、炭素繊維シートは上記特性を有するものであるが、実用的観点からは、以下の事項も十分考慮する必要がある。
【0067】
即ち、炭素繊維微粉末の発生量と、柔軟性に関するものである。
【0068】
炭素繊維シートの加工時に炭素繊維微粉末が多量に発生すると、加工工程でのトラブル発生、品質ムラ、工程環境の汚染の原因となる。更に、微粉末が導電性の為、周囲に飛散した場合、電子機器の故障や、コンセントのショート等の原因となる。このため、微粉末発生量が極力少ない事が好ましい。
【0069】
通常の使用における許容微粉末発生量としては、具体的には25mg/gが望ましい。
【0070】
また柔軟性に関しては、炭素繊維シートの加工において生産性を高めるため、連続的に加工でき、かつ形状安定性の良い材料が要望されている。すなわち、剛直過ぎても、柔軟過ぎても目標の加工性、品質は得られない。特性を満足させる為には、原材料の最適特性の選定および酸化繊維シートの樹脂処理条件および圧縮処理条件の選定が重要である。
【0071】
柔軟性は、10〜70gが好ましく、15〜65gがより好ましい。
【0072】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各物性の測定は次の方法によった。
【0073】
厚さ
直径30mmの円形圧板で200gの荷量(約2.8kPa)を負荷したときの厚さを測定した。
【0074】
繊維密度
アルキメデス法(溶媒:アセトン)によった。
【0075】
嵩蜜度
50mm角のシートを直径30mmの円形圧板に200g(約2.8kPa)の荷重をかけて厚さを測定し、120℃、2時間乾燥後の重量値より算出した。
【0076】
繊維性能
乾強度、乾伸度、結節強度、結節伸度はJIS L 1015により測定した。
【0077】
コア率
酸化繊維を一方向に引き揃えた後、溶融させたポリエチレンまたはワックスで酸化繊維を固定化した後、繊維断面方向に輪切りにカットする。厚さ(T:1.5〜2.0μm)カットした繊維片をプレパラートに乗せ、照度1.5〜2.5×104ルックス の光を照射し、反対側より倍率1000の顕微鏡写真撮影を行い、明暗部の二領域を識別する。
【0078】
繊維直径(L)および繊維内部(明部)の直径(R)を測定し、下記式(1)よりコア率を算出した。
【0079】
【数1】
コア率(%)=100(R/L) (1)
柔軟性
幅W(mm)のスリット上に、長さ100mm、幅2.54cmの炭素繊維シートを長さ方向がスリットと垂直になるように配置し、幅2mmの金属ブレードで炭素繊維シートをスリット間に深さ15mmまで3mm/秒の速さで押込むときの最大荷重を測定し、その値を柔軟性とした。なお、スリット幅Wは、炭素繊維シートの厚さt(mm)に対し、以下の範囲で調整する。
【0080】
W/t=10〜12
X 線結晶子サイズ
結晶子サイズLcは、広角X線測定の結果(2θ=26°付近のピーク)より、以下に示すシェラーの式(2)を用いて求めた。
【0081】
【数2】
Lc(nm)=0.1kλ/βcosθ (2)
ここで、kは装置定数(本実施例、及び比較例においては0.9)、λはX線波長(0.154nm)、βは2θ=26°付近のピーク半値幅、θはピーク位置(°)である。
【0082】
測定条件
設定管電圧:40kV
設定管電流:30mA
測定範囲:10〜40°
サンプリング間隔:0.02°
スキャン速度:4°/分
積算回数:1回
試料の形態:ベースライン補正処理後のピーク強度が5000cps以上となるように、試料を複数枚重ねる。
【0083】
炭素繊維シートの微粉末発生量
300mlのビーカー中に25℃に温度調整した水/エタノール(90/10容量基準)液200mlを入れ、更にこの溶液に、炭素繊維シート(10mm×5mmにカット)の1gを入れ、ラボラン型回転子(30mmL,8mm直径)で10分間撹拌する。その後、撹拌した炭素繊維シートをステンレス製金網(8メッシュ)で濾別し、濾液中の炭素繊維微粉末をメンブレンフィルター(孔径6μm)で分離し、その重量を測定する。この値から炭素繊維シート単位重量当たりの微粉末発生量(mg/g)を算出した。
【0084】
通電性
2枚の50mm角(厚さ10mm)の金メッキした電極で炭素繊維シートの両面を全面接触するように挟み、圧縮率95%における炭素繊維シートの電気抵抗値を測定し、この電気抵抗値を通電性の値とした。なお、圧縮率は圧縮前の厚さをTa、圧縮後の厚さをTbとすると、圧縮率=100×Tb/Taで示される。
【0085】
実施例1
コモノマーとしてアクリル酸メチルを含有するPAN系繊維(繊度1.7dtex、アクリロニトリルモノマー97質量%、燐含有率30ppm)を空気中で初期酸化温度230℃にて温度勾配0.7℃/分で270℃まで昇温した。得られた酸化繊維(繊度2.3dtex、繊維密度1.41g/cm3、コア率54%)を燐系油剤(アルキルホスフォネート/ポリオキシエチレン)にて処理後、クリンプ処理した結果、燐含有率223ppm、クリンプ数3.3ヶ/cm、クリンプ率12%、乾強度1.9g/dtex、乾伸度18%、結節強度1.5g/dtex、結節伸度8%の酸化繊維を得た。
【0086】
この酸化繊維を、51mmに定長カット後、カード加工後、ウオータージェット方式により、酸化繊維不織布(目付255g/m2、厚さ2.4mm、嵩密度0.11g/cm3)を作製した。
【0087】
更に、酸化繊維不織布をPVA水溶液で処理し、PVAを4.0質量%付着させた後、温度210℃、圧力40MPaの条件下、15秒間圧縮したところ、目付257g/m2、厚さ0.8mm、嵩密度0.32g/cm3の酸化繊維不織布を得た。
【0088】
この不織布を窒素ガス雰囲気下、常温より昇温勾配120℃/分で1900℃まで昇温し、更にこの温度で2分間処理して炭素繊維不織布を得た。得られた炭素繊維不織布は、繊維密度1.74g/cm3、目付167g/m2、厚さ0.8mm、嵩密度0.21g/cm3、X線結晶子サイズ2.8nm、電気抵抗値4.0mΩ、柔軟性40g、微粉末発生量17mg/gであった。表1にこれらのデータをまとめて示す。
【0089】
実施例2
実施例1と同じPVA水溶液で処理した不織布を、温度210℃、圧力80MPaの条件下、15秒圧縮処理したところ、目付252g/m2、厚さ0.6mm、嵩密度0.42g/cm3の酸化繊維不織布を得た。
この不織布を窒素ガス雰囲気下、常温より昇温勾配120℃/分で1900℃まで昇温し、更にこの温度で2分間炭素化処理し炭素繊維不織布を得た。
【0090】
得られた炭素繊維不織布は、繊維密度1.74g/cm3、目付164g/m2、厚さ0.6mm、嵩密度0.27g/cm3、X線結晶子サイズ2.8nm、電気抵抗値3.5mΩ、柔軟性43g、微粉末発生量19mg/gであった。表1にこれらのデータをまとめて示す。
【0091】
比較例1〜4
実施例1と同じPVA水溶液で処理した不織布を、表1に示す本発明の圧縮処理条件の範囲外(比較例1〜4)で圧縮処理した後、実施例1と同じ条件で炭素化して得られた炭素繊維不織布の特性を表1に示す。
【0092】
実施例3
実施例1で得られた樹脂処理および圧縮処理後の不織布と同一の不織布を昇温勾配150℃/分で1550℃まで昇温し、その温度で更に2分間処理し炭素繊維不織布を得た。
【0093】
得られた炭素繊維不織布は、繊維密度1.65g/cm3、目付175g/m2、厚さ0.8mm、嵩密度0.22g/cm3、X線結晶子サイズ2.0nm、電気抵抗値4.5mΩ、柔軟性43g、微粉末発生量15mg/gであった。表2にこれらのデータをまとめて示す。
【0094】
比較例5
実施例2で得られた樹脂処理および圧縮処理後の不織布と同一の不織布を昇温勾配150℃/分で1000℃まで昇温し、その温度で更に2分間処理し炭素繊維不織布を得た。
【0095】
得られた炭素繊維不織布は、繊維密度1.82g/cm3、目付177g/m2、厚さ0.7mm、嵩密度0.25g/cm3、X線結晶子サイズ1.1nm、電気抵抗値120.6mΩ、柔軟性88g、微粉末発生量17mg/gであった。表2にこれらのデータをまとめて示す。
【0096】
比較例6
実施例2で得られた酸化繊維不織布と同一の不織布を用いてPVA水溶液で処理し、付着量が0.1質量%の酸化繊維不織布を作製した。
【0097】
更に温度210℃、圧力80MPaの条件下、15秒間圧縮処理したところ、目付250g/m2、厚さ0.7mm、嵩密度0.36g/cm3の酸化繊維不織布を得た。
【0098】
この不織布を窒素ガス雰囲気下、常温より昇温勾配150℃/分で1900℃まで昇温し、更にその温度で2分間処理して炭素繊維不織布を得た。得られた炭素繊維不織布は、繊維密度1.75g/cm3、目付163g/m2、厚さ1.8mm、嵩密度0.09g/cm3、X線結晶子サイズ2.8nm、電気抵抗値23.8mΩ、柔軟性89g、微粉末発生量21mg/gであった。表2にこれらのデータをまとめて示す。
【0099】
比較例7
実施例2で得られた酸化繊維不織布と同一の不織布を用いてPVA水溶液で処理し、付着量が12.5質量%の酸化繊維不織布を作製した。
【0100】
更に温度210℃、圧力80MPaの条件下、15秒間圧縮処理したところ、目付280g/m2、厚さ0.5mm、嵩密度0.56g/cm3の酸化繊維不織布を得た。
【0101】
この不織布を窒素ガス雰囲気下、常温より昇温勾配150℃/分で1900℃まで昇温し、更にこの温度で2分間処理し、炭素繊維不織布を得た。得られた炭素繊維不織布は、繊維密度1.73g/cm3、目付182g/m2、厚さ0.5mm、嵩密度0.36g/cm3、X線結晶子サイズ2.8nm、電気抵抗値14.8mΩ、柔軟性165g、微粉末発生量58mg/gであった。表2にこれらのデータをまとめて示す。
【0102】
実施例4
コモノマーとしてアクリル酸メチルを含有するPAN系繊維(繊度1.4dtex、アクリロニトリルモノマー94質量%、燐含有率80ppm)を空気中で初期酸化温度225℃にて温度勾配0.6℃/分で270℃まで昇温した。得られた酸化繊維(繊度1.7dtex、繊維密度1.40g/cm3、コア率47%)を燐系油剤(アルキルホスフォネート/ポリオキシエチレン)にて処理後、クリンプ処理した結果、燐含有率280ppm、クリンプ数3.5ヶ/cm、クリンプ率14%、乾強度2.1g/dtex、乾伸度24%、結節強度1.5g/dtex、結節伸度9%の酸化繊維を得た。
【0103】
この酸化繊維を、51mmに定長カットし、カード加工後、ウオータージェット方式により、酸化繊維不織布(目付205g/m2、厚さ1.2mm、嵩密度0.17g/cm3)を作製した。
【0104】
更に、酸化繊維不織布をCMC水溶液で処理し、1.5質量%付着させた後、温度250℃、圧力80MPaの条件下、20秒間圧縮したところ、目付207g/m2、厚さ0.5mm、嵩密度0.42g/cm3の酸化繊維不織布を得た。
【0105】
この不織布を窒素ガス雰囲気下、常温より昇温勾配120℃/分で1900℃まで昇温し、更にその温度で2分間処理して炭素繊維不織布を得た。得られた炭素繊維不織布は、繊維密度1.74g/cm3、目付134g/m2、厚さ0.6mm、嵩密度0.22g/cm3、X線結晶子サイズ2.9nm、電気抵抗値3.0mΩ、柔軟性35g、微粉末発生量18mg/gであった。表2にこれらのデータをまとめて示す。
【0106】
実施例5
実施例4と同一の酸化繊維不燃布をCMC水溶液で処理し、5.5質量%付着させた後、温度250℃、圧力80MPaの条件下、20秒間圧縮処理したところ、目付216g/m2、厚さ0.5mm、嵩密度0.43g/cm3の酸化繊維不織布を得た。
【0107】
この不織布を窒素ガス雰囲気下、常温より昇温勾配120℃/分で1900℃まで昇温し、更にこの温度で2分間処理し、炭素繊維不織布を得た。得られた炭素繊維不織布は、繊維密度1.74g/cm3、目付135g/m2、厚さ0.5mm、嵩密度0.27g/cm3、X線結晶子サイズ2.9nm、電気抵抗値3.5mΩ、柔軟性51g、微粉末発生量24mg/gであった。表2にこれらのデータをまとめて示す。
【0108】
比較例8
コモノマーとしてアクリル酸メチルを含有するPAN系繊維(繊度1.4dtex、アクリロニトリルモノマー94質量%、燐含有率80ppm)を空気中で初期酸化温度255℃にて温度勾配1.5℃/分で280℃まで昇温した。得られた酸化繊維(繊度1.7dtex、繊維密度1.40g/cm3、コア率84%)を燐系油剤(アルキルホスフォネート/ポリオキシエチレン)にて処理後、クリンプ処理した結果、燐含有率280ppm、クリンプ数3.5ヶ/cm、クリンプ率14%、乾強度2.1g/dtex、乾伸度24%、結節強度1.5g/dtex、結節伸度9%の酸化繊維を得た。
【0109】
この酸化繊維を、51mmに定長カットし、カード加工後、ウオータージェット方式により、酸化繊維の不織布(目付200g/m2、厚さ1.1mm、嵩密度0.18g/cm3)を作製した。
【0110】
更に、酸化繊維不織布をCMC水溶液で処理し、1.5質量%付着させた後、温度250℃、圧力80MPaの条件下、15秒間圧縮したところ、目付203g/m2、厚さ0.5mm、嵩密度0.41g/cm3の酸化繊維不織布を得た。
【0111】
この不織布を窒素ガス雰囲気下、常温より昇温勾配120℃/分で1900℃まで昇温しその温度で更に2分間処理して炭素繊維不織布を得た。 得られた炭素繊維不織布は、繊維密度1.74g/cm3、目付121g/m2、厚さ0.5mm、嵩密度0.24g/cm3、X線結晶子サイズ3.0nm、電気抵抗値4.8mΩ、柔軟性35g、微粉末発生量88mg/gであった。表3にこれらのデータをまとめて示す。
【0112】
比較例9
コモノマーとしてアクリル酸メチルを含有するPAN系繊維(繊度1.4dtex、アクリロニトリルモノマー94質量%、燐含有率80ppm)を空気中で初期酸化温度220℃にて温度勾配0.2℃/分で270℃まで昇温した。得られた酸化繊維(繊度1.7dtex、繊維密度1.40g/cm3、コア率15%)を燐系油剤(アルキルホスフォネート/ポリオキシエチレン)にて処理後、クリンプ処理した結果、燐含有率280ppm、クリンプ数3.5ヶ/cm、クリンプ率13%、乾強度1.7g/dtex、乾伸度18%、結節強度0.3g/dtex、結節伸度4%の酸化繊維を得た。
【0113】
この酸化繊維を、51mmに定長カットし、カード加工後、ウオータージェット方式により、酸化繊維不織布(目付203g/m2、厚さ1.2mm、嵩密度0.17g/cm3)を作製した。
【0114】
更に、酸化繊維不織布をCMC水溶液で処理し、1.5質量%付着させた後、温度250℃、圧力80MPaの条件下、15秒間圧縮したところ、目付216g/m2、厚さ0.7mm、嵩密度0.31g/cm3の酸化繊維不織布を得た。
【0115】
この不織布を窒素ガス雰囲気下、常温より昇温勾配120℃/分で1900℃まで昇温し、この温度で更に2分間処理し、炭素繊維不織布を得た。得られた炭素繊維不織布は、繊維密度1.74g/cm3、目付140g/m2、厚さ0.7mm、嵩密度0.20g/cm3、X線結晶子サイズ2.9nm、電気抵抗値3.8mΩ、柔軟性51g、微粉末発生量94mg/gであった。表3にこれらのデータをまとめて示す。
【0116】
比較例10
コモノマーとしてアクリル酸メチルを含有するPAN系繊維(繊度1.4dtex、アクリロニトリルモノマー94質量%、燐含有率80ppm)を空気中で初期酸化温度230℃にて温度勾配0.7℃/分で270℃まで昇温した。得られた酸化繊維(繊度1.7dtex、繊維密度1.34g/cm3、コア率48%)を燐系油剤(アルキルホスフォネート/ポリオキシエチレン)にて処理後、クリンプ処理した結果、燐含有率190ppm、クリンプ数3.7ヶ/cm、クリンプ率16%、乾強度1.9g/dtex、乾伸度18%、結節強度1.8g/dtex、結節伸度10%の酸化繊維を得た。
【0117】
この酸化繊維を、51mmに定長カットし、カード加工後、ウオータージェット方式により、酸化繊維の不織布(目付205g/m2、厚さ1.0mm、嵩密度0.21g/cm3)を作製した。
【0118】
更に、酸化繊維不織布をCMC水溶液に処理し、1.5質量%付着させた後、温度250℃、圧力80MPaの条件下、15秒間圧縮したところ、目付211g/m2、厚さ0.5mm、嵩密度0.42g/cm3の酸化繊維不織布を得た。
【0119】
この不織布を窒素ガス雰囲気下、常温より昇温勾配120℃/分で1900℃まで昇温し2分間処理した炭素繊維不織布を得た。得られた炭素繊維不織布は、繊維密度1.74g/cm3、目付104g/m2、厚さ0.4mm、嵩密度0.26g/cm3、X線結晶子サイズ3.0nm、電気抵抗値3.8mΩ、柔軟性89g、微粉末発生量190mg/gであった。表3にこれらのデータをまとめて示す。
【0120】
比較例11
コモノマーとしてアクリル酸メチルを含有するPAN系繊維(繊度1.4dtex、アクリロニトリルモノマー94質量%、燐含有率80ppm)を空気中で初期酸化温度230℃にて温度勾配0.7℃/分で280℃まで昇温した。得られた酸化繊維(繊度1.7dtex、繊維密度1.45g/cm3、コア率54%)を燐系油剤(アルキルホスフォネート/ポリオキシエチレン)にて処理後、クリンプ処理した結果、燐含有率180ppm、クリンプ数3.3ヶ/cm、クリンプ率12%、乾強度1.5g/dtex、乾伸度13%、結節強度0.3g/dtex、結節伸度4%の酸化繊維を得た。
【0121】
この酸化繊維を、51mmに定長カットし、カード加工後、ウオータージェット方式により、酸化繊維不織布(目付205g/m2、厚さ1.2mm、嵩密度0.17g/cm3)を作製した。
【0122】
更に、酸化繊維不織布をCMC水溶液で処理し、1.5質量%付着させた後、温度250℃、圧力80MPaの条件下、15秒間圧縮したところ、目付210g/m2、厚さ0.7mm、嵩密度0.30g/cm3の酸化繊維不織布を得た。
【0123】
この不織布を窒素ガス雰囲気下、常温より昇温勾配120℃/分で1900℃まで昇温し、更にこの温度で2分間処理し、炭素繊維不織布を得た。得られた炭素繊維不織布は、繊維密度1.74g/cm3、目付137g/m2、厚さ0.7mm、嵩密度0.20g/cm3、X線結晶子サイズ2.8nm、電気抵抗値14.8mΩ、柔軟性35g、微粉末発生量58mg/gであった。表3にこれらのデータをまとめて示す。
【0124】
実施例6
コモノマーとしてアクリル酸メチルを含有するPAN系繊維(繊度1.7dtex、アクリロニトリルモノマー94質量%、燐含有率30ppm)を空気中で初期酸化温度230℃にて温度勾配0.7℃/分で270℃まで昇温した。得られた酸化繊維(繊度2.2dtex、繊維密度1.40g/cm3、コア率47%)を燐系油剤(アルキルホスフォネート/ポリオキシエチレン)にて処理後、クリンプ処理した結果、燐含有率280ppm、クリンプ数3.4ヶ/cm、クリンプ率12%、乾強度1.9g/dtex、乾伸度18%、結節強度1.0g/dtex、結節伸度8%の酸化繊維を得た。
【0125】
この酸化繊維を、51mmに定長カットし、カード加工後、ニードルパンチ方式により、酸化繊維フェルト(目付420g/m2、厚さ4.5mm、嵩密度0.09g/cm3)を作製した。
【0126】
更に、酸化繊維フェルトをCMC水溶液で処理し、4.5質量%付着させた後、温度270℃、圧力80MPaの条件下、20秒間圧縮したところ、目付415g/m2、厚さ1.3mm、嵩密度0.42g/cm3の酸化繊維フェルトを得た。
【0127】
この酸化繊維フェルトを窒素ガス雰囲気下、常温より昇温勾配120℃/分で1900℃まで昇温し、この温度で更に3分間処理した炭素繊維フェルトを得た。得られた炭素繊維フェルトは、繊維密度1.74g/cm3、目付249cm2、厚さ1.1mm嵩密度0.22g/cm3、X線結晶子サイズ2.9nm、電気抵抗値3.0mΩ、柔軟性35g、微粉末発生量18mg/gであった。表3にこれらのデータをまとめて示す。
【0128】
実施例7
実施例6で用いた酸化繊維と同一の繊維を紡績し、37番手双糸(上より200回/m、下より数350回/m)を作製し、この紡績糸を製織し、目付405g/m2、厚さ1.8mm、嵩密度0.23g/cm3の紡績糸織物(打込み本数:経緯共に15本/cm)を得た。
【0129】
更に、酸化繊維織物をCMC水溶液に処理し、2.0質量%付着させた後、温度150℃、圧力80MPaの条件下、15秒間圧縮したところ、目付400g/m2、厚さ0.7mm、嵩密度0.57g/cm3の酸化繊維紡績糸織物を得た。
【0130】
この酸化繊維紡績糸織物を窒素ガス雰囲気下、常温より昇温勾配120℃/分で1900℃まで昇温し、その温度で更に2分間処理し、炭素繊維紡績糸織物を得た。得られた炭素繊維紡績糸織物は、繊維密度1.74g/cm3、目付255g/m2、厚さ0.7mm嵩密度0.37g/cm3、X線結晶子サイズ2.9nm、電気抵抗値4.5mΩ、柔軟性51g、微粉末発生量10mg/gであった。表3にこれらのデータをまとめて示す。
【0131】
【表1】
Figure 0004582905
【0132】
【表2】
Figure 0004582905
【0133】
【表3】
Figure 0004582905
【0134】
【発明の効果】
本発明の酸化繊維シートは特定の酸化繊維で構成しているので、所定の条件で圧縮処理した場合、好適に圧縮処理できる。更に、この圧縮酸化繊維シートを焼成することにより、嵩密度が高く、且つ連続処理に適した、適度に柔軟性のある炭素繊維シートを得ることができる。このようにして製造した炭素繊維シートは、厚さ方向の電気抵抗が低いので、アース接地材料、電池電極材等の通電材料として好適なものである。

Claims (4)

  1. 繊維密度1.36〜1.44g/cm3、結節強度1.2〜1.8g/dtex、結節伸度8〜10%、コア率47〜54%のポリアクリロニトリル系酸化繊維からなるシートを150〜300℃の温度で10〜100MPaの圧力で厚さ方向に圧縮処理することを特徴とする、嵩密度が0.31〜0.59g/cm3の酸化繊維シートの製造方法。
  2. 繊維密度1.36〜1.44g/cm3、結節強度1.2〜1.8g/dtex、結節伸度8〜10%、コア率47〜54%のポリアクリロニトリル系酸化繊維からなるシートに0.2〜10.0質量%の樹脂を付着させ、次いで150〜300℃の温度で10〜100MPaの圧力で厚さ方向に圧縮処理することを特徴とする、嵩密度が0.31〜0.59g/cm3の酸化繊維シートの製造方法。
  3. 繊維密度1.36〜1.44g/cm3、結節強度1.2〜1.8g/dtex、結節伸度8〜10%、コア率47〜54%のポリアクリロニトリル系酸化繊維からなるシートを150〜300℃の温度で10〜100MPaの圧力で厚さ方向に圧縮処理をして酸化繊維シートを得、その後前記酸化繊維シートを不活性ガス雰囲気下で熱処理することを特徴とする、炭素繊維のX線結晶子サイズが1.3〜3.5nmの炭素繊維シートの製造方法。
  4. 繊維密度1.36〜1.44g/cm3、結節強度1.2〜1.8g/dtex、結節伸度8〜10%、コア率47〜54%のポリアクリロニトリル系酸化繊維からなるシートに0.2〜10.0質量%の樹脂を付着させ、次いで150〜300℃の温度で10〜100MPaの圧力で厚さ方向に圧縮処理をして酸化繊維シートを得、その後前記酸化繊維シートを不活性ガス雰囲気下で熱処理することを特徴とする、炭素繊維のX線結晶子サイズが1.3〜3.5nmの炭素繊維シートの製造方法。
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