JP4582813B2 - ベルト式無段変速機、ベルト式無段変速機の制御方法、及び鞍乗型車両 - Google Patents

ベルト式無段変速機、ベルト式無段変速機の制御方法、及び鞍乗型車両 Download PDF

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Description

本発明は、ベルト式無段変速機、ベルト式無段変速機の制御方法、及びベルト式無段変速機を搭載した鞍乗型車両に関する。
従来のベルト式無段変速は、駆動軸に配置されたプライマリシーブと、被駆動軸に配置されたセカンダリシーブのV溝間にベルトが巻かれ、プライマリシーブのシーブ位置を電動モータで制御することによって変速比を変える構成が一般的に使用されている。
そして、変速比の制御は、通常、スロットルセンサの開度(エンジンの負荷状態)と、車速に基づいて定められた目標変速比に従って、プライマリシーブのシーブ位置を電動モータで制御することによって行なわれる。
しかしながら、従来のベルト式無段変速機は、プライマリシーブとセカンダリシーブ間に巻かれたベルトによって、エンジンの駆動力が、プライマリシーブを介してセカンダリシーブに伝達される。そのため、ベルトに滑り等が発生すると、実際の変速比が、目標変速比と異なる場合が起き、その結果、走行中のライダーに違和感を生じさせる。
これを回避するために、目標変速比と実変速比との偏差を検出し、この偏差に基づいてプライマリシーブのシーブ位置にフィードバック補正を加える方法が知られている。
例えば、特許文献1には、無段変速機の変速比制御が、実変速比と目標変速比が一致するように調整される技術が、また、特許文献2には、目標駆動プーリ回転数と実駆動プーリ回転数の偏差をとり、この偏差に応じた大きさの信号で変速制御弁指令値信号を補正するフィードバック補正の技術が記載されている。
特開2001−65683号公報 特開平7−12189号公報
上述のフィードバック補正を加えてシーブ目標位置を制御する方法によれば、目標変速比と実変速比の差が減少するので、走行中のライダーの違和感を回避できる点では有効である。
ところで、ベルト式無段変速機に使用されるベルトは、金属製のものもあるが、車両全体の軽量化を図るために、ゴム製(可撓性を有する)のベルトを使用する場合がある。しかしながら、このゴム製のベルトは、金属製に比べ磨耗しやすいので、ベルトの長さ等に経年変化が生じる。
図16は、ベルトに経年変化が生じた場合の、車両の発進時におけるエンジン回転数の時間変化を示した図である。ここで、実線はエンジン回転数の目標特性を示し、破線は実際の値を示す。図16に示すように、発進直後において、エンジン回転数が急激に上昇して吹き上がる状態が起きるため、ライダに違和感を与えることになる。
然して、この状態は、発進直後に起きるので、従来のフィードバック補正では、かかる発進時の違和感を回避することはできない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、ベルトの経年変化等が起きても、発進時のエンジン回転数の吹き上がりを防止し、ライダに違和感を与えないベルト式無段変速機を提供することを目的とする。
本発明のベルト式無段変速機は、シーブ位置を制御することによって変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機であって、シーブ位置は、目標変速比に対応して決定されたシーブ目標位置に基づいて制御され、車両が走行状態のときは、シーブ位置は、目標変速比と実変速比の偏差に基づく補正値で変更されて制御されており、車両が走行状態から停止状態になったとき、所定の走行時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求めたオフセット値が、シーブ目標位置に付加されることを特徴とする。
ある好適な実施形態において、車両が再び走行状態になったとき、上記シーブ位置は、オフセット値が付加されたシーブ目標位置に基づいて制御される。
ある好適な実施形態において、上記オフセット値は、車両が発進して加速状態にあり、かつ所定の速度に達した時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求められる。
ある好適な実施形態において、上記ベルト式無段変速機は、駆動軸に配置されたプライマリシーブと、被駆動軸に配置されたセカンダリシーブと、プライマリシーブ及びセカンダリシーのV溝間に巻かれたベルトで構成され、プライマリシーブのシーブ位置を電気的に制御することによって変速比を変更する。
ある好適な実施形態において、車両の動力伝達経路に遠心クラッチを有し、上記オフセット値は、遠心クラッチが接続している時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求められる。
ある好適な実施形態において、上記セカンダリシーブと、該セカンダリシーブの軸間にトルク差に応じて推力を発生する作動機構を有し、オフセット値は、作動機構が作動し、推力を発生している時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求められる。
ある好適な実施形態において、上記ベルト式無段変速機は、可撓性を有するベルトを使用している。
本発明のベルト式無段変速機の制御方法は、シーブ位置を制御することによって変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機の制御方法であって、シーブ位置は、目標変速比に対応して決定されたシーブ目標位置に基づいて制御され、車両が走行状態のときは、シーブ位置は、目標変速比と実変速比の偏差に基づく補正値で変更されて制御されており、車両が走行状態から停止状態になったとき、所定の走行時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求めたオフセット値を、シーブ目標位置に付加することを特徴とする。
本発明の鞍乗型車両は、上記ベルト式無段変速機を搭載した鞍乗型車両であることを特徴とする。
本発明によれば、フュードバック補正に加え、ベルトの経年変化等に基づくシーブ目標位置の補正を加えることにより、発進時のエンジン回転数の吹き上がりを防止することができる。
本発明のベルト式無段変速機におけるシーブ位置制御の基本的な構成を示した図である。 本発明におけるシーブ位置制御を行なうベルト式無段変速機の基本的な構成を示すブロック図である。 本発明におけるオフセット値を取得し、シーブ目標位置に付加するまでの処理を示したフローチャートである。 本発明におけるオフセット値を用いて変速比制御を行なった場合の、シーブ移動量の変化を、発車時からの時間経過に対してプロットしたグラフである。 本発明におけるオフセット値を用いて変速比制御を行なった場合の、エンジン回転数の変化を、発車時からの時間経過に対してプロットしたグラフである。 本発明の実施形態に係る自動二輪車のVベルト式自動変速機の断面図である。 本実施形態における自動二輪車のエンジンユニットの断面図である。 本実施形態における自動二輪車の変速機制御システムの全体構成を示す図である。 本実施形態における変速機制御システムの停車時補正制御シーケンスを示す図である。 (a)は本実施形態における変速比補正制御なしの場合のシーブ位置とエンジン回転数の関係を示す図、(b)は変速比補正制御ありの場合のシーブ位置とエンジン回転数の関係を示す図である。 本実施形態における変速機制御システムの走行中補正制御シーケンスを示す図である。 本実施形態における変速制御装置において実行される車両補正係数計算処理を示すフローチャートである。 本実施形態における変速制御装置において実行される加速時補正係数計算処理を示すフローチャートである。 本実施形態における変速制御装置において実行される補正値計算処理を示すフローチャートである。 本発明におけるベルト式自動変速機を搭載した自動二輪車の構成を示した図である。 従来のベルトに経年変化が生じた場合の、車両の発進時におけるエンジン回転数の時間変化を示した図である。 従来のベルトに経年変化が生じた場合の、シーブ位置と変速比の関係を示したグラフである。
符号の説明
1 目標変速比(M
2 シーブ目標位置(P
3 実変速比(M
4 偏差(δM)
6 実シーブ位置(P
7 オフセット値(δP)
10 スロットル開度センサ
11 車速センサ
12 プライマリシーブ回転数センサ
13 セカンダリシーブ回転数センサ
15 目標変速比設定部
16 補正量設定部
17 シーブ位置制御部
21 エンジン
26 変速室
27 従動軸
29 車軸
41 セルモータ
55 ベルト式自動変速機
56 プライマリシーブ
58 セカンダリシーブ
59 ベルト
60、77 固定シーブ
61、78 可動シーブ
76 遠心クラッチ
86 スプリング
100 ベルト式無段変速機
200 変速制御装置
301 シーブ位置検出装置
302 セカンダリシーブ回転数センサ
303 車速センサ
304 プライマリシーブ回転数センサ
401 変速マップ計算処理
402 停車時補正値
405 シーブ位置計算処理
408 シーブ移動速度計算処理
500 自動二輪車
502 前輪
505 パワーユニット
506 後輪
図16に示した、発進直後におけるエンジン回転数の急激な上昇は、以下のようなことが原因で生じたものと考えられる。
図17は、シーブ位置と変速比の関係を示したグラフで、実線はベルトに経年変化がない場合、破線はベルトに経年変化が生じた場合をそれぞれ示す。図17に示すように、ベルトに経年変化が生じると、シーブ位置にズレ(δP)が発生し、このズレ(δP)は、定常的にシーブ位置をLow側に移動させる。その結果、実変速比も、目標変速比に対してズレ(δM)が生じることになる。
この変速比のズレ(δM)は、車両が走行中であれば、従来のフィードバック補正により減少させることができるが、経年変化によるシーブ位置のズレは、車両が停車したときも残っている。
ところで、プライマリシーブのシーブ位置を電動モータで制御するベルト式無段変速機においては、車両が停車すると、プライマリシーブは、所定の停止状態の位置に戻るように制御されているため、車両が停車状態のとき、経年変化の生じたベルトは、弛んだ状態になっている。
その結果、このベルトが弛んだ状態で、車両が再び発進すると、変速比の立ち上がりが遅れることにより、図16に示したような、発進直後のエンジン回転数が急激に上昇して吹き上がる現象が生じたものと考えられる。
本発明者は、かかる吹き上がり現象が、ベルトの経年変化に起因するものであるとの知見に基づき、発進時においても、速やかに目標変速比に達するようなシーブ位置の制御の方向を検討した結果、本発明を想到するに至った。
図1は、本発明のベルト式無段変速機100におけるシーブ位置制御の基本的な構成を示した図である。
図1に示すように、スロットル開度信号と車速信号に基づいて定められた目標変速比1(M)が得られるように、シーブ目標位置2(P)が決定される。そして、このシーブ目標位置(P)にプライマリシーブの位置を電動モータで位置制御することによって、変速比の制御が行なわれる。
このとき、プライマリシーブ回転数信号(エンジン回転数信号)と、セカンダリシーブ回転数信号に基づいて求められた実変速比3(M)と、目標変速比(M1)との偏差4(δM=M−M)に基づいて、シーブ目標位置(P)にフィードバック補正を加えられる。
一方、所定の走行時に、シーブ位置信号から実シーブ位置6(P)を取得し、そのときのシーブ目標位置2(P)との差分(δP=P−P)をオフセット値7として、シーブ目標位置(P)に付加し、これを新たなシーブ目標位置8(P+δP)として、シーブ位置制御を行う。
従って、フィードバック補正は、この新たに設定されたシーブ目標位置8(P1+δP)に対して加わることになる。
このように設定されたオフセット値は、ベルトの経年変化に伴うシーブ位置のズレに対応するもので、フィードバック補正のように、走行中リアルタイムに行なう必要はなく、所定の走行時に一度取り込むだけでよい。ベルトの経年変化は、車両の走行中に変動するような時間単位で変化するものではないからである。
なお、上記の説明では、スロットル開度信号と車速信号に基づいて目標変速比を定めるとしたが、例えば、プライマリシーブの位置信号から所定の計算式に基づいて変換される変速比を用いてもよい。
また、目標変速比と実変速比の偏差に基づいてフィードバック補正を行なうとしたが、例えば、セカンダリシーブ回転数信号とスロットル開度信号から、変速マップを使用して算出された目標プライマリ回転数は、目標変速比と等価であるので、目標プライマリ回転数と実プライマリ回転数との偏差に基づいて行なうフィードバック補正は、目標変速比と実変速比の偏差に基づいて行なうフィードバック補正と同意である。すなわち、変速比と等価なパラメータを用いて、その目標値と実測値の偏差に基づいてフィードバック補正を行なう方法は、全て同意である。
ところで、このオフセット値を、どの時点で取得するかがポイントになる。なぜならば、ベルトの張り具合は、車両の走行状態で変わり、弛んだ状態で取り込んでも、ベルトの経年変化に対応したズレ補正にならないからである。また、走行中にオフセット値をシーブ目標位置に付加しても、発進時には、かかる補正は反映されていないので、車両が走行状態から停止状態になったときに、オフセット値をシーブ目標位置に付加することが好ましい。
図2は、図1に示したシーブ位置制御を行なうベルト式無段変速機100の基本的な構成を示すブロック図である。
目標変速比設定部15は、スロットル開度センサ(TPS)10で検出されるスロットル開度信号と、車速センサ11で検出される車速信号に基づいて目標変速比(M1)1を設定する。
補正量設定部16は、プライマリシーブ回転数センサ12で検出されるプライマリシーブ回転数信号、及びセカンダリシーブ回転数センサ13で検出されるセカンダリシーブ回転数信号に基づいて求められた実変速比(M)と、上記目標変速比(M)との偏差δMを算出する。また、シーブ位置センサで検出されるシーブ位置信号から実シーブ位置(P)6を取得し、そのときのシーブ目標位置(P)との差分(オフセット値)δPを算出する。
シーブ位置制御部17は、目標変速比設定部15で設定された目標変速比(M)が得られるように決定されたシーブ目標位置(P)に対して、補正量設定部16で算出された偏差δM、及び差分δPに基づくフィードバック補正、及びオフセット値補正を加えて、シーブ位置の制御を行う。
上述したように、オフセット値をどの時点で取得するかは、一律に決まるものではないが、以下、オフセット値を取得する好適な例について説明する。
図3は、オフセット値を取得し、シーブ目標位置に付加するまでの処理を示したフローチャートである。
図3において、車速信号の変化に基づいて、車両が加速状態にあるかどうかを判別する(ステップS101)。加速状態にある場合には、車両の速度が予め設定した速度V0(例えば、1.3km/h程度の低速度)に達したかどうかを判別する(ステップS102)。速度V0に達した判別した場合は、図1に示した構成により、このときのシーブ目標位置(P1)と、実シーブ位置(P)から求めたオフセット値(δP=P−P)を取得する(ステップS103)。なお、取得したオフセット値は、記憶装置等に保持しておく。
次に、車両が停止状態になったかどうかを判別する(ステップS104)。そして、停止状態になったと判別した場合は、記憶装置等に保存されたオフセット値を、シーブ目標位置に付加する(ステップS105)。
ここで、車両が、加速状態で、かつ低速走行時にオフセット値を取得する理由は、このような走行時において、ベルトが、最も張りのある状態でシーブ間に巻きついており、ベルトの経年変化に伴うシーブ位置のズレを最も反映した状態にあると考えられるからである。
また、オフセット値の取得時に関しては、以下のような視点でも見ることができる。
すなわち、車両の動力伝達経路に遠心クラッチを有している場合には、遠心クラッチが接続している時にオフセット値を取得してもよい。遠心クラッチが接続している時は、ベルトの経年変化に伴うシーブ位置のズレを反映した状態にあると考えられるからである。
また、セカンダリシーブと、セカンダリシーブの軸間にトルク差に応じて推力を発生する作動機構(例えば、トルクカム)を有している場合には、作動機構が作動し、推力を発生している時にオフセット値を取得してもよい。作動機構の推力が発生している時は、ベルトの経年変化に伴うシーブ位置のズレを反映した状態にあると考えられるからである。
図4は、上記オフセット値を用いて変速比制御を行なった場合の、シーブ移動量の変化を、発車時からの時間経過に対してプロットしたグラフである。実線がオフセット値補正をした場合、破線がオフセット値補正をしない場合を、それぞれ示す。
図4に示すように、停車中のシーブ移動量は、すでに停車する前の走行時に取得したオフセット値の分だけ移動している。そして、発進後の加速状態から予め設定した速度V0を超えるまでは、シーブ位置はオフセットされた位置を維持するため、エンジン回転数が吹き上がる現象を回避することができる。
図5は、上記オフセット値を用いて変速比制御を行なった場合の、エンジン回転数の変化を、発車時からの時間経過に対してプロットしたグラフである。実線はエンジン回転数の目標特性を示し、破線はオフセット値による補正がない場合、一点鎖線はオフセット値による補正を行なった場合をそれぞれ示す。
図5に示すように、オフセット値による補正がない場合に生じていたエンジン回転数の吹き上がりが、オフセット値による補正を行なった場合には解消され、これにより、発車時のライダーの違和感をなくすことができる。
以上、本発明に係るベルト式無段変速機の基本的な構成を説明してきたが、ベルト式無段変速機の具体的な構成、及びその動作について、以下、図6〜図15を参照しながら詳説する。
まず、図6及び図7を参照して自動二輪車のVベルト式自動変速機及びエンジンユニットの構成を説明する。図7において、強制空冷式の4サイクルエンジン21と、このエンジン21のクランクケース22の左側部から後方に延びる変速機ケース23を備えている。
変速機ケース23の左側面は、変速室26が形成されており、この変速室26の前端に、クランク軸24の一端部が導入され、変速室26の後部には、クランク軸24と平行をなす従動軸27と、後輪(図示せず)の車軸29が支持されている。
図6において、クラッチ室34を貫通するクランク軸24の外周には、スリーブ48がスプライン係合されている。このスリーブ48は、軸受49を介してハウジング33に回転自在に支持されている。スリーブ48の外周には、一方向クラッチ50が取り付けられている。一方向クラッチ50は、セルモータ41側からクランク軸24への動力伝達を許容するためのもので、上記クラッチ室34に収容されている。
一方、上記変速室26内には、クランク軸24と従動軸27とを連動さるVベルト式自動変速機55が収容されている。図6に示すように、回転軸としてのクランク軸24と一体に回転するプライマリシーブ56と、上記従動軸27の外周に遠心クラッチ57を介して取り付けられたセカンダリシーブ58と、これら両シーブ56,58の間に巻き掛けられたVベルト59を備えている。
プライマリシーブ56は、クランク軸24の一端に固定された固定シーブ60と、このクランク軸24の軸方向に移動可能な可動シーブ61とで構成される。これら固定シーブ60と可動シーブ61との対向面は、逆向きに傾斜された円錐面をなしており、これら円錐面の間に、Vベルト59が巻き掛けられる断面V字形のベルト溝56aが形成されている。
図6において、可動シーブ61は、クランク軸24が貫通する円筒状のボス部62を有し、このボス部62の内側に、円筒状のスライダ63が固定されている。このスライダ63と一体の可動シーブ61は、クランク軸24の軸方向に移動可能となっており、プライマリシーブ56のベルト溝56aの溝幅が変化するようになっている。
また、上記セカンダリシーブ58は、上記従動軸27に遠心クラッチ76を介して連結された固定シーブ77と、この従動軸27の軸方向に移動可能な可動シーブ78とで構成される。これら固定シーブ77と可動シーブ78との対向面は、逆向きに傾斜された円錐面をなしており、これら円錐面の間に、Vベルト59が巻き掛けられるV字形のベルト溝58aが形成されている。
固定シーブ77と従動軸27との間に介在される遠心クラッチ76は、固定シーブ77のガイド79と一体に回転する遠心プレート81と、この遠心プレート81に支持された遠心ウエイト82と、この遠心ウエイト82が接離可能に接するクラッチハウジング83を備えている。このクラッチハウジング83は、従動軸27の一端に固定されている。
したがって、固定シーブ77と一体に回転する遠心プレート81の回転数が所定値に達すると、遠心ウエイト82が遠心力により外側に移動して、クラッチハウジング83に接触し、固定シーブ77の回転が従動軸27に伝達される。
可動シーブ78は、スプリング86によってベルト溝58aの溝幅を減じる方向に付勢されている。このことから、プライマリシーブ56のベルト溝56aの溝幅が減じられると、セカンダリシーブ58側には、Vベルト59が径方向内側に引かれるので、可動シーブ78がスプリング86の付勢力に抗してベルト溝58aを広げる方向に移動され、セカンダリシーブ58に対するVベルト59の巻き掛け径が小さくなる。
また、エンジン始動用のセルモータ41は、正逆転可能なモータにて構成され、エンジン運転中は、このセルモータ41によってプライマリシーブ56の可動シーブ61がクランク軸24の軸方向に往復運動される。そして、このセルモータ41は、変速制御装置200から出力される信号により、プライマリシーブ56の可動シーブ61の移動距離や移動方向を制御する。
次に、図6の変速制御装置200を含む変速機制御システムの全体構成を図8に示す。なお、図8において、図6及び図7に示した構成部分と同一の構成部分には同一符号を付して、その構成説明を省略する。
図8において、変速機制御システムは、自己保持回路201を内蔵する変速制御装置200と、シーブ位置検出装置301と、セカンダリシーブ回転数センサ302と、車速センサ303と、プライマリシーブ回転数センサ304とから主に構成される。
シーブ位置検出装置301は、ポテンショメータからなり、プライマリシーブ56の位置を検出してシーブ位置検出信号を変速制御装置200に出力する。セカンダリシーブ回転数センサ302は、セカンダリシーブ58の回転数を検出してシーブ回転数信号を変速制御装置200に出力する。車速センサ303は、後輪220の回転数を検出し、この回転数に基づいて車速信号を変速制御装置200に出力する。プライマリシーブ回転数センサ304は、プライマリシーブ56の回転数を検出してシーブ回転数信号を変速制御装置200に出力する。
また、ハンドルに設けられたハンドルスイッチが運転者により操作された際に、そのハンドルスイッチから出力されるハンドルSW信号が変速制御装置200に入力される。
また、エンジン21の吸気通路に設けられたスロットルバルブのスロットル開度を検出するスロットル開度センサから出力されるスロットル開度信号が変速制御装置200に入力される。
変速制御装置200は、スロットル開度センサから入力されるスロットル開度信号と、セカンダリシーブ回転数センサ302から入力されるシーブ回転数信号と、車速センサ303から入力される車速信号と、シーブ位置検出装置301から入力されるシーブ位置信号と、プライマリシーブ回転数センサ304から入力されるシーブ回転数信号と、に基づいて、Vベルト式自動変速機55のプライマリシーブ56のシーブ位置を制御する変速制御処理を実行する。
自己保持回路201は、不揮発性メモリ等からなり、後述する停車時補正値(オフセット値)、ベルト補正値、車両補正係数、ベルト補正係数等を保持する。
次に、変速制御装置200において実行される発進時の変速制御処理の制御シーケンスを図9に示して説明する。図9の制御シーケンスでは、自動二輪車の停車時及び発信時のシーブ位置の補正処理を行う場合を示す。
図9において、まず、変速マップ計算処理401を実行する。この変速マップ計算処理401は、車速とスロットル開度をパラメータとしてVベルト式自動変速機55のプライマリシーブ56のシーブ目標位置を計算するものである。次に、自己保持回路201に予め記憶された停車時補正値402に定数Krを乗算する乗算処理403を実行して補正値を求める。
停車時補正値(オフセット値)402は、Vベルト式自動変速機55のプライマリシーブ56の摩耗、セカンダリシーブ58の摩耗、及びVベルト59の摩耗や硬化等を含む経年変化により、停車時にプライマリシーブ56のシーブ位置が経年変化前よりもずれることを考慮して設定した補正値である。
次に、上記シーブ目標位置から上記補正値を減算する演算処理404を実行して、補正シーブ目標位置を求める。次に、シーブ位置検出装置301から入力されるシーブ位置信号(ポテンショ値)に基づいて、プライマリシーブ56のシーブ位置を計算するシーブ位置計算処理405を実行する。
次に、上記補正シーブ目標位置から上記計算したシーブ位置を減算する演算処理406を実行して、シーブ目標移動量を求める。次に、シーブ目標移動量に定数Kpを乗算する乗算処理407を実行する。次に、シーブ位置検出装置301から入力されるシーブ位置信号(ポテンショ値)の単位時間あたりの変化に基づいて、シーブ移動速度を計算するシーブ移動速度計算処理408を実行し、このシーブ移動速度に定数Kcを乗算する乗算処理409を実行する。
次に、上記定数Kpを乗算したシーブ目標移動量から上記定数Kcを乗算したシーブ移動速度を減算する演算処理410を実行して、シーブ目標移動量を補正する。そして、補正したシーブ目標移動量に定数Kvを乗算する乗算処理411を実行して、シーブ制御出力(PWM出力)をセルモータ41に出力する。
以上のように、停車時補正値(オフセット値)を用いて発進時の加速時にシーブ位置を補正して変速比を補正した場合に、エンジン回転数吹き上がりの状態について、図10(a)及び(b)を用いて説明する。
図10(a)は、上記停車時補正値を用いずに変速比補正制御を行わない場のシーブ位置(実線)とエンジン回転数(破線)の時間経過による変化状態を示す図である。この場合、変速比の立ち上がりが遅く、発進直後のエンジン回転数が急激に上昇して吹き上がる状態になるため、運転者に違和感を与えることになる。
これに対して、図10(b)は、上記停車時補正値を用いて変速比補正制御を行った場のシーブ位置(実線)とエンジン回転数(破線)の時間経過による変化状態を示す図である。この場合、停車中のシーブ位置は、停車時補正値により初めからオフセットさせた位置にあり、発進直後の加速状態から予め設定した速度V(例えば、1.3km/h)を越えるまでは、停車時補正値によりシーブ位置がオフセットされた位置を維持するため、エンジン回転数が吹き上がる現象を改善することができ、運転者に違和感を与えることはない。
また、車速が予め設定した速度V(例えば、1.3km/h)を越えた場合は、停車時補正値を用いて補正値を計算するため、走行中のシーブ位置を適宜補正することができ、走行中に変速比がロウ側に移動して、エンジン回転数が上昇する現象を改善することができる。
次に、変速制御装置200において実行される走行時の変速制御処理の制御シーケンスを図11に示して説明する。図11の制御シーケンスでは、自動二輪車の走行中のシーブ位置の補正処理を行う場合を示す。
図11において、まず、図9に示したものと同様の変速マップ計算処理1001を実行してシーブ目標位置を求める。次に、プライマリシーブ回転数センサ304から入力されるシーブ回転数信号と、セカンダリシーブ回転数センサ302から入力されるセカンダリシーブ回転数信号とに基づいて実変速比を計算する実変速比計算処理1002を実行する。
次に、シーブ位置検出装置301から入力されるシーブ位置信号によりプライマリシーブ56のシーブ位置を計算するシーブ位置計算処理1003を実行し、このシーブ位置を変速比(目標変速比)に変換する変速比変換処理1004を実行する。
次に、上記変速比(目標変速比)から上記実変速比を減算する演算処理1005を実行して、差分変速比を求め、この差分変速比に定数Krを乗算する乗算処理1006を実行して補正値を求める。
次に、上記シーブ目標位置から上記補正値を減算する演算処理1007を実行して、補正シーブ目標位置を求め、この補正シーブ目標位置から上記シーブ位置を減算する演算処理1008を実行して、シーブ目標移動量を求め、このシーブ目標移動量に定数Kpを乗算する乗算処理1009を実行する。
次に、シーブ位置検出装置301から入力されるシーブ位置信号(ポテンショ値)の単位時間あたりの変化に基づいて、シーブ移動速度を計算するシーブ移動速度計算処理1010を実行し、このシーブ移動速度に定数Kcを乗算する乗算処理1011を実行する。
次に、上記定数Kpを乗算したシーブ目標移動量から上記定数Kcを乗算したシーブ移動速度を減算する演算処理1012を実行して、シーブ目標移動量を補正する。そして、補正したシーブ目標移動量に定数Kvを乗算する乗算処理1013を実行して、シーブ制御出力(PWM出力)をセルモータ41に出力する。
以上の制御シーケンスにより、変換マップ計算により得られたシーブ目標位置を、走行中の実変速比と実シーブ位置から求めた補正値により補正し、補正したシーブ目標位置によりシーブ目標移動量を求めることにより、走行中のプライマリシーブ56のシーブ位置のズレを補正するようにした。
なお、走行中のプライマリシーブ56のシーブ位置にズレが発生する要因としては、上記Vベルト式自動変速機55の各部の経年変化によるもの以外に、自動二輪車生産時にVベルト式自動変速機55を組み付ける際のバラツキによっても発生する。
この生産時のバラツキによる個体差に対応するため、自動二輪車の初回始動時にシーブ位置のズレを補正する車両補正係数を求める処理について、図12に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この車両補正係数は、自己保持回路201に保持されるものとする。
図12において、変速制御装置200は、初回始動時に、自己保持回路201に車両補正係数が保持されているか否かにより、当該車両の車両補正係数が未定か否かを判別する(ステップS1101)。車両補正係数が未定であると判別した場合は、車速センサ303から入力される車速信号の変化に基づいて加速度が上昇中か否かを判別する(ステップS1102)。
加速度が上昇中であると判別した場合は、ステップS1103に移行して、その速度が予め設定した速度V(例えば、1.3km/h)に達したか否かを判別する。速度が速度Vに達したと判別した場合は、車両補正係数を自己保持回路201に保持して、現在の速度Vの補正値として設定する(ステップS1104)。
また、ステップS1101において車両補正係数が既に設定されている場合、ステップS1102において加速度が上昇中でないと判別した場合、ステップS1103において速度が速度Vに達していないと判別した場合、すなわち、停車中、又は車速が速度Vに達していない低速の場合は、補正値の設定は変更せずに、ステップS1101の処理に戻る。
したがって、自動二輪車の個体差による定常的なシーブ位置のズレを考慮した車両補正係数を保持しておき、補正値の計算に利用することが可能になる。また、自動二輪車が初回始動時に加速状態にあり、かつ車速が予め設定した速度Vに達した場合は、車両補正係数が補正値として設定されることになり、個体差により発生するシーブ位置のズレを補正することが可能になる。
次に、Vベルト59の経年変化によりプライマリシーブ56のシーブ位置にズレが発生する場合に対応するため、そのズレ量を示すベルト補正係数を自己保持回路201に保存しておき、補正値の計算に使用する場合について、図13に示すフローチャートを参照して説明する。
図13において、変速制御装置200は、車速センサ303から入力される車速信号の変化に基づいて加速度が上昇中か否かを判別する(ステップS1201)。加速度が上昇中であると判別した場合は、ステップS1202に移行して、その速度が予め設定した速度V(例えば、1.3km/h)に達したか否かを判別する。速度が速度Vに達したと判別した場合は、自己保持回路201に保存したベルト補正係数を現在の速度Vの補正値として設定する(ステップS1203)。
また、ステップS1201において加速度が上昇中でないと判別した場合、ステップS1202において速度が速度Vに達していないと判別した場合、すなわち、停車中、又は車速が速度Vに達していない低速の場合は、補正値の設定は変更せずに、ステップS1201の処理に戻る。
したがって、上記処理により、ある加速度(速度)状態の時に、ベルト補正係数を測定して保存しておき、そのベルト補正係数に基づいてシーブ目標位置を補正する補正値を算出することにより、加速時に補正値を常に計算する必要がなくなる。
その結果、変速制御装置200の処理負担を軽減しながら、Vベルト59の経年変化によるプライマリシーブ56のシーブ位置のズレを補正することができ、走行中に変速比がロウ側になってエンジン回転数を上昇させることを改善することができる。
次に、上記停車時補正値と、上記車両補正係数と、上記ベルト補正係数を用いて補正値を計算する場合について、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
図14において、変速制御装置200は、車速センサ303から入力される車速信号に基づいて車速が予め設定した速度V(例えば、1.3km/h)を越えたか否かを判別する(ステップS1301)。車速が速度Vを越えていると判別した場合は、上記自己保持回路201に保持した車両補正係数に基づいて補正値を計算する(ステップS1302)。次に、上記自己保持回路201に保持したベルト補正係数に基づいて補正値を計算する(ステップS1303)。
また、ステップS1301において、車速が速度Vを越えていないと判別した場合は、上記自己保持回路201に保持した停車時補正値を補正値として設定する(ステップS1304)。
以上のように、Vベルト式自動変速機55を構成する部材の経年変化を考慮した停車時補正値、車両の個体差を考慮した車両補正係数、及びベルトの経年変化を考慮したベルト補正係数を用いて、発進時に加速してから所定速度に達するまでのシーブ位置の補正と、初回始動時に加速してから所定速度に達するまでのシーブ位置の補正と、走行中の加速時のシーブ位置の補正とを適宜実行して、常に目標変速比になるようにシーブ位置を調整することが可能になる。
また、上記走行中の制御シーケンスによれば、以下のような制御形態も実現することができる。
(1)発進時には、記憶された補正値を用いることで、シーブの位置のズレを補正し、車速がある値以上になった後は、目標変速比と実変速比との比較結果に基づくフィードバック制御が可能になる。
(2)また、発進時には、目標変速比を補正し、車速がある値以上になった後は、記憶された補正値によるフィードフォワード制御とフィードバック制御とを行うことが可能である。これにより、予めフィードフォワード制御を行うことで、変速比の制御を迅速に行うことができる。
(3)さらに、車速がある値以上になった後は、目標変速比によるシーブ位置に記憶された補正値を加えた位置に移動させる制御を行うことも可能である。これにより、フィードバック制御を行うことがないため、変速比の制御を迅速に行うことができる。
図15は、本発明におけるベルト式無段変速機100を、自動二輪車500に搭載した例を示したものである。図15に示すように、車体フレームのヘッドパイプによりフロントフォーク501が枢支され、該フロントフォーク501の下端には前輪502が、上端には操向ハンドル503がそれぞれ配置されている。またシート504の下方には、本発明のベルト式無段変速機100と、当該無段変速機のプライマリシーブの溝幅を制御する電動モータ、及びエンジン等で構成されるパワーユニット505が上下揺動可能に搭載され、該パワーユニット505の後端部には後輪506が配置されている。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。なお、上記実施形態における自動二輪車とは、モーターサイクルの意味であり、原動機付自転車(モーターバイク)、スクータを含み、具体的には、車体を傾動させて旋回可能な車両のことをいう。したがって、前輪および後輪の少なくとも一方を2輪以上にして、タイヤの数のカウントで三輪車・四輪車(またはそれ以上)としても、それは「自動二輪車」に含まれ得る。
本発明は、上述したような優れた効果を発揮するものであるが、実際の鞍乗型車両への適用に当たっては、他の要件も含めた総合的な観点の下に、その具体的態様の検討がなされる。
本発明に係るベルト式無段変速機は、ベルトの経年変化等が起きても、発進時のエンジン回転数の吹き上がりを防止し、ライダーに違和感を与えないベルト式無段変速機を提供することができる。

Claims (9)

  1. シーブ位置を制御することによって変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機であって、
    前記シーブ位置は、目標変速比に対応して決定されたシーブ目標位置に基づいて制御され、
    車両が走行状態のときは、前記シーブ位置は、前記目標変速比と実変速比の偏差に基づく補正値で変更されて制御されており、
    前記車両が走行状態から停止状態になったとき、所定の走行時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求めたオフセット値が、前記シーブ目標位置に付加され、
    前記オフセット値は、車両が発進して加速状態にあり、かつ所定の速度に達した時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求められることを特徴とする、ベルト式無段変速機。
  2. 前記車両が再び走行状態になったとき、前記シーブ位置は、前記オフセット値が付加されたシーブ目標位置に基づいて制御されることを特徴とする、請求項1に記載のベルト式無段変速機。
  3. シーブ位置を制御することによって変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機であって、
    前記シーブ位置は、目標変速比に対応して決定されたシーブ目標位置に基づいて制御され、
    車両が走行状態のときは、前記シーブ位置は、前記目標変速比と実変速比の偏差に基づく補正値で変更されて制御されており、
    前記車両が走行状態から停止状態になったとき、所定の走行時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求めたオフセット値が、前記シーブ目標位置に付加され、
    前記車両の動力伝達経路に遠心クラッチを有し、
    前記オフセット値は、前記遠心クラッチが接続している時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求められることを特徴とする、ベルト式無段変速機。
  4. シーブ位置を制御することによって変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機であって、
    前記シーブ位置は、目標変速比に対応して決定されたシーブ目標位置に基づいて制御され、
    車両が走行状態のときは、前記シーブ位置は、前記目標変速比と実変速比の偏差に基づく補正値で変更されて制御されており、
    前記車両が走行状態から停止状態になったとき、所定の走行時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求めたオフセット値が、前記シーブ目標位置に付加され、
    前記ベルト式無段変速機は、駆動軸に配置されたプライマリシーブと、被駆動軸に配置されたセカンダリシーブと、前記プライマリシーブ及び前記セカンダリシーのV溝間に巻かれたベルトで構成され、
    前記プライマリシーブのシーブ位置を電気的に制御することによって変速比を変更し、
    前記セカンダリシーブと、該セカンダリシーブの軸間にトルク差に応じて推力を発生する作動機構を有し、
    前記オフセット値は、前記作動機構が作動し、前記推力を発生している時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求められることを特徴とする、ベルト式無段変速機。
  5. 前記ベルト式無段変速機は、可撓性を有するベルトを使用していることを特徴とする、請求項1から4の何れか一つに記載のベルト式無段変速機。
  6. シーブ位置を制御することによって変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機の制御方法であって、
    前記シーブ位置は、目標変速比に対応して決定されたシーブ目標位置に基づいて制御され、
    車両が走行状態のときは、前記シーブ位置は、前記目標変速比と実変速比の偏差に基づく補正値で変更されて制御されており、
    前記車両が走行状態から停止状態になったとき、所定の走行時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求めたオフセット値を、前記シーブ目標位置に付加し、
    前記オフセット値は、車両が発進して加速状態にあり、かつ所定の速度に達した時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求められることを特徴とする、ベルト式無段変速機の制御方法。
  7. シーブ位置を制御することによって変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機の制御方法であって、
    前記シーブ位置は、目標変速比に対応して決定されたシーブ目標位置に基づいて制御され、
    車両が走行状態のときは、前記シーブ位置は、前記目標変速比と実変速比の偏差に基づく補正値で変更されて制御されており、
    前記車両が走行状態から停止状態になったとき、所定の走行時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求めたオフセット値を、前記シーブ目標位置に付加し、
    前記車両の動力伝達経路に遠心クラッチを有し、
    前記オフセット値は、前記遠心クラッチが接続している時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求められることを特徴とする、ベルト式無段変速機の制御方法。
  8. シーブ位置を制御することによって変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機の制御方法であって、
    前記シーブ位置は、目標変速比に対応して決定されたシーブ目標位置に基づいて制御され、
    車両が走行状態のときは、前記シーブ位置は、前記目標変速比と実変速比の偏差に基づく補正値で変更されて制御されており、
    前記車両が走行状態から停止状態になったとき、所定の走行時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求めたオフセット値を、前記シーブ目標位置に付加し、
    前記ベルト式無段変速機は、駆動軸に配置されたプライマリシーブと、被駆動軸に配置されたセカンダリシーブと、前記プライマリシーブ及び前記セカンダリシーのV溝間に巻かれたベルトで構成され、
    前記プライマリシーブのシーブ位置を電気的に制御することによって変速比を変更し、
    前記セカンダリシーブと、該セカンダリシーブの軸間にトルク差に応じて推力を発生する作動機構を有し、
    前記オフセット値は、前記作動機構が作動し、前記推力を発生している時に取得したシーブ目標位置及び実シーブ位置から求められることを特徴とする、ベルト式無段変速機の制御方法。
  9. 請求項1から5の何れか一つに記載のベルト式無段変速機を搭載した鞍乗型車両。
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