以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るエンジン制御装置が適用された走行装置の構成図である。本実施の形態では、走行装置の一例として、船外機10を例示する。
この船外機10は、船体1の船尾に装着されている。船外機10は、エンジン2、ECU(エンジン制御ユニット)11、スタータモータ15等を備える。エンジン2において、各気筒(例えば4気筒)に対応するインジェクタ13及び点火プラグ14が設けられる。スタータモータ15は、エンジン2を始動する。ECU11は、船外機10全体を制御し、例えば、インジェクタ13による燃料噴射及び点火プラグ14の点火を制御する。ECU11内には、不図示のCPUのほか、記憶部12が備えられている。記憶部12は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを有して構成されている。記憶部12には、上記CPUが実行する制御プログラムのほか、後述する「認証コード」等の各種データ、フラグ及び各種変数等が記憶される。
船外機10には、バッテリ16がバッテリスイッチ41を介してバッテリケーブル17で接続され、バッテリ16から電力が船外機10の電装部品に供給される。また、リモコンボックス20が、リモコンケーブル18及びスロットル・シフトケーブル27で船外機10に接続されている。リモコンボックス20には、スロットル・シフトレバー21が設けられ、スロットル・シフトレバー21にはPTTスイッチ22が設けられている。このスロットル・シフトレバー21の操作により、船外機10のスロットル制御及びシフト制御が可能となり、PTTスイッチ22の操作により、船外機10のチルト・トリム操作が可能となっている。
船外機10にはまた、エンジン2の回転数を検出するクランク角信号検出器等の回転数センサ32が設けられ、そのエンジン回転数を示す検出信号がECU11に供給される。また、リモコンボックス20には、ニュートラルスイッチ33が設けられ、ニュートラルであることをオンで示すオン/オフ信号がECU11に供給される。また、船外機10には、別体のパーソナルコンピュータ40が接続可能である。
リモコンボックス20にはまた、エンジン始動スイッチであるキーSW(スイッチ)23と、緊急エンジン停止スイッチであるエマージェンシーSW(スイッチ)24とが設けられる。キーSW23には、抜き差し可能なエンジンキー23aが挿入されている。また、メータパネル19が、リモコンケーブル18によってECU11に接続されており、ECU11の制御により、船外機10に関する各種情報がメータパネル19に表示される。
エマージェンシーSW24は、ロックプレート装着部25にロックプレート26(または予備のロックプレート26a)を介在させたときオフ(OFF)となる一方、ロックプレート26がロックプレート装着部25から外れたときオン(ON)となってエンジン2を停止させる。運転者は、ロックプレート26を、自身の体(例えば、手首等)に連結紐31を介して接続し、船外機10の運転を行う際には、ロックプレート装着部25にロックプレート26を装着し、エマージェンシーSW24をオフ状態とする。仮に、運転者が落水等をした場合は、運転者と共にロックプレート26がロックプレート装着部25から外れて、エマージェンシーSW24がオンとなり、エンジン2が自動的に緊急停止する。
図2(a)は、メータパネル19の一部を成すタコメータ28の正面図である。同図(b)は、キーSW23の正面図である。
図2(a)に示すように、タコメータ28は、回転式の針29を備え、その文字盤に、エンジン回転数を示す数値が例えば、0〜7(0〜7000rpmに対応)で書かれている。また、タコメータ28内には、4つのLED30(30(1)〜30(4))が設けられている。LED30(1)、30(2)、30(3)、30(4)は、それぞれ、エンジンチェック(check engine)、エンジン温度(temp)、エンジンオイル(oil)、エンジン回転数の上限(rev limit)に関する状況を示すものである。
また、図2(b)に示すように、キーSW23は、挿入されたエンジンキー23aをOFF位置から時計方向に1段階回転させるとキーON、2段階回転させるとクランキングONとなる。通常のエンジン始動手順においては、キーONでバッテリ16から電力がECU11に供給され、クランキングONでスタータモータ15が駆動されてエンジン2が始動される。また、キーSW23は、キーON位置においてエンジンキー23aが押下可能なように構成されており、通常時(エマージェンシーSW24がオフの状態)においては、エンジンキー23aが押下されるとダイアグノーシスブザーが停止するようになっている。
ところで、上記船外機10をはじめ、メータパネル19(タコメータ28を含む)、リモコンボックス20(キーSW23、エマージェンシーSW24を含む)、バッテリ16も、それら自体はすべて公知の一般的な構成であり、従来の船外機乃至船舶においては既存のものである。本実施の形態では、後述するように、ECU11(内のCPU)で実行される制御プログラムに改良を加えることで、上記ハード構成を変更することなく、船外機10を第三者が盗難できないようにしている。
詳細は後述するが、本実施の形態では、ECU11の制御モードとして、通常のエンジン始動手順によるエンジン2の始動を許可する「通常モード」と、通常のエンジン始動手順によるエンジン2の始動を禁止する「盗難防止モード」とがあり、両モードは排他的にいずれかが設定される。制御モードの設定は、後述する図5〜図10の処理によりなされる。
制御モードの設定を変更するには、「認証コード」の入力が必要となるが、この認証コードは、例えば、3桁の数値(例えば、1桁目から順に「2、1、7」とする)であり、通常は、通常モードから盗難防止モードに移行させる度毎に任意の数値を入力し、その数値が記憶部12に次回のキーON時まで保持される。後述する「簡易設定モード」では、認証コードの入力は必要なく、前回入力され記憶部12に保持されている認証コード(以下、これを特に「登録認証コード」と称する)が用いられる。盗難防止モードから通常モードに移行させるときは、記憶部12に保持されている登録認証コードと同一の認証コードを入力する。なお、固定的な認証コードを予め記憶部12に格納しておき、通常モードから盗難防止モードに移行させる場合にも、上記固定的な認証コードと同じ数値を入力させることを条件としてもよい。
本実施の形態では、認証コードの入力手段として、一例としてキーSW23を用い、キーON位置にしたエンジンキー23aの押下回数を1桁毎に数値化して3桁の認証コードを入力するようにしている。
まず、認証コードの入力による盗難防止モードの設定、及び通常モードの設定(すなわち、盗難防止モードの解除)の一例を説明する。図3(a)〜(e)は、盗難防止モードを設定する際のタコメータ28の表示態様の遷移図である。図4(a)〜(e)は、通常モードを設定する際のタコメータ28の表示態様の遷移図である。図3(a)〜(e)は、後述する図9の設定入力処理に対応し、図4(a)〜(e)は、後述する図10の解除入力処理に対応する。
まず、エマージェンシーSW24をオンにした状態でキーSW23をキーONにすることで、盗難防止モードまたは通常モードの設定(制御モード切り換え)が可能な状態となる。通常モードから盗難防止モードに切り換える場合は、初期状態表示として、図3(a)に示すように、LED30(1)〜30(4)がいずれも消灯され、タコメータ28の針29がタコメータ28の文字盤の「0」を指している。ユーザは、所定時間TB(例えば15秒間)内にキーSW23においてエンジンキー23aの押下操作を開始して、任意の3桁の認証コードを入力していく。
例えば、1桁目として「2」を入力するために、ユーザは、エンジンキー23aを2回押下し、そのまま所定時間t(例えば5秒間)が経過すると、数値「2」が決定される。すなわち、エンジンキー23aを所望回数押下した後に所定時間tだけ待てばその回数が当該桁の数値として決定される。なお、所定時間tの経過で数値を決定する代わりに、エンジンキー23aを所望回数押下した後に、他の操作子(例えば、PTTスイッチ22、スロットル・シフトレバー21等)の所定操作によって数値を決定するようにしてもよい。
1桁目の数値「2」が決定されると、針29が文字盤の「2」を指すと共に、タコメータ28のLED30(1)が点灯される(図3(b)参照)。これにより、今回入力・決定された数値がユーザに認識される。次に、同様にして、2桁目として「1」を入力するために、エンジンキー23aを1回押下して、そのまま所定時間tが経過すると、数値「1」が決定され、針29が文字盤の「1」を指すと共にLED30(2)が点灯される(図3(c)参照)。同様に、3桁目として「7」を入力すると、針29が文字盤の「7」を指すと共にLED30(3)が点灯される(図3(d)参照)。
そして、入力され決定された3桁の認証コードを登録認証コードとして確定し、該登録認証コードを表示する。確定した登録認証コードの表示は、例えば、タコメータ28において、針29が3つの値を再び順次指し示すことでなされる。そして、制御モードが通常モードから盗難防止モードに切り換わり、盗難防止モードが設定されたことが表示される(後述する)と共に、制御モード切り換えが正常に終了したことを示す完了通知として、LED30(1)〜30(4)がすべて点灯される(図3(e)参照)。
一方、盗難防止モードを解除する場合は、初期状態表示として、図4(a)に示すように、LED30(1)〜30(3)が点灯され、LED30(4)が消灯され、針29が「0」を指している。
ユーザは、所定時間TB内にエンジンキー23aの押下操作を開始して、登録認証コードと同一となるように3桁の認証コードを入力していく。入力方法は盗難防止モードの設定時と基本的に同様である。
まず、登録認証コードの1桁目の数値と同じ「2」を入力するために、ユーザは、エンジンキー23aを2回押下し、そのまま所定時間tが経過すると、数値「2」が決定される。1桁目の数値「2」が決定されると、針29が文字盤の「2」を指すと共に、これが、登録認証コードの1桁目の数値と一致するので、点灯されていたタコメータ28のLED30(3)が消灯される(図4(b)参照)。これにより、今回入力・決定された数値が適切であることをユーザに認識させる。
次に、同様の操作で、2桁目である「1」、3桁目である「7」を入力していくと、針29が文字盤の「1」、「7」を順次指すと共に、点灯されていたLED30(2)、30(1)が順次消灯される(図4(c)、(d)参照)。そして、制御モードが盗難防止モードから通常モードに切り換わり、通常モードが設定されたことが表示される(後述する)と共に、登録認証コードと一致する認証コードの入力が正常になされ、制御モード切り換えが正常に終了したことを示す完了通知として、LED30(1)〜30(4)がすべて点灯される(図4(e)参照)。
以上のような処理を、フローチャートに沿って説明する。ところで、現在の制御モードが盗難防止モードまたは通常モードのいずれであるかは、モードフラグで規定され、このモードフラグは、記憶部12に記憶されて、エンジン2の停止状態であっても保持される。モードフラグは、後述するメイン処理において更新され得る。また、後述する「簡易設定モード」の実行可否を規定するフラグも記憶部12に記憶される。この簡易設定モードについては、別途の処理(図示せず)で、ユーザの任意により実行可否を定めることができる。
図5〜図8は、本実施の形態におけるメイン処理のフローチャートである。本処理は、ECU11のCPUにより実行され、キーSW23のキーON時に開始される。図9は、図6のステップS514、図7のステップS528で実行される設定入力処理のフローチャートである。図10は、図5のステップS505、図8のステップS535で実行される解除入力処理のフローチャートである。
まず、図5のステップS501で、メモリ読み込み、すなわち、記憶部12から、各種フラグ情報等を読み込む。このとき、各種変数の初期化等も実行される。次に、エマージェンシーSW24がオン状態か否かを判別し(ステップS502)、エマージェンシーSW24がオン状態である場合は、現在の制御モードが通常モードであるか否かを判別する(ステップS503)。その判別の結果、現在の制御モードが通常モードである場合は、図6のステップS512に進み、現在の制御モードが通常モードであることを表示する。ここで、ステップS512におけるモード表示は、例えばメータパネル19を用いてなされる。具体的には、図2に示すタコメータ28のLED30(1)、30(2)の2つを一定時間点滅させることで通常モードであることを表示する。
次に、クランキングSW、すなわち、キーSW23の操作によるクランキングON状態が、所定時間TA(例えば5秒間)継続したか否かを判別する(ステップS513)。その判別の結果、クランキングON状態が所定時間TA継続しなかった場合は、図9の設定入力処理を実行する(ステップS514)。
図9において、まず、カウンタ値Nに「1」を設定すると共に、盗難防止モードを設定する際の初期状態表示(図3(a)参照)をタコメータ28において表示する(ステップS901)。ここで、カウンタ値Nは記憶部12に記憶される。次に、カウンタ値Nが「3」より大きいか否かを判別し(ステップS902)、N>3でない場合は、上述した所定時間TB内にキーSW23におけるエンジンキー23aの押下操作による入力があったか否かを判別し(ステップS903)、入力があった場合は、その入力に応じて、N桁目(最初は「1桁目」)の数値を確定すると共に、数値表示を行う(ステップS904)。このN桁目の数値決定は、上述したように、エンジンキー23aを所望回数押下した後、所定時間tが経過することでなされる。数値表示は、タコメータ28の針29を移動させることでなされ、決定した数値が認識される。上記した例でいえば、最初は、N=1に対応して「2」が入力、決定されたので、タコメータ28の針29が「2」を指す(図3(b)参照)。
次に、Nに対応するLED30を点灯する(ステップS905)。最初は、N=1であるので、N=1に対応するLED30(1)が点灯される(図3(b)参照)。次に、Nを「1」だけインクリメントし(ステップS906)、前記ステップS902に戻る。従って、ステップS902〜S906の処理を3回繰り返すことで、2桁目、3桁目の数値も決定され、N=2、3に対応して、針29が「1」、「7」を順次指すと共にLED30(2)、(3)が順次点灯される(図3(c)、(d)参照)。
一方、前記ステップS902の判別の結果、カウンタ値Nが「3」を超えた場合は、入力され決定された3桁の認証コードを登録認証コードとして確定し(ステップS907)、該登録認証コードを表示する(ステップS908)。そして、正常であると判定する正常判定を行い、それを示す情報を記憶部12に記憶させて(ステップS909)、本処理を終了する。前記ステップS903の判別の結果、所定時間TB内にキーSW23の押下操作による入力がなかった場合は、ステップS910に進んで、異常であると判定する異常判定を行い、それを示す情報を記憶部12に記憶させて、本処理を終了する。
図6に戻り、前記ステップS514の処理後は、設定入力が正常であるか否かを、上記記憶された正常判定または異常判定を示す情報から判別し(ステップS515)、正常である場合は、制御モードを通常モードから盗難防止モードに切り換える(ステップS519)。このとき、記憶部12において、モードフラグを、盗難防止モードを示すフラグに書き換える。
次に、現在の制御モードが盗難防止モードであることを表示する(ステップS520)。ここで、このモード表示は、例えばメータパネル19を用いてなされる。具体的には、図2に示すタコメータ28のLED30(3)、30(4)の2つを一定時間点滅させることで盗難防止モードであることを表示する。そして、完了通知を行う(ステップS521)。すなわち、上述したように、タコメータ28において、LED30(1)〜30(4)のすべてを点灯する(図3(e)参照)。その後、本処理を終了する。
一方、前記ステップS515の判別の結果、設定入力が正常でない場合は、現在の制御モードを通常モードのまま維持して(ステップS516)、前記ステップS512と同様に通常モードであることを表示し(ステップS517)、本処理を終了する。
前記ステップS513の判別の結果、クランキングON状態が所定時間TA継続した場合は、「簡易設定モードの登録あり」か、すなわち、簡易設定モードの実行が可能となっているか否かを、記憶部12に記憶されているフラグに基づき判別する(ステップS518)。その判別の結果、簡易設定モードの登録がある場合は、前記ステップS519に進む。従って、この場合は、認証コードを入力することなく、制御モードが通常モードから盗難防止モードに切り換わる。これにより、認証コード入力の煩わしさが解消される。
一方、前記ステップS518の判別の結果、簡易設定モードの登録がない場合は、前記ステップS516に進む。これにより、クランキングON状態が所定時間TA継続した場合であっても、簡易設定モードの登録ありの場合にのみ、盗難防止モードの簡易設定が可能であるので、誤操作により、意図しないで盗難防止モードが設定されてしまうことを回避することができる。
図5の前記ステップS503の判別の結果、現在の制御モードが通常モードでない場合は、盗難防止モードであるので、前記ステップS520と同様に、現在の制御モードが盗難防止モードであることを表示し(ステップS504)、図10の解除入力処理を実行する(ステップS505)。
図10において、まず、カウンタ値Nに「1」を設定すると共に、盗難防止モードを解除する際の初期状態表示(図4(a)参照)をタコメータ28において表示する(ステップS1001)。次に、ステップS1002〜S1004で、図9の前記ステップS902〜S904と同様の処理を実行する。
ステップS1004の処理後は、今回決定したN桁目の数値が、登録認証コードにおけるN桁目の数値(上記の例でいえばN=1では「2」)と一致するか否かを判別し(ステップS1005)。その判別の結果、今回決定したN桁目の数値が、登録認証コードにおけるN桁目の数値と一致する場合は、Nに対応するLED30を消灯する(ステップS1006)。最初は、N=1であるので、N=1に対応するLED30(3)が消灯される(図4(b)参照)。
次に、Nを「1」だけインクリメントし(ステップS1007)、前記ステップS1002に戻る。従って、ステップS1002〜S1007の処理を3回繰り返すことで、2桁目、3桁目の数値も決定され、N=2、3に対応して、針29が「1」、「7」を順次指すと共にLED30(2)、(1)が順次消灯される(図4(c)、(d)参照)。
一方、前記ステップS1005の判別の結果、今回決定したN桁目の数値が、登録認証コードにおけるN桁目の数値と一致しない場合は、ステップS1009に進み、一致しなかったことが所定回数目(例えば、2回目)以内であるか否かを判別し(ステップS1009)、所定回数目以内であれば前記ステップS1002に戻って入力のやり直しを許可する。一方、所定回数目であれば、エラー表示を行う(ステップS1011)。ここで、このエラー表示は、例えば、図2に示すタコメータ28において、LED30(1)〜30(4)のすべてを点滅させることでなされる。
次に、異常であると判定する異常判定を行い(ステップS1010)、それを示す情報を記憶部12に記憶させて、本処理を終了する。前記ステップS1009の処理を設けたことで、認証コード入力の無制限のやり直し許可を回避して、認証コードを知らない第三者が試行錯誤により盗難防止モードの設定を解除することを防止することができる。
前記ステップS1002の判別の結果、カウンタ値Nが「3」を超えた場合は、ステップS1008に進み、前記ステップS909と同様の正常判定を行って、本処理を終了する。前記ステップS1003の判別の結果、所定時間TB内にエンジンキー23aの押下操作による入力がなかった場合は、前記ステップS1010に進む。
図5に戻り、前記ステップS505の処理後は、解除入力が正常であるか否かを、前記ステップS1008、S1010で記憶された正常判定または異常判定を示す情報から判別し(ステップS506)、正常である場合は、制御モードを盗難防止モードから通常モードに切り換える(ステップS509)。このとき、記憶部12において、モードフラグを、通常モードを示すフラグに書き換える。
次に、前記ステップS512と同様に、現在の制御モードが通常モードであることを表示し(ステップS510)、完了通知を行う(ステップS511)。すなわち、上述したように、タコメータ28において、LED30(1)〜30(4)のすべてを点灯する(図4(e)参照)。その後、本処理を終了する。
一方、前記ステップS506の判別の結果、解除入力が正常でない場合は、現在の制御モードを盗難防止モードのまま維持して(ステップS507)、前記ステップS520と同様に、現在の制御モードが盗難防止モードであることを表示し(ステップS508)、本処理を終了する。
図5のステップS502において、エマージェンシーSW24がオン状態でない場合は、ステップS522に進み、現在の制御モードが通常モードであるか否かを、上記読み込んだモードフラグから判別する。その判別の結果、現在の制御モードが通常モードである場合は、前記ステップS512と同様に、現在の制御モードが通常モードであることを表示する(ステップS525)。この場合は、エンジン2の始動が許可されている状態、すなわち、ECU11により、クランキング、インジェクタ13による燃料噴射及び点火プラグ14の点火の制御がなされ得る状態である。従って、この状態で、キーSW23をクランキングONの位置まで回せば、実際にエンジン2が始動する。これにより、通常モードが設定された状態でエンジン2が停止した場合は、ユーザは、通常のエンジン始動手順(ロックプレート装着部25にロックプレート26を介在させた状態でキーSW23を2段階回す)でエンジン2を始動させることができる。
一方、前記ステップS522の判別の結果、現在の制御モードが通常モードでない場合は、前記ステップS520と同様に、現在の制御モードが盗難防止モードであることを表示し(ステップS523)、エンジン2の始動を禁止して(ステップS524)、本処理を終了する。
ここで、エンジン2の始動が禁止されると、クランキング、インジェクタ13による燃料噴射及び点火プラグ14の点火の制御がなされ得ない状態となり、キーSW23をクランキングONの位置まで回しても、エンジン2は始動されない。これにより、盗難防止モードが設定された状態でエンジン2が停止した場合は、その後、通常のエンジン始動手順を踏んでもエンジン始動ができないので、悪意のある第三者による船外機10乃至船舶の盗難が回避される。
前記ステップS525の処理後は、エンジン2の始動が有ったか否かを、回転数センサ32(図1参照)の検出信号に基づき、エンジン2の回転数が所定値neL(例えば、アイドリング回転数幅の下限値)以上であるか否かによって判別する(ステップS526)。その判別の結果、エンジン2の始動が有った場合は、始動後における盗難防止モードの設定条件が成立する(OK)か否かを判別する(ステップS527)。この設定条件は、例えば、アイドリング中であって且つニュートラルであることとする。すなわち、エンジン2の回転数が、所定値neLより高い所定値neH(例えば、アイドリング回転数幅の上限値)以下であって且つニュートラルスイッチ33からニュートラルであることを示すオン信号が供給されている場合に、上記設定条件が成立する。
その判別の結果、始動後における盗難防止モードの設定条件が成立する場合は、図9の設定入力処理を実行し(ステップS528)、次に、前記ステップS515と同様に、設定入力が正常であるか否かを判別する(ステップS529)。そして、正常である場合は、前記ステップS519〜S521と同様に、通常モードから盗難防止モードへの切り換え、盗難防止モードであることの表示、及び完了通知の処理を実行する(ステップS530、S531)。
これにより、エンジン始動後のアイドリング状態且つニュートラル状態において、ステップS528の設定入力処理において所定時間TB(ステップS903)及び所定時間t(ステップS904)で規定される一定の時間の間に限り、認証コードの適切な入力によって制御モードを盗難防止モードに移行させることができる。
一方、前記ステップS526、S527またはS529において、エンジン2の始動がない場合、始動後における盗難防止モードの設定条件が成立しない場合、または設定入力が正常でない場合は、いずれも本処理を終了する。
前記ステップS531の処理後は、ステップS532に進み、「エンジン操作(所定のエンジン操作)」が有ったか否かを判別する。ここで、上記エンジン操作は、例えば、スロットル操作やシフト操作等、アイドリング状態且つ走行停止状態の船外機10に対して、エンジン回転数上昇または走行開始を意図する操作であり、例えば、エンジン2の回転数が上記所定値neH以上とされた場合、あるいはニュートラルスイッチ33からオフ信号が供給された場合は、「エンジン操作有り」と判別される。従って、上記エンジン操作には、各種センサの信号等、各種入力によってECU11が認識可能なものが含まれ、不正なスイッチ操作も含まれる。
その判別の結果、エンジン操作がない場合は、前記ステップS505、S506と同様に、図10の解除入力処理、及び解除入力が正常であるか否かの判別を実行する(ステップS535、S536)。前記ステップS536の判別の結果、解除入力が正常である場合は、前記ステップS509〜S511と同様に、通常モードへの切り換え、通常モードであることの表示、及び完了通知の処理を実行して(ステップS539、S540、S541)、前記ステップS527に戻る。一方、前記ステップS536の判別の結果、解除入力が正常でない場合は、前記ステップS507、S508と同様に、盗難防止モードの維持、及び盗難防止モードであることの表示の処理を実行して(ステップS537、S538)、前記ステップS532に戻る。
前記ステップS532の判別の結果、エンジン操作が有った場合は、不図示の発音装置で警報音を鳴らす(ステップS533)。なお、この警報音の発音と共に、メータパネル19等を利用して警告表示を行うようにしてもよい。次に、インジェクタ13による燃料噴射及び点火プラグ14の点火を停止させて、エンジン2を強制的に停止させる(ステップS534)。その後、本処理を終了する。これにより、第三者による盗難が抑止される。すなわち、適切な認証コードの入力がない限り、盗難防止モードが設定された暖機状態が継続され、その状態でエンジン操作があればエンジン停止するので、盗難抑止効果が確保された状態で安心して暖機を継続することができる。
なお、ステップS534を経て本処理を終了した場合は、盗難防止モードが設定されたままとなっている。従って、上述したように、エンジン停止後、悪意のある第三者がエンジン再始動をしようとして、キーSW23をクランキングONの位置まで回しても、エンジン2は始動されないので(ステップS501→S502→S522→S523→S524)、盗難抑止効果がエンジン停止後も継続する。
ところで、制御モードを切り換えたい場合に、登録認証コードを忘れてしまったとき等のために、サービスツール40aを用意しておく。サービスツール40aは、例えば、図1に示すように、パーソナルコンピュータ40等にソフトウェアとしてインストールされたものであり、ディーラーでのメンテナンスを目的とするソフトウェアと兼用することも可能である。盗難防止モードを設定する際に、パーソナルコンピュータ40を接続してサービスツール40aを稼働させておくことで、非常の場合、このサービスツール40aにより、ユーザが登録認証コードを知るか、あるいはECU11に盗難防止モードの解除を行わせることができる。なお、固定的な認証コードを用いるように構成した場合は、認証コードはパーソナルコンピュータ40に記憶させておけば、毎回の盗難防止モードの設定時にパーソナルコンピュータ40を接続する必要はない。
本実施の形態によれば、エンジン始動後、通常モードで、アイドリング且つニュートラル状態で、一定の時間だけ、制御モードを盗難防止モードに移行させることができ、しかも、盗難防止モードの設定状態及びアイドリング状態が継続している場合には、盗難防止モードの解除操作がない限り、エンジン操作が検知されたとき、エンジン2が停止する。従って、通常モードでエンジン始動した後に、盗難防止モードで暖機状態に移行させたいとき、一旦エンジン2を停止させて再始動するという手順を踏む必要がなく、アイドリング状態のままで盗難防止モードの設定が可能である。よって、煩わしい設定操作を必要とすることなく、アイドリング状態で船外機10が盗難されることを抑止することができる。
特に、船外機10等のように、運転席乃至操縦部が開放された走行装置においても、アイドリング状態にしたまま運転者が離れても、盗難抑止状態を確保できる。
また、特に船外機10のように、アイドリング回転数であってもシフトインすることで走行が可能な走行装置においても、シフト操作があればエンジン停止するので、確実な盗難抑止効果が期待できる。
さらに、船外機10が、例えば、通常モードで且つエンジンが停止している場合において、船外機10を、次回始動時に盗難防止モードとなるように設定した上で、エンジン停止状態で保管しておきたいときでも、ステップS503→S512〜S521の処理により、一旦エンジンを始動することなく盗難防止モードを設定することができ、煩わしさがない。
また、認証コードの入力は、一般的な船外機に設けられる既存スイッチであるキーSW23を用いて行うので、盗難防止モードの設定及び解除のために特別なスイッチが不要である。さらに、モード表示、エラー表示は、既存の表示装置であるタコメータ28を利用して行うので、特別な表示装置が不要である。よって、上記のような盗難防止機能を備える上で、ECUの改変だけでよく、適用可能な走行装置の範囲が広く、導入に際しユーザ負担も少なくて済む。
また、エンジン停止時における制御モードの切り換え処理(ステップS503〜S521)は、エマージェンシーSW24のオン状態という、通常のエンジン始動手順と異なる状態で、キーSW23をキーONにした場合にのみ可能となり、このとき、キーSW23及びタコメータ28が、本来の機能を発揮することなく、制御モードの切り換えに関する機能を専ら果たすようになるので、通常時のエンジン始動等の船外機10の本来の動作に支障を与えることなく、円滑な切り換え処理が可能となる。
ちなみに、エンジン始動後における制御モードの切り換え処理(ステップS528〜S541)も、キーSW23を用いてなされるが、一般に、スタータモータを備えたエンジンにおいてはリングギヤの損傷防止等のために、エンジン回転中にはクランキングSWを無効にしている。だからこそ、キーSW23の本来の機能動作に支障を与えることなく、キーSW23によるクランクON操作を認証コード入力に用いることが可能となっている。
ところで、認証コードの入力による盗難防止モードの設定(ステップS514、S528)では、設定の度毎にコード入力を行うことから、認証コードを忘れにくいという利点がある。一方、この手法とは別に設けた、簡易設定モードによる盗難防止モードの設定(ステップS513→S518→S519〜S521)では、盗難防止モード設定時の認証コード入力の煩わしさを解消することができる、という利点がある。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態に対して図5〜図8のメイン処理の一部が異なり、その他は同様である。図11は、第2の実施の形態に係るメイン処理の一部を示すフローチャートである。
本実施の形態では、図7のステップS531の処理後、図11に示すように、ステップS1101に進み、アイドリング状態を維持したままでエンジンキー23aの取り外しを許可する。すなわち、キーSW23においてエンジンキー23aをオフ位置まで回し、なおかつキーSW23から抜くことを許容し、しかも、盗難防止モードの設定状態及びエンジン2のアイドリングはそのまま維持する。
次に、前記ステップS532と同様の処理を実行し(ステップS1102)、エンジン操作が有った場合は前記ステップS533に進む一方、エンジン操作がない場合は、エンジンキー23aがキーSW23に再挿入されたか否かを判別する(ステップS1103)。そして、エンジンキー23aの再挿入がなされたら、前記ステップS535に進む。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するだけでなく、盗難防止モードの設定状態で且つアイドリング状態のままエンジンキー23aを抜き取り可能である。従って、抑止効果を確保した暖機状態のままその場を離れても、エンジンキー23aを有しない第三者はエンジン始動操作も認証コードの入力操作もできないので、盗難防止モードのキーSW23による解除操作が不能になり、盗難抑止効果が増す。
また、本実施の形態の構成を、船外機でなく、4輪等の、ドアのある走行装置に適用した場合は、エンジンキーを1つしか所持していなかったとしても、抑止効果を確保した暖機状態のまま1つのエンジンキーだけでドアロックしてその場を離れることができる。この場合、例えば、正式にキーを使用してドアロックが正常に解除されたことを条件に盗難防止モードを解除する(盗難目的による不正なドアの開け方をした場合は盗難防止モードを解除しない)ように構成すれば、認証コードを入力する煩わしさがなくてよい。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態では、第1の実施の形態に対して、図5〜図8のメイン処理の一部、及びエンジンキーの構成が異なり、その他は同様である。本実施の形態におけるエンジンキー23aは、イモビライザとトランスポンダとの組み合わせ等による認証機能を有している。例えば、ECU11は、エンジンキー23aを認証するためのデータを記憶しており、エンジンキー23aが発する確認信号を監視して、該確認信号を所定時間内に受信し、かつ該確認信号の内容が、記憶しているデータと照合して一致すれば、認証結果をOKとする。
図12(a)、(b)は、第3の実施の形態に係るメイン処理の一部を示すフローチャートである。
本実施の形態では、図7のステップS531の処理後、図12(a)に示すように、ステップS1201に進み、前記ステップS1101と同様に、アイドリング状態を維持したままでエンジンキー23aの取り外しを許可する。
次に、前記ステップS532と同様の処理を実行し(ステップS1202)、エンジン操作が有った場合は前記ステップS533に進む一方、エンジン操作がない場合は、エンジンキー23aがキーSW23に再挿入されたか否かを判別する(ステップS1203)。そして、エンジンキー23aの再挿入がなされたら、ステップS1204に進み、上記確認信号の監視し、エンジンキー23aの認証を行う。次に、確認信号の照合によりエンジンキー23aの認証結果がOKであるか否かを判別し(ステップS1205)、認証結果がOKでない場合は、前記ステップS535に進む。すなわち、解除入力処理による盗難防止モードの解除の機会が与えられる。一方、認証結果がOKである場合は、前記ステップS539に進む。すなわち、解除入力処理を経ることなく、直ちに通常モードに切り換わる。
また、図12(b)に示すように、図5のステップS504の処理後は、前記ステップS1204と同様に、キーSW23に現在挿入されているエンジンキー23aの認証を行う(ステップS1206)。次に、前記ステップS1205と同様に、エンジンキー23aの認証結果がOKであるか否かを判別し(ステップS1207)、認証結果がOKでない場合は、前記ステップS505に進む。すなわち、解除入力処理による盗難防止モードの解除の機会が与えられる。一方、認証結果がOKである場合は、前記ステップS509に進む。すなわち、解除入力処理を経ることなく、直ちに通常モードに切り換わる。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するだけでなく、認証機能付きのエンジンキーを再挿入するだけで盗難防止モードが解除されるので、解除のために認証コードを入力する煩わしさがない。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態では、第1の実施の形態に対して図5〜図8のメイン処理の一部が異なり、その他は同様である。図13は、第4の実施の形態に係るメイン処理の一部を示すフローチャートである。
本実施の形態では、図8のステップS534でエンジン2を停止させた後、図13に示すように、ステップS1301に進み、エンジン始動を許可する。次に、所定時間TC(例えば、30秒間)内にエンジン2の再始動が有ったか否かを判別し(ステップS1302)、再始動がない場合は本処理を終了する一方、再始動があった場合は、前記ステップS531に戻る。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するだけでなく、エンジン操作に基づきエンジン2を停止させた場合であっても、所定時間TCの間だけは、キーSW23によるエンジン2の再始動が可能である。従って、アイドリング状態で盗難防止モードが設定された後に、誤ってエンジン操作したことによりエンジン停止したような場合であっても、盗難防止モードを一旦解除することなく、盗難防止モードが設定された暖機状態に速やかに復帰でき、モード解除等の煩わしさがない。
なお、本実施の形態において、エンジン操作に基づきエンジン2を停止させた場合に、所定時間TCの間だけ、再始動を許容したが、再始動を許容する条件としては、これに限られない。例えば、キーSW23による始動操作と並行して、他のスイッチを操作することを条件としてもよい。
なお、上記各実施の形態おいて、認証コードの数値は、エンジンキー23aの押下回数で決定したが、これは一例であり、例えば、エンジンキー23aの押下継続時間を数値化して行ってもよい。あるいは、エンジンキー23a以外の他の操作子(好ましくは既存のもの)を利用して数値入力するようにしてもよい。また、入力した数値の表示は、メータパネル19のタコメータ28を利用したが、これに限るものでなく、スピードメータ、あるいはLCD等で数値表示できるもの(好ましくは既存のもの)を利用してもよい。
なお、認証コードとして3桁の数値を例示したが、これに限るものでなく、桁数を増やしてもよいし、アルファベット等の文字を含めるようにしてもよい。
なお、図5のステップS502において、ステップS503に進む条件としての、通常のエンジン始動手順と区別する状態としては、エマージェンシーSW24のオン状態に限られず、通常手順によるエンジン始動が不能な所定状態であればよい。例えば、スロットル・シフトレバー21がシフトイン状態(ニュートラルスイッチ33がオフ状態)の場合に、ステップS503に進むようにしてもよい。
なお、簡易設定モードの処理(図6のステップS518〜S521)に移行するための条件として、クランキングON状態が所定時間TA継続することとした(ステップS513)。これによれば、キーON操作とクランキングON操作が、いずれもキーSW23によってなされるので、これらの操作が別々の操作子によってなされるのに比し、操作が容易である。これが好ましい例示であるが、これに限られるものではなく、他の操作子の操作を、ステップS518以降に移行するための条件としてもよい。例えば、PTTスイッチ22のオン、スロットル・シフトレバー21のシフトイン等を条件としてもよい。
なお、図5〜図8のメイン処理は、キーSW23がキーONされたとき開始されるとしたが、これに限るものでなく、例えば、ECU11がバッテリ16から電力供給を受けている所定の状態時に開始されるようにしてもよい。
なお、上記各実施の形態では、ECU11はバッテリスイッチ41を介して電力の供給を受けるが、ECU11がバッテリスイッチ41を介さずにバッテリ16からの電力供給を受けるようにしてもよい。この場合、バッテリスイッチ41がOFFの状態においても、ECU11がバッテリ16からの電力供給を受けているので、例えば、メータパネル19のLED点滅等を行うことが可能となり、船外機10が盗難防止状態になっていることを外部に知らせることができる。
なお、本発明は、ECUを備えた船外機に限定されず、バッテリから電力供給を受けて少なくとも点火制御を行う制御手段を有する船外機に適用可能である。例えば、バッテリを有しないキャブレタ仕様でCDI点火方式を採用する船外機にも適用することができる。
この場合は、エンジン始動前にCDI制御ユニットに電力供給ができないので、例えば、次のようにすればよい。すなわち、一旦エンジン始動を許可する。この状態では既存のスイッチ類は通常の機能を発揮しないように制御ユニットにて制御される。そして、エンジンがアイドリング且つシフトがニュートラル状態で認証コードの入力を行わせて盗難防止モードを解除させる。これにより、上記スイッチ類は通常の機能へと切り替わり、シフトインとエンジン回転数の上昇が可能となり、通常の運転ができる。正しい認証コードの入力がない場合は、シフトインしてスロットルを開いても、点火カットとなり、エンジンが停止するので、実質的に運転禁止状態にできる。通常モードから盗難防止モードへの切り換えは、アイドリング中に認証コードを入力させてエンジンを停止させることでなされる。
なお、船外機に限らず、水上バイク、雪上車、2輪、ATV(All Terrain Vehicle)、4輪等、エンジンを搭載する各種走行装置において、本発明のエンジン制御装置を適用可能である。