JP4581254B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内視鏡に係り、特に先端硬質部の先端面の縁が面取りされた内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用内視鏡の手元操作部には、体内に挿入される挿入部が接続され、挿入部には、湾曲部を介して先端硬質部が設けられている。図6に示す先端硬質部1の先端面2は、体内への挿入を容易に行うため、縁部3が曲面状に面取りされている。面取りされた縁部3で囲まれる平坦部4には、患部を観察するための観察窓5が配設されるとともに、この観察窓5を挟んで両側には、患部に照明光を照射するための照射レンズ6、6が配置されている。照射レンズ6の後方には、光学繊維からなるライトガイド(不図示)の先端部が接続され、このライトガイドの基端部が光源装置に接続される。一方、観察窓5の後方には固体撮像素子(CCD)が配設され、このCCDの受光面に観察窓5で得た観察像が結像される。
【0003】
先端硬質部1は、体腔内への挿入性を向上させるために細径化することが望まれている。しかし、照明窓6や観察窓5の配置を変えずにそのまま細径化すると、平坦部4が小さくなり、レンズの一部が縁部3にはみ出る問題があった。その場合、レンズの一部が縁部3の曲面から突出するので、この突出部が体腔内への挿入時に体腔壁に引っ掛かるおそれがある。また、突出部のコバ面から、照明窓では散乱光が発生し、観察窓ではフレア等が発生するおそれがあるといった問題があった。
【0004】
そこで、従来は、照明窓や観察窓の配置を無理に変更し、照明窓6や観察窓5を平坦部4の中心に寄せて配置することによって、先端硬質部1を細径化していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先端硬質部1の先端面2には、照明窓6や観察窓5に比べて大きめの鉗子口7も形成されるため、照明窓6や観察窓5の配置を容易に変更できない問題があった。また、照明窓6や観察窓5を平坦部4の中心に寄せて配置すると、照明窓6後方のライトガイドと観察窓5後方のCCDが干渉するという問題もあった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、観察窓や照明窓等の透明部材の配置を変更することなく、先端硬質部を簡単に細径化することができる内視鏡を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、内視鏡挿入部の先端部に設けられ、先端面に透明部材が配設されるとともに、前記先端面の縁が面取りされて曲面部が形成された内視鏡において、前記透明部材の一部が前記曲面部に配置されるとともに、該曲面部に配置された透明部材の一部が前記曲面部に沿うようにテーパ状に形成され、前記透明部材の一部に形成されたテーパ面には遮光処理が施されていることを特徴としている。
【0008】
本発明は、透明部材の配置を変更することなく透明部材を先端面に配置した場合に、面取りされた曲面部にはみ出る透明部材の一部を、曲面部に沿うようにテーパ状に形成した。これにより、透明部材の前記一部は、先端面から突出せず、また、その一部はテーパ状に切削加工するだけなので、簡単な加工で所望の透明部材を得ることができる。
【0009】
また、本発明によれば、透明部材のテーパ面に遮光処理を施したので、そのテーパ面からは光が出射又は入射せず、よって、散乱光の発生を防止できる。
【0010】
前記透明部材は照明窓、観察窓であり、また、観察窓の前方に保護ガラスが配置されたものの場合は、その保護ガラスにも適用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る内視鏡の好ましい実施の形態について詳述する。
【0012】
図1は、本発明に係る電子内視鏡10の全体構成図である。
【0013】
同図において、内視鏡10は、手元操作部12と、この手元操作部12に接続された挿入部14を有している。挿入部14は、挿入部側軟性部16、湾曲部18、先端硬質部20から構成されており、湾曲部18は、手元操作部12に設けられた湾曲操作用ノブ22を回動させることにより遠隔的に湾曲操作され、先端硬質部20が所望の方向に向けられる。
【0014】
手元操作部12には、鉗子等の処置具が挿入される鉗子挿入部24が設けられるとともに、シャッターボタン26、吸引ボタン28が並設される。また、手元操作部12には、ユニバーサルケーブル30が延出され、このユニバーサルケーブル30の先端には、LG(ライトガイド)コネクタ32が設けられる。LGコネクタ32には、図示しない光源装置に接続されるライトガイド棒34が設けられる。さらにLGコネクタ32には可撓管36を介して電気コネクタ38が接続される。なお、図1の符号40は、電気コネクタ38の防水用キャップである。
【0015】
図2に示すように、先端硬質部20は、略円柱状に形成された本体42に、円筒状の先端スリーブ44を外嵌させて構成される。先端スリーブ44の後方側端部には、湾曲部18を構成する節輪46が回動自在に連結される。湾曲部18を被覆するアングルゴム48は、先端スリーブ44に外嵌された後、糸49を複数回巻回させ、接着剤50を塗布することによって固定される。なお、先端スリーブ44の露出面は、フッ素樹脂等によってコーティングされる。
【0016】
本体42は、図2及び図3に示すように、先端面の縁が曲面状に面取りされる。これにより、平坦部42Bの周りに面取り部42Aが形成される。先端面の平坦部42Bには、観察窓ガラス(対物レンズ)52、鉗子口58、及びLG窓ガラス(照明レンズ)60、60が設けられ、このうち、LG窓ガラス60、60は、平坦部42Bから面取り部42Aにかけて配置される。
【0017】
図4に示すように、LG窓ガラス60は、面取り部42Aに配置された一部分60A(以下、テーパ面と称する)がテーパ状に形成されている。テーパ面60Aは、図5に示すように、面取り部42Aの曲面から突出した部分を、面取り部42Aの曲面に略沿うように切削加工することによって形成される。したがって、テーパ面60Aは、面取り部42Aの曲面よりも若干凹んで形成される。この凹部分には、黒色の樹脂系接着剤64が塗布される。これにより、テーパ面60Aに遮光処理が施される。
【0018】
LG窓ガラス60の後方には、図2に示す如く、ライトガイド62が接続される。ライトガイド62は、極細の光学繊維を多数束ねて構成され、図1の挿入部14、手元操作部12、及びユニバーサルケーブル30に挿通されてライトガイド棒34に接続される。したがって、ライトガイド棒34を光源装置(不図示)に接続すると、光源装置からの照射光がライトガイド62を介して伝送され、LG窓ガラス60から患部に向けて照射される。
【0019】
一方、観察窓ガラス52の後方には、基板53に支持されたCCD(固体撮像素子)54が設けられ、このCCD54の受光面に、観察窓ガラス52から取り込まれた観察像が結像される。この観察像は、CCD54によって電気信号に変換され、この電気信号は、信号ケーブル56を介して図1の電気コネクタからプロセッサ(不図示)に出力される。プロセッサに出力された電気信号は、信号処理回路によって影像信号に変換された後、モニタ(不図示)に出力される。
【0020】
鉗子口58は、鉗子チューブ(不図示)に接続され、この鉗子チューブが図1の手元操作部12の鉗子挿入部24に連通される。これにより、鉗子挿入部24から挿入した鉗子等の処置具を、先端硬質部20の鉗子口58に導くことができる。
【0021】
次に上記の如く構成された内視鏡10の作用について説明する。
【0022】
先端硬質部20は、LG窓ガラス60、60の配置を変更することなく、先端硬質部20を細径化した場合に、面取り部42Aにはみ出るLG窓ガラスの一部を、面取り部42Aの曲面形状に沿うようにテーパ状に切り取り、テーパ面60Aを形成した。これにより、LG窓ガラス60が面取り部42Aの曲面から突出することを防止できる。また、先端硬質部20は、平坦部42Bを小さくすることができるので、先端硬質部20を細径化することができる。即ち、図6に示した従来例と比較して分かるように、LG窓ガラスの配置を変更することなく、先端硬質部を細径化することができる。
【0023】
また、先端硬質部20は、LG窓ガラス60の一部を斜面状に切削加工するだけなので、LG窓ガラス60を簡単に製造できる。したがって、本実施の形態は、簡単に先端硬質部20を細径化することができる。
【0024】
さらに、先端硬質部20は、LG窓ガラス60のテーパ面60Aに黒色の樹脂系接着剤を塗布したので、テーパ面60Aに遮光処理が施され、テーパ面60Aから光が出射しない。したがって、テーパ面60Aからの出射光によって散乱光が発生することを防止できる。
【0025】
なお、上述した実施の形態は、LG窓ガラス60の一部を面取り部42Aに配置した例であるが、観察窓ガラス52の一部を面取り部42Aに配置した場合には、その一部をテーパ状に形成すればよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る内視鏡によれば、透明部材の配置を変更することなく先端硬質部を細径化した場合に、面取りされた曲面部にはみ出る透明部材の一部を、曲面部に沿うようにテーパ状に形成した。したがって、透明部材の配置を変更することなく、簡単に先端硬質部を細径化することができる。
【0027】
また、本発明によれば、透明部材のテーパ面に遮光処理を施したので、そのテーパ面からは光が出射せず、よって、散乱光の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内視鏡の全体構成図
【図2】先端硬質部の構造を模式的に示す側面図
【図3】先端硬質部の先端面を示す図
【図4】図3のLG窓ガラスの拡大図
【図5】図4の5−5線に沿う断面図
【図6】従来の先端硬質部の先端面を示す図
【符号の説明】
10…内視鏡、12…手元操作部、14…挿入部、18…湾曲部、20…先端硬質部、42…本体、42A…面取り部、44…先端スリーブ、52…観察窓ガラス、60…LG窓ガラス、60A…テーパ面、62…ライトガイド
Claims (2)
- 内視鏡挿入部の先端部に設けられ、先端面に透明部材が配設されるとともに、前記先端面の縁が面取りされて曲面部が形成された先端硬質部を備えた内視鏡において、
前記透明部材の一部が前記曲面部に配置されるとともに、該曲面部に配置された透明部材の一部が前記曲面部に沿うようにテーパ状に形成され、
前記透明部材の一部に形成されたテーパ面には遮光処理が施されることを特徴とする内視鏡。 - 前記透明部材は、照明窓又は観察窓であることを特徴とする請求項1記載の内視鏡。
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