JP4581227B2 - 洗濯機のモータ駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ回路によりモータを駆動する洗濯機のモータ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭用の洗濯機はインバータ装置によりモータの回転数を制御して脱水性能、あるいは洗浄性能を向上させるものが提案されている。
【0003】
従来、この種の洗濯機は、特開平10−15278号公報に示すように構成していた。すなわち、ホールICよりなるロータ位置検知手段の出力信号より正弦波状の3相交流電圧波形をインバータ回路により発生させて撹拌翼あるいは脱水槽を直接駆動する直流ブラシレスモータを駆動するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の構成では、ロータ位置検知手段の出力信号を所定区間でN分割して電気角を検出し、記憶手段に記憶した正弦波データを呼び出す構成としていたので、N分割できる回転数に回転数制御されるため設定回転数が不連続となり、かつ制御回転数のふらつきが大きくなり、回転数応答を含む回転数制御性能が低下し、モータから発生する騒音、振動が大きくなる欠点があった。
【0005】
本発明は上記従来課題を解決するもので、キャリヤ信号に同期してロータ位置の電気角を検出し、キャリヤ信号の周波数を高くしてロータ位置検出分解性能を高くし、波形記憶手段に記憶した正弦波データを呼び出してキャリヤ信号と比較してPWM制御することにより、ほぼ正弦波状の電流でモータを駆動し、モータの回転数制御性能を向上して、モータから発生する騒音、振動を低減することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、交流電源に接続された整流回路の直流電力をインバータ回路により交流電力に変換し、インバータ回路により駆動されるモータのロータ位置をロータ位置検出手段により検出し、制御手段によりインバータ回路を制御するよう構成し、制御手段は、キャリヤ信号発生回路と比較回路とを有するPWM制御回路によりインバータ回路のパワースイッチング半導体を制御してモータに交流電圧を加え、インバータ回路の出力を所望の波形に出力するために、ロータ位置検出手段のロータ位置検出信号より回転周期検知手段により回転周期を検出し、この回転周期検知手段の出力信号とキャリヤ信号発生回路の出力信号に同期して電気角を検知する電気角検知手段により、波形記憶手段に記憶した信号を呼び出し、出力レベル変換回路に加えて所定電圧レベルに変換した後、PWM制御回路に信号を出力し、ロータ位置検出手段の信号より検知した回転数と設定回転数を比較して得た誤差信号により出力レベル変換回路の出力信号レベルを変えて回転数を制御し、電気角検知手段の電気角を進角させる進角制御手段により、回転周期検知手段により検知したロータ回転数に応じて進角制御手段の進角値を制御するようにしたものである。
【0007】
これにより、キャリヤ信号に同期してロータ位置の電気角を検出し、キャリヤ信号の周波数を高くしてロータ位置検出分解性能を高くすることができ、波形記憶手段に記憶した正弦波データを呼び出してキャリヤ信号と比較してPWM制御することにより、ほぼ正弦波状の電流でモータを駆動することができ、モータの回転数制御性能を向上して、モータから発生する騒音、振動を低減することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、交流電源と、前記交流電源に接続された整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動されるモータと、前記モータのロータ位置を検出するロータ位置検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、キャリヤ信号発生回路と比較回路とを有し前記インバータ回路のパワースイッチング半導体を制御するPWM制御回路と、前記インバータ回路の所望の出力波形を記憶し出力する波形記憶手段と、前記ロータ位置検出手段の出力信号より回転周期を検出する回転周期検知手段と、前記回転周期検知手段の出力信号と前記キャリヤ信号発生回路の出力信号より電気角を検知する電気角検知手段と、前記電気角検知手段の電気角を進角させる進角制御手段と、前記キャリヤ信号発生回路の出力信号に同期して前記電気角検知手段より前記波形記憶手段の信号を呼び出し前記PWM制御回路に信号を出力する出力レベル変換回路と、前記ロータ位置検出手段の信号より検知した回転数と設定回転数を比較して誤差信号を出力する回転数制御手段とを有し、前記回転周期検知手段により検知したロータ回転数に応じて前記進角制御手段の進角値を制御するようにしたものであり、キャリヤ信号に同期して演算により電気角を検出し、波形記憶手段に記憶した信号を読み出すことができるので、電気角に対応した波形記憶手段の記憶データ、またはロータ位置信号より検出する回転数データを別途有することができるとともに、キャリヤ信号の周波数を高くしてロータ位置検出分解性能を高くすることができ、波形記憶手段に記憶した正弦波データを呼び出してキャリヤ信号と比較してPWM制御することにより、ほぼ正弦波状の電流でモータを駆動することができ、モータの回転数制御性能を向上して、モータから発生する騒音、振動を低減することができる。
【0009】
また、回転数に応じて連続的に進角制御をすることができて、所定回転数から進角させたり、または回転数が高くなるほど進角値を大きくする制御ができ、高回転数での滑らかな回転数制御をすることができる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1に示すように、交流電源1は、ラインフィルター2を介して整流回路3に交流電力を加え、整流回路3により直流電力に変換する。整流回路3は倍電圧整流回路を構成し、交流電源1が正電圧のとき、全波整流ダイオード30によりコンデンサ31aを充電し、交流電源1が負電圧のとき、コンデンサ31bを充電し、直列接続されたコンデンサ31a、31bの両端には倍電圧直流電圧が発生し、インバータ回路4に倍電圧直流電圧を加える。
【0012】
インバータ回路4は、6個のパワースイッチング半導体と逆並列ダイオードよりなる3相フルブリッジインバータ回路により構成し、通常、パワートランジスタと逆並列ダイオードおよびその駆動回路と保護回路を内蔵したインテリジェントパワーモジュール(以下、IPMという)で構成している。インバータ回路4の出力端子にモータ5を接続し、撹拌翼(図示せず)または洗濯兼脱水槽(図示せず)を駆動する。
【0013】
モータ5は直流ブラシレスモータにより構成し、回転子を構成する永久磁石と固定子との相対位置(回転子位置)をロータ位置検出手段5aにより検出する。ロータ位置検出手段5aは、通常、3個のホールICにより構成している。インバータ回路4の負電圧端子と整流回路3の負電圧端子間に電流検出手段6、いわゆるシャント抵抗を接続している。
【0014】
ラインフィルター2の出力交流電圧端子間には、給水弁7、排水弁8、クラッチ9を接続し、スイッチング手段10により制御する。給水弁7は水道水を洗濯兼脱水槽に給水するもので、電磁弁により構成し、排水弁8は洗濯兼脱水槽内の水の排水を制御する。クラッチ9は、モータ5の回転駆動軸を撹拌翼に結合するか洗濯兼脱水槽に結合するかを制御する。スイッチング手段10は、双方向性サイリスタなどのソリッドステートリレー、またはメカニカルリレーで構成している。
【0015】
制御回路11は、インバータ回路4およびスイッチング手段10を制御するもので、マイクロコンピュータより構成した制御手段12と、制御手段12の出力信号によりインバータ回路4のIPMを制御してモータ5の回転駆動を制御するインバータ駆動回路13と、スイッチング手段10を制御するスイッチング手段駆動回路14と、電流検出手段6の出力信号によりインバータ回路4の過電流を検知し制御手段12に異常信号を加える過電流検知回路15とで構成している。過電流検知回路15の出力信号は制御手段12の割り込み端子(IRQ端子)に加え、マイクロコンピュータは割り込み信号により優先してインバータ駆動出力信号を禁止する。
【0016】
制御手段12は、キャリヤ信号発生回路と比較回路とを有しインバータ回路4のIPMを制御するPWM制御回路12aと、インバータ回路4の出力電圧を所望の波形に出力する波形記憶手段12bと、ロータ位置検出手段5aの出力信号とキャリヤ信号発生回路の出力信号より電気角を検知する電気角検知手段12cと、キャリヤ信号発生回路の出力信号に同期して電気角検知手段12cより波形記憶手段12bの信号を呼び出しPWM制御回路12aに信号を出力する出力レベル変換回路12dと、ロータ位置検出手段5aの信号より検知した回転数と設定回転数を比較して得た誤差信号により出力レベル変換回路12dの出力信号レベルを変えて回転数を制御する回転数制御手段12eとで構成している。
【0017】
この制御手段12は、図2に示すように構成しており、PWM制御回路12aは、キャリヤ信号発生回路120aにより三角波または鋸歯状波を発生させ、比較回路121aの入力端子に信号vcを加え、比較回路121aの他方の入力端子に出力設定手段122aの信号vuを加える。キャリヤ信号発生回路120aの周期は、キャリヤ周波数を15.6kHzに設定すると68μsとなり、時間に比例して信号レベルが変化する鋸歯状波を発生させる。鋸歯状の方が三角波よりも分解能が高く優れている。
【0018】
比較回路121aはマイクロコンピュータ内のディジタルコンパレータで、ダブルバッファより構成される出力設定手段122のデータと鋸歯状波のキャリヤ信号と比較してPWM波形を生成する。図2に示すPWM制御回路12aは3相出力の1相分で、3相出力の場合にはPWM制御回路12aを3個有する。ただし、キャリヤ信号発生回路120aは1つで共用化できる。
【0019】
波形記憶手段12bは、電気角に対応した所望の電圧信号(正弦波データ)を記憶したもので、256(8ビット)から512(9ビット)個の数値データの配列である。電圧振幅に相当する数値データは9ビットデータで、通常は−256から+256まで電気角に対応した正弦波データを記憶している。この数値データは、いわゆる正規化データであり、データの持ち方は特に決まってはいないので、できるだけプログラムの実行速度が早くなる数値配列が望ましい。
【0020】
電気角検知手段12cは、ロータ位置検出手段5aの出力信号を検知し回転周期を検出する回転周期検知手段123と、回転周期検知手段123より検知した回転数に応じて進角値αを決める進角制御手段124と、回転周期検知手段123より検知した電気角60度に相当する期間内にキャリヤ信号発生回路120aの出力パルス数kをカウントし、キャリヤ信号1周期の電気角Δθを演算してロータ位置に対応する電気角を演算する電気角演算手段125と、電気角演算手段125より演算した電気角と進角値αより電気角を設定して出力レベル変換回路12dに電気角信号を出力する電気角検知手段126とで構成している。
【0021】
出力レベル変換回路12dは、波形記憶手段12bより電気角に対応した振幅信号Aを呼び出す呼び出し手段127と、呼び出し手段127の出力信号Aにレベル変換値Gを演算してPWM制御回路12aに出力する出力演算手段128とで構成している。通常、波形記憶手段12bのデータは、インバータ回路4の最大出力レベルに対応した数値なので、出力演算手段128の演算はインバータ出力電圧レベルを減らす演算となり、レベル変換値Gはかけ算の場合1よりも小さな数値となる。わり算の場合には1よりも大きい数値となる。
【0022】
レベル変換値Gは、回転数制御手段12eより出力され、回転数制御手段12eは、ロータ位置検出手段5aの信号より回転数を検知する回転数検知手段129と、モータ回転数を所定値に設定する回転数設定手段120eと、検知回転数と設定回転数を比較して誤差信号を出力する回転数比較手段121eとで構成している。レベル変換値Gは、検知回転数と設定回転数を比較した誤差信号に対応した数値で、設定回転数に対する誤差信号だけではなく、回転数変化と誤差信号よりルックアップテーブルを参照するファジィテーブル方式にすれば回転数制御性能を向上させることができる。
【0023】
上記構成において電気角に対応した各部波形関係は、図3に示すようになる。ロータ位置検出手段5aの出力信号、いいかえればロータ位置信号H1、H2、H3は、電気角60度ごとに信号が変化する。ロータ位置信号H1、H2、H3の変化に同期して、ロータ位置信号H1、H2、H3の状態データを読み込み、状態データより電気角を検出できる。信号vcはキャリヤ信号発生回路120aの鋸歯状波の出力信号で、0から512まで変化するタイマカウンタのタイマ値である。タイマ値が512になると、タイマカウンタがオーバーフローして0に戻り、キャリヤ割り込み信号cを発生させる。
【0024】
信号vuは、比較回路121aの一方の入力信号で、基本的には出力レベル変換回路12dの出力信号と同じであり、この場合は、進角値αは0でレベル変換値Gは1の場合を示す。この信号vuは波形記憶手段12bに記憶した正弦波データの振幅信号Aにレベル変換値Gを掛けて256を足したもので、vu=A×G+256より計算される。256を中心値として0から512まで正弦波状に変化する。
【0025】
信号uは信号vuとキャリヤ信号発生回路120aの出力データvcと大小比較したPWM波形を示す。この信号uによりインバータ駆動回路13を介してインバータ回路4を駆動し、モータ5に電圧を印加することにより、ほぼ正弦波状の電流でモータ5を駆動することができ、モータ5から発生する騒音、振動を低減することができる。
【0026】
この信号uはU相の上アームトランジスタの駆動信号で、下アームトランジスタの駆動信号は信号uの反転信号となる。実際にトランジスタに加える信号は、さらにターンオフタイムを考慮したデッドタイム制御が加わり、上下アームトランジスタの同時導通を禁止する期間を設けている。
【0027】
これにより、キャリヤ信号に同期して演算により電気角を検出し、波形記憶手段12bに記憶した正弦波データを読み出すことができるので、キャリヤ信号の周波数を高くしてロータ位置検出分解性能を高くすることができ、モータ5の回転数制御性能を向上することができる。
【0028】
つぎに、図4を参照しながら脱水行程での動作を説明する。図4は脱水行程でのモータ制御プログラムのフローチャートを示している。
【0029】
図4のステップ200より脱水回転制御を開始し、ステップ201にて各種初期設定を行い、ステップ202で120度通電制御に設定する。120度通電制御は、モータ5を構成する直流ブラシレスモータの最も簡単で、かつ起動トルクを大きくとれる制御方法で、ロータ位置信号により、インバータ回路4を構成する3相フルブリッジインバータの上側アームトランジスタまたは下側アームトランジスタのみPWM制御することにより、モータ電流を制御することができる。
【0030】
U相を例にとると、U相上側アームトランジスタのみPWM制御信号またはオフ信号を加え、U相下側アームトランジスタにはオン信号かオフ信号を加えるだけでよい。また、図3に示すような回転角度に応じた正弦波PWM制御は不必要で、所定のPWM値で制御するだけでよい。したがって、PWM制御回路12aのPWM設定値は起動時には最大値の10%から30%程度の一定値に設定すればよい。
【0031】
つぎに、ステップ203へ進んで、PWM制御回路12aのキャリヤ信号発生回路120aのカウントを開始させ、ステップ204に進み、ロータ位置検出手段5aの位置信号に応じて、120度通電制御の上側アームPWM制御によりインバータ回路4を駆動する。ステップ204でロータ回転数が所定値Nmに達したかを判定し、ロータ位置信号を数えて1/2回転から1回転に達するとステップ206へ進み、正弦波PWM制御に設定変更する。
【0032】
正弦波PWM制御は、上側アームトランジスタと下側アームトランジスタが交互にオンオフするもので、たとえば、U相上側アームトランジスタの駆動信号uの反転信号がU相下側アームトランジスタの駆動信号となり、すべてのトランジスタはキャリヤ信号周波数でPWM制御される。
【0033】
ステップ206より正弦波駆動により回転制御され、ステップ207にてメインの回転数制御ルーチンを実行する。すなわち、騒音を減らし、かつ洗濯兼脱水槽の布の偏りを減らすために脱水設定回転数を時間経過とともに徐々に上昇させ、数分後に1000r/min程度の最大回転数に設定する。
【0034】
ステップ208にて、メインルーチンの中でのキャリヤ割り込み信号cを検知し、キャリヤ割り込み信号cを検知するとステップ209に進み、キャリヤ信号割り込みサブルーチンを実行する。キャリヤ信号割り込みの優先度は異常割り込みを除き、最も高い優先度とする。
【0035】
キャリヤ信号割り込みサブルーチンの詳細については、図6により説明するが、簡単に説明すると、キャリヤ信号をカウントすることによりロータ位置電気角を検出し、電気角に応じて波形記憶手段12bより正弦波データを呼び出し、PWM制御データを設定するものである。このサブルーチンの実行とリターンには、数μsecから10数μsec以内に処理する必要がある。
【0036】
つぎに、ステップ210に進み、インバータ回路4を構成するトランジスタ(IGBT)の駆動制御を行う。PWM制御回路12aの出力設定手段122はダブルバッファ構造となっており、PWM値が変更されてから実際に出力される信号は、つぎのキャリヤ信号のタイミングとなる。
【0037】
ステップ211は、ロータ位置信号の変化を検出するもので、ロータ位置信号H1、H2、H3のエッジ信号を検出して割り込み信号が発生したかどうかを検出し、割り込み信号が発生するとステップ212に進み、位置信号割り込みサブルーチンを実行する。位置信号割り込みの優先度は、キャリヤ信号割り込みのつぎに設定する。
【0038】
位置信号割り込みサブルーチンの詳細については、図5により説明するが、簡単に説明すると、ロータ回転周期と回転数の検出、0度、60度、120度等の60度ごとの電気角の設定、キャリヤ信号1周期の電気角の演算等の処理を実行する。
【0039】
この割り込みサブルーチンも、キャリヤ信号割り込みサブルーチンと同様に高速処理が必要であり、数μsecから10数μsec以内に処理する必要がある。なぜなら、2つの割り込みが同時に重なっても、キャリヤ信号1周期の50%の時間内に処理しないと、メインルーチンの実行が不可能となり、プログラムの実行に支障をきたす場合が生じる。
【0040】
ステップ213にて脱水行程の終了判定を行い、脱水行程続行ならばステップ207に戻り、脱水行程終了ならばステップ214に進んで、トランジスタ(IGBT)をすべてオフさせてから、ステップ215に進み、キャリヤ信号のカウントを停止させ、ステップ216にて次行程に移行する。
【0041】
つぎに、ロータ位置検出手段5aの出力信号、すなわちロータ位置信号H1、H2、H3のエッジを検出したときの位置信号割り込み動作を図5を参照しながら説明する。
【0042】
ステップ300より、エッジ信号により外部割り込みが生じ位置信号割り込みサブルーチンを開始し、ステップ301にてロータ位置信号H1、H2、H3の状態データを入力し、ロータ位置を検出する。ステップ302で、ロータ位置信号より電気角θcを設定する。U相が電気角0度とすれば、V相は120度、W相は240度に設定される。
【0043】
つぎに、ステップ303に進んでキャリヤ信号発生回路120aのキャリヤ割り込み信号cのパルス数のカウント値kをキャリヤカウンタメモリkcに記憶し、ステップ304に進んでカウント値kをクリヤしてステップ305に進み、キャリヤ信号発生回路120aの出力信号1周期の電気角Δθを演算する。位置信号割り込み周期は電気角60度に相当するので、Δθ=60/kcで表される。360度を8ビット(256)の分解能とすれば、Δθ=42/kcと表現する。
【0044】
ここで、キャリヤ信号発生回路120aの1周期あたりの電気角を演算することにより、回転周期が変化しても電気角を演算して検知することができ、位置検出精度を向上できて、モータ5にロータの電気角に応じた所望の電圧波形を印加することができる。
【0045】
キャリヤ信号の周波数は15kHz以上の超音波周波数に設定するので、カウント値kcは脱水運転時のモータ回転数においても最低10以上の分解能を確保でき、1電気角では60以上の分解能を確保できる。マイクロコンピュータの命令実行速度に余裕があれば、キャリヤ周波数を15.6kHzに設定し8極モータを900r/minで駆動した場合、245の分解能を確保でき、脱水回転においてもほぼ正弦波の電圧波形で駆動できる。
【0046】
つぎに、ステップ306に進んで基準電気角の0度かどうか判定し、Yならばステップ307に進んで周期測定タイマカウンタTの測定値を周期測定メモリToに記憶し、ステップ308に進んでタイマカウンタTをクリヤする。その後、ステップ309に進んで周期Toよりロータ回転数Nを求める。
【0047】
つぎに、ステップ310に進んで設定回転数Nsと検知回転数Nとの誤差信号に応じてレベル変換値Gを求める。つぎに、ステップ311に進んで検知回転数Nに応じた進角値αを求め、ステップ312でタイマカウンタを開始し、ステップ313に進んでサブルーチンをリターンする。
【0048】
ここで、回転数検知手段129による検知回転数Nと回転数設定手段120eによる設定回転数Nsとの誤差信号に応じてレベル変換値Gを求め、出力レベル変換回路12dの出力信号レベルを変えて回転数を制御することにより、回転数検知手段129により回転数の検知精度を向上することができて、出力制御電圧の分解能を大きくでき、回転数制御性能を向上することができる。
【0049】
また、検知回転数Nに応じた進角値αを求め、ロータ回転数に応じて進角制御手段124の進角値を制御することにより、回転数に応じて連続的に進角制御をすることができて、所定回転数から進角させたり、または回転数が高くなるほど進角値を大きくする制御ができ、高回転数での滑らかな回転数制御をすることができる。
【0050】
つぎに、キャリヤ信号割り込み動作について図6を参照しながら説明する。図6は、キャリヤ信号割り込みサブルーチンのフローチャートであり、キャリヤ信号に同期してロータ位置に対応した電気角を求め、波形記憶手段12bの信号を読み出してPWM出力するものである。キャリヤ信号発生回路120aのタイマカウンタがオーバーフローすると割り込み信号が発生し、ステップ400より始まるキャリヤ信号割り込みサブルーチンを実行する。
【0051】
ステップ401でキャリヤカウンタのカウント値kをインクリメントし、つぎに、ステップ402に進んで電気角θを演算する。電気角θは、キャリヤ信号1周期の電気角Δθとキャリヤカウンタのカウント値kの積に進角値αと位置信号割り込みサブルーチンで検出した電気角θcの和より求める。電気角θは、U、V、W各相とも求める。
【0052】
つぎに、ステップ403に進んで波形記憶手段12bより電気角θに対応した波形データを呼び出す。電気角最大値は360度なので、θが360度以上になると0に戻ってデータを読み出す。つぎに、ステップ404に進んで位置信号割り込みサブルーチンで求めたレベル変換値Gより信号vuを演算し、ステップ405に進んでPWM制御回路12aに信号を加える比較回路121aの出力設定バッファ、すなわち出力設定手段122にデータを転送し、ステップ406に進んでサブルーチンリターンする。V相、W相もステップ402からステップ405までU相と同様の処理を行う。
【0053】
キャリヤ信号割り込みサブルーチン内の処理はキャリヤ信号1周期内に処理を終わる必要がある。キャリヤ周波数が15.6kHzならば遅くとも30μs以内に処理を終える必要があり、処理が30μs以内に処理が終わらないプログラムステップの場合にはプログラムを分割し、キャリヤ割り込み1回目でU相、2回目でV相、3回目でW相の処理を行うようにしてもよい。
【0054】
本発明の特徴は、キャリヤ周波数を高くしてマイクロコンピュータの実行速度を速くするほど正弦波の分解能を高くできる点にある。また、モータ回転数が低いほど分解能を高く設定できるので、回転数が低くても正弦波に近い電流でモータを駆動できる。また、キャリヤカウンタによるソフトカウンタで位置検出する方式なので、従来のように、ハードタイマーカウンタによる位置検出方式と異なり分解能を高くでき、かつハードタイマーカウンタを減らしてマイクロコンピュータのチップサイズを小さくできる。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、交流電源と、前記交流電源に接続された整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動されるモータと、前記モータのロータ位置を検出するロータ位置検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、キャリヤ信号発生回路と比較回路とを有し前記インバータ回路のパワースイッチング半導体を制御するPWM制御回路と、前記インバータ回路の所望の出力波形を記憶し出力する波形記憶手段と、前記ロータ位置検出手段の出力信号より回転周期を検出する回転周期検知手段と、前記回転周期検知手段の出力信号と前記キャリヤ信号発生回路の出力信号より電気角を検知する電気角検知手段と、前記電気角検知手段の電気角を進角させる進角制御手段と、前記キャリヤ信号発生回路の出力信号に同期して前記電気角検知手段より前記波形記憶手段の信号を呼び出し前記PWM制御回路に信号を出力する出力レベル変換回路と、前記ロータ位置検出手段の信号より検知した回転数と設定回転数を比較して誤差信号を出力する回転数制御手段とを有し、前記回転周期検知手段により検知したロータ回転数に応じて前記進角制御手段の進角値を制御するようにしたから、キャリヤ信号に同期して演算により電気角を検出し、波形記憶手段に記憶した信号を読み出すことができるので、キャリヤ信号の周波数を高くしてロータ位置検出分解性能を高くすることができ、ほぼ正弦波状の電流でモータを駆動することができ、モータの回転数制御性能を向上して、モータから発生する騒音、振動を低減することができる。
【0056】
また、回転数に応じて連続的に進角制御をすることができて、所定回転数から進角させたり、または回転数が高くなるほど進角値を大きくする制御ができ、高回転数での滑らかな回転数制御をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の洗濯機のモータ駆動装置のブロック図
【図2】 同洗濯機のモータ駆動装置の制御手段の詳細ブロック図
【図3】 同洗濯機のモータ駆動装置のタイムチャート
【図4】 同洗濯機のモータ駆動装置の脱水行程でのモータ制御のフローチャート
【図5】 同洗濯機のモータ駆動装置の位置信号割り込みサブルーチンのフローチャート
【図6】 同洗濯機のモータ駆動装置のキャリヤ信号割り込みサブルーチンのフローチャート
【符号の説明】
1 交流電源
3 整流回路
4 インバータ回路
5 モータ
5a ロータ位置検出手段
12 制御手段
12a PWM制御回路
12b 波形記憶手段
12c 電気角検知手段
12d 出力レベル変換回路
12e 回転数制御手段
120a キャリヤ信号発生回路
121a 比較回路

Claims (1)

  1. 交流電源と、前記交流電源に接続された整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動されるモータと、前記モータのロータ位置を検出するロータ位置検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、キャリヤ信号発生回路と比較回路とを有し前記インバータ回路のパワースイッチング半導体を制御するPWM制御回路と、前記インバータ回路の所望の出力波形を記憶し出力する波形記憶手段と、前記ロータ位置検出手段の出力信号より回転周期を検出する回転周期検知手段と、前記回転周期検知手段の出力信号と前記キャリヤ信号発生回路の出力信号より電気角を検知する電気角検知手段と、前記電気角検知手段の電気角を進角させる進角制御手段と、前記キャリヤ信号発生回路の出力信号に同期して前記電気角検知手段より前記波形記憶手段の信号を呼び出し前記PWM制御回路に信号を出力する出力レベル変換回路と、前記ロータ位置検出手段の信号より検知した回転数と設定回転数を比較して誤差信号を出力する回転数制御手段とを有し、前記回転周期検知手段により検知したロータ回転数に応じて前記進角制御手段の進角値を制御するようにした洗濯機のモータ駆動装置。
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