JP4581189B2 - Icカードの記録及び/又は再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のICカードを装着されるICカードの記録及び/又は再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フラッシュメモリ等の半導体メモリを記憶素子に用いるICカードの記録及び/又は再生装置は、装置本体の操作面にICカードの挿脱口が設けられ、装置本体の内部に、この挿脱口より挿入されたICカードを記録再生位置にローディングするローディング機構が設けられている。また、複数枚のICカードを装着することができる記録及び/又は再生装置では、この挿脱口が複数設けられ、この挿脱口に対応してローディング機構が設けられている。この種の記録及び/又は再生装置で利用者がICカードに記録されている内容を確認するには、装置本体に装着されたICカードを一度装置本体から取り出しICカードに貼着されたラベルに記載された記載内容を確認するか、又は、装置本体に装着されたICカードよりデータを読み出し、装置本体に設けられた表示部で読み出したデータを確認するかによって行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した記録及び/又は再生装置では、装置本体に挿入されたICカードの記録内容を確認するため、ICカードを装置本体より一度取り出さなければならず、操作が面倒である。また、ICカードの記録内容を確認するため、装置本体に装着されたICカードのデータを読み出しこの内容を表示部に表示させるのも操作が面倒である。
【0004】
また、装置本体に装着されたICカードの記録内容を確認するたびにICカードを装置本体から取り出す場合には、記録及び/又は再生装置側のコネクタの接続端子とICカードの端子部との接触が繰り返されることになり、端子部同士の摩擦により端子部が速く損傷してしまうことになる。
【0005】
そこで、本発明は、装置本体の装着部に装着された複数枚のICカードを容易に確認することができることで、操作性の向上を図ることができるICカードの記録及び/又は再生装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るICカードの記録及び/又は再生装置は、上述した課題を解決すべく、装置本体の上面の前面側の一方のコーナ部に設けられ、半導体メモリが内蔵された略矩形板状のICカードを複数収納する収納手段と、上記収納手段に収納可能な上記ICカードの数に対応して上記収納手段に複数並べて設けられ、前面を挿入端として挿入された上記ICカードを保持してデータの送受信を行う送受信手段と、上記送受信手段を、上記ICカードの背面側を上記収納手段より突出させて挿脱を行う挿脱位置と、上記収納手段に上記ICカードを収納し、データの記録又は再生を行う収納位置とに亘って回動可能に支持する支持手段とを備え、上記各送受信手段は、平面から背面を介して底面に亘りラベルが貼着された上記ICカードを、上記ICカードの一方の側面を下側にし、他方の側面を上側にして立てた状態で保持し、上記支持手段は、上記ICカードの平面と背面と底面のうちの少なくとも何れかにあるラベルにおける記載の確認を行うとき、上記送受信手段を、上記収納位置から上記挿脱位置へ上記ICカードの他方の側面方向に回動させて、上記ICカードに貼着されたラベルを上記収納手段より突出させ、上記ICカードに貼着されたラベルを外部に臨ませる。
【0007】
また、本発明に係るICカードの記録及び/又は再生装置は、上述した課題を解決すべく、装置本体の上面と直交する前面に設けられ、半導体メモリが内蔵された略矩形板状のICカードを複数収納するトレイと、上記トレイに収納可能な上記ICカードの数に対応して上記トレイに複数並べて設けられ、前面を挿入端として挿入された上記ICカードを保持してデータの送受信を行う送受信手段と、上記送受信手段を、上記ICカードの背面側を上記収納手段より突出させて挿脱を行う挿脱位置と、上記トレイに上記ICカードを収納し、データの記録又は再生を行う収納位置とに亘って回動可能に支持する支持手段と、上記トレイを上記装置本体の内外に亘って移動する移動操作手段とを備え、上記各送受信手段は、平面から背面を介して底面に亘りラベルが貼着された上記ICカードを、上記ICカードの一方の側面を下側にし、他方の側面を上側にして立てた状態で保持し、上記支持手段は、上記ICカードの平面と背面と底面のうちの少なくとも何れかにあるラベルにおける記載の確認を行うとき、上記送受信手段を、上記収納位置から上記挿脱位置へ上記ICカードの他方の側面方向に回動させて、上記ICカードに貼着されたラベルを上記トレイより突出させ、上記ICカードに貼着されたラベルを外部に臨ませる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るICカードの記録及び/又は再生装置が適用されたICカードの記録再生装置について、図面を参照して説明する。
【0009】
この記録再生装置は、図1及び図2に示すようなICカード1を用いるものである。このICカード1は、合成樹脂をモールド成型したメモリ本体を構成する略板状の筐体2を備え、この筐体2の内部に、4メガバイト(以下、単にMBともいう。)以上、例えば4MB、16MB、32MB、64MB、128MBといった大きな記憶容量を有するフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子が設けられている。ICカード1は、例えば、図1に示すように、短辺の長さW1を略21.45mmとなし、長辺の長さL1を略50mmとなし、厚さD1を略2.8mmとなす略矩形状に形成されている。
【0010】
ICカード1を構成する筐体2の一方の短辺側である前面2a側には、図1及び図2に示すように、前面2aから底面2bに亘るように、端子部3が形成されている。この端子部3には、互いに仕切壁3aに分離された複数の電極3bが設けられている。筐体2内に設けられたメモリ素子に対する情報の読み出し又は書き込み動作は、端子部3に設けられた電極3bを介して行われる。また、端子部3は、仕切壁3aにより係合凹部3cが区画され、電極3bは、係合凹部3cの底面に配設されることで、手指等が直接触れないように保護されている。なお、電極3bは、係合凹部3cに区画されて10本(3b1〜3b10)設けられている。
【0011】
ここで、電極3b1〜3b10について説明すると、図3に示すように、電極3b1と電極3b10は、検出電圧VSS端子として用いられ、電極3b2は、シリアルプロトコルバスステート信号BSの入力端子として用いられ、電極3b3と電極3b9は、電源電圧VCC端子として用いられ、電極3b4は、データ端子、すなわちシリアルプロトコルデータ信号の入出力端子として用いられ、電極3b5と電極3b7は、リザーブ(予備)端子として用いられ、電極3b6は、ICカード1が記録再生装置に装着されたか否かを検出するための検出端子として用いられ、電極3b8は、シリアルクロックSCLKの入力端子として用いられる。
【0012】
また、筐体2の端子部3が形成された前面2a側の一方のコーナ部には、図1及び図2に示すように、略円弧状に切り欠かれた記録再生装置への挿入方向を示す切欠部4が設けられている。筐体2の切欠部4が形成された側の一方の側面2cには、図2に示すように、筐体2の底面2b側を開放した誤挿入防止溝5が切欠部4に連続して形成されている。この切欠部4及び誤挿入防止溝5は、ICカード1を記録再生装置に装着するとき、記録再生装置に対する挿入方向を規制して誤挿入を防止する。
【0013】
筐体2の底面2b側には、端子部3の近傍に位置して、誤って情報信号を半導体メモリに記録することを防止する誤記録防止スイッチ6が設けられている。誤記録防止スイッチ6は、筐体2内の操作子に連結され、一方にスライドされたとき、情報信号の記録を可能となし、他方にスライドされたとき、新たな情報信号が上書きされないようにしている。また、筐体2の一方の側面2cには、記録再生装置に挿入されたとき、記録再生装置側に設けた弾性係合片に係合して記録再生装置からの脱落を防止する脱落防止用凹部7が形成されている。また、筐体2の他方の側面2d側の略中央部には、装着検出用の係合凹部8が形成されている。この係合凹部8は、記録再生装置側に設けられる検出部が係合することによって、ICカード1の記録再生装置への装着の有無を検出する。また、筐体2の他方の側面2dの端子部3側には、挿入ガイド溝13が設けられている。この挿入ガイド溝13は、記録再生装置に挿入されるときに、ICカード1の挿入をガイドするとともに、誤挿入を防止している。
【0014】
ICカード1の筐体2には、図1及び図2に示すように、平面2e側から背面2fに亘り、さらに底面2b側に亘ってラベル貼着部9が設けられている。ラベル貼着部9は、筐体2の平面2e側から背面2fに亘り、さらに底面2bに亘る部分に凹状部を形成して構成されている。ラベル貼着部9は、ラベル10を貼着したとき、ラベル10が筐体2の外周面から突出しない若しくは面一となる深さに形成されている。また、ラベル貼着部9の平面2e側部分は、図1に示すように、筐体2の背面2f側から前面2a側の近傍まで設けられている。ラベル貼着部9に貼着されるラベル10には、このICカード1を用いることができる機種名やICカード1に記録される記録内容等を示す表示が施される。
【0015】
以上のようなICカード1は、データの記録又は再生のシステムとしてFAT(file allocation table)システムが用いられている。また、ICカード1の書き込み速度は、1500KB/sec〜330KB/secであり、読み出し速度は、2.45MB/secであり、書き込み単位は、512バイトであり、消去ブロックサイズは、8KB又は16KBである。また、電源電圧VCCは、2.7〜3.6V、シリアルクロックSCLKは、最高20MHzである。
【0016】
このようなICカード1の回路構成について説明すると、ICカード1は、図3に示すように、データが記録されるフラッシュメモリ11と、このフラッシュメモリ11に対するデータの書き込み又は読み出しを制御する制御部12とを備える。
【0017】
このフラッシュメモリ11には、記録再生装置から供給される動画データ、静止画データ、音声データ、制御データ、コンピュータで処理される処理データ等のデータが記憶される。
【0018】
この制御部12は、フラッシュメモリ11へのデータの書き込み又はフラッシュメモリ11からのデータの読み出しを制御するメモリコントローラ12aと、データの書き込み又は読み出しのための各種パラメータを有するレジスタ12bと、データを一時的に記憶するページバッファ12cと、記録再生装置とのデータのやり取りを行うためのシリアルインターフェース12dとを有する。メモリコントローラ12aは、レジスタ12bに設定されたパラメータに基づいてフラッシュメモリ11とページバッファ12cとの間のデータの伝送を行う。
【0019】
このような制御部12のメモリコントローラ12aには、電極3b2からシリアルプロトコルバスステート信号BS、電極3b8からシリアルクロックSCLKが供給される。そして、フラッシュメモリ11にデータを書き込むとき、メモリコントローラ12aは、シリアルプロトコルバスステート信号BSとシリアルクロックSCLKに従って、電極3b4から入力されるデータをシリアルインターフェース12dを介してページバッファ12cに一時的に記憶し、次いで、フラッシュメモリ11にデータを記憶する。また、フラッシュメモリ11に記憶されたデータを読み出すとき、メモリコントローラ12aは、シリアルプロトコルバスステート信号BSとシリアルクロックSCLKに従って、フラッシュメモリ11よりデータをページバッファ12cに読み出し、次いで、シリアルインターフェース12dを介して電極3b4から記録再生装置に出力する。また、検出電圧VSSは、電極3b6に供給され、記録再生装置は、抵抗Rによって電極3b6の電圧を検出して、ICカード1が確実に装着されているか否かを検出する。
【0020】
次に、以上のようなICカード1を記録媒体に用いる記録再生装置20について図面を参照して説明する。この記録再生装置20は、図4に示すように、据え置き型の装置である。この記録再生装置20は、略矩形状の装置本体21を有し、この装置本体21には、例えばスピーカやディスク記録再生装置等が接続される。この装置本体21には、天板を構成する上面21aの前面側の一方のコーナ部に記録媒体となるICカード1が装着される装着部22が設けられている。装着部22は、ICカード1が6枚、コネクタに装着されて収納される。ICカード1は、データの記録又は再生を行うとき、他方の側面2dが装置本体21の上面21aと略面一となし、背面2fが前面21bと略面一となすようにコネクタに保持され、ICカード1の挿脱を行うとき、背面2fに指等により背面2fが装置本体21の上面21aより突出するように回動させた後、コネクタに対する着脱が行われる。このように、装着部22は、装置本体21の前面側コーナ部に設け、ICカード1の背面2fを外部に臨ませることで、ICカード1の回動操作をする際指等をかけ易くしている。なお、この装着部22については、詳細は後述する。
【0021】
また、装置本体21には、操作面となる前面21bに、液晶表示パネル等からなる表示部23が設けられている。この表示部23には、例えばICカード1から音声データを読み出したとき、この音声データのタイトル等のコンテンツに関連する情報や操作のガイド情報等のメッセージが表示される。
【0022】
また、装置本体21の前面21bには、電気音響変換素子を内蔵したヘッドフォンが接続されるヘッドフォン端子24や音声を集音するマイクロフォンが接続されるマイク端子25が設けられている。例えばヘッドフォンがヘッドフォン端子24に接続されているとき、利用者は、ICカード1に録音された音声データを聞くことができ、また、マイクロフォンがマイク端子25に接続されているとき、利用者は、音声をICカード1に録音することができる。
【0023】
また、装置本体21の前面21bには、スピーカ、光ディスク記録再生装置等の外部機器が接続されるライン出力端子26及びライン入力端子27が設けられている。また、ディジタル入力端子28が設けられている。ライン出力端子26にスピーカを接続したときには、ICカード1に記録されている音声データをスピーカより聞くことができ、光ディスク記録再生装置を接続したときには、ICカード1に記録されている音声データを光ディスク記録再生装置に装着されている記録可能な光ディスクにダビングすることができる。また、ライン入力端子27に光ディスク記録再生装置が接続されたときには、光ディスク記録再生装置に装着された光ディスクに記録された音楽データ等のデータをICカード1にダビングすることができる。更に、ディジタル入力端子28には、光ディスク記録再生装置等のディジタル出力対応機器が光ケーブル等により接続されとき、光ディスクのディジタルデータをICカードにディジタルダビングすることができる。
【0024】
また、装置本体21の前面21bには、USB(Universal Serial Bus)コネクタ29が設けられている。USBコネクタ29は、例えばUSBインターフェースを備えたコンピュータ等が接続され、ICカード1にコンピュータの処理データを記録し、また、ICカード1に記録されたデータをコンピュータに読み出すことができる。勿論、装置本体21には、SCSI(Small Computer System Interface)コネクタ、RS−232C(Recommendation Standard 232C)コネクタ、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394コネクタ等を設けてもよい。
【0025】
また、装置本体21の前面21bには、操作部31が設けられている。操作部31は、電源のオンオフを制御する電源釦、ICカード1に記録されたデータを再生するための再生釦、ICカード1にデータを記録するための記録釦、音量を調節するための音量釦、ICカード1に記録されたデータを編集するための編集釦、装置本体21の動作メニューを選択するためのメニュー選択釦等から構成されている。このような操作部31からの操作信号は、CPUに入力され、CPUは、操作信号に対応した機能を実行する。
【0026】
また、装置本体21には、装置本体21に電源を供給するための電源コネクタ32が設けられている。装置本体21は、商用交流電源を動作電源として用いている。勿論、動作電源としては、一次電池や二次電池を用いるようにしてもよい。
【0027】
ところで、上述した装置本体21の上面21aに設けられた装着部22は、図5及び図6に示すように、複数枚、例えば6枚のICカード1が収納される収納凹部36と、この収納凹部36に収納されるICカード1を保持するとともに送受信手段となるコネクタ37a〜37fとを有する。
【0028】
図5に示すように、収納凹部36は、装置本体21の上面21aの一方のコーナ部に設けられている。この収納凹部36には、ICカード1が、前面2aを装置本体21の背面21c側とし、背面2fを装置本体21の前面21bとし、他方の側面2dが装置本体21の上面21aと略面一となるように、立てた状態で収納される。すなわち、この収納凹部36は、深さDが短辺の長さW1と略同じになるように形成され、奥行きLがICカード1の長辺の長さL1より長くなるように形成され、幅WがICカード1を6枚並べて収納できる大きさに形成されている。
【0029】
このような収納凹部36には、収納するICカード1の枚数、すなわち6枚に対応してコネクタ37a〜37f(以下、単にコネクタ37ともいう。)が設けられている。これらコネクタ37a〜37fは、略矩形状に形成され、前面に、内部にICカード1の端子部3を挿入するための挿入口38が設けられている。このコネクタ37a〜37fは、ICカード1の端子部3が挿入されたとき、筐体2に貼着されたラベル10を被覆し隠してしまわないような大きさに形成されている。また、コネクタ37a〜37fの内部の底面には、端子部3を構成する電極3b1〜3b10に電気的に接続される接続端子391〜3910が設けられている。接続端子391〜3910は、ICカード1の端子部3を構成する電極3b1〜3b10の数に対応して設けられている。これら接続端子391〜3910は、略L字状に折曲して形成され、この折曲部が上方に突出し、ICカード1の電極3b1〜3b10に押圧されて弾性変位するように設けられている。接続端子391〜3910は、ICカード1がコネクタ37a〜37fの内部に挿入されたとき、ICカード1の端子部3を構成する係合凹部3cの開放側より進入し、折曲部が電極3b1〜3b10に押圧された状態で接触することで、電極3b1〜3b10と電気的に接続する。なお、図示しないが、接続端子391〜3910は、フレキシブルプリント基板により装置本体21の電気回路に接続されている。
【0030】
ここで、接続端子391〜3910について説明すると、接続端子391と接続端子3910とは、図8に示すように、検出電圧VSS端子であり、電極3b1と電極3b10に電気的に接続され、接続端子392は、シリアルプロトコルバスステート信号BSの入力端子であり、電極3b2に電気的に接続され、接続端子393と接続端子399とは、電源電圧VCC端子とされ、電極3b3と電極3b9に電気的に接続され、接続端子394は、データ端子、すなわちシリアルプロトコルデータ信号の入出力端子とされ、電極3b4に電気的に接続され、接続端子395と接続端子397とは、リザーブ(予備)端子であり、電極3b5と電極3b7に電気的に接続され、接続端子396は、ICカード1が記録再生装置に装着されたか否かを検出するための検出端子であり、電極3b6に電気的に接続され、接続端子398は、シリアルクロックSCLKの入力端子であり、電極3b8に電気的に接続される。
【0031】
また、コネクタ39の一方の側面には、図6に示すように、ICカード1の挿入ガイド溝13に係合されるガイド片41が設けられ、他方の側面には、ICカード1の脱落防止用凹部7に係合される弾性係合片42が設けられている。ガイド片41は、挿入口38よりICカード1の端子部3が挿入されるとき、挿入ガイド溝13に係合されることで、挿入のガイドを行い、弾性係合片42は、ICカード1がコネクタ37a〜37fに収納されたとき、脱落防止用凹部7に係合されることで収納位置からICカード1の収納位置がずれることを防止する。
【0032】
以上のようなコネクタ37a〜37fは、ICカード1が挿入されたとき、端子部3の係合凹部3cに接続端子391〜3910が係合し、弾性係合片42が脱落防止用凹部7に係合することで、ICカード1を保持する。
【0033】
また、このようなコネクタ37a〜37fの背面には、コネクタ37a〜37fを回動支持するための回動支持片43が設けられ、この回動支持片43には、支持孔44が設けられている。また、収納凹部36の背面壁36a側には、コネクタ37a〜37fが取り付けられる支軸45が側壁36b,側壁36cに亘って設けられている。支軸45は、コネクタ37a〜37fの回動支持片43に設けられた支持孔44に挿通され、等間隔に取り付けられる。そして、ICカード1が挿入されたコネクタ37a〜37fは、支軸45を中心として、ICカード1を収納凹部36に収納した収納位置と、ICカード1の背面2fを収納凹部36より突出させた挿脱位置とに亘って回動する。
【0034】
次に、ICカード1をコネクタ37a〜37fに挿入する一連の動作について図6を参照して説明する。ICカード1をコネクタ37に挿入するとき、コネクタ37は、支軸45を支点として、図6中反矢印A方向に回動され、挿入口38が上方を向いたICカード1の挿脱位置にある。この挿脱位置にあるコネクタ37に対して、ICカード1は、図6中矢印B方向から端子部3を挿入端としてコネクタ37に挿入される。すると、ICカード1は、係合凹部3cに接続端子391〜3910が係合されるとともに、電極3b1〜3b10が接続端子391〜3910に電気的に接続された状態となる。また、コネクタ37に挿入されとき、ICカード1は、挿入ガイド溝13にガイド片41が係合されることで、ICカード1の挿入がガイドされ、また、弾性係合片42が脱落防止用凹部7に係合されることで、脱落が防止される。挿脱位置にあるコネクタ37に挿入されたICカード1は、背面2fが装置本体21の上面21aより突出し、ラベル10を目視することができる状態にある。
【0035】
この後、挿脱位置にあるICカード1が挿入されたコネクタ37は、指等により図6中矢印A方向に回動されることにより、収納凹部36内の収納位置に移動される。この収納位置において、ICカード1は、データの記録又は再生が行われる。以上のように収納凹部36にICカード1が複数枚収納されているとき、収納されたICカード1に何が記録されているが知るため利用者がラベル10を見る場合には、収納位置にあるICカード1が挿入されたコネクタ37を図6中反矢印A方向に回動されることによって挿脱位置まで移動される。この挿脱位置では、ICカード1は装置本体21の上面21aより突出されていることから、利用者は、ICカード1のラベル10を容易に見ることができる。
【0036】
そして、ICカード1を収納凹部36より取り出す場合には、先ず、ICカード1が挿入された収納位置にあるコネクタ37が指等により図6中反矢印A方向に回動される。この後、ICカード1は、図6中反矢印B方向に利用者によりコネクタ37より引き抜かれることにより取り出される。
【0037】
以上のような装着部22は、装置本体21の上面21aの一方のコーナ部に設けられていることから、ICカード1の挿入側となる前面21bと一方の側面21dに切欠部46,47が設けられている。したがって、利用者は、ICカード1の挿脱操作を容易に行うことができる。また、利用者は、収納凹部36の最も側面21d側に装着されたICカード1のラベル10の記載を切欠部47より容易に見ることができる。また、装着部22は、収納凹部36に収納された一のICカード1のラベル10の記載を確認するとき、指等で該当するICカード1が装着されたコネクタ37を図6中反矢印A方向に回動されることによって、ラベル10を外部に臨ませる。したがって、利用者は、ICカード1のラベル10の記載を容易に確認することができる。また、挿脱位置にコネクタがあるときにも、利用者は、ICカード1がコネクタ37に確実に接続されていれば、データの記録再生を行うことができる。さらに、装着部22には、複数枚のICカード1が一度に収納することができることから、小型化が図られたICカード1の管理を容易に行うことができるようになる。
【0038】
次に、この記録再生装置20の具体的な回路構成について説明すると、図7に示すように、この記録再生装置20は、ディジタル入力端子28より入力された光信号を光電変換する光入力部51と、光入力部51で生成された電気信号の入力インターフェース処理を行うディジタル入力部52とを有する。光ディスク記録再生装置から光ケーブルを介してディジタル入力端子28に入力された光信号は、光入力部51で光電変換されて、ディジタル入力部52で送信フォーマットに応じた受信処理がなされる。
【0039】
また、記録再生装置20は、マイク端子25に入力された音声データを増幅するマイクアンプ53と、ヘッドフォン端子24やライン出力端子26より出力する音声データ等からなる出力信号を増幅するパワーアンプ54と、マイクアンプ53やライン入力端子27から入力されたアナログ信号をディジタル信号に変換するとともに、ディジタル信号をアナログ信号に変換し、ヘッドフォン端子24やライン出力端子26よりパワーアンプ54を介してアナログ信号を出力するAD/DAコンバータ55と、AD/DAコンバータ55から供給されたディジタルデータを圧縮するとともに、ICカード1に記録された圧縮されたデータを伸長し、AD/DAコンバータ55に出力するDSP(Digital Signal Processor)56と、データを暗号化するとともに暗号化されたデータを展開するSAM(Securty Application Module)57とを有する。
【0040】
DSP56は、信号の入力のとき、ディジタル入力部52より入力されたディジタル信号やAD/DAコンバータ55でディジタル信号に変換されたデータを例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式やMPEG(motion picture expert group)1,2形式に圧縮し、この圧縮したデータを暗号化するためSAM57に供給する。また、DSP56は、信号の出力のとき、SAM57で展開されたデータやICカード1等に圧縮されて保存されているデータを展開し、AD/DAコンバータ55に出力する。
【0041】
SAM57は、データの暗号化を行うとともに、暗号化されたデータの展開を行う。すなわち、SAM57は、DSP56から供給されたデータを暗号化するとともに、ICカード1等に記録された暗号化されたデータを展開し、DSP56に出力する。なお、暗号キーは、後述するフラッシュメモリ64に記憶されており、CPU66との間でこの暗号キーのやり取りをおこなうことで、データの暗号化及び展開を行う。
【0042】
また、記録再生装置20は、USBコネクタ29に接続されたUSBインターフェース58と、日時を計数するリアルタイムクロック59と、表示部23にデータを表示するための表示ドライバ61とを有する。USBインターフェース58は、USBコネクタ29に接続されたコンピュータ等の外部機器との間の通信インターフェースであり、外部機器と制御データやコンピュータで処理される処理デーや、画像データ、音声データ等の各種データのやり取りを行う。また、表示ドライバ61は、表示部23に、ICカード1に記録されている画像データ等ICカード1に記録されている情報やICカード1に記録されている情報に関連する情報を表示させる。
【0043】
更に、記録再生装置20は、電源部として、電源コネクタ32からの交流電源を直流電源に整流するレギュレータ62と、レギュレータ62からの電圧を各回路の動作電圧に変換するDC/DCコンバータ63とを有する。
【0044】
更に、記録再生装置20は、システム情報等が記録されたフラッシュメモリ64と、ICカード1のデータを一時的に記憶するバッファメモリ65と、全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)66と、上述した装着部22の6つのコネクタ37a〜37fが接続されるメモリインターフェース67とを有する。フラッシュメモリ64には、例えばICカード1に音楽データを記録するための記録モードやICカード1に記録された音楽データを再生するための再生モードやICカード1に記録された画像データを表示部23に表示させるための表示モード等装置本体21の動作に関するシステム情報が記録されている。また、フラッシュメモリ64には、上述したSAM57によってデータを暗号化しまた暗号化されたデータを展開する際に用いる暗号キーが記憶されている。また、バッファメモリ65は、例えば装着部22に装着された一方のICカード1から他のICカード1にデータをダビングする際に、一時的に一方のICカード1から読み出されたデータを記憶する。
【0045】
CPU66は、装置全体を制御するものであり、装置本体21の動作プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)66aと、ROM66aに記憶されたプログラムが一時読み出されるワーク領域となるRAM(Random Access Memory)66bとを有する。このようなCPU66は、操作部31からの操作信号に基づいて、ROM66aからプログラムをRAM66bに読み出し、このプログラムを実行することで、装置全体を制御する。また、CPU66は、装着部22に装着されたICカード1のファイル管理を行うファイルマネージャ71を有する。このファイルマネージャ71は、ICカード1にあるメインデータの管理のための管理ファイルを読み込んで形成される。そして、CPU66は、このファイルマネージャ71に従って装着部22に装着された一又は複数のICカード1にアクセスする。
【0046】
装着部22の6つのコネクタ37a〜37fとのインターフェースとなるメモリインターフェース67は、図3及び図8に示すように、ICカード1のレジスタ12bやページバッファ12cへのアクセスを実行する転送プロトコルインターフェース72と、3つの信号線、すなわちシリアルクロックSCLKとバスステートBSとシリアルデータ入出力SDIOにおいてデータ転送を行うためのプロトコルを規定するシリアルインターフェース73と、コネクタ37a〜37fにICカード1が確実に装着されたかを検出する挿入検出部74と、シリアルインターフェース73とコネクタ37a〜37fに装着されたICカード1との接続を確立するためのセレクト部75とを有する。
【0047】
シリアルインターフェース73は、シリアルクロックSCLKとバスステートBSとシリアルデータ入出力SDIOによってデータ転送を行う。これらの信号線は、セレクト部75を介して装着部22のコネクタ37a〜37fの接続端子392,394,398に接続されている。そして、図6に示すように、ICカード1が装着部22の挿脱位置にあるコネクタ37a〜37fに収納されたとき、ICカード1と装置本体21、すなわち図3に示すシリアルインターフェース12dとシリアルインターフェース73とが接続される。
【0048】
ICカード1がコネクタ37a〜37fに装着されているかを検出する挿入検出部74は、各コネクタ37a〜37fの接続端子396に接続されており、ICカード1の端子部3を構成する電極3b6の端子電圧を検出することでコネクタ37a〜37fへのICカード1の装着状況を検出する。すなわち、ICカード1がコネクタ37a〜37fに装着されたとき、挿入検出部74がICカード1の端子部3を構成する電極3b6の端子電圧を検出することが可能な状態となり、電極3b6の端子電圧を検出することで何れのコネクタ37a〜37fにICカード1が装着されているかを検出する。そして、挿入検出部74は、この検出信号をCPU66内のファイルマネージャ71に供給するとともに、この検出信号に基づいてセレクト部75を構成するイネーブルスイッチを切換制御する。
【0049】
セレクト部75は、図8に示すように、装着部22のコネクタ37a〜37fを選択する選択スイッチ76a〜76f(以下、単に選択スイッチ76ともいう。)と、ICカード1が装着されていないコネクタ37が選択されることを禁止するイネーブルスイッチ77a〜77fとを有する。これら選択スイッチ76a〜76fとイネーブルスイッチ98a〜77f(以下、単にイネーブルスイッチ77ともいう。)とは、直列に接続され、シリアルインターフェース73と各コネクタ37a〜37fの接続端子392,394,398との間に設けられている。選択スイッチ76は、装着部22のコネクタ37a〜37fの数に対応して設けられ、一端がイネーブルスイッチ77a〜77fに接続され、他端がシリアルインターフェース73に接続されている。そして、各選択スイッチ76a〜76fは、CPU66内のファイルマネージャ71により切換制御されることにより、ICカード1が装着されたコネクタ37a〜37fの中で再生するICカード1のコネクタ37を選択する。
【0050】
また、イネーブルスイッチ77a〜77fは、一端が装着部22a〜22fのコネクタ37a〜37fの接続端子392,394,398に接続され、他端が選択スイッチ76a〜76fに接続されている。イネーブルスイッチ77a〜77fは、ICカード1が装着されていないコネクタ37を選択することを防止するためのものであり、挿入検出部74により制御される。すなわち、選択スイッチ76a〜76fは、イネーブルスイッチ77a〜77fによりICカード1が装着されていると判断されたコネクタ37a〜37fの中で記録又は再生するICカード1が装着されたコネクタ37を選択する。
【0051】
なお、CPU66及びメモリインターフェース67の各機能は、ハードウェア、ソフトウェアの何れの何れで形成するようにしてもよい。
【0052】
次に、メモリインターフェース67のコネクタ37にICカード1が装着されてから所望のICカード1を選択するまでの一連の動作について説明すると、先ず、装置本体21の電源が投入されると、挿入検出部74は、コネクタ37に装着されたICカード1の端子部3を構成する電極3b6の端子電圧を検出する。ここで、挿入検出部74は、コネクタ37のそれぞれの端子部3を構成する電極3b6の端子電圧が閾値より大きいとき、コネクタ37にICカード1が装着されていると判断し、閾値より小さいときコネクタ37にICカード1が装着されていないと判断する。すなわち、挿入検出部74は、6つのコネクタ37a〜37fの中で何れのコネクタ37にICカード1が装着されているかを判断する。
そして、挿入検出部74は、どのコネクタ37にICカード1が装着されており、どのコネクタ37にICカード1が装着されていないかを示す検出信号をCPU66のファイルマネージャ71に供給する。これと同時に、挿入検出部74は、検出信号をセレクト部75に供給する。
【0053】
そして、挿入検出部74は、この検出信号に基づいてイネーブルスイッチ77a〜77fのオンオフを切換制御する。具体的に、挿入検出部74は、ICカード1が装着されているコネクタ37のイネーブルスイッチ77a〜77fを利用者が選択することができるようにオンとし、ICカード1が装着されていないコネクタ37のイネーブルスイッチ77a〜77fを利用者が選択できないようにオフにする。これと同時に、検出信号が供給されたCPU66は、この検出信号に基づいて、表示ドライバ61を介して表示部23に、選択可能な番地の装着部22を表示する。
【0054】
そして、利用者が表示部23の表示又は装置本体21の上面21aのICカード1が装着されたコネクタ37を回動操作しラベル10を見ることにより所望の番地のコネクタ37a〜37fを選択する選択操作を操作部31で行い、操作部31よりCPU66に操作信号が入力されると、CPU66のファイルマネージャ71は、この操作信号に基づいて選択スイッチ76を制御する。すなわち、ファイルマネージャ71は、利用者が選択した番地のコネクタ37の選択スイッチ76をオンとし、その他の選択スイッチ76をオフとする。すなわち、利用者によって選択されたコネクタ37は、選択スイッチ76とイネーブルスイッチ77がともにオンとなり、利用者によって選択されていないコネクタ37は、選択スイッチ76若しくはイネーブルスイッチ77の何れかがオフ又は選択スイッチ76とイネーブルスイッチ77とが共にオフの状態となる。
【0055】
利用者によってICカード1が装着されたコネクタ37が選択された後、例えば利用者が選択した装着部22に装着されたICカード1に記録されている音楽データを再生するように操作部31を操作すると、CPU66には、操作部31より操作信号が入力される。すると、CPU66のファイルマネージャ71は、シリアルインターフェース12dとシリアルインターフェース73とが接続されることで、シリアルクロックSCLKとバスステートBSとシリアルデータ入出力SDIOを用いてICカード1のフラッシュメモリ11より音楽データを読み出し、この音楽データをDSP56に供給する。DSP56は、圧縮された音楽データを伸長し、AD/DAコンバータ55に供給する。AD/DAコンバータ55は、ディジタル信号である音楽データをアナログ信号に変換し、パワーアンプ54に出力する。そして、この音楽データは、ライン出力端子26に接続されたスピーカ若しくはヘッドフォン端子24に接続されたヘッドフォンより出力される。
【0056】
また、利用者によってICカード1が装着されたコネクタ37が選択された後、例えば利用者が選択したコネクタ37に装着されたICカード1に外部装置である光ディスク記録再生装置よりディジタルコンテンツ、例えば音楽データをダビングするときについて説明すると、先ず、CPU66には、操作部31より光ディスク記録再生装置に装着された磁気ディスクよりICカード1に音楽データをダビングするための操作信号が入力される。光ディスク記録再生装置から光信号がディジタル入力端子28を介して光入力部51に入力される。そして、光入力部51は、光信号を電気信号に光電変換し、ディジタル入力部52は、この電気信号の受信処理を行う。そして、DSP56は、データの圧縮処理を行い、CPU66は、圧縮処理が施されたデータを、利用者が選択したコネクタ37に装着されたICカード1にデータを記録する。
【0057】
次に、6つのコネクタ37a〜37fの幾つかに音楽データが記録されたICカード1が装着されており、これらICカード1に記録された音楽データを連続再生するときについて、図9を参照して説明する。
【0058】
先ず、ステップS1において、利用者によって連続再生モード処理を実行するように操作部31が操作されると、CPU66に操作部31より操作信号が入力され、CPU66は、連続再生モード処理を開始し、ステップS2に進み、操作信号が入力されないとき、ステップS1を繰り返す。
【0059】
ステップS2において、CPU66は、コネクタ37a〜37fに装着されたICカード1の枚数Nを算出する。すなわち、CPU66は、図6に示すように、挿入検出部74がコネクタ37a〜37fに装着されたICカード1の端子部3を構成する電極3b6の端子電圧を検出し、挿入検出部74より入力された検出信号に基づいて、コネクタ37a〜37fに装着されたICカード1の枚数Nを算出する。ここで、本実施例では、コネクタ37a〜37fが6つ設けられていることから、最大値が6であり、また、1のときは連続再生モードを実行することができないことから、最小値が2である。そして、CPU66は、ICカード1の枚数Nを算出すると、ステップS3に進む。
【0060】
ステップS3において、CPU66は、コネクタ37a〜37fのどの番地にICカード1が装着されているかを判定する。すなわち、CPU66は、挿入検出部74より入力された検出信号に基づいて、どのコネクタ37a〜37fにICカード1が装着されているかを判定する。このとき、挿入検出部74は、セレクト部75にも検出信号を出力し、ICカード1が装着されていないコネクタ37のイネーブルスイッチ77をオフにし、利用者がICカード1が装着されていないコネクタ37の番地を選択できないようにする。そして、CPU66は、ICカード1の装着されたコネクタ37の番地を判定した後、ステップS4に進む。
【0061】
ステップS4において、CPU66は、表示部23に表示ドライバ61を介して、ICカード1が装着されたコネクタ37の番地を表示する。また、CPU66は、表示部23に、ICカード1に記録された音楽データに関連した情報、例えば曲のタイトルを表示する。そして、CPU66は、利用者の操作部31の操作に基づいて、どの順番でICカード1を再生するかの再生順序を設定し、ステップS5に進む。なお、再生順序は、ランダムに再生したり、装着部22a〜22fの番地の小さい順に再生するようにしてもよい。また、利用者は、装置本体21の上面21aのICカード1が装着されたコネクタ37を回動操作しラベル10を見ることにより再生順序を設定する。
【0062】
ステップS5において、CPU66は、最初に再生するように設定されたコネクタ37のICカード1を再生するため変数nを1に設定し、ステップS6に進む。ステップS6において、CPU66のファイルマネージャ71は、この変数nに基づいて、利用者が選択したコネクタ37に対応した選択スイッチ76をオンに切り換え、他の選択スイッチ76をオフに切り換え、利用者が最初に再生することにした番地のICカード1のみを再生可能な状態にし、ステップS7に進む。
【0063】
ステップS7において、CPU66は、ICカード1より読み出す音楽データのアドレスを設定し、ステップS8において、読み込みアクセスを実行する。すると、CPU66は、シリアルインターフェース12dとシリアルインターフェース73とが接続されることで、シリアルクロックSCLKとバスステートBSとシリアルデータ入出力SDIOを用いてICカード1のフラッシュメモリ11より音楽データを読み出し、この音楽データをDSP56に供給する。DSP56は、圧縮された音楽データを伸長し、AD/DAコンバータ55に供給する。AD/DAコンバータ55は、ディジタル信号である音楽データをアナログ信号に変換し、パワーアンプ54に出力する。そして、この音楽データは、ライン出力端子26に接続されたスピーカ若しくはヘッドフォン端子24に接続されたヘッドフォンより出力される。
【0064】
ステップS9において、利用者によって操作部31で連続再生処理の停止操作がされたとき、CPU66は、ステップS14に進み、連続再生処理の停止操作がなされなかったとき、ステップS10に進む。
【0065】
ステップS10において、CPU66は、最初に再生しているICカード1に記録された全音楽データの再生が終了すると、ステップS11に進み、ICカード1に記録された全音楽データの再生が終了していないとき、ステップS7に戻り、処理を繰り返す。
【0066】
ステップS11において、ICカード1に記録された全音楽データの再生が終了したと判定したとき、CPU66は、ステップS11において、再生の終了したICカード1が装着されているコネクタ37の選択スイッチ76をオフにし、ステップS12に進む。
【0067】
ステップS12において、CPU66は、変数nが装着部22に装着されたICカード1の枚数N以上であるか否かを判定し、変数nが変数N以上であるとき、ステップS13に進み、変数nが変数Nより小さいとき、ステップS15に進む。
【0068】
ステップS13において、CPU66は、装着部22に装着された全てのICカード1についての連続再生が終了したものとして、連続再生処理を終了する。また、ステップS9において、利用者によって操作部31で連続再生処理の停止操作がされたとき、CPU66は、ステップS14において、現在再生中のICカード1の読み出し動作を停止、すなわち選択スイッチ76をオフにし、ステップS13において、連続再生処理を終了する。
【0069】
また、ステップS12で変数nが変数Nより小さいと判定したとき、CPU66は、ステップS15において、次のICカード1を再生するため、変数nをインクリメントし、ステップS6に戻り、次に再生するICカード1が装着されたコネクタ37の選択スイッチ76をオンにする。
【0070】
以上のように、装着部22に装着された複数枚のICカード1に記録された音楽データを連続再生するためICカード1を選択するとき、利用者は、指等で該当するICカード1が装着されたコネクタ37a〜37fを図6中反矢印A方向に回動することによって、外部に臨まされたラベル10の記載を確認することができる。
【0071】
次に、一のICカードに記録されたデータを他のICカードに転送し記録する転送モード処理について図10を参照して説明する。先ず、ステップS21において、利用者によって、転送モード処理を実行するように操作部31が操作されると、CPU66に操作部31より操作信号が入力され、CPU66は、転送モード処理を開始し、ステップS22に進み、操作信号が入力されていないとき、ステップS21を繰り返す。
【0072】
ステップS22において、CPU66は、転送元となるICカード1が装着された装着部22のコネクタ37a〜37fの番地を選択する旨の要求と転送元のICカード1内の記録トラックの指定要求と転送先となるICカード1が装着された装着部22のコネクタ37の番地を選択する旨の要求を行う。具体的に、CPU66は、これらの要求を、表示ドライバ61を介して表示部23で行う。なお、ここで、CPU66は、挿入検出部74での検出結果に基づいて、ICカード1が装着されたコネクタ37の中で転送元と転送先を指示するように表示部23で指示を行う。
【0073】
そして、ステップS23において、上記ステップS22における要求に応答する操作、すなわち転送となるICカード1が装着された装着部22のコネクタ37a〜37fの番地の指定と、転送元のICカード1の記録トラックの指定と、転送先となるICカード1が装着されたコネクタ37a〜37fの番地の指定が行われると、CPU66は、ステップS24に進み、この操作が行われないとき、ステップS22に戻り、転送元と転送先の番地の指定要求を行う。
【0074】
ステップS24において、CPU66は、ファイルマネージャ71に転送元のICカード1の番地と転送元のICカード1の記録トラックの番地と転送先のICカード1の番地を設定する。そして、CPU66は、ステップS25に進む。
【0075】
ステップS25において、CPU66は、転送元のICカード1の転送対象となる記録トラックのアドレスを読み出しアドレスとして設定し、ステップS26に進む。そして、ステップS26において、CPU66は、転送元のICカード1が装着されたコネクタ37の選択スイッチ76をオンにし、所定の記録トラックのデータを読み出し可能な状態にする。そして、CPU66は、選択スイッチ76をオンにすると、ステップS27に進む。
【0076】
ステップS27において、CPU66は、転送元のICカード1よりデータを読み出し、バッファメモリ65に格納する。ここで、この読み出し処理は、バッファメモリ65に格納可能なデータ容量を超えないデータ量単位で行われる。
【0077】
CPU66は、所定のデータをバッファメモリ65に格納すると、ステップS28において、読み出し中のICカード1が装着されたコネクタ37の選択スイッチ76をオフにする。次いで、ステップS29において、CPU66は、バッファメモリ65に格納されたデータを転送先のICカード1に出力するため、転送先のICカード1が装着されたコネクタ37の選択スイッチ76をオンにし、ステップS30において、転送先のICカード1の空き領域にバッファメモリ65に格納されているデータを転送する。
【0078】
次いで、バッファメモリ65から転送先のICカード1へのデータの転送が終了すると、CPU66は、ステップS31において、転送先のICカード1が装着されたコネクタ37の選択スイッチ76をオフにし、ステップS32に進む。CPU66は、ステップS32において、ステップS30における転送先のICカード1への書き込みで全転送データの転送が終了したか否かを判定し、完了しているとき、ステップS33に進み、転送処理を終了し、完了していないとき、ステップS34に進む。
【0079】
全データの伝送が終了していないとき、ステップS34において、CPU66は、次の読み出しアドレス、すなわち転送元のICカード1のアドレスを設定し、ステップS26に戻り、再度、転送元のICカード1が装着されたコネクタ37の選択スイッチ76をオンにし、続きのデータのバッファメモリ65への読み出しを行う。
【0080】
以上のように、記録再生装置20では、装置本体21に複数枚のICカード1を装着することができることから、複数のICカード1を使った操作、例えば複数枚のICカード1に記録されたデータの連続再生やICカード1間のデータのダビングを行うことができる。また、装着部22に装着された複数枚のICカード1間でデータ伝送を行うとき、利用者は、指等で該当するICカード1が装着されたコネクタ37a〜37fを図6中反矢印A方向に回動することによって、外部に臨まされたラベル10の記載を確認することができる。
【0081】
なお、以上、装置本体21の上面21aに設けられた装着部22に6枚のICカード1を装着することが可能な例について説明したが、装着部22に装着できるICカードの枚数は、これに限定されるものではなく、また、上面21a以外の面、例えば操作面となる前面21bや側面に設けるようにしてもよい。
【0082】
また、以上のような記録再生装置20は、次のように構成することもできる。この記録再生装置81は、図11に示すように、装置本体82の内外に亘って移動するトレイ83を有し、このトレイ83に複数枚、例えば6枚のICカード1が装着される装着部84が設けられてなる。
【0083】
トレイ83は、図11に示すように、装置本体82の操作面となる前面82aに設けられた挿脱口85を介して装置本体82の内外に亘って移動操作される。この挿脱口85は、ICカード1が装着されたトレイ83を装置本体82の内外に亘って移動することができるように大きさで略矩形状に形成されている。この挿脱口85に設けられるトレイ83は、図11及び図12に示すように、複数枚のICカード1が装着される装着部84が設けられる略矩形状のトレイ本体86と、このトレイ本体86の一端に略トレイ本体86に対して略垂直に設けられ、挿脱口85を閉塞する蓋部87とを有する。トレイ本体86は、トレイ83の移動方向に略直交するように略矩形のICカード1を並べて6枚装着することができる大きさに形成されている。このトレイ本体86の長手方向の両側には、装置本体82の内外に亘って移動する際のガイドを行うガイドレール88,89が設けられている。また、一方のガイドレール88には、トレイ83を移動するための移動操作機構95との接続を図るためのラックギヤ91が設けられている。一方、装置本体82側には、図12に示すように、ガイドレール88,89が係合されるガイド凹部92,93が略C字状に設けられている。ガイド凹部92には、ガイドレール88が係合され、ガイド凹部93には、ガイドレール89が係合される。また、ガイド凹部92の一端部は、切欠部94が設けられ、ラックギヤ91の一部を外部に臨ませ、移動操作機構95と接続できるように形成されている。
【0084】
このようなトレイ83を移動する移動操作機構95は、図12に示すように、駆動モータ96と、この駆動モータ96の駆動軸に取り付けられた第1のプーリ98と、装置本体82側に設けられた第2のプーリ99と、第1のプーリ98と第2のプーリ99に掛け渡される無端ベルト100と、第2のプーリ99に一体的に設けられたギヤ部99aに噛合される大径の第1のギヤ部101aと第1のギヤ部101aより小径で、上述したガイド凹部92の切欠部94より外部に臨まされたラックギヤ91に噛合される第2のギヤ部101bとからなる駆動ギヤ101とを有する。
【0085】
トレイ83は、駆動モータ96が一方向に駆動され、駆動ギヤ101が図12中矢印C方向に駆動されることによって、装置本体82の外部に移動する図12中矢印D方向に移動される。また、トレイ83は、駆動モータ96が他方向に駆動され、駆動ギヤ101が図12中反矢印C方向に駆動されることによって、装置本体82の内部に移動する図12中反矢印D方向に移動される。
【0086】
ところで、このトレイ83のトレイ本体86には、複数枚、例えば6枚のICカード1が装着される装着部84が設けられている。この装着部84には、上述した装着部22と同様に、コネクタ103a〜103f(以下、単にコネクタ103ともいう。)と、このコネクタ103を回動可能に支持する支持機構104が設けられている。これらコネクタ103a〜103fは、トレイ83の移動方向に沿って一列に並んで、ICカード1の挿入方向がトレイ83の移動方向と略直交する方向となるように設けられている。
【0087】
また、これらコネクタ103a〜103fを回動支持する支持機構104は、トレイ本体86に一体的に設けられた一対の支持片105,105に軸支される支軸106が、コネクタ103の背面に設けられた回動支持片107に穿設された支持孔108に挿通されてなる。そして、各コネクタ103は、支軸106を中心にして挿脱位置と収納位置とに亘って回動される。
【0088】
以上のような記録再生装置81では、次のようにICカード1の挿脱操作が行われる。先ず、ICカード1の交換等を行うため、トレイ83は、装置本体82の前面82aに設けられた操作釦が押されると、駆動モータ96が一方向に駆動され、駆動ギヤ101が図12中矢印C方向に回転されることによって、ラックギヤ91で駆動ギヤ101に噛合されたトレイ83は、装置本体82の外部に突出する図12中矢印C方向に移動し、トレイ本体86に設けられた装着部84を外部に臨ませる。ここで、利用者がICカード1を挿入しようとする番地のコネクタ103は、支軸106を支点として、図12中反矢印E方向に回動され、挿脱位置にされると、この挿脱位置で、ICカード1が図12中矢印F方向より端子部3を挿入端として挿入される。この後、ICカード1が挿入されたコネクタ137は、支軸106を中心にして、収納位置まで移動される。
【0089】
この後、操作釦が押されると、駆動モータ96が一方向に駆動され、駆動ギヤ101が図12中反矢印C方向に回転されることによって、ラックギヤ91で駆動ギヤ101に噛合されたトレイ83は、装置本体82の内部、すなわち図12中反矢印C方向に移動し、装置本体82内に収納される。なお、この記録再生装置80においても、ICカード1に対するデータの記録又はICカード1に記録されたデータの再生は、上述した図7乃至図10と同様に行われる。
【0090】
以上のような記録再生装置81では、トレイ83に複数枚のICカード1を装着することができることから、複数のICカード1に跨って、データの連続再生を行ったりダビングをすることができる。このとき、装着部84のコネクタ103に装着されたICカード1の確認は、所望のICカード1が装着されたコネクタ103を収納位置から挿脱位置に移動させることによってラベル10の内容を視認可能な状態とすることで行うことができる。
【0091】
なお、以上、装着部84について説明したが、装着されるICカード1の枚数はこれに限定されるものではない。
【0092】
また、以上、ICカード1の記録再生装置20,80について、図面を参照して説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、ICカード1の端子部とコネクタとの間のデータの送受信は、無線で行うようにしてもよい。また、本発明は、ICカード1の記録装置又は再生装置であってもよい。
【0093】
【発明の効果】
本発明に係るICカードの記録及び/又は再生装置によれば、装置本体に複数枚のICカードを装着することができることから、複数のICカードを使った操作、例えば複数枚のICカードに記録されたデータの連続再生やICカード間のデータのダビングを行うことができる。また、送受信手段をICカードの挿脱位置と収納位置とに亘って移動可能に設けることで、ICカードのラベルを確認する際、ラベルの記載を見ることができる挿脱位置に容易に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された記録再生装置に用いられるICカードを示す斜視図である。
【図2】上記ICカードを底面側から見た斜視図である。
【図3】上記ICカードのブロック図である。
【図4】本発明が適用された記録再生装置の斜視図である。
【図5】上記記録再生装置の装着部を説明するための要部斜視図である。
【図6】ICカードが装着される装着部を説明する図である。
【図7】記録再生装置のブロック図である。
【図8】ICカードと記録再生装置とのインターフェースを説明する図である。
【図9】複数のICカードを連続して再生する連続再生モード処理を説明するフローチャートである。
【図10】一のICカードに記録されたデータを他のICカードに転送し記録する転送モード処理を説明するフローチャートである。
【図11】本発明が適用された記録再生装置の他の例を説明する要部斜視図である。
【図12】上記記録再生装置の装着部を説明する図である。
【符号の説明】
1 ICカード、3 端子部、3b 電極、10 ラベル、20 記録再生装置、21 装置本体、22 装着部、36 収納凹部、37 コネクタ、39 接続端子、43 回動支持片、44 支持孔、45 支軸
Claims (3)
- 装置本体の上面の前面側の一方のコーナ部に設けられ、半導体メモリが内蔵された略矩形板状のICカードを複数収納する収納手段と、
上記収納手段に収納可能な上記ICカードの数に対応して上記収納手段に複数並べて設けられ、前面を挿入端として挿入された上記ICカードを保持してデータの送受信を行う送受信手段と、
上記送受信手段を、上記ICカードの背面側を上記収納手段より突出させて挿脱を行う挿脱位置と、上記収納手段に上記ICカードを収納し、データの記録又は再生を行う収納位置とに亘って回動可能に支持する支持手段とを備え、
上記各送受信手段は、平面から背面を介して底面に亘りラベルが貼着された上記ICカードを、上記ICカードの一方の側面を下側にし、他方の側面を上側にして立てた状態で保持し、
上記支持手段は、上記ICカードの平面と背面と底面のうちの少なくとも何れかにあるラベルにおける記載の確認を行うとき、上記送受信手段を、上記収納位置から上記挿脱位置へ上記ICカードの他方の側面方向に回動させて、上記ICカードに貼着されたラベルを上記収納手段より突出させ、上記ICカードに貼着されたラベルを外部に臨ませるICカードの記録及び/又は再生装置。 - 上記装置本体は、上記収納手段と隣接する両面にそれぞれ切欠部が設けられ、
上記ICカードが上記収納位置にある場合、上記一方の切欠部は、最も該一方の切欠部側に保持された上記ICカードのラベルを外部に臨ませ、上記他方の切欠部は、上記ICカードの背面を外部に臨ませる請求項1記載のICカードの記録及び/又は再生装置。 - 装置本体の上面と直交する前面に設けられ、半導体メモリが内蔵された略矩形板状のICカードを複数収納するトレイと、
上記トレイに収納可能な上記ICカードの数に対応して上記トレイに複数並べて設けられ、前面を挿入端として挿入された上記ICカードを保持してデータの送受信を行う送受信手段と、
上記送受信手段を、上記ICカードの背面側を上記収納手段より突出させて挿脱を行う挿脱位置と、上記トレイに上記ICカードを収納し、データの記録又は再生を行う収納位置とに亘って回動可能に支持する支持手段と、
上記トレイを上記装置本体の内外に亘って移動する移動操作手段とを備え、
上記各送受信手段は、平面から背面を介して底面に亘りラベルが貼着された上記ICカードを、上記ICカードの一方の側面を下側にし、他方の側面を上側にして立てた状態で保持し、
上記支持手段は、上記ICカードの平面と背面と底面のうちの少なくとも何れかにあるラベルにおける記載の確認を行うとき、上記送受信手段を、上記収納位置から上記挿脱位置へ上記ICカードの他方の側面方向に回動させて、上記ICカードに貼着されたラベルを上記トレイより突出させ、上記ICカードに貼着されたラベルを外部に臨ませるICカードの記録及び/又は再生装置。
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