JP4578570B1 - イムノクロマトグラフィー用試薬組成物 - Google Patents

イムノクロマトグラフィー用試薬組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】免疫クロマトグラフィー装置を用いて検出対象物を検出する従来技術に比して、非特異的反応を抑制することができるイムノクロマトグラフィー用試薬組成物、もしくは試料希釈液の提供、およびそれを用いた、高性能、高感度な免疫クロマトグラフィー装置ならびに迅速、簡便な検査ができる検出キットを提供する。
【解決手段】 イムノクロマトグラフィー法により試料中の検出対象物を検出する際に、緩衝液、キレート剤、および非イオン界面活性剤を含有するイムノクロマトグラフィー用試薬組成物またはイムノクロマトグラフィー用展開液もしくはイムノクロマトグラフィー用試料希釈液を用いることにより非特異的反応を抑制することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、非特異的反応を抑制する高性能、高感度なイムノクロマトグラフィー用試薬組成物又はイムノクロマトグラフィー用展開液に関する。さらに、本発明は、非特異的反応を抑制して、迅速、簡便に試料中の検出対象物を検査/測定ができる検出キットおよび検査法に関するものである。さらに詳しくは、この検出キットは、検出試料の前処理を行うこと無く、直接この検出キットの試料添加部に検出試料を供給することによって、迅速、簡便および高精度に検査ができる検出キットに関する。
近年、検出試料の前処理を行う必要の無い、免疫クロマトグラフィー用ストリップ形式のイムノアッセイは、抗体の持つ特異的反応性を利用して、試料液中の抗原を検出する簡便な体外診断キットもしくは携帯用診断装置として重要性が高まっている。特に、妊娠検査キットは、一般用医薬品としても販売されている身近な免疫クロマトグラフィー装置である。妊娠した女性の尿中には、胎盤から分泌されるhCGが***されてくるので、この尿中のhCGと特異的に反応する抗体を利用して検出する免疫クロマトグラフィー装置の研究が進められてきた。
ところで、検出試料が尿である場合、尿中には多様な成分が含有され、さらに組成や比重にも相違があるため、免疫化学結合に少なからず影響を与え、免疫化学結合を利用するアッセイ法による結果の正確さを左右する妨害因子となっている。これらの妨害因子の影響を最小化するために、補正手段を種々組み入れた対処が行なわれている(特許文献1参照)。
また、高速液体クロマトグラフィー法によって検体中のヘモグロビンを測定する際に、ヘモグロビンの変性を防止する目的で、エチレンジアミンテトラ酢酸(以下、「EDTA」と略す)・2Na、EDTA・3K、ジエチレントリアミン五酢酸(以下、「DTPA」と略す)などのキレート化剤を添加する技術が公知である(特許文献2参照)。
しかしながら、糞便等の試料中に含まれるヘモグロビンの安定化に対して、EDTAは十分な安定化作用が期待できないことが確認されており、単なるEDTAのみよりも遷移金属イオンの水溶性金属錯体を使用した方が、安定化効果が高いことが知られている(特許文献3参照)。
さらに、イムノクロマトグラフィー法によって検体中のヘモグロビンを測定する際に、感作金属コロイド試薬溶液に鉄イオン、銅イオン、または鉛イオンから選ばれる金属イオンとキレート化剤からなる物質を安定化剤として配合する方法が知られている(特許文献4参照)。
一方で、従来から免疫クロマトグラフィー装置において、バックグラウンド着色(判定部の固定相抗体以外の部分の着色)およびブランク発色(検出物質が存在しない場合での固定化相の発色)が、検出時のSN比を下げるだけでなく、誤動作の原因にもなるため問題視されていた。バックグラウンド着色は、可視化された移動相抗体と多孔質担体との疎水的な結合が原因であり、また、ブランク発色は、負電荷を帯びた移動相抗体と正電荷を帯びた固定相担体との電気的相互作用が原因であるとされている。この対策として、検出片を構成する多孔質担体の試料導入部から判定部までの間に添加剤含浸部を設けて、そこに疎水結合や電気的相互作用を打ち消す効果のある物質、例えば界面活性剤、アンモニウム塩、およびpH緩衝剤の少なくとも1種を担持させた免疫クロマトグラフィー装置が開示されている(特許文献5参照)。
また、pH緩衝剤などを含む展開液を用いる免疫クロマトグラフィー検出方法において、生物学的親和性に基づく副反応を抑制したり、非特異反応を抑制するために種々の添加剤を使用しており、例えば、抗原抗体反応の促進あるいは非特異反応の抑制のための蛋白質(例えば、牛血清アルブミン、カゼイン、ゼラチン等)、高分子化合物(例えば、ポリエチレングリコール、デキストラン、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等)、非イオン性界面活性剤(例えば、ツイーン20、トリトンX−100等)、イオン性界面活性剤又はポリアニオン(例えば、デキストラン硫酸、ヘパリン、ポリスチレンスルホン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等)若しくはその塩等が、添加剤として挙げられている(特許文献6参照)。
しかしながら、バックグラウンド着色およびブランク発色などの対策、さらには生物学的親和性に基づく副反応を抑制したり、非特異反応を抑制するための対策などに用いられている界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤(例えば、ツイーン20、トリトンX−100等)、イオン性界面活性剤又はポリアニオンが挙げられてきてはいるものの、未だ十分に目的が達成されず、依然として非特異反応を抑制できないという同様な問題があった。
本発明者等は、上記の非イオン性界面活性剤(例えば、ツイーン20、トリトンX−100等)、イオン性界面活性剤又はポリアニオンの中でも、特に非イオン性界面活性剤に着目して、実験を行なった結果、試料中の検出対象物をイムノクロマトグラフィー法により検出する際、非特異反応が依然として起こることを観察しており、非特異反応を十分に抑制できないという課題が依然としてあった。
本発明は、従来技術に比して、非特異的反応を抑制する高性能、高感度なイムノクロマトグラフィー用試薬組成物又はイムノクロマトグラフィー用展開液を提供することにある。また、従来技術に比して、非特異的反応を抑制して、迅速、簡便および高精度に検査ができるイムノクロマトグラフィー装置を提供することにある。例えば、尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)と特異的に反応して迅速、簡便な妊娠検査ができる免疫クロマトグラフィー装置を提供することにある。
さらに、試料の前処理を行うこと無く、試料を直接この検出キットの試料添加部に供給することによって、非特異的反応を抑制して、試料中の検出対象物と特異的に反応して迅速、簡便、高精度に検査ができる検出キットを提供することにある。例えば、尿を直接この検出キットの試料添加部に供給することによって、迅速、簡便および高精度に妊娠検査ができる検出キットを提供することにある。
また、本発明は、非特異的反応を抑制して、試料中の検出対象物をイムノクロマトグラフィー法により検出する方法に関する。
本発明は、下記の(a)〜(j)のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物、イムノクロマトグラフィー用展開液、それを用いたイムノクロマトグラフィー装置およびイムノクロマトグラフィー法ならびに検出用キットを提供するものである。
(a)本発明の第1の特徴は、緩衝液、キレート剤、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシロピレン繰り返し単位の割合がモル比で0.1〜1.5の範囲であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤を含むことを特徴とする試料中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)からなる群から選択される検出対象物を検出する為のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物にある。
(b)本発明の第2の特徴は、キレート剤が、アミノカルボン酸系キレート剤である上記(a)に記載のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物にある。
(c)本発明の第3の特徴は、緩衝液、キレート剤、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシロピレン繰り返し単位の割合がモル比で0.1〜1.5の範囲であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤を含むことを特徴とする試料中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)からなる群から選択される検出対象物を検出する為のイムノクロマトグラフィー用試料希釈組成物にある。
(d)本発明の第4の特徴は、試料添加部、標識物質保持部、クロマトグラフィー媒体部、試料中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)からなる群から選択される検出対象物を検出する検出部および吸収部から実質的に順次構成されており、且つ試料添加部の端部と吸収部との間のいずれかの領域部に、緩衝液、キレート剤、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシロピレン繰り返し単位の割合がモル比で0.1〜1.5の範囲であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤を含むイムノクロマトグラフィー用試薬組成物を含む部位が設けられていることを特徴とするイムノクロマトグラフィー装置にある。
(e)本発明の第5の特徴は、キレート剤が、アミノカルボン酸系キレート剤である上記(d)に記載のイムノクロマトグラフィー装置にある。
(f)本発明の第6の特徴は、試料添加部、標識物質保持部、クロマトグラフィー媒体部、試料中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)からなる群から選択される検出対象物を検出する検出部および吸収部から実質的に順次構成されており、且つ試料添加部の端部と吸収部との間のいずれかの領域部に、緩衝液、キレート剤、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシロピレン繰り返し単位の割合がモル比で0.1〜1.5の範囲であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤を含むイムノクロマトグラフィー用試薬組成物を含む部位が設けられているイムノクロマトグラフィー装置からなることを特徴とする検出キットにある。
(g)本発明の第7の特徴は、緩衝液、キレート剤、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシロピレン繰り返し単位の割合がモル比で0.1〜1.5の範囲であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤を含むことを特徴とする試料中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)からなる群から選択される検出対象物を検出する為に用いるイムノクロマトグラフィー用展開液にある。
(h)本発明の第8の特徴は、緩衝液、キレート剤、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシロピレン繰り返し単位の割合がモル比で0.1〜1.5の範囲であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤を含むイムノクロマトグラフィー用展開液を、移動相を構成する展開液として使用して、試料中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)からなる群から選択される検出対象物を検出することを特徴とするイムノクロマトグラフィー法にある。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物は、緩衝液、キレート剤、および非イオン界面活性剤を含むことにより、試料中の検出対象物を検出する際に、その抑制機構の原理の詳細は不明であるが、非特異反応を抑制するため、感度の低下がなく、正確に結果の判定が可能である。例えば、検体として用いる尿中のhCGを検出する際に、非特異反応を顕著に抑制するため、感度の低下がなく、正確に妊娠検査の結果の判定が可能である。
また、本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物を含む部位をイムノクロマトグラフィー装置の領域部内に設けるとは、試料添加部の端部と吸収部との間の領域内にイムノクロマトグラフィー用試薬組成物を、塗布、吸着もしくは含浸させて後、乾燥させることによって担持または保持もしくは形成させるものである。例えば、イムノクロマトグラフィー装置のサンプルパッド(試料添加部分)中へ前記試薬組成物を塗布または含浸させた後、乾燥させたイムノクロマトグラフィー装置にあっては、例えば、検体として用いる尿中のhCGを検出する際に、試料である尿の前処理を行う必要が無く、尿を直接この検出キットの試料添加部に供給することによって、非特異的反応を抑制して、尿中のhCGと特異的に反応して迅速、簡便な妊娠検査ができるという特徴を有する。本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物を含む部位をイムノクロマトグラフィー装置の領域部に設ける、即ち、担持または保持もしくは形成させるにおいては、試料添加部の端部と吸収部との間の領域部であれば任意の場所とすることができる。例えば、試料添加部分、標識物質保持部やもしくはイムノクロマトグラフィー媒体上で検出部より試料添加部側に近い部分とすることもできるが、領域部の位置、大きさ(幅)、濃度などはその性能を考慮して、任意に決めることができるものであり、設計事項の範囲内である。
イムノクロマトグラフィー装置の試験片の概略図
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者等は、免疫クロマトグラフィー装置において、鋭意研究を重ねた結果、イムノクロマトグラフィー用試薬組成物として緩衝剤、キレート剤および非イオン性界面活性剤を含有する試薬組成物を使用することにより、移動相抗体と多孔質担体との疎水結合や移動相抗体と固定相担体との電気的相互作用を、緩衝剤、非イオン性界面活性剤及びキレート剤の相互作用によって高度に打ち消し、さらに被検出物質や標識化した検出試薬の安定化、並びに被検出物質と標識抗体との反応による複合体の安定化が緩衝剤、キレート剤及び非イオン性界面活性剤の相乗作用によってなされると同時にそれらの移動相としての移動をスムーズにする作用を果たすことにより、非特異反応を極めて顕著に抑制して、試料中の被検出物質を特異的に高感度かつ迅速に検出/測定が出来ることを初めて知見し完成に至ったものである。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物中の1成分である緩衝剤としては、試料の添加や試料の蒸発や希釈による濃度の変化、外部からの多少の異物の混入によっても致命的な影響を生じない作用(緩衝作用)を持つものであれば特に制限はない。
本発明において、緩衝剤としては、酢酸緩衝液(酢酸+酢酸ナトリウム)、リン酸緩衝液(リン酸+リン酸ナトリウム)、クエン酸緩衝液(クエン酸+クエン酸ナトリウム)、ホウ酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液(トリス(ヒドロキシルメチル)アミノメタン+塩酸)、TE緩衝液(トリス+エチレンジアミン四酢酸)、TAE緩衝液(トリス+酢酸+エチレンジアミン四酢酸)、TBE緩衝液(トリス+ホウ酸+エチレンジアミン四酢酸)又はHEPES緩衝液(2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルフォン酸)等が挙げられる。好ましくは、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液などであり、より好ましくは、トリス塩酸緩衝液である。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物中の1成分であるキレート剤としては、複数の配位座を持つ配位子となり得る作用をもつであれば特に制限はない。
本発明において、キレート剤としては、エチレンジアミン、ジピリジン、エチレンジアミン四酢酸(以下、「EDTA」という)、EDTA・2Na、EDTA・3Na、EDTA・4Na、EDTA誘導体(例えば、EDTA・2NH、EDTA・3K、EDTA・特殊アミン塩等)、EDTA金属塩(例えば、EDTA・Ca・2Na等)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)系、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸(DHEDDA)系、1,3−プロパンジアミン四酢酸(1,3PDTA)系、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)系、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)系、ニトリロ三酢酸(NTA)系、グルコン酸系、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIMDA)系、L−アスパラギン酸−N、N−二酢酸(ASDA)系、アミノトリメチレンホスホン酸(NTMP)系、ヒドロキシエタンホスホン酸(HEDP)系、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウム、フェナントロリン、ポルフィリン、クラウンエーテル等が挙げられる。
本発明のキレート剤としては、好ましくは、アミノカルボン酸系キレート剤である。
本発明のアミノカルボン酸系キレート剤としては、重金属イオンやアルカリ土類金属イオンと錯化可能なアミノ基とカルボン酸官能基を有する化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、上記したエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)等が挙げられる。より好ましくは、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用いる。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物中の1成分である非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(商品名「Tween」シリーズ)、ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(商品名「Triton」シリーズ)、ポリオキシエチレンp−t−ノニルフェニルエーテル(商品名「TritonN」シリーズ)、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル等を挙げることができる。非イオン性界面活性剤は、単独でも2種以上を混合しても用いることが出来る。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物中の1成分である非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンアルキルエーテルが好適に用いられる。詳しくは、片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体であって、片末端のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基であり、より好ましくは炭素数10〜18のアルキル基である。両末端が水酸基のポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体では、非特異的反応の要因となる糖タンパク質等の夾雑物の変性が阻害される、処理液中への可溶性や分散性が落ちる、あるいは標識抗体や検出抗体との静電的または疎水結合的な親和力を制御できないなどの理由のため、非特異的反応を抑制できず正確な判定が行なえない。また、炭素数18を超える片末端のアルキル基の場合では、測定に必要な被検出物質と標識抗体との反応による複合体生成が阻害され、十分な感度が得られないため適当でない。さらに、ポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシプロピレン繰り返し単位の割合は、前者対後者のモル比で0.1〜1.5が好ましく、0.15〜1.1がより好ましい。片末端のアルキル基は、ポリオキシエチレンブロックに結合しているのが好ましい。前述の繰り返し単位のモル比が0.1未満では、非特異的反応の要因となる糖タンパク質等の夾雑物の変性が阻害される、また、処理液中への可溶性や分散性が落ちる、あるいは標識抗体や検出抗体との静電的または疎水結合的な親和力を制御できないなどの理由のため、非特異的反応を抑制できず正確な判定が行なえない。また、1.5を超えると測定に必要な被検出物質と標識抗体との反応による複合体生成が阻害され、十分な感度が得られないため適当でない。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物中の1成分である非イオン性界面活性剤の含有量としては、0.01〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.05〜5重量%の範囲でイムノクロマトグラフィー用試薬組成物に含有させることができる。0.05重量%未満では、非特異的反応を抑制できず正確な判定が行なえない。10重量%以上では、必要以上の濃度となり、非特異的反応の抑制には好ましい影響を与えることがないばかりか、経済的でなく無駄となる。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物中の1成分である非イオン性界面活性剤としては、片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体のみを含有させることが望ましい。しかしながら、悪影響を及ぼさない範囲内においてその他の非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤などを配合して使用することも可能である。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物中の1成分である緩衝剤の濃度としては、0.01〜250mMの範囲であり、10〜200mMの範囲が好ましく、30〜180mMの範囲がより好ましい。濃度が0.01mMより低くなると緩衝作用が不十分になる。250mM以上では、必要以上の濃度となり経済的でなく無駄となる。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物は、トリス塩酸緩衝剤以外の緩衝剤を含有しないことが望ましい。しかしながら、悪影響を及ぼさない範囲内においてその他の緩衝剤を配合して使用することもできる。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物中の1成分であるキレート剤の濃度としては、0.01〜10mMの範囲であり、0.1〜5mMの範囲が好ましく、0.5〜2mMの範囲がより好ましい。0.01mM未満では、非特異的反応を抑制できず正確な判定が行なえない。10mM以上では、必要以上の濃度となり経済的でなく無駄となる。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物には、生物学的親和性に基づく副反応を抑制したり、非特異的反応を抑制することが公知の添加剤、例えば、抗原抗体反応の促進あるいは非特異的反応を抑制するための蛋白質(例えば、牛血清アルブミン、カゼイン、ゼラチン等)、高分子化合物(例えば、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストラン等)、イオン性界面活性剤又はポリアニオン(例えば、デキストラン硫酸、ヘパリン、ポリスチレンスルホン酸、コンドロイチン硫酸等)、あるいは、抗菌剤等々の1種もしくは2種以上を添加して使用することも可能かつ有効であって、何ら妨げるものではない。また、これらの抗原抗体反応の促進あるいは非特異的反応を抑制するための蛋白質、高分子化合物、イオン性界面活性剤又はポリアニオン、あるいは、抗菌剤等々の1種もしくは2種以上を、固定相を構成するクロマトグラフィー媒体上の、移動相の移動経路上に保持させておくことも可能かつ有効であって、何ら妨げるものではない。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物の成分をイムノクロマトグラフィー用試薬組成物を含む部位を設ける方法としては、例えば、イムノクロマトグラフィー装置におけるサンプルパッド(試料添加部分)中へ塗布又は含浸させた後、乾燥させる方法により、サンプルパッド中へ担持または保持させる態様とすることができる。本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物をイムノクロマトグラフィー媒体上に担持させる他の態様としては、試料添加部の端部と吸収部との間の任意の場所に、添加剤保持部を設けて、そこに保持させる態様とすることができる。例えば、試料添加部分、標識物質保持部やイムノクロマトグラフィー媒体上とすることもできる。なかでも試料添加部分および/または標識物質保持部位のみに担持または保持させる態様が好ましい。
本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物の使用方法としては、上記の使用方法に限定されるものではなく、展開液として用いることもできるし、試料の希釈液としても使用することができる。展開液としては、通常、溶媒として水を用い、これに緩衝液、キレート剤、および非イオン界面活性剤を加える。加える順序は特に特定されず、同時に加えても差支えない。展開液として用いる場合には、検出する試料と展開液を予め混合したものを、サンプルパッド(試料添加部分)上に供給・滴下して展開させることもできるし、先に試料をサンプルパッド(試料添加部分)上に供給・滴下して後、展開液をサンプルパッド(試料添加部分)上に供給・滴下して展開させてもよい。試料希釈液として使用する場合には、試料を希釈した希釈液は、そのまま展開液としてサンプルパッド(試料添加部分)上に供給・滴下することにより使用できる。
本発明の検出対象物を含む試料(検体)としては、例えば、主として生体試料、即ち、血液、血清、血漿、尿、唾液、髄液、汗、涙、羊水、乳頭分泌液、鼻汁、痰、鼻腔又は咽頭拭い液、皮膚からの浸出液、組織や細胞及び糞便からの抽出物等々が挙げられる。
本発明の検出対象物としては、それと特異的に結合する、例えば、抗原−抗体反応のように特異的に結合する物質が存在するもしくは製造できるものであればよく、特に限定されない。検出対象物が完全抗原といったそれ自体が抗原性を有するものであっても、もしくはハプテン(不完全抗原)といったそれ自体が抗原性を有しなくても化学的変成物とすることにより抗原性を持つに至るものであってもよい。これらの検出対象物と特異的に結合する物質が存在するもしくは製造できるものであればよく、モノクローナル抗体若しくはポリクローナル抗体とすることができる。本発明の検出対象物を例示すれば、ペプチドホルモン(成長ホルモン(GH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、メラミン細胞刺激ホルモン(MSH)、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、下垂体ホルモン、カルシユウム代謝調節ホルモン、膵ホルモン、消化管ホルモン、血管作用ホルモン、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)等の胎盤ホルモン、前立腺性酸性フォスファターゼ(PAP)、前立腺特異抗原(PSA)、アルカリ性フォスファターゼ、トランスアミナーゼ、トリプシン、ペプシノーゲン、α−フェトプロテイン(AFP)、ガン胎児性抗原(CEA)等のガン特異物質、免疫グロブリンG(IgG)等の血清蛋白成分、リュウマチ因子、セロトニン、ウロキナーゼ、フェリチン、サブスタンP、エストロン等の卵胞ホルモン、便潜血、梅毒抗体、インフルエンザウィルス、アデノウィルス、ロタウィルス、HBs抗原、HBs抗体、クラミジア抗原、A群β溶連菌抗原、プロゲストロン等の天然又は合成黄体ホルモン、テストステロン等の男性ホルモン、コルチゾール等の副腎皮質ホルモン、コレステロール、胆汁酸、強心性ステロイド、サポゲニン等のその他のステロイド類、エピネフリン、ドーパミン、生理活性アルカロイド類、アミノ基含有向精神薬類、TRH等の低分子ペプチド類、ジヨードサイロニン等の甲状腺ホルモン類、プロスタグランジン類、ビタミン類、ペニシリン等の抗生物質類、その他生体内成分、生体内投与薬物およびその代謝産物等が挙げられる。好ましい検出対象物としては、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH),甲状腺刺激ホルモン(TSH)が用いられ、特にhCGがより好ましく用いられる。
本発明の検体として尿を用いた場合は、尿は、何ら処理を施す必要がないので、イムノクロマトグラフィー装置におけるサンプルパッド上に供給/滴下するだけでよい。そのため、簡便であって、誰にでも何処にあっても、例えば、在宅でも妊娠検査が可能である。この場合に、検体から検出する被検出物質としては、妊娠した女性が胎盤から分泌して、尿中に***されたhCGである。本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物は、尿検体に特に有効であり、尿中の夾雑物による非特異的反応を抑制しつつより高い感度での被検出物質の検出に好適に用いられる。
尿中に***されたhCGを検出するためのイムノクロマトグラフィー装置は、その構造およびその動作・検出手法は公知である。
従来のイムノクロマトグラフィー装置のサンプルパッド中へ本発明のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物を担持させた、例えば、含浸後、乾燥させたイムノクロマトグラフィー装置を用いて、特異的に結合する反応、例えば、抗原抗体反応により試料中の検出対象物、例えば、尿中のhCG等の同定・定量等の検査をすることができる。
図1の試料添加部(1)は、試料が迅速に吸収されるが、保持力は弱く、速やかに反応部へと試料が移動していくような性質の多孔質シートで構成されている。多孔質シートとしては、セルロース濾紙、ガラス濾紙、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、綿布等が挙げられる。本発明の多孔質シートとしては、ガラス濾紙が好ましく用いられる。本発明においては、非特異的反応を抑制するために、サンプルパッド(1)中に、緩衝液、キレート剤、および非イオン界面活性剤を含むイムノクロマトグラフィー用試薬組成物を予め含浸させて後、乾燥させる等の手段により担持させる態様とすることができる。例えば、トリス塩酸緩衝液、EDTA、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体の各成分を含有するイムノクロマトグラフィー用試薬組成物の成分を予め担持または保持させておく態様とすることができる。
標識物質保持部(2)には、標識成分によって試薬成分を標識した標識試薬を担持または保持させてなる。標識成分としては、金コロイド粒子、銀コロイド粒子等の金属コロイド粒子、各種のモノマーを(共)重合させて合成した合成高分子を染色して得られる着色ラテックス粒子、酵素、蛍光化合物、その他を用いることができる。試薬成分としては、分析物を認識する能力を有する粒子又は分子であり、好ましくはモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体若しくはそのフラグメントである(第二試薬)。
クロマトグラフィー媒体(3)は、膜担体上に検出部位(4)を作成したものである。膜担体としては、毛細管現象により試料検体を吸収し移動させることができるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ガラス繊維、ポリオレフィン、セルロース、これらの混合繊維からなる人工ポリマーからなる群から選択される。検出部位(4)には、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体若しくはそのフラグメント(第一試薬)が、ニトロセルロースのシート上に担持固定されている。
吸収部(5)は、過剰の試料を迅速に吸収する能力を有する材料、ガラス濾紙等が用いられる。
バッキングシート(6)は、基材である。片面に粘着剤を塗布したり、粘着テープを貼り付けることにより、片面が粘着性を有し、該粘着面上に試料添加部(1)、標識物質保持部(2)、クロマトグラフィー媒体(3)、検出部(4)、および吸収部(5)の一部または全部が密着して設けられている。バッキングシート(6)は、粘着剤によって試料液に対して不透過性、非透湿性となるようなものであれば、基材としては、特に限定されない。
検出部(4)に用いる試薬成分(第一試薬)および標識試薬に用いる試薬成分(第二試薬)は、その一方又は両方がモノクローナル抗体であってもよいし、ポリクローナル抗体であってもよいが、特異性を保った上で製造コストや抗体の安定供給を考慮する場合は少なくとも一方がポリクローナル抗体であることが好ましい。更に、標識試薬に用いる試薬成分(第二試薬)は、測定感度等の点から特異性の高いモノクローナル抗体がより好ましく、検出部(4)に用いる試薬成分(第一試薬)としては、ポリクローナル抗体を用いるのがより好ましい。
モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体若しくはそのフラグメントは、公知であり、入手可能であり、公知の方法により調整することができる。抗体産生動物種としては、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ等々である。免疫グロブリンとしては、IgG、IgM、IgA、IgE、IgDのいずれでも良い。
モノクローナル抗体は、常法に従って、抗原(hCG)で免疫したマウスの脾臓細胞と骨隋腫細胞をハイブリッドさせ、目的とする抗体を産生するハイブリドーマを選択し、このハイブリドーマから産生されてくるモノクローナル抗体を収得する。例えば、ケーラーとミルスタインの技法(Nature 256(1975)495−497)を参照。
ポリクローナル抗体は、常套手法により、抗原(hCG)を産生動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ウマ等)に免疫して得た抗血清中から目的とする抗体を分離することにより得られる。
hCGは、237のアミノ酸からなっている、36.7kDaの糖蛋白質である。hCGは、α−サブユニットとβ−サブユニットを持っている。α−サブユニットは、hCGと類似の蛋白質である黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH),甲状腺刺激ホルモン(TSH)と同一のものであるが、β−サブユニットは、hCGに特有の独自のものである。検出部位(4)に用いる試薬成分(第一試薬)および標識試薬に用いる試薬成分(第二試薬)としては、それぞれα−サブユニットあるいはβ−サブユニットに反応結合部位を持つ抗hCGα抗体あるいは抗hCGβ抗体のどちらも用いることができるが、一方に抗hCGα抗体を用いた場合は他方は抗hCGβ抗体を用いる。標識試薬に用いる試薬成分(第二試薬)としては、β−サブユニットに反応結合部位を持つ抗hCGβ抗体を用いることが反応の効率性の観点からより好ましい。検出部位(4)に用いる試薬成分(第一試薬)としては、α−サブユニットに反応結合部位を持つ抗hCGα抗体を用いることがより好ましい。上記のように黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン,甲状腺刺激ホルモンは、hCGと同一のα−サブユニットを有し抗原としての構造が類似するため、それぞれを抗原としたイムノクロマト検出系においても本発明の検出系を適用した場合に同様の効果が期待できる。
判定の原理を概説すると、
1.試料(例えば、女性の尿)を、サンプルパッド(1)上に、所定量(通常、0.1〜2ml)滴下する。試料が滴下されると、サンプルパッド(1)中に担持または保持もしくは形成されているイムノクロマトグラフィー用試薬組成物は試料の水分に溶解し、試料と共に移動を始める。
2.イムノクロマトグラフィー用試薬組成物を溶解した試料は、まず標識物質保持部(2)へと移動する。ここを試料が通過する際、標識物質保持部(2)に保持されていた標識試薬(第二試薬)が試料の水分に溶解し、試料と共に移動する。
3.ついで、試料の水分に溶解した標識試薬は、クロマトグラフィー媒体(3)上の検出部位(4)を通過する。ここでは、試料中に溶解しているイムノクロマトグラフィー用試薬組成物により非特異的結合反応は抑制され、抗原・抗体の特異的結合反応により、女性が妊娠している場合には、尿中のhCGが、検出部位(4)に保持、即ち、担持固定されている抗体と標識試薬とによってサンドイッチ状に挟まれるように特異的に反応結合して、検出部位(4)が着色する。女性が妊娠していない場合には、尿中にhCGが含まれていないため、試料の水分に溶解した標識試薬は、クロマトグラフィー媒体(3)上の検出部(4)を通過しても特異的結合反応が起こらないので、検出部(4)が着色しない。
4.最後に、試料の水分は、吸収部位(5)へと移動する。
このように、試料、例えば、尿中のhCGの有無を検査することにより、妊娠の有無を正確に判定することができる。
イムノクロマトグラフィー用試薬組成物は、サンプルパッド(1)中に含浸あるいは塗布して後、乾燥させて担持または保持もしくは形成する代わりに、試料とイムノクロマトグラフィー用試薬組成物を予め混合して、展開液としてサンプルパッド(1)上に滴下/供給することにより、上記と同様の検査を行なうこともでき、上記と同様な結果を達成することができる。また、試料が、鼻汁、痰、鼻腔又は咽頭拭い液であり、その検出対象物がインフルエンザウィルスである場合には、上記のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物を試料希釈液として使用し、検出部(4)に用いる試薬成分(第一試薬)および標識試薬に用いる試薬成分(第二試薬)としては、抗インフルエンザウィルスモノクローナル抗体を用いて、採取した試料を上記のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物により約100倍に希釈して、その150μLをサンプルパッド(1)上に滴下/供給して展開することにより、上記と同様の検査を行なうことができ、上記と同様な結果を達成することができる。
以下、本発明の有効性を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.クロマトグラフ媒体上への判定部の作製
25×2.5cmのセルロースからなる膜(ミリポア社製、商品名:HF120)に、抗体塗布機(BioDot社製)を用いて、5重量%のイソプロピルアルコールを含むリン酸緩衝液(pH7.4)で希釈した濃度1.0mg/mlの抗hCGポリクローナル抗体(α−hCGα)を塗布し乾燥させ、クロマトグラフ媒体上へ判定部を作製した。
2.標識試薬溶液の作製
金コロイド懸濁液(田中貴金属工業(株)製:80nm)0.5mlにリン酸緩衝液(pH7.4)を0.1ml加え混和し、リン酸緩衝液で希釈した抗hCGモノクローナル抗体(α−hCGβ)を0.1ml加え、室温で10分間静置した。次いで、リン酸緩衝液で希釈された10重量%のウシ血清アルブミン(BSA)を 0.1ml加え、十分攪拌した後、8000×gで15分間遠心分離を行った。上清を除去した後、リン酸緩衝液を加えた。超音波破砕機を用いてコロイド状の標識試薬をよく分散させた後、8000×gで15分間遠心分離した。上清を除去し、前記リン酸緩衝液を加えて超音波破砕機にてよく分散し、標識試薬溶液とした。
3.クロマトグラフ媒体の作製
上記作製した標識試薬溶液300μLを16×100mmのグラスファイバー製パッド(ミリポア社製)に均一に添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、標識試薬保持部材とした。次いで、バッキングシートから成る基材に、上記にて判定部位を作製したニトロセルロース膜、標識試薬保持部材、試料を添加する部分に用いるグラスファイバー製サンプルパッド、および展開した試料や標識試薬などを吸収するための吸収パッドを貼り合わせた。最後に、裁断機で幅が5mmとなるように裁断し、クロマトグラフ媒体を作製した。
4.測定
上記3.にて作製したクロマトグラフ媒体を用いて、被検物質であるhCGを0 mIU/mLあるいは50 mIU/mLの濃度で含むリン酸緩衝液で希釈した試料150μLを用いてその存在の有無を測定した。
その際、サンプルパッドに上記の希釈された被検物質試料に対してトリス塩酸緩衝液(pH8.0)50mMに、0.15重量%となるようにポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル(日本油脂(株)製:商品名ノニオン(登録商標)MN811、アルキル基の炭素数=14、オキシプロピレンのモル比/オキシエチレンのモル比=1.1)、およびEDTA0.83mMとなるように加えたものを含浸させた後に乾燥したものを作製し、サンプルパッド中への上記化合物の含浸処理による影響を評価した。試料滴下後5分で目視判定を行い、判定部位におけるテストラインの赤い線を確認できるものを「+」、よりはっきりと確認できるものを「++」、赤い線を確認できないものを「−」とした。
結果、サンプルパッド中にトリス塩酸緩衝液、ノニオンMN811およびEDTAが含浸されていない場合は非特異的反応による偽陽性が確認され、含浸処理のパッドを使用した場合には偽陽性が確認されなかった。
サンプルパッド中への含浸処理による影響の測定結果を表1に示す。
5.成分の配合比による影響の評価
サンプルパッド中にトリス塩酸緩衝液、ノニオンMN811およびEDTAが配合されることにより偽陽性が抑制されることから、各成分の配合(希釈検体液に対する)比を検討した。
その際、サンプルパッドに上記の希釈された被検物質試料に対してトリス塩酸緩衝液(pH8.0)33〜50mM、0〜0.3重量%となるようにポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル(日本油脂(株)製:商品名ノニオン(登録商標)MN811、アルキル基の炭素数=14、オキシプロピレンのモル比/オキシエチレンのモル比=1.1)、Tween20(商品名、HLB値16.7)0〜0.10%、およびEDTA0.56〜1.6mMとなるように加えたものを含浸させた後に乾燥したものを作製し、サンプルパッド中への上記化合物の含浸処理による影響を評価した。
試料滴下後5分で目視判定を行い、判定部位におけるテストラインの赤い線を確認できるものを「+」、よりはっきりと確認できるものを「++」、赤い線を確認できないものを「−」とした。
検体として、hCGを0 mIU/mLあるいは50 mIU/mLの濃度に希釈したPBSを用い、試験あたり150μLを滴下した。5分毎に目視にて判定し、判定部位におけるテストラインの赤い線を確認できるものを「+」、赤い線は確認できるが非常に色が薄いものを「±」、赤い線を確認できないものを「−」とした。
各成分の配合濃度と目視判定の結果を表2に示す。
なお、25 mIU/mLの時、5分後に「+」判定できた場合はその後の判定を実施しなかった。
以下に、本発明の試験例を説明するが、これらの試験例に限定されるものではない。
試験例1
希釈検体液150μLに対して、トリス塩酸緩衝液(pH8.0) 33mM、MN811 0.1%、EDTA 0.56mMとなるように加えたものをサンプルパッド中へ含浸させた後に乾燥したものを作製し、その評価を測定した。結果を表2に示す。
試験例2
上記試験例1におけるMN811に代えて、Tween20 0.1%となるようにした以外は同様にしたものをサンプルパッド中へ含浸させた後に乾燥したものを作製し、その評価を測定した。結果を表2に示す。
試験例3
希釈検体液150μLに対して、トリス塩酸緩衝液(pH8.0) 50mM、MN811 0.15%、EDTA 0.83mMとなるように加えたものをサンプルパッド中へ含浸させた後に乾燥したものを作製し、その評価を測定した。結果を表2に示す。
試験例4
希釈検体液150μLに対して、トリス塩酸緩衝液(pH8.0) 33mM、MN811 0.05%、Tween20 0.05%、EDTA 0.56mMとなるように加えたものをサンプルパッド中へ含浸させた後に乾燥したものを作製し、その評価を測定した。結果を表2に示す。
試験例5
希釈検体液150μLに対して、トリス塩酸緩衝液(pH8.0) 33mM、MN811 0.3%、EDTA 1.6mMとなるように加えたものをサンプルパッド中へ含浸させた後に乾燥したものを作製し、その評価を測定した。結果を表2に示す。
試験例6
同様に、トリス塩酸緩衝液(pH8.0) 100mM、MN811 0.3%、EDTA 1.6mMとなるように加えたものについての測定結果を表2に示す。
試験例7
同様に、トリス塩酸緩衝液(pH8.0) 167mM、Tween20 0.10%、MN811 0.20%、EDTA 1.6mMとなるように加えたものについての測定結果を表2に示す。
試験例8
上記試験例7におけるトリス塩酸緩衝液に代えて、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES緩衝液)55mMを使用した場合について、同様に判定を行なった試験結果を表2に示す。5分経過の時点では偽陽性の抑制が確認されたが、55mMのHEPES緩衝液の濃度では、時間の経過と共に偽陽性が確認された。
上記試験例2におけるTween20に代えて、TritonX−100を、Tween20とTritonX−100との混合物をそれぞれ用いてもTween20のみの場合と同様の測定結果が得られた。また、上記試験例8におけるHEPES緩衝液に代えて、リン酸緩衝液(pH7.4)を使用した場合についても、HEPES緩衝液と同様の試験結果が得られた。
6.非特異的反応の出易い尿検体での評価
サンプルパッド中に上記3成分を配合することで、偽陽性反応を抑制できることが明らかとなった。そこで、尿中成分による偽陽性反応を抑制できるかどうか検討した。尿中には多種多様な因子が含まれており、非特異的反応を起こしやすい。偽陽性の抑制効果を検証するため、検体として、hCGを尿中で0 mIU/mL、25 mIU/mLに希釈したものを用い、試験あたり150μLを滴下した。5分毎に目視にて判定し、判定部位におけるテストラインの赤い線を確認できるものを「+」、赤い線は確認できるが非常に色が薄いものを「±」、赤い線を確認できないものを「−」とした。
各成分の配合濃度と目視判定の結果を表3に示す。
なお、25 mIU/mLの時、5分後に「+」判定できた場合はその後の判定を実施しなかった。
試験の結果、サンプルパッドを未処理の場合は偽陽性が確認されたが、トリス塩酸緩衝液、ノニオンMN811およびEDTAを配合した場合は偽陽性が抑制された。また、トリス塩酸緩衝液の濃度が高いほど、偽陽性が長時間抑制されることが認められた。
以上により、サンプルパッド中にトリス塩酸緩衝液、EDTAおよび、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体で片末端にアルキル基を持つ非イオン界面活性剤をあらかじめ含浸させることにより、非特異的反応を抑制することが出来ることが見出された。
別の実施態様として、上記の試験例において、ノニオンMN811に代えて、ノニオンTA−411(日本油脂(株)製:アルキル基の炭素数=11〜18の混合物、オキシプロピレンのモル比/オキシエチレンのモル比=0.15)を使用したこと以外は、同様にして測定を行なった。表1、表2および表3と略同様の目的を達成することが可能である。
別の実施態様として、上記の試験例において、ノニオンMN811に代えて、アデカトールLB−53B(旭電化工業(株)製:アルキル基の炭素数=12、オキシプロピレンのモル比/オキシエチレンのモル比=0.3)を使用したこと以外は、同様にして測定を行なった。表1、表2および表3と略同様の目的を達成することが可能である。
また、別の実施態様として、上記の試験例において、EDTAに代えて、ニトリロ三酢酸(NTA)を使用したこと以外は、同様にして測定を行なった。NTAを用いた場合には、物質に起因して性能に若干の相違があるが、表1、表2および表3と略同様の目的を達成することが可能であることが確認できる。
さらに、別の実施態様として、例えば、下記のような組み合わせで行っても同様の目的を達成することが可能である。

緩衝剤 非イオン界面活性剤 キレート剤
(1)酢酸緩衝液 MN811 NTA
(2)リン酸緩衝液 アデカトールLB−53B EDTA
(3)トリス塩酸緩衝液 ノニオンTA−411 ASDA
本発明の検出キットは、非特異的反応を抑制し、特異的に尿中のhCGを検出できるので、hCGを迅速・簡便に測定することで妊娠検査できるという、産業上の利用可能性を有する。
1 試料添加部(サンプルパッド)
2 標識物質保持部
3 クロマトグラフィー媒体
4 検出部
5 吸収部
6 バッキングシート
特表2007−526443号公報 特開平2−221859号公報 特開平7−229902号公報 特開2000−146967号公 特開平11−153601号公報 特開2007−322310号公報

Claims (8)

  1. 緩衝液、キレート剤、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシロピレン繰り返し単位の割合がモル比で0.1〜1.5の範囲であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤を含むことを特徴とする試料中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)からなる群から選択される検出対象物を検出する為のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物。
  2. キレート剤が、アミノカルボン酸系キレート剤である請求項1に記載のイムノクロマトグラフィー用試薬組成物。
  3. 緩衝液、キレート剤、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシロピレン繰り返し単位の割合がモル比で0.1〜1.5の範囲であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤を含むことを特徴とする試料中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)からなる群から選択される検出対象物を検出する為のイムノクロマトグラフィー用試料希釈組成物。
  4. 試料添加部、標識物質保持部、クロマトグラフィー媒体部、試料中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)からなる群から選択される検出対象物を検出する検出部および吸収部から実質的に順次構成されており、且つ試料添加部の端部と吸収部との間のいずれかの領域部に、緩衝液、キレート剤、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシロピレン繰り返し単位の割合がモル比で0.1〜1.5の範囲であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤を含むイムノクロマトグラフィー用試薬組成物を含む部位が設けられていることを特徴とするイムノクロマトグラフィー装置。
  5. キレート剤が、アミノカルボン酸系キレート剤である請求項4に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
  6. 試料添加部、標識物質保持部、クロマトグラフィー媒体部、試料中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)からなる群から選択される検出対象物を検出する検出部および吸収部から実質的に順次構成されており、且つ試料添加部の端部と吸収部との間のいずれかの領域部に、緩衝液、キレート剤、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシロピレン繰り返し単位の割合がモル比で0.1〜1.5の範囲であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤を含むイムノクロマトグラフィー用試薬組成物を含む部位が設けられているイムノクロマトグラフィー装置からなることを特徴とする検出キット。
  7. 緩衝液、キレート剤、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシロピレン繰り返し単位の割合がモル比で0.1〜1.5の範囲であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤を含むことを特徴とする試料中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)からなる群から選択される検出対象物を検出する為に用いるイムノクロマトグラフィー用展開液。
  8. 緩衝液、キレート剤、および片末端にアルキル基を持つポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン繰り返し単位とポリオキシプロピレンブロックのオキシロピレン繰り返し単位の割合がモル比で0.1〜1.5の範囲であるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体からなる非イオン界面活性剤を含むイムノクロマトグラフィー用展開液を、移動相を構成する展開液として使用して、試料中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)からなる群から選択される検出対象物を検出することを特徴とするイムノクロマトグラフィー法。
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