JP4576635B2 - 折畳み収納式自動車用シート - Google Patents

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本発明は、車内空間を確保するべく、シートクッションとシートバックとを一つに折り畳んで車体フロアに設けた凹部内に収納可能な折畳み収納式自動車用シートに関するものである。
従来、この種の折畳み収納式自動車用シートとしては、シートクッションの底面に取っ手を備えたものが提案されている(特許文献1)。この自動車用シートにおいては、シートクッションとシートバックとが一つに折り畳めるよう構成されている。また、シートクッションが後部側でベースブラケットを介して車体フロアに軸承支持されていることにより、シート全体がベースブラケットを支点として後倒しに旋回できるよう構成されている。
従来の折畳み収納式自動車用シートは、シートバックをシートクッションに対して折り畳んだ状態で、ベースブラケットを支点としてシート全体を後倒しに旋回させることにより車体フロアの凹部内に収納するようにされている。そのシート全体を凹部から取り出す際には、シートクッションの底面に設けられた取っ手に人が手を掛けてシート全体を持ち上げることにより、シート全体を凹部から取り出すことができる。
ところで、このようにシートクッションに取っ手を設ける場合には、シートクッションのクッションフレームに支持バーを幅方向に掛け渡し固定し、その支持バーに取っ手を装着するよう構成することができる。
然しながら、クッションフレームの幅方向に沿って延びた支持バーをクッションフレームに固定した場合には、その部分に対応したクッションパッドの厚みを必然的に薄くせざるを得ず、そのため、シートのクッション性を低下させることとなる。
特開平11−310068号
本発明は、シートクッションとシートバックとを一つに折り畳んで車体フロアに設けた凹部内に収納可能な自動車用シートにおいて、シートのクッション性能に影響を与えることがないように設けられたプルポケット構造体を有する自動車用シートを提供することを課題とする。
発明は、後部側を車体フロアのフロア面に取付け固定されたベースブラケットに軸承支持することにより旋回自在で、底面前側寄りに支持されたシートレッグを車体フロアのフロア面に立設されたストライカにストライカロックを介して着脱自在に係止させることにより車体フロアのフロア面上に据付け固定されるシートクッションと、シートクッションに対して前倒し乃至後倒し自在に支持されたシートバックとを有し、シートバックをシートクッションに対して折り畳んで一つにまとめた状態で、ベースブラケットを支点にしてシート全体を後倒しに反転させて車体フロアの凹部内に収納される自動車用シートにおいて、
シートのクッション性に影響を及ぼさないシートクッションフレームの前側フレーム部に、人が手を挿入してシート全体を持ち上げるのに資するプルポケット構造体を設け、
前記プルポケット構造体は前記前側フレーム部の長手方向での略中央部位に固定された略台形帯状の支持体と略倒L字状の外郭形状を有すると共にその外郭形状に対応した略倒L字状の中空部を有し且つ前記中空部の開口縁にフランジを備えた取っ手部とを有し前記略倒L字状の取っ手部をその水平部が前記前側フレーム部と前記支持体との間に配置され且つ前記フランジ部が前記前側フレーム部にあてがわれた状態で前記支持体に取付け固定してなることを特徴とする。
発明によれば、シートのクッション性に影響を及ぼさないシートクッションフレームの前側フレーム部に、人が手を挿入してシート全体を持ち上げるのに資するプルポケット構造体を設けるもので
前記プルポケット構造体は前記前側フレーム部の長手方向での略中央部位に固定された略台形帯状の支持体と略倒L字状の外郭形状を有すると共にその外郭形状に対応した略倒L字状の中空部を有し且つ前記中空部の開口縁にフランジを備えた取っ手部とを有し前記略倒L字状の取っ手部をその水平部が前記前側フレーム部と前記支持体との間に配置され且つ前記フランジ部が前記前側フレーム部にあてがわれた状態で前記支持体に取付け固定してなるため、プルポケット構造体が設けられた部位が着座者の股間部に相当することにより、シートのクッション性能に影響を与えることがないばかりでなく、着座者の両股部を支えるシートクッション部分の厚みを大きく取ることができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
本発明に係る自動車用シートは、図1に示すようにシートクッション1と、リクライニング機構2を介してシートクッション1の後部側にシートクッション1に対して前倒し乃至後倒し可能に支持されたシートバック3と、シートバック3の上側部に高さ調節自在に支持されたヘッドレスト4とを有している。
シートクッション1は、後部側でベースブラケット5を介して車体フロアFに対して後倒しに反転自在に軸承支持されている。また、シートクッション1の底面前側寄りには、後述する如く、シートクッション1の底面に折り畳むことができるようにシートクッション1のクッションフレームに旋回自在に支持されたシートレッグ6が設けられている。
このシートは、シートクッション1とシートバック3とを一つに折り畳んで車体フロアFに設けた凹部R内に収納されるようになっている。より詳述すると、先ず、ヘッドレスト4をシートバック3の上部面と当接するまで押し下げてから、シートバック3をシートクッション1上に折り畳むと共に、シートレッグ6をシートクッション1の底面に折り畳んだ状態で、ベースブラケット5を支点としてシート全体を後倒しすることにより車体フロアFの凹部R内に収納される。
図2に示したように、シートクッションフレーム10は、互いに離間配置された両側フレーム部11と、その両側フレーム部11の後端部間に掛け渡し配置された後側フレーム部12と、両側フレーム部11の前端部間に掛け渡し配置された前側フレーム部13とにより構成されている。また、両側フレーム部11間には、二本の横桟部14,15が掛け渡し配置されている。
シートレッグ6は、パイプ材を折り曲げて略U字状に形成されている。クッションフレーム10の前側フレーム部13寄りに配置されている横桟部15には、互いに離間配置された一対の軸受けブラケット15a,15bが装着されている。これら軸受けブラケット15a,15bに略U字状に形成されたシートレッグ6の両端部を支軸16a,16bで軸承支持させることにより、シートレッグ6は、シートクッション1の底面に折り畳まれるよう旋回可能に構成されている。
略U字状に形成されたシートレッグ6には、前面プレート17があてがい固定され、その前面プレート17の下端部にはストライカロック18a,18bが備え付けられている。図1に示したように、これらストライカロック18a,18bを車体フロアFのフロア面に立設されたストライカSに着脱自在に係止させることにより、シート全体が車体フロアF上に据え付け固定されるようになっている。
クッションフレーム10の前側フレーム部13には、プルポケット構造体7が設けられている。このプルポケット構造体7は、図3に示したように、クッションフレーム10の前側フレーム部13の上面に両端を溶接等で固定された正面略台形状の帯状支持体70と、その支持体70に対して取付け固定された取っ手部71とにより構成されている。このプルポケット構造体7は、前側フレーム部13の長手方向の略中央部分に設けられている。
取っ手部71は、図4に示したように、略倒L字状の外郭形状に形成された取っ手本体71aを有する。取っ手本体71aは、人が手を挿入することができるように、その外郭形状に対応した略倒L字状の中空部71bを有している。この中空部71bの開口縁には、フランジ部71cが一体的に形成されている。
その取っ手部71は、図3に示したように、略倒L字状本体71aの水平部71a’をクッションフレーム10の前側フレーム部13と帯状支持体70との間に配置すると共に、フランジ部71cをクッションフレームの前側フレーム部13にあてがった状態で、略倒L字状本体71aの水平部71a’をビス19a,19bで帯状支持体70に固定することにより、支持体70を介してクッションフレームの前側フレーム部13に取付けられている。
このように構成する自動車用シートは、図5に示したように、シートバック3をシートクッション3に対して折り畳んで一つにまとめた状態で、車体フロアFの凹部R内に収納できる。使用時には、人が取っ手部71の中空部71b内に手を挿入することにより、凹部Rからシート全体を引き出すようにできる。
その取っ手部71、クッションフレーム10の前側フレーム部13の長さ方向での略中央位置に固定された支持体70と前側フレーム部13との間に配置された状態で、支持体70を介してクッションフレーム10に取付け固定されている。従って、このプルポケット構造体7を備えたクッションフレーム10にクッションパッドを取付ける場合には、プルポケット構造体7に対応するクッションパッドの部分は必然的に厚みを薄くせざるを得ないが、この部分は人が着座した場合にその人の股間部に相当する部分であるから、シートのクッション性能に影響を及ぼすことはない。また、着座者の両股部を支えるシートクッション部分の厚みを大きく取ることができる。
上述したプルポケット構造体はシートクッションの前側部位に設けたが、これと同様にプルポケット構造体をクッション性能に影響を及ぼさないシートバックの適宜部位に設けるようにできる
本発明に係る折畳み収納式自動車用シートの側面図である。 図1に示したシートのクッションフレームの平面図である。 図2に示したクッションフレームに取付けられたプルポケット構造体の正面図である。 図3に示したプルポケット構造体の取っ手部を示した仰角斜視図である。 本発明に係る自動車用シートが車体フロアの凹部内に収納された状態を示した側面図である。
1 シートクッション
2 リクライニング機構
3 シートバック
5 ベースブラケット
6 シートレッグ
7 プルポケット構造体
10 クッションフレーム
13 クッションフレームの前側フレーム部
70 プルポケット構造体の支持体
71 プルポケット構造体の取っ手部
F 車体フロア
R 凹部

Claims (1)

  1. 後部側を車体フロアのフロア面に取付け固定されたベースブラケットに軸承支持することにより旋回自在で、底面前側寄りに支持されたシートレッグを車体フロアのフロア面に立設されたストライカにストライカロックを介して着脱自在に係止させることにより車体フロアのフロア面上に据付け固定されるシートクッションと、シートクッションに対して前倒し乃至後倒し自在に支持されたシートバックとを有し、シートバックをシートクッションに対して折り畳んで一つにまとめた状態で、ベースブラケットを支点にしてシート全体を後倒しに反転させて車体フロアの凹部内に収納される自動車用シートにおいて、
    シートのクッション性に影響を及ぼさないシートクッションフレームの前側フレーム部に、人が手を挿入してシート全体を持ち上げるのに資するプルポケット構造体を設け、
    前記プルポケット構造体は前記前側フレーム部の長手方向での略中央部位に固定された略台形帯状の支持体と略倒L字状の外郭形状を有すると共にその外郭形状に対応した略倒L字状の中空部を有し且つ前記中空部の開口縁にフランジを備えた取っ手部とを有し前記略倒L字状の取っ手部をその水平部が前記前側フレーム部と前記支持体との間に配置され且つ前記フランジ部が前記前側フレーム部にあてがわれた状態で前記支持体に取付け固定してなることを特徴とする折畳み収納式自動車用シート。
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