JP4575746B2 - エアバッグドアおよびその成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エアバッグドアおよびその成形方法に関し、更に詳細には、車両内装部材を構成する基材に設けられ、破断予定部を外部輪郭に沿って延設させたドアパネルに、気泡構造の裏側弾力層を有する表皮を貼着したエアバッグドアと、このエアバッグドアを成形する方法に関するものである。
近年生産される殆どの乗用車には、対向車や障害物との衝突事故の発生時における乗員保護を図る装置の一つとして、運転席用のエアバッグ装置および助手席用のエアバッグ装置が標準的に装備されている。ここで助手席用のエアバッグ装置は、乗員室内の前方に組付けた車両内装部材であるインストルメントパネルの内部に、乗員席から見えないよう格納した状態で搭載されている。このため図6に例示するように、インストルメントパネル10を構成する所要形状の合成樹脂製の基材12には、図示しないエアバッグ装置のインフレータケースに対応する位置に、このエアバッグ装置の作動時に開放するエアバッグドアAD1が設けられている。
このエアバッグドアAD1は、(a)基材12に一体的に形成されて該基材12の一部として構成されるドアパネルから構成されるタイプ(基材一体タイプ)と、(b)基材12と別体に形成されて該基材12に組付けられるドアパネルから構成されるタイプ(基材別体タイプ)とに大別され、図6では前述した(a)の基材一体タイプを例示している。このような基材一体タイプのエアバッグドアAD1は、エアバッグの押圧力を受けた際の破損防止等を図るため、オレフィン系の熱可塑性エラストマ(TPO)等の柔軟性に富んだ樹脂素材からなるドア補強部材16を、例えば振動溶着技術に基づいてドアパネル20の裏側に接合してある。ここで図示のエアバッグドアAD1は、図6および図7に例示するように、基材12に略日字形の破断予定部22を延設することで2枚のドアパネル20,20に分割される両開きタイプであって、エアバッグの押圧力を受けた両ドアパネル20,20は、破断予定部22での破断により基材12から分離すると共に相互に分割した後、ドア補強部材16に支持されながらインストルメントパネル10の前後方向へ開放するようになる。
また前述したインストルメントパネル10は、その構造から分類すると、(a)基材のみから構成されて該基材が露出した単層構造タイプ、(b)基材の外面に表皮を貼り込んだ表皮貼着タイプ、(c)基材と、表皮と、これらの間で発泡成形された発泡体とからなる発泡成形タイプ、等に大別され、図6は前述した(b)の表皮貼着タイプである。このような表皮貼着タイプの表皮14は、TPO等を材質とするシート状の表側意匠層30と、ポリエチレンフォームまたはポリプロピレンフォーム等からなり該表側意匠層30の裏側にラミネートされた裏側弾力層32とからなる2層構造を呈しており、表側意匠層30が意匠面を構成して質感向上を図ると共に、裏側弾力層32が有する弾力性により触感向上を図るようになっている。そして表皮14は、基材12の外面12AからエアバッグドアAD1の各ドアパネル20の外面20Aに亘って貼着されており、インストルメントパネル10の外方から該エアバッグドアAD1は全く視認されないようになっている。
図8は、真空成形型40を利用して前述した表皮貼着タイプのインストルメントパネル10を成形する工程を、単純な形状で概略的に示した工程説明図である。すなわち、基材12に対する表皮14の貼着(貼り込み)は真空成形型40を使用して実施され、先ず型開きした真空成形型40の第1成形型42に、所要形状に予備成形した基材12をセットする(図8(a))。次いで、ホルダ50で保持したシート状の表皮14を、別工程で予め加熱してから第1成形型42の上方へ到来させ、その後に図示しない吸引装置により複数の吸気孔48から空気を吸引する空気吸引状態とした第2成形型44を、表皮14を挟み込みながら第1成形型42へ型閉めする(図8(b))。これにより表皮14は、第2成形型44の成形面44Aに吸着されて所定形状に成形されながら、裏側弾力層32を基材12の外面12AおよびエアバッグドアAD1のドアパネル20の外面20Aに密着した状態でこれら基材12およびエアバッグドアAD1に貼り込まれる(図8(c))。そして、真空成形型40による表皮14の貼込み工程が完了し、脱型した後に該表皮14の不要部分をトリミングすることで、表皮貼着タイプでエアバッグドアAD1を設けたインストルメントパネル10が成形される(図8(d))。このような外面に表皮を貼着した構成のエアバッグドアは、例えば特許文献1に開示されている。
特開2000−185616号公報
ところで、表皮貼着タイプのインストルメントパネル10に設けたエアバッグドアAD1では、図9(a)に略示するように、基材12の外面12Aに貼り込まれた表皮14がドアパネル20の外面20Aに亘って貼着されるようになるが、裏側弾力層32は部分的に多少の差異はあるものの、夫々の外面12A,20Aに対して殆ど圧縮されることなく貼り込まれる(図9(b))。すなわち、破断予定部22となるドアパネル20の外部輪郭に対応した部位にあっても、気泡構造を呈する裏側弾力層32は殆ど圧縮されていないため、その内部には空気が存在した状態となっている。
このため表皮14の貼込みが完了した後に、ドアパネル20の外部輪郭に沿って破断予定部22を延設するに際し、図10に例示するように、レーザー加工技術に基づいて基材12の裏側から裏側弾力層32を貫通するスリット24を形成する場合、該裏側弾力層32および表側意匠層30に焦げや焼けが発生する不都合があった。これは、裏側弾力層32の内部に空気(酸素)が残存しているためと推測される。このため、場合によっては表側意匠層30の外面にまで焦げが広がることもあり、インストルメントパネル10の品質低下および製品不良を招来することとなっていた。
従って、表皮貼着タイプのインストルメントパネル10に設けたエアバッグドアAD1では、ドアパネル20の外部輪郭に沿ってレーザー加工技術によりスリット24を形成する場合、実際には図11に例示するように基材12だけに該スリット24を形成していた。すなわち、表皮14にはスリット24による切り込みが全く形成されていないため、各ドアパネル20の開放時に該表皮14の破断が起こり難くなっており、破断にエアバッグの膨張エネルギーが多く消費される不都合があった。
そこで本発明では、裏側弾力層を有する表皮を貼着した車両内装部材に設けた場合でも、表皮に対してレーザー加工技術に基づいたスリット加工を可能としたエアバッグドアと、このエアバッグドアを成形する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、
連通気泡構造の裏側弾力層を有する表皮を、基材の表側に貼着して構成された車両内装部材に、ドアパネルおよび該ドアパネルの外部輪郭に沿う破断予定部をレーザー加工により設けたエアバッグドアにおいて、
前記裏側弾力層における前記ドアパネルの外部輪郭に対応する部位に、連通泡を押し潰して該連通気泡内の空気を排除した状態で形成した裏側圧縮部を備え、
前記破断予定部が、前記基材の裏側から、前記裏側圧縮部を貫通または該裏側圧縮部内に到達するスリットにより形成されたことを特徴とする。
同じく前記課題を解決し、所期の目的を達成するため別の発明は、
連通気泡構造の裏側弾力層を有する表皮を、基材の表側に貼着して構成された車両内装部材に、ドアパネルおよび該ドアパネルの外部輪郭に沿う破断予定部を設けるエアバッグドアの成形方法であって、
前記基材における前記ドアパネルの外部輪郭部分に、基材の表側の外面から突出した所要幅の基材押圧部を設け、
前記基材および表皮をセットした成形型を型閉めして、前記裏側弾力層を前記外面へ密着させながら表皮を基材へ貼着すると共に、前記基材押圧部を該裏側弾力層へ突入させ、前記裏側弾力層における前記基材押圧部との圧接部位に、連通泡が押し潰されて該連通気泡内の空気が排除された裏側圧縮部を形し、
レーザー加工により、前記基材押圧部の裏側から、前記裏側圧縮部を貫通または該裏側圧縮部内に到達するスリットを形成して前記破断予定部を設けることを特徴とする。
本発明に係るエアバッグドアによれば、ドアパネルの外部輪郭に沿って延設される破断予定部を、基材の裏側から裏側弾力層における空気が排除された裏側圧縮部を貫通または該裏側圧縮部内に到達する深さのスリットにより形成してあるため、エアバッグの作動によりドアパネルが開放するに際して該表皮の破断が円滑かつ確実に発現される利点がある。従って、表皮の破断に消費されるエアバッグの膨張エネルギーを最小限に抑えることができると共に、ドアパネルの円滑な開放を実現し得る等の有益な効果を奏する。また、裏側圧縮部に空気が存在しないから、レーザーの照射により裏側弾力層に焦げや焼けが発生し難くなっており、レーザー加工によりスリットを形成することを可能とする。
また、別の発明に係るエアバッグドアの成形方法によれば、基材の外面からドアパネルの外面に亘って表皮を貼着するに際し、ドアパネルの外部輪郭に一致する破断予定部の延設ラインに沿って裏側弾力層を圧縮して、空気が排除された裏側圧縮部を該ドアパネルの外部輪郭に形成するようにしたため、裏側弾力層に焦げや焼けを発生させることなく、破断予定部を設けるためのスリットの形成をレーザー加工技術に基づいて行ない得る。そして、エアバッグドアの開放に際して表皮の破断を確実に発現させることができ、該表皮の破断に消費されるエアバッグの膨張エネルギーを最小限に抑えることができる等の有益な効果を奏する。
次に、本発明に係るエアバッグドアおよびその成形方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
図1は、好適実施例に係るエアバッグドアの構造を示したインストルメントパネルの側断面図であり、図2は、基材および表皮を剥離させた状態で示した部分斜視図である。本実施例のエアバッグドアADは、車両内装部材であるインストルメントパネル10を構成する基材12に設けられ、破断予定部22を外部輪郭に沿って延設させたドアパネル20に、気泡構造の裏側弾力層32を有する表皮を貼着して構成されるものが前提とされる。すなわち、基材12の外面12Aに貼着される複層(2層)構造の表皮14を、基材12の一部をなすエアバッグドアADのドアパネル20の外面20Aに貼着した構成となっている。
なお本願が対象とするエアバッグドアは、1枚のドアパネルからなる片開きタイプ、2枚のドアパネルからなる両開きタイプ、4枚のドアパネルからなる四方開きタイプ等、種々タイプが対象とされる。そこで後述する実施例では、2枚のドアパネル20,20からなる両開きタイプのエアバッグドアADを設けた場合につき説明する。従って、図6〜図11を引用して説明した従来技術の項における既出の部材・部位と同一の部材・部位については、同一の符号を付して説明する。
基材12は、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等に適宜強化剤を添加したオレフィン系樹脂素材を、例えば図示しないインジェクション成形型を利用したインジェクション成形技術に基づいて形成した大型の合成樹脂成形部材である。そして助手席側において、図示しないエアバッグ装置のインフレータケースに対応する位置に、2枚のドアパネル20,20からなるエアバッグドアADが、基材12に一体的に形成されている。すなわちエアバッグドアADは、基材12の成形時に同時に成形されたものであり、開放前においては該基材12の一部分を構成している。
表皮14は、基本的には図7等に例示した従来の表皮14と同一のものであって、TPO等を材質とするシート状の表側意匠層30と、ポリエチレンフォームまたはポリプロピレンフォーム等からなり該表側意匠層30の裏側にラミネートされた裏側弾力層32とからなる2層構造を呈している。表側意匠層30は、厚みH1が0.5〜1mm程度とされて柔軟性や耐候性に優れており、その外面には適宜のシボ模様等が付与されていてインストルメントパネル10の質感向上を図るようになっている。また裏側弾力層32は、通常状態での厚みH2が2〜3mm程度とされた発泡倍率15〜25程度の連通気泡(連泡)構造を呈しており、外力が加わると内部に存在する空気が押し出されて排除されるため、気泡構造が押し潰されて圧縮的に変形するようになっている。なお、気泡構造が完全に押し潰された圧縮状態での厚みH3は0.5mm程度となる。
そして、前述した2層構造の表皮14をり込むことを前提とした本実施例のエアバッグドアADでは、図1および図2に例示したように、該エアバッグドアADを構成する両ドアパネル20,20の外部輪郭部分に、基材12の外面12Aから所要の突出高さSでかつ所要の突出幅Wに突出した基材押圧部54を設けてある。これにより、基材12に貼り込んだ当該表皮14の裏側弾力層32に、気泡構造が押し潰されて空気が排除された裏側圧縮部56を、ドアパネル20,20の外部輪郭(破断予定部22の延設ライン)に沿って所要幅で形成した構成としたことを特徴としている。
基材12の外面に突設した基材押圧部54は、該基材12の成形時に一体的に形成されたもので、実施例の両開きタイプでは平面視で略日字形を呈しており、その突出高さSは、図4(a)に例示するように、裏側弾力層32の厚みH2より若干小さく設定されている。換言すると、基材押圧部54の突出高さSは、基材12の外面12Aからドアパネル20,20に亘って表皮14が貼着された際に、この基材押圧部54が突入した部位では裏側弾力層32が完全に圧縮されて空気を完全に排除させ得る高さに設定されている。ここで裏側弾力層32が、通常状態での厚みH2=2.5mm、圧縮状態での厚みH3が0.5mmである場合には、H2−H3=2.0mmとなるため、基材押圧部54の突出高さSを2.0mmと設定すれば、該基材押圧部54の突入により形成された裏側圧縮部56は、最大限に圧縮されて空気が完全に排除された状態となる。なお、基材押圧部54の突出幅Wは、5〜10mm程度とするのが望ましい。
従って本実施例のエアバッグドアADでは、図4(b)に例示するように、基材12に貼着された表皮14の裏側弾力層32が、各ドアパネル20,20の外部輪郭以外の部分では通常状態の厚みH2と同程度の厚みを有しており、前述した基材押圧部54に対応した(各ドアパネル20,20の外部輪郭に対応した)裏側圧縮部56では圧縮状態の厚みH3となっている。但し、インストルメントパネル10の外面に露出した表側意匠層30は、図6に例示した従来と同一となっているため、該インストルメントパネル10の外観的な形状および形態は何等変化していない。
このように構成された本実施例のエアバッグドアADでは、各ドアパネル20,20の外部輪郭に沿って延設される破断予定部22を、基材押圧部54の裏側から裏側弾力層32の裏側圧縮部56を貫通または該裏側圧縮部56内に到達する深さのスリット24により形成されている。このため、エアバッグの作動によりドアパネル20,20が開放するに際して該表皮14の破断が円滑かつ確実に発現されるようになる。従って、表皮14の破断に消費されるエアバッグの膨張エネルギーを最小限に抑えることができると共に、ドアパネル20の円滑な開放を実現し得る。しかも、表皮14に対するスリット24の形成には、従来から実施されているレーザー加工技術を好適に実施することが可能である。なお、本願が規定する「スリット」は、溝形態のものや穴形態のものを全て包含する。
次に、前述した本実施例のエアバッグドアの成形方法につき説明する。本実施例のエアバッグドアADは、図3に概略的な形状で例示した真空成形型40を利用して成形される。
先ず、基材12に設けられるエアバッグドアADの各ドアパネル20,20の外部輪郭部分に、該基材12の外面12Aから突出高さSに突出した突出幅Wの基材押圧部54を設ける。この基材押圧部54は、図示しないインジェクション成形型の成形面形状を変更することにより、基材12をインジェクション成形するに際して該基材12に一体的に突設される。
このように基材押圧部54を一体的に設けた所要形状の基材12を、型開きした真空成形型40の第1成形型42にセットする(図3(a))。次いで、ホルダ50で保持したシート状の表皮14を、別工程で予め加熱してから第1成形型42の上方へ到来させ、その後に図示しない吸引装置により複数の吸気孔48から空気を吸引する空気吸引状態とした第2成形型44を、表皮14を挟み込みながら第1成形型42へ型閉めする(図3(b)、図4(a))。これにより表皮14を、第2成形型44の成形面44Aに吸着させて所定形状に成形しながら、裏側弾力層32を基材12の外面12AおよびエアバッグドアADのドアパネル20の外面20Aに密着させた状態で該基材12およびエアバッグドアADに貼り込む(図3(c)、図4(b))。
この際に、基材12の外面12Aから突出した基材押圧部54が、これに対応した裏側弾力層32の部位へ突入するようになる。従って、裏側弾力層32における基材押圧部54との圧接部位だけに、気泡構造が押し潰されて空気が排除された裏側圧縮部56を、破断予定部22の延設ライン(ドアパネル20,20の外部輪郭部分)に沿って形成することができる。
そして、真空成形型40による表皮14の貼込み工程が完了し、脱型した後に該表皮14の不要部分をトリミングすることで、表皮貼着タイプでエアバッグドアADを設けたインストルメントパネル10が成形される(図3(d))。
次いで、図5に例示したように、図示しないレーザー照射装置によるレーザー加工技術に基づき、基材押圧部54の裏側から裏側圧縮部56を貫通または該裏側圧縮部56内に到達するスリット24を、各ドアパネル20,20の外部輪郭に沿って形成すれば、該ドアパネル20,20の外部輪郭に沿った破断予定部22が設けられる。この際に、スリット24が形成される部位では、空気が完全に排除された裏側圧縮部56が対応的に位置しているため、裏側弾力層32は勿論、表側意匠層30に焦げや焼け等が発生することが好適に防止される。
このように、本実施例のエアバッグドアの成形方法では、基材12の外面12Aからドアパネル20の外面20Aに亘って表皮14を貼り込むに際し、両ドアパネル20,20の外部輪郭に一致する破断予定部22の延設ラインに沿って裏側弾力層32に対して裏側圧縮部56を形成するようにしたため、該破断予定部22を設けるための該表皮14に対するスリット加工をレーザー加工技術に基づいて行なうことを可能とする。これにより、エアバッグドアADの開放に際して表皮14の破断を確実に発現させることができ、該表皮14の破断に消費されるエアバッグの膨張エネルギーを最小限に抑えることができる。
なお前述した実施例では、基材押圧部54を、基材12の外面12Aから所要量に突出した形態のものを例示したが、この基材押圧部54は突出形態のものに限定されず、例えば外面12Aと同一平面形態または逆に凹溝形態のものでもよい。すなわちこの場合には、基材12へ表皮14を貼り込むに際し、少なくともドアパネル20の外部輪郭に沿う部位に対応した表皮14の部分を、第2成形型44の型面で表側意匠層30の外側から押圧するようにすれば、裏側弾力層32に裏側圧縮部56を形成することが可能とある。但しこの場合、表皮14の外面には、破断予定部22に沿った凹溝またはドアパネル20の形状と略同一の凹部が形成されることとなる。
なお、前述した基材押圧部54は、基材12に一体的に形成したものだけでなく、該基材12とは別体に枠体状に形成した後に、ドアパネル20の外部輪郭に沿って取付けるように構成したものでもよい。
また、本発明に係るエアバッグドアは、前述した2枚のドアパネルから構成される両開きタイプのものだけでなく、4枚のドアパネルからなる四方開きタイプや、1枚のドアパネルからなる片開きタイプにも好適に実施可能である。
更に本発明に係るエアバッグドアは、インストルメントパネル10に設けたものに限定されるものではなく、これ以外にフロントドアの内装パネル等に設けたサイドエアバッグ装置に付帯されるエアバッグドアや、ピラーガーニッシュおよびルーフサイドパネル(ルーフパネル)等に設けたカーテンエアバッグ装置に付帯されるエアバッグドア等も対象とされる。
本発明に係るエアバッグドアおよびその成形方法は、車両内装部材を構成する基材に設けられ、破断予定部を外部輪郭に沿って延設させたドアパネルに、気泡構造の裏側弾力層を有する表皮を貼り込んだものが対象とされ、エアバッグ装置を搭載した種々自動車等に好適に実施可能である。
好適実施例に係るエアバッグドアの構造を示したインストルメントパネルの側断面図である。 基材および表皮を剥離させた状態で示した部分斜視図である。 本実施例のエアバッグドアを設けたインストルメントパネルの表皮貼込工程を概略的な形状で示した工程説明図であって、(a)は、真空成形型の第1成形型に基材をセットする状態を示し、(b)は、シート状の表皮を挟んで第2成形型を第1成形型へ型閉めする状態を示し、(c)は、真空成形型の型閉めにより表皮を成形すると同時に基材へ貼り込んだ状態を示し、(d)は、表皮の不要部分をトリミングすることでインストルメントパネルの成形が完了した状態を示している。 真空成形型により表皮を基材に貼り込む状態を示した説明断面図であって、(a)は、表皮が貼り込まれる直前の状態を示し、(b)は、表皮の貼り込まれて裏側弾力層に裏側圧縮部が形成された状態を示している。 レーザー加工技術に基づき、表皮の裏側弾力層まで貫通するスリットを、ドアパネルの外部輪郭に沿って形成することで破断予定部を設けた状態を示した説明断面図である。 従来のエアバッグドアの構造を示したインストルメントパネルの側断面図である。 基材および表皮を剥離させた状態で示した部分斜視図である。 従来のエアバッグドアを設けたインストルメントパネルの表皮貼込工程を概略的な形状で示した工程説明図であって、(a)は、真空成形型の第1成形型に基材をセットする状態を示し、(b)は、シート状の表皮を挟んで第2成形型を第1成形型へ型閉めする状態を示し、(c)は、真空成形型の型閉めにより表皮を成形すると同時に基材へ貼り込んだ状態を示し、(d)は、表皮の不要部分をトリミングすることでインストルメントパネルの成形が完了した状態を示している。 真空成形型により表皮を基材に貼り込む状態を示した説明断面図であって、(a)は、表皮が貼り込まれる直前の状態を示し、(b)は、表皮の貼り込まれた状態を示している。 レーザー加工技術に基づき、表皮の裏側弾力層まで貫通するスリットを、ドアパネルの外部輪郭に沿って形成した場合、該表皮に焦げや焼けが発生する不都合を示した説明断面図である。 表皮に発生する不都合を回避するため、基材のみにスリットを形成して破断予定部を設けたことを示した説明断面図である。
符号の説明
12 基材
12A 外面
14 表皮
20 ドアパネル
22 破断予定部
24 スリット
32 裏側弾力層
40 真空成形型(成形型)
54 基材押圧部
56 裏側圧縮部
H2 厚み(裏側弾力層32の)
S 突出高さ(基材突出部54の)

Claims (5)

  1. 連通気泡構造の裏側弾力層(32)を有する表皮(14)を、基材(12)の表側に貼着して構成された車両内装部材に、ドアパネル(20)および該ドアパネル(20)の外部輪郭に沿う破断予定部(22)をレーザー加工により設けたエアバッグドアにおいて、
    前記裏側弾力層(32)における前記ドアパネル(20)の外部輪郭に対応する部位に、連通泡を押し潰して該連通気泡内の空気を排除した状態で形成した裏側圧縮部(56)を備え、
    前記破断予定部(22)が、前記基材(12)の裏側から、前記裏側圧縮部(56)を貫通または該裏側圧縮部(56)内に到達するスリット(24)により形成された
    ことを特徴とするエアバッグドア。
  2. 前記基材(12)は、前記ドアパネル(20)の外部輪郭部分に、基材(12)の表側の外面(12A)から突出した所要幅の基材押圧部(54)を備え
    前記基材(12)に貼着した表皮(14)の裏側弾力層(32)に、前記基材押圧部(54)との圧接により前記裏側圧縮部(56)を形成した請求項1記載のエアバッグドア。
  3. 前記基材押圧部(54)の突出高さ(S)は、前記裏側弾力層(32)の厚み(H2)より小さく、該基材押圧部(54)で押し潰された該裏側弾力層(32)の連通気泡内の空気を排除させ得る寸法に設定されている請求項2記載のエアバッグドア。
  4. 前記裏側弾力層(32)は、ポリエチレンフォームまたはポリプロピレンフォームから形成されている請求項1〜の何れか一項に記載のエアバッグドア。
  5. 連通気泡構造の裏側弾力層(32)を有する表皮(14)を、基材(12)の表側に貼着して構成された車両内装部材に、ドアパネル(20)および該ドアパネル(20)の外部輪郭に沿う破断予定部(22)を設けるエアバッグドアの成形方法であって、
    前記基材(12)における前記ドアパネル(20)の外部輪郭部分に、基材(12)の表側の外面(12A)から突出した所要幅の基材押圧部(54)を設け、
    前記基材(12)および表皮(14)をセットした成形型(40)を型閉めして、前記裏側弾力層(32)を前記外面(12A)へ密着させながら表皮(14)を基材(12)へ貼着すると共に、前記基材押圧部(54)を該裏側弾力層(32)へ突入させ、前記裏側弾力層(32)における前記基材押圧部(54)との圧接部位に、連通泡が押し潰されて該連通気泡内の空気が排除された裏側圧縮部(56)を形し、
    レーザー加工により、前記基材押圧部(54)の裏側から、前記裏側圧縮部(56)を貫通または該裏側圧縮部(56)内に到達するスリット(24)を形成して前記破断予定部(22)を設ける
    ことを特徴とするエアバッグドアの成形方法。
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