JP4575638B2 - ウエットティッシュ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は対人、対物用のウエットティッシュに関する。更に詳しくは、人体に対する安全性が高く、防カビ効果の高いウエットティッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にウエットティッシュは、水を主成分とする水溶液を不織布等の布帛に含浸させた状態で使用される。このようなウエットティッシュで人体や日用雑貨類を拭き取ることにより、ゴミや汚れを効率的に除去することができるため、衛生・快適性を向上させる商品として広く利用されている。
ウエットティッシュは、その製造工程や使用時において、落下菌等、空気中に存在する細菌類やカビ等の真菌類が混入し、これらが保管中に基材である不織布上で繁殖することがある。この状態で清拭操作を行うと拭き取り面をかえって汚染してしまうという問題点があった。このため、以前からウエットティッシュにはパラベン等が添加され、基材上で細菌類やカビ等の真菌類の繁殖を防止していた。しかしながら、パラベンは、細菌類やカビ等の真菌類の繁殖抑制効果が高いものの、消費者の安全意識が高まるにつれて、より安全性が高く、繁殖抑制効果が高い薬剤が求められていた。
【0003】
パラベンを使用せずに細菌類やカビ等の真菌類の繁殖を抑制するには、通常のウエットティッシュに除菌剤、殺菌剤及び速乾剤として使用されるアルコールの濃度を高くすることが考えられる。しかし、アルコール濃度が50重量%を越えると、皮膚が弱い人が使用した場合、皮脂を必要以上に除去し、手荒れを起こすことが懸念される。
パラベンや高濃度アルコール以外に抗菌性能を有する剤として、ポリリジン及びその塩が公知である。特開平8−175901号公報には、ε−ポリリジンが吸着された抗菌素材が、特開平11−76376号公報には、ε−ポリリジン又はその塩、及び有機酸を付着させた抗菌素材がそれぞれ提案されている。しかし、ε−ポリリジン単独又はε−ポリリジン又はその塩と有機酸抗菌素材の組み合わせは、細菌類に対する繁殖抑制効果(以下、抗菌効果、という)を有するが、カビ等の真菌類に対する繁殖抑制効果(以下、防カビ効果、という)は高くないため、真菌類の繁殖を抑制できないという問題があった。
【0004】
パラベンや高濃度アルコールを用いず、抗菌、防カビ効果を付与したウエットティッシュの例として、特開平11−113780号公報には、アルコールの使用量を抑制し、ε−ポリリジンまたはその塩、及びグリセリン脂肪酸エステルを含浸させ、皮膚等の肌荒れを起こしにくく、経口しても安全性の高い除菌ウエットティッシュが開示されている。特開平11−113779号公報には、アルコールを使用せず、ε−ポリリジン又はその塩、及びグリセリン脂肪酸エステルを含浸させた除菌ウエットティッシュが開示されている。これらのウエットティッシュは、抗菌、防カビ効果を有し、安全性は高いものの、グリセリン脂肪酸エステルを含有するため、ウエットティッシュ使用時に泡が発生したり、清拭した部分に不揮発性のこれらの物質が残留して、清拭後乾燥すると拭き残りが発生したりする等、実用上の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、人体に対して肌荒れが少なく、経口しても安全性が高く、保存中の抗菌性能及び防カビ効果に優れ、清拭後乾燥しても拭き残りが発生しにくいウエットティッシュを提供することを目的とする。
【0006】
【発明を解決するための手段】
本発明は、0.01〜1.00重量%のε−ポリリジン又はその塩、及び0.01〜1.00重量%のソルビン酸のアルカリ金属塩を含み、グリセリン、プロプレングリコール、ポリエチレングリコールから選ばれる保湿剤を重量%以下、エタノールを15重量%以下含む薬液が不織布に付与されてなるウエットティッシュであって、該ウエットティッシュの拭き取り面となる不織布表面のうち、面積率20%以上が単糸径0.2〜5.0μmの繊維であり、該拭き取り面が、割繊、フィブリル化した超極細繊維を含む素材で構成されていることを特徴とするウエットティッシュである。
本発明のウエットティッシュは、不織布にε−ポリリジン又はその塩、及びソルビン酸のアルカリ金属塩を含有する薬液(以下、薬液、という)が付与されている点が特徴である。
【0007】
ε−ポリリジン又はその塩、及びソルビン酸のアルカリ金属塩は、それぞれの化合物自体で防カビ効果を有するためには、非常に多くの使用量を必要とし、経済的に不都合が生じるばかりでなく、使用量が増えると肌の弱い人が使用した場合、手荒れを起こすことが懸念されたり、基材によっては変色することがある。また、それぞれの化合物は不揮発性のため、清拭時に拭き跡が残ることがある。本発明においては、不織布に、ε−ポリリジン又はその塩、及びソルビン酸のアルカリ金属塩の特定濃度の薬液が付与されているために、それぞれを単独で使用した場合には防カビ効果が発現しない低濃度の添加量においても、優れた防カビ効果が発現する。また、それぞれが低濃度であるために泡の発生を抑えることができ、清拭時の拭き残りが発生しにくい効果を有する。
【0008】
本発明で用いられるε−ポリリジンは、例えば、特公昭59−20359号公報に記載のε−ポリリジン生産菌である、ストレプトマイセス属に属するストレプトマイセス・アルプラス・サブスピーシーズ・リジノポリメラスを培地に培養し、得られた培養物からε−ポリリジンを分離、採取することによって得られる。ε−ポリリジンは、厚生省の既存添加物名簿にも記載されている物質であり、食品保存料等に使用されている。
【0009】
本発明において、ε−ポリリジンを遊離の形で用いることができるが、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、又は酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸、アジピン酸、グルコン酸等の有機酸の塩の形で用いることもできる。用途、使用目的に応じて、カプロン酸、ラウリン酸、ステアリン酸等の中鎖及び長鎖の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸等の中鎖及び長鎖の不飽和脂肪酸の塩として用いることもできる。ε−ポリリジンは、遊離の形であれ、前述の無機酸又は有機酸との塩の形であれ、その抗菌効果に本質的な差はない。
【0010】
本発明で用いられるソルビン酸塩は、化学式(1)で表されるソルビン酸のアルカリ金属塩である。
CH3CH=CHCH=CHCOOR (Rは、Na、K等) (1)
ソルビン酸塩の中でも、ソルビン酸カリウムが食品添加物として認定されており、また長期間に亘り、さまざまな食品の保存に使用され、人体に対する安全性も確認されており、更に防カビ効果が単独で用いても比較的高いので好ましい。
【0011】
本発明においてε−ポリリジン又はその塩、及びソルビン酸塩は、溶媒中に溶解または分散させた薬液として不織布に付与されている。水が溶媒、すなわち、水溶液であれば、均一に付与でき経済的にも優位であるため好ましい。
不織布に付与されているε−ポリリジン又はその塩の薬液中における濃度は0.01〜3.00重量%、好ましくは0.01〜1.00重量%、より好ましくは0.01〜0.50重量%である。ε−ポリリジン又はその塩が0.01重量%未満では、防カビ効果が少なく、3.00重量%を越えると、防カビ効果は、濃度が増加してもほとんど変わらず、肌の弱い人が使用すると肌荒れを起こすことが懸念され、また、基材が黄変したり、拭き残りが発生する。
【0012】
不織布に付与されているソルビン酸のアルカリ金属塩の薬液中における濃度は、0.01〜3.00重量%、好ましくは0.01〜1.00重量%、より好ましくは0.01〜0.50重量%である。ソルビン酸のアルカリ金属塩が0.01重量%未満では、防カビ効果が減少し、3.00重量%を越えると、防カビ効果は、濃度が増加してもほとんど変わらず、肌の弱い人が使用すると肌荒れを起こすことが懸念され、また、基材が黄変したり、拭き残りが発生する。
本発明においてε−ポリリジン又はその塩と、ソルビン酸塩の防カビ効果を更に向上するために、薬液のpHを4〜6に調整することが好ましい。pHを調整するためには、有機酸と有機酸塩からなる緩衝液を用いればよく、食品添加物として認定されており、長期間に渡りさまざまな食品に使用され安全性が高いクエン酸とクエン酸塩、例えば、クエン酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
【0013】
本発明のウエットティッシュには、その他の添加剤として、通常のウエットティッシュに用いられる添加剤、例えば、殺菌剤や乾燥速度の向上剤としてのエタノールやイソプロピルアルコール等、保湿剤としてのグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等、また香料や抗菌剤、除菌剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、界面活性剤を用途に応じて適量添加されていてもよい。
【0014】
アルコールを添加する場合は、安全性の面から毒性の少ないエタノールが好ましい。添加量は、長期間使用時における皮膚の肌荒れの観点から水溶液の50重量%以下が好ましく、より好ましくは30重量%以下、最も好ましくは15重量%以下である。
保湿剤としてのグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の添加量は、薬液の10重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下である。10重量%を越えると清拭後の清拭面に泡やべたつき、拭き残りが発生することがある。
抗菌剤や除菌剤としては、竹抽出物、ヒノキチオ−ル、プロタミン、茶抽出物、リゾチ−ム、キトサン等を所望に応じて添加してもよい。ただし、ポリリジンのように、人体に対して安全性が確認されたものであることが好ましい。
その他の添加物も、人体に対して安全性が確認されたものであることが望ましい。
【0015】
本発明のウエットティッシュに用いる不織布に付与される薬液量は、不織布重量に対して100〜400重量%が好ましく、より好ましくは150〜300重量%である。付与される薬液量が100重量%未満であると保存中に薬液が蒸発し、ウエット状態を保つことができなかったり、清拭時の拭き取り効果が低下することがある。付与される薬液量が400重量%を越えると、清拭時に薬液が垂れて床等を汚したり、拭き取り面に多量の薬液が残留し拭き跡が残ることがある。
【0016】
本発明のウエットティッシュを構成する不織布の素材は限定されない。例えば、コットン、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン等のセルロース系の繊維素材、アクリル、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等の合成繊維系の素材等が用途に応じて用いられる。また、これらの素材が混合されていてもよい。例えば、セルロース系の繊維を含む素材で構成された不織布をウエットティッシュの基材として用いると、吸水性が向上するので好ましい。コットンのような短繊維で構成された不織布を用いると、吸水性が良好であるばかりでなく、柔軟性に優れるので肌触りが良好となり好ましい。セルロース長繊維で構成された不織布を用いると、拭き取り時に不織布からの繊維の脱落を抑制し、清拭面を汚染することが少ないので好ましい。
【0017】
本発明における不織布を構成する繊維の繊度は限定されない。拭き取り面が極細繊維を含む素材で不織布を構成すれば、ウエットティッシュの基材として表面積が増加し、拭き取り性が向上するので好ましい。アクリル系の割繊、フィブリル化した超極細繊維を用いれば、拭き取り性も向上し、親水性も向上するのでより好ましい。繊維の単糸径が小さい方が、より表面積が増加して拭き取り性が向上する。
【0018】
本発明では、ウエットティッシュの拭き取り面となる不織布表面のうち、面積率20%以上が単糸径0.2〜5.0μmの繊維である。単糸径が5μm以下であればゴミ等の拭き取り効果に優れ、0.2μm以上であれば摩擦による単繊維の切断を抑えることができる。より好ましくは面積率40%以上が単糸径0.3〜4.0μmの繊維であり、最も好ましくは面積率60%以上が単糸径0.35〜3.5μmの繊維である。ここでいう単糸径とは、単繊維の断面が円状の場合の直径をいい、断面が楕円状の場合は長径を、扁平の場合は最大幅がこれに相当する。面積率は数式(1)で与えられる。
面積率(%)=(単糸径が所定範囲である繊維が拭き取り面に占める面積)×100/(拭き取り面に占める全繊維の面積) (1)
【0019】
素材の混合の状態も限定されず、繊維同士が混合されていてもよいし、層状に複合されていてもよい。素材の混合方法や複合方法についても限定されず、繊維を混合して抄紙法で不織布にしてもよく、不織布同士を高圧水流やエンボス等によって複合してもよく、不織布上に素材を分散させて複合するいわゆるエアレイド法で複合してもよい。
【0020】
不織布の製造方法も限定されない。例えば、湿式法、抄紙法、乾式法で作られた不織布でもよく、これらが複合された不織布でもよい。
本発明に用いる不織布の表面状態も限定されない。例えば、不織布に貫通孔があってもよいし、不織布表面に円形、楕円形、長方形等の凹部があってもよいし、不織布表面に縦筋や横筋があってもよい。ここでいう凹部とは、貫通はしていないが、へこんだ部分のことをいう。不織布表面に貫通孔、凹部、筋等が存在すると、清拭時に汚れの掻き取り効果が向上するので好ましい。
【0021】
本発明のウエットティッシュに用いる不織布の目付は15〜200g/m2が好ましい。不織布の目付が15g/m2未満では、清拭中に不織布が破れることがある。また、目付が200g/m2を越えると、不織布が地厚となりすぎて拭き取り面へ沿いにくくなり、拭き取り性が低下することがある。
不織布の厚みは、耐久性および取り扱い性の面から、0.98N/cm2の荷重下で測定した時に0.1〜2.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.0mm、最も好ましくは0.3〜0.7mmである。
【0022】
ウエットティッシュの形態は、通常、内部が密封可能に形成された容器に収納されて、容器からウエットティッシュ用の基材を1枚ずつ引き出し可能な包装体の形態であり、限定されない。例えば、ロール状に巻かれたウエットティッシュ用基材を収納した筒状のプラスチック容器や1枚ずつ折り重ねた状態で収納したピロー包装体や紙容器でもよく、これらが複合された形態でもよい。
【0023】
ウエットティッシュの製造方法は限定されない。例えば、ロール状に巻かれたウエットティッシュ用の基材を、一方向のみ開封している筒状のプラスチック容器に収納し薬液を一定量含浸させ、プラスチックシート等で上部にヒートシールを行い、口を有する蓋を嵌め込む方法でもよい、1枚づつ折り重ねた不織布をプラスチックシート等で1方向のみ開封している製袋された容器に収納し、薬液を一定量含浸させた後、開いていた口をヒートシールする方法や、1枚づつ折り重ねた状態で薬液を一定量含浸させ、濡らした状態でプラスチックシート等を製袋を行いながら収納する方法、不織布ロールからシート状に引き出しながら薬液を一定量含浸させた後に、カットし1枚づつ折り重ねたり、ロール状にリワインドしたりし容器に収納する方法でもよく、これらが複合された製造方法でもよい。
【0024】
不織布に薬液を含浸する工程は、ロール状の不織布をスリットする前でも後でもよく、容器に不織布を収納する前でも後でもよい。1枚づつ折り重ねる場合においても同様で、不織布に薬液を含浸する工程は折り重ねる前でも後でもよく、これらが複合された方法でもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
防カビ性、肌荒れ性、拭き残りの評価は下記に示す方法で行った。
(1)防カビ性評価方法
試料の防カビ性の評価は、ハロー法(JIS L1902−1990)に準拠して行った。すなわち、黒カビの保存用のサブロー寒天培地(10ml)に2週間生育した黒カビ(IFO−4414)の試験管1本分の分生子を菌糸と共に胞子分散剤(0.005%ジオクチルスルホコハク酸)10mlに分散させ、滅菌脱脂綿で濾過し、溶解して45℃に保った100mlのサブロー寒天培地に加え、シャ−レ1枚当り10ml分注して平板培地を作製した。
得られたウエットティッシュを2cm×2cmの大きさに切り、作製した培地の上におき、25℃で7日間の培養を行った。評価は、試料の周囲に生育阻止帯(ハロ−)の形成されたものを(−−)、試料上で菌の生育が認められなかったものを(−)、試料上にまで菌の生育の認められたものを(+)とした。
【0026】
(2)肌荒れ性評価方法
得られたウエットティッシュをパネラーの両手に5分間接触させた後、風乾した。この操作を1日あたり2回の割合で1カ月間繰り返した。その後、肌の状態を自己申告させた。パネラーの数は20名とした。
【0027】
(3)拭き残り性評価方法
得られたウエットティッシュでパネラーに拭き跡等のないきれいな鏡の表面を5往復清拭させ、鏡表面を乾燥させた。パネラーが拭き取り面を観察して、拭き残りについて3段階で評価した。
5:ほとんど拭き残りが目立たない、又は拭き残りがあっても気にならない。
3:若干拭き残りがあり、拭き残りが少し気になる。
1:拭き残りがあるため、拭き残りが気になり、乾拭きが必要である。
パネラーは20名とし、その平均点を評価結果とした。
【0028】
【実施例1】
平均目付30g/m2のアクリル系の超極細繊維の短繊維90重量%とポリエステル短繊維10重量%を含む不織布(シャレリア(登録商標)C1030、旭化成(株)社製)を用意した。
ε−ポリリジン(チッソ(株)社製)0.02重量%、ソルビン酸カリウム(チッソ(株)社製)0.025重量%、エタノール5重量%、プロピレングリコール2.5重量%、クエン酸0.19重量%、クエン酸ナトリウム0.74重量%および精製水91.525重量%を配合して含浸液を得た。
上記不織布100gに上記含浸液を200g含浸させ、ウエットティッシュを得た。表1に示すとおり、得られたウエットティッシュは、人体に対する安全性、保存における防カビ性、拭き残り性が極めて良好であった。また、基材にアクリル系の極細繊維が含まれているため拭き取り性も良好であった。
【0030】
【実施例
レーヨン短繊維40重量%と、ナイロンとポリエステルを複合紡糸した割繊タイプ糸の短繊維60重量%を混合し、スパンレース法により平均目付40g/m2の複合不織布を得た。この複合不織布は製造工程中の高圧水流によりナイロンとポリエステルがかなりな部分分離し、極細繊維となっていた。この複合不織布を用いた以外は実施例1と同様の方法でウエットティッシュを得た。表1に示すとおり、得られたウエットティッシュは人体に対する安全性、保存における防カビ性、拭き残り性が極めて良好であった。また、基材に極細繊維が含まれているため拭き取り性も良好であった。
【0031】
【実施例
ε−ポリリジン(チッソ(株)社製)0.75重量%、ソルビン酸カリウム(チッソ(株)社製)0.75重量%、精製水90.070重量%にした以外は実施例1と同様の方法でウエットティッシュを得た。表1に示すとおり、得られたウエットティッシュは人体に対する安全性、保存における防カビ性、拭き残り性が良好であった。
【0032】
比較例1
ε−ポリリジン(チッソ(株)社製)2重量%、ソルビン酸カリウム(チッソ(株)社製)2.5重量%、精製水87.070重量%にした以外は実施例1と同様の方法でウエットティッシュを得た。表1に示すとおり、得られたウエットティッシュは人体に対する安全性、保存における防カビ性、拭き残り性が良好であった。
【0033】
【比較例
ε−ポリリジンを配合せず、その分、精製水の重量%を増加させた以外は実施例1と同様の方法でウエットティッシュを得た。表1に示すとおり、得られたウエットティッシュは、人体に対する安全性及び拭き残り性は良好なものの、保存における防カビ性に問題があり実用に耐えないものであった。
【0034】
【比較例
ソルビン酸カリウムを配合せず、その分、精製水の重量%を増加させた以外は実施例1と同様の方法でウエットティッシュを得た。表1に示すとおり、得られたウエットティッシュは人体に対する安全性、拭き残り性は良好なものの、保存における防カビ性に問題があり実用に耐えないものであった。
【0035】
【比較例
ε−ポリリジン(チッソ(株)社製)0.02重量%、ソルビン酸カリウム(チッソ(株)社製)15重量%、精製水76.550重量%にした以外は実施例1と同様の方法でウエットティッシュを得た。表1に示すとおり、得られたウエットティッシュは保存における防カビ性は良好なものの、人体に対する安全性、拭き残り性に問題があり実用に耐えないものであった。
【0036】
【比較例
ε−ポリリジン(チッソ(株)社製)15重量%、ソルビン酸カリウム(チッソ(株)社製)0.025重量%、精製水76.545重量%にした以外は実施例1と同様の方法でウエットティッシュを得た。表1に示すとおり、得られたウエットティッシュは保存における防カビ性は良好なものの、人体に対する安全性、拭き残り性に問題があり実用に耐えないものであった。
【0037】
【表1】
Figure 0004575638
【0038】
【発明の効果】
本発明の抗菌ウエットティッシュは、天然成分であるε−ポリリジンと食品添加物であるソルビン酸塩を併用することにより、パラベンを使用することなく、優れた抗菌、防カビ効果を有し、拭き残りも少ない。そのため、人体に対する皮膚清拭用、赤ちゃんや老人が使用する身の回り品の清拭用、台所、冷蔵庫等の生活空間や日用雑貨の清拭用、メディカル用の皮膚清拭用、雑品清拭用、食品や食品用の容器の清拭用として、衛生、安全上の面で好ましく使用することができる。

Claims (2)

  1. 0.01〜1.00重量%のε−ポリリジン又はその塩、及び0.01〜1.00重量%のソルビン酸のアルカリ金属塩を含み、グリセリン、プロプレングリコール、ポリエチレングリコールから選ばれる保湿剤を重量%以下、エタノールを15重量%以下含む薬液が不織布に付与されてなるウエットティッシュであって、該ウエットティッシュの拭き取り面となる不織布表面のうち、面積率20%以上が単糸径0.2〜5.0μmの繊維であり、該拭き取り面が、割繊、フィブリル化した超極細繊維を含む素材で構成されていることを特徴とするウエットティッシュ。
  2. 前記不織布がアクリル系の繊維からなることを特徴とする請求項1に記載のウエットティッシュ。
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