JP4574872B2 - 三次元画像表示システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、三次元画像表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、診断・治療のような医療行為を行う場で、X線診断装置、X線CT装置、核磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)等の医用画像診断装置で作成した画像を、診断若しくは治療の目的として三次元的に観察することが行われいているが、場合により、その画像表示ないし観察について、緊急性を伴う場合がある。例えば、IVR(Interventional Radiology)等の場合がそれに当たる。
【0003】
IVRは、カテーテルを用いて血管の狭窄や動脈瘤のような症例を内科的に治療する手技で、外科的な手術に比べて、侵襲性が極度に低く、被検体へのダメージが小さいことから注目されている。具体的には例えば、狭窄を治療する場合は、その狭窄している部位にカテーテルを挿入し、該カテーテルの先端につけてあるバルーンを膨らませること等で治療を行う。また、動脈瘤を治療する場合は、カテーテルの先端からコイルを繰り出し、これを動脈瘤に挿入することで、血流の動脈瘤への進入を阻害すること等により治療する。
【0004】
ところで、このようなIVRは、一般に、できるかぎり短時間で治療を終えることが好ましいとされている。というのも、カテーテルという異物を被検体体内に入れることになるため、不慮の事態(例えば、カテーテルによって流れ出したクラックが下流の重要な血管を塞ぐなど)が発生する可能性を、完全には否定できないからである。特に、頭部等に対する治療は、最大の注意を要するとされている。
【0005】
そして、短時間でのIVRを行うために、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置等の医用画像診断装置で収集された三次元情報(3D画像)に基づいて、血管の三次元的構造を詳細に把握することが重要になりつつあり、また、当該3D画像を前記医用画像診断装置におけるデータ収集後、短時間で観察可能とすることが非常に重要となりつつもある(画像表示ないし観察の緊急性)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、データ収集した後、3D画像を観察するには、被検体データの選択、画像データの選択等の操作を行った後、3D画像のロード、3D画像処理等を経て、初めて観察画像として表示可能となる。この間、CPUの演算速度等によって差はあるが、現状においては、速いものでも概ね30秒程度の時間がかかる(したがって、現状ではデータ収集処理の後、瞬時にして、3D画像を観察する、ということは困難である。)。
【0007】
しかしながら、IVRのような緊急性を伴う手技中は、医師は手技に集中しており、それをサポートする技師・看護婦等も、上記X線診断装置等の制御や検査の準備などに集中している。このようなときに、被検体データの選択、画像データの選択等の操作は、極力行う必要がないようにされるべきものであり、また、短時間での手術完了という観点から、その後の3D画像のロード、3D画像処理時間等に必要となる待ち時間の消費も極力回避されるべきである。
【0008】
そこで、このような問題を解決する方法としては、3D画像の再構成等の完了後、当該処理を完了した画像を、何らの操作も伴うことなく自動的に表示することが考えられる。しかし、このような自動表示を単純に行うと、例えば、IVR術中の医師が、それ以前に作成した画像を観察中であっても、処理完了の3D画像が強制的に表示されることになり、医師の観察が邪魔されてしまう。また、これを避けるため、3D画像の再構成等の完了後、その表示を行うためには、何らかの(簡単な)操作を行うことを要する構成(例えば、画像表示可否を尋ねるダイアログ等を表示して、操作者がこれに対して応える等)等とすると、IVR術等の困難な場面においては、往々にして表示装置の前に誰もいない場合等も考えられることから、いつまでたっても画像が表示されないこととなる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、迅速で手間のかからない画像表示の要求に応えるとともに、画像観察中に当該画像が突然切り替わる等することによって、その観察が邪魔されるようなことのない三次元画像表示システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために以下の手段をとった。
すなわち、請求項1記載の三次元画像表示システムは、一以上の医用画像診断装置により取得されたデータに基づき3D画像を表示することの可能な三次元画像表示システムにおいて、前記3D画像の再構成の完了後、当該3D画像の自動的な表示を行うか否かのモードを決定する切替手段を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2又は3記載の三次元画像表示システムは、請求項1記載の同システムにおいて、前記モードが自動的な表示を行うに決定されているとき、装置使用者の何らかの操作があった場合には、当該モードを自動的な表示を行わない、に自動的に移行させることを特徴とし(請求項2)、前記モードが自動的な表示を行わないに決定されているとき、一定期間何らの処理も行われない場合には、当該モードを自動的な表示を行う、に自動的に移行させること特徴とする(請求項3)。なお、請求項4記載の三次元画像表示システムは、前記一定期間の長さは、設定可能であることを特徴とする。
【0012】
さらに、請求項5記載の三次元画像表示システムは、請求項1記載の同システムにおいて、前記モードが自動的な表示を行わないに決定されているとき、前記3D画像の再構成が完了後、当該3D画像の表示が可能である旨の情報を知らせる手段が備えられていることを特徴とし、請求項6記載の三次元画像表示システムは、前記表示が可能である旨の情報は、当該3D画像のサムネイル画像、被検体名、被検体情報、検査日時、検査名、再構成条件の中の1つ又は複数であることを特徴とするものである。また、請求項7記載の三次元画像表示システムは、前記サムネイル画像は、3D画像処理したサーフェスレンダリング画像、ボリュームレンダリング画像、MIP画像、MinIP画像、X線投影像の中の1つであることを特徴とする。
【0013】
加えて、請求項8記載の三次元画像表示システムは、請求項1記載の同システムにおいて、前記モードが自動的な表示を行うに決定されているとき、前記3D画像が合成を目的に再構成した画像であった場合、当該3D画像と現在表示されている画像とを自動的に合成し、その合成画像を自動的に表示することを特徴とし、請求項9記載の三次元画像表示システムは、請求項1記載の同システムにおいて、前記モードが自動的な表示を行うに決定されているとき、前記3D画像が合成を目的に再構成した画像であった場合、当該3D画像と該3D画像に対応する画像とを自動的に合成し、その合成画像を自動的に表示することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る三次元画像表示システムの全体構成を示す概要図である。なお、本実施形態においては、特に、医用画像診断装置としてのX線診断装置1を備えた三次元画像を表示するシステムに関し説明を行うこととする。
【0015】
図1において、三次元画像表示システムは、X線診断装置1、A/D変換ユニット6、画像処理及び画像保存を行うディジタル画像処理ユニット7、3D再構成を行う再構成処理ユニット8、再構成された画像を表示する3D画像表示ユニット9、データを保存する記憶装置10、階調変換を行うLUT(Look Up Table)11、エッジ強調等のフィルタリングを行うフィルタリングユニット12、そして前記X線診断装置1により取得された種々の画像を表示するモニタ13から構成されている。
【0016】
X線診断装置1は、図1に示すように、その内部に図示しない線源を備えたX線管球2と、例えばイメージ・インテンシファイア(Image Intensifier、いわゆる「I.I.」)として構成されるX線検出器3とを、それぞれ両端に備えたCアーム4、及び、被検体Pを載置する寝台5等から概略構成されている。このうち、Cアーム4は、図1において、X線管球2が寝台5の図中下方から図中左上方にせり出すような、又は、X線検出器3が被検体Pに覆い被さるようなスライド動作(図中矢印A及びB参照)をすることが可能な他、回転軸4aを中心として図中矢印Cに示すような回転動作等をすることも可能である。
【0017】
このようなX線診断装置1によれば、その構成要素たるCアーム4の外形(図1)を見るとわかるように、被検体P周囲の全周を覆うようなX線CT装置とは異なり、Cアーム開口端4bを利用して、医師等が被検体Pに対し直接に触れること等が可能であるから、複雑なカテーテル操作等を含むIVR等を行うのには、最も適した装置であるということができる。
【0018】
さて、以上のような、X線診断装置1及びA/D変換ユニット6乃至モニタ13によれば、X線管球2から発せられ被検体Pを透過したX線をX線検出器3により検出し、この検出した結果を、後段の各種ユニット等において適切に処理することで、種々の画像を生成・表示ないし観察することが可能となる。
【0019】
例えば、X線管球2から低線量のX線を連続して発しこれを連続してX線検出器3で検出すれば、被検体Pに関する、いわゆる透視像を生成することが可能となる(生成された画像は、例えば透視像用モニタ13aにおいて表示される。)。また、Cアーム4を被検体P周囲で回転させて複数方向からの投影データを取得することにより、被検体Pに関する、いわゆる断層像を生成(再構成)することが可能となる(生成された画像は、例えば撮影像用モニタ13bにおいて表示される。)。
【0020】
さらに、本実施形態の上記構成例においては、被検体Pに関する、いわゆる3D画像を生成(再構成)することが可能となる。以下、この3D画像の生成について詳しく説明する。
【0021】
まず、X線診断装置1にて、被検体Pの周りでCアーム4を高速で回転させつつ、データを収集する。具体的には、Cアーム4を、図中矢印Cに示すいずれかの方向に回転させながら(=投影角度を変化させながら)、例えば1度間隔で撮影を繰り返し、得られた回転角度、例えば200度分のX線強度分布(つまり、200パターンのX線強度分布)を収集する。投影された200パターンは、A/D変換ユニット6でディジタル信号に変換される。
【0022】
このような投影データの収集は、造影剤注入前と注入後の2回行い、記憶装置10に記録する。データが蓄積されると、ディジタル画像処理ユニット7において、造影剤注入前に撮影された画像(マスク像)と注入後に撮影された画像(コントラスト像)の差分を取る処理、すなわちサブトラクション(DSA;Digital Subtraction Anigiology)処理を行い、当該処理済のデータを再構成処理ユニット8に送る。
【0023】
再構成処理ユニット8では、離散化された再構成領域の再構成を行う。再構成方法の一例として、ここではFeldkamp等によって提案されたフィルタードバックプロジェクション法を示すと、200フレームのDSA画像に対して、例えばShepp&LoganやRamachandranのような適当なコンボリューションフィルタをかける。次に、逆投影演算を行うことにより、再構成画像データ、すなわち3D画像が得られる。このようにして再構成された3D画像は、記憶装置10に記録され再構成処理が完了する。
【0024】
なお、上記において、再構成領域は、X線管球2の全方向へのX線束に内接する円筒として定義される。この円筒内は、例えばX線検出器3の1検出素子の幅に投影される再構成領域中心部での長さで三次元的に離散化され、離散点のデータの再構成像を得る必要がある。ただし、離散間隔はここに述べた例に限らず、基本的にはどのようなものであってもよい。具体的には、装置構成等によって違うことがあり、この場合、当該装置構成によって定義される離散間隔を用いればよい。
【0025】
以上のようにして、3D画像の再構成が完了すると、該3D画像が表示可能になった旨を表す信号が3D表示ユニット9に送られ、この信号を受けた3D表示ユニット9は、当該3D画像を、各種の3D画像表示法により、例えば3D像用モニタ13cにおいて表示することになる。ここに各種の3D画像表示法とは、ボリュームレンダリング法、サーフェスレンダリング法、MIP法、MinIP法、X線投影法等その他の各種の画像表示方法のことを指す。また、この3D画像表示においては、光学パラメータ変換関数(サーフェスレンダリング法の場合は閾値)、カラー、光源の位置、強さ等を変更させて表示することも可能である。これら3D画像表示法、光学パラメータ変換関数等のパラメータについては、予めデフォルト条件を定めておくとよく、以降、操作者の操作によって任意に変更可能な構成にしておくとよい。
【0026】
なお、図1に示したLUT11及びフィルタリングユニット12は、この3D画像若しくはもとのDSA画像を、よりよい診断・観察等に資するように画像処理する際、場合に応じて利用される形態としておけばよい。また、上記3D表示ユニット9には、図1に示すように、3D画像表示スイッチ(本発明にいう「切替手段」)9aが付設されているが、これは、当該スイッチ9aがON又はOFFのいずれかにあるかに応じて、3D画像の自動的な表示を行うか否かのモードを決定するものである。その意義、ないし作用効果については、すぐ後に述べる。
【0027】
以下では、上記構成例となる三次元表示システムの作用効果について説明する。なお、本実施形態は、X線診断装置1によるデータ収集に基づき再構成された3D画像を表示する態様につき特徴があるものであるから、以下では、この点を中心とした説明を行う。
【0028】
まず、図2ステップS1にあるように、X線診断装置1及び再構成処理ユニット8等の構成において、上記した手順ないし作用を経て、3D画像を再構成する。この再構成が完了すると、上述したように、3D表示ユニット9は、3D画像が表示可能になった旨の信号を受ける。
【0029】
次に、図2ステップS2においては、すぐ上で述べた3D画像表示スイッチ9aの状態が確認される。ここで、当該スイッチ9aがON(自動表示モード)になっていれば、3D表示ユニット9は、再構成された3D画像を自動的に読み込み、かつ、上記デフォルト条件(3D画像表示法、光学パラメータ変換関数(又は閾値)、カラー、光源の位置、強さ等)に基づく3D画像表示を行う(図2ステップS31)。
【0030】
一方、3D画像表示スイッチがOFF(非自動表示モード)になっていれば、今述べたような自動的な表示を行わない(図2ステップS32)。すなわち、例えば当該3D画像の再構成処理完了前、モニタ13(とりわけ3D像用モニタ13c)において何らかの画像が表示されていれば、当該画像がそのまま表示された状態が保持されることになり、何ら画像が表示されていない場合でも、その状態が保持されることになる(従前の状態の保持)。
【0031】
なお、上記において、3D画像表示スイッチ9aがOFFとなっている場合には、再構成された3D画像が存在し、これが表示可能である旨の情報を、装置使用者に知らせる何らかの手段を備えておくとよい。
【0032】
例えば、3D画像表示スイッチ9aを、図3に示すように、モニタ13上に指等で触れることにより、そのON・OFF状態の切り替えを実施することの可能な構成等とする場合には、当該スイッチ9aがOFFの場合であって、かつ上記のように再構成された3D画像が存在することとなったという場合にあっては、当該スイッチ9aを点滅させる、等という処理を実施することで、3D画像表示可能である旨を装置使用者に知らせる構成とすることが可能である。
【0033】
また、ここで装置使用者が点滅している3D画像表示スイッチ9aを指等で押すと、OFF状態がON状態に変更されることにより、3D表示ユニット9は、再構成された3D画像を読み込み、デフォルト条件にて3D画像を表示するようにしておく、等という構成としておくとよい。なお、図3において、符号131で示されているのは、3D画像を表示するための画像表示領域である。
【0034】
ちなみに、本発明においては、3D画像表示スイッチ9aの具体的態様は、如何なるものであってもよい。例えば、上記では、いわゆるタッチパネル式のスイッチとなっていたが、画面上を動くポインタと、例えば、マウス等の適当な入力手段によって、スイッチのON・OFFが可能な構成であってもよい。また、固定ボタン式のスイッチであってもよいし、いわゆるトグル・スイッチのようなものであっても勿論よい。
【0035】
さらに、3D画像表示スイッチ9aの具体的形態としては、例えば図4に示すように、モニタ13上において幾つかのページ、ウインドウ又は画面等の切替機能を有する場合には、この画面の切替えが、3D画像の自動表示のON・OFFを決定するような形態としてもよい。
【0036】
より具体的に、例えば図4において示された4つのページ(被検体選択ページ132(いわゆる「Studyページ」とも呼ばれる。)、3D画像表示ページ133、2D画像表示ページ134、VE表示ページ135)において、被検体選択ページ132以外のページが選択されている場合では何らかの画像観察ができるようなものを想定する。ここに、被検体選択ページ132とは、予め蓄えられた複数の画像データの中から、特定の被検体に関する画像を呼び出すため、当該被検体名等の情報が複数表示される画面である。装置使用者はこの中から所望の被検体名等を選択することにより、所望の画像を観察することができる。
【0037】
したがって、このような被検体選択ページ132が選択されている場合には、途中で3D画像の自動表示が行われたとしても、画像観察の邪魔となるようなことがない(なぜなら、そもそも画像を観察しているわけではないから。)。結局、モニタ13上にこの被検体選択ページ132が表示されているときには、3D画像表示スイッチがONの状態とみなし、再構成が完了した3D画像が自動的に表示され、それ以外のページ133乃至135が表示されているときには、当該スイッチがOFFの状態とみなす、等とすることができる(図4参照)。このように、「3D画像表示スイッチ」そのものは設けられていないようなものでも、本発明にいう「切替手段」の概念内に含まれる。
【0038】
このように本実施形態においては、3D画像表示スイッチが存在することにより、3D画像の自動表示を行うか否かについて、所望に応じ、いずれにも設定することが可能となる。まず、当該スイッチ9aをON(自動表示モード)とする場合には、3D画像は再構成完了の後、該3D画像は間をおかずに自動表示されることになるから、装置使用者は、特に何らかの操作を必要とすることなく当該3D画像の観察を実施することが可能となる。この結果、とりわけ集中が要求されるIVR術等の最中においても、迅速な診断・迅速な手術を実施することができる。なお、このようなことから、3D画像表示スイッチは、本システム立ち上げ直後ON状態(デフォルト値)としておく方が便利であると考えられる。また、3D画像表示スイッチをOFF(非自動表示モード)とする場合には、観察中の画像が自動表示によって突然切り替わる等というようなことがなく、当該観察が邪魔される等といったことがなくなる。そして、本実施形態では、これら両者(ON又はOFF)の長所を併せ持つことが可能となる点、特筆できる。
【0039】
なお、上記実施形態では、図1に示した三次元表示システムとして、「一体的」な構成であるかのような説明をしていたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば再構成処理ユニット8や3D画像表示ユニット9を単体の装置とし、X線診断装置1との間を何らかのネットワーク(例えばEthernetなど)で接続するような形態としてもよい。むろんその他種々の構成を採ることも可能である。
【0040】
また、上記実施形態では、医用画像診断装置としてX線診断装置1を備えた形態について説明したが、本発明における三次元画像表示システムを構成するものとしては、その他、X線CT装置、SPECT(Single Photon Emission CT)装置、MRI装置若しくは3D超音波診断装置、又はX線診断装置1とX線CT装置を併せもつ装置(いわゆる「IVR-CT装置」と呼ばれるもの。)等その他の各種医用画像診断装置を備えたものであってもよい。
【0041】
さらに、上記においては、3D画像表示スイッチ9aを、予めON又はOFFとすることにより、3D画像の自動表示が行われるか否かが決定されていたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、X線診断装置1におけるデータ収集が完了し、これを後段のユニット等に送信する際において、医師等が、X線診断装置1側で、あたかも再構成条件の一つとして設定するかのように、上記のON(自動表示モード)又はOFF(非自動表示モード)の設定が行えるような形態としてもよい。そして、この場合においては、当該医師等によるON又はOFFの設定が、3D画像表示スイッチ9aの状態如何に関わらず優先される、等といった構成とすることが可能であるし、さらには、3D画像表示スイッチ9aそのものを設けない構成とすることも可能である。いずれにせよ、これらの場合におけるON又はOFFの設定も、本発明にいう「切替手段」の概念内に含まれることは言うまでもない。
【0042】
以下では、上記実施形態に基づく変形例について説明する。
【0043】
(変形例1)
まず、上記実施形態においては、3D画像表示スイッチ9aがOFFとなる(非自動表示モードに決定する)のは、装置使用者が当該スイッチ9aを指等で触れる、クリックする、あるいは押す等、当該スイッチ9aに対する直接的な操作による場合のみ記載されていたが、本発明においては、当該スイッチ9aのOFFへの移行処理を、次のような形態とすることが可能である。
【0044】
すなわち、図5のフローチャートに示すように、現状がスイッチONの状態にある場合、装置使用者が3D表示ユニット9に関する何らかの操作を加えたときには、3D画像表示スイッチ9aが自動的にOFFとなるような構成ないし作用とすることが可能である。
【0045】
これにより、次のような効果を奏することができる。まず、図1に示した3D表示ユニット9等の3D画像処理を行うユニットは、通常高価であるため、病院内に存在するX線CT装置やMRI装置等とも接続され、それらから送られてくる3D画像に関する処理の実施をも同時に担わされていることが多い。つまり、IVR術中にあっても、別の装置使用者(上記実施形態でいえば、X線診断装置1以外の装置使用者が該当する。)が割りこんで使用するという場合が存在する。したがって、これらの者が、3D表示ユニット9に関する何らかの操作を行っている最中というのは、当該別の装置使用者が3D画像を観察している可能性が高いから、その観察を中断させることのないようにするのが好ましい。この点、本変形例1では、3D画像表示スイッチ9aが上述したように自動的にOFFとなるから、いま述べたような観察の中断を強いるようなことがないのである。
【0046】
なお、いま述べた状況では、上記にいう「別の装置使用者」が何らかの操作をした場合のみ、3D画像表示スイッチ9aがOFFになることについて述べたが、本発明では、当該何らかの操作を行う者が、上記にいう「別の装置使用者」である必要はない。すなわち例えば、X線診断装置1にてIVR術中の医師等が、治療前の3D画像を確認中に、3D表示ユニット9に関する何らかの操作を行った場合に、3D画像表示スイッチ9aがONであった場合には、やはり自動的にOFFへと移行するような形態としても当然によい。
【0047】
(変形例2)
本変形例2では、上記変形例1とは逆に、3D画像表示スイッチ9aがOFFである場合に、これを自動的にONに移行させる処理に関する。すなわち、図6のフローチャートに示すように、現状がスイッチOFFの状態にある場合、その状態が一定期間持続されたときには、当該一定期間の経過を待って、3D画像表示スイッチ9aが自動的にONとなるような構成ないし作用とすることが可能である。
【0048】
これにより、次のような効果を奏することができる。すなわち、上記実施形態でもデフォルト値としては3D画像表示スイッチ9aをONとするのが好ましい、と述べたように、原則としては、ONである方(自動表示が行われる方)がよいものと考えられる。一方で、3D表示ユニット9に関する操作等が長らく行われていない場合には、3D画像スイッチ9aの状態がいずれであったのかが忘れられ、当該状態がOFFであるような場合には、次に使用する際に余計な手間がかかってしまうことになる。そこで、3D表示ユニット9に関して一定期間何らの操作も加えられなかった場合には、3D画像表示スイッチ9aを自動的にONにするようにすれば、上記のような不具合の発生を回避することができる。
【0049】
なお、上記一定期間の長さは、予め適当な時間を装置使用者の好みにより設定可能としておくとよい。
【0050】
(変形例3)
本変形例3は、3D画像表示スイッチ9がOFFの間に、複数枚の3D画像の再構成が完了した場合に関する。このような場合、上記したように、当該スイッチ9a等を点滅させる等して、装置使用者に対し、再構成の完了した表示可能な3D画像が存在することが知らされるが、この3D画像が複数枚存在すると、一体どれを表示したらよいのか装置使用者には俄かには判別し難い状況が生ずる可能性がある。したがって、この問題を解決するためには、次のような構成とするとよい。
【0051】
すなわち、図7に示すように、3D画像表示スイッチ9aがOFFのときに、再構成が完了した3D画像が存在する場合には、当該3D画像についてのサムネイル画像136、その被検体の名前137、及び撮影時間138等の情報の中から少なくとも一つ又は組み合わせて、これを3D画像表示スイッチ9aの点滅と併せて(又は、点滅をさせずに)表示しておくようにするとよい(表示が可能である旨の情報にはその他、被検体ID(被検体情報)、検査日時、検査名、当該3D画像の再構成条件等が考えられる。)。ここにサムネイル画像136とは、当該3D画像がどのような画像であるかが大雑把に把握し得る小サイズの画像のことをいう。これは、上記した3D画像表示法、すなわちサーフェスレンダリング画像、ボリュームレンダリング画像、MIP画像、MinIP画像、X線投影像等の中の1つであればよい。
【0052】
このようにすれば、複数枚の3D画像が表示可能として待機していても、装置使用者は、どれを表示すればよいかについて悩む必要がない。また、待機中の3D画像がたとえ1枚であっても、上記のような情報が表示されれば、装置使用者にとって、便利である。
【0053】
(変形例4)
本変形例4は、上記実施形態を、いわゆる画像合成(fusion)に応用したものに関する。ここで画像合成としては、一般的には、同一被検体の同一断層面に関するCT画像(内臓等の組織画像)とMR画像(代謝その他の機能画像)との画像合成が広く知られている。これによれば、組織と機能とを同一画面上で確認することができる。また、上記実施形態に関していえば、DSA画像による3D血管像と、狭窄部位に挿入されたステントや動脈瘤部位に挿入されたコイルについての3D像とを合成すること等が行われている(ちなみに、ステントとは網目に編まれた側面で構成された円筒形状の物体であり、その内部に、バルーンを備えるものである。これは、カテーテルを通じて血管狭窄部位に配置され、前記バルーンを膨らませることにより、その張力で狭窄内壁を支える(血管を広げる)役目を担う(その後は、バルーンのみが引き抜かれステントのみが残される。)。また、コイルとは、動脈瘤に渦巻き状に導入される線状の物体である。これにより、動脈瘤への血液の流入を防ぐ役目を担う。)。
【0054】
このうち3D血管像と、3Dステント像又は3Dコイル像等(以下「3Dステント像等」という。)との合成の場合、後者の3Dステント像等だけを見ても意味がなく、当該3Dステント像等と3D血管像とを重ね、その位置関係が把握されて初めて意義がある(つまり、画像合成しないと意味がない。)。また、このような画像合成を行う際には、3D血管像と3Dステント像等を再構成するためのデータ収集(Cアーム4の回転を伴うデータ収集)について、これを別々に実施する必要はない(1回のデータ収集でよい)が、再構成処理自体は、血管とステント等(通常、金属等で構成される。)とでは、X線吸収率が全く異なるから、別々に実施する必要がある。
【0055】
さて、上記実施形態を応用すると、上記のような画像合成は、次に記すように実施することが可能である。まず、図8ステップR1にあるように、3D画像を再構成するところまでは上記実施形態と何ら変わりはない。ただし、図8の場合においては、3D血管像は既に再構成され、かつ3D像用モニタ13cには当該3D血管像が表示されているものとする。つまり、図8ステップR1における再構成は、3Dステント像等の再構成処理ということを意味している。なお、このような3Dステント像等の再構成処理は、マスク像のみを使用して行うことにより達成される。
【0056】
このように3Dステント像等の再構成が完了すると、次に図8ステップR10にあるように、当該3Dステント像等が、合成対象画像(本発明にいう「合成を目的に再構成した3D画像」)であることを示すフラグを立てる。ここに「フラグ」とは、3D画像表示システム内に設けられる何らかのレジスタ(不図示)に記憶させる“1”(フラグが立つ)又は“0”に相当するもの等であればよい。なお、再構成を行う際又は行った後において、当該画像が、合成対象画像かどうかを、装置使用者がマニュアルで指定するようにしてもよい。
【0057】
後は、合成対象画像が表示可能になった旨を示す信号を、3D表示ユニット9に送信する等、図2ステップS2乃至S31及びS32とパラレルな処理(図8ステップR2乃至R31及びR32)が行われる。ただ、本変形例4においては、3D画像表示スイッチ9aがONになっているときには、再構成された合成対象画像ないし3Dステント像等を読み込んだ後、そのフラグが立っていることを確認し、これが現在モニタ13c上に表示している3D血管像と対応する画像であることを確認した上で、両者(3Dステント像及び3D血管像)を合成し、当該合成像をデフォルト条件で表示することになる(図8ステップR31)。なお、3D血管像と3Dステント像等との合成の場合では、これらの画像はもともと同じ撮影画像から作成されているため、位置合わせを行う必要はなく、特に問題なく自動的な合成を行うことができる。
【0058】
また、医師等による画像の観察が進んで、3D像用モニタ13cに表示されている現在の画像が、対応しない画像となってしまっている場合が考えられるが、このようなときには、次のような処理を行うとよい。すなわち、図8ステップR2から続く図9に示すように、まず、いまモニタ13c上に表示されている画像と、再構成が完了した合成対象画像とが、対応するものであるか否かを判断する(図9ステップR301)。この判断は、例えば、両画像に付随している撮影時間の比較・対照に基づいて行えばよい。というのも、上述したように、3D血管像及び3Dステント像等は、データ収集については同時(つまり、撮影時間が同じ)に行われているからである。ここで、対応する(撮影時間が一致する)のであるならば、図9ステップR31(図8ステップR31に同じ)に進めばよい。
一方、対応しない(撮影時間が一致しない)場合には、図9ステップR302にあるように、対応する画像を検索しこれを呼び出してモニタ13c上に表示させる。この検索等は、やはり上記撮影時間に基づいて行うことができるのは言うまでもない。なお、対応する画像はどれかを装置使用者がマニュアルで指定するようにしてもよい。
【0059】
このように、本発明においては、合成画像であっても、自動的な表示を行うこと(、あるいは自動的な表示をさせないこと)ができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の三次元画像表示システムによれば、3D画像の自動的な表示を行うか否かのモードを決定する切替手段が存在することにより、迅速で手間のかからない画像表示の要求に応えるとともに、画像観察中に当該画像が突然切り替わる等することによって、その観察が邪魔されるようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る三次元表示システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】3D画像の自動的又は非自動的表示に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】3D画像表示スイッチの具体的な態様例を示す説明図である。
【図4】図3とは別形態となる、3D画像表示スイッチの具体的な態様例を示す説明図である。
【図5】3D画像表示スイッチを自動的にONからOFFへとする処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】3D画像表示スイッチを自動的にOFFからONへとする処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】3D画像表示スイッチがOFFである場合に、表示可能な3D画像が存在する場合の画面表示例を示す説明図である。
【図8】本実施形態を画像合成に応用した処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図8において、現在表示されている画像が合成対象画像と対応しない場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 X線診断装置
2 X線管球
3 X線検出器
4 Cアーム
5 寝台
6 A/D変換ユニット
7 ディジタル画像処理ユニット
8 再構成処理ユニット
9 3D画像表示ユニット
10 記録装置
11 LUT
12 フィルタリングユニット
Claims (9)
- 一以上の医用画像診断装置により取得されたデータに基づき3D画像を表示することの可能な三次元画像表示システムにおいて、
前記3D画像の再構成の完了後、当該3D画像の自動的な表示を行うか否かのモードを決定する切替手段を備えていることを特徴とする三次元画像表示システム。 - 前記モードが自動的な表示を行うに決定されているとき、装置使用者の何らかの操作があった場合には、当該モードを自動的な表示を行わない、に自動的に移行させることを特徴とする請求項1記載の三次元画像表示システム。
- 前記モードが自動的な表示を行わないに決定されているとき、一定期間何らの処理も行われない場合には、当該モードを自動的な表示を行う、に自動的に移行させること特徴とする請求項1記載の三次元画像表示システム。
- 前記一定期間の長さは、設定可能であることを特徴とする請求項3記載の三次元画像表示システム。
- 前記モードが自動的な表示を行わないに決定されているとき、前記3D画像の再構成が完了後、当該3D画像の表示が可能である旨の情報を知らせる手段が備えられていることを特徴とする請求項1記載の三次元画像表示システム。
- 前記表示が可能である旨の情報は、当該3D画像のサムネイル画像、被検体名、被検体情報、検査日時、検査名、再構成条件の中の1つ又は複数であることを特徴とする請求項5記載の三次元画像表示システム。
- 前記サムネイル画像は、3D画像処理したサーフェスレンダリング画像、ボリュームレンダリング画像、MIP画像、MinIP画像、X線投影像の中の1つであることを特徴とする請求項6記載の三次元画像表示システム。
- 前記モードが自動的な表示を行うに決定されているとき、前記3D画像が合成を目的に再構成した画像であった場合、当該3D画像と現在表示されている画像とを自動的に合成し、その合成画像を自動的に表示することを特徴とする請求項1記載の三次元画像表示システム。
- 前記モードが自動的な表示を行うに決定されているとき、前記3D画像が合成を目的に再構成した画像であった場合、当該3D画像と該3D画像に対応する画像とを自動的に合成し、その合成画像を自動的に表示することを特徴とする請求項1記載の三次元画像表示システム。
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