JP4574526B2 - 表面保護用フィルム基材、ならびに、表面保護用粘着フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

表面保護用フィルム基材、ならびに、表面保護用粘着フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面保護用フィルム基材および表面保護用粘着フィルムに関する。本発明の表面保護用粘着フィルムは、各種物質の表面保護用途に適用できる。特に、ステンレス板、アルミニウム板、鋼板等の金属板の表面保護用粘着フィルムとして有用であり、金属板の曲げ、ロールフォーミング、絞り加工時の表面の保護に好適である。
従来より、ステンレス板、アルミニウム板、鋼板等の金属板を加工、運搬等する際には、金属板の表面に傷等がつかないように、表面保護フィルムを仮貼付して金属板の表面の保護を図っている。このような金属板の表面保護フィルムとしては、基材フィルムの片面に粘着剤層を設けた粘着フィルムが用いられている。かかる粘着フィルムの基材としては、たとえばポリエチレンとポリプロピレンとを混合してなるフィルム(たとえば、特許文献1参照)や、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体のうち2種類以上を特定の混合率で混合してなるフィルム(たとえば、特許文献2参照)が用いられている。
しかしながら、金属板に深絞りや曲げ等の加工を行う場合には、上記表面保護用粘着フィルムは金属板の塑性変形に追従できず、その一部が剥がれたり、裂けたりすることがあった。特に、流し台のシンク部(流し槽)等といった一度の深絞りで作製できないような底の深いものの製造においては、最初の深絞り後、さらに再絞りを行う必要がある。この場合、最初の深絞りで表面保護用粘着フィルムが剥がれたり、裂けたりすると、次の再絞りで金属板表面に打痕をつけてしまい、商品価値を損なうという問題がある。
上記表面保護用粘着フィルムはその粘着力を強めれば、当該粘着フィルムの剥がれや裂けを解消することはできる。しかし、粘着力が強くなると表面保護用粘着フィルムの剥離作業が困難になるという問題が生じてしまう。したがって、粘着力を強めることなく表面保護フィルムの剥がれや裂けを解消する必要がある。
上記問題に対して、表面保護用粘着フィルムの基材フィルムとして、両最外層が結晶性ポリオレフィン層、両最外層に挟まれた中間層に非晶質ポリオレフィン層を積層した積層フィルムを用いたものなどが提案されている(たとえば、特許文献3、4参照)。これらの積層フィルムを用いた表面保護用粘着フィルムは、加工時に剥がれたり、裂けたりすることはない。しかし、特許文献3の提案では、中間層に用いる非晶質ポリオレフィンには樹脂ゲルが多く含まれているため、成膜フィルム(積層フィルム)にも樹脂ゲルが混入してしまう場合があり、積層フィルムにその樹脂ゲルが存在する状態で金属板に貼合せプレスすると前記同様、金属板表面に打痕をつけてしまう場合があることが分かった。一方、特許文献4の提案では、金属板の種類や用途によっては粘着力の増加を引き起こし、剥がしにくくなったり、テープの貼付け部分が浮いてしまう場合があることが分かった。
特公昭59−27782号公報 特公昭50−14667号公報 特開平10−110145号公報 特開2004−189972号公報
そこで本発明は、上述の問題に対処すべく、金属板の表面保護用粘着フィルムとして用いた場合にも、加工性が良好であり、加工時における裂け、剥がれ、打痕の発生を抑えることができ、低粘着力で浮きの発生を抑制し、かつ剥離作業性の良好な表面保護用粘着フィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は当該表面保護用粘着フィルムに用いられる表面保護用フィルム基材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、下記の表面保護用粘着フィルムおよび表面保護用フィルム基材を用いることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の表面保護用フィルム基材は、
少なくとも3層が積層されている積層フィルムからなる表面保護用フィルム基材であって、前記積層フィルムの両最外層は結晶性ポリオレフィン層(a1)であり、かつ両最外層に挟まれた中間層はスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)を少なくとも1層有することを特徴とする。
上記本発明の表面保護用フィルム基材は、上記構成を有しているため、変形したときの残留応力を小さく抑えることができる。また、上記スチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)は、樹脂ゲルが少なく、打痕の発生が抑制されるため、不良品の発生が抑制される。そのため、特に表面保護用粘着フィルムとして用いる場合、粘着剤層の粘着力を大きくしなくても、保護対象物の加工時において粘着フィルムの剥がれ、裂け、浮き等を抑えることができ、さらに剥離作業性も良好であるため、加工性に優れる。
また、上記表面保護用フィルム基材において、上記スチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)は、スチレン−ブタジエンランダム共重合の水素添加物層であることが好ましい。
一方、本発明の表面保護用粘着フィルムは、上記いずれかの表面保護用フィルム基材の片面に粘着剤層を有することを特徴とする。本発明の表面保護用粘着フィルムは上記作用を奏する表面保護用フィルム基材を備えるため、加工性が良好であり、加工時における裂け、剥がれ、打痕の発生を抑えることができ、低粘着力で浮きの発生を抑制し、かつ剥離作業性の良好なものとなる。
また、上記表面保護用粘着フィルムにおいて、前記フィルム基材と前記粘着剤層が共押出成形により一体に形成されたものであることが好ましい。
さらに、上記表面保護用粘着フィルムは、変形量が10%である場合の残留応力が、6N/mm2 以下となるものであることが好ましい。
他方、本発明の表面保護用粘着フィルムの製造方法は、フィルム基材と粘着剤層とを、共押出成形により一体に形成する工程を有する表面保護用粘着フィルムの製造方法であって、
前記フィルム基材は、少なくとも3層が積層されている積層フィルムからなり、前記積層フィルムの両最外層は結晶性ポリオレフィン層(a1)であり、かつ両最外層に挟まれた中間層はスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)を少なくとも1層有することを特徴とする。
本発明の製造方法を用いることにより、金属板の表面保護用粘着フィルムとして用いた場合にも、加工性が良好であり、加工時における裂け、剥がれ、打痕の発生を抑えることができ、低粘着力で浮きの発生を抑制し、かつ剥離作業性の良好な表面保護用粘着フィルムを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の表面保護用フィルム基材(以下、基材フィルムと称する場合がある)は図1に示すように、
少なくとも3層が積層されている積層フィルムからなる表面保護用フィルム基材であって、前記積層フィルムの両最外層は結晶性ポリオレフィン層(a1)であり、かつ両最外層に挟まれた中間層はスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)を少なくとも1層有することを特徴とする。
本発明の表面保護用フィルム基材(A)(以下、基材フィルム(A)と称する場合がある)は図1に示すように、少なくとも3層構成の積層フィルムである。積層フィルムの両最外層は結晶性ポリオレフィン層(a1)であり、かつ両最外層に挟まれた中間層にはスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)を少なくとも1層有する。
図1は、中間層としてスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)が1層設けられている場合の例である。中間層はスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)を少なくとも1層有していればよい。したがって、たとえば、中間層は、スチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)の複数層でもよく、スチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)と結晶性ポリオレフィン層(a1)等との複数層でもあってもよい。
基材フィルム(A)において、最外層の結晶性ポリオレフィン樹脂層(a1)を形成する樹脂は、少なくとも結晶性を示す箇所を有するポリオレフィンであり、たとえば、結晶性のポリプロピレン、ポリエチレン等が例示される。
結晶性ポリオレフィンとして、シンジオタチック構造、アイソタチック構造等を有するものがあげられる。ポリエチレンは、通常、結晶性を示すため、ポリエチレンの種類は特に制限されないが、低圧法ポリエチレン等が好ましい。これら結晶性ポリオレフィンは1種または2種以上を用いることができる。
結晶性ポリオレフィンとしては、中間層のスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)との密着性が良好なことから、結晶性ポリプロピレンを含有するものが好適である。なお、結晶性ポリプロピレンと他の結晶性ポリオレフィンを併用する場合には、中間層であるスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)中において、結晶性ポリプロピレンの含有量は30重量%以上、好ましくは50重量%以上であることが望ましい。ポリプロピレンの含有量が30重量%以上であれば、最外層と中間層の密着性が良好となって各層間における層間剥離が生じ難い。
中間層に用いられるスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)は、特にスチレン−ブタジエンランダム共重合の水素添加物層であることが好ましい。屋外で長期間表面保護テープが貼られることを想定すると耐侯性が必要となるが、スチレン−ブタジエンランダム共重合の水素添加物の方がスチレン−ブタジエンランダム共重合の非水素添加物に比べて分子の構造的にも切れにくく、安定していると推測されるためである。
また、上記スチレン−ブタジエンランダム共重合の水素添加物中にブタジエン単位が占める割合は30〜99重量%であることが好ましく、より好ましくは50〜97重量%である。また、上記共重合体鎖中のブタジエン単位は1,2−結合体が少なくとも25重量%以上存在することが好ましい。ブタジエン単位が30重量%以上または1,2−結合体が25重量%以上であるものを用いることによりゴム弾性が低下し難いものとなる。
また、上記スチレン−ジエンランダム共重合体の水素添加物層は、相溶性が良好な状態で存在していること、すなわち、水素添加物質が均一に層内で分散していることが好ましい。これにより基材フィルムの裂け性や応力緩和性が良好となり、加工性や剥離性の点でより好ましくなるためである。
また、上記中間層には、スチレン−ジエンランダム共重合体層以外にも、ポリオレフィン層などの他の層が含まれていてもよい。
上記最外層の結晶性ポリオレフィン樹脂層(a1)、中間層に用いられるスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)等の基材フィルム(A)の形成材料には、必要に応じて、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の無機質充填剤、アミン系、キノリン系、ヒドロキノン系、フェノール系、亜リン酸エステル系等の老化防止剤や酸化防止剤、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤等の1種または2種以上を本発明の目的を損なわない範囲で配合してもよい。
また、両最外層の結晶性ポリオレフィン層(a1)の厚さは同一でも異なっていてもよいが、同一の厚さで構成されていることが好ましい。表面側となる最外層と粘着剤層側となる最外層の厚さが同一であると、当該フィルム基材(および粘着フィルム)にカールが発生しにくく、金属板との貼合せ作業性が低下しにくいためである。
上記基材フィルム(A)の厚さは、加工性の点から通常30〜200μm程度とすることが好ましく、50〜150μm程度とすることがより好ましい。すなわち、当該フィルム基材を用いた表面保護用粘着フィルムが加工時に適度な強度を維持するには厚さ30μm以上程度であることが適当であり、また残留応力を適度なものとするには厚さ200μm以下程度であることが適当である。
また、中間層の厚さは、基材フィルムの厚さの50〜98%、好ましくは60〜90%である。中間層の厚さを前記範囲に制御することで、基材フィルムの加工性を良好な程度に維持することができる。
なお、中間層が複数層により形成される場合にも、中間層の厚さは前記範囲で調整されることが好ましいが、中間層が複数層よりなる場合であっても、スチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)は、基材フィルムの厚さの少なくとも50%以上を有することが好ましい。
本発明の表面保護用フィルム基材は、上記のような構成を有するものである。
一方、本発明の表面保護用粘着フィルムは、上記いずれかの表面保護用フィルム基材(A)の片面に粘着剤層(B)を有することを特徴とする。
本発明の表面保護用粘着フィルムは、たとえば図1に示すように、基材フィルム(A)の片面に粘着剤層(B)を有する。基材フィルム(A)は、少なくとも3層のポリオレフィン層が積層されている積層フィルムである。積層フィルムの両最外層は結晶性ポリオレフィン層(a1)であり、かつ両最外層に挟まれた中間層にはスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)を少なくとも1層有する。なお、本発明の表面保護用粘着フィルムはシート状、テープ状等で用いることができる。
他方、上記スチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)を有する中間層および結晶性ポリオレフィン樹脂層(a1)である最外層を有する基材フィルム(A)の製造方法は、特に制限されず各種の方法を採用できる。たとえば、各層を構成する樹脂材料を溶融共押出しして積層物に成形する方法、各層を押出し等により別個にフィルム状に成形し、これらを粘着剤等により接着する方法等が例示される。これらの方法のなかでも、各層間の密着性が良好であり、また工程を簡略にする上から、共押出成形、溶融共押出し成形による方法が好適である。
上記基材フィルム(A)には粘着剤層(B)を有する。粘着剤層(B)を構成する粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の当該表面保護用粘着フィルムの分野で用いられる各種粘着剤が使用できる。上記粘着剤層の厚さは、通常、1〜100μm程度が好ましく、さらには1〜20μm程度が好ましい。また、該粘着剤層の粘着力は、0.2〜3. 0N/20mm程度が適当である。なお、粘着剤層の粘着力は、温度23℃、引張速度300mm/min、180°剥離の条件で測定して得られたものである。
上記粘着剤には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、イソシアネート化合物などの架橋剤、シランカップリング剤、粘着付与剤、着色剤、顔料などの粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。また、制御できる範囲内で、還元剤を加えてのレドックス系を採用してもよい。
また、前記粘着剤層の表面にはコロナ処理、プラズマ処理などの易着処理をおこなってもよい。
さらに、このような表面に粘着剤層が露出する場合には、実用に供されるまで剥離処理した剥離シート(セパレーター、剥離フィルム)で粘着剤層を保護してもよい。
セパレーターの構成材料としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などをあげることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
そのプラスチックフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられる。
前記セパレーターの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。
前記セパレーターには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。特に、前記セパレーターの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を適宜おこなうことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
なお、上記の製造方法において、剥離処理したシートは、そのまま表面保護用粘着フィルムなどのセパレーターとして用いることができ、工程面における簡略化ができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして行った。
〔実施例1〕
中間層を構成する樹脂として、スチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物であるSOEエラストマー(商品名:S.O.E−SS L601、旭化成社製)を用いた。最外層を構成する樹脂として、ホモポリプロピレン(結晶性、商品名:F−704NP、出光石油化学社製)を用いた。
これらの樹脂材料を、溶融共押出しにより成膜(単軸押出機にて押出機温度、ダイス温度は200℃にて樹脂を溶融)して、最外層/中間層/最外層が、それぞれ7μm/26μm/7μmの厚さを有する3層の積層フィルムを得た。この積層フィルムの表面(最外層)には、コロナ処理を施した。次いで、この積層フィルムを基材フィルムとした。
その最外層に、乾燥厚さ5μmのアクリル系粘着剤層(酢酸エチル中でブチルアクリレート(80モル)、アクリル酸(10モル)、メチルメタクリレート(10モル)からなる25重量%濃度のアクリル酸エステル系共重合物を作製し、この溶液100重量部(固形分)に対し、架橋剤(ポリイソシアネート、商品名:コロネートL、日本ポリウレタン社製)5重量部添加して粘着剤組成物を調整し、この粘着剤組成物100重量部(固形分)に対してリン酸エステル系界面活性剤(商品名:GAFAC−RL−210、東邦化学工業社製)0.3重量部を添加したもの)を設けて、表面保護用粘着フィルムを得た。
〔実施例2〕
中間層を構成する樹脂として、スチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物であるSOEエラストマー(商品名:S.O.E−SS L601、旭化成社製)100重量部に対してホモポリプロピレン(結晶性、商品名:F−704NP、出光石油化学社製)30重量部を用いたこと、ならびに粘着剤層としてゴム系粘着剤(ポリイソブチレン(商品名:ビスタネックスMML−100、エクソン社製PIB)100重量部および粘着付与樹脂(商品名:エステルガムH、荒川工業社製TF)100重量部からなるもの)を用いたこと以外は実施例1と同様にして表面保護用粘着フィルムを得た。
〔実施例3〕
中間層を構成する樹脂として、スチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物であるSOEエラストマー(商品名:S.O.E−SS L601、旭化成社製)を用いた。
最外層として、ホモポリプロピレン(結晶性、商品名:F−704NP、出光石油化学社製)を用いた。
粘着剤層として、ゴム系SEBSエラストマー(商品名:KRATON G 1657、KRATON社製)100重量部および粘着付与樹脂(商品名:アルコンP−125、荒川工業社製)30重量部からなるものを用いた。
これらの樹脂材料を溶融共押出により成膜(単軸押出機にて押出機温度、ダイス温度は200℃にて樹脂を溶解)して、最外層/中間層/最外層/粘着剤層が、それぞれ7μm/26μm/7μm/5mmの厚さを有する4層の表面保護用粘着フィルムを得た。
〔比較例1〕
実施例1において、基材フィルムの中間層としてSEBSエラストマー(商品名:ダイナロン 8600P、JSR社製)を用いたこと、ならびに粘着剤層の乾燥後の厚さを7μmとしたこと以外は実施例1と同様にして表面保護用粘着フィルムを得た。
〔比較例2〕
実施例1において、基材フィルムの中間層としてSEPSエラストマー(商品名:セプトン 2063、クレラ社製)を用いたこと、ならびに粘着剤層の乾燥後の厚さを7μmとしたこと以外は実施例1と同様にして表面保護用粘着フィルムを得た。
〔比較例3〕
実施例1において、基材フィルムとしてLDPE(商品名:ノバテックLD LF440C、日本ポリエチレン社製)を用いたこと、ならびに粘着剤層の乾燥後の厚さを7μmとしたこと以外は実施例1と同様にして表面保護用粘着フィルムを得た。
〔比較例4〕
実施例1において、基材フィルムとしてPP(商品名:ノバテックPP BC3F、日本ポリプロピレン社製)を用いたこと、ならびに粘着剤層の乾燥後の厚さを7μmとしたこと以外は実施例1と同様にして表面保護用粘着フィルムを得た。
〔比較例5〕
実施例1において、基材フィルムとしてSOEエラストマー(商品名:S.O.E−SS L601、旭化成社製)を用いたこと、ならびに粘着剤層の乾燥後の厚さを7μmとしたこと以外は実施例1と同様にして表面保護用粘着フィルムを得た。
〔比較例6〕
実施例1において、基材フィルムの中間層としてポリプロピレンよりなるハードセグメント100重量部と、エチレン−プロピレンゴムよりなるソフトセグメント80重量部とを有する樹脂(商品名:KS−021P、サンアロマー社製)を用いたこと以外は実施例2と同様にして表面保護用粘着フィルムを得た。
〔比較例7〕
比較例6と同様の3層基材フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして表面保護用粘着フィルムを得た。
実施例および比較例で得られた表面保護用粘着フィルムについて下記評価を行った。結果を表1に示す。
(残留応力の測定)
残留応力を測定するために、表面保護用粘着フィルムから試験片(幅20mm,長さ100mm)を作製した。これをチャック間50mmで設置し、該試験片の変形量が10%となるまで速度300mm/minで延伸し、その後、5分間放置して試験片に発生している応力を測定することにより行った。測定雰囲気温度は23℃とした。
(加工性の評価)
表面保護用粘着フィルムから試験片(100mmφ)を作製した。これをステンレス板(SUS304BA、0.4mm厚)に貼付して、プレス機(AIDA社製60tプレス機)を用いて、40mm角筒絞り、絞り深20mmの絞り加工を行った。その際、フィルムの破れ、浮き(剥がれ)の発生、打痕の発生の有無を調べた。これらの発生しなかったものを「○」、発生したものを「×」とした。
(剥離作業性の評価)
上記の加工終了後に表面保護用粘着フィルムをステンレス板から剥離して、剥離作業性についての評価を行った。なお、剥離作業性の評価は剥離時に粘着フィルムが裂けたりしないか(裂け性)、またフィルムが必要以上に伸びてしまし、作業が困難とならないか(作業性)の2項目について行った。これが原因で剥離作業性が低下しなければ「○」、剥離作業性が低下すれば「×」とした。
(粘着力の測定)
粘着力の測定は、被着体としてステンレス板(日本金属工業社製、製品名:SVS 430BA)を用いて測定した。
具体的には、被着体に2kgローラーを用いて圧着し、30分経過後にインストロン(島津製作所社製、オートグラフ)により引張速度300mm/分、180°ピールの条件で測定した。なお、測定環境および保存環境は23℃/50%RHであった。
(貼合せ作業性の評価)
表面保護用粘着フィルムを、ステンレス板(SUS304BA,0.4mm厚)にハンドローラで貼合わせる際に、当該フィルムにカールが発生するか否かについて評価した。カールが発生しなければ「○」、カールが発生すれば「×」とした。
Figure 0004574526
表1からも分かるように、実施例1〜3で作製した表面保護用粘着フィルムは、残留応力が小さく、低粘着力で浮きの発生を抑制し、また加工性、剥離作業性、貼合せ作業性についても良好であることが認められる。
本発明の表面保護用粘着フィルムの断面図の一態様である。
符号の説明
A:フィルム基材
B:粘着剤層
a1:最外層の結晶性ポリオレフィン層
a2:中間層のスチレン−ジエンランダム共重合体層

Claims (8)

  1. 少なくとも3層が積層されている積層フィルムからなる表面保護用フィルム基材であって、
    前記積層フィルムの両最外層は結晶性ポリオレフィン層(a1)であり、かつ両最外層に挟まれた中間層はスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)を少なくとも1層有し、
    前記結晶性ポリオレフィン層が、結晶性ポリプロピレン層であることを特徴とする表面保護用フィルム基材。
  2. 前記スチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)は、スチレン−ブタジエンランダム共重合の水素添加物層であることを特徴とする請求項1に記載の表面保護用フィルム基材。
  3. 請求項1または2に記載の表面保護用フィルム基材の片面に粘着剤層を有することを特徴とする表面保護用粘着フィルム。
  4. 前記フィルム基材と前記粘着剤層が共押出成形により一体に形成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の表面保護用粘着フィルム。
  5. 前記表面保護用粘着フィルムは、変形量が10%である場合の残留応力が、6N/mm2以下となるものであることを特徴とする請求項3または4に記載の表面保護用粘着フィルム。
  6. フィルム基材と粘着剤層とを、共押出成形により一体に形成する工程を有する表面保護用粘着フィルムの製造方法であって、
    前記フィルム基材は、少なくとも3層が積層されている積層フィルムからなり、前記積層フィルムの両最外層は結晶性ポリオレフィン層(a1)であり、かつ両最外層に挟まれた中間層はスチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)を少なくとも1層有し、
    前記結晶性ポリオレフィン層が、結晶性ポリプロピレン層であることを特徴とする表面保護用粘着フィルムの製造方法。
  7. 前記スチレン−ジエンランダム共重合体層(a2)は、スチレン−ブタジエンランダム共重合の水素添加物層であることを特徴とする請求項6に記載の表面保護用粘着フィルムの製造方法。
  8. 前記表面保護用粘着フィルムは、変形量が10%である場合の残留応力が、6N/mm2以下となるものであることを特徴とする請求項6または7に記載の表面保護用粘着フィルムの製造方法。
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